JP2013015198A - クラッチ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部からの入力によりクラッチ接続状態となるクラッチ装置において、クラッチ容量制御の容易化及びコンパクト化を図る。
【解決手段】クラッチアウタ42側のクラッチディスクとクラッチインナ43側のクラッチプレートとを圧接させる右押圧フランジ44aと、外力により前記右押圧フランジ44aを動かす押圧リング44bと、押圧リング44bから右押圧フランジ44aへクラッチ接続側の力を伝達するクラッチスプリング48と、クラッチインナ43と右押圧フランジ44aとの間で右押圧フランジ44aをクラッチ切断側に付勢するリターンスプリング49とを備え、クラッチスプリング48及びリターンスプリング49が、クラッチ軸方向と平行に配置され、かつクラッチ軸方向位置を互いにラップさせる。
【選択図】図5

Description

本発明は、摩擦板のクラッチ軸方向での押圧又はその解除により動力伝達の可否を切り替えるクラッチ装置に関する。
従来から、クラッチレリーズ機構によってクラッチピストンをクラッチインナに対して離間させる(クラッチ切断側に移動させる)ことによって、クラッチの接続を解除する構造がある。クラッチピストンは皿バネによってクラッチインナ側(クラッチ接続側)に付勢されており、クラッチレリーズ機構が作動していない場合には、皿バネの付勢力によってクラッチが接続状態となる。
この構成によれば、クラッチピストンを動かす部材の移動量とクラッチ容量との関係を直線状にすることができるので、クラッチ容量を前記部材の移動量によって容易に制御できる。
特開2005−249083号公報
ところで、外部からの入力によりクラッチ接続状態となり、前記入力の解除によりクラッチ切断状態となるクラッチ装置においても、クラッチ容量を容易に制御可能であり、かつ小型車両にも適したコンパクト化が可能な構成が要望されている。
そこで本発明は、外部からの入力によりクラッチ接続状態となるクラッチ装置において、クラッチ容量制御の容易化及びコンパクト化を図ることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、
回転軸(31,32)上に同軸支持されたクラッチアウタ(42)及びクラッチインナ(43)と、前記クラッチアウタ(42)に係合保持される外側摩擦板(41a)と、前記クラッチインナ(43)に係合保持される内側摩擦板(41b)とを備え、前記各摩擦板(41a,41b)をクラッチ軸方向で互いに圧接させる又は前記圧接を解除することで、前記クラッチアウタ(42)及びクラッチインナ(43)間の動力伝達の可否を切り替えるクラッチ装置(33,34)において、
前記クラッチインナ(43)にクラッチ軸方向で移動可能に支持されて前記クラッチインナ(43)の支持部(43a)と共に前記各摩擦板(41a,41b)を圧接させるクラッチピストン(44a)と、外力機構(59)から入力されたクラッチ接続側への力によって前記クラッチピストン(44a)を動かして前記各摩擦板(41a,41b)を圧接させる入力部(44b)と、前記入力部(44b)とクラッチピストン(44a)との間に配置されて前記外力機構(59)から前記入力部(44b)に入力されたクラッチ接続側への力を前記クラッチピストン(44a)に伝達するクラッチスプリング(48)と、前記クラッチインナ(43)とクラッチピストン(44a)との間に配置されて前記クラッチスプリング(48)のバネ力よりも小さい力で前記クラッチピストン(44a)をクラッチ切断側に付勢するリターンスプリング(49)とを備え、前記クラッチスプリング(48)及びリターンスプリング(49)が、クラッチ軸方向と平行に配置され、かつクラッチ軸方向位置を互いにラップさせることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、
前記入力部(44b)が、前記クラッチピストン(44a)の内周側にクラッチ軸方向で移動可能に嵌合することを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、
前記各スプリング(48,49)がそれぞれ複数設けられ、これら各スプリング(48,49)がクラッチ回転方向で交互に配置されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、
前記クラッチインナ(43)における内側摩擦板(41b)を支持する円筒壁(43b)に、前記リターンスプリング(49)の収容部となる切り欠き(68)が設けられることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、
前記クラッチピストン(44a)に、前記切り欠き(68)の前記クラッチピストン(44a)側の端部を相対回転不能に係合させる回り止め(70)が設けられることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、
