JP2013024831A - からくり時計 - Google Patents

Abstract

【課題】 指針軸が固定して設けられるからくり時計において、より簡易な構成によって機構の省力化を図り、用いられる複数枚の文字板の合理的な配置構成を備えたからくり時計を得ること。
【解決手段】 時計支持板１００と平行な面に沿って文字板の一部が回転する形式の時計のからくり時計において、時計支持板１００に固着される円形状の第１文字板部１と、駆動モータＭにより回転する第２文字板部２と、を備え、第１文字板部１は、当該第１文字板部の中心ｓから離れた箇所に指針軸１０１を挿通する指針軸挿通部１ａを備え、第２文字板部２は、前記円形状の第１文字板部１の中心ｓと一致した位置に回転中心が設けられるとともに、この第１文字板部１と同形状の円形の切欠孔２ａを備えたからくり時計である。
【選択図】 図２

Description

本発明は、文字板が回転する構造のからくり時計に関する。

一般的なからくり時計において、文字板が回転するものが知られている。この種のからくり時計は、例えば正時になると、１枚に組み合わされていた文字板が、複数枚に分割するとともに所定の軸の周りに回転するもの、或いは、重畳的に組み合わされていた複数枚の文字板が、それぞれの軸の周りに回転するもの等が案出されている（特許文献１〜３）。

上述の文字板が回転する構造のからくり時計は、各個の分割文字板間において、駆動機構が重畳的に配置されるのが一般的であり、また、各個の分割文字板間にはこれらを連係する連係機構が設けられている。

特開２００１−１５３９７１号公報 特開２００４−０２８９７２号公報 特開２００４−０３７３１９号公報

上述した文字板が回転する構造のからくり時計において、文字板を貫通して配置される指針軸は通常固定して設けられており、この指針軸を回避するようにして各駆動機構及び連係機構が設けられている。

とりわけ、各個の分割文字板間において駆動機構が重畳的に配置されるため、文字板周りの前後方向幅が分割文字板の数に比例して大きくなり、また、各個の分割文字板間における連係機構が複雑多岐に亘るので、必然的に部品点数が多くなる。更に、文字板が回転するためその回転中心たる回転軸が必要となるが、このような駆動機構及び連係機構のため、文字板の回転中心のレイアウトに制約がある等の問題点を有している。

本発明は、指針軸が固定して設けられるこの種のからくり時計において、より簡易な構成によって機構の省力化を図るとともに、用いられる複数枚の文字板の合理的な配置構成により、見栄えが良く且つからくり効果を向上し得るからくり時計を提案するものである。

本願第１請求項に記載した発明は、実施例で用いた符号を付して記すと、時計支持板１００と平行な面に沿って文字板の一部が回転する形式の時計のからくり時計において、
時計支持板１００に固着される円形状の第１文字板部１と、駆動モータＭにより回転する第２文字板部２と、を備え、
前記第１文字板部１は、当該第１文字板部の中心ｓから離れた箇所に指針軸１０１を挿通する指針軸挿通部１ａを備え、
前記第２文字板部２は、前記円形状の第１文字板部１の中心ｓと一致した位置に回転中心が設けられるとともに、この第１文字板部１と同形状の円形の切欠孔２ａを備えたことを特徴とするからくり時計である。

本願第２請求項に記載した発明は、請求項１において、前記第１文字板部１は、前記指針軸挿通部１ａを備えた箇所がリング状に形成されるリング部１ｂを備えるとともに、このリング部１ｂの内側には、当該リング部に対し回転可能に設けられる第３文字板部３を装着し、この第３文字板部３は、その回転中心と前記第２文字板部２の回転中心とが同一位置（中心ｓ）に設けられており且つ、前記第２文字板部２の回転に駆動連係して回転する構成のからくり時計である。

