JP2012527713A - テープカートリッジハンドラ - Google Patents

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Abstract

【解決手段】テープライブラリ内のテープカートリッジを運搬するテープカートリッジハンドラは、テープカートリッジを支持するデッキと、デッキと平行移動可能に係合する把持装置と、把持装置と回転係合する少なくとも一つのアームと、を備える。アームは、アームの縦軸周りに回転可能であり、テープカートリッジの開口と係合する引っかけ部を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、一般にテープカートリッジハンドラに関し、より詳細には、テープライブラリ内でテープカートリッジをハンドリングする運搬ロボット内のハンドラに関するが、これに限定されない。
テープライブラリ内の各スロットにテープカートリッジを挿入するために、通常は装填ロボットが用いられる。テープライブラリ内にできるだけ多数のテープカートリッジを格納するためには、各スロットによって占有される空間を最小化して、所与の形状因子を持つテープライブラリ内に設けられるスロットの数を最大化することが望ましい。
装填ロボットには、テープカートリッジの挿入以外に、スロットからテープカートリッジを取り出す役割も与えられる。現在、ロボットは通常、テープカートリッジの側面の開口に引っかけるキャッチを先端に有するアームを使用して、スロットからテープカートリッジを確実に取り出すことができる。テープカートリッジ内の開口とキャッチとを係合させるために、通常、連結またはリードネジによって第1軸の周りにアームが弓状に外向きに移動され、続いて第2軸の周りにアームを移動させる。
隣接する格納されたテープ間の空間を小さくしたり、またはスロットサイズを最小化したりすると、隣接するテープカートリッジ間の隙間、またはテープカートリッジとスロットの壁との間の隙間もそれに対応して小さくなる。隙間が小さくなると、テープカートリッジの開口とキャッチとを係合させるためのスイープ動作および弓状動作を、現在は利用できるアームに実行させることができなくなる。アーム駆動のためにリードネジを用いることも、実装するにはコストがかかる
隣接する格納されたテープカートリッジの間の空間を削減し、またはテープカートリッジスロットの大きさを最小化することでテープライブラリ内の記憶容量を増加させるために、隣接する格納されたテープカートリッジの間の隙間、またはテープカートリッジとスロットの壁との間の隙間が小さいスロットからテープカートリッジを取り出すことができる費用効率の高い装填ロボットが必要とされている。
第1の例示的な態様によると、テープライブラリ内のテープカートリッジを運搬するテープカートリッジハンドラが提供される。ハンドラは、テープカートリッジを支持するデッキと、デッキと平行移動可能に係合する把持装置と、把持装置と回転係合する少なくとも一つのアームと、を備える。アームは、アームの縦軸周りに回転可能であり、テープカートリッジの開口と係合する引っかけ部を有する。
好ましくは、アームは係合位置と解放位置との間で回転可能であり、アームが係合位置にあるとき、テープカートリッジの開口と引っかけ部とが係合可能であり、アームが解放位置にあるとき、テープライブラリ内の二つの対応する隣接テープカートリッジスロット内に格納された二つの隣接するテープカートリッジの間の空間内でアームが平行移動可能である。アームを解放位置に向けて付勢する付勢部材をさらに備えることが好ましい。
ハンドラは、テープカートリッジを検出し解放位置から係合位置へのアームの回転を引き起こす、把持装置上のセンサをさらに備えてもよい。フラグがテープカートリッジと接触したときにセンサを起動する、把持装置上の外向きに延出した旋回フラグが設けられてもよい。
アームが把持装置とのラックアンドピニオン接続によって回転可能であり、ラックアンドピニオン接続のピニオンが、アームの縦軸がピニオンの回転軸と同一直線上になるようにアーム上に位置することが好ましい。
把持装置がラックアンドピニオン機構を介してデッキと平行移動可能に係合し、ラックアンドピニオン機構のラックがデッキ上にあり、ラックアンドピニオン機構のピニオンが把持装置上にあることが好ましい。ラックアンドピニオン機構が二つのピニオンと二つのラックとを備えてもよい。
アームは、デッキからテープドライブ内へとテープカートリッジを装填するために把持装置に対して引き込み可能であってもよい。アームがデッキとのタブアンドストップ係合を介して引き込み可能であり、タブアンドストップ係合のタブがアーム上にあり、タブアンドストップ係合のストップがデッキ上にあることが好ましい。