前記クラッチピストン(44a)が、前記クラッチインナ(43)側にこれと同軸に突出するインナサポート部(65)を有し、前記インナサポート部(65)が、前記クラッチピストン(44a)から前記クラッチインナ(43)側に延びる外円筒壁(65a)と、前記外円筒壁(65a)の前記クラッチインナ(43)側端からクラッチ内周側に延びる底壁(65b)と、前記底壁(65b)の内周縁から前記クラッチピストン(44a)側に立ち上がる内円筒壁(65c)とを有し、前記内円筒壁(65c)の内周が前記クラッチインナ(43)のハブ部(43d)の外周に嵌合支持されると共に、前記入力部(44b)に一端部が支持される前記クラッチスプリング(48)の他端部が、前記クラッチピストン(44a)における前記外円筒壁(65a)、底壁(65b)及び内円筒壁(65c)に囲まれる折り返し部(67)に支持されることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、
前記クラッチインナ(43)に形成した給油路(71)が、前記クラッチピストン(44a)の折り返し部(67)に向けて開口することを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、クラッチ装置の入力部に外力機構からクラッチ接続側への力が入力されると、クラッチスプリングよりも先にリターンスプリングを弾性変形させつつ、入力部及びクラッチピストンがクラッチ接続側に移動し、クラッチピストンが各摩擦板の何れかに当接する(クラッチ装置の接続が開始される)。
その後、さらに入力部がクラッチ接続側に移動すると、次いでクラッチスプリングが弾性変形を開始し、そのバネ力で各摩擦板同士を圧接させたクラッチ接続状態となる。
すなわち、クラッチスプリングのバネ力をもって各摩擦板同士を圧接させることとなり、入力部の移動量がクラッチ容量に比例することとなって、クラッチ容量を精度良く制御することができる。
そして、クラッチスプリング及びリターンスプリングをクラッチ軸方向に沿わせて互いに平行に配置し、かつこれらのクラッチ軸方向位置を互いにラップさせて配置することで、これらを軸方向で重ねて配置する場合と比べてクラッチ装置を軸方向でコンパクトにすることができる。
請求項2に記載した発明によれば、クラッチピストンと入力部とをクラッチ軸方向でコンパクトに配置することができる。
請求項3に記載した発明によれば、各スプリングをバランスよくかつ効率よく配置することができる。
請求項4に記載した発明によれば、摩擦板の直ぐ内周側にリターンスプリングを配置可能とし、クラッチ装置を径方向でコンパクト化できる。
請求項5に記載した発明によれば、リターンスプリングを収容する切り欠きを利用して、クラッチインナ及びクラッチピストン同士の相対回転を効率よく規制できる。
請求項6に記載した発明によれば、クラッチスプリングの位置決めを容易にしつつこれを伸縮可能に配置できる。
請求項7に記載した発明によれば、クラッチインナとクラッチピストンとの嵌合部分に効率よく給油できる。
本発明の実施形態における自動二輪車の右側面図である。 上記自動二輪車のパワーユニットの右側面図である。 上記パワーユニットのクランクシャフト及び第一メインシャフト周辺の軸線と平行な断面図である。 上記パワーユニットの第二メインシャフト周辺の軸線と平行な断面図である。 上記パワーユニットの第一クラッチの軸線と平行な断面図である。 上記第一クラッチのクラッチインナの右側面図である。 上記第一クラッチの右押圧フランジの左側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
図1に示す自動二輪車(鞍乗り型車両)1において、その前輪2を軸支するフロントフォーク3の上部は、ステアリングステム4を介して車体フレーム5の前端部のヘッドパイプ6に操舵可能に枢支される。ヘッドパイプ6からはメインフレーム7が斜め下後方に延び、このメインフレーム7の後端部にピボットフレーム8の上端部が接続される。ピボットフレーム8の上下中間部にはスイングアーム9の前端部が上下揺動可能に枢支され、このスイングアーム9の後端部には後輪11が軸支される。スイングアーム9の前部と車体フレーム5の後部との間にはクッションユニット12が介設される。なお、図中符号27はスイングアーム9の揺動軸であるピボット軸を、符号7aはメインフレーム7の前部下側から斜め下後方に延びるダウンフレームを、符号7bはダウンフレーム7aの先端部に取り付けられたハンガーブラケットをそれぞれ示す。
車体フレーム5には、自動二輪車1の動力機関であるパワーユニット10が搭載される。
図2を併せて参照し、パワーユニット10は、その前部を構成する空冷単気筒エンジン(以下、単にエンジンという)13と、その後方に連なるツインクラッチ式トランスミッション(以下、単にトランスミッションという)23とを一体的に有する。
エンジン13は、そのクランクケース(パワーユニットケース)14上にシリンダ15を、鉛直方向に対して前傾した起立姿勢に設けた基本構成を有する。なお、図中符号C1はシリンダ15の起立方向に沿うシリンダ軸線を示す。パワーユニット10は、クランクケース14の前端部の上下がダウンフレーム7a及びハンガーブラケット7bの下端部にそれぞれボルト締結等により取り付けられ、クランクケース14の後端部の上下がピボットフレーム8の上下にそれぞれボルト締結等により取り付けられることで、車体フレーム5に固定的に支持される。なお、図中符号M1,M2はクランクケース14前端部上下の前フレーム固定部を、符号M3,M4はクランクケース14後端部上下の後フレーム固定部をそれぞれ示す。
シリンダ15は、クランクケース14側から順にシリンダ本体16、シリンダヘッド17及びヘッドカバー(不図示)を有する。シリンダヘッド17の後部(吸気側)には吸気系部品が、シリンダヘッド17の前部(排気側)には排気系部品がそれぞれ接続される(何れも不図示)。
