JP2013014261A - ラリー用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐バースト性とハンドル応答性とをバランス良く向上させる。
【解決手段】少なくとも1層の折返しプライ6Aを含むカーカス6、及び、サイドウォール部3を補強する断面略三日月状のサイド補強ゴム層9を具えたラリー用の空気入りタイヤ1である。前記サイド補強ゴム層9は、そのタイヤ軸方向の両側面に前記折返しプライ6Aのカーカスコードが配される。しかも、サイド補強ゴム層9は、タイヤ半径方向最外側に配される外ゴム10Aと、タイヤ半径方向最内側に配される内ゴム10Bとを少なくとも含むとともに、前記外ゴム10Aは、前記内ゴム10Bよりもゴム硬度が大きい。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐バースト性とハンドル応答性とをバランス良く向上させたラリー用の空気入りタイヤに関する。
従来、悪路を高速で走行するラリー用の空気入りタイヤにあっては、例えば岩石等に乗り上げた際、サイドウォール部に大きな縦たわみが生じ、該サイドウォール部でバーストすることがある。このため、例えば図4に示されるように、空気入りタイヤaのサイドウォール部bに断面略三日月状のサイド補強ゴム層cを設け、サイドウォール部bの大きな屈曲を抑制することで耐バースト性を高めることが知られている。
しかしながら、従来のサイド補強ゴム層は、全体に亘ってゴム硬度が大きく形成されていたため、横バネも大きくなり、走行時の振動が大きく、とりわけ轍走行時、斜面から受ける振動を吸収できず、ハンドルをとられ易いという問題があった。関連する技術としては次のものがある。
特開2007−331436号公報 特開2009−280104号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、サイドウォール部を補強するサイド補強ゴム層を、タイヤ半径方向最外側の外ゴムと、最内側の内ゴムとを含んで構成するとともに、外ゴムのゴム硬度を内ゴムのゴム硬度よりも大きくすることを基本として、耐バースト性と轍路でのハンドル応答性とをバランス良く向上させたラリー用の空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るトロイド状の本体部と、この本体部に連なりかつ前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有したカーカスコードからなる少なくとも1層の折返しプライを含むカーカス、及び、前記サイドウォール部を補強する断面略三日月状のサイド補強ゴム層を具えたラリー用の空気入りタイヤであって、前記サイド補強ゴム層は、そのタイヤ軸方向の両側面に前記カーカスコードが配され、しかも、前記サイド補強ゴム層は、タイヤ半径方向最外側に配される外ゴムと、タイヤ半径方向最内側に配される内ゴムとを少なくとも含むとともに、前記外ゴムは、前記内ゴムよりもゴム硬度が大きいことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、前記サイド補強ゴム層は、前記外ゴム、前記内ゴム、及び前記外ゴムと内ゴムとの間に配される中ゴムからなり、前記外ゴムの体積V1、前記内ゴムの体積V2、及び前記中ゴムの体積V3は、以下の関係を満たす請求項1記載のラリー用の空気入りタイヤである。
V1:V2:V3=2.55〜3.45:0.85〜1.15:1.70〜2.30
また請求項3記載の発明は、前記外ゴムのゴム硬度H1は、76〜84度前記内ゴムのゴム硬度H2は、56〜64度、及び前記中ゴムのゴム硬度H3は、66〜74度である請求項2記載のラリー用の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、正規リムに装着されかつ正規内圧を充填した正規内圧状態におけるタイヤ軸心を含むタイヤ子午断面において、前記サイド補強ゴム層は、前記外ゴムと前記中ゴムとが接合された外境界面、及び前記中ゴムと前記内ゴムとが接合された内境界面とを有し、前記外境界面のタイヤ軸方向に対する角度θ1は、50〜70度であり、前記内境界面のタイヤ軸方向に対する角度θ2は、35〜55度である請求項2又は3に記載のラリー用の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、前記カーカスは、2枚の折返しプライを含み、前記サイド補強ゴム層は、各折返しプライの本体部間に配される請求項1乃至4のいずれかに記載のラリー用の空気入りタイヤである。