ハンドラはベースプレートをさらに備え、デッキがベースプレートと回転係合してもよい。デッキが遊星歯車機構を介してベースプレートと回転係合し、遊星歯車機構の遊星歯車がデッキ上に駆動可能に取り付けられ、遊星歯車機構の太陽歯車がベースプレート上に静的に設けられることが好ましい。
デッキとベースプレートが回転係合している間、デッキがベースプレートと摺動的に係合するように、デッキの下面にデッキ摺動面が設けられ、ベースプレートの上面に対応するベースプレート摺動面が設けられてもよい。デッキとベースプレートが滑らかに摺動係合するように、デッキ摺動面とベースプレート摺動面が高度に研磨された光沢面であることが好ましい。
ハンドラは、ベースプレートに設けられたエンドストップと係合するようにデッキ上に設けられ、ベースプレートに対するデッキの相対回転位置を規定するハードストップをさらに備えてもよい。
ハンドラは、ベースプレートからデッキに電力を提供するフレキシブルプリント回路をさらに備えてもよい。
ハンドラは、平行に配置された二つのマガジンラックを備えるテープライブラリで使用されるように構成されることが好ましい。各マガジンラックは、二つのマガジンラックの間の空間に向けて開口する複数のテープカートリッジスロットを備え、ベースプレートの適切な平行移動とデッキの適切な回転とによって、複数のテープカートリッジスロットの任意の一つにハンドラがアクセス可能となるように、ベースプレートの平行移動を介して二つのマガジンラックの間の空間内でハンドラが平行移動する。
本発明を完全に理解し直ちに実用的効果が得られるように、添付の例示的な図面を参照して、限定ではなく例示のみを目的として実施の形態について以下で説明する。
テープカートリッジハンドラの例示実施形態の模式的な斜視図である。 テープライブラリ内のテープカートリッジスロット内のテープカートリッジに対してアームが解放位置にある、図1のテープカートリッジハンドラの模式的な斜視図である。 アームが係合位置にある、図2のテープカートリッジハンドラの模式的な斜視図である。 把持装置とラックアンドピニオン接続された図1ないし3のアームの拡大図である。 テープカートリッジに対してアームが解放位置にある、図2のテープカートリッジハンドラの模式的な拡大側面図である。 テープカートリッジに対してアームが係合位置にある、図5(a)のテープカートリッジハンドラの模式的な拡大側面図である。 図1のテープカートリッジハンドラの把持装置上にあるトリガおよびセンサの模式的な分解斜視図である。 テープカートリッジに対する図6のトリガおよびセンサの模式的な拡大斜視図である。 テープカートリッジに対して把持装置がデッキ上の引き込み位置にある、図1のテープカートリッジハンドラの模式的な斜視図である。 アームがテープカートリッジと係合する準備位置に把持装置が位置する、図8(a)のテープカートリッジハンドラである。 把持装置とデッキとを平行移動可能に係合させるラックアンドピニオン機構の模式的な拡大斜視図である。 リニアガイドを示す図8(c)のラックアンドピニオン機構の模式的な拡大斜視図である。 デッキに対して引き込まれた把持装置と、下向き位置にあるアーム上のタブとを有する、図1のテープカートリッジハンドラの模式的な斜視図である。 把持装置に対してアームが完全に引き込まれた位置にあり、デッキに対して把持装置が前進位置にある、図9(a)のテープカートリッジハンドラである。 デッキに対して「駐車」位置にある図9(b)のテープカートリッジハンドラである。 ベースプレートと回転係合したデッキを有する、図1のテープカートリッジハンドラの模式的な拡大斜視図である。 デッキ(図示せず)上の駆動された遊星歯車と係合するベースプレート上の静的な太陽歯車の模式的な拡大斜視図である。 図10(a)のテープカートリッジハンドラのベースプレートに対してデッキが回転する段階の模式的な平面図である。 図10(a)のテープカートリッジハンドラのベースプレートに対してデッキが回転する段階の模式的な平面図である。 図10(a)のテープカートリッジハンドラのベースプレートに対してデッキが回転する段階の模式的な平面図である。 デッキおよびベースプレート上に設けられた対応する摺動面とハードストップとエンドストップの配置とを示す、図1のテープカートリッジハンドラのデッキとベースプレートの分解斜視図である。 