JP2013017078A - スイッチング素子の駆動装置及びスイッチング素子の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スルーレート調整部は、NチャネルMOSFETを介してDCモータに出力される電圧波形のスルーレートを変化させ、キャリア周波数によって決まる周波数帯よりも高い周波数帯域に現れるスイッチングノイズの周波数成分を分散させてピークレベルを低下させる。
【選択図】図1
Description
このように構成すれば、電源側,並びにグランド側スイッチング素子の何れか一方をオンさせて、駆動対象スイッチング素子によるスイッチングを制御する際に、電源,グランドと、駆動対象スイッチング素子の制御端子との間の抵抗値を変化させると、前記制御端子部分の容量も合わせた充放電時定数が変化する。それにより、前記制御端子に係る充放電電圧波形の傾き、すなわち、駆動信号波形のスルーレートを変化させることができる。
すなわち、電源側,グランド側のそれぞれに配置される複数のスイッチの1つだけを選択してオンさせれば、駆動対象スイッチング素子の制御端子に付与されるハイレベル,ローレベルの電位が変化する。したがって、その電位変化により駆動信号波形のスルーレートを変化させることができる。
このように構成すれば、スルーレート調整手段は、実際の導通端子間電圧又は電源電圧の変化状態に応じてスルーレートをダイナミックに変化させ、スイッチングノイズの発生状態を調整することができる。例えば、導通端子間電圧又は電源電圧が低下した場合には、駆動信号電圧をより低く設定するように調整すればスルーレートを低下させることになり、スイッチング損失を増大させることなくスイッチングノイズの発生レベルを抑制できる。
以下、第1実施例について図1ないし図5を参照して説明する。図5は、DCモータを駆動する構成を概略的に示す機能ブロック図である。電源(バッテリ)1の正側端子(+B)と負側端子(グランド)との間には、NチャネルMOSFET2(駆動対象スイッチング素子)とDCモータ3(負荷)との直列回路が接続されている。また、DCモータ3に対して並列にNチャネルMOSFET4が接続されているが、そのゲートはグランドに直結されており常時オフである。すなわち、NチャネルMOSFET4は、寄生ダイオード4Dをフライホイールダイオードとして使用するために接続されている。
尚、上記シミュレーションについては、スイッチング損失の平均が基準値のΔt=50ns相当値に一致するようになっていないが、前記相当値に一致させるのであれば、100nsに替えて75nsに変化させれば良い(すなわち、α=25nsとなる)。
図6は第2実施例であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例は、スルーレート調整部11(スルーレート調整手段)をより具体的な構成としたゲート駆動回路(駆動装置)12を示す。スルーレート調整部11は、出力段がPチャネルMOSFET13(電源側スイッチング素子)及びNチャネルMOSFET14(グランド側スイッチング素子)を直列に接続したプッシュプル型で構成されている。そして、両者の共通接続点であるドレイン(非基準側導通端子)は、NチャネルMOSFET2のゲートに接続されている。また、両者のゲートには、PWM信号生成回路6が出力するPWM信号が与えられている。
及びグランド側抵抗回路16を備え、PWM信号の入力タイミングに同期してスイッチS1〜Sn,及びS11〜Snnのオンオフ制御を行うようにした。
図7は第3実施例であり、第2実施例と異なる部分について説明する。第3実施例は、スルーレート調整部11を新たなスルーレート調整部21(スルーレート調整手段)に置き換えて、ゲート駆動回路22(駆動装置)を構成している。PチャネルMOSFET13のソース(電源側導通端子)には、1つの抵抗素子RPを介してスイッチS1〜Snが接続されており、スイッチS1〜Snの他端には、それぞれ電圧が異なる電源Vcc1,Vcc2,…,Vccnが接続されている。