シリンダ本体16内には、シリンダ軸線C1に沿って往復動するピストン18が嵌装され、このピストン18の往復動が、コネクティングロッド19を介してクランクシャフト21の回転動に変換される。
図2,3に示すように、クランクシャフト21は、パワーユニット10の動力軸としてクランクケース14の前部内に収容されるもので、クランクピン21aを支持する左右一対のクランクウェブ21bと、これら左右クランクウェブ21bから左右外側に突出する左右ジャーナル部21cと、これら左右ジャーナル部21cからさらに左右外側に延出する左右支持軸21dとを有する。左支持軸21dには不図示のオルタネータのロータが一体回転可能に支持される。右支持軸21dには、トランスミッション23への動力伝達用のプライマリドライブギヤ22が一体回転可能に支持される。
なお、図3中符号C2はクランクシャフト21(左右ジャーナル部21c)における左右方向に沿う回転中心軸線(クランク軸線)を、符号24は左右ジャーナル部21cをクランクケース14の左右側壁部14aに回転自在に支持する左右ラジアルボールベアリングを、符号25は左クランクウェブ21bと左ジャーナル部21cとの間でこれらと一体回転可能に支持されるオイルポンプドライブギヤを、符号26は右ジャーナル部21cとプライマリドライブギヤ22との間でこれらと一体回転可能に支持されるカムドライブスプロケットをそれぞれ示す。
また、図2中符号27はスイングアーム9の前端部を支持する左右方向に沿うピボット軸を、符号C7はピボット軸27における左右方向に沿う揺動中心軸線(ピボット軸線)を、符号28はクランクケース14内でクランクシャフト21の下方に配設されたオイルポンプを、符号29はクランクケース14の前端部下側に取り付けられたスタータモータをそれぞれ示す。
図2を参照し、クランクケース14の後部内には、エンジン13と駆動輪との間の動力伝達経路中に設けられるトランスミッション23、及びこのトランスミッション23の変速段を切り替えるチェンジ機構51が収納される。クランクシャフト21の回転動力は、トランスミッション23を介してクランクケース14の後部左側に出力された後、例えばチェーン式の伝動機構を介して後輪11に伝達される。
図3,4を併せて参照し、トランスミッション23は、互いに平行かつ別軸をなして左右方向に沿って延在する第一及び第二メインシャフト31,32と、各メインシャフト31,32の右端部にそれぞれ同軸支持される第一及び第二クラッチ33,34と、各メインシャフト31,32と平行かつ別軸をなして左右方向に沿って延在する単一のカウンタシャフト35と、第一メインシャフト31及びカウンタシャフト35に跨って設けられる第一変速ギヤ群36と、第二メインシャフト32及びカウンタシャフト35に跨って設けられる第二変速ギヤ群37とを有する。第一変速ギヤ群36は奇数変速段用の複数のギヤ列(ギヤ対)からなり、第二変速ギヤ群37は偶数変速段用の複数のギヤ列(ギヤ対)からなる。なお、図中符号C3,C4,C5は各メインシャフト31,32及びカウンタシャフト35における左右方向に沿う回転中心軸線(第一メイン軸線、第二メイン軸線、カウンタ軸線)をそれぞれ示す。
トランスミッション23は、前記各ギヤ列の何れかを選択的に用いた動力伝達が可能であり、変速段一定の通常運転時には、前記各クラッチ33,34の一方を接続状態とすると共に他方を切断状態とし、前記接続状態にあるクラッチに連結されたギヤ列の何れかを用いて動力伝達を行うと共に、前記切断状態にあるクラッチに連結されたギヤ列の中から予め選定したギヤ列を用いての動力伝達が可能な状態を作り出し、この状態から前記接続状態にあるクラッチを切断状態とすると共に前記切断状態にあるクラッチを接続状態とすることで(各クラッチ33,34を持ち替えることで)、奇数変速段及び偶数変速段間の変速段を切り替える。
図3,4を参照し、各クラッチ33,34は、その軸方向で交互に重なる複数のクラッチ板41を有する湿式多板クラッチであり、クランクケース14の右側部内(クラッチ室14c内)に収納される。なお、図中符号14bはクラッチ室14c(各クラッチ33,34)の右側方及びその周囲(前後左右)を覆うクラッチカバーを示す。
各クラッチ33,34は、それぞれ個別のクラッチ駆動機構(不図示)から受ける押圧力により各クラッチ板41を摩擦係合させる機械式とされる。
ここで、自動二輪車1は、いわゆるAMT(Automatic Manual Transmission)を備えたもので、電動モータ等のクラッチアクチュエータの駆動力を利用して、シフト操作子の操作や所定のシフトタイミングに合わせた各クラッチ33,34の接続・切断を可能とするものである。
トランスミッション23は、各変速段に対応する駆動ギヤと従動ギヤとが常に噛み合った常時噛み合い式とされる。各ギヤは、自身を支持するシャフトに対して相対回転自在なフリーギヤと、前記シャフトに対してスプライン嵌合するスライドギヤとに大別される。各ギヤは、前記チェンジ機構51の作動により前記スライドギヤを軸方向移動させることで、何れかの変速段に応じたギヤ列を用いた動力伝達に切り替わる。
各シャフト31,32,35は、クランクシャフト21から後方に向けて、第一メインシャフト31、カウンタシャフト35及び第二メインシャフト32の順に配置され、かつクランクシャフト21から後方に離間するほど上方に位置するように配置される。第一メインシャフト31の上方かつ第二メインシャフト32の前方には、前記チェンジ機構51のシフトドラム52が配置される。
