JP2018194371A - 試料保持具、固定部材及び試料固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】試料が液体に浸漬された状態であっても、試料を安定した状態で保持できる試料保持具を提供する。
【解決手段】試料保持具1は、試料容器2と、固定部材3とを備えている。固定部材3は、試料Sが配置された状態の試料容器2内に挿入され、試料容器2の底面との間で試料Sを狭持して固定する。このとき、固定部材3は、試料容器2の内部に挿入されることにより周縁部が弾性変形し、その弾性力で試料Sを狭持する。固定部材3には、挟持された試料の表面を露出するための開口部31が形成されているため、試料Sを固定した状態を保ちながら、開口部31を介して試料Sを観察できる。
【選択図】図1
【解決手段】試料保持具1は、試料容器2と、固定部材3とを備えている。固定部材3は、試料Sが配置された状態の試料容器2内に挿入され、試料容器2の底面との間で試料Sを狭持して固定する。このとき、固定部材3は、試料容器2の内部に挿入されることにより周縁部が弾性変形し、その弾性力で試料Sを狭持する。固定部材3には、挟持された試料の表面を露出するための開口部31が形成されているため、試料Sを固定した状態を保ちながら、開口部31を介して試料Sを観察できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、試料の表面に沿ってプローブを相対移動させることにより測定を行う走査型プローブ顕微鏡に用いられる試料保持具及び固定部材、並びに、当該走査型プローブ顕微鏡において試料を固定するための試料固定方法に関するものである。
従来より、試料の微細な表面形状を検査する装置として、走査型プローブ顕微鏡が利用されている。走査型プローブ顕微鏡では、試料の表面に対して、プローブを相対移動させて走査することにより、その走査中にプローブと試料表面との間に作用する物理量(トンネル電流又は原子間力など)の変化が検出される。そして、走査中の上記物理量を一定に保つようにプローブの相対位置がフィードバック制御されることにより、そのフィードバック量に基づいて試料の表面形状を測定することができる。
このような走査型プローブ顕微鏡を用いて試料の観察を行う場合には、観察中に試料が動くことを防ぐために、試料を安定させた状態で配置することが必要となる。この点から、例えば、試料は、専用の試料容器に保持された状態で観察位置にセットされる(例えば、下記特許文献1参照)。
下記特許文献1に記載の固定方法では、試料容器に設けられた溝に接着剤を塗布し、その状態の試料容器に試料を配置することで、接着により試料を試料容器に固定している。そして、試料が固定された状態の試料容器が走査型プローブ顕微鏡のステージにセットされて、試料の観察が行われる。
これにより、試料が固定された状態で観察を行うことができる。
これにより、試料が固定された状態で観察を行うことができる。
しかしながら、上記した固定方法では、溶液に浸された試料を観察する場合には、試料を固定することが困難であるという不具合があった。具体的には、試料が溶液に浸漬されるため、接着剤が溶解することがあった。そして、この場合には、接着剤により試料を試料容器に固定することができず、観察中に試料が動いてしまう。その結果、試料の観察に悪影響を及ぼしてしまう。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、試料が液体に浸漬された状態であっても、試料を安定した状態で保持できる試料保持具を提供することを目的とする。
(1)本発明に係る試料保持具は、試料の表面に沿ってプローブを相対移動させることにより測定を行う走査型プローブ顕微鏡に用いられる。前記試料保持具は、試料容器と、固定部材とを備える。前記試料容器は、挿入口を有し、前記挿入口から内部に試料を挿入可能である。前記固定部材は、前記挿入口から前記試料容器の内部に挿入され、前記試料容器の内面との間で試料を挟持して固定する。前記固定部材は、前記試料容器の内部に挿入されることにより周縁部が弾性変形し、その弾性力で試料を挟持するとともに、挟持された試料の表面を露出させるための開口部が形成されている。
このような構成によれば、試料容器の内部に試料が挿入された状態で、試料容器の内部に固定部材が挿入されると、固定部材は、周縁部が弾性変形し、試料容器の内面との間で弾性力により試料を狭持する。
そのため、試料容器の内部に、液体に浸漬させた状態で試料が設置される場合であっても、試料を安定した状態で保持できる。
