JP2007248289A - カンチレバー及びカンチレバーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】試料に対して対向する面を有し、基端側から先端側に向けて一方向に延びたバネ特性を有するレバー部2と、該レバー部の基端側を支持するホルダ部3と、レバー部の先端に配された状態で試料に接触可能とされ、少なくとも試料側に対向する対向面4aが予め決められた半径からなる球面状に形成された探針部4と、探針部を対向面が露出した状態で保持する保持部5とを備え、該保持部が探針部の周囲を取り囲む位置に配置された状態で、探針部の外表面に接触する接触面を内面に有し、接触面と外表面との間に直接的に作用する化学的な結合力により探針部を保持するカンチレバー1を提供する。
【選択図】図1
Description
このカンチレバーによれば、予め直径が規定されている球形状の探針を有しているので、試料との接触面積を既知の値にすることができる。よって、粘弾性等の物性評価を正確に測定することができる。
即ち、尖った探針の先端や、平らなレバー部の先端に球体を接着する際、通常作業者が光学顕微鏡で確認しながらマニュピレータを使用して行っていた。そのため、作業が難しく、経験を要するものであった。よって、誰でも簡単に行うことができず、熟練した作業者しか行うことができなかった。
特に、球体を接着する際の、球体の位置設定が難しいものであった。また、探針の先端やレバー部の先端等、予め決められた所定位置にのみ所定量の接着剤を塗布する必要があるので、熟練した作業者であっても難しい作業であった。
また、熟練した作業者が取付作業を行っているとはいえ、接着剤を過度に塗布してしまい、接着剤の一部が球体の表面を被いすぎてしまうことがあった。そのため、試料との接触面積が変化してしまう恐れがあった。つまり、品質を低下させてしまう恐れがあった。
また、本発明の別の目的は、光学顕微鏡で観察し難い小さな探針部であっても取り付けることができると共に、物質の制限を受けることなく修飾が可能で設計の自由度を向上することができるカンチレバー及びカンチレバーの製造方法を提供することである。
本発明のカンチレバーは、試料に対して対向する面を有し、基端側から先端側に向けて一方向に延びたバネ特性を有するレバー部と、該レバー部の基端側を片持ち状態に支持するホルダ部と、前記レバー部の先端に配された状態で前記試料に接触可能とされ、少なくとも前記試料側に対向する対向面が予め決められた半径からなる球面状に形成された探針部と、前記レバー部の先端に一端側が固定され、前記探針部を前記対向面が露出した状態で保持する保持部とを備え、前記保持部が、前記探針部の周囲を取り囲む位置に配置された状態で該探針部の外表面に接触する接触面を内面に有し、該接触面と外表面との間に直接的に作用する化学的な結合力により探針部を保持することを特徴とするものである。
ところが、上述したように、本発明に係るカンチレバーは、レバー部に固定された保持部に探針部を押し込んで、接着剤を使用することなく保持することができるので、狙った位置に正確に探針部を保持することができる。この点においても、作業者が作業し易く、また、高品質化を図ることができる。
また、光造形法により保持部を作製するので、一般的には加工が困難な形状であっても、容易に保持部を作製することができる。よって、設計の自由度が高い。
ここで、他端側の開口サイズを探針部の直径よりも小さくした場合には、探針部を保持部の内部に押し込んだ際に、接触面が“返し”の働きをする。従って、保持部をさらに確実に保持することができる。一方、他端側の開口サイズを探針部の直径と略同じ大きさにした場合であっても、外表面と接触面とが化学的な結合力である表面吸着力により直接的に密着するので、確実に探針部を保持することができる。特にこの場合には、探針部を過度の力で押し込む必要がないので、取り付け易い。
更には、探針部を試料に接触させたときに、該探針部に何らかの被測定対象物(DNA等)を付着させ、該被測定対象物を付着させたままの状態で探針部を取り外して、探針部ごと他の検査や観察等に回すことも可能である。
このようにSPM観察を行うことで、従来光学顕微鏡で観察し難い大きさの探針部であっても、確実に保持部内に押し込んで固定することができる。よって、より小さな探針部を有するカンチレバーを製造することができる。その結果、試料の微小領域の観察をより高分解能に行うことができる。
従って、カンチレバーに悪影響を与えてしまうことを防止することができると共に、物質の制限を受けることなく修飾を行うことができる。その結果、より多角的な観察を行うことができ、また、カンチレバーの設計の自由度を向上することができる。
上述したように、本発明に係るカンチレバーによれば、接着剤を使用せずに、手間をかけず短時間で探針部を取り付けることができ、高品質化を図ることができる。
また、接着剤を使用しないので、余分な接着剤が探針部に回り込んで表面を被ってしまう恐れがない。よって、探針部の対向面が試料に接触したときに、両者の接触面積が変化してしまうことを防止でき、高品質化を図ることができる。