チェンジ機構51は、各シャフト31,32,35と平行な中空円筒状の前記シフトドラム52と、このシフトドラム52の外周に形成された四本のリード溝(不図示)にそれぞれ係合する四つのシフトフォーク53a〜53dとを有する。各シフトフォーク53a〜53dは、シフトドラム52の回転により前記各リード溝のパターンに応じて個別に軸方向移動し、トランスミッション23の後述する各シフタ40a〜40dを個別に軸方向移動させる。これにより、トランスミッション23における各メインシャフト31,32の一方とカウンタシャフト35との間の動力伝達に用いるギヤが適宜選択される(動力伝達要素として確立される)。なお、図中符号C6はシフトドラム52における左右方向に沿う回転中心軸線(ドラム軸線)を示す。カウンタシャフト35の左端部はクランクケース14外に突出し、この突出部分に前記伝動機構の駆動部(図ではドライブスプロケット)35cが設けられる。
図3を参照し、第一メインシャフト31の左端部は、左ラジアルニードルベアリング55aを介してクランクケース14の左側壁部14aに回転自在に支持され、第一メインシャフト31の右端部は、右ラジアルボールベアリング55bを介してクランクケース14の右側壁部14aに回転自在に支持される。第一メインシャフト31における右ラジアルボールベアリング55bよりも右方への延出部分には、第一クラッチ33が同軸支持される。
図4を参照し、第二メインシャフト32の左端部は、左ラジアルニードルベアリング56aを介してクランクケース14の左側壁部14aに回転自在に支持され、第二メインシャフト32の右端部は、右ラジアルボールベアリング56bを介してクランクケース14の右側壁部14aに回転自在に支持される。第二メインシャフト32における右ラジアルボールベアリング56bよりも右方への延出部分には、第二クラッチ34が同軸支持される。
図2〜4を参照し、第一クラッチ33のクラッチアウタ42には、その大径伝動ギヤ45にプライマリドライブギヤ22(クランクシャフト21)から回転動力が入力される。
一方、第二クラッチ34のクラッチアウタ42には、クランクシャフト21の回転動力がプライマリドライブギヤ22、第一クラッチ33の大径伝動ギヤ45、第一クラッチ33の小径伝動ギヤ46、アイドルギヤ47、第二クラッチ34の小径伝動ギヤ46、及び第二クラッチ34の大径伝動ギヤ45の順にこれらを介して伝達される。
各変速ギヤ群36,37は、計六速分の変速段を構成する。
第一変速ギヤ群36は、奇数段(一、三、五速)に対応する一速、三速及び五速ギヤ列36a,36c,36eを構成し、第一メインシャフト31及びカウンタシャフト35の各右側部間に渡って設けられる。一速ギヤ列36aは一速ドライブギヤ38aと一速ドリブンギヤ39aとからなり、三速ギヤ列36cは三速ドライブギヤ38cと三速ドリブンギヤ39cとからなり、五速ギヤ列36eは五速ドライブギヤ38eと五速ドリブンギヤ39eとからなる。
一方、第二変速ギヤ群37は、偶数段(二、四、六速)に対応する二速、四速及び六速ギヤ列37b,37d,37fを構成し、第二メインシャフト32及びカウンタシャフト35の各左側部間に渡って設けられる。二速ギヤ列37bは二速ドライブギヤ38bと二速ドリブンギヤ39bとからなり、四速ギヤ列37dは四速ドライブギヤ38dと四速ドリブンギヤ39dとからなり、六速ギヤ列37fは六速ドライブギヤ38fと六速ドリブンギヤ39fとからなる。
これら各変速ギヤ群36,37の何れかのギヤ列が択一的に確立されることで、各メインシャフト31,32の何れかに入力されたクランクシャフト21の回転動力が、所定の減速比で減速された上でカウンタシャフト35に伝達される。
トランスミッション23の制御装置としてのECU(不図示)は、各種センサによる検知情報に基づき、各クラッチ33,34及びシフトドラム52を作動制御することで、トランスミッション23の変速段(シフトポジション)を変化させる。
具体的には、トランスミッション23は、各クラッチ33,34の一方のみを接続状態とし、このクラッチに連係する何れかの変速ギヤ列を用いて動力伝達を行うと共に、各クラッチ33,34の他方に連係する変速ギヤ列の中から次に確立するものを予め選定し、この状態から前記一方のクラッチの切断と前記他方のクラッチの接続とを同時に行うことで、前記予め選定した変速ギヤ列を用いた動力伝達に切り替わり、もってトランスミッション23のシフトアップ又はシフトダウンがなされる。
トランスミッション23において、自動二輪車1のエンジン始動後かつ停車時には、各クラッチ33,34が切断状態に保たれると共に、自動二輪車1の発進準備として、何れかの変速ギヤ列による動力伝達を不能にしたニュートラル状態から、一速ギヤ(発進ギヤ、一速ギヤ列36a)を確立させた一速状態となる。この状態から、例えばエンジン回転数が上昇することで、第一クラッチ33が半クラッチを経て接続状態となって、自動二輪車1を発進させる。
トランスミッション23は、自動二輪車1の走行時には、現在のシフトポジションに対応する一方のクラッチのみを接続状態としながら、切断状態にある他方のクラッチに連結される何れかの変速ギヤ列の中から、車両運転情報等に基づき、次のシフトポジションに対応する変速ギヤ列を予め確立させる。
具体的には、現在のシフトポジションが奇数段(又は偶数段)にあれば、次のシフトポジションは偶数段(又は奇数段)となるので、接続状態にある第一クラッチ33(又は第二クラッチ34)を介して第一メインシャフト31(又は第二メインシャフト32)にクランクシャフト21の回転動力が入力される。このとき、第二クラッチ34(又は第一クラッチ33)は切断状態にあるので、第二メインシャフト32(又は第一メインシャフト31)にはクランクシャフト21の回転動力が入力されない。