また、固定部材には、試料の表面を露出させるための開口部が形成されている。
そのため、試料を固定した状態を保ちながら、開口部を介して試料を観察できる。
そのため、試料容器の内部に、液体に浸漬させた状態で試料が設置される場合であっても、試料を安定した状態で保持できる。
また、固定部材には、試料の表面を露出させるための開口部が形成されている。
そのため、試料を固定した状態を保ちながら、開口部を介して試料を観察できる。
(2)また、前記固定部材は、その周縁部が折り曲げられることによりバネ板部が形成されており、前記バネ板部が弾性変形することにより、その弾性力で試料を挟持してもよい。
このような構成によれば、固定部材において、バネ板部を簡易に構成できる。
(3)また、前記固定部材は、その周縁部に複数の切込みが形成され、前記複数の切込みにより複数の前記バネ板部が形成されていてもよい。
(3)また、前記固定部材は、その周縁部に複数の切込みが形成され、前記複数の切込みにより複数の前記バネ板部が形成されていてもよい。
このような構成によれば、固定部材において、バネ板部を一層簡易に構成できる。
(4)本発明に係る固定部材は、試料の表面に沿ってプローブを相対移動させることにより測定を行う走査型プローブ顕微鏡に用いられ、試料容器の内面との間で試料を挟持して固定するためのものである。前記固定部材は、開口部と、バネ板部とを備える。前記開口部は、挟持された試料の表面を露出させる。前記バネ板部は、周縁部が折り曲げられることにより形成される。
(5)また、前記固定部材では、周縁部に複数の切込みが形成され、前記複数の切込みにより複数の前記バネ板部が形成されていてもよい。
(6)本発明に係る試料固定方法は、試料の表面に沿ってプローブを相対移動させることにより測定を行う走査型プローブ顕微鏡において試料を固定するためのものである。前記試料固定方法には、試料設置ステップと、試料固定ステップとが含まれる。前記試料設置ステップでは、挿入口を有する試料容器の内部に、液体に浸漬させた状態で試料を設置する。前記試料固定ステップでは、前記挿入口から前記試料容器の内部に固定部材を挿入して液体に浸漬させ、前記試料容器の内面との間で試料を挟持して固定するとともに、前記固定部材に形成された開口部から試料の表面を露出させる。前記試料固定ステップでは、前記固定部材が前記試料容器の内部に挿入されることにより、前記固定部材の周縁部が弾性変形し、その弾性力で試料が挟持される。
本発明によれば、試料容器の内部に試料が挿入された状態で、試料容器の内部に固定部材が挿入されると、固定部材は、周縁部が弾性変形し、試料容器の内面との間で弾性力により試料を狭持する。そのため、試料容器の内部に、液体に浸漬させた状態で試料が設置される場合であっても、試料を安定した状態で保持できる。
1.試料保持具
図1は、本発明の第1実施形態に係る試料保持具の構成例を示した概略図である。
試料保持具1は、走査型プローブ顕微鏡で観察される試料を保持するための部材であって、試料容器2と、固定部材3とを備えている。
図1は、本発明の第1実施形態に係る試料保持具の構成例を示した概略図である。
試料保持具1は、走査型プローブ顕微鏡で観察される試料を保持するための部材であって、試料容器2と、固定部材3とを備えている。
試料容器2は、例えば、樹脂材料からなる。試料容器2は、下端が閉塞された円筒状に形成されており、上下方向に延びている。すなわち、試料容器2の上端は開放されている。試料容器2の上端部の内部空間が挿入口21である。
固定部材3は、試料容器2内に挿入されて用いられる部材であって、円板状に形成されている。固定部材3の外径は、試料容器2の内径よりもやや大きい。固定部材3の周縁部は、弾性変形可能に構成されている。固定部材3には、開口部31が形成されている。固定部材3の詳細な構成については、後述する。
試料の観察の際には、試料容器2は、走査型プローブ顕微鏡のステージ4上に載置される。また、試料容器2内には、試料Sとともに固定部材3が配置されており、さらに、液体Bが貯留されている。試料容器2内では、試料S及び固定部材3が液体Bに浸漬されており、かつ、試料Sの上方に固定部材3が配置されている。これにより、試料Sは、大気にさらされることなく、固定部材3によって試料容器2内で固定される。
このように、試料Sを保持した試料保持具1が走査型プローブ顕微鏡のステージ4上に配置された状態で、試料Sの観察が行われる。
このように、試料Sを保持した試料保持具1が走査型プローブ顕微鏡のステージ4上に配置された状態で、試料Sの観察が行われる。
