JP2012525284A - 印刷キャリッジ - Google Patents

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Abstract

第1及び第2横断痕跡において連続的に移動している支持体上に物質を付着させる為のシステム及び方法が、インクジェットヘッドの第1セットとインクジェットヘッドの第2セットとを有している印刷キャリッジを提供することにより達成されている。キャリッジは往き行程において支持体を横切り、第1及び第2痕跡に第1及び第2の複数のインクジェットヘッドから付着させ、その後に戻り行程において支持体を横切る。インクジェットヘッドの第1及び第2セットは、第1及び第2痕跡が往き行程及び戻り行程の両方上で互いに補完することにより支持体の実質的に完全な範囲を提供するよう配置されている。この方法においては、補完痕跡は単一ヘッドから付着されることが出来る。
【選択図】 図6

Description

この発明は、大略的には、印刷技術及びそれと同様なものを使用した支持体(substrate)上への物質(substance)の付着の為の印刷キャリッジに関係している。この発明はさらに、特に織物印刷及び仕上げの分野における、このような印刷キャリッジが設けられている印刷機、そして連続的な行程において付着を行う為の手順、に関係している。
支持体上への画像及びテキスト(text)のインクジェット印刷の為のシステムは、一般に知られている。多くのこのようなシステムは、デスクトップ又はオフィス設備に適用されていて、A3又はA4サイズの紙又はそれと同様なものの上への印刷を行う為に良く適している。より幅広の支持体の為には、特に高速が重要な時には、より特殊な機械が要求されている。このような設備の為には、インクジェット印刷技術が使用されることが出来るが、平版(lithographic)及び従来の印刷技術が依然として一般に好まれている。
織物の為に、インクジェット印刷技術もまた近年では、従来の印刷,染色,そして被膜(coating)技術に対する代わりとして開発されている。これらの技術は一般的には、材料及び色素の問題の故に、グラフィック(graphic)分野において使用されているものから異なっている。織物の品質向上及び仕上げ工程の為にインクジェット付着技術を適用する試みもまた行われている。これらの工程の特徴はしばしば、それらが全織物表面に渡り付着される製品の大きな容量を要求することである。多くの状況においては、付着又は被覆の均一性が、織物の品質がそれに従うので、最高の重要性である。この均一性は、視覚的な観点(筋(streak)又はしみ(blemish)の不在)から重要であり、そして機能的な観点(防水性(waterproofing)又は防炎性(flame retardancy))からも重要である。
現在、インクジェット印刷の為に使用される2つの主要なシステムがあり:固定された配列(fixed array)システムと走査及び段階送り構造(scan and step arrangement)とである。両方は主に要求に応じた滴下(drop on demand: DoD)技術で使用されているが、連続的なインクジェット(continuous inkjet: CIJ)技術でも使用されることが出来る。
固定された配列(fixed array)システムは、比較的高い製造速度での連続的に移動している支持体の印刷を許容する。印刷ヘッドの固定された配列は支持体の幅に渡り配置されていて、ノズルは印刷ヘッド配列の下で連続的に移動している支持体上に要求に応じて材料を付着させるよう作動される。典型的な固定された配列システムは、わずかの印刷ヘッドのみが支持体の幅を覆うことを要求されているので、連続的なリールからリールへのウエブシステム上の幅の狭い支持体の為に使用されている。織物仕上げの為の固定された配列のインクジェット工程の使用は、ヨーロッパ特許EP−B−1573109中に記載されている。
固定された配列システムは多くの欠点を有していて、主には低い融通性とこのような印刷システムにおける低い融通性と重複性(redundancy)の欠如に関係している。固定されている配列システムで幅広の支持体上に印刷する時は、支持体の幅に広がるよう多くの印刷ヘッドが要求され、印刷システムの為の高い投資コストを導く。もし所望の支持体速度が印刷ヘッドの最大速度よりも下であったならば(例えば、他のより遅い工程のお蔭で)、その時には余分なシステム能力を役立つよう活用することが出来ず、そして無駄にされる、即ち如何なる最大速度以下で、印刷システムは印刷ヘッドの非効率な使用を示す。支持体幅に渡る分解能は印刷ヘッドノズルの位置により固定されていて、そしてそれ故に容易に変化させることが出来ない。印刷ヘッドの整備が要求された時、支持体は停止しなければならず、そして配列は印刷ヘッドへの接近を許容する為に支持体から遠くに移動されなければならない。これはしばしば、比較的複雑な操作であり、それらに関係している停止時間は損失となることになる。印刷中にノズルが故障すると事態においては、単一の垂直線が支持体上に現れ、それは故障の顕著な目で見ることが出来る状態であり、そして局部的な部分における材料付着の完全な100%の失敗を表している。連続的な画像を印刷することはまた、複雑な連続したデータ取扱いシステムを要求する。支持体上の画像の連続した印刷を維持する為に、システムは連続的にデータを印刷ヘッドノズルに供給しなければならず、そして、そこにはメモリーが再読み込みできる明白な中断地点(break point)(又は時間)が無い。これは、多くの固定されている配列の印刷システムがそれらの記憶容量に従っている繰り返し長さを有し、その後、画像は単純に繰り替えされる、ことを意味している。この状況は、動的記憶取扱いを使用することにより避けられることが出来、そこではデータが印刷ヘッドに出来る限り早く供給されるようメモリーに供給されるが、これは非常により複雑なメモリー取扱いシステムを要求する。
走査及び段階送り構造(scan and step arrangement)は、印刷ヘッドキャリッジを静止した支持体の幅に渡り走査させ水平帯又痕跡(swathe)を印刷するよう動作する。支持体は次に、印刷ヘッドキャリッジが第2痕跡を印刷する為に静止した支持体に渡りもう1回の通過を行う以前に、精密に前方に更新される。このようなシステムは典型的には、固定されている配列が実行できない最大5mまでの幅広の支持体上に印刷する為に使用されている。これらはまた、より低い生産性を受け入れることが可能な、即ち、幅の広い形式の商業用グラフィックアート(graphic art)印刷、設備において使用されている。
走査及び段階送り構成(scan and step arrangement)はまた多くの欠点を有していて、主に低い生産性と支持体の動きの段階的な性質に焦点があてられている。詳細には、支持体の段階的な移動(stepping)は、このようなシステムが、連続的な生産ライン内の構成要素又は工程として使用された時に貧弱な互換性を有することを意味している。支持体を更新(increment)又は段階的に進める(step)のに要する時間は印刷の為に使用することが出来ずに生産性を制限している。段階的な移動(stepping motion)はまた、支持体を急速に加速しそして減速しなければならず、重いローラ上で幅広の支持体を取り扱う時には強力なモータと高度な水準の制御を要求することを意味する。段階的な移動(stepping motion)はまた、この動きが、下方へのウエブ解像度、そして従って(機能的な適用の為に)付着された材料の品質又は(画像適用の為の)画像品質、に影響するので、高度な精密性と繰り返し能力を伴い生じなければならない。ヨーロッパ特許出願EP−A―0829368中に開示されている一つの装置に従えば、1つ又はそれ以上の印刷ヘッドは斜め角度(bias angle)で織物ウエブの幅を走査するよう方向づけされることが出来る。対角線状に印刷することにより、印刷ヘッドはそれらの最大横断速度でより長い間動作することが出来る。印刷ヘッドの加速及び減速のお蔭による効率の損失は、動作が依然として走査及び段階送りモード(scan and step mode)で行われるにも拘わらず、それにより減少される。
これらの欠点の全ては現在まで連続していて、幅広の支持体上への高速度での高度に均一な付着は実現が困難である。詳細には、このような動作の為の印刷ヘッドの信頼性は依然として最適からは遠い。DoDノズルは、それが正確に機能することを維持する為に不断の予防的な整備を要求し、それがシステム設計の要となる要素である。もしノズルが或る期間使用されなかったならば、それは閉塞し次に要求された時に動作しない。走査及び段階送りシステム(scan and step system)の為には、印刷ヘッドの走査動作が、印刷ヘッドの定期的な整備を可能にする個々の移動経路の端での向きを変える時間を許容する。これは、使用されないノズルの閉塞及び/又はインクの吐出を阻止する為の個々の噴射(jet)又はノズルの清掃を含むことが出来る。にも拘わらず、整備時間は支持体の間欠的な動きの損失になる。これは、駆動列(drive train)における追加の指示の失敗及び摩耗(additional indexing fault and wear)を生じさせることが出来る。更には、個々の横断における印刷キャリッジの急速な加速は、機械的な故障及び設計上の制限の潜在的な源である。