また請求項6記載の発明は、前記カーカスは、2枚の折返しプライを含み、前記サイド補強ゴム層は、折返しプライの本体部と折返し部との間に配される請求項1乃至4のいずれかに記載のラリー用の空気入りタイヤである。
本発明のラリー用の空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るトロイド状の本体部と、この本体部に連なりかつ前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有したカーカスコードからなる少なくとも1層の折返しプライを含むカーカス、及び、サイドウォール部を補強する断面略三日月状のサイド補強ゴム層を具える。このようなラリー用の空気入りタイヤは、岩石等への乗り上げ時でも、サイドウォール部の大きな屈曲が抑制されるため、耐バースト性が向上する。
また、サイド補強ゴム層のタイヤ軸方向の両側面に前記カーカスコードが配され、しかも前記サイド補強ゴム層は、タイヤ半径方向最外側に配される外ゴムと、タイヤ半径方向最内側に配される内ゴムとを少なくとも含むとともに、前記外ゴムは、前記内ゴムよりもゴム硬度が大きく形成されている。
このようなサイド補強ゴム層は、ゴム硬度の大きい外ゴムによって上述の耐バースト性が確保されるとともに、前記外ゴムよりもゴム硬度の小さい内ゴムが轍路の斜面からの振動乃至横力を吸収するため、ハンドル応答性を向上させる。また、このようにゴム硬度の小さい内ゴムを含むサイド補強ゴム層であっても、そのタイヤ軸方向の両側面にカーカスコードが配されているため、サイド補強ゴム層の剛性が確保され、耐バースト性や耐久性が向上する。従って、本発明のラリー用の空気入りタイヤは、耐バースト性及びハンドル応答性を長期間に亘りバランス良く発揮する。
本発明のラリー用の空気入りタイヤの一実施形態を示す右側半分断面図である。 図1の部分拡大図である。 (a)は、本発明の他の実施形態を示すタイヤの部分断面図、(b)は、本発明のさらに他の実施形態を示すタイヤの右側半分断面図である。 従来のラリー用の空気入りタイヤを示す断面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態のラリー用の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1の正規内圧状態の断面図であり、トレッド部2と、そのタイヤ軸方向両端からタイヤ半径方向内側にのびる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3のタイヤ半径方向内側端に配されるビード部4とを具える。本明細書において、「正規内圧状態」とは、タイヤが、正規リム(図示せず)にリム組みされかつ正規内圧が充填されしかも無負荷である状態とし、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、この正規内圧状態で測定された値とする。
ここで、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めているリムであり、JATMAであれば"標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"となる。また、前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば"最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とする。
本実施形態のタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7とを具えている。なお、トレッド部2には、適宜排水乃至排土用の溝Gが設けられている。
前記カーカス6は、少なくとも1層、本実施形態では2層の折返しプライ6Aからなる。前記折返しプライ6Aは、タイヤ赤道Cの位置において、タイヤ半径方向内方に配された内側の折返しプライ6A1と、その外に配された外側の折返しプライ6A2とからなる。
各折返しプライ6A1,6A2は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るトロイド状の本体部6aと、該本体部6aに連なりかつ前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを含む。なお、本体部6aと折返し部6bとの間には、例えばゴム硬度が65〜98度の硬質のゴムからなり、前記ビードコア5から半径方向外側に先細状にのびるビード補強用のビードエーペックスゴム8が配される。なお、本明細書においては、「ゴム硬度」は、温度23℃で測定したデュロメータータイプAによる硬さを意味する。