この後、前記ECUがシフトタイミングに達したと判断した際には、接続状態にある第一クラッチ33(又は第二クラッチ34)を切断状態とすると共に、切断状態にある第二クラッチ34(又は第一クラッチ33)を接続状態とすることのみで、予め確立させた次のシフトポジションに対応する変速ギヤ列を用いた動力伝達に切り替わる。これにより、変速時のタイムラグや動力伝達の途切れを生じさせない迅速かつスムーズな変速がなされる。
図3,5を参照し、第一クラッチ33は、第一メインシャフト31と同軸かつ右方に開放する有底円筒状をなすと共に第一メインシャフト31に相対回転自在に支持されてクランクシャフト21との間で常時回転動力の伝達を行うクラッチアウタ42と、クラッチアウタ42と同様の有底円筒状をなしてその内周側に同軸配置されると共に第一メインシャフト31に一体回転可能に支持されるクラッチインナ43と、クラッチアウタ42の円筒壁42bの内周側に軸方向で複数積層されると共に円筒壁42b内周に一体回転可能かつ軸方向移動可能に支持されるクラッチディスク41a(クラッチ板41)と、クラッチインナ43の円筒壁43bの外周側に軸方向で各クラッチディスク41aと交互に複数積層されると共に円筒壁43b外周に一体回転可能かつ軸方向移動可能に支持されるクラッチプレート41b(クラッチ板41)と、クラッチインナ43の開放側に同軸配置されて各円筒壁42b,43b間に積層された複数のクラッチ板41(以下、クラッチ板群41ということがある)を左方に押圧するプレッシャーユニット44とを有する。
クラッチアウタ42の底壁42cの左側には、この底壁42cよりも大径の大径伝動ギヤ(プライマリドリブンギヤ)45がダンパー45aを介して取り付けられる。大径伝動ギヤ45には、クランクシャフト21の右端部に設けられた前記プライマリドライブギヤ22が噛み合う。
大径伝動ギヤ45の内周側には、第一メインシャフト31と同軸かつこれを挿通する円筒状のアウタハブ部45bが一体形成される。アウタハブ部45bは、右ラジアルボールベアリング55bとクラッチインナ43との間で第一メインシャフト31を挿通するディスタンスカラー45cの外周に、一対のラジアルニードルベアリング45dを介して回転自在に支持される。
アウタハブ部45bの左外周には、比較的小径の小径伝動ギヤ46が一体形成される。小径伝動ギヤ46には、カウンタシャフト35の右端部に回転自在に支持されたアイドルギヤ47が噛み合う。アイドルギヤ47には、後述の第二クラッチ34の大径伝動ギヤ45も噛み合っている。
クラッチインナ43の底壁43cの外周には、左押圧フランジ43aが一体形成され、この左押圧フランジ43aが、クラッチ板群41の左側面の左方に隣接する。
クラッチ板群41の右側面の右方には、プレッシャーユニット44の右押圧フランジ(プレッシャプレート)44aが隣接し、この右押圧フランジ44aが、前記クラッチ駆動機構の作動により左方に移動する。これにより、左右押圧フランジ43a,44a間でクラッチ板群41が挟圧されて一体的に摩擦係合し、クラッチアウタ42及びクラッチインナ43間でトルク伝達が可能なクラッチ接続状態となる。一方、右押圧フランジ44aが右方に移動することで、前記摩擦係合が解除されて前記トルク伝達が不能となったクラッチ切断状態となる。
プレッシャーユニット44は、クラッチインナ43と一体回転可能な前記右押圧フランジ44aを有する。クラッチインナ43の内周側には、クラッチインナ43と同様の有底円筒状をなすインナサポート部65が同軸配置される。インナサポート部65は、右押圧フランジ44aからクラッチインナ43側(左方)に延びる外円筒壁65aと、外円筒壁65aのクラッチインナ43側端(左端)からクラッチ内周側に延びる底壁65bと、底壁65bの内周縁から右押圧フランジ44a側(右方)に立ち上がる内円筒壁65cとを有する。外円筒壁65aの右端(開放端)は、右押圧フランジ44aの内周右側に一体に連なる。すなわち、右押圧フランジ44aとインナサポート部65とは一体形成される。
また、プレッシャーユニット44は、右押圧フランジ44aの内周側に配置されてクラッチスプリング48を介してインナサポート部65(右押圧フランジ44a)を左方に押圧可能な押圧リング44bと、押圧リング44bの内周側にラジアルボールベアリング44dを介して相対回転自在に係合すると共に押圧リング44bを左方に押圧可能な押圧キャップ44cとを有する。押圧リング44bは、その外周を右押圧フランジ44aの内周にスプライン嵌合させることで、右押圧フランジ44aに対して軸方向移動可能である。なお、図中符号44eは押圧リング44bの右方への移動を規制するスナップリングを示す。
押圧キャップ44cの右方には、前記クラッチ駆動機構の入力部が配置され、この入力部が押圧キャップ44c及び押圧リング44bを介して右押圧フランジ44aを左方に押圧することで、クラッチ板群41を挟圧してこれらを摩擦係合させる。一方、前記押圧が解除されると、右押圧フランジ44aとクラッチインナ43の円筒壁43bとの間に設けたリターンスプリング49の作用により右押圧フランジ44aが右方に移動し、前記挟圧及び摩擦係合が解除される。