配列の構成においては、通常の整備機会は入手できない。作動しない(missing)ノズル又は不調な(malfunctioning)ノズルを補完する為の多くの試みがインクジェット工業において為されてきた。米国特許第4,907,013号は、インクジェット印刷ヘッド中のノズルの配列における不調なノズルを検知する為の電気回路を開示している。もし印刷機プロセッサー(processor)が、印刷媒体に渡る次に続く行程の間に印刷ヘッドを段階的に移動させるとともに不調ではないノズルを使用することにより不調な(malfunctioning)ノズルを補完することが出来ないのであれば、印刷機は停止される。米国特許第4,963,882号は、画素位置当たり(per pixel location)複数のノズルを使用することを開示している。1つの実施形態に於いては、印刷ヘッドの2つの行程の間に2つの異なったノズルから1つの画素位置上に同じ色の2つのインク小滴が付着される。米国特許第5,581,284号は、1つの多色印刷機の全幅配列印刷塊(print bar)中の如何なる故障したノズルを特定し、そして、異なった色のインクを有しているもう1つの印刷塊(print bar)中のノズルから少なくとも1つの小滴を代わりに置く為の方法を開示している。米国特許第5,640,183号は、ノズル配列中のノズルの標準の縦列(column)に多数の小滴排出ノズルが追加されていて、その結果として多数の余分なノズルがノズルの個々の縦列(column)の両端に追加されている、ことを開示している。印刷ヘッドは、複数行程印刷システム中における印刷ヘッドの次に続く行程の間に第1に印刷された痕跡(swathe)に渡りノズルの異なったセットが印刷するよう、規則的に又は仮りのランダムに(pseudo-randomly)ずらされる。米国特許第5,587,730号は、第1印刷ヘッド及び第2印刷ヘッドを含んでいて余分な印刷能力を有している熱インクジェット印刷装置を開示している。1つのモードにおいては、もし第1印刷ヘッドが故障したら、第1印刷ヘッドに代わり第2印刷ヘッドが第1色のインク小滴を印刷する。
連続的な紙送りを達成する為に印刷ヘッドの横断に紙のウエブの動きを同期させることを意図している印刷装置が、米国特許第6,439,786号中に開示されている。印刷ヘッドは、送り方向に関して2つの方向に角度付けされることが出来るよう梁上に横断して設けられている。夫々の横断において、印刷ヘッドは、移動している紙上に結果として水平な印刷帯を創出するよう紙とともに移動する。
日本国公開公報JP10−315541号公報中に開示されているさらなる装置においては、紙搬送方向における印刷解像度を強化する為のシリアル印刷機(serial printer)が開示されている。これは、紙を連続して搬送し、それにより搬送機構中のバックラッシの効果を減少させることが出来ることにより、達成される。移動している支持体上への印刷は、単一又は2重行程移動中において互いに直線状に整列されることが出来る対角線痕跡(diagonal swathe1)という結果になる。この装置は、紙の複数枚上に印刷することに向けられていて、大きな形式の支持体上における印刷速度を向上させることには関係していない。詳細には、往き及び戻り行程の両方で印刷する時に、印刷ヘッドが紙の印刷されていない領域にのみ位置指定され、効率的でないノズル使用を導いている。更には、その文献は、大きな形式の支持体上に幅広い痕跡(swathe)を印刷する為の増大されたヘッド長さの必要性に言及することをしていない。
近年の発達は、公開されていない国際出願WO2009/056641中に記載されていて、その内容はそれらの全体がここに組み込みまれていて、そこにおいては、たくさんの痕跡(swathe)に物質を付着させるよう付着構造を支持体を横切って搬送させることにより連続的に供給される支持体上に物質が付着されている。支持体はコンベヤベルトの形状の搬送構造により搬送されることが出来る。搬送及び横断運動を同調させることにより、複数の痕跡(swathe)は互いに補完することが出来、従って、支持体の実質的に完全な覆いを達成している。その原理は、走査及び段階送りシステム(scan and step system)及び固定されている配列(fixed array system)システムの両方の利点を組み合わせて、連続している支持体の動きでの信頼性のある印刷を達成する。
国際出願WO2009/056641中に記載されている装置の一つの実施形態に従えば、物質の2つの補完痕跡(complementary swathe)が、夫々の梁上に独立した動きの為に夫々が設けられている2つのキャリッジにより付着されている。個々のキャリッジは複数のヘッドを備えていて、従って搬送方向における幅広の痕跡(swathe)及びより効率の良い覆いを達成する。この構造は満足の行く方法で動作することがわかっている一方で、その設定が困難であるとともに搬送速度又は他の印刷パラメータにおける変動が再較正(recalibration)を要求することが出来る。第1及び第2キャリッジ間の搬送ベルトに関する支持体の如何なる動きも、結果に対する大きな異変となることが出来る。同じことが搬送ベルトの動きにおける不均一にも適用される。これら及び他の困難は、支持体の幅及び搬送速度の増大に伴いより深刻になる。
この発明は、両方の補完痕跡(complementary swathe)に付着するよう単一の印刷キャリッジを使用することにより、これらの困難の少なくとも幾つかを取り扱うことを求めている。従って、この印刷キャリッジは、第1痕跡(swathe)の往き行程及び戻り行程において支持体上に物質を付着させるよう配置された第1の複数のインクジェットヘッドと;第1痕跡(swathe)に対し補完的な、第2痕跡(swathe)の往き行程及び戻り行程において支持体上に物質を付着させるよう配置された第2の複数のインクジェットヘッドと;を備えていて、ここにおいては、第1及び第2の複数のヘッドは第1及び第2痕跡(swathe)が往き行程及び戻り行程の両方上で互いに補完することを確実にするよう配置されている。この文脈においては、補完(complementary)は、支持体の個々の部分が痕跡(swathe)の1つにより2回又は個々の痕跡(swathe)により1回のいずれかで覆われるような2つの痕跡(swathe)の重複により均一な覆いが達成されることを意味していると理解することが出来る。個別のノズルの故障により生じた如何なる誤りも対角線移動の両方の結果として非常に見えにくく出来、そしてそのお蔭で支持体の個々の部分は異なったノズルにより2回上書き(address)されることが理解される。単一のキャリッジから第1及び第2痕跡(swathe)を提供することにより、第1及び第2痕跡(swathe)を付着するヘッド間のずれは精密に決定され、そして維持されることが出来る。直線状整列手段又は配置はキャリッジ内における直線状整列を確実にする為に設けられることが出来る。1対のキャリッジ間の直線状整列及び同調も従って何ら要求されず、設定時及び印刷パラメータの変更により要求されている較正(calibration)を非常に減少させる。
単一のキャリッジ構造を使用して幅広い織物の十分な覆いを達成する為に、個々の痕跡(swathe)の幅は好ましくは出来る限り大きくなければならない。これは、個々の痕跡(swathe)の複数のヘッドを直線状に整列させることにより達成されることが出来、ここにおいては夫々の印刷ヘッドが他の印刷ヘッドのノズルと直線状に整列されているノズルの一列を備えている。好ましくは、結果としてのキャリッジは少なくとも0.3m,好ましくは0.5m,そして0.8mでさえの搬送方向における長さを有する。第1及び第2痕跡(swathe)の全幅は0.2mより大きい,好ましくは0.3mより大きい,そして0.5mでさえあることが出来る。
しかしながら、それらの間に隙間を残すことなく2つのヘッドを互いに隣り合わせで配置することは一般的にはできない。これは何故ならば、現在入手可能なヘッドの為には、そこから付着が生じるノズルの広がり(extent)がヘッドの長さよりも小さいからである。従来の設計,例えば固定されている配列(fixed array)中で使用されている、は、隣接しているヘッドをずらす(offsetting)とともに互い違いにする(staggering)ことによりこの問題を解決している。このような構造は、しかしながら、互い違いにされているヘッドは両方の対角線行程上で直線状に整列することが出来ないので、2つの行程で対角線状に動作するのには正に適していない。この発明の1つの概念に従えば、隣接しているヘッド間に一定量の増加した幅(incremental width)を残すことにより、櫛形状(comb formation)が達成されている。第2の複数の印刷ヘッドにより付着された第2痕跡(swathe)が従って欠けた部分を完成できる。以下においては、「櫛(comb)」又は「櫛模様(comb pattern)」に対する引用は、それらの間に一定量の増加した空間(incremental space)を有している複数の直線状に整列されたヘッド、そして結果として付着された模様を引用することが意図されている。一般的には、一定量の増加した空間(incremental space)は、これが簡素でコンパクトな構造を導くので、単一のヘッド幅になる。にも拘わらず、習熟した人々は、他の空間も代わりのキャリッジ構造との組み合わせに適用されることが出来ることを、以下を読むことにより理解する。
