JP2013019714A - 付着力測定方法及び付着力測定装置 - Google Patents

付着力測定方法及び付着力測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】部材上の粉体の付着力を精度良く測定することができる付着力測定方法及びその付着力測定方法を用いた付着力測定装置を提供することである。
【解決手段】原子間力顕微鏡を用い、探針で保持した粉体を部材上から引き離すときの探針のたわみ量をたわみ量検出手段で検出し、そのたわみ量に基づいて部材と粉体との間の付着力を求める付着力測定方法において、前記探針が開閉可能なピンセット構造であり、部材上の粉体を探針で掴んだ後、部材上から粉体を引き離すときの探針のたわみ量をたわみ量検出手段で検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の部材上における粉体と前記所定の部材との間で生じる付着力を測定する付着力測定方法、及び、その付着力測定方法を用いた付着力測定装置に関するものである。
従来、電子写真方式の画像形成装置では、トナーやキャリアなどの粉体を、複数の部材間を移動させることにより画像を形成する。そのため、部材と粉体との間で作用する付着力の大きさは、部材間での粉体の移動の可否に直接関わり、画像品質に大きな影響を及ぼす。その為、画像品質改善の為のメカニズム解析や、部材及びトナーなどの粉体の品質確認のために、部材と粉体との間で作用する付着力を測定する付着力測定方法が提案されている。
特許文献1に記載の付着力測定方法では、原子間力顕微鏡の探針の先端と粉体とを接着剤で固定して、原子間力顕微鏡内で部材上に粉体を接触させた後、部材上から粉体を引き離し、そのときの探針のたわみ量を検出することで部材と粉体との間で作用する付着力を測定している。
しかしながら、探針の先端に接着剤で粉体を固定するときに、粉体の部材と接する部分まで接着剤が回り込んでしまうと、接着剤を介して部材と粉体とが接触してしまう。そのため、部材と粉体とが直接接触している場合と接触状態が異なってしまうので、部材と粉体との間で作用する付着力を精度良く測定することができなくなるといった問題が生じる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、部材上の粉体の付着力を精度良く測定することができる付着力測定方法及びその付着力測定方法を用いた付着力測定装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、原子間力顕微鏡を用い、探針で保持した粉体を部材上から引き離すときの探針のたわみ量をたわみ量検出手段で検出し、そのたわみ量に基づいて部材と粉体との間の付着力を求める付着力測定方法において、前記探針が開閉可能なピンセット構造であり、前記部材上の粉体を該探針で掴んだ後、部材上から粉体を引き離すときの該探針のたわみ量を前記たわみ量検出手段で検出することを特徴とするものである。
本発明においては、部材上の粉体を探針で掴んだ後、部材上から粉体を引き離すときの探針のたわみ量をたわみ量検出手段で検出するので、部材と粉体とが直接接触した接触状態での探針のたわみ量を検出することができる。これにより、部材と粉体とが直接接触した状態での部材と粉体との間に作用する付着力を測定することができる。よって、接着剤を介して部材と粉体とが接触した接触状態で部材上の粉体の付着力を測定する場合よりも、部材上の粉体の付着力を精度良く測定することができる。
以上、本発明によれば、部材上の粉体の付着力を精度良く測定することができるという優れた効果がある。
MEMSプローブを斜め上から見た場合での試料−粉体間の付着力の測定方法の説明図。 MEMSプローブを真横から見た場合での試料−粉体間の付着力の測定方法の説明図。 MEMSプローブのたわみ量の検出方法について説明する図。 MEMSプローブの斜視図。 本発明を適用したプリンタの一例における主要構成を示す模式図。 タンデム型のフルカラー画像形成装置の主要構成を示す模式図。 リボルバタイプのフルカラー画像形成装置の主要構成を示す模式図。 感光体の感光層の断面図。 形状係数SF1を説明するためにトナーの形状を模式的に表した図。 中間転写体の縦断面図。
本発明の付着力測定方法を用いた付着力測定装置の一実施形態について説明する。本実施形態においては、粉体1個体と試料との間で作用する付着力の測定を、付着力測定装置として原子間力顕微鏡を用いて行っており、以下に、原子間力顕微鏡とそれを用いた付着力測定方法の概要を述べる。
<原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope)について>
原子間力顕微鏡の動作原理については、多くの公知の文献(例えば非特許文献1など)がある。窒化ケイ素や二酸化ケイ素などの物質表面を有する探針(プローブチップ、以下、チップともいう。)を先端に有するカンチレバーを用いて、チップを測定試料表面に近付けて、試料表面間とプローブチップの間に働く力(表面間力)を、フォトダイオードの反射を用いてカンチレバーの反りあるいは撓みとして測定し、シグナルとしてフィードバック制御に結び付け、チップと試料表面間の距離をピエゾ素子によって制御するというのが代表的な非接触型AFMの動作原理である。
<付着力測定方法>
原子間力顕微鏡で付着力を測定する方法としては、フォースカーブ法、もしくは、フォースディスタンスカーブ法といわれる方法がある。具体的な測定行為としては、カンチレバー先端と試料表面の離間、接触、離間を連続しておこなう。カンチレバー先端と試料表面の離間の瞬間のカンチレバーのたわみ量から、カンチレバーと試料表面の付着力を測定する方法である(例えば特許文献1など)。
<MEMS(Micro Electro Mechanical System)プローブの原子間力顕微鏡への搭載について>
本実施形態では、探針としてMEMSプロセスにより作製したMEMSプローブを用いている。このMEMSプローブを原子間力顕微鏡に搭載する方法としては、例えば、特許文献2や特許文献3や非特許文献2などがある。
特許文献2には、カンチレバー先端に2本のカーボンナノチューブを固定し、一方のカーボンナノチューブを探針として、微小物体の観察に用いることが記載されている。そして、2本のカーボンナノチューブの先端部を静電力などにより開閉させて、微小物体の保持をおこなうようにしている。
特許文献3や非特許文献2には、静電アクチュエータを原子間力顕微鏡の検出器に使用する例が記載されている。ピンセットの両端の固有振動数が異なるように形状を設計し、片端を自励信号により振動させることで試料表面の観察に用い、他方を開閉可能にすることで、微小物体の保持に用いている。
何れの方法も、微小な表面形状観察機能として原子間力顕微鏡を使用し、微小物体を保持する機能としてMEMSプローブを用いるという方法である。
<動作原理>
図1は本実施形態に係るMEMSプローブ80を斜め上から見た場合での試料82と粉体81との間の付着力の測定方法の説明図である。図2は図1に示したMEMSプローブ80を真横から見た場合での試料82と粉体81との間の付着力の測定方法の説明図である。