また、前記各折返しプライ6Aは、いずれもカーカスコードがタイヤ赤道C方向に対して例えば75〜90°の角度で傾けられている。前記カーカスコードには、例えばナイロン、レーヨン、芳香族ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチレン2,6ナフタレート等の有機繊維コードが好適であるが、必要に応じてスチールコードも採用することができる。
このような2層の折返しプライ6Aからなるカーカス6は、タイヤの基本的な剛性を高めるのはもとより、ビード部4からサイドウォール部3にかけての剛性を十分に高めることができるため、負荷の大きいラリー用のタイヤ構造として特に好適である。
本実施形態では、前記折返しプライ6A1、6A2の折返し部6bが、いずれもビードエーペックスゴム8を半径方向外側に超えて巻き上がり、各折返し部6bの外端部6beが、本体部6aと前記ベルト層7との間に挟まれて終端する所謂超ハイターンアップの折り返し構造を具える。これにより、サイドウォール部3が、効果的に補強される。また前記外端部6beが、轍路の走行時に大きく撓むサイドウォール部3から離れるため、該外端部6beを起点とした損傷が好適に抑制される。また、本実施形態のように、前記カーカス6が2層以上の折返しプライから形成される場合、少なくとも1枚の折返しプライが前記超ハイターンアップの折り返し構造をなすのが好ましく、本実施形態のように、2枚の折返しプライが前記超ハイターンアップの折り返し構造をなすものでも良い。
前記ベルト層7は、少なくとも2枚、本実施形態では、タイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bから構成される。各ベルトプライ7A、7Bは、タイヤ赤道Cに対して15〜40°の角度で傾けられたスチールコード等の高弾性のベルトコードを有する。各ベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードが互いに交差する向きに重ねられている。
また、本実施形態のタイヤ1は、タイヤ内腔面に、タイヤ内圧を保持するインナーライナーゴム15が配される。該インナーライナーゴム15は、ガスバリア性を有する例えばブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム及び/又は臭素化ブチルゴムなどを含む低空気透過性ゴムから形成される。
図2に示されるように、サイドウォール部3には、該サイドウォール部3を補強するサイド補強ゴム層9が配される。本実施形態のサイド補強ゴム層9は、最大厚さtを有する中央部分からタイヤ半径方向の内端9i及び外端9oに向かってそれぞれ厚さが徐々に減じられた断面略三日月状で形成される。
サイド補強ゴム層9の前記内端9iは、ビードエーペックスゴム8のタイヤ半径方向の外端8Tよりもタイヤ半径方向内側かつビードコア5よりもタイヤ半径方向外側に位置する。これにより、サイド補強ゴム層9とビードエーペックスゴム8との間で剛性の低い箇所を無くすことができ、サイドウォール部3からビード部4にかけての曲げ剛性がバランス良く向上する。
また、サイド補強ゴム層9の前記外端9oは、トレッド部2の内側に配され、具体的にはベルト層7のタイヤ軸方向の外端7eよりもタイヤ軸方向内側の位置で終端する。これにより、バットレス部等の剛性が、高く確保される。
また、サイド補強ゴム層9の内端9i及び外端9o間のタイヤ半径方向の長さLは、小さすぎるとサイドウォール部3の補強効果が低下しやすく、逆に大きすぎると、通常走行時での乗り心地やリム組み性を悪化させる傾向がある。このような観点より、前記長さLは、好ましくはタイヤ断面高さ(図1に示す)SHの35%以上が望ましく、また、好ましくは70%以下が望ましい。
また、サイド補強ゴム層9の最大厚さtは、負荷される荷重やタイヤサイズに応じて適宜定めることができるが、小さすぎると、サイドウォール部3を補強する効果が得られ難く、逆に大きすぎると、タイヤ質量の過度の増加を招くおそれがある。このような観点より、前記最大厚さtは、好ましくは5mm以上が望ましく、また、好ましくは20mm以下が望ましい。
また、本実施形態のサイド補強ゴム層9は、前記外端9oを含みかつタイヤ半径方向最外側に配される外ゴム10Aと、前記内端9iを含みかつタイヤ半径方向最内側に配される内ゴム10Bとを含んで構成される。