以下、本発明に係るカンチレバー及びカンチレバーの製造方法の第1実施形態について、図1から図6を参照して説明する。なお、本実施形態のカンチレバーは、図示しない走査型プローブ顕微鏡のカンチレバーホルダに着脱自在に固定され、試料の粘弾性や摩擦力等の物性情報を観察する際に使用されるものである。
なお、この保持部5の作製方法については、カンチレバー1の製造方法と併せて後に詳細に説明する。また、本実施形態の保持部5は、図4に示すように、他端側の開口サイズHが探針部4の直径Dよりも小さく形成されている。
即ち、本実施形態のカンチレバーの製造方法は、ホルダ部3及びレバー部2を一体的に形成した後、光造形用の光硬化性樹脂(不図示)内に浸漬する浸漬工程と、該浸漬工程後、レバー部2の先端に向けてレーザ光を照射して、該レーザ光の焦点に位置する光硬化性樹脂を局所的に硬化させると共に、所望の3次元パターンに沿って焦点位置が移動するようにレーザ光を移動させて光硬化性樹脂を連続的に硬化させ、保持部5を光造形法で作製する光造形工程と、該光造形工程後、保持部5の一端側が固定されたレバー部2及びホルダ部3を光硬化性樹脂から取り出し、保持部5の他端側を探針部4上に位置させるセット工程と、該セット工程後、対向面4aが試料側に露出するように探針部4を保持部5の他端側から内部に押し込み、探針部4の外表面と保持部5の接触面5aとの間に直接的に作用する表面吸着力により、探針部4を保持させる保持工程とを行う方法である。これら各工程について、以下に詳細に説明する。
具体的には、図4に示すように、探針部4の周囲を取り囲む位置に配置された状態で、該探針部4の外表面に接触する接触面5aを内面に有する保持部5が形作られるように、焦点位置を移動させる。より詳細には、内周面の少なくとも一部が接触面5aとされた円筒状で、他端側の開口サイズHが探針部4の直径Dよりも小さい保持部5が形作られるように、焦点位置を移動させる。
始めに、図5(a)に示すように、基板S上に探針部4を載置する載置工程を行う。該載置工程後、探針部4が載置された基板S上をレバー部2により走査して、該探針部4の表面形状をSPM観察すると共に探針部4の位置を特定する特定工程を行う。なお、この際、ホルダ部3を介してレバー部2を図示しない走査型プローブ顕微鏡にセットして特定工程を行う。この特定工程により、探針部4の表面形状を確認することができ、探針部4の位置を明確に特定することができる。その後、図5(b)に示すように、位置が特定した探針部4上にレバー部2を移動させて、保持部5の他端側を探針部4上に位置させる。これにより、セット工程が終了する。
また、他端側の開口サイズHが探針部4の直径Dよりも小さいので、探針部4を内部に押し込んだときに、接触面5aが“返し”の働きをしている。従って、探針部4の姿勢が安定し、保持がより確実になる。更には、開口サイズHが直径Dよりも小さいので、表面吸着力に加え、物理的な嵌め合いによる結合力をも得ることができる。この点からも保持の確実性を高めることができる。
ところが、本実施形態のカンチレバー1の製造方法は、レバー部2に固定された保持部5に探針部4を押し込んで、接着剤を使用することなく保持することができるので、狙った位置で正確に探針部4を保持することができる。この点においても、作業者が作業し易く、また、高品質化を図ることができる。
この修飾工程を行うことで、試料の観察目的に応じて、探針部4を事前に各種の物質で修飾しておくことができる。特に探針部4は、上述したように接着剤を使用せずに、また、単に押し込まれるだけの簡単な作業で固定されるので、従来のように修飾に傷が付いてしまったり、接着剤の影響を受けたりすることがない。そのため、カンチレバー1ごと修飾を行わなくて済む。
従って、カンチレバー1に悪影響を与えてしまうことを防止することができると共に、物質の制限を受けることなく修飾を行うことができる。その結果、より多角的な観察を行うことができ、また、カンチレバー1の設計の自由度を向上することができる。
次に、本発明に係るカンチレバー及びカンチレバーの製造方法の第2実施形態について、図9から図11を参照して説明する。なお、第2実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態のカンチレバー10は、図9から図11に示すように、保持部5に、円筒状の内部と外部とを連通させて、探針部4が押し込まれて保持部5内に入り込んだときに、該探針部4によって圧縮された内部の流体を外部に排出する連通孔11が形成されている。なお、本実施形態では、この連通孔11は図10に示すように断面円形状であり、保持部5の一端側近傍に1つだけ形成されている。
また、この連通孔11を形成するには、光造形工程の際に、予め連通孔11を考慮してレーザ光の焦点位置を3次元的に移動させれば良い。
次に、本発明に係るカンチレバー及びカンチレバーの製造方法の第3実施形態について、14及び図15を参照して説明する。なお、第3実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態のカンチレバー20は、図14及び図15に示すように、保持部5に、周方向に向けて所定間隔毎に複数のスリット21が形成されている。なお、本実施形態では、このスリット21は、90度毎に4つ形成されている。