本実施形態における試料82と粉体81との間の付着力の測定の流れは、図1や図2に示した通りである。すなわち、試料82の表面上に存在する粉体81の中から、評価したい粉体81を選択した後、図1(a)や図2(a)に示すようにMEMSプローブ80を下降させて、図1(b)や図2(b)に示すように対象の粉体81を両端から挟むようにMEMSプローブ80の先端を動かすことで、MEMSプローブ80で粉体81を保持する。このようにMEMSプローブ80で粉体81を保持した後、図1(c)や図2(c)に示すように粉体81が垂直方向に引き上げられるようMEMSプローブ80を上昇させて、図1(d)や図2(d)に示すように試料82上から粉体81を引き離す。
ここで、MEMSプローブ80で試料82上から粉体81を引き上げるときに、試料82の表面と粉体81との間に作用する付着力によって、図1(c)に示すようにMEMSプローブ80が垂直方向にたわむ。そのため、このときのMEMSプローブ80のたわみ量を検出し、そのたわみ量とMEMSプローブ80のバネ定数との積を算出することで、試料82と粉体81との間の付着力を求めることができる。
なお、MEMSプローブ80で粉体81を掴む際のMEMSプローブ80の先端の開閉は、一般に電極間に働く静電気力を利用して動作する静電アクチュエータと呼ばれる駆動方法で開閉させる。例えば、特許文献4に記載されている方法などを用いることが可能である。
次に、MEMSプローブ80のたわみ量の検出方法について説明する。原子間力顕微鏡の特に光てこ方式と呼ばれる方式は、半導体レーザー90からレーザー光LをMEMSプローブ80の背面に照射し、その反射光を4分割ディテクター91で検出する、という構成をとる。本実施形態では、ピンセット形状のMEMSプローブ80を探針として用いるが、図3に示すように、MEMSプローブ80のピンセット形状の片端に半導体レーザー90からレーザーLを照射して、その反射光を4分割ディテクター91で検出できるように光学系を組むことで、MEMSプローブ80のたわみ量を検出することができる。
なお、4分割ディテクター91上での反射光の位置変化から、MEMSプローブ80のたわみ量を算出するための換算値は、以下のように求められる。
硬度が高く、且つ、平滑性の高い平板を試料82として用い、その試料82にMEMSプローブ80を接触した状態にする。その状態から試料82が設置されたステージを複数回、規定の値だけ上下方向に移動させて、その際の反射光の位置の変化量を求める。硬度の高い試料82であれば、ステージの上下量がMEMSプローブ80の先端の変位量、すなわち、たわみ量に相当する。これにより、MEMSプローブ80のたわみ量と反射光変換の換算値が求められることになる。
具体的な平板の試料82としては、シリコン基板などが使用可能である。また、ステージの上下動は、例えば、10[nm]を10回繰り返して移動させることで十分である。換算値を求める際は、ステージを10回繰り返して上下方向に移動させたときの反射光変化の平均値を算出すれば良い。
測定対象となる粉体81の位置確認だが、粒径が1[μm]以上であれば、原子間力顕微鏡に一般的に付随している光学顕微鏡、CCDで十分に位置を特定できる。粒径が1[μm]未満の場合、特許文献3に記載された方法のようにピンセット構造のMEMSプローブ80の片端で、原子間力顕微鏡の表面形状観察モードにより、表面を観察する必要がある。
<ピンセット形状とバネ定数の関係>
本発明では、MEMSプローブ80が対象となる粉体81を保持する機能と、粉体81を保持しつつ付着力を計測する機能を持つことが求められる。特に、後者に関しては、力計測の感度を保障するために、MEMSプローブ80が適切な硬度(バネ定数)である必要がある。すなわち、MEMSプローブ80があまりに柔らかすぎると(バネ定数が小さすぎると)試料82上から粉体81を引き剥がすことができなくなり、MEMSプローブ80があまりに硬すぎると(バネ定数が大きすぎると)試料82上から粉体81を引き剥がす際にMEMSプローブ80が殆どたわまず、付着力測定の感度が殆ど無くなってしまう。
具体的に設計すべきバネ定数は、対象とする粉体81に作用する付着力の大きさに依存する。例えば、本発明が主な対象とする画像形成装置に用いられるトナーの付着力は、数[nN]から数百[nN]である。この範囲の付着力を適切に計測できるバネ定数は、およそ0.1[N/m]〜100[N/m]である。
一般にカンチレバーを含む板バネのバネ定数k[N/m]の値は、数1で与えられるため、下記の式で計算されるバネ定数kが0.1[N/m]〜100[N/m]の範囲に入るように、図4に示すMEMSプローブ80の幅w、長さL、厚みtを設計すればよい。MEMSプローブ80のバネ定数kが0.1[N/m]〜100[N/m]の範囲にあることで、MEMSプローブ80が試料82上から粉体81を引き離せるほどの強度があり、且つ、力計測が可能な程度にしなるため、付着力計測の感度保証が得られる。なお、カンチレバーやMEMSプローブ80でよく用いられるSiのヤング率Eは5×1010[Pa]、SiNのヤング率Eは7.3×1010[Pa]である。
Figure 2013019714
なお、数1中のEはヤング率、wはプローブの幅、tはプローブの厚み、Lはプローブの長さである。
具体的なMEMSプローブ80の構成の例としては、次の3つが考えられる。
[構成例1]
探針であるMEMSプローブ80は、MEMSプロセスにて作製するものであり、主たる材料はシリコンやシリコンナイトライドである。探針の基本形状作製後に、特に処理を施すことなく探針として使用することができるので、コスト面で最も安価な方法であり、低コスト化を図ることができる。
[構成例2]
構成例1のMEMSプローブ80を用いた場合では、粉体81をMEMSプローブ80で掴むときに、粉体81とMEMSプローブ80との接触帯電(除電)により、粉体81の帯電状態を変えてしまう虞がある。
そこで、本構成例では、MEMSプロセスにより作製したシリコンやシリコンナイトライド製のMEMSプローブ80の表面を、導電性材料でコートしている。このようにMEMSMプローブ80の表面を導電性材料でコートすることで、粉体81をMEMSプローブ80で掴んだときに生じ得る、粉体81とMEMSプローブ80との接触帯電を低減させることができる。よって、粉体81の帯電状態をMEMSプローブ80で掴む前の試料82上に粉体81が付着したときの状態とほぼ同じ状態で、粉体81の付着力を測定することが可能となる。
なお、MEMSプローブ80の表面をコートする導電性材料としては、金や白金等が使用できる。また、MEMSプローブ80を保持する保持部材であるホルダーを接地する(アースを取る)ことで、粉体81をMEMSプローブ80で掴んだときに生じ得る、粉体81とMEMSプローブ80との接触帯電をより低減させることができ、粉体81の付着力をより精度良く測定することができる。
[構成例3]
粉体81とMEMSプローブ80との間で生じ得る接触帯電は、接触する2つの物体の間の表面電位の違いによって発生する現象である。そのため、MEMSプローブ80の表面材料に、粉体81と同じ表面材料を用いることでも、粉体81とMEMSプローブ80との接触帯電を低減させることができる。この場合、対象とする粉体81の材質によって、MEMSプローブ80の表面をコートする材料を変える必要は有るものの、粉体81とMEMSプローブ80との間で生じ得る接触帯電を抑制するという点では、有効な方法である。
対象とする粉体81の表面は、必ずしも全面同一の材料で構成されているわけではないが、その主たる材料でMEMSプローブ80の表面をコートすれば、前述したような接触帯電を低減させる効果を十分に発揮することができる。例えば、粉体81として電子写真用トナーをMEMSプローブ80で掴む場合は、トナーの主たる表面材料であるポリエステルでMEMSプローブ80の表面をコートすることで、粉体81とMEMSプローブ80との接触帯電を抑制することができる。