そして、外ゴム10Aのゴム硬度H1は、内ゴム10Bのゴム硬度H2よりも大きく設定されている。このようなサイド補強ゴム層9は、ゴム硬度の大きい外ゴム10Aがタイヤ半径方向最外側に配されるため、悪路走行の際、岩石等によってバーストが生じ易いサイドウォール部3の外方部分を効果的に補強する。
上述の作用を効果的に発揮させるために、外ゴムのゴム硬度H1は、好ましくは76度以上、より好ましくは77度以上が望ましい。他方、前記ゴム硬度H1が過度に大きくなると、乗り心地性や耐久性が悪化するおそれがある。このため、ゴム硬度H1は、好ましくは84度以下、より好ましくは83度以下が望ましい。
このような外ゴム10Aのタイヤ軸方向の長さL1は、好ましくはサイド補強ゴム層9の前記長さLの40%以上、より好ましくは45%以上が望ましく、また好ましくは60%以下、より好ましくは55%以下が望ましい。即ち、外ゴム10Aの前記長さL1が大きくなると、タイヤ質量の過度の増加を招くおそれがある。逆に、前記長さL1が小さくなると、バーストが生じ易いサイドウォール部3の外方部分を効果的に補強出来ないおそれがある。なお、前記長さL1は、サイド補強ゴム層9の厚さの中心線9Gで測定される。
また、サイド補強ゴム層9は、外ゴム10Aよりもゴム硬度の小さい内ゴム10Bがタイヤ半径方向最内側に配されるため、轍路の斜面と相対する位置(サイドウォール部3近傍)に内ゴム10Bが配される。これにより轍路を走行の際、斜面から受ける振動が内ゴム10Bによって確実に吸収される。従って、本発明のサイド補強ゴム層9を具えるタイヤ1は、耐バースト性とハンドル応答性とがバランス良く向上する。
上述の作用を効果的に発揮させるために、内ゴムのゴム硬度H2は、好ましくは64度以下、より好ましくは63度以下が望ましい。また、前記ゴム硬度H2が過度に小さくなると、内ゴム10Bの剛性が小さくなり、かえってハンドル応答性が悪化するおそれがある他、サイドウォール部3の補強効果が発揮できないおそれがある。このため、ゴム硬度H2は、好ましくは56度以上、より好ましくは57度以上が望ましい。
また、このような内ゴム10Bのタイヤ軸方向の長さL2は、好ましくはサイド補強ゴム層9の前記長さLの10%以上、より好ましくは15%以上が望ましく、また好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下が望ましい。即ち、内ゴム10Bの前記長さL2が大きくなると、サイド補強ゴム層9の剛性の過度の低下を招くおそれがある。逆に、前記長さL2が小さくなると、轍路を走行の際、斜面から受ける振動を効率よく吸収できず、ハンドル応答性が悪化するおそれがある。また、前記長さL2も、サイド補強ゴム層9の厚さの中心線9Gで測定される。
また、本実施形態のサイド補強ゴム層9は、各折返しプライ6A1、6A2の本体部6a、6a間、より具体的には、サイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向の内側面に内側の折返しプライ6A1の本体部6aが配され、サイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向の外側面に内側の折返しプライ6A1の折返し部6b及び外側の折返しプライ6A2が配される。従って、サイド補強ゴム層9タイヤ軸方向の外側面には、プライが3層配されるため、タイヤ軸方向の外側面が十分に補強されて、耐バースト性が一層向上する。また、サイド補強ゴム層9のタイヤ軸方向の両側面に前記カーカスコードが配されるため、ゴム硬度の小さい内ゴム10Bを含むサイド補強ゴム層9であっても、サイド補強ゴム層9の剛性が確保され、耐バースト性や耐久性が向上する。
また、外ゴム10Aは、前記外端9oから折返しプライ6Aに沿ってタイヤ半径方向内側にのびており、外ゴム10Aのタイヤ半径方向の内端10Aiは、カーカス6の最大幅の位置mの近傍に形成される。これにより、バーストが生じ易いサイドウォール部3、とりわけバットレス部が確実に外ゴム10Aによって補強される。
また、内ゴム10Bは、前記内端9iから折返しプライ6Aの本体部6aに沿ってタイヤ半径方向外側にのび、本実施形態では、内ゴム10Bのタイヤ半径方向の外端10Beは、前記最大幅の位置mよりもタイヤ半径方向の内側かつビードエーペックスゴム8の外端8Tよりもタイヤ半径方向外側に位置している。これにより、内ゴム10Bは、轍路の斜面からの振動を確実に吸収して、ハンドル応答性を向上させる。