また、このスリット21を形成するには、光造形工程の際に、予めスリット21を考慮してレーザ光の焦点位置を3次元的に移動させれば良い。
なお、本実施形態では、スリット21を4つ形成したが、4つに限られず、3つ、5つ等複数形成して構わない。
次に、本発明に係るカンチレバー及びカンチレバーの製造方法の第4実施形態について、図16から図18を参照して説明する。なお、第4実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態のカンチレバー30は、図16から図18に示すように、保持部31の他端側の開口サイズHが、第1実施形態の保持部5とは異なり、探針部4の直径Dと略同じ大きさになるように光造形工程時に形成されている点である。
次に、本発明に係るカンチレバー及びカンチレバーの製造方法の第5実施形態について、図21及び図22を参照して説明する。なお、第5実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第5実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、保持部5の他端側の開口サイズHが探針部4の直径Dよりも小さい値で固定されていたのに対し、第5実施形態では、他端側の開口サイズHが可変とされている点である。
この可変部42は、外的要因として、例えば、周囲の温度が室温(略23度)より上昇すると、図22に示すように、伸びるようになっている。これにより、他端側の開口サイズHが探針部4の直径Dよりも大きく変化するようになっている。また、周囲の温度が室温以下になった場合には、図21に示すように、縮んで開口サイズHを探針部4の直径D以下に変化させるようになっている。
更には、探針部4を試料に接触させたときに、該探針部4に何らかの被測定物質(DNA等)を付着させ、該被測定物質を付着させたままの状態で探針部4を取り外して、探針部4ごと他の検査や観察等に回すことも可能である。
なお、温度だけでなく、電場や磁場等の外的要因により可変部42を伸縮するように構成しても構わない。
次に、本発明に係るカンチレバー及びカンチレバーの製造方法の第6実施形態について、23及び図24を参照して説明する。なお、第6実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第6実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、保持部5を円筒状に形成したが、第5実施形態のカンチレバー50は、保持部が複数の爪部51として作製されている点である。
このような爪部51を形成するには、光造形工程の際に、3つ爪部51の形状に沿ってレーザ光の焦点位置を3次元的に移動させれば良い。
こうすることで、3つの爪部51によって抱え込まれるように保持された探針部4が、返し部51bに接触して位置ずれし難い。よって、姿勢がより安定して外れ難くなる。その結果、探針部4をさらに確実に保持することができる。
次に、本発明に係るカンチレバー及びカンチレバーの製造方法の第7実施形態について、27から図29を参照して説明する。なお、第7実施形態において第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第7実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、保持部5内に探針部4を押し込んで、探針部4の外表面と接触面5aとの間に直接的に作用する表面吸着力により探針部4を保持したが、第7実施形態では、磁力を利用して探針部4を吸着し、固定する点である。
また、探針部4自身を磁石としても構わない。こうすることで、吸着力をより高めることができ、探針部4をより確実に固定することができる。
更に、探針部4を磁石にすると共に、レバー部2側に探針部4が吸着する磁性体を取り付けても構わない。また、レバー部2の表面側若しくは裏面側の所定位置に磁性膜を被膜させても構わない。これらいずれの場合であっても、磁力を利用して探針部4を固定することができる。
このように電磁石65を取り付けることで、極性(N極、S極)を反転させて、探針部4をレバー部2から脱着することができる。そのため、探針部4のみを交換することができると共に、DNA等の被測定対象物を探針部4に付着させた後、探針部4ごと他の検査や観察等に回すことも可能である。
この場合であっても、従来光学顕微鏡で観察し難い大きさの探針部4を、接着剤を使用せずに固定することができる。よって、上記第7実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
H 他端側の開口サイズ
S 基板
1、10、20、30、40、50、60 カンチレバー
2 レバー部
3 ホルダ部
4a 対向面
4 探針部
5、31、41、 保持部
5a、31a、41a、51a 接触面
11 連通孔
21 スリット
51 爪部(保持部)
51b 返し部
61 磁性体(吸着手段)
65 電磁石(吸着手段)
Claims (24)
- 試料に対して対向する面を有し、基端側から先端側に向けて一方向に延びたバネ特性を有するレバー部と、