また、MEMSプローブ80の表面にコートする材料としては、必ずしも対象の粉体81と同一材料でなくても、帯電系列にて粉体81の表面材料に近い材料であれば、粉体81とMEMSプローブ80との接触帯電を低減させることができる。例えば、粉体81としてポリエステルで主に構成されている電子写真用トナーであれば、ポリプロピレンやアクリルでMEMSプローブ80の表面をコートすることにより、粉体81とMEMSプローブ80との接触帯電を低減させることができる。
<電子写真用部材>
<画像形成装置とその搭載部材>
本発明は、例えば、以下に示すような画像形成装置に用いられる部材とトナー、キャリアとの間に作用する付着力を計測するのに用いることができる。ただし、その適用範囲は、以下に限るものではなく、例えば、ガラス表面上に付着したほこりの付着状態等を解析することにも適用できる。
図5は、画像形成装置の一例における主要構成を示す模式図である。図5に示す画像形成装置においては、図示しない本体筐体内に、図5中時計方向に回転駆動される感光体2が収納されている。感光体2の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ3、静電潜像形成手段としての光書込装置4、現像手段としての現像装置5、転写手段としての転写ローラ6、クリーニング手段としてのクリーニング装置7、除電手段としての除電装置8等が設けられている。
画像形成装置は、複数枚の記録材としての記録紙Pを収納する図示しない給紙カセットを備えている。給紙カセット内の記録紙Pは、図示しない給紙ローラにより1枚ずつ図示しないレジストローラ対に送られ、レジストローラ対でタイミング調整された後、転写ローラ6と感光体2との間の転写領域に送り出される。
図5に示す画像形成装置において画像形成を行う場合、まず、感光体2を図5中時計方向に回転駆動して感光体2の表面を帯電ローラ3で一様に帯電する。その後、一様に帯電された感光体2の表面部分に対し、画像データで変調されたレーザーを光書込装置4により照射して、感光体2の表面に静電潜像を形成する。感光体2の表面上の静電潜像には、現像装置5によりトナーが付着し、これによりトナー像が形成される。このトナー像は、感光体2と転写ローラ6との間の転写領域に搬送されてきた記録紙P上に転写される。トナー像が転写された記録紙Pは、定着部(不図示)に搬送される。定着部は、内蔵ヒータにより所定の定着温度に加熱される定着ローラと、定着ローラに所定圧力で押圧される加圧ローラとを備え、転写領域から搬送されてきた記録紙Pを加熱及び加圧して、記録紙P上のトナー像を記録紙Pに定着させる。定着後の記録紙Pは、図示しない排紙トレー上に排出する。
一方、転写領域を通過後の感光体2の表面に残留した転写残トナーは、クリーニング装置7のファーブラシ13及びクリーニングブレード14により掻き取られて感光体2の表面から除去される。その後、除電装置8により感光体2の表面を除電し、次の画像形成工程に移行する。
図6、図7は、本実施形態に係る画像形成装置の一例である。図6はタンデム型のフルカラー画像形成装置であり、図7はリボルバタイプのフルカラー画像形成装置である。
図6に示した画像形成装置は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つの作像プロセス部1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのY用の作像プロセス部1Yを例にすると、これは図6に示すような構成になっている。そして、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体2Yの周囲に、クリーニング装置17Y、除電手段(不図示)、帯電ローラ3Y、光書込装置4Y、現像装置5Yなどを有している。
感光体2Yに接触あるいは所定の間隙を介して対向するように配設された帯電ローラ3Yには、不図示の帯電バイアス電源から帯電バイアスが印加される。そして、帯電ローラ3Yは、図中反時計回り方向に回転しながら感光体2Yとの間に放電を生じせしめることで、感光体2Yの表面を一様帯電せしめる。
帯電ローラ3Yによって一様帯電せしめられた感光体2Yの表面は、光書込装置4Yから発せられる走査光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。この光書込装置4Yは、外部のパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像情報に基づいて変調したレーザー光あるいはLED光を照射するものである。
現像手段たる現像装置5Yは感光体2Yに対向する現像領域で、周知の技術により、感光体2Y表面に担持された静電潜像にYトナーを付着させることで、静電潜像を現像してYトナー像を得る。このYトナー像は、後述する中間転写ベルトに一次転写される。
クリーニング装置17Yは、一次転写工程を経た後の感光体2Y表面に付着している転写残トナーをクリーニングブレード14Yによって除去する。
クリーニング装置17Yによって、クリーニング処理が施された感光体2Y表面は、図示しない除電ランプ等の除電手段によって除電されて、次の画像形成に備えられる。
また、他色用の作像プロセス部1C,M,Kにおいても、同様にして感光体2C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト21上に中間転写される。
作像プロセス部1Y,C,M,Kの図中下方には、像担持体たる中間転写ベルト21を張架しながら図中反時計回り方向に無端移動せしめる転写ユニット20が配設されている。転写手段たる転写ユニット20は、中間転写ベルト21の他、駆動ローラ22、従動ローラ23、4つの一次転写ローラ24Y,C,M,K、二次転写ローラ25、図示しないベルトクリーニング装置などを備えている。
中間転写ベルト21は、そのループ内側に配設された駆動ローラ22と従動ローラ23とによって張架されながら、駆動ローラ22の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。
4つの一次転写ローラ24Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト21を感光体2Y,C,M,Kとの間に挟み込んで、感光体2Y,C,M,Kから中間転写ベルト21に各トナー像をそれぞれ転写する中間転写部である、Y,C,M,K用の一次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト21の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。転写体たる中間転写ベルト21は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の一次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体2Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト21上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト21のループ外側には、図示しない電源から出力される二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ25が配設されており、これはベルトループ内側の駆動ローラ22との間に中間転写ベルト21を挟み込んで、中間転写ベルト21から記録紙Pにトナー像を転写する紙転写部である二次転写ニップを形成している。