本願第３請求項に記載した発明は、請求項２において、前記第１文字板部１が設けられている箇所の時計支持板１００に、その回転中心が当該第１文字板部１の中心ｓと一致する第１連結歯車板１０と、この第１連結歯車板１０と同軸状の第２連結歯車板２０をそれぞれ回転可能に設け、
前記第１連結歯車板１０は、前記駆動モータＭにより回転するものであって、中央に短筒部１１を形成するとともに、この短筒部１１の外側に円板状の鍔部１２を備え、更に、前記短筒部１１の内周には内歯車１３を備えるとともに、前記鍔部１２の外周には、前記駆動モータＭに噛合連係する外歯車１４を備え、
前記第２連結歯車板２０は、外周に外歯車２１を備えるとともに、中央部に前記第３文字板部３を同行回転可能に固着する固着部２２を有し、
前記短筒部１１の前記内歯車１３と、前記第２連結歯車板２０の前記外歯車２１とに噛合連係する連係歯車４を前記時計支持板１００に回転可能に設け、
更に、前記第２文字板部２は、前記第１連結歯車板１０に同行回転可能に固着して構成され、
前記駆動モータＭの回転により、前記第１連結歯車板１０が回転して前記第２文字板部２が回転するとともに、前記第１連結歯車板１０の前記内歯車１３と噛み合う連係歯車４及びこれと噛み合う前記第２連結歯車板２０が回転して、前記第３文字板部３が回転する構成のからくり時計である。

本願第１請求項に記載した発明において、例えば正時にからくり動作が開始して、第２文字板部２が回転する場合、第２文字板部２は、指針軸１０１とは異なる箇所を回転中心として回転するので、その回転は指針軸１０１に対する偏心回転動作となって、より一層からくり効果を醸し出すことが可能となる。また、第２文字板部２は、前記円形状の第１文字板部１の中心ｓと一致した位置に回転中心が設けられるとともに、この第１文字板部１と同形状の円形の切欠孔２ａを備えるので、切欠孔２ａの円形中心は第１文字板部１の中心ｓと一致することとなる。その結果、第２文字板部２が回転しても、第１文字板部１は、常時、第２文字板部２の切欠孔２ａに照応して位置することとなり、第２文字板部２が第１文字板部１の手前側に設けられていても、第１文字板部１は第２文字板部２の切欠孔２ａを通して見ることができる。従って、第２文字板部２が、第１文字板部１の奥側に設けられている場合は勿論、鉛直面位置に重なっている場合や手前側に設けられている場合でも、この第２文字板部２の回転によって、第１文字板部１が見えなくなることはない。また、第２文字板部２が回転しても、指針軸は常に切欠孔２ａ内に位置しているので、この第２文字板部２の回転動作が指針軸によって阻止されることもない。

また、本願第２請求項に記載した発明のように、第１文字板部１が、指針軸挿通部１ａを備えた箇所がリング状に形成されるリング部１ｂを備えて、このリング部１ｂの内側に、当該リング部に対し回転可能に設けられる第３文字板部３を装着し、この第３文字板部３の回転中心と第２文字板部２の回転中心とを同一位置（中心ｓ）に設け、第３文字板部３を第２文字板部２の回転に駆動連係して回転するように構成した場合は、第３文字板部３が追加装着されて装飾性が向上し、また、この第３文字板部３が第２文字板部２に連係して回転するので、からくり効果の著効性も高まるものとなる。