この発明の1つの実施形態に従えば、第1及び第2の複数のインクジェットヘッドが互いに直線状に整列されていて、そして個々のヘッドはヘッド長さを有する。この場合においては、直線状整列構造(alignment arrangement)は、ヘッド長さの偶数(n=0,2,4…)に対応している第1及び第2の複数のインクジェットヘッド間の空間を備えていることが出来る。櫛形状(comb formation)において単一ヘッド幅によりヘッドが離れている単純な場合においては、第1及び第2の複数は2つのヘッド長さ、即ち2重空間、により離れていることが出来る。代わりの構造においては、第1痕跡(swathe)の最後のヘッドと第2痕跡(swathe)の第1ヘッドの両方を形成するよう2重長さのヘッドを使用することにより空間n=0が達成されることが出来る。
第2実施形態においては、第1及び第2の複数のインクジェットヘッドが互いに側方にずれていて(offset)、そして直線状整列構造(alignment arrangement)が、往き行程及び戻り行程の夫々の為に、第1及び第2の複数のインクジェットヘッドを回転させるよう適用されている角度付け装置(angling device)を備えている。第1及び第2の複数のインクジェットヘッドは、個々に櫛形状(comb formation)に配置されているとともに互いに関して互い違いにされている(staggered)ことが出来る。付着が生じる痕跡角度(swathe angle)へとヘッドを回転させることにより、いずれの行程上にも重複の必要がない。ヘッドは互いに固定された関係に保持されていることが出来、そして回転を全部のキャリッジを回転させることにより行うことが出来る。代わりに、個々のヘッドを要求に応じて又は支持体に関する付着の方向により指示されることにより回転されることが出来る。
もう1つの実施形態に於いては、第1及び第2の複数のインクジェットヘッドが互いに側方にずらされており、そして直線状整列構造(alignment arrangement)が、往き行程及び戻り行程の為に、第2の複数のインクジェットヘッドに関して第1の複数のインクジェットヘッドを移動させるよう適用された調節装置を備えている。このような移動は、往き行程及び戻り行程と同期された、キャリッジ内の連続往復移動(reciprocating shuttle movement)であることが出来、そしてまた上述した回転と組み合わされることが出来る。両方の移動はソフトウエアにより制御されることが出来るか、又は、例えば機械的手段により、横断構造に直接的に連結されていることが出来る。
或る実施形態においては、キャリッジは、同じ又は異なった物質のさらなる痕跡(swathe)を付着させる為に適用された更なる複数のインクジェットヘッドを備えていることが出来る。これらは、互いに関して横断(Y)方向に積層された、印刷ヘッドの複数の列として配置されていることが出来る。もし個々の列が同じ物質を付着させるのであれば、追加のヘッドは、例えば交差位置(interlacing position)を印刷することにより、横断方向における印刷の明確化(printing definition)を増大させるよう使用されることが出来る。或いは、個々の列は異なった物質を付着させることが出来:CMYKヘッドの場合には、4列のヘッドが設けられていることが出来る。従って、一般的には、個々の色の為の少なくとも2つの群のヘッドがあることを理解すべきである。CMYK色システムの為には、これは全部で少なくとも8群のヘッドを要求する。CMYシステムの為には、6群が使用されることが出来る。このようにして複数のヘッドで印刷キャリッジを作り上げることは、横断方向におけるその幅を増加させることが出来、より長い横断又はより幅の狭い効果的な印刷幅を与えること要求する。
この文脈に於いては、用語インクジェットヘッドは、支持体上で個々に規定された精密な位置に対し複数の小滴又は流体の噴射をもたらすことが出来る如何なる装置を規定していると理解される。この用語は、DoD,圧電(piezo-electric),熱(thermal),バブル(bubble)ジェット,バルブ(valve)ジェット,CIJ,静電(electrostatic)ヘッド,そしてMEMSシステムを包含することを意図されている。この発明に従っているシステムは、例えばXaarTM,Fuji FilmTM,DimatixTM,Hewlett−PackardTM,CanonTM,EpsonTM,又はVideojetTMにより供給されているかどうかにかかわらず、使用されている特別なヘッドとは無関係である。好ましくは、インクジェットヘッドは要求に応じた滴下(drop on demand: DoD)形式である。このようなヘッドは、それらの信頼性及び比較的低いコストの為に、現在最も好適である。最も好ましくは、インクジェットヘッドが、例えば対角線モードで動作する時に、付着の自由の追加の程度を許容するグレースケール(grey-scale)小滴付着を提供する。以前は、所定の配列位置(matrix location)での個々の小滴の配置を許容する為には、所定の痕跡角度(swathe angle)で動作することが望ましいと考えられてきた。この原理は、均一な覆いを確実にする為に、グラフィック(graphic)印刷及び織物仕上げの両方に適用することが信じられていた。しかしながら、付着容量及び位置を制御する為にソフトウエア適用を使用することにより、波紋効果又はそれに類似するものを痕跡角度(swathe angle)とは関係なしに避けることができることが分かった。この原理は、単一キャリッジ付着、そしてまた個々の領域が異なったキャリッジから付着されるシステム、の両方に適用可能であることが注目される。
この発明はまた、搬送方向に物質の供給を連続的に搬送させる為の支持体搬送装置と、第1及び第2補完痕跡(complementary swathe)中における物質の付着の為に支持体を横切るよう配置された前述した如き印刷キャリッジと、を備えている印刷機に関係している。搬送装置は、1mよりも大きな,好ましくは1.4mよりも大きな,そして最も好ましくは1.6mよりも大きな支持体幅を伴って、少なくとも5m/分,好ましくは10m/分,そしてより好ましくは20m/分以上の支持体速度で動作させるよう適用されている。
印刷機はまた好ましくは、支持体を横断する為に印刷キャリッジがその上に設けられている梁を備えている。にも拘わらず、代わりの構造、例えば横断ロボットアーム、もまた予想することが出来る。
好適な実施形態においては、キャリッジは、印刷キャリッジを移動させる為のリニアモータの部分を形成している梁上に設けられていることが出来る。このようなリニアモータ構造はキャリッジの位置決めの向上された正確さを確実にする為の理想であり、強固な方法で構成されることが出来る。他の駆動構造と比較した時に、これはさらに、より滑らかな動きの利点と振動の欠如を有することが出来る。
印刷機はさらに、物質による支持体の実質的に均一な覆いを確実にするよう、支持体の搬送速度又は位置に対し印刷キャリッジの横断速度又は位置を同調させる為の制御構造をさらに備えることが出来る。
印刷機はまた、支持体を読み、物質の付着を案内する為に制御構造に情報を提供するよう配置されている、エンコーダ(encoder)又は他の形態の読み取り装置を備えている。読み取り装置は、例えば織物の横糸(weft)に従うことにより支持体の移動の位置又は速度を直接読むことが出来る。或いは、それは、エンコーダ模様(encoder marking)又はそれと同様なものの形態で支持体又は搬送装置上に印刷された、又は他の方法で設けられた、指標を読むことが出来る。それはまた、以前に付着された小滴に基づいて位置を読むことが出来る。このようにして、キャリッジはその戻り行程上で同調されることが出来るか、又は次に続くキャリッジが、例えば以前のヘッドにより付着された時の個々の小滴又は痕跡(swathe)の縁により、案内されることが出来る。支持体の読みは、1つ又はそれ以上のキャリッジの速度又は位置を案内する為に使用されることが出来る。それはまた、ヘッドを形成している個々のノズルを案内する為、又は仕上げ(touch-up)ヘッドの動作を案内する為に、使用されることが出来る。さらには、光、例えばレーザ、読み取り機好ましいが、位置フィードバック(feedback)を許容する、光学,触覚(tactile),そして機械的な装置に限られることなく、如何なる他の適切な読み取り機もまた採用されることが出来る。
この発明は単一キャリッジに関連して記載されているが、或る理由の為には追加のキャリッジを設けることが出来る。横断距離(そして、ひいては横断時間)を減少させる為に、1対の印刷キャリッジが設けられていることが出来、これにより個々の印刷キャリッジは、物質を付着させる為に支持体の幅の個々の半分を横断する。印刷キャリッジは、両方が同じ梁上を横断することが出来、そして夫々が中央線においてとじ合わせが行われている個々の端において整備を受けることが出来る。或いは又は追加して、例えば画像又は機能が多くの段階で作り上げられる場合に、同じ物質のさらなる覆いを提供するか又は異なった物質を付着させる為に、さらなるキャリッジを第1のキャリッジの上流又は下流に配置させることが出来る。