試料保持具1がセットされる走査型プローブ顕微鏡は、例えば、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)であって、ステージ4、カンチレバー5、光源6及び受光部7などを備えている。
ステージ4は、例えば、その外周面に圧電素子(図示せず)が取り付けられている。そして、この圧電素子に電圧が印加されることにより、ステージ4が適宜変形して、ステージ4上の試料Sの位置が変化する。
カンチレバー5は、例えば、片持ち支持される長尺状の部材であって、自由端側の先端部にプローブが設けられている。カンチレバー5(カンチレバー5のプローブ)は、固定部材3の開口部31を介して、試料Sの表面に沿って走査される。
光源6は、レーザ光を出射するように構成されている。
受光部7は、例えば、フォトダイオードなどであって、カンチレバー5からの反射光を受光して検出するように構成されている。
光源6は、レーザ光を出射するように構成されている。
受光部7は、例えば、フォトダイオードなどであって、カンチレバー5からの反射光を受光して検出するように構成されている。
走査型プローブ顕微鏡において、試料Sの観察を行う場合には、ステージ4上に試料保持具1がセットされた状態で、ステージ4が適宜変形されて、ステージ4上の試料Sの位置が変化する。これにより、試料Sの表面に対して、カンチレバー5のプローブが相対移動されて、試料Sの表面に沿って走査される。この走査中にプローブと試料Sの表面との間に作用する原子間力が変化する。
また、光源6からは、レーザ光が照射される。光源6からの光は、カンチレバー5のプローブに向かう。そして、カンチレバー5のプローブで反射された光(反射光)は、受光部7で受光される。
カンチレバー5のプローブは、試料Sの表面の凹凸に沿って相対移動されるため、凹凸の形状に応じて撓む。カンチレバー5のプローブが撓むと、受光部7では、反射光を受光する位置が変化する。したがって、受光部7における反射光の受光位置の変化に基づいて、走査中にカンチレバー5のプローブと試料Sの表面との間に作用する原子間力の変化を検出することができる。そして、この原子間力の変化に基づいて、ステージ4が動作することにより、試料Sの表面形状が測定される。
このように、走査型プローブ顕微鏡で試料Sを観察する際には、試料Sは、試料保持具1によって固定される。すなわち、試料Sは、試料容器2内の一定位置に配置された状態が保たれる。そのため、試料Sを精度よく観察できる。
2.固定部材の詳細な構成
図2は、固定部材3を示した平面図である。図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。
図2は、固定部材3を示した平面図である。図3は、図2のA−A線に沿う断面図である。
固定部材3は、例えば、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂材料からなる。固定部材3は、平板部32と、複数のバネ板部33とを備えている。
平板部32は、平らな円板状に形成されている。上記した開口部31は、平板部32の中央部に形成されている。開口部31は、平面視円形状であって、平板部32を厚み方向に貫通している。開口部31の内径Lは、平板部32の直径の1/3程度の寸法であって、走査型プローブ顕微鏡のカンチレバー5の走査幅よりも大きい。具体的には、開口部31の内径Lは、例えば、10mmである。
バネ板部33は、平面視矩形状の平板状に形成されおり、平板部32の外周縁から外方に向かって突出している。具体的には、バネ板部33は、平板部32の外周縁から径方向外方に向かうにつれて、厚み方向一方側に向かうように傾斜している。図3に示すように、バネ板部33に沿う方向と、平板部32に沿う方向とのなす角度θは、90°未満である。図2に示すように、複数のバネ板部33は、平板部32の周方向に沿って、等間隔を隔てて配置されている。各バネ板部33の間の領域が、切欠き34である。
固定部材3を作製する際には、まず、平板部32の外周縁から複数のバネ板部33が水平方向に突出した状態(傾斜していない状態)の部材が用意される。すなわち、平板部32の直径よりも大きい直径の円板状の部材であって、その周縁部に複数の切欠き34が形成された部材が用意される。そして、その部材の周縁部(水平方向に延びるバネ板部33)が角度θで折り曲げられることで、固定部材3が作製される(構成される)。
3.試料保持具による試料の固定
図4は、試料保持具1を用いた試料Sの固定方法を説明するための図である。
走査型プローブ顕微鏡において試料Sを固定する際には、ユーザは、まず、図4(a)に示すように、試料容器2を準備する。
図4は、試料保持具1を用いた試料Sの固定方法を説明するための図である。