図8は及び図9は第4実施例であり、第3実施例と異なる部分のみ説明する。第4実施例のゲート駆動回路24(駆動装置)は、第3実施例のスルーレート調整部21において、信号処理回路23を新たな信号処理回路25に置き換え、更に素子間電圧監視部26(電圧検出手段)を追加して新たなスルーレート調整部27(スルーレート調整手段)としたものである。素子間電圧監視部26は、NチャネルMOSFET2がオフ状態にある場合のドレイン(D)−ソース(S)間電圧(導通端子間電圧,負荷駆動電圧)を検出し、その検出結果を信号処理回路25に出力する。そして、信号処理回路25は、上記D−S間電圧のレベルに応じて第3実施例における制御内容を修正して実行する。
図10は第5実施例である。第5実施例のゲート駆動回路31(駆動装置)では、PWM信号生成回路6より出力されるPWM信号が、NチャネルMOSFET2のゲートに直列出力されている。また、NチャネルMOSFET2のゲート,ソース間に、スイッチS1及びコンデンサC1,スイッチS2及びコンデンサC2,…,スイッチSn及びコンデンサCnの直列回路が並列に接続されている。そして、信号処理回路32は、入力されるPWM信号に同期してスイッチS1〜Snのオンオフを切り替える。上記並列回路と信号処理回路32とは、スルーレート調整部33(スルーレート調整手段)を構成している。
図11及び図12は第6実施例である。第6実施例では、駆動対象スイッチング素子として、n個のNチャネルMOSFET2(1〜n)が並列に接続されている。PWM信号生成回路6より出力されるPWM信号は、各NチャネルMOSFET2(1〜n)のゲートに遅延時間発生回路(遅延回路)34(1〜n)を介して与えられる。
図13は第7実施例であり、第6実施例と異なる部分のみ説明する。第7実施例では、第6実施例と同様に、並列接続される複数のNチャネルMOSFET2(1〜n)を使用する。そして、PWM信号生成回路6より出力されるPWM信号は、各NチャネルMOSFET2(1〜n)のゲートにスイッチS(1〜n)を介して与えられる。そして、信号処理回路39は、各スイッチS1〜Snのオンオフを切り替える制御信号を出力する。ここで、信号処理回路39とスイッチS(1〜n)とはゲート駆動回路(駆動装置)40を構成しており、NチャネルMOSFET2(1〜n)とゲート駆動回路39は、スルーレート調整手段41を構成している。
キャリア周波数やスルーレートの具体数値について、個別の設計に応じて適宜変更すれば良い。
スルーレートの調整は、必ずしも、基準値Δtに対し、Δt−αからΔt+αまでその平均値が前記基準値Δtとなるように変化させる必要はない。その変化については、ノイズレベルの突出したピークレベルを低下させるものであればその他のパターンでも、或いはパターンがないランダムな変化でも良い。
電圧検出手段は、電源1の電圧(+B)を負荷駆動電圧として検出しても良い。
ハイサイド駆動方式についても同様に適用できる。
負荷はDCモータに限ることはない。
車載用の負荷を通電制御するものに限らない。
Claims (11)
- 駆動信号を生成して、駆動対象スイッチング素子の制御端子に出力する駆動信号生成手段と、
前記駆動対象スイッチング素子を介して出力される電圧波形のスルーレートを変化させるスルーレート調整手段とを備えることを特徴とするスイッチング素子の駆動装置。 - 前記スルーレート調整手段は、電圧波形が変化する時間を、基準値Δtに対し、Δt−αからΔt+αまでその平均値が前記基準値Δtとなるように切り替えて変化させることを特徴とする請求項1記載のスイッチング素子の駆動装置。
- 前記スルーレート調整手段は、前記駆動信号波形のスルーレートを変化させることを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング素子の駆動装置。
- 前記スルーレート調整手段は、電源とグランドとの間に直列接続され、前記駆動信号のレベル変化に応じて排他的に導通する電源側,グランド側スイッチング素子からなるプッシュプル型の出力段と、
前記電源と前記電源側スイッチング素子との間,並びに前記グランド側スイッチング素子と前記グランドとの間にそれぞれ接続されるスイッチ及び抵抗素子の複数の直列回路とを備え、