織物上への付着の為のさらに好適な実施形態においては、搬送装置が、付着の間の支持体のずれを阻止する為の取り付け構造を備えている。このようなずれは、特に次に続く梁、即ちキャリッジ、が画像のもう1つの部位を付着する場合において、付着を正確に行う為に非常に有害となることが出来る。織物は、移動及び歪みに対して敏感であることが知られている。適切な取り付け構造は、粘着(adhesive)ベルト,真空,幅出機(stenter),そしてそれらと同様なものを備えていることが出来る。しかしながら、連続的な方法で印刷構造を介して搬送されている、タイル(tile),板(plate),シート(sheet),布製品(clothing article),又はそれらと同様なものの如き、個別の品目に対し、適用されることも出来る方法もまた、この発明の範囲内である。
この発明はまた、連続して移動している支持体上で第1及び第2横断痕跡(transverse swathe)中に物質を付着させる方法に関係しており、この方法は、第1の複数のインクジェットヘッド及び第2の複数のインクジェットヘッドを備えている印刷キャリッジを提供すること;印刷キャリッジを往き行程において支持体を横切らせ、第1及び第2の複数のインクジェットヘッドの夫々から第1及び第2痕跡(swathe)に付着させること;続いて戻り行程において印刷キャリッジを支持体を横切って横断させること;往き及び戻り行程の両方で第1及び第2痕跡(swathe)が互いに補完するよう第1及び第2の複数のインクジェットヘッドを直線状に整列させること;そして、支持体の実質的に完全な覆いを提供するよう往き及び戻り行程を繰り返すこと、を備えている。この発明に従って連続的に動作させることにより、1mよりも大きな,好ましくは1.4mよりも大きな,そして最も好ましくは1.6mよりも大きな支持体幅を伴って、少なくとも5m/分,好ましくは10m/分,そしてより好ましくは20m/分以上の支持体速度が達成できる。
この文脈においては、支持体の実質的に完全な覆いとは、付着が意図されている支持体の全ての領域に向けられるキャリッジの能力を引用することが意図されている。従って、実際の付着が全ての位置で行われる必要はない。被覆(coating)の適用が実質的に完全な覆いを要求することが出来る一方で、画像又は模様(pattern)の印刷は選択的な付着を要求することが出来る。支持体の全体が均一な覆いを受けることもまた必要条件ではない。従って、物質の付着が意図されていない、覆われていない縁領域を残すことが出来る。更には、殆どの状況下では、付着は最終の支持体上に直接行われるが、この発明はまた、例えば、次に続いて支持体に対し適用される転写(transfer)リール又は媒体上への間接的な付着も含めることを意図されている。
この発明に従っている方法は好ましくは、往き行程と戻り行程との間でインクジェットヘッド上に整備を行うことを備えている。これは、個々の行程の後に、キャリッジのヘッドの全ての為に、又はある副群(subgroup)の為にのみ、行うことが出来る。整備は、ヘッドが停止している間又は方向転換の間に行うことが出来る。
この方法はまた好ましくは、第1痕跡(swathe)の往き行程の次の往き行程との直線状整列を確実にするよう、支持体の搬送速度又は位置に対し印刷キャリッジの横断速度又は位置を同調させることをさらに備えている。これは、例えば支持体位置のソフトウエア制御及びエンコーダフィードバック(encoder feedback)を基礎として達成されることが出来る。好ましくは、キャリッジは、搬送速度を減少させることによりキャリッジ速度もまたそれに従い減少するよう、支持体搬送に対し従属されている。このような方法においては、如何なる支持体速度の間も痕跡角度(swathe angle)は一定に維持され、そして要求される較正(calibration)の量が非常に減少される。機械的な及びハードウエア実施形態もまた、このような同期を達成する為に使用されることが出来る。
マクロ又は痕跡(swathe)レベルで同期及び直線状整列を制御することに加え、この装置はまた、例えば領域間の正確な縫合(stitching)を確実にする為に、マクロ又は画素レベルでの同期及び直線状整列を提供するよう制御されることが出来る。これは、行程間の直線状整列の揺れ(perturbation)を減少させる為の従来の縫合ソフトウエアの使用を含むことが出来る。それはまた、例えばグレースケール(grey-scale)形式のインクジェットヘッドを使用することによる、個々の滴下により付着された物質の容量を調節することを含む。これは、異なった行程で小滴が互いに重複される時の波形効果を減少させる為に使用されることが出来る。それはまた、2つの異なった色の小滴が異なった順番で重複される場合の色の変化を避けるよう使用されることが出来る。さらに好適な方法は、正確な色又は影再生を提供するよう、例えば誤り拡散(diffusion)又は融合(blending)による、震え機能(dither function)を含むソフトウエアの使用を含む。
方法の或る実施形態に於いては、第1の複数のインクジェットヘッドを横断方向に重複させることが出来、そして方法は、重複の程度に従って減少された横断方向における解像度での印刷を備えている。この文脈においては、重複(stacking)は、ノズルの個々の列が互いに平行に横たわり、横断(Y)方向にずれているように複数のヘッドが配置されていることを意味すると理解される。もしもこれらのノズルが同じ物質を印刷するのであれば、これらは互いに交差(interlace)する位置で支持体上に小滴を付着させ、これにより個々の列は最終鮮明度(final definition)の半分(又はもう1つの約数(sub-multiple))で動作する、よう使用されることが出来る。
方法の1つの実施形態においては、支持体は織物であり、そして物質はインク又は染料であり、そして方法は織物の実質的に全表面に渡る染料の均一な適用を備えている。従来の染色手法と同等な均一性での単色の付着を達成することは非常に困難である。如何なる僅かの縫合(stitching)の不正確さ又はノズルの故障も、彩色していない背景(plain background)に対して見た時には最もはっきりわかるようになる。上述した方法を使用することにより、非常に良好な結果が達成された。
織物印刷実施形態においては、支持体は織物であり、そして物質はインク又は染料である。この場合においては、方法は、織物上に単色画像を形成する為に染料の適用を制御し、それによって画像の1部位が第1痕跡(swathe)により形成され、そして画像のもう1つの部位が第2痕跡(swathe)により形成される、ことを備える。同じ又は異なったキャリッジ上にさらなる複数のカラーヘッドを設けることにより、色付き画像を作成することが出来る。
この発明の仕上げの実施形態においては、支持体は織物であり、そしてヘッドは仕上げへッドである。この場合においては、方法は織物に対し仕上げ配合物(finishing composition)を適用することを備える。この文脈において、仕上げ配合物(finishing composition)は、織物の物理的及び/又は機械的性質を変える化学作用として理解される。仕上げ技術は最終製品の性質を改善すること及び/又は最終製品に性質を付加することを意味している。この文脈においては、仕上げは、400nmと700nmとの間の波長でのそれらの吸収性質の為のみで支持体に適用された材料の付着を含む又は情報の記録を含む処理を除外するよう、それを任意に規定することによる印刷の種類として区別されることが出来る。仕上げ配合物は、選択された付着構造を使用して付着される為に適切な如何なる仕上げであることが出来る。実際には、仕上げヘッドの選択は、要求される仕上げの性質に従って選択されることが出来る。詳細には、仕上げ配合物が、帯電防止の(anti-static),抗微生物の(anti-microbial),抗ウイルスの(anti-viral),抗菌の(anti-fungal),薬物の(medicinal),しわ防止の(non-crease),防炎の(flame-retardant),防水の(water-repellent),紫外線防止の(UV-protective),防臭の(anti-odour),耐摩耗の(wear-resistant),汚れ防止の(stain-resistant),自己清浄性の(self-cleaning),接着の(adhesive),補剛の(stiffening),軟化の(softening),弾性強化の(elasticity-enhancing),顔料結合の(pigment-binding),導電性の(conducting),半導電性の(semi-conducting),感光性の(photo-sensitive),光電性の(photo-voltaic),発光性の(light-emitting),蛍光性の(optical brightening),防縮性の(shrink resistant),風合い付与性の(handle imparting),充填及び補剛の(filling & stiffening),増量の(weighting),軟化の(softening),防油の(oil-repellent),防汚物の(soil repellent),汚物剥離性の(soil release),フェルトの(felting),フェルト防止の(anti-felting),コンディショニングの(conditioning),光沢性の(lustring),光沢低下性の(delustring),滑り止めの(non-slip),水蒸気透過性の(moisture vapour transport),反引っ掛け性の(anti-snagging),抗微生物の(anti-microbiotic),反射性の(reflecting),制御された剥離性の(controlled release),表示の(indicating),相変化の(phase changing),親水性の(hydrophilic),疎水性の(hydrophobic),検知性の(sensory),耐摩耗性の(abrasion resistant),そして湿潤性の(wetting)薬剤(agent)から成る群から選択されることが出来る。