また、本願第３請求項に記載した発明のように、第１文字板部１の中心ｓと一致する第１連結歯車板１０及びこれと同軸状の第２連結歯車板２０をそれぞれ回転可能に設け、第１連結歯車板１０に中央の短筒部１１、外側に円板状の鍔部１２を備え、短筒部１１の内周に内歯車１３を、また、鍔部１２の外周に駆動モータＭに噛合連係する外歯車１４を、備せしめ、一方、第２連結歯車板２０は、外周に外歯車２１を備えて、中央部に第３文字板部３を同行回転可能に固着し、そして、短筒部１１の内歯車１３と、第２連結歯車板２０の外歯車２１とに噛合連係する連係歯車４を設け、更に、第２文字板部２は、第１連結歯車板１０に同行回転可能に固着して構成した場合は、駆動モータＭの回転により、第１連結歯車板１０が回転して第２文字板部２が回転し、また、第１連結歯車板１０の内歯車１３と噛み合う連係歯車４及びこれと噛み合う第２連結歯車板２０が回転して、第３文字板部３が回転する構造を得ることができる。この場合、連係歯車４の数を１個（奇数）或いは２個（偶数）とすることによって、第２文字板部２と第３文字板部３を同行回転或いは相互に反転させることが可能になる。

本発明の実施例に係り、からくり時計を示す正面外観図である。 本発明の実施例に係り、からくり機構を示す斜視図である。 本発明の実施例に係り、時計支持板に組み込まれたからくり機構を示す正面図である。 本発明の実施例に係り、からくり機構を示す縦断側面図である。 図４の分解図である。 図４における時計支持板の拡大図である。 本発明の実施例に係り、第２文字板部及び第３文字板部が回転している状態を示す正面図である。 本発明の実施例に係り、第２文字板部及び第３文字板部が回転している状態を示す正面図である。 本発明の実施例に係り、第２文字板部及び第３文字板部が回転している状態を示す正面図である。

以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。本例における時計のからくり構造は、基本的構成として、時計支持板１００（前側支持板１００ａ及び後側支持板１００ｂ）に固着される円形状（中心ｓ）の第１文字板部１と、駆動モータＭにより回転する第２文字板部２と、を備える。尚、本例の場合は、後述する第３文字板部３を別途設け、この第３文字板部３も回転するように設けられている。

第１文字板部１は、当該第１文字板部の中心ｓから離れた箇所に指針軸１０１を挿通する指針軸挿通部１ａを備える。更に、第１文字板部１は、本例の場合、外周側に、リング状に形成されるリング部１ｂを備える。そして、指針軸挿通部１ａは、リング部１ｂに形成される。尚、リング部１ｂの内側には、当該リング部に対し回転可能に第３文字板部３を装着する。この第３文字板部３は、その回転中心と前記第２文字板部２の回転中心とが同一位置（中心ｓ）に設けられており且つ、前記第２文字板部２の回転に駆動連係して回転する。尚、図１の正面外観図においては、第１文字板部１の内側に第３文字板部３が装着されているので、第１文字板部１はリング部１ｂのみ露呈している。

また、第２文字板部２は、前記円形状の第１文字板部１の中心ｓと一致した位置に回転中心が設けられるとともに、この第１文字板部１と同形状の円形の切欠孔２ａを備える。従って、切欠孔２ａの円形中心は第１文字板部１の中心ｓと一致することとなる。その結果、第２文字板部２が回転しても、第１文字板部１は、常時、第２文字板部２の切欠孔２ａに照応して位置する。

そして、本例のからくり構造は、時計支持板１００と平行な面に沿って文字板の一部（本例では第２文字板部２及び第３文字板部３）が回転するように設けられている。尚、この実施例では、第２文字板部２は、後述する円形の切欠孔２ａが、第１文字板部１の外周縁に回転可能に嵌合して、第１文字板部１と第２文字板部２は表面が面一（各面が同一鉛直面）に設けられている。

このようなからくり構造において、例えば正時にからくり動作が開始して、第２文字板部２が回転すると、この第２文字板部２は、指針軸１０１とは異なる箇所を回転中心として回転するので、その回転は指針軸１０１に対する偏心回転動作となって、より一層からくり効果を醸し出すことが可能となる。