クラッチインナ43の底壁43cの内周側には、第一メインシャフト31と同軸かつこれを挿通する円筒状のインナハブ部43dが、右方に起立するように一体形成される。インナハブ部43dの内周は、第一メインシャフト31の外周にスプライン嵌合により支持される。インナハブ部43dの外周には、インナサポート部65の内円筒壁65cの内周が嵌合支持される。
第一メインシャフト31の右端部には、インナハブ部43d(クラッチインナ43)等を固定するためのロックナット43eが螺着される。ロックナット43eとインナハブ部43dとの間に挟持されるロックワッシャ43fには、内円筒壁65cの右端が当接する。これにより、リターンスプリング49の付勢力を受けた右押圧フランジ44aの右方への移動が規制される(このときの右押圧フランジ44aの位置をその初期位置とする)。
この状態で、インナサポート部65の底壁65bとクラッチインナ43の底壁43cとは軸方向で離間し、これらの間に形成された間隙部66により、インナサポート部65(右押圧フランジ44a)が左方へ移動可能となり、もって左右押圧フランジ43a,44a間にクラッチ板群41を挟圧可能となる。
クラッチスプリング48は、クラッチ軸方向と平行に延びる圧縮コイルバネであり、クラッチ周方向で等間隔に複数(四つ)配置される(図6参照)。各クラッチスプリング48は、押圧リング44bの左側とインナサポート部65の底壁65bの右側との間に所定の初期荷重をもって縮設される。押圧リング44bの左側には、各クラッチスプリング48の右端部をガイド67bを介して嵌合させる比較的浅い右凹部67aが形成され、インナサポート部65の左側部には、各クラッチスプリング48の左端部を嵌合させる比較的深い左凹部67が形成される。左凹部67は、外円筒壁65a左側、底壁65b及び内円筒壁65cにより囲まれた折り返し部である。
リターンスプリング49は、クラッチ軸方向と平行(クラッチスプリング48と平行)に延びる圧縮コイルスプリングであり、クラッチ周方向で等間隔に複数(四つ)配置される(図6参照)。各リターンスプリング49は、各クラッチスプリング48よりもクラッチ外周側に位置し、各クラッチスプリング48間の角度の二等分線上に配置される。すなわち、各クラッチスプリング48及び各リターンスプリング49は、クラッチ回転方向で等角度をなすように交互に配置される。各リターンスプリング49は、クラッチインナ43の円筒壁43bに形成されたスリット状の切り欠き68の左端面と右押圧フランジ44aの内周左側に形成された右凹部68aの右端面との間に所定の初期荷重をもって縮設される。
各リターンスプリング49のバネ力の合計は、各クラッチスプリング48のバネ力の合計よりも小さい。したがって、押圧リング44bが左方に移動すると、各クラッチスプリング48が圧縮することなく各リターンスプリング49のみが圧縮し、インナサポート部65(右押圧フランジ44a)を左方へ移動させる。
その後、右押圧フランジ44aがクラッチ板群41の右側面に当接しても、押圧リング44bはさらに左方へ移動可能であり、この押圧リング44bのさらなる左方への移動により、各クラッチスプリング48が圧縮し始める。そして、押圧リング44bが左方へ移動しきった状態で、クラッチ板群41は各クラッチスプリング48のバネ力をもって左右押圧フランジ43a,44a間に挟圧される。
図5,7を参照し、右押圧フランジ44aの内周左側には、クラッチインナ43の円筒壁43bの先端部(右端部)を避ける円弧溝69が形成される。円弧溝69の底部において、前記各リターンスプリング49に対向する部位(右凹部68aを形成する部位)には、クラッチインナ43側に隆起する回り止め70が形成される。各回り止め70は、右押圧フランジ44aが前記初期位置にある状態からクラッチ板群41を挟圧するまでの間で、対応する切り欠き68の先端部に係合し、もってクラッチインナ43と右押圧フランジ44aとの軸線C3中心の相対回転を規制する。
図5を参照し、インナハブ部43dの左内周と第一メインシャフト31の外周との間には、第一メインシャフト31内のエンジンオイルの一部を流通させるインナ油溝71aが形成される。クラッチインナ43の底壁43cには、インナ油溝71aと前記間隙部66とを連通するインナ油路71が形成される。このインナ油路71を介して、第一メインシャフト31内のエンジンオイルの一部がクラッチインナ43と右押圧フランジ44aとの嵌合部やクラッチ板群41等に供給される。
前記ニードルベアリング45dには、ディスタンスカラー45cの油孔72bを通じて第一メインシャフト31内のエンジンオイルの一部が供給される。アウタハブ部45bの内周とニードルベアリング45dの外周との間には、ニードルベアリング45dに供給されたエンジンオイルを流通させるアウタ油溝72aが形成される。アウタハブ部45bには、アウタ油溝72aとクラッチアウタ42及び大径伝動ギヤ45の嵌合部とを連通するアウタ油路72が形成される。このアウタ油路72を介して、第一メインシャフト31内のエンジンオイルの一部がクラッチアウタ42や大径伝動ギヤ45等に供給される。
なお、第二クラッチ34も第一クラッチ33と同様の構成を有しており(図4参照)、同一部分に同一符号を付してその詳細説明は省略する。
そして、上記したクラッチ装置の構成は、ツインクラッチ式トランスミッションへの適用に限らず、一般的なシングルクラッチ式トランスミッションに適用してもよい。また、湿式多板クラッチに限らず乾式や単板のクラッチに適用したり、クラッチ操作が押しではなく引きのものに適用してもよい。