この発明はまた、その上に物質が付着されている連続的な支持体に関係していて、物質は補完的な対角線痕跡(complementary diagonal swathe)中に配置された個々の小滴として付着されていて、ここにおいて小滴は、実質的に均一な覆いを提供するよう、種々の寸法(グレースケール(grey-scale))である、及び/又は支持体上において規則正しくない位置に付着されている。この文脈において、種々の寸法の小滴の引用は、多数の異なった所定の容積で創出されることが出来る小滴を包含すると理解される。それは、如何なる小滴分配装置の本来的な不定性を包含することを意図されていない。規則正しくない位置の引用は、小滴が所定の垂直に及び水平に直線状に整列されている行列位置に配置されていないことを指摘することを意図されている。それはまた、例えば所定の画素領域内に、無作為に置かれている小滴を含むことが出来る。この文脈における均一な覆いの引用は、付着の部分的な均一性、即ち縞効果及び明暗領域を伴なわない、を引用することが意図されている。
好適には、互いにまさに相(phase)の外にある第1及び第2の補完痕跡(complementary swathe)が提供されている。第1痕跡(swathe)の小滴は第2痕跡(swathe)の小滴間に交差(interlace)されていて、実質的に均一な覆いを提供する。第1痕跡(swathe)は支持体の覆いの約50%を提供することが出来、そして第2痕跡(swathe)は残りを提供することが出来る。
この発明はまた、その上に物質が付着されている連続的な支持体に関係していて、物質は補完的な対角線痕跡(complementary diagonal swathe)中に配置された個々の小滴として付着されていて、ここにおいて痕跡(swathe)は互いに関して略対角線状縫合線(diagonal stitch line)に沿い縫合されて(stitched)痕跡(swathe)の直線状整列中の不釣り合い(disparity)を調節する。縫合(stitching)は、対角線状痕跡(diagonal swathe)上での動作の為に適用された、一般的な従来の縫合(stitching)方法及び適切なソフトウエアを使用して行うことが出来る。1つの好適な原理は、所定の重複領域縫合であり、これによりヘッドは互いに重複するよう機械的に設けられている。ノズルは次にソフトウエアを使用してわきにそらされて(turned off)、1画素の半分の正確さで所望の直線状整列を与える。この形式のシステムは、セイコーインストゥルメント株式会社(Seiko Instruments Inc.)に対し譲渡されている米国特許(US)4,977,410中に記載されていて、その内容はそれらの全体が引用により組み込まれている。もう1つの好適な縫合(stitch)は、無作為にされている重複縫合(randomised overlap stitch)であり、そこにおいては重複領域が(機械的に)規定されていて、そしてそれによって重複領域中の画素が、1つの印刷ヘッド又はその他のいずれかによる印刷の為に無作為に分散されている。このような原理は、イーストマン コダック株式会社(Eastman Kodak Co.)に譲渡されている米国特許(US)5,450,099中に記載されていて、その内容はそれらの全体が引用により組み込まれている。
支持体が最も好適なのは織物である。この文脈においては、用語織物は、紙,厚紙(carton),そして2次元的に安定している他の支持体、即ち第3次元には柔軟であるがそれら自身の平面内ではわずかに変形するのみであるもの、を除外して選択することが出来る。同じ文脈では、織物は、伸びが可能であるか、又はそれ自身の平面において他に変形可能である、織られ(weaving),編まれ(knitting),かぎ針編みされ(crocheting),結ばれ(knotting),押され(pressing),又は他に繊維又は撚糸(yarn)を互いに結合させることにより、天然の又は人工の繊維又は撚糸(yarn)から形成された柔軟な支持体を包含すると理解されることが出来る。このような織物は、その幅よりも非常に大きな長さにおいてロール(roll)又はそれと同様なものから供給されることが出来る。その上でこの発明を行うことが出来る他の支持体は、紙又は厚紙(carton)を基礎にしている材料,フィルム材料,箔(foil),木に見せかけたメラニン(wood-look melamine)の如き積層体,そして連続的な方法で搬送することが出来る(susceptible)如何なる他の材料を含むことが出来る。
図1は、従来の横断印刷構造の概略図であり; 図2は、従来の固定配列印刷構造の概略図であり; 図3は、対角線モード印刷構造の概略図であり; 図4は、図3の装置の動作の原理を図示している概略図であり; 図5は、この発明に従っている付着を示している支持体の一部の概略図であり; 図6は、この発明の第1実施形態に従っている印刷キャリッジを示しており; 図7は、この発明の第2実施形態に従っている印刷キャリッジを示しており; 図8は、この発明の第3実施形態に従っている印刷キャリッジを示しており; 図9は、この発明の第4実施形態に従っている印刷キャリッジを示しており; 図10は、図9の印刷キャリッジの動作を示しており; 図11は、この発明の第5実施形態に従っている印刷キャリッジを示しており; 図12は、この発明の双キャリッジ実施形態の部分を示しており;そして、 図13は、この発明に従っている液滴付着がその上に行われている支持体の一部を示している。
以下は、例示の為にのみ与えられ図面を参照した、この発明の或る実施形態の記載である。
図1を参照すると、インクジェット技術を使用して支持体2上に印刷する為の従来の横断印刷ヘッドシステム1が示されている。支持体2は、多数のノズルを備えている横断インクジェット印刷ヘッド6がその上に設けられている梁4を通って方向Xに搬送されている。動作中には、印刷ヘッド6は支持体2を方向Yに横断し、そして印刷ヘッド6の長さに対応している幅を有して支持体を横切っている第1行程8Aを印刷する。均一な層として示されているが、行程8Aは実際には数千の小さな小滴又は画素から成っている。支持体2は次に、行程8Aの幅に対応している一定距離前方に移動され、そして停止される。印刷ヘッド6は次に支持体2を横断して戻り第2行程8Bを創出する。さらに行程8C,8Dが同じ方法で行われる。実際には、この手順に対する種々の変化が行われ、そこでは行程が重複出来、又は交差(interlacing)及び編成(interweaving)を使用して1つの行程の個々の小滴をもう1つの行程の個々の小滴間に置く。このようなシステムの欠点は、支持体の動きが間欠的であり高い印刷速度を達成することが困難であることである。
図2は、従来の固定された配列印刷システム10を示しており、そこに於いては支持体2が、その上に固定されたヘッド12が設けられている梁4を通って方向Xに搬送されている。固定されたヘッド12は、支持体2の実質的に全幅に渡っている。動作中には、支持体2が移動された時、印刷が行われ、そして固定されたヘッド12の幅に対応している行程8が支持体幅に渡り創出される。このシステム10は支持体2が連続して移動することを許容するとはいうものの、ヘッド6又は個々のノズルの予防整備及び修理の為にしばしばの停止が必要である。さらには、所定の印刷ヘッドの為に、ヘッドのノズル間隔に対応しているたった1つの横断印刷解像度が達成されるのみである。
図3は、国際出願WO2009/056641中に記載されている如き織物支持体22を印刷する為の印刷構造22の斜視図を示している。その装置の動作はこの発明を正しく理解する上で役立ち、その為にいかに幾つかの詳細が説明される。