転写ユニット20の下方には、図示しない給紙カセットが配設されている。この給紙カセット内には、転写体たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pを所定のタイミングで図示しない給紙路に送り出す。この給紙路の末端には、レジストローラ対31が配設されている。レジストローラ対31は、記録紙Pを互いに当接しながら回転するローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを中間転写ベルト21上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに向けて送り出す。
中間転写ベルト21上に形成された4色トナー像は、二次転写バイアスが印加される二次転写ローラ25と接地された駆動ローラ22との間に形成される二次転写電界や、ニップ圧の影響により、二次転写ニップ内で記録紙Pに一括二次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、従動ローラ23との間に中間転写ベルト21を挟み込んでいる図示しないベルトクリーニング装置によって除去される。
二次転写ニップの上方には、図示しない定着装置が配設されている。この定着装置は、電子写真方式の画像形成装置で周知になっているように、加圧や加熱によってトナー像を記録紙に定着せしめるものである。
以上の基本的な構成を備える画像形成装置においては、4つの作像プロセス部1Y,C,M,Kが、潜像担持体たる感光体2Y,C,M,Kの無端移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段として機能している。また、4つの作像プロセス部1Y,C,M,Kと転写ユニット20との組合せが、像担持体たる中間転写ベルト21の無端移動する表面にトナー像を形成するトナー像形成手段として機能している。
図7のリボルバタイプのフルカラー画像形成装置は、現像装置の動作を切り替えることによって1つの像担持体上に順次複数色のトナーを現像していくのである。
同図において、この画像形成装置は、潜像担持体たる感光体を1つだけ備えている。この感光体2の回りには、クリーニング装置17、除電手段(不図示)、帯電ローラ3、光書込装置4、4つの現像装置5C,M,Y,Kが配設されている。
4つの現像装置5C,M,Y,Kぞれぞれは、図示しない移動機構によって個別に往復移動せしめられる。具体的には、自らの現像スリーブ15C,M,Y,Kを感光体2に接触又は近接させる現像位置と、これよりも感光体2から遠ざかる待避位置との間を往復移動せしめられる。そして、現像位置にあるものだけが、感光体2上の静電潜像を現像する。
除電手段(不図示)、帯電ローラ3、光書込装置4の構成は、図6に示した作像プロセス部1Yのものと同様である。
感光体2表面には、まず、Y用の静電潜像が形成され、これはY用の現像装置5YによってYトナー像に現像される。そして、感光体2から中間転写ベルト21にトナー像を転写する中間転写部である一次転写ニップで感光体2から中間転写ベルト21にYトナー像が一次転写される。以降、中間転写ベルト21が3周分無端移動する間に、感光体2表面にC,M,Kトナー像が順次形成され、中間転写ベルト21上のYトナー像に順次重ね合わせて一次転写される。これにより、中間転写ベルト21上に4色トナー像が形成される。
中間転写ベルト21の下方に配設された二次転写ローラ25は、図示しない接離機構によって中間転写ベルト21に対して接離するようになっている。そして、中間転写ベルト21上が複数周回に渡って無端移動して中間転写ベルト表面にC,M,Y,Kトナー像が順次重ね合わせられる工程においては、二次転写ローラ25は中間転写ベルト表面から離間している。その後、重ね合わせ転写によって中間転写ベルト表面に4色トナー像が形成されると、二次転写ローラ25が中間転写ベルト21に当接して、中間転写ベルト21から記録紙Pにトナー像を転写する紙転写部である二次転写ニップを形成する。そして、この二次転写ニップにおいて、中間転写ベルト表面上の4色トナー像が記録紙Pに一括二次転写される。そして、4色トナー像が転写された記録紙Pを不図示の定着部に搬送し定着画像を得る。
クリーニング装置17Yは、一次転写工程を経た後の感光体2Y表面に付着している転写残トナーをクリーニングブレード14で除去する。なお、クリーニング装置17Yは、クリーニングブレードで感光体2Y上の転写残トナーを掻き落とすものに限るものではなく、例えばファーブラシで感光体2Y上の転写残トナーを掻き落とすものであってもよい。
クリーニング装置17Yで感光体表面に残留するトナーを除去した後、感光体表面を不図示の除電手段で除電する。そして、除電手段で除電した感光体2の表面を帯電ローラ3で一様に帯電させた後、上記同様に、次の画像形成を行う。
本発明に用いられる部材はこれら画像形成装置のいずれかに搭載される部材に好適に本発明を用いることができる。とくに機構上トナーとの接触が行われる像担持体、現像部、中間転写体、クリーニング部やトナーの付着が望まれない帯電部に本発明を用いることによりトナーが付着しにくい部材の開発を効率的に行うことができるようになる。
<感光体>
本実施形態に用いられる画像形成装置に搭載される部材のひとつとして像担持体の説明を行う。
本実施形態に用いられる像担持体には感光体を用いることができる。感光体はトナー画像を記録紙または中間転写体に転写するため、トナーに対して大きな付着力を持つことは好ましくない。ゆえに本実施形態を好適に用いることができる。
感光体としては、導電性支持体上に少なくとも中間層42、感光層を有していれば、上記以外のその他の層が形成されていてもよい。例えば、図8に示す導電性支持体41、中間層42、及び、感光層が電荷発生層(CGL)43と電荷輸送層(CTL)44より構成される機能分離型タイプの感光体40について説明する。
導電性支持体41としては、体積抵抗1010[Ω・cm]以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。また、エンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体41として用いることができる。
この他、上記導電性支持体41上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものも、本実施形態の導電性支持体41として用いることができる。この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂があげられる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本実施形態の導電性支持体41として良好に用いることができる。
次に中間層42について説明する。
中間層42は接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