ベースプレート上の対応するエンドストップに対して0度および180度の位置にあるデッキ(図示せず)に対するハードストップの位置を示す、ベースプレートの模式的な拡大斜視図である。 ベースプレートに対してデッキが0度の位置にあるとき、ベースプレート上のエンドストップと係合するデッキ(図示せず)上のハードストップを示す、図13のベースプレートの拡大図である。 フレキシブルプリント回路を有するベースプレートの模式的な平面図である。 ベースプレートに対してデッキが0度の位置にあるときの図15のフレキシブルプリント回路の拡大図である。 ベースプレートに対してデッキが180度の位置にあるときの、図16(a)のフレキシブルプリント回路である。 テープライブラリとともに使用されるテープカートリッジハンドラの模式図である。
図1ないし3、図6、図8(a)ないし9(b)を参照すると、テープカートリッジ12と係合するテープカートリッジハンドラ10が設けられている。ハンドラ10は、テープカートリッジ12をある位置から別の位置に運搬するときにテープカートリッジ12を支持するデッキ14を備える。デッキ14は、装填側端部16と、後端18と、二つの側端19とを有する。デッキ14は、縦軸Xに関して横方向にほぼ対称である。
把持(グリッパー)装置20がデッキ14と平行移動可能に係合する。図3、6、8(a)、8(b)、9(a)および9(c)では把持装置20のカバー21が隠されており、その下にある把持装置20内の部品が示されている。把持装置20は、ラックアンドピニオンシステムを介してデッキ14と係合するのが好ましい。ラックアンドピニオンシステムは、好ましくはデッキ14に固定され、デッキ14に対して長手方向に延びる二つのラック22と、把持装置20上に配置された二つのピニオンギア23とを備える。ピニオンギア23は、(図8(c)には図示せず)把持装置20上の歯車列54を介して把持装置モータ24によって駆動される。把持装置モータ24は、エンコーダシステムを有するDCサーボモータであることが好ましい。ラック22に対してピニオンギア23が回転すると、デッキ14の装填側端部16または後端18のいずれかに向けて、把持装置20がデッキ14に沿って軸Xの方向に移動する。
好ましくは、二つのラック22の間にある直線溝27とデッキ14上で平行になるように、ラック22が配置される。図3および図8(d)に示すようなシート状金属片25が把持装置20(図8(d)では明瞭さのために隠されている)上に設けられる。シート状金属片25が溝27内を通り、デッキ14上で二つのラック22と摺動係合するように、シート状金属片25が把持装置20上に配置される。シート状金属片25は、ラックアンドピニオンシステムの中心間距離を維持するリニアガイドとして機能する。これによって、デッキ14に対する把持装置20の平行移動の線形性が維持される。
把持装置20の前端16には、例えばテープライブラリ内のスロット13にテープカートリッジ12を挿入するとき、デッキ14からテープカートリッジ12を抜き取るためのプッシュパネル26がある。デッキ14の装填側端部16に向けて把持装置20を前進させることによって、プッシュパネル26が操作される。プッシュパネル26が前進すると、デッキ14に寄りかかったテープカートリッジ12の正面126とプッシュパネルが接触する。プッシュパネル26がさらに前進すると、テープカートリッジ12がデッキ14からスロット13またはドライブスレッド(sled)内に押し出される。
サイズを小型にしたスロット13(図示せず)からテープカートリッジ12を取り出すために、ハンドラ10は、把持装置20と好ましくは平行でありかつ対称的に取り付けられた二つのアーム30を備える。図5(a)および(b)に示すように、各アーム30は、スロット(図示せず)からテープカートリッジ12を取り出すために、テープカートリッジ12の側面124にある開口122と係合するように適合された引っかけ部(catch)32を、把持装置20から離れた側に有している。
図4に示すように、各アーム30は、ラックアンドピニオン接続を介して把持装置20と回転係合可能である。好ましくは、ラックアンドピニオン接続のピニオン50は、アーム30の縦軸A−Aがピニオン50の回転軸と同一直線上にあるように、アーム30上に配置される。図6に示すように、ラックアンドピニオン接続のラック52は把持装置20に配置され、把持装置20上の歯車列54を介してアームモータ53によって駆動される。アームモータ53は、DCサーボモータであることが好ましい。アーム30は、図2および5(a)に示すように引っかけ部32が垂直となり下側を指す解放位置と、図3および5(b)に示すように引っかけ部32が水平となり内側を指す係合位置との間で、自身の縦軸A−Aの周りに回転可能となるように構成される。こうすると、軸Xに沿って双方向にアーム30を平行移動させて、テープライブラリ内の二つの対応する隣接テープカートリッジスロット13に格納された二つの隣接テープカートリッジ12の間の小さくなった空間で、アーム30を動かすことができる一方で、限定された空間内の解放位置と係合位置の間での操作が維持される。