走査型プローブ顕微鏡において試料Sを固定する際には、ユーザは、まず、図4(a)に示すように、試料容器2を準備する。
そして、ユーザは、図4(b)に示すように、挿入口21から試料容器2内に試料S及び液体Bを導入する。すなわち、ユーザは、試料容器2の内部に、液体Bに浸漬させた状態で試料Sを設置する(試料設置ステップ)。このとき、ユーザは、試料容器2内に試料Sを配置した後、試料容器2内に液体Bを導入してもよく、また、試料容器2内に液体Bを導入した後に、試料容器2内に試料Sを配置してもよい。
その後、ユーザは、図4(c)に示すように、試料容器2の上方から固定部材3を下方に向かって移動させて、挿入口21から試料容器2の内部に固定部材3を挿入する。このとき、ユーザは、固定部材3が液体Bに浸漬するとともに、固定部材3の下面が試料Sに当接するまで、固定部材3を試料容器2の内部に挿入する。
上記したように、固定部材3の外径は、試料容器2の内径よりも大きい。そのため、固定部材3が試料容器2の内部に挿入されると、まず、固定部材3のバネ板部33が試料容器2の上端部に接触する。
この状態からさらに固定部材3が試料容器2の内部に挿入されると、固定部材3のバネ板部33が、試料容器2との接触により、上方側にさらに折れ曲がるように弾性変形する。そして、固定部材3は、バネ板部33が弾性変形した状態(さらに折れ曲がった状態)で、試料Sに接触する。固定部材3は、試料容器2の内壁との摩擦により、固定部材3内に固定される。また、ユーザは、図1に示すように、この状態の試料容器2及び固定部材3をステージ4上に載置する。
これにより、試料Sは、バネ板部33の弾性力によって、固定部材3(平板部32)と試料容器2(試料容器2の底壁)との間で狭持される(試料固定ステップ)。この状態において、試料Sの表面(上面)は、開口部31から露出している。
このように、試料Sは、試料容器2内において液体Bに浸漬された状態で、固定部材3の弾性力によって試料容器2の底面(内面)との間で狭持される。そのため、接着剤などを用いることなく、試料Sを液体Bに浸漬させた状態で固定できる。
そして、走査型プローブ顕微鏡における試料Sの観察が完了すると、固定部材3が試料容器2内から取り外される。このとき、ユーザは、例えば、ピンセットなどによって固定部材3のバネ板部33を把持して持ち上げることにより、固定部材3を試料容器2内から取り外す。すなわち、固定部材3のバネ板部33は、固定部材3を把持するための把持部としても機能する。
このように、固定部材3は、試料容器2内において試料Sを容易に固定でき、また、固定部材3から容易に取り外すことができる。
このように、固定部材3は、試料容器2内において試料Sを容易に固定でき、また、固定部材3から容易に取り外すことができる。
試料容器2内から取り外された固定部材3は、その後の走査側プローブ顕微鏡を用いた観察の際に、再度、試料保持具1として用いることが可能(再利用可能)である。なお、試料容器2内に導入される液体Bの種類によっては、試料容器2は、再利用されずに廃棄される。
4.作用効果
(1)本実施形態によれば、図1に示すように、試料保持具1は、試料容器2と、固定部材3とを備えている。固定部材3は、試料Sが配置された状態の試料容器2内に挿入され、試料容器2の底面との間で試料Sを狭持して固定する。このとき、固定部材3は、試料容器2の内部に挿入されることにより周縁部(バネ板部33)が弾性変形し、その弾性力で試料Sを狭持する(試料固定ステップ)。
そのため、試料容器2の内部に、液体Bに浸漬させた状態で試料Sが設置される場合であっても、固定部材3によって試料Sを安定した状態で保持できる。
また、固定部材3の平板部32には、試料Sの表面を露出させるための開口部31が形成されている。
そのため、試料Sを固定した状態を保ちながら、開口部31を介して試料を観察できる。
(1)本実施形態によれば、図1に示すように、試料保持具1は、試料容器2と、固定部材3とを備えている。固定部材3は、試料Sが配置された状態の試料容器2内に挿入され、試料容器2の底面との間で試料Sを狭持して固定する。このとき、固定部材3は、試料容器2の内部に挿入されることにより周縁部(バネ板部33)が弾性変形し、その弾性力で試料Sを狭持する(試料固定ステップ)。
そのため、試料容器2の内部に、液体Bに浸漬させた状態で試料Sが設置される場合であっても、固定部材3によって試料Sを安定した状態で保持できる。
また、固定部材3の平板部32には、試料Sの表面を露出させるための開口部31が形成されている。
そのため、試料Sを固定した状態を保ちながら、開口部31を介して試料を観察できる。