中間層42は、一般に樹脂を主成分とするが、これらの樹脂は、その上に感光層を、溶剤を用いて塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶解性の高い樹脂であることが望ましい。このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、アルキド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂などが挙げられる。特に、アルキド−メラミン樹脂が中間層42として求められる機能の多くを満たすことができ好ましい。
また、無機顔料として酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物、あるいは金属硫化物、金属窒化物などの微粉末を加えてもよい。特に酸化チタンは可視光および近赤外光にほとんど吸収がなく白色であり、感光体40の高感度化に好ましい。
これらの中間層42は、適当な溶媒を用いて、慣用される塗工法によって形成することができるが、感光体40の帯電性能向上のために中間層42の塗工液中に少なくともエチレングリコールモノイソプロピルエーテルが好ましくは0.1[wt%]以上3[wt%]以下含有されていることが望まれる。
更に、かかる中間層42としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用して、例えばゾル−ゲル法等により形成した金属酸化物層も有用である。
この他に、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物や、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けてもよい。
中間層42の膜厚は約0.1[μm]〜10[μm]好ましくは1[μm]〜5[μm]とするのが適当である。
次に電荷発生層43について説明する。
電荷発生層43は電荷発生材料としては公知のものが用いることができ、例えば、チタニルフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニンなどの金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、フルオレノン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有する対称型若しくは非対称型のアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。
本実施形態で用いられるフタロシアニン顔料としては、無金属フタロシアニンまたは金属フタロシアニンが挙げられ、モーザーおよびトーマスの「フタロシアニン化合物」(ラインホールド社、1963)等に記載されている合成法、及び他の適当な方法によって得られるものを使用する。
金属フタロシアニンの一例としては、銅、銀、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、インジウム、ナトリウム、リチウム、チタン、錫、鉛、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルトなどを中心金属にもつものが挙げられる。また、フタロシアニンの中心核には前記金属原子の代わりに、三価以上の原子価を有するハロゲン化金属が存在していても良い。なお、フタロシアニンは各種結晶形が知られているが、α型、β型、Y型、ε型、τ型、X型などの結晶形、及び非晶形など公知のものが使用できる。
中でも、中心金属にチタンを有するチタニルフタロシアニン(以下TiOPc)が特に感度が高く優れた特性を示しており、より望ましい。
次に電荷輸送層44について説明する。
前述のように、電荷輸送層44は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層43上に塗布、乾燥することにより形成できる。また、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を添加することもできる。
電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。電荷輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150重量部が適当である。また、上述のように耐久性の点で電荷輸送層44の膜厚は30[μm]以上が必要である。また電荷輸送層44の膜厚を極端に厚くした場合、解像度が低下する不具合があるため、30〜50[μm]とすることが好ましい。ここで用いられる溶剤としては、環境への負荷低減等の意図から、非ハロゲン系溶媒の使用が望ましく、具体的には、テトラヒドロフランやジオキソラン、ジオキサン等の環状エーテルやトルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、及びそれらの誘導体が良好に用いられる。
本実施形態の感光体においては、感光層保護、及び低表面摩擦係数維持の目的で、保護層を最表層に設けてもよい。保護層に使用される結着樹脂としてはABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル、アリール樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチルベンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリアリレート、AS樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
また、感光体の保護層には、耐摩耗性を向上する目的でフィラ−材料を添加してもよい。 フィラーとしては有機性フィラーと無機性フィラーがあるが、フィラーの硬度の点から無機性フィラーを用いることが耐摩耗性の向上に対し有利である。このような無機性フィラ−材料としては、銅、スズ、アルミニウム、インジウムなどの金属粉末、シリカ、酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化カルシウム、アンチモンをド−プした酸化錫、錫をド−プした酸化インジウム等の金属酸化物、フッ化錫、フッ化カルシウム、フッ化アルミニウム等の金属フッ化物、チタン酸カリウム、窒化硼素などの無機材料が挙げられる。
これらのフィラーは少なくとも1種の表面処理剤で表面処理させることが可能であり、そうすることがフィラーの分散性の面から好ましい。フィラーの分散性の低下は残留電位の上昇だけでなく、塗膜の透明性の低下や塗膜欠陥の発生、さらには耐摩耗性の低下をも引き起こすため、高耐久化あるいは高画質化を妨げる大きな問題に発展する可能性がある。
表面処理剤としては、従来用いられている表面処理剤すべてを使用することができるが、フィラーの絶縁性を維持できる表面処理剤が好ましい。例えば、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤、高級脂肪酸等、あるいはこれらとシランカップリング剤との混合処理や、AlO¥「3」_、TiO、ZrO、シリコーン、ステアリン酸アルミニウム等、あるいはそれらの混合処理がフィラーの分散性及び画像ボケの点からより好ましい。シランカップリング剤による処理は、画像ボケの影響が強くなるが、上記の表面処理剤とシランカップリング剤との混合処理を施すことによりその影響を抑制できる場合がある。
表面処理量については、用いるフィラーの平均一次粒径によって異なるが、3〜30[wt%]が適しており、5〜20[wt%]がより好ましい。表面処理量がこれよりも少ないとフィラーの分散効果が得られず、また多すぎると残留電位の著しい上昇を引き起こす。