また、第２文字板部２は、第１文字板部１に照応し且つその円形中心が第１文字板部１の中心ｓと一致した円形の切欠孔２ａを備えるので、第２文字板部２が回転しても、第１文字板部１は、常時、第２文字板部２の切欠孔２ａに照応して位置することとなる。このようなことから、第２文字板部２が、第１文字板部１の奥側に設けられている場合は勿論、鉛直面位置に重なっている場合や手前側に設けられている場合でも、この第２文字板部２の回転によって、第１文字板部１が見えなくなることはない。また、第２文字板部２が回転しても、指針軸は常に切欠孔２ａ内に位置しているので、この第２文字板部２の回転動作が指針軸１０１によって阻止されることもない。

次に、第２文字板部２及び第３文字板部３の回転機構について説明する。

前記時計支持板１００の第１文字板部１が設けられている箇所に、第１連結歯車板１０なる歯車体を回転可能に設ける。この第１連結歯車板１０は、その回転中心が当該第１文字板部１の中心ｓと一致するように設けられている。

第１連結歯車板１０は、駆動モータＭにより回転するものであって、中央に短筒部１１を形成するとともに、この短筒部１１の外側に円板状の鍔部１２を備える。更に、短筒部１１の内周には内歯車１３を備え、また、鍔部１２の外周には、駆動モータＭに噛合連係する外歯車１４を備える。

前記短筒部１１とは反対側の鍔部１２には、リング状のカム部１５が背面側に突出形成されており、このカム部１５の外周側の要所には、回転軸に対して放射方向に突出する突出部１６が設けられている。この突出部１６は、本例のからくり構造における回転部の検出機構を構成するものであって、この検出機構に設けられるスイッチ（図示を省略）の先端が、からくり駆動時に前記突出部１６と当接してトリガーが入り、これにより第１連結歯車板１０の回転状態を検出して、駆動モータＭの駆動やその余の機構等の制御を行うものである。尚、図例のカム部１５は、正面から見ると凹形状となっている。

駆動モータＭは、本例の場合、モータユニット４０に装着されている。モータユニット４０は、駆動モータＭに固着した歯車４１から、減速歯車４２を噛合させて、出力歯車４３に駆動力が伝達されるように構成されている。この出力歯車４３は、第１連結歯車板１０の外歯車１４と噛み合っている。また、第２文字板部２は、第１連結歯車板１０に同行回転可能に固着している。

更に、時計支持板１００の第１文字板部１が設けられている箇所で且つ第１連結歯車板１０と同軸状に、第２連結歯車板２０なる歯車体を回転可能に設ける。この第２連結歯車板２０は、外周に外歯車２１を備えるとともに、中央部に前記第３文字板部３を同行回転可能に固着する固着部２２を有する。

更に、第１連結歯車板１０と第２連結歯車板２０との間において、短筒部１１の内歯車１３と、第２連結歯車板２０の外歯車２１とに噛合連係する連係歯車４を、時計支持板１００に回転可能に設けている。

上記のように構成される本例のからくり構造において、駆動モータＭが回転すると、第１連結歯車板１０が回転して、これに固着した第２文字板部２が回転するとともに、第１連結歯車板１０の内歯車１１と噛み合う連係歯車４及びこれと噛み合う第２連結歯車板２０が回転して、第３文字板部３が回転する。第２文字板部２と第３文字板部３は、連係歯車４が１つ等の奇数の場合、同方向に回転し、また、連係歯車４が偶数の場合は相互に反対方向に回転する。

また、本例のからくり構造には、第１連結歯車板１０の外歯車１４と歯合連係して回転する装飾回転装置５０が設けられている。

この装飾回転装置５０は、時計支持板１００に回転自在に設けられる装飾回転板５１と、この装飾回転板５１を中央取付け孔５２ａに取付ける回転歯車５２と、この回転歯車５２及び第１連結歯車板１０の外歯車１４間を連係する連係歯車５３とで構成されている。