(2)本実施形態によれば、図2及び図3に示すように、固定部材3は、その周縁部が折り曲げられることによりバネ板部33が形成されている。そして、試料容器2内に固定部材3が挿入される際には、固定部材3のバネ板部33が弾性変形することにより、その弾性力で試料Sが挟持される。
そのため、固定部材3において、バネ板部33を簡易に構成できる。
そのため、固定部材3において、バネ板部33を簡易に構成できる。
5.第2実施形態
以下では、図5〜図8を用いて、本発明の他の実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成及び方法については、上記と同様の符号を用いることにより説明を省略する。以下の他の実施形態では、固定部材3に代えて用いることができる固定部材の構成について説明する。以下の各固定部材と、固定部材3とでは、その形状が異なっている。
図5は、本発明の第2実施形態に係る試料保持具1の固定部材10を示した平面図である。
以下では、図5〜図8を用いて、本発明の他の実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成及び方法については、上記と同様の符号を用いることにより説明を省略する。以下の他の実施形態では、固定部材3に代えて用いることができる固定部材の構成について説明する。以下の各固定部材と、固定部材3とでは、その形状が異なっている。
図5は、本発明の第2実施形態に係る試料保持具1の固定部材10を示した平面図である。
第2実施形態の試料保持具1では、固定部材10が用いられる。
固定部材10は、円板状に形成されている。固定部材10の中央には、平面視円形状の開口部101が形成されている。固定部材10の周縁部102には、複数の切込み102aが形成されている。切込み102aは、径方向に沿うように形成されている。複数の切込み102aは、周方向に等間隔を隔てて配置されている。
固定部材10は、円板状に形成されている。固定部材10の中央には、平面視円形状の開口部101が形成されている。固定部材10の周縁部102には、複数の切込み102aが形成されている。切込み102aは、径方向に沿うように形成されている。複数の切込み102aは、周方向に等間隔を隔てて配置されている。
固定部材10では、周縁部102は、厚み方向一方側に向かって折り曲げられている。このように折り曲げられた周縁部102が、バネ板部として機能する。なお、図5では、周縁部102が折り曲げられる前の状態の固定部材10が表されている。
そして、試料容器2内に固定部材10を挿入する際には、周縁部102がさらに折れ曲がるように弾性変形する。
そして、試料容器2内に固定部材10を挿入する際には、周縁部102がさらに折れ曲がるように弾性変形する。
このように、第2実施形態によれば、固定部材10では、円板状に形成される固定部材10の周縁部102に切込み102aが形成されている。そして、固定部材10では、周縁部102は、厚み方向一方側に向かって折り曲げられており、折り曲げられた周縁部102が、バネ板部として機能する。
そのため、固定部材10において、周縁部102(バネ板部)を一層簡易に構成できる。
そのため、固定部材10において、周縁部102(バネ板部)を一層簡易に構成できる。
6.第3実施形態
図6は、本発明の第3実施形態に係る試料保持具1の固定部材11を示した平面図である。
第3実施形態の試料保持具1では、固定部材11が用いられる。
固定部材11は、平面視矩形状の板状に形成されている。固定部材11の中央には、平面視円形状の開口部111が形成されている。固定部材11の周縁部112には、複数の切込み112aが形成されている。切込み112aは、周縁部112の外縁と直交する方向に沿って形成されている。複数の切込み112aは、周縁部112の外縁に沿う方向において、等間隔を隔てて配置されている。
図6は、本発明の第3実施形態に係る試料保持具1の固定部材11を示した平面図である。
第3実施形態の試料保持具1では、固定部材11が用いられる。
固定部材11は、平面視矩形状の板状に形成されている。固定部材11の中央には、平面視円形状の開口部111が形成されている。固定部材11の周縁部112には、複数の切込み112aが形成されている。切込み112aは、周縁部112の外縁と直交する方向に沿って形成されている。複数の切込み112aは、周縁部112の外縁に沿う方向において、等間隔を隔てて配置されている。
固定部材11では、周縁部112は、厚み方向一方側に向かって折り曲げられている。このように折り曲げられた周縁部112が、バネ板部として機能する。なお、図6では、周縁部112が折り曲げられる前の状態の固定部材11が表されている。