用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなど、電荷輸送層44で使用されるすべての溶剤を使用することができる。
また、保護層に電荷輸送層44で挙げた電荷輸送物質を添加することは残留電位の低減及び画質向上に対して有効かつ有用である。
保護層の形成法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の従来方法を用いることができるが、特に塗膜の均一性の面からスプレーコートがより好ましい。
保護層の厚さは自由に設定可能であるが、保護層膜厚が著しく増加すると、画質が若干劣化する傾向が認められるため、必要最小限度の膜厚に設定することが好ましい。0.1[μm]〜10[μm]程度が適当である。
<トナーの説明>
本実施形態において用いられるトナーは、重合トナーであって、結着樹脂として、スチレン?アクリロニトリル?アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、又は、それらを複合したもの、等を用いることができる。また、これらの重合トナーの製造方法(重合方法)としては、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等を用いることができる。さらに、離型剤として、酸化ライスワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス等を用いることができる。また、必要に応じて、帯電制御剤を含有させることもできる。
また、トナーとしては、粒子に添加剤が含有せしめられたものを用いている。この添加剤としては、従来から公知のものを使用することができる。具体的には、Si、Ti、Al、Mg、Ca、Sr、Ba、In、Ga、Ni、Mn、W、Fe、Co、Zn、Cr、Mo、Cu、Ag、V、Zr等の酸化物や複合酸化物等である。特に、Si、Ti、Alの酸化物であるシリカ、チタニア、アルミナなどが好適である。添加剤の添加量は、母体粒子100重量部に対して0.5〜1.8重量部であることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜1.5重量部である。
また、トナーとしては、処理剤を用いた表面処理を施したものを用いることが望ましい。かかる表面処理に用いる処理剤としては、有機系シラン化合物などが好ましい。例えば、メチルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルメトキシシラン類である。また、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等でもよい。表面処理方法としては、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を漬積し乾燥させる方法、添加剤に有機シラン化合物を含有する溶液を噴霧し乾燥させる方法等が挙げられる。
また、トナーとしては、体積平均粒径が1[μm]以上20[μm]以下、特に体積平均粒径の範囲が3〜7[μm]であるものを用いることが望ましい。本実施形態において用いられるトナーは、体積平均粒径が5.8[μm]のものである。なお、本実施形態では重合トナーだけでなく、粉砕トナーを用いることもできる。
<トナーの形状について>
図9はトナーの形状係数SF1の計算式を示す。
形状係数SF1とは、図9に示すように、球状物質の形状における丸さの割合を示す数値であり、球状物質を二次元平面上に投影してできる楕円状図形の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで割って、100π/4を乗じた値で表される。つまり、数2によって定義されるものである。本実施形態においては、形状係数SF1が100〜150となる球形トナーであることが好ましい。
Figure 2013019714
<キャリアの説明>
磁性キャリアとしては、体積平均粒径が10[μm]以上100[μm]以下の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど、従来から公知のものを使用することができる。
本プリンタでは、金属又は樹脂からなるコア中にフェライト等の磁性材料を含有し、且つ、表層にシリコーン樹脂等による被覆が施された平均粒径55[μm]のものを用いている。
表層の被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。また、ポリビニル樹脂、ポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂等でもよい。また、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂などでもよい。また、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体などでもよい。また、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などでもよい。
なお、必要に応じて導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。かかる導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛などを用いることができる。これらの導電粉としては、平均粒径1[μm]以下のものが好ましい。平均粒径が1[μm]よりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になるからである。
<帯電部>
帯電部材の一種としてローラ方式を用いた帯電ローラがある。帯電ローラにより像担持体を一様に帯電させるがこのとき帯電ローラに汚れが付着していると像担持体の帯電にムラが生じ画像形成装置より出力される画像の乱れの原因となる。帯電ローラのに付着する汚れはトナーであることが大多数であるため帯電ローラはトナーが付着しにくいことが好ましい。ゆえに本実施形態を好適に用いることができる。
帯電部材は、ステンレス鋼製の芯金上に、イオン導電性のゴム層を形成している。ゴム層の抵抗は、抵抗値で10[Ω]から10[Ω]程度である。ローラのゴム硬度はJIS−Aで40[°]以上が良く、望ましくは70[°]以上が良い。また、ゴム以外の導電性を持つものでもよく、エラストマー、樹脂等があげられる。これらも、ゴム硬度に相当する程度の硬さであることが望ましい。樹脂を用いた場合、材料に弾性を持たないため、空隙を正確に維持しやすい。つまり、軸方向で感光体との間に空隙の違い等が生じにくいメリットがある。
表層には、抵抗値が1010[Ω]程度の抵抗値を持つ表面層を形成している。これは、感光体にピンホール等抵抗値の低い部分が存在した場合に、集中して電流が流れる現象を防止するためで、この表面層を設けたことでピンホールへの電流の集中を防いでいる。表層の抵抗値は、1010[Ω]以上であれば良い。
<現像部>
感光体に形成された静電潜像を現像する現像部には一般的に感光体にトナーを供給する部材として現像ローラを有する。現像ローラはトナーを像担持体へ受け渡す機能を有するため、トナーに対して大きな付着力を持つことは好ましくない。ゆえに本実施形態を好適に用いることができる。
<1成分現像の場合の現像ローラ>