図3に従うと、支持体22はロール(roll)又はJ−フレーム(J-frame)又はそれらと同様なもの(図示されていない)の如き連続供給機から供給されていて、1.6mの幅を有する。多数のローラ要素28の回りで駆動されているコンベヤ帯26の形態である搬送構造24は、略20m/分の最大動作速度でX方向に付着構造30を介して連続的な方法で支持体22を運搬する。帯26と支持体22との間の相対的な移動を避ける為に、支持体22を保持する為に幅出しピン(stenter pin)25が帯26により運搬されている。熟練した人々は、支持体を仮に保持する為に、粘着剤(adhesive),真空,フック(hook),そしてこれ等と同等のものを含んでいる他の適切な取り付け構造を望むのであれば設けることが出来る。
付着構造30は、支持体22を渡っている第1梁32及び第2梁34を備えている。第1及び第2キャリッジ36,38が、Y方向において個々の梁32,34を横切る横断機構40,42に沿い往復移動の為に配置されている。第1及び第2キャリッジ36,38の動きは、この形式の印刷キャリッジの為に一般的に使用されている如き適切なモータ(図示されていない)による。キャリッジ36は複数のインクジェットヘッド46を支持している。キャリッジ38は同様に幾つかのインクジェットヘッド48が配置されている。インクジェットヘッドは、360dpiの解像度を有しているとともにグレースケール(grey-scale)制御を使用して8から40plまでの可変小滴容積を創出することが出来るXaar OmnidoTM760要求に応じた滴下(drop on demand)インクジェットヘッドである。個々のヘッドにおけるノズルは、380ノズルの2つの背中合わせの列に配置されている。個々のキャリッジ36,38は、0.8mのX方向における全ヘッド長さを有している。
印刷構造20はさらに、制御装置54及び第1及び第2梁32,34の夫々の為のインク供給装置56,58を備えている。インク供給装置56,58は、ヘッド46,48の夫々の為の個々の容器及びポンプ(示されていない)を備えていることが出来る。この文脈においては、参照がインクに対して為されているが、この用語は支持体上に付着する為に意図されている如何なる物質にも適用され、そしてインクジェットヘッドは小滴の方法で物質を付着する為に適している如何なる装置も引用することを意図されている、ことが理解される。支持体22上には、梁32,34に隣接して光エンコーダ60,62が配置されていて、その機能は以下に記載されている。図3はまた、支持体22上に付着されている第1痕跡(swathe)P及び第2痕跡(swathe)Sを示している。
図3中に描かれている形式の付着構造30の動作は図4を参照しながら記載され、図4は上から見た付着構造30の概略図を示していて、支持体22,第1梁32,第2梁34,第1キャリッジ36,そして第2キャリッジ38を示している。この記載の助けの為に、キャリッジ36,38は単一ヘッドのみで動作すると考えられていて、しかしながら、個々のキャリッジ上でより多くのヘッドが動作してもこの原理は同様に適用されると理解される。
見ることが出来るように、キャリッジ36は、支持体が方向Xに移動する時に支持体22を方向Yに横切って第1痕跡(swathe)の往き行程P1を付着する。結果として、P1は、搬送及び横断動きの相対速度により決定された痕跡角度(swathe angle)αを有している略対角線状である。支持体22の前の横断に於いては、キャリッジ36は付着行程P2,P3,そしてP4を有する。行程P1及びP2は重複領域71中で重複されている。行程P2及びP3はまた重複領域72において重複され、行程P3及びP4は重複領域73で重複されている。図4により描かれている時間の時点では、キャリッジ38はYとは正反対の方向に支持体22を横断し、第2痕跡(swathe)の往き行程S1を付着している。方向Yにおける前の横断においては、キャリッジ38は、重複領域74においてS1と部分的に重複している付着行程S2を有する。
第1痕跡(swathe)P及び第2痕跡(swathe)Sはまた、支持体22の中央中の交差領域75及び76において互いに交差する。見ることが出来るように、第1痕跡(swathe)P及び第2痕跡(swathe)Sは互いに正確に補完するよう配置されている。結果として、支持体22の全ての領域が2つの痕跡(swathe):キャリッジ36による2回;キャリッジ38による2回;又はこれらのキャリッジの夫々による1回のいずれか、により等しく通過されている。結果としての付着は、支持体全体に渡り好ましくは均一である。
図5は更なる詳細を開示していて、ここに於いては往き及び戻り行程P1,P2が幅wを有している支持体22上で行われている。付着構造30の詳細は、明確化の為に削除されている。方向Yにおける往きの横断に於いては、行程P1が付着された。この横断の間、支持体22はキャリッジに関して搬送方向Xに搬送距離t移動する。キャリッジ36は次に支持体22の縁を越えて通過し、そこではその動きが一時的に停止している間に整備が通常の動作から離れて行われる。この一時的な停止の間、インクジェットヘッドのノズルは全て動作され、そしてヘッドの表面板が残さずきれいに拭われる。キャリッジ36の方向転換の為に取られる時間は、略2秒である。この時間の間、支持体22は方向Xに残りの距離rだけさらに進む。キャリッジ36のヘッド長さlに対応してt及びrを選択することにより、同じ方向P1,P3における連続した行程間の空間は、痕跡(swathe)の幅に、そして、両方のキャリッジが同じ幅に付着すると仮定して、次のキャリッジ38の幅に、対応している。第1キャリッジ36とは反対の相(counter-phase)で第2キャリッジ38を動作させることにより、支持体22の均一な覆いが達成される。
図4及び図5に関係して記載された実施形態に従えば、付着構造は、ヘッド長さlが搬送距離t及び残りの距離rの合計(又はそれらの倍数)に等しいとして、異なった痕跡角度(swathe angle)で動作することが出来る。
図6に従えば、この発明に従っている単一キャリッジ印刷構造の第1実施形態が描かれていて、そこにおいては、明確化の為に、ヘッド及びノズルの位置のみが示されている。同様な参照数字は、図1乃至図5のそれらと対応している要素を指摘している。
印刷キャリッジ38は、印刷ヘッド46A−Dの第1セット46及び印刷ヘッド48A−Dの第2セット48を備えている。個々のセット46,48中の印刷ヘッドは、図1乃至5のものの如きXaar OmnidotTM760であり、そして夫々はヘッド長さlを有する。この長さlは、その上でヘッドが印刷すべき支持体に付着させることが出来、そしてヘッドそれ自身の物理的な長さに対応している必要がない有効幅である。印刷ヘッドはまた、セット内で隣接したヘッドから同じ距離lまで互いに離れている。印刷ヘッドのこのような配置は、キャリッジの動作が、あたかも櫛(comb)が表面上に描かれているように痕跡(swathe)P,S中に支持体22の表面上へ物質を付着させることが出来るので、その後櫛形状(comb formation)として引用される。第1及び第2セット46,48の往き行程P1,S1が示されている。延長されたヘッドを創出する中でのこのような櫛形状(comb formation)の利点は、国際出願WO2009/056641中に既に開示されている。
この発明に従えば、直線状整列機構80が印刷ヘッドの第1セット46と第2セット48との間に設けられている。図6の実施形態に於いては、この直線状整列機構は距離2lに対応して離れている2重寸法ヘッドである。直線状整列機構80が所望の結果を達成する方法が今度は、図6を参照しながらさらに詳細に記載される。
動作においては、キャリッジ36が、第1及び第2痕跡(swathe)P,Sの行程P1,S1を付着し、それによって行程P1が第1セット46により付着されると共に行程S1が第2セット48により付着されるよう、支持体22を横切るよう駆動される。ヘッドは横断方向に180dpiで付着するよう駆動されている。上述した如く、隣接したヘッド46A−D及び48A−D間の隙間は、均等に離れた帯及び空間の連続として付着されている個々の痕跡(swathe)P,Sを導く。記載の目的の為に、これらの行程はP1A,P1B,S1Dその他で指摘されていて、そこではP1Aはヘッド46Aにより付着された第1痕跡(swathe)Pの往き行程であり、そしてS1Dはヘッド48Dにより付着された第2痕跡(swathe)Sの往き行程である。図4及び5に関連しても上述されていた如く、搬送速度に関して横断速度を調節することにより、整備の為の一時停止を含んでいるキャリッジの2回の横断(即ち、全サイクル)は、ヘッドの第1セット46の長さを動くのに支持体の為に必要な時間内に作られていることが出来る。図6の4つのヘッド46A−Dの場合には、この距離は8l、即ち4個のヘッド長さと4つのヘッド間隙間、に対応している。このようにして、キャリッジ36は出発位置へと戻り、第1行程P1と精密に一致した次に続く行程を行うことを許容される。