以上説明したように、上記実施形態におけるクラッチ33,34は、メインシャフト31,32上にそれぞれ同軸支持されたクラッチアウタ42及びクラッチインナ43と、前記クラッチアウタ42に係合保持されるクラッチディスク41aと、前記クラッチインナ43に係合保持されるクラッチプレート41bとを備え、前記クラッチディスク41a及びクラッチプレート41bをクラッチ軸方向で互いに圧接させる又は前記圧接を解除することで、前記クラッチアウタ42及びクラッチインナ43間の動力伝達の可否を切り替えるものにおいて、
前記クラッチインナ43にクラッチ軸方向で移動可能に支持されて前記クラッチインナ43の左押圧フランジ43aと共に前記クラッチディスク41a及びクラッチプレート41bを圧接させる右押圧フランジ44aと、押圧機構59から入力されたクラッチ接続側への力によって前記右押圧フランジ44aを動かして前記クラッチディスク41a及びクラッチプレート41bを圧接させる押圧リング44bと、前記押圧リング44bと右押圧フランジ44aとの間に配置されて前記押圧機構59から前記押圧リング44bに入力されたクラッチ接続側への力を前記右押圧フランジ44aに伝達するクラッチスプリング48と、前記クラッチインナ43と右押圧フランジ44aとの間に配置されて前記クラッチスプリング48のバネ力よりも小さい力で前記右押圧フランジ44aをクラッチ切断側に付勢するリターンスプリング49とを備え、前記クラッチスプリング48及びリターンスプリング49が、クラッチ軸方向と平行に配置され、かつクラッチ軸方向位置を互いにラップさせるものである。
この構成によれば、クラッチ33,34の押圧リング44bに押圧機構59からクラッチ接続側への力が入力されると、クラッチスプリング48よりも先にリターンスプリング49を弾性変形させつつ、押圧リング44b及び右押圧フランジ44aがクラッチ接続側に移動し、右押圧フランジ44aがクラッチディスク41a及びクラッチプレート41bの何れかに当接する(クラッチ33,34の接続が開始される)。
その後、さらに押圧リング44bがクラッチ接続側に移動すると、次いでクラッチスプリング48が弾性変形を開始し、そのバネ力でクラッチディスク41a及びクラッチプレート41b同士を圧接させたクラッチ接続状態となる。
すなわち、クラッチスプリング48のバネ力をもってクラッチディスク41a及びクラッチプレート41b同士を圧接させることとなり、押圧リング44bの移動量がクラッチ容量に比例することとなって、クラッチ容量を精度良く制御することができる。
そして、クラッチスプリング48及びリターンスプリング49をクラッチ軸方向に沿わせて互いに平行に配置し、かつこれらのクラッチ軸方向位置を互いにラップさせて配置することで、これらを軸方向で重ねて配置する場合と比べてクラッチ33,34を軸方向でコンパクトにすることができる。
また、上記クラッチ33,34は、前記押圧リング44bが、前記右押圧フランジ44aの内周側にクラッチ軸方向で移動可能に嵌合することで、右押圧フランジ44aと押圧リング44bとをクラッチ軸方向でコンパクトに配置することができる。
また、上記クラッチ33,34は、前記各スプリング48,49がそれぞれ複数設けられ、これら各スプリング48,49がクラッチ回転方向で交互に配置されることで、各スプリング48,49をバランスよくかつ効率よく配置することができる。
また、上記クラッチ33,34は、前記クラッチインナ43におけるクラッチプレート41bを支持する円筒壁43bに、前記リターンスプリング49の収容部となる切り欠き68が設けられることで、クラッチプレート41bの直ぐ内周側にリターンスプリング49を配置可能とし、クラッチ33,34を径方向でコンパクト化できる。
また、上記クラッチ33,34は、前記右押圧フランジ44aに、前記切り欠き68の前記右押圧フランジ44a側の先端部を相対回転不能に係合させる回り止め70が設けられることで、リターンスプリング49を収容する切り欠き68を利用して、クラッチインナ43及び右押圧フランジ44a同士の相対回転を効率よく規制できる。
また、上記クラッチ33,34は、前記右押圧フランジ44aが、前記クラッチインナ43側にこれと同軸に突出するインナサポート部65を有し、前記インナサポート部65が、前記右押圧フランジ44aから前記クラッチインナ43側に延びる外円筒壁65aと、前記外円筒壁65aの前記クラッチインナ43側端からクラッチ内周側に延びる底壁65bと、前記底壁65bの内周縁から前記右押圧フランジ44a側に立ち上がる内円筒壁65cとを有し、前記内円筒壁65cの内周が前記クラッチインナ43のハブ部43dの外周に嵌合支持されると共に、前記押圧リング44bに一端部が支持される前記クラッチスプリング48の他端部が、前記右押圧フランジ44aにおける前記外円筒壁65a、底壁65b及び内円筒壁65cに囲まれる折り返し部(左凹部67)に支持されることで、クラッチスプリング48の位置決めを容易にしつつこれを伸縮可能に配置できる。
また、上記クラッチ33,34は、前記クラッチインナ43に形成したインナ油路71が、前記右押圧フランジ44aの折り返し部(左凹部67)に向けて開口することで、クラッチインナ43と右押圧フランジ44aとの嵌合部分に効率よく給油できる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、前記パワーユニットのエンジンには、空冷単気筒エンジンのみならず、水冷エンジンはもちろん、並列又はV型等の複数気筒エンジンや、クランク軸を車両前後方向に沿わせた縦置きエンジン等、各種形式のレシプロエンジンも含まれる。