また、本実施形態のサイド補強ゴム層9は、前記外ゴム10Aと内ゴム10Bとの間に中ゴム10Cが配される。該中ゴム10Cのゴム硬度H3は、内ゴム10Bのゴム硬度H2よりも大きく、かつ外ゴム10Aのゴム硬度H1よりも小さいのが望ましい。このような中ゴム10Cは、内ゴム10Bを設けたことによるサイド補強ゴム層9の剛性の過度の低下を抑制してサイドウォール部3の補強効果を確保する。また、このような中ゴム10Cによって、サイド補強ゴム層9のゴム硬度が、タイヤ半径方向外側から内側へ段階的に小さくなるため、各ゴム間のゴム硬度差を小さくし界面での歪の集中を防ぐことができる。さらに、このようなサイド補強ゴム層9は、路面からの振動によって滑らかに変形する。従って、アスファルト路などの平地からの比較的小さな振動をも効率よく吸収して、アスファルト路面等でのハンドル応答性が向上する。
上述の作用をより発揮させるために、中ゴム10Cのゴム硬度H3は、好ましくは66以上、より好ましくは67度以上が望ましく、また、好ましくは74度以下、より好ましくは73度以下が望ましい。
また、外ゴムの体積V1、前記内ゴムの体積V2、及び前記中ゴムの体積V3は、以下の関係を満たすのが望ましい。
V1:V2:V3=2.55〜3.45:0.85〜1.15:1.70〜2.30
即ち、本実施形態のタイヤ1は、ゴム硬度の最も大きい外ゴムの体積V1が、最も大かつ、ゴム硬度の最も小さい内ゴムの体積V2が、最も小で構成される。これは、サイド補強ゴム層9全体としての補強効果を確保しつつ、轍路の斜面からの衝撃力等を内ゴム10Bで局部的に吸収する効果を発揮させて、耐バースト性とハンドル応答性とをバランス良く向上させる。ここで、前記体積V2が過度に小さくなると、轍路の斜面からの大きな衝撃力を十分に吸収しきれないおそれがあり、逆に前記体積V2が過度に大きくなると、サイド補強ゴム層9の全体の剛性が低下して、耐バースト性が悪化するおそれがある。また、中ゴム10Cの体積V3が過度に大きくなっても、また、過度に小さくなっても、サイド補強ゴム層9は、路面からの振動によって滑らかに変形できない。種々の実験の結果、前記体積V1乃至V3は、より好ましくは以下の関係式を満たすのが望ましい。
V1:V2:V3=2.7〜3.3:0.9〜1.1:1.8〜2.2
また、前記正規内圧状態のタイヤ子午断面において、サイド補強ゴム層9は、外ゴム10Aと中ゴム10Cとが接合された外境界面12A、及び中ゴム10Cと内ゴム10Bとが接合された内境界面12Bとを有している。
本実施形態の外境界面12Aは、タイヤ軸方向内側から外側に向かってタイヤ半径方向内側へのびる向きに傾斜する。これによって、サイドウォール部3のたわみ変形時、外境界面12Aで相互のゴムが圧縮され界面剥離が防止される。このような外境界面12Aのタイヤ軸方向に対する角度θ1は、好ましくは50度以上、より好ましくは55度以上が望ましく、また好ましくは70度以下、より好ましくは65度以下が望ましい。即ち、前記角度θ1が大きくなると、外ゴム10Aの体積V1が過度に増加して、ハンドル応答性や乗り心地性が悪化する傾向がある。逆に前記角度θ1が小さくなると、界面剥離が生じ易くなる他、外ゴム10Aの体積V2が過度に減少して、前記補強効果が発揮されないおそれがある。なお、前記角度θ1は、外境界面12Aのタイヤ軸方向の内端(図示せず)及び外端(図示せず)を結ぶ直線で測定される。また、本実施形態の外側ゴム10Aは、断面略三日月状に形成される。
また、本実施形態の内境界面12Bも、タイヤ軸方向内側から外側に向かってタイヤ半径方向内側へのびる向きに傾斜する。また、内境界面12Bのタイヤ軸方向に対する角度θ2は、好ましくは35度以上、より好ましくは40度以上が望ましく、また好ましくは55度以下、より好ましくは50度以下が望ましい。即ち、前記角度θ2が大きくなる、又は前記角度θ2が小さくなると、上述の路面の振動によるサイド補強ゴム層9がスムーズに変形されにくくなり、平地や轍路でのハンドル応答性が悪化し易くなる。なお、前記角度θ2は、内境界面12Bのタイヤ軸方向の内端(図示せず)及び外端(図示せず)を結ぶ直線で測定される。また、本実施形態の内側ゴム10Bは、断面略三角形状に形成される。
また、図3(a)には、本発明の他の実施形態が示される。この実施形態では、サイド補強ゴム層9は、外側の折返しプライ6A2の本体部6aと折返し部6bとの間に配される。即ち、サイド補強ゴム層9は、2層の折返しプライ6A1、6A2に挟まれている。このようなタイヤ1は、サイド補強ゴム層9の強度や耐久性を確保しつつ、さらに轍路の斜面からの振動を吸収し易くなる。従って、本実施形態のタイヤ1は、長期間に亘り耐バースト性やハンドル応答性が高められる。また、図3(b)には、本発明のさらに他の実施形態が示される。この実施形態では、サイド補強ゴム層9は、外ゴム10Aと内ゴム10Bとから構成される。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