ヘッド48A−Dを備えている第2セット48を第1ヘッド46と直線状に整列させると共にそれらを距離2lで離すことにより、第2セット48により付着された第2痕跡(swathe)Sは、第1セット46により付着された第1痕跡(swathe)Pと常に精密に相を一致させない。これは、2つの櫛形状(comb formation)が直線状に整列すると共に交差すること及び支持体上の個々の地点が同じ又は異なったヘッドにより2回上書きされることを確実にする。ヘッドは横断方向において全て180dpiで駆動されるので、(この場合には、ヘッドにより規定された時の)搬送方向における鮮明度(definition)に対応して、2回の行程後の解像度は360dpiになる。図6中では2重ヘッド隙間が直線状整列の為に使用されているにもかかわらず、別の隙間も使用されることが出来る。特に、2重長さヘッドを使用することによりヘッド46D及び48Aを置き換えると、2lの全キャリッジ長さ減少で同じ効果を達成することが出来る。図6に関連しては、ノズルの2列が個々のヘッド内に設けられているので、痕跡(swathe)縁で陰影つけが生じることが出来る。これは個々の進路(path)上の或るノズルを動作停止させることにより克服できる。更には、グラフィック(graphic)印刷の為には、両方の列からの小滴の差し込み(interleaving)を許容する或る痕跡角度(swathe angle)がより好ましい。
キャリッジ36の第2実施形態が図7中に示されていて、そこに於いてはヘッド46A−Dが、横断方向に互いにずれている状態で2列に重複されている。第2セット48のヘッド48A−Dもまた同様にして積層されている。図6の実施形態中の場合の如く、ヘッド46A,Bは距離lだけ離れていて、ヘッド48A,B,46C,D,そして48C,Dも同様である。更には、この発明に従えば、2重隙間2lの形態の直線状整列手段80が第1セット46と第2セット48との間に設けられている。
使用においては、キャリッジ36のヘッドの全てが使用されて、第1及び第2痕跡(swathe)P,Sにおいて支持体22上に同じ物質を付着させる。この場合には、ヘッドは、横断方向において90dpiの解像度で付着するよう駆動される。ヘッドの重複は、両方のヘッド46A及び46Cによる2回の印刷を第1行程P1の領域に生じさせ、180dpiの第1行程P1の為の鮮明度(definition)を達成する。他の領域はヘッド46B及び46Dにより2回印刷される。キャリッジ36が対角線状に印刷するので、行程P1A及びP1Cは部分的にのみ重複する。同じことが第2セット48に適用され、そこに於いては行程S1A及びS1Cが部分的に重複する。
図6の場合における如く、キャリッジ36は初期位置と一致している位置で戻るよう駆動される。第2痕跡(swathe)Sは第1痕跡(swathe)と精密に一致せず、そして、結果として、ヘッド48A及びBにより付着された行程はヘッド46A及びBにより付着された行程と交差し、同時にヘッド48C及びDにより付着された行程はヘッド46C及びDにより付着された行程と交差する。
支持体を横断中には、ヘッドの夫々のセット46,48の長さがこの場合には4lのみなので、(同じ織物幅と移動速度が与えられている場合)キャリッジは2倍の速度で移動しなければならず、そして痕跡角度(swathe angle)αは対応してより小さくなる。ヘッドが積層されている事実は従って、キャリッジ36の全体の長さを減少させるが。横断速度における対応している増加を要求する。また、ヘッドが積層されているので、キャリッジはより幅広になり、そして、支持体の縁を越えて通過する為には、図6の実施形態におけるによるよりもさらに横断しなければならない。ヘッドの2列以上は、積層当たりの走査解像度(scanning resolution)における対応している減少を伴うことを理解することになる。4列積層は、走査方向において45dpiでの印刷で360dpiの全体の鮮明度(definition)を達成するのに十分である。
図7の実施形態に於いては、ヘッド46A乃至Dは単一セット46として取り扱われていて、単一物質の付着により第1痕跡(swathe)Pを創出する。ヘッド46A,Bは第1物質の付着の為の第1セットを形成するよう使用されることが出来、そして、ヘッド46C,Dは第2物質の付着の為の第1セットとして使用されることが出来ることもまた理解されることになる。個々の場合においては、ヘッド46A乃至Dはいつも対応しているヘッド48A乃至Dによって補完され、付着された物質の夫々の為の十分な覆いを確実にしている。
図8は、2つのセット(set)46,48におけるヘッドの代わりの構造を有している、この発明の第3実施形態に従っているキャリッジ36の部分を示している。第1セット中のヘッド46A,B,…(最初の2つのヘッドのみが示されている)はヘッド隙間lを伴った櫛形状(comb formation)に配置されている。ヘッド48A,B,…もまた同様な形状に配置されていて、そして、直線状整列構造80として働く距離mだけ第1セット46から側方にずれている。図8から見ることが出来るように、角度βで、ヘッド46Bにより付着された痕跡(swathe)P1Bがヘッド48A,B間を完全に通過し、そして、これらのヘッドにより付着された痕跡(swathe)S1A,S1Bを補完することが出来る。これが生じる為に、痕跡角度(swathe angle)αは角度β=アークタンジェント(arctan)l/mに等しくなるよう設定されなければならない。習熟した人々は、隙間が個々のセット46,48の為に等しいので、ヘッドが同じ角度で駆動される時に戻り行程でも互いに補完するようになることを理解するようになる。この実施形態はしかしながらこの痕跡角度(swathe angle)にのみ限定される。
図9及び10の第4実施形態に於いては、キャリッジ36に、キャリッジ36とその上でそれが横断する梁(示されていない)との間の回転連結81の形態の能動(active)直線状整列構造80が設けられている。これまでの実施形態においては、直線状整列構造80は、第1痕跡(swathe)P及び第2痕跡(swathe)Sが互いに補完することを確実にしている。図9を参照すると、キャリッジ36は、印刷ヘッド46A−Dの第1セット(set)46及び印刷ヘッド48A−Dの第2セット(set)48を備えている。ヘッド46A−Dは、図6中に記載されていたものと同様な方法で櫛形状(comb formation)に互いに直線状に整列されており、これにより隣接したヘッド間には隙間lが維持されている。ヘッド48A−Dは互いに同様な方法で直線状に整列されている。しかしながら図6の構造とは反対に、図9に従うと、第1セット46は第2セット48に関してずれていて互い違いにされている。
使用においては、キャリッジ36は支持体移動の方向Xに関して回転角度βだけ回転連結81で回転する。回転は、モータ,アクチュエータ(actuator),ばね(spring),カム,リンク,そしてこれらと同様なものを含んでいる如何なる適切な手段(示されていない)によって行われることが出来る。キャリッジ36は次に、支持体が方向Xにおいて連続的に移動する時に方向Yに支持体22を横断するよう駆動される。それが移動することにより、ヘッド46A−D及び48A−Dは、往き行程において個々の第1及び第2痕跡(swathe)を付着し、ヘッド46D及び48Dにより夫々が付着された往き行程P1D及びS1Dが示されている。キャリッジ36及び支持体の相対的な移動は、行程が痕跡角度(swathe angle)αで付着されるよう制御されている。往き行程の間に第2セット48が第1セット46に関して遅れる(lagging)ことを避けるようにする為、回転角βは痕跡角度(swathe angle)αと等しくなるよう選択される。図9から見ることが出来るように、これは、行程P1D及びS1Dが直線状に整列されるようにし、そして習熟した人々は、これが第1及び第2痕跡(swathe)の個々の往き行程の全てに適用されることを理解するようになる。このような方法による動作はまた、単一ヘッド内における個々の列のノズル間の誤った整列の可能性を効果的に阻止することを理解できるようになる。
図10は、支持体22を横切った戻り行程の完結後のキャリッジ36の位置を描いている。戻り行程の間には、キャリッジ36は回転連結81で図9のそれとは反対に回転角度βへと回転されている。キャリッジの回転は支持体22の縁から離れて行われ、そして、ヘッドの整備の間に行なわれることが出来る。この回転の結果として、第1及び第2痕跡(swathe)の戻り行程(そのS2C,P2D,そしてS2Dが示されている)もまた互いに直線状に整列される。完全さの為に、行程P1D,S1D,…S2Dは互い違いにされている開始と終了が示されてはいるが、これはこの場合に必要ではないことに気付くことが出来る。ヘッド46A−D,48A−Dにより運ばれている個々のノズルは、通常の状況下では支持体の真っ直ぐな線又は縁で付着が始まるよう駆動される。
この発明の第5実施形態に従っている代わりの回転キャリッジ構造が図11中に示されており、それは図8の原理が異なった痕跡角度(swathe angle)で適用されることを許容する。キャリッジ36は回転連結81上に設けられていて、そして、相互にヘッド長さlだけ離れている、ヘッド46A,Bの第1セット(set)46及びヘッド48A,Bの第2セット(set)48を支持している。図8中の如く、ヘッド46A,B及び48A,Bは距離mだけ互いにずれているか又は重複されているが、互い違いにされて(staggered)いない。使用時には、キャリッジ36は往き行程において支持体を横断し第1及び第2痕跡(swathe)を痕跡角度(swathe angle)αで付着するよう駆動される。回転連結81は、往き行程P1A,S1A,P1B,S1Bが互いに縫い合わす(stitch)回転角度へと回転される。この実施形態においては、これは痕跡(swathe)がキャリッジに対しβ=アークタンジェント(arctan)l/mだけ角度付けされていることが特徴であり、そこではキャリッジの回転角度がα+βである。戻り行程の間には、回転連結81は同じ量だけ反対方向に回転される。習熟した人々はまた、図11のキャリッジ構造もまた回転α―βへと回転されることを理解するようになる。