また、前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(スクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両(ATV(All Terrain Vehicle)等)も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、当該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
31 第一メインシャフト(回転軸)
32 第二メインシャフト(回転軸)
33 第一クラッチ(クラッチ装置)
34 第二クラッチ(クラッチ装置)
41a クラッチディスク(外側摩擦板)
41b クラッチプレート(内側摩擦板)
42 クラッチアウタ
43 クラッチインナ
43a 左押圧フランジ(支持部)
43b 円筒壁
43d インナハブ部(ハブ部)
44a 右押圧フランジ(クラッチピストン)
44b 押圧リング(入力部)
48 クラッチスプリング
49 リターンスプリング
59 押圧機構(外力機構)
65 インナサポート部
65a 外円筒壁
65b 底壁
67 左凹部(折り返し部)
65c 内円筒壁
68 切り欠き
70 回り止め
71 インナ油路(給油路)

Claims (7)

  1. 回転軸(31,32)上に同軸支持されたクラッチアウタ(42)及びクラッチインナ(43)と、前記クラッチアウタ(42)に係合保持される外側摩擦板(41a)と、前記クラッチインナ(43)に係合保持される内側摩擦板(41b)とを備え、前記各摩擦板(41a,41b)をクラッチ軸方向で互いに圧接させる又は前記圧接を解除することで、前記クラッチアウタ(42)及びクラッチインナ(43)間の動力伝達の可否を切り替えるクラッチ装置(33,34)において、
    前記クラッチインナ(43)にクラッチ軸方向で移動可能に支持されて前記クラッチインナ(43)の支持部(43a)と共に前記各摩擦板(41a,41b)を圧接させるクラッチピストン(44a)と、外力機構(59)から入力されたクラッチ接続側への力によって前記クラッチピストン(44a)を動かして前記各摩擦板(41a,41b)を圧接させる入力部(44b)と、前記入力部(44b)とクラッチピストン(44a)との間に配置されて前記外力機構(59)から前記入力部(44b)に入力されたクラッチ接続側への力を前記クラッチピストン(44a)に伝達するクラッチスプリング(48)と、前記クラッチインナ(43)とクラッチピストン(44a)との間に配置されて前記クラッチスプリング(48)のバネ力よりも小さい力で前記クラッチピストン(44a)をクラッチ切断側に付勢するリターンスプリング(49)とを備え、
    前記クラッチスプリング(48)及びリターンスプリング(49)が、クラッチ軸方向と平行に配置され、かつクラッチ軸方向位置を互いにラップさせることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 前記入力部(44b)が、前記クラッチピストン(44a)の内周側にクラッチ軸方向で移動可能に嵌合することを特徴とする請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記各スプリング(48,49)がそれぞれ複数設けられ、これら各スプリング(48,49)がクラッチ回転方向で交互に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記クラッチインナ(43)における内側摩擦板(41b)を支持する円筒壁(43b)に、前記リターンスプリング(49)の収容部となる切り欠き(68)が設けられることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のクラッチ装置。
  5. 前記クラッチピストン(44a)に、前記切り欠き(68)の前記クラッチピストン(44a)側の端部を相対回転不能に係合させる回り止め(70)が設けられることを特徴とする請求項4に記載のクラッチ装置。
  6. 前記クラッチピストン(44a)が、前記クラッチインナ(43)側にこれと同軸に突出するインナサポート部(65)を有し、前記インナサポート部(65)が、前記クラッチピストン(44a)から前記クラッチインナ(43)側に延びる外円筒壁(65a)と、前記外円筒壁(65a)の前記クラッチインナ(43)側端からクラッチ内周側に延びる底壁(65b)と、前記底壁(65b)の内周縁から前記クラッチピストン(44a)側に立ち上がる内円筒壁(65c)とを有し、前記内円筒壁(65c)の内周が前記クラッチインナ(43)のハブ部(43d)の外周に嵌合支持されると共に、前記入力部(44b)に一端部が支持される前記クラッチスプリング(48)の他端部が、前記クラッチピストン(44a)における前記外円筒壁(65a)、底壁(65b)及び内円筒壁(65c)に囲まれる折り返し部(67)に支持されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のクラッチ装置。
  7. 前記クラッチインナ(43)に形成した給油路(71)が、前記クラッチピストン(44a)の折り返し部(67)に向けて開口することを特徴とする請求項6に記載のクラッチ装置。
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