本発明の効果を確認するために、図1、図3(a)及び(b)に示される基本構造をなす空気入りタイヤ(サイズ 215/60 R15)が表1に示す仕様に基づき試作された。そして、各タイヤの耐バースト性及びハンドル応答性についてテストされた。表1に記載されていない構成について同一とした。
テストの方法は、次の通りである。
<耐バースト性(プランジャー指数)>
試供タイヤを正規リム(6.5JJ)にリム組みして230kPaの内圧を充填した条件の下で、JIS D4230に準じたプランジャー破壊試験を行った。その時の破壊エネルギーが、比較例1を100とする指数で表された。数値が大きいほど耐バースト性が優れる。
<ハンドル応答性>
排気量2500cc の国産ラリー車に各試供タイヤを4輪装着するとともに、内圧200kPaを充填して泥濘地の轍路面のテストコース及び乾燥アスファルト路面(平地)のテストコースをドライバー1名乗車で走行し、夫々の路面でのハンドル応答性がドライバーの官能評価により評価された。結果は、比較例1を100とする評点で表される。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表1に示す。
Figure 2013014261
Figure 2013014261
Figure 2013014261
テストの結果、実施例のものは、比較例に比べて耐バースト性とハンドル応答性とがバランス良く向上していることが確認できる。
1 空気入りタイヤ
3 サイドウォール部
6 カーカス
6A 折返しプライ
9 サイド補強ゴム層
10A 外ゴム
10B 内ゴム

Claims (6)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るトロイド状の本体部と、この本体部に連なりかつ前記ビードコアの周りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部とを有したカーカスコードからなる少なくとも1層の折返しプライを含むカーカス、及び、前記サイドウォール部を補強する断面略三日月状のサイド補強ゴム層を具えたラリー用の空気入りタイヤであって、
    前記サイド補強ゴム層は、そのタイヤ軸方向の両側面に前記カーカスコードが配され、
    しかも、前記サイド補強ゴム層は、タイヤ半径方向最外側に配される外ゴムと、タイヤ半径方向最内側に配される内ゴムとを少なくとも含むとともに、
    前記外ゴムは、前記内ゴムよりもゴム硬度が大きいことを特徴とするラリー用の空気入りタイヤ。
  2. 前記サイド補強ゴム層は、前記外ゴム、前記内ゴム、及び前記外ゴムと内ゴムとの間に配される中ゴムからなり、
    前記外ゴムの体積V1、前記内ゴムの体積V2、及び前記中ゴムの体積V3は、以下の関係を満たす請求項1記載のラリー用の空気入りタイヤ。
    V1:V2:V3=2.55〜3.45:0.85〜1.15:1.70〜2.30
  3. 前記外ゴムのゴム硬度H1は、76〜84度
    前記内ゴムのゴム硬度H2は、56〜64度、及び
    前記中ゴムのゴム硬度H3は、66〜74度である請求項2記載のラリー用の空気入りタイヤ。
  4. 正規リムに装着されかつ正規内圧を充填した正規内圧状態におけるタイヤ軸心を含むタイヤ子午断面において、
    前記サイド補強ゴム層は、前記外ゴムと前記中ゴムとが接合された外境界面、及び前記中ゴムと前記内ゴムとが接合された内境界面とを有し、
    前記外境界面のタイヤ軸方向に対する角度θ1は、50〜70度であり、
    前記内境界面のタイヤ軸方向に対する角度θ2は、35〜55度である請求項2又は3に記載のラリー用の空気入りタイヤ。
  5. 前記カーカスは、2枚の折返しプライを含み、
    前記サイド補強ゴム層は、各折返しプライの本体部間に配される請求項1乃至4のいずれかに記載のラリー用の空気入りタイヤ。
  6. 前記カーカスは、2枚の折返しプライを含み、
    前記サイド補強ゴム層は、折返しプライの本体部と折返し部との間に配される請求項1乃至4のいずれかに記載のラリー用の空気入りタイヤ。
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