図4に示すように、トグルバネ60の一端が把持装置20に取り付けられ、トグルバネ60の他端が、アーム30と把持装置20の間のラックアンドピニオン接続のラック52に取り付けられる。トグルバネ60の適切に取り付けることで、トグルバネ60は、解放位置に向けてアーム30を付勢する付勢部材として機能する。
図4に示すように、ラック52に取り付けられた把持ラックフラグ56の位置を検出するセンサ62が設けられることが好ましい。センサ62は、把持装置20に対するアーム30の回転位置についてのフィードバックをアームモータ53に提供する。すなわち、アーム30の引っかけ部32が水平であるか垂直下向きであるか、またはアーム30が係合位置にあるか解放位置にあるかのフィードバックを提供する。これにより、引っかけ部32が解放位置において完全に垂直下向きを指さずに水平から45度下向きを指しうるようなトグルバネ60の固有特性を、アームモータ53が補償できるようになる。したがって、解放位置からの偏位を検出することで、トグルバネ60の動きにのみ依存するのではなく、アームモータ53がアーム30を解放位置へと積極的に回転させることができる。
使用時に、把持装置20に設けられたトリガ70およびセンサ72を用いて、解放位置から係合位置へとアーム30が駆動される。図6および7に示すように、トリガ70は、プッシュパネル26の正面に取り付けられた旋回可能なテープ検出フラグ70を備えることが好ましい。テープ検出フラグ70はプッシュパネル26の平面と直交する面内で旋回可能であり、好ましくはテープ検出フラグ70を「上」位置に付勢するトグルバネ74(図4)を介してプッシュパネル26に接続される。センサ72は、把持装置20内の第2パネル28上に設けられることが好ましい。第2パネル28は、デッキ14の前端16を基準にして、プッシュパネル26の背後に配置される。テープカートリッジ12との接触時にテープ検出フラグ70が押し込まれることによるフラグ70の回転によって、テープ検出フラグ70の後部がセンサ72を起動させるように、第2パネル28上にセンサ72が配置される。こうして、テープ検出フラグ70によってセンサ72が起動される。センサ72はアームモータ53に接続されており、これに応じて解放位置から係合位置までアーム30を回転させる。
図5(b)に示すように、スロット13からテープカートリッジ12を引き出すと、プッシュパネル26とテープカートリッジ12との間に1.5mmの隙間が生じることがある。図5(a)に示すようにテープ検出フラグ70が完全に押し込まれていないときであっても、テープカートリッジ12が依然としてこの状態にあることを「報告」すなわち検出し続けられるように、テープ検出フラグ70とセンサ72を適切に構成しなければならない。
好ましくは、把持装置20とアーム30は、把持装置20に対してアーム30が完全に引き込まれるようにさらに構成される。アーム30を完全に引き込むことの目的は、デッキ14からドライブスレッド内にテープカートリッジを装填するときに、アーム30がドライブスレッド内に不用意に突出してドライブスレッドのいずれかの構造に巻き込まれないようにするためである。図9(a)、9(b)に示すように、把持装置20に対するアーム30の完全な引き込みは、アーム30と把持装置20の摺動係合と、アーム30とデッキ14とのタブアンドストップ(tab-and-stop)による係合によって達成されることが好ましい。
アーム30と把持装置20との摺動係合は、摺動コネクタ80を介してアーム30を把持装置20に摺動可能に取り付けることによって実現される。図9(a)、9(b)に示すように、摺動コネクタ80は把持装置20に強固に固定されるとともに、アーム30に摺動可能に取り付けられることが好ましい。
アーム30とデッキ14とのタブアンドストップによる係合は、各アーム30の引っかけ部32とは反対側に取り付けられたタブ付きスリーブ80と、デッキ14上に取り付けられた、タブ付きスリーブ80と係合する対応する止め具94とを含むことが好ましい。