該レバー部の基端側を片持ち状態に支持するホルダ部と、
前記レバー部の先端に配された状態で前記試料に接触可能とされ、少なくとも前記試料側に対向する対向面が予め決められた半径からなる球面状に形成された探針部と、
前記レバー部の先端に一端側が固定され、前記探針部を前記対向面が露出した状態で保持する保持部とを備え、
前記保持部は、前記探針部の周囲を取り囲む位置に配置された状態で該探針部の外表面に接触する接触面を内面に有し、該接触面と外表面との間に直接的に作用する化学的な結合力により探針部を保持することを特徴とするカンチレバー。 - 請求項1に記載のカンチレバーにおいて、
前記保持部は、内周面の少なくとも一部が前記接触面とされた円筒状に形成され、他端側の開口サイズが前記探針部の直径以下であることを特徴とするカンチレバー。 - 請求項2に記載のカンチレバーにおいて、
前記保持部又は前記レバー部の少なくとも一方には、円筒状の内部と外部とを連通させて、前記探針部が入り込んだときに圧縮された内部の流体を外部に排出する連通孔が形成されていることを特徴とするカンチレバー。 - 請求項2又は3に記載のカンチレバーにおいて、
前記保持部には、周方向に複数のスリットが形成されていることを特徴とするカンチレバー。 - 請求項2から4のいずれか1項に記載のカンチレバーにおいて、
前記保持部の少なくとも一部が、形状記憶材料により形成され、外的要因により伸縮すると共に、該伸縮に伴って前記他端側の開口サイズを前記探針部の直径よりも大きく変化させて、該探針部を脱着可能とすることを特徴とするカンチレバー。 - 請求項1に記載のカンチレバーにおいて、
前記保持部は、前記探針部の周囲を所定間隔毎に取り囲むと共に、それぞれが前記接触面を有する複数の爪部であることを特徴とするカンチレバー。 - 請求項6に記載のカンチレバーにおいて、
前記複数の爪部は、他端側にそれぞれ鉤状の返し部を有していることを特徴とするカンチレバー。 - 請求項6又は7に記載のカンチレバーにおいて、
前記複数の爪部は、それぞれ前記探針部の中心に向かって撓むように予め付勢されていることを特徴とするカンチレバー。 - 試料に対して対向する面を有し、基端側から先端側に向けて一方向に延びたバネ特性を有するレバー部と、
該レバー部の基端側を片持ち状態に支持するホルダ部と、
前記レバー部の先端に配された状態で前記試料に接触可能とされ、少なくとも前記試料側に対向する対向面が予め決められた半径からなる球面状に形成された磁性材料からなる探針部と、
前記レバー部の先端に設けられ、磁力を利用して前記探針部を吸着させる吸着手段とを備えていることを特徴とするカンチレバー。 - 請求項9に記載のカンチレバーにおいて、
前記吸着手段は、磁力の極性を反転させて前記探針部を脱着可能とされていることを特徴とするカンチレバー。 - 試料に対して対向する面を有し、基端側から先端側に向けて一方向に延びたバネ特性を有するレバー部と、該レバー部の基端側を片持ち状態に支持するホルダ部と、前記レバー部の先端に配された状態で前記試料に接触可能とされ、少なくとも前記試料側に対向する対向面が予め決められた半径からなる球面状に形成された探針部と、前記レバー部の先端に一端側が固定され、前記探針部を前記対向面が露出した状態で保持する保持部とを備えたカンチレバーを製造する方法であって、
前記ホルダ部及び前記レバー部を一体的に形成した後、光造形用の光硬化性樹脂内に浸漬する浸漬工程と、
該浸漬工程後、前記レバー部の先端に向けてレーザ光を照射して、該レーザ光の焦点に位置する前記光硬化性樹脂を局所的に硬化させると共に、所望の3次元パターンに沿って焦点位置が移動するようにレーザ光を移動させて光硬化性樹脂を連続的に硬化し、前記探針部の周囲を取り囲む位置に配置された状態で該探針部の外表面に接触する接触面を内面に有するように前記保持部を光造形法で作製する光造形工程と、
該光造形工程後、前記保持部の一端側が固定された前記レバー部及び前記ホルダ部を前記光硬化性樹脂から取り出し、保持部の他端側を前記探針部上に位置させるセット工程と、
該セット工程後、前記対向面が前記試料側に露出するように前記探針部を前記保持部の他端側から内部に押し込み、探針部の外表面と保持部の接触面の間に直接的に作用する化学的な結合力により探針部を保持する保持工程とを備えていることを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項11に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記光造形工程の際、前記保持部を、内周面の少なくとも一部が前記接触面とされた円筒状に形成すると共に、他端側の開口サイズが前記探針部の直径以下となるように形成することを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項12に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記光造形工程の際、前記保持部又は前記レバー部の少なくとも一方に、円筒状の内部と外部とを連通させて、前記探針部が入り込んだときに圧縮された内部の流体を外部に排出する連通孔を形成することを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項12又は13に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記光造形工程の際、周方向に複数のスリットを形成した状態で前記保持部を作製することを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項12から14のいずれか1項に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記光硬化性樹脂として形状記憶材料を使用し、前記保持部の少なくとも一部を外的要因により伸縮させると共に、該伸縮に伴って前記他端側の開口サイズを前記探針部の直径よりも大きく変化させて、該探針部を脱着可能とすることを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項11に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記光造形工程の際、前記保持部を、前記探針部の周囲を所定間隔毎に取り囲むと共に、それぞれが前記接触面を有する複数の爪部となるように形成することを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項16に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記光造形工程の際、前記複数の爪部の他端側に、それぞれ鉤状の返し部を形成することを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項16又は17に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記光造形工程の際、前記複数の爪部を、それぞれ前記探針部の中心に向かって撓むように予め付勢した状態で形成することを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項11から請求項18のいずれか1項に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記セット工程が、前記探針部を基板上に載置する載置工程と、
該載置工程後、前記探針部が載置された前記基板上を前記レバー部により走査して、該探針部の表面形状をSPM観察すると共に探針部の位置を特定する特定工程とを備え、
該特定工程後、特定した探針部上に前記保持部の他端側をセットすることを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項11から請求項19のいずれか1項に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記セット工程の前に、前記探針部を予め所定の物質により修飾する修飾工程を行うことを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 試料に対して対向する面を有し、基端側から先端側に向けて一方向に延びたバネ特性を有するレバー部と、該レバー部の基端側を片持ち状態に支持するホルダ部と、前記レバー部の先端に配された状態で前記試料に接触可能とされ、少なくとも前記試料側に対向する対向面が予め決められた半径からなる球面状に形成された探針部とを備えたカンチレバーを製造する方法であって、
前記ホルダ部及び前記レバー部を一体的に形成した後、前記探針部を基板上に載置する載置工程と、
該載置工程後、前記探針部が載置された前記基板上を前記レバー部により走査して、該探針部の表面形状をSPM観察すると共に探針部の位置を特定する特定工程と、
該特定工程後、特定した探針部上に前記レバー部の先端を位置させるセット工程と、
該セット工程後、前記レバー部の先端の所定位置に前記探針部を固定させる固定工程とを備えていることを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項21に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記探針部は、磁性材料から形成され、
前記固定工程の際に、磁力を利用して前記探針部を前記レバー部に固定することを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項21に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記固定工程の際に、前記レバー部を超音波加振させ、該超音波加振により発生した熱を利用して前記探針部を熱接着固定することを特徴とするカンチレバーの製造方法。 - 請求項21から請求項23のいずれか1項に記載のカンチレバーの製造方法において、
前記載置工程の前に、前記探針部を予め所定の物質により修飾する修飾工程を行うことを特徴とするカンチレバーの製造方法。
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