現像ローラは、1成分トナーを摩擦により帯電させるために外周部がゴム等の摩擦係数の低い弾性材により形成されたローラ部と、このローラ部の中心を貫通する金属製の軸部とからなる。
弾性材に用いられる材料としては、弾性材ゴム、エラストマー等の弾性部材が挙げられ、具体的には、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
<2成分現像の場合の現像ローラ>
1成分と同様に外周部がゴム等の摩擦係数の低い弾性材により形成されたローラ部と、このローラ部の中心を貫通する金属製の軸部とからなるローラ、また表面が金属からなるローラ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属も用いられる。
上記現像ローラの表面には、経時品質を安定化させるために適宜コ−ト材料を被覆されることがある。表層コート材料は、帯電がトナーと逆極性でも良いし、トナーを所望の極性に摩擦帯電する機能を持たせない場合は同極性でも良い。前者の表層コート材料としては、シリコン、アクリル、ポリウレタン等の樹脂、ゴムを含有する材料を挙げることができる。また後者の表層コート材料としては、フッ素を含有する材料を挙げることができる。フッ素を含んだいわゆるテフロン(登録商標)系材料は表面エネルギーが低く、離型性が優れるため、経時におけるトナーフィルミングが極めて発生しにくい。
また、上記表層コート材料に用いることができる一般的な樹脂材料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニールエーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン重合体(FEP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)等を挙げることができる。これに導電性を得るために適宜カ−ボンブラック等の導電性材料を含有させることが多い。更に均一に現像ローラにコートできるように、他の樹脂を混ぜ合わせることもある。
<中間転写体>
中間転写体はトナー画像を記録紙に転写するため、トナーに対して大きな付着力を持つことは好ましくない。ゆえに本実施形態を好適に用いることができる。
図10は、本実施形態を適用できる画像形成装置に用いる中間転写体50の一例の縦断面図である。画像形成装置に用いる中間転写体50は、少なくとも表面のコート層51、弾性層52、基層53から構成される。中間転写体50は、硬度の低い弾性層52を設け、転写ニップ部でトナー層や平滑性の悪い用紙に対して変形できるようにしている。
中間転写体表面が局部的な凸凹に追従して変形できるために、過度にトナー層に対して転写圧を高めることなく、良好な密着性が得られ、文字の転写中抜けがなく、また、平滑性の悪い用紙等に対してもソリッド部等における転写ムラのない、均一性に優れた転写画像を得ることができるものである。
弾性層52に用いられる材料としては、弾性材ゴム、エラストマー等の弾性部材が挙げられ、具体的には、ブチルゴム、フッ素系ゴム、アクリルゴム、EPDM、NBR、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック1、2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリン系ゴム、多硫化ゴム、ポリノルボルネンゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリアミド系、ポリウレア、ポリエステル系、フッ素樹脂系)等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
弾性層52の厚さは、硬度及び層構成にもよるが、0.07[mm]〜0.3[mm]の範囲が好ましい。0.3[mm]以上と厚いと、クリーニングブレードの押圧力により撓んだり、クリーニングブレードが中間転写体50の中に押し込まれ、中間転写体50の滑らかな移動を妨げたりする。また、0.07[mm]以下と薄いと、二次転写ニップ部で中間転写体50上のトナーに対する圧力が高くなり、転写中抜けが発生しやすくなり、さらに、トナーの転写率が低下する。
また、弾性層52の硬度は、10[°]≦HS≦65[°](JIS−A)であることが好ましい。中間転写体50の層厚によって最適な硬度は異なるものの、硬度が10[°]JIS−Aより低いと転写中抜けが生じやすい。これに対して硬度が65[°]JIS−Aより高いものは、ローラヘの張架が困難となり、また、長期の張架によって延伸するために耐久性が無く早期の交換が必要になる。
また、中間転写体50の基層53は、伸びの少ない樹脂で構成している。具体的に、基層53に用いられる材料としては、ポリカーボネート、フッ素樹脂(ETFE、PVDF等)、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体及びスチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、メタクリル酸メチル樹脂、メタクリル酸ブチル樹脂、アクリル酸エチル樹脂、アクリル酸ブチル樹脂、変性アクリル樹脂(シリコーン変性アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂変性アクリル樹脂、アクリル・ウレタン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ピニル−酢酸ビニル共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂及びポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂等からなる群より選ばれる1種類あるいは2種類以上を使用することができる。ただし、上記材料に限定されるものではない。
また、基層53に伸びの大きなゴム材料に帆布などの伸びを防止する材料で構成された芯体層をつくりその上に弾性層52を形成する方法等を用いることができる。
このときの、芯体層に用いられる伸びを防止する材料としては、例えば、綿、絹、などの天然繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリアセタール繊維、ポリフロロエチレン繊維、フエノール繊維などの合成繊維、炭素繊維、ガラス繊維等の無機繊維、鉄繊維、銅繊維等の金属繊維からなる群より選ばれる1種あるいは2種以上を用い、糸状あるいは織布状のものを使用することができる。もちろん、上記材料に限定されるものではない。上記糸は1本または複数のフィラメントを撚ったもの、片撚糸、諸撚糸、双糸等、どのような撚り方であってもよい。また、例えば上記材料群から選択された材質の繊維を混紡してもよい。もちろん糸に適当な導電処理を施して使用することもできる。一方織布は、メリヤス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、もちろん交織した織布も使用可能であり、導電処理を施すことも可能である。
さらに、中間転写体表面のコート層51は、弾性層52の表面を例えばフッ素樹脂等をコーティングするためのものであり、平滑性のよい層からなるものである。