タブ付きスリーブ80がアーム30とともに回転するように、タブ付きスリーブ80がアーム30の縦軸A−Aと同軸であることが好ましい。図3に示すようにアーム30が係合位置にあるとき、延出したタブ82が実質的に水平すなわちデッキ14と平行になり、アーム30が解放位置にあるとき、タブ82が鉛直下向きに延出してデッキ14上の対応する止め具84と係合するように、スリーブ80から延出するタブ82とスリーブ80とがアーム上に配置されることが好ましい。
図2および3に示すように、デッキ14上の止め具84はスライダ86上に設けられ、スライダ86からデッキ14に対して横方向外向きに延出することが好ましい。このようにすると、止め具84の正面または止め具84の背後のいずれかでタブ82が下向きに延びるようにアーム30を適切に回転させることによって、アーム30上のタブ82を、止め具84の前端(デッキの前端16に近い方)または止め具84の後端(デッキの後端18に近い方)のいずれかに、必要に応じて係合させることができる。
図9(a)では、デッキ14に対して最も後ろの位置へと把持装置20が平行移動されている。この移動は、タブ82が水平になり、タブ82が止め具84と係合せずに把持装置20が止め具84の上方を移動できるように、アーム30を係合位置(引っかけ部32が水平)にすることによって実現される。続いて、図9(a)に示す解放位置へとアーム30が回転されると、アーム30の完全な引き込みを予期してタブ82を下方に回転させる。
続いて、図9(a)の位置から、デッキ14に対して前方に把持装置20が移動し、その結果、図9(b)に示すように、下向きにされたタブ82が止め具84の後端と係合する。デッキ14に対して把持装置20をさらに前方に移動させると、デッキ14上のスライダ86がデッキ14に対して前方に引き出される。
図2に示すように、スライダ86は前部86Fと後部86Rとを備え、前部86Fと後部86Rとの間にあるスロット87内に配置されたスライダバネ89をさらに備えることが好ましい。スライダバネ89は、第1端部で前部86Fと接続され、第2端部でデッキ14と接続されるのが好ましい。スライダ上の止め具84に逆らって作用するアーム30上のタブ82によってスライダ86が前に引かれると、図9(c)に示すように、スライダバネ89が延びて、デッキ14に対して把持装置20を「駐車」位置に戻すように付勢する。
スライダバネ89が限界まで延ばされると、スライダ86はもはや前方に移動することができず、同様にアーム30も、スライダ86上の止め具84に逆らって作用するアーム30上のタブ82によってさらなる前方への移動が妨げられる。この状態で把持装置20をさらに前方に移動させると、摺動コネクタ80がアーム30を越えて前方に摺動する結果、停止したアーム30に対して把持装置20が前方に摺動する。このようにして、図9(b)に示すように、把持装置20に対してアーム30が完全に引き込まれる。
平行移動可能な把持装置20上に回転アーム30を設けることに加えて、ハンドラ10のベースプレート90に対してデッキ14が回転可能であることが望ましい。これにより、図17に示すように、二つの平行なマガジンラック102とドライブスレッド104とを備えるテープライブラリ100と共に、テープカートリッジハンドラ10を使用することができる。各マガジンラック102は、通常、二つのマガジンラック102の間の空間106に向けて開口する複数のテープカートリッジスロット13を備える。ハンドラ10は、ベースプレート90の平行移動によって、二つのマガジンラック間の空間内を平行移動可能であるように構成される。デッキ14をベースプレート90に対して回転可能に構成することによって、ベースプレート90の適切な平行移動とデッキ14の適切な回転とを組み合わせて、マガジンラック102内の複数のテープカートリッジスロットの任意の一つへとハンドラ10がアクセスできるようになる。
図10(a)、(b)に示すように、デッキ14は、遊星歯車機構を介してベースプレート90と回転係合することが好ましい。図10(a)に示すように、遊星歯車機構の遊星歯車92がデッキ14上に取り付けられ、デッキ14上の歯車列94を介してデッキモータ93によって駆動されることが好ましい。デッキモータ93は、エンコーダシステムを有するDCサーボモータであることが好ましい。