図示されていない実施形態においては、第2セット48に関する第1セット46の直線状の移動により、図9,10,そして11の回転と同じ効果を達成することが出来る。互いに積層されているか又はずれているヘッドの2つのセットの為に、他方に関する一方のセットの往復(shuttling)が個々のセットの先行(lead)又は遅れ(lag)の程度が痕跡角度(swathe angle)に合致するよう適用されることを許容する。
図6乃至11の上の実施形態においては、キャリッジは個々の横断の後に整備の為に一時休止する。しかしながら、整備は全サイクルの後又は幾つかのサイクルの後にのみ行う必要があることを理解するようになる。図12の実施形態に於いては、単一梁(示されていない)上に配置されている2つのキャリッジ36,38の部分が示されている。キャリッジ36,38の夫々は、図6乃至11の以前の実施形態のいずれにも従うことが出来る。キャリッジ36,38は、夫々が支持体22の1つの縁から中間までともに横断するよう規制されている。この方法に於いては、ここのヘッドにより行われる支持体の幅が効果的に半分にされる。一般には、システムの規制しだいで、これは搬送の速度を2倍にすることを許容する。代わりの他の利点は、より低い速度,より高い鮮明度(definition),減少されたヘッドの複雑さ,その他を含み楽しむことが出来る。
図13は、織物支持体22の一部をより拡大して示しており、これにより個々の小滴を見ることが出来る。見ることが出来るように、小滴は対角線90に付着されていて、そして4つの異なった寸法92,94,96,そして98で表現されている。この場合においては、これらは16pL,24pL,32pL,そして40pLの小滴容量をしている。いかなる特定の画素位置での小滴寸法も無作為に決定されている。これは、最終付着の均一性を向上させると信じられている。
習熟している人々は、上に記載された構造の為に存在している多くの運動学的な(kinematic)均等物に良く気付くことになる。例えば、固定されている梁に代わりロボットアームを使用することにより、搬送方向におけるキャリッジの移動の自由もまた達成されることが出来る。2次元の自由を伴ったこのような移動はキャリッジと支持体との間の同期の他の可能性を許容することが出来るとともに、第1及び第2セット又は複数のヘッドを互いに直線状に整列させる同じ手段を依然として要求している。
従って、この発明は上述したある実施形態を引用して記載されていた。これらの実施形態は、この発明の趣旨及び範囲から離れることなく種々の変形例及び代わりの形態を許容することが出来る。従って、特定の実施形態が記載されているにも関わらず、これらは単なる例であり、そしてこの発明の範囲を限定しない。

Claims (32)

  1. 連続的に移動している支持体上に対角線モードで印刷をする為の印刷キャリッジであって:
    第1痕跡の往き行程及び戻り行程において支持体上に物質を付着させるよう配置された第1の複数のインクジェットヘッドと;そして、
    第2痕跡の往き行程及び戻り行程において支持体上に物質を付着させるよう配置された第2の複数のインクジェットヘッドと;
    を備えていて、
    ここにおいては、第1及び第2の複数のインクジェットヘッドは、第1及び第2痕跡が往き行程及び戻り行程の両方上で互いに補完するよう配置されている、
    印刷キャリッジ。
  2. 第1及び第2の複数のインクジェットヘッドは個々に櫛形状に配置されている、請求項1に従っている印刷キャリッジ。
  3. 第1及び第2の複数のインクジェットヘッドは互いに直線状に整列されていて、そして個々のヘッドは、ヘッド長さl,ヘッド長さの偶数(n=0,2,4…)に対応している第1及び第2の複数のインクジェットヘッド間の空間を有している、請求項1又は2に従っている印刷キャリッジ。
  4. 第1及び第2の複数のインクジェットヘッドは互いに側方にずれていて、そして直線状整列構造が、往き行程及び戻り行程の夫々の為に、第1及び第2の複数のインクジェットヘッドを回転させるよう適用されている角度付け装置を備えて設けられている、請求項1又は2に従っている印刷キャリッジ。
  5. 第1及び第2の複数のインクジェットヘッドは互いに固定された関係に保持されている、請求項1乃至4のいずれか1項に従っている印刷キャリッジ。
  6. 第1及び第2の複数のインクジェットヘッドは互いに側方にずれていて、そして直線状整列構造が、往き行程及び戻り行程の為に、第2の複数のインクジェットヘッドに関して第1の複数のインクジェットヘッドを移動させるよう適用されている調節装置を備えて設けられている、請求項1又は4に従っている印刷キャリッジ。
  7. 同じ又は異なった物質のさらなる領域を付着させる為に適用された更なる複数のインクジェットヘッドを備えている、請求項1乃至6のいずれか1項に従っている印刷キャリッジ。
  8. インクジェットヘッドが、要求に応じて滴下する形式である、請求項1乃至7のいずれか1項に従っている印刷キャリッジ。
  9. インクジェットヘッドが、グレースケール小滴付着を提供する、請求項1乃至8のいずれか1項に従っている印刷キャリッジ。
  10. 搬送方向に物質の供給を連続的に搬送させる為の支持体搬送装置と;そして、
    第1及び第2領域の補完痕跡中における物質の付着の為に、支持体を横切るよう配置された請求項1乃至9のいずれか1項に従っている印刷キャリッジと、
    を備えている印刷機。
  11. 支持体を横断する為に印刷キャリッジがその上に設けられている梁を備えている、請求項10に従っている印刷機。
  12. 梁が、印刷キャリッジを移動させる為のリニアモータを備えている、請求項11に従っている印刷機。
  13. 支持体の実質的に完全な覆いを確実にするよう、支持体の搬送速度又は位置に対し印刷キャリッジの横断速度又は位置を同調させる為の制御構造をさらに備えている、請求項10乃至12のいずれか1項に従っている印刷機。
  14. 1対の印刷キャリッジが設けられていて、そして、個々の印刷キャリッジが、物質を付着する為に、支持体の幅の個々の半分を横断する、請求項10乃至13のいずれか1項に従っている印刷機。
  15. 複数の印刷キャリッジが搬送方向に互いに離れて設けられていて、そして夫々が、同じ又は異なった物質を付着させるよう、支持体を横切るよう配置されている、請求項10乃至14のいずれか1項に従っている印刷機。
  16. 支持体が織物を備えていて、そして、搬送装置が、付着の間の支持体のずれを阻止する為の取り付け構造を備えている、請求項10乃至15のいずれか1項に従っている印刷機。
  17. 連続して移動している支持体上で第1及び第2横断痕跡中に物質を付着させる方法であって:
    第1の複数のインクジェットヘッド及び第2の複数のインクジェットヘッドを備えている印刷キャリッジを提供すること;
    印刷キャリッジを往き行程において支持体を横切らせ、第1及び第2の複数のインクジェットヘッドの夫々から第1及び第2痕跡に付着させること;
    続いて戻り行程において印刷キャリッジを支持体を横切って横断させること;
    往き及び戻り行程の両方で第1及び第2痕跡が互いに補完するよう第1及び第2の複数のインクジェットヘッドを直線状に整列させること;そして、
    支持体の実質的に完全な覆いを提供するよう往き及び戻り行程を繰り返すこと、
    を備えている方法。
  18. 第1及び第2の複数のインクジェットヘッドが互いに固定されていて、そして、第1の複数のヘッドの直線状整列が第2の複数のヘッドの直線状整列を自動的に導く、請求項17に従っている方法。
  19. 第1及び第2の複数のインクジェットヘッドが、往き行程の為の第1角度向きと戻り行程の為の第2角度向きとの間の回転により直線状に整列されている、請求項18に従っている方法。
  20. 第1及び第2の複数のインクジェットヘッドが、往き行程の為の第1相対位置と戻り行程の為の第2相対位置との間の調整により直線状に整列されている、請求項18又は19に従っている方法。
  21. 往き行程と戻り行程との間でインクジェットヘッド上に整備を行うことをさらに備えている、請求項18乃至20のいずれか1項に従っている方法。
  22. 第1痕跡の往き行程の次の往き行程との直線状整列を確実にするよう、支持体の搬送速度又は位置に対し印刷キャリッジの横断速度又は位置を同調させることをさらに備えている、請求項18乃至21のいずれか1項に従っている方法。
  23. 行程間の直線状整列のずれを減少させるよう、取り繕いソフトウエアを使用して個々の痕跡の縁部分を制御することをさらに備えている、請求