そして、試料容器2内に固定部材11を挿入する際には、周縁部112がさらに折れ曲がるように弾性変形する。
そして、試料容器2内に固定部材11を挿入する際には、周縁部112がさらに折れ曲がるように弾性変形する。
このように、第3実施形態によれば、固定部材11では、平面視矩形状の板状である固定部材11の周縁部112に切込み112aが形成されている。そして、固定部材11では、周縁部112は、厚み方向一方側に向かって折り曲げられており、折り曲げられた周縁部112が、バネ板部として機能する。
そのため、固定部材11において、周縁部112(バネ板部)を一層簡易に構成できる。
そのため、固定部材11において、周縁部112(バネ板部)を一層簡易に構成できる。
7.第4実施形態
図7は、本発明の第4実施形態に係る試料保持具1の固定部材12を示した平面図である。
第4実施形態の試料保持具1では、固定部材12が用いられる。
固定部材12は、平面視矩形状の板状であって、角部を切り欠いた形状に形成されている。固定部材12の中央には、平面視円形状の開口部121が形成されている。固定部材12の周縁部122の各角部には、切欠き122aが形成されている。切欠き122aは、平面視矩形状に形成されている。
図7は、本発明の第4実施形態に係る試料保持具1の固定部材12を示した平面図である。
第4実施形態の試料保持具1では、固定部材12が用いられる。
固定部材12は、平面視矩形状の板状であって、角部を切り欠いた形状に形成されている。固定部材12の中央には、平面視円形状の開口部121が形成されている。固定部材12の周縁部122の各角部には、切欠き122aが形成されている。切欠き122aは、平面視矩形状に形成されている。
固定部材12では、周縁部122は、厚み方向一方側に向かって折り曲げられている。このように折り曲げられた周縁部122が、バネ板部として機能する。なお、図7では、周縁部122が折り曲げられる前の状態の固定部材12が表されている。
そして、試料容器2内に固定部材12を挿入する際には、周縁部122がさらに折れ曲がるように弾性変形する。
そして、試料容器2内に固定部材12を挿入する際には、周縁部122がさらに折れ曲がるように弾性変形する。
このように、第4実施形態によれば、固定部材12は、平面視矩形状の板状であって、角部を切り欠いた形状に形成されている。そして、固定部材12では、周縁部122は、厚み方向一方側に向かって折り曲げられており、折り曲げられた周縁部122が、バネ板部として機能する。
そのため、固定部材12において、周縁部122(バネ板部)を一層簡易に構成できる。
そのため、固定部材12において、周縁部122(バネ板部)を一層簡易に構成できる。
8.第5実施形態
図8は、本発明の第5実施形態に係る試料保持具1の固定部材13を示した平面図である。
第5実施形態の試料保持具1では、固定部材13が用いられる。
固定部材13は、平面視矩形状の板状に形成されている。固定部材13の中央には、平面視円形状の開口部131が形成されている。固定部材13の周縁部の一部である各角部132は、折り曲げ線132aを境界として厚み方向一方側に向かって折り曲げられている。このように折り曲げられた角部132が、バネ板部として機能する。なお、図8では、角部132が折り曲げられる前の状態の固定部材13が表されている。
図8は、本発明の第5実施形態に係る試料保持具1の固定部材13を示した平面図である。
第5実施形態の試料保持具1では、固定部材13が用いられる。
固定部材13は、平面視矩形状の板状に形成されている。固定部材13の中央には、平面視円形状の開口部131が形成されている。固定部材13の周縁部の一部である各角部132は、折り曲げ線132aを境界として厚み方向一方側に向かって折り曲げられている。このように折り曲げられた角部132が、バネ板部として機能する。なお、図8では、角部132が折り曲げられる前の状態の固定部材13が表されている。
そして、試料容器2内に固定部材13を挿入する際には、角部132がさらに折れ曲がるように弾性変形する。
このように、第5実施形態によれば、固定部材13では、平面視矩形状の板状である固定部材13の角部132が厚み方向一方側に向かって折り曲げられており、折り曲げられた角部132が、バネ板部として機能する。
そのため、固定部材13において、角部132をバネ板部として簡易に機能させることができる。
9.変形例