遊星歯車機構の太陽歯車95は、好ましくはベースプレート90と一体化された平歯車95の隆起断面として、ベースプレート90上に静的に設けられることが好ましい。図10(b)ではデッキ14が隠されており、ベースプレート90上の遊星歯車92、デッキモータ93および歯車列94の太陽歯車95に対する相対位置が示されている。デッキ14上で遊星歯車92を回転させつつベースプレート90を固定すると、ベースプレート90に対してデッキ14が回転する。図11(a)ないし(c)に示すように、ベースプレート90に対してのデッキ14の三つの明瞭な停止位置(それぞれθ=0、90、180度)の間でデッキ14を回転させることができるように、遊星歯車機構が構成される。図17に示すように、これらの停止位置は、テープライブラリ100に対するハンドラの位置に対応している。
図12に示すように、デッキ14の下面にはデッキ摺動面97が設けられ、ベースプレート90の上面には対応するベースプレート摺動面98が設けられる。この結果、遊星歯車92が駆動されると、ベースプレート90に対してデッキ14が回転係合している間、デッキ14はベースプレート90とさらに摺動的に係合する。デッキ14とベースプレート90が滑らかに摺動係合するように、摺動面97、98は高度に研磨された光沢面であることが好ましい。
図12、13、14は、デッキ14の下面に設けられたハードストップ99a、99bを示す。ハードストップ99a、99bは、ベースプレート90上の対応するエンドストップ96a、96bと係合する、ハードストップ99aとエンドストップ96aは、互いに係合したとき、0度におけるデッキ14の位置を規定する役割を果たす。ハードストップ99bとエンドストップ96bは、同様に互いに係合したとき、180度におけるデッキ14の位置を規定する役割を果たす。
図15に示すように、デッキ14に支持された把持装置モータ24、アームモータ53およびデッキモータ3に電力を継続して提供するために、ベースプレート90にフレキシブルプリント回路(FPC)120を設けることが好ましい。これにより、たとえデッキ14がベースプレート90に対して異なる回転位置にあるときでも、ベースプレート90からデッキ14に確実に電力を供給し続けられる。図16(a)に示すように、FPC120は、ベースプレート90に対してデッキ14が0度の位置にあるときの初期ハート型構成から、ベースプレート90に対してデッキが180度の位置にあるときの図16(b)に示す構成へと形状を変化させる。FPC120の曲げ半径RがFPCの寿命期待値を決定することが分かっており、FPC120は、デッキ14が回転するときの20万回以上の曲げ伸ばしを耐えるように構成されなければならない。
テープライブラリ100内のスロット13からテープカートリッジ12を引き出すために上述の回転アーム30を備えることによって、隣接する格納されたテープカートリッジの間の隙間が小さく、またはテープカートリッジ12とスロット13の壁との間の隙間が小さいテープライブラリ100内で、ハンドラ10を動作させることが可能になる。平行移動可能なベースプレート90と回転係合するデッキ14を備えることによって、二つ以上のマガジンラック102を備えるテープライブラリ100内で、ハンドラ10が動作可能になる。したがって、上述のハンドラ10は、テープライブラリ100の所与の設置面積および形状因子に対して、使用されるテープライブラリ100の記憶容量を最大化することができる。
上記では本発明の例示的な実施形態について説明したが、当業者であれば、本発明から逸脱することなく、設計、構造および/または動作の詳細について多くの変形をなし得ることを理解するであろう。

Claims (17)

  1. テープライブラリ内のテープカートリッジを運搬するテープカートリッジハンドラであって、
    テープカートリッジを支持するデッキと、
    前記デッキと平行移動可能に係合する把持装置と、
    前記把持装置と回転係合する少なくとも一つのアームと、を備え、
    前記アームは、該アームの縦軸周りに回転可能であり、テープカートリッジの開口と係合する引っかけ部を有することを特徴とするテープカートリッジハンドラ。
  2. 前記アームは係合位置と解放位置との間で回転可能であり、
    前記アームが係合位置にあるとき、前記テープカートリッジの開口と前記引っかけ部とが係合可能であり、前記アームが解放位置にあるとき、テープライブラリ内の二つの対応する隣接テープカートリッジスロット内に格納された二つの隣接するテープカートリッジの間の空間内で前記アームが平行移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のテープカートリッジハンドラ。
  3. 前記アームを前記解放位置に向けて付勢する付勢部材をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のテープカートリッジハンドラ。