この実施例では、装飾回転装置５０は時計文字板の正面上部に１組と、左右の３時及び９時の方向に各１組の計３組設けられている。

このような本例のからくり構造において、正時に図示を省略した制御部から駆動信号が送られて、駆動モータＭが回転すると、上述したように、第１連結歯車板１０が回転して、これに固着した第２文字板部２が回転するとともに、第３文字板部３が回転し、更に、装飾回転装置５０が作動し、その装飾回転板５１が回転する（図７〜図９）。

尚、第２文字板部２の回転は、図９に示す１８０°の位置から、そのまま回転を続けて元の位置に戻る動作形態と、当該位置から逆転して元の位置に戻る動作形態、また、適宜の角度を正逆回転しながら時計方向或いは反時計方向に作動するもの等、適宜の動作形態を採ることができる。

本発明のからくり時計は、部品点数の省力化に優れ、また、からくり効果にも優れたものであり、壁掛け時計等の時計一般に好適に利用することができるものである。

１ 第１文字板部
１ａ 指針軸挿通部
１ｂ リング部
２ 第２文字板部
２ａ 切欠孔
３ 第３文字板部
４ 連係歯車
１０ 第１連結歯車板
１１ 短筒部
１２ 鍔部
１３ 内歯車
１４ 外歯車
１５ リング状のカム部
１６ 突出部
２０ 第２連結歯車板
２１ 外歯車
２２ 固着部
４０ モータユニット
４１ 歯車
４２ 減速歯車
４３ 出力歯車
５０ 装飾回転装置
５１ 装飾回転板
５２ 回転歯車
５２ａ 孔
５３ 連係歯車
１００ 時計支持板
１００ａ 前側支持板
１００ｂ 後側支持板
１０１ 指針軸
ｓ 中心
Ｍ 駆動モータ

Claims (3)

1. 時計支持板と平行な面に沿って文字板の一部が回転する形式の時計のからくり時計において、
   時計支持板に固着される円形状の第１文字板部と、駆動モータにより回転する第２文字板部と、を備え、
   前記第１文字板部は、当該第１文字板部の中心から離れた箇所に指針軸を挿通する指針軸挿通部を備え、
   前記第２文字板部は、前記円形状の第１文字板部の前記中心と一致した位置に回転中心が設けられるとともに、この第１文字板部と同形状の円形の切欠孔を備えたことを特徴とするからくり時計。
2. 前記第１文字板部は、前記指針軸挿通部を備えた箇所がリング状に形成されるリング部を備えるとともに、このリング部の内側には、当該リング部に対し回転可能に設けられる第３文字板部を装着し、この第３文字板部は、その回転中心と前記第２文字板部の回転中心とが同一位置に設けられており且つ、前記第２文字板部の回転に駆動連係して回転する構成を備えたことを特徴とする請求項１記載のからくり時計。
3. 前記第１文字板部が設けられている箇所の時計支持板に、その回転中心が当該第１文字板部の前記中心と一致する第１連結歯車板と、この第１連結歯車板と同軸状の第２連結歯車板をそれぞれ回転可能に設け、
   前記第１連結歯車板は、前記駆動モータにより回転するものであって、中央に短筒部を形成するとともに、この短筒部の外側に円板状の鍔部を備え、更に、前記短筒部の内周には内歯車を備えるとともに、前記鍔部の外周には、前記駆動モータに噛合連係する外歯車を備え、
   前記第２連結歯車板は、外周に外歯車を備えるとともに、中央部に前記第３文字板部を同行回転可能に固着する固着部を有し、
   前記短筒部の前記内歯車と、前記第２連結歯車板の前記外歯車とに噛合連係する連係歯車を前記時計支持板に回転可能に設け、
   更に、前記第２文字板部は、前記第１連結歯車板に同行回転可能に固着して構成され、
   前記駆動モータの回転により、前記第１連結歯車板が回転して前記第２文字板部が回転するとともに、前記第１連結歯車板の前記内歯車と噛み合う連係歯車及びこれと噛み合う前記第２連結歯車板が回転して、前記第３文字板部が回転する構成を備えたことを特徴とする請求項２記載のからくり時計。

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