コート層51に用いられる材料としては、特に制限はないが、一般に、中間転写体表面へのトナーの付着カを小さくして二次転写性を高める材料が用いられる。例えば、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等の1種類あるいは2種類以上、又は、表面エネルギーを小さくし潤滑性を高める材料、例えば、フッ素材脂、フッ素化合物、フッ化炭素、酸化チタン、シリコンカーバイド等の粒子を1種類あるいは2種類以上、又は必要に応じて粒径を変えたものを分散させて使用することができる。また、フッ素系ゴム材料のように熱処理を行うことで表面にフッ素層を形成させ、表面エネルギーを小さくさせたものを使用することもできる。
また、必要に応じて、基層53、弾性層52またはコート層51は、抵抗を調整する目的で、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウムやニッケル等の金属粉末、酸化錫、酸化チタン、酸化アンチモン、酸化インジウム、チタン酸カリウム、酸化アンチモン−酸化錫複合酸化物(ATO)、酸化インジウム−酸化錫複合酸化物(ITO)等の導電性金属酸化物等を用いることができる。ここで、導電性金属酸化物は、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の絶縁性微粒子を被覆したものでもよい。ただし、上記材料に限定されるものではない。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
原子間力顕微鏡を用い、MEMSプローブ80などの探針で保持した粉体を試料82などの部材上から引き離すときの探針のたわみ量をたわみ量検出手段で検出し、そのたわみ量に基づいて部材と粉体との間の付着力を求める付着力測定方法において、前記探針が開閉可能なピンセット構造であり、前記部材上の粉体を探針で掴んだ後、部材上から粉体を引き離すときの探針のたわみ量を前記たわみ量検出手段で検出する。これよれば、上記実施形態について説明したように、部材上の粉体の付着力を精度良く測定することができる。
(態様B)
(態様A)において、前記探針のバネ定数が、0.1[N/m]〜100[N/m]の範囲にある。これによれば、上記実施形態について説明したように、探針が部材上から粉体を引き離せるほどの強度があり、且つ、力計測が可能な程度にしなるため、付着力計測の感度保証が得られる。
(態様C)
(態様A)または(態様B)において、探針の表面が導電性材料である。これによれば、上記実施形態について説明したように、粉体と探針との接触帯電を低減でき、部材上に付着した状態そのままに粉体の特性を評価することができる。
(態様D)
(態様A)、(態様B)または(態様C)において、探針を保持するホルダーなどの保持部材が設けられており、保持部材が接地されている。これによれば、上記実施形態について説明したように、粉体と探針との接触帯電をより低減でき、部材上に付着した状態そのままに粉体の特性を評価することができる。
(態様E)
(態様A)、(態様B)、(態様C)または(態様D)において、探針の表面材料が前記粉体と同じ材料である。これによれば、上記実施形態について説明したように、粉体と探針との接触帯電を低減でき、部材上に付着した状態そのままに粉体の特性を評価することができる。
(態様F)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)または(態様E)において、前記部材は、少なくともトナー、キャリア、像担持体、帯電手段、現像手段及び転写手段を備える画像形成装置に用いられるものである。これによれば、上記実施形態について説明したように、粉体が付着しにくい部材の開発を効率的に行うことができるようになる。
(態様G)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)または(態様F)において、前記粉体はトナーである。これによれば、上記実施形態について説明したように、トナーが付着しにくい部材の開発を効率的に行うことができるようになる。
(態様H)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)または(態様F)において、前記粉体はキャリアである。これによれば、上記実施形態について説明したように、キャリアが付着しにくい部材の開発を効率的に行うことができるようになる。
(態様I)
付着力測定装置において、(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)、(態様G)または(態様H)の付着力測定方法を用いる。これによれば、上記実施形態について説明したように、部材上の粉体の付着力を精度良く測定することができる。
1 作像プロセス部
2 感光体
3 帯電ローラ
4 光書込装置
5 現像装置
6 転写ローラ
7 クリーニング装置
8 除電装置
13 ファーブラシ
14 クリーニングブレード
15 現像スリーブ
17 クリーニング装置
20 転写ユニット
21 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
23 従動ローラ
24 一次転写ローラ
25 二次転写ローラ
31 レジストローラ対
40 感光体
41 導電性支持体
42 中間層
43 電荷発生層
44 電荷輸送層
50 中間転写体
51 コート層
52 弾性層
53 基層
80 MEMSプローブ
81 粉体
82 試料
90 半導体レーザー
91 分割ディテクター
特開2002−62253号公報 特開2001―252900号公報 特開2009−8671号公報 特開2008−110436号公報
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Claims (9)

  1. 原子間力顕微鏡を用い、探針で保持した粉体を部材上から引き離すときの探針のたわみ量をたわみ量検出手段で検出し、そのたわみ量に基づいて部材と粉体との間の付着力を求める付着力測定方法において、
    前記探針が開閉可能なピンセット構造であり、前記部材上の粉体を該探針で掴んだ後、部材上から粉体を引き離すときの該探針のたわみ量を前記たわみ量検出手段で検出することを特徴とする付着力測定方法。
  2. 請求項1の付着力測定方法において、
    上記探針のバネ定数が、0.1[N/m]〜100[N/m]の範囲にあることを特徴とする付着力測定方法。
  3. 請求項1または2の付着力測定方法において、
    上記探針の表面が導電性材料であることを特徴とする付着力測定方法。
  4. 請求項3の付着力測定方法において、
    上記探針を保持する保持部材が設けられており、該保持部材が接地されていることを特徴とする付着力測定方法。
  5. 請求項1、2、3または4の付着力測定方法において、
    上記探針の表面材料が上記粉体と同じ材料であることを特徴とする付着力測定方法。
  6. 請求項1、2、3、4または5の付着力測定方法において、
    上記部材は、少なくともトナー、キャリア、像担持体、帯電手段、現像手段及び転写手段を備える画像形成装置に用いられるものであることを特徴とする付着力測定方法。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6の付着力測定方法において、
    上記粉体はトナーであることを特徴とする付着力測定方法。
  8. 請求項1、2、3、4、5または6の付着力測定方法において、
    上記粉体はキャリアであることを特徴とする付着力測定方法。
  9. 請求項1乃至8の付着力測定方法を用いたことを特徴とする付着力測定装置。
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