  4. テープカートリッジを検出し前記解放位置から前記係合位置への前記アームの回転を引き起こす、前記把持装置上のセンサをさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載のテープカートリッジハンドラ。
  5. フラグがテープカートリッジと接触したときに前記センサを起動する、前記把持装置上の外向きに延出した旋回フラグをさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のテープカートリッジハンドラ。
  6. 前記アームは、前記把持装置とのラックアンドピニオン接続によって回転可能であり、
    前記ラックアンドピニオン接続のピニオンは、前記アームの縦軸がピニオンの回転軸と同一直線上になるように前記アーム上に位置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のテープカートリッジハンドラ。
  7. 前記把持装置は、ラックアンドピニオン機構を介して前記デッキと平行移動可能に係合し、
    前記ラックアンドピニオン機構のラックが前記デッキ上にあり、前記ラックアンドピニオン機構のピニオンが前記把持装置上にあることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のテープカートリッジハンドラ。
  8. 前記ラックアンドピニオン機構が二つのピニオンと二つのラックとを備えることを特徴とする請求項7に記載のテープカートリッジハンドラ。
  9. 前記アームは、前記デッキからテープドライブ内へとテープカートリッジを装填するために前記把持装置に対して引き込み可能であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のテープカートリッジハンドラ。
  10. 前記アームは、前記デッキとのタブアンドストップ係合を介して引き込み可能であり、
    前記タブアンドストップ係合のタブが前記アーム上にあり、前記タブアンドストップ係合のストップが前記デッキ上にあることを特徴とする請求項9に記載のテープカートリッジハンドラ。
  11. ベースプレートをさらに備え、
    前記デッキが前記ベースプレートと回転係合することを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のテープカートリッジハンドラ。
  12. 前記デッキは、遊星歯車機構を介して前記ベースプレートと回転係合し、
    前記遊星歯車機構の遊星歯車が前記デッキ上に駆動可能に取り付けられ、前記遊星歯車機構の太陽歯車が前記ベースプレート上に静的に設けられることを特徴とする請求項11に記載のテープカートリッジハンドラ。
  13. 前記デッキの下面にデッキ摺動面が設けられ、前記ベースプレートの上面に対応するベースプレート摺動面が設けられ、前記デッキと前記ベースプレートが回転係合している間、前記デッキが前記ベースプレートと摺動的に係合することを特徴とする請求項11または12に記載のテープカートリッジハンドラ。
  14. 前記デッキと前記ベースプレートが滑らかに摺動係合するように、前記デッキ摺動面と前記ベースプレート摺動面が高度に研磨された光沢面であることを特徴とする請求項13に記載のテープカートリッジハンドラ。
  15. 前記ベースプレートに設けられたエンドストップと係合するようにデッキ上に設けられ、前記ベースプレートに対する前記デッキの相対回転位置を規定するハードストップをさらに備えることを特徴とする請求項11ないし14のいずれかに記載のテープカートリッジハンドラ。
  16. 前記ベースプレートから前記デッキに電力を提供するフレキシブルプリント回路をさらに備えることを特徴とする請求項11ないし15のいずれかに記載のテープカートリッジハンドラ。
  17. 前記テープライブラリは、平行に配置された二つのマガジンラックを備え、
    各マガジンラックは、前記二つのマガジンラックの間の空間に向けて開口する複数のテープカートリッジスロットを備え、
    前記ベースプレートの適切な平行移動と前記デッキの適切な回転とによって、前記複数のテープカートリッジスロットの任意の一つに前記ハンドラがアクセス可能となるように、前記ベースプレートの平行移動を介して前記二つのマガジンラックの間の空間内で前記ハンドラが平行移動することを特徴とする請求項11ないし16のいずれかに記載のテープカートリッジハンドラ。
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