前記駆動信号の入力タイミングに同期して、前記複数のスイッチのオンオフを、電源側,グランド側のそれぞれについて切り替えることを特徴とする請求項3記載のスイッチング素子の駆動装置。 - 前記スルーレート調整手段は、電源とグランドとの間に直列接続され、前記駆動信号のレベル変化に応じて排他的に導通する電源側,グランド側スイッチング素子からなるプッシュプル型の出力段と、
前記電源側スイッチング素子の電源側導通端子と、電圧が異なる複数の電源との間に接続される複数のスイッチと、
前記グランド側スイッチング素子のグランド側導通端子と、前記グランド側に配置され、電圧が異なる複数の電位付与手段との間に接続される複数のスイッチとを備え、
前記駆動信号の入力タイミングに同期して、前記複数のスイッチのオンオフを、電源側,グランド側のそれぞれについて切り替えることを特徴とする請求項3記載のスイッチング素子の駆動装置。 - 前記スルーレート調整手段は、電源とグランドとの間に直列接続され、前記駆動信号のレベル変化に応じて排他的に導通する電源側,グランド側スイッチング素子からなるプッシュプル型の出力段と、
前記電源側スイッチング素子の電源側導通端子と、電圧が異なる複数の電源との間に接続される複数のスイッチと、
前記グランド側スイッチング素子のグランド側導通端子と、前記グランド側に配置され、電圧が異なる複数の電位付与手段との間に接続される複数のスイッチと、
前記駆動対象スイッチング素子に供給される導通端子間電圧又は電源電圧を検出する電圧検出手段とを備え、
前記駆動信号の入力タイミングに同期して、前記複数のスイッチのオンオフを、電源側,グランド側のそれぞれについて、前記導通端子間電圧又は電源電圧の検出レベルに応じて切り替えることを特徴とする請求項3記載のスイッチング素子の駆動装置。 - 前記スルーレート調整手段は、前記駆動対象スイッチング素子の制御端子と電位基準導通端子との間に接続される、スイッチ及びコンデンサの直列回路を複数備え、
前記駆動信号の入力タイミングに同期して、前記複数のスイッチのオンオフを切り替えることを特徴とする請求項3記載のスイッチング素子の駆動装置。 - 前記スルーレート調整手段は、前記駆動対象スイッチング素子を複数並列に接続した並列回路と、
前記複数の駆動対象スイッチング素子に対応して設けられ、前記駆動信号に遅延時間を付与して、対応する駆動対象スイッチング素子の制御端子に出力する複数の遅延回路とを備え、
前記複数の遅延回路は、偶数個のインバータゲートを直列接続してなる直列回路と、前記インバータゲートの入力端子に奇数個おきに、且つ最終段のインバータゲートの出力端子に接続されるスイッチとで構成され、
前記駆動信号の入力タイミングに同期して、前記スイッチのオンオフを切り替えることを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング素子の駆動装置。 - 前記スルーレート調整手段は、前記駆動対象スイッチング素子を複数並列に接続した並列回路と、
一端が共通に前記駆動信号生成手段の出力端子に接続され、他端が前記複数の駆動対象スイッチング素子の制御端子にそれぞれ接続される複数のスイッチとを備え、
前記駆動信号の入力タイミングに同期して、前記複数のスイッチのオンオフを変化させることを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング素子の駆動装置。 - 駆動信号を生成して、駆動対象スイッチング素子の制御端子に出力する構成において、
前記駆動対象スイッチング素子を介して出力される電圧波形のスルーレートを変化させることを特徴とするスイッチング素子の駆動方法。 - 電圧波形が変化する時間を、基準値Δtに対し、Δt−αからΔt+αまでその平均値が前記基準値Δtとなるように切り替えて変化させることを特徴とする請求項10記載のスイッチング素子の駆動方法。
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