このように、第5実施形態によれば、固定部材13では、平面視矩形状の板状である固定部材13の角部132が厚み方向一方側に向かって折り曲げられており、折り曲げられた角部132が、バネ板部として機能する。
そのため、固定部材13において、角部132をバネ板部として簡易に機能させることができる。
9.変形例
以上の実施形態では、試料容器2は、下端が閉塞された円筒状に形成されるとして説明した。しかし、試料容器2は、下端が閉塞された角筒状に形成されていてもよい。また、試料容器2は、下端が閉塞された平面視楕円形状の筒状に形成されていてもよい。
また、以上の実施形態では、各固定部材は、周縁部が予め折り曲げられた状態で試料容器2内に挿入されるとして説明した。しかし、各固定部材は、周縁部が折り曲げられていない状態で、試料容器2内に挿入され、その状態から周縁部が撓むように弾性変形してもよい。
また、以上の実施形態では、走査型プローブ顕微鏡では、ステージ4を変形させることにより、カンチレバー5及び試料Sを相対移動させるとして説明した。しかし、走査型顕微鏡において、ステージ4を変形させず、カンチレバー5を試料Sに対して移動させてもよい。
また、以上の実施形態では、固定部材3は、PETからなるとして説明した。しかし、固定部材3は、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)などの他の樹脂でもよい。また、固定部材3は、樹脂に限らず金属などでもよいが、例えば、液体Bが、酸、アルカリ、電解液などである場合には、液体Bと反応しにくい樹脂であることが好ましい。
また、以上の実施形態では、固定部材3は、その平面視形状が円形状又は矩形状であるとして説明した。しかし、固定部材3の平面視形状は、楕円形状、三角形状、多角形状及び星形状などの任意の形状とすることが可能である。
1 試料保持具
2 試料容器
3 固定部材
10〜13 固定部材
21 挿入口
31,101,111,131 開口部
33 バネ板部
102,112,122 周縁部
132 角部
2 試料容器
3 固定部材
10〜13 固定部材
21 挿入口
31,101,111,131 開口部
33 バネ板部
102,112,122 周縁部
132 角部
Claims (6)
- 試料の表面に沿ってプローブを相対移動させることにより測定を行う走査型プローブ顕微鏡に用いられる試料保持具であって、
挿入口を有し、前記挿入口から内部に試料を挿入可能な試料容器と、
前記挿入口から前記試料容器の内部に挿入され、前記試料容器の内面との間で試料を挟持して固定する固定部材とを備え、
前記固定部材は、前記試料容器の内部に挿入されることにより周縁部が弾性変形し、その弾性力で試料を挟持するとともに、挟持された試料の表面を露出させるための開口部が形成されていることを特徴とする試料保持具。 - 前記固定部材は、その周縁部が折り曲げられることによりバネ板部が形成されており、前記バネ板部が弾性変形することにより、その弾性力で試料を挟持することを特徴とする請求項1に記載の試料保持具。
- 前記固定部材は、その周縁部に複数の切込みが形成され、前記複数の切込みにより複数の前記バネ板部が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の試料保持具。
- 試料の表面に沿ってプローブを相対移動させることにより測定を行う走査型プローブ顕微鏡に用いられ、試料容器の内面との間で試料を挟持して固定するための固定部材であって、
挟持された試料の表面を露出させるための開口部と、
周縁部が折り曲げられることにより形成されたバネ板部とを備えることを特徴とする固定部材。 - 周縁部に複数の切込みが形成され、前記複数の切込みにより複数の前記バネ板部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の固定部材。
- 試料の表面に沿ってプローブを相対移動させることにより測定を行う走査型プローブ顕微鏡において試料を固定するための試料固定方法であって、
挿入口を有する試料容器の内部に、液体に浸漬させた状態で試料を設置する試料設置ステップと、
前記挿入口から前記試料容器の内部に固定部材を挿入して液体に浸漬させ、前記試料容器の内面との間で試料を挟持して固定するとともに、前記固定部材に形成された開口部から試料の表面を露出させる試料固定ステップとを含み、
前記試料固定ステップでは、前記固定部材が前記試料容器の内部に挿入されることにより、前記固定部材の周縁部が弾性変形し、その弾性力で試料が挟持されることを特徴とする試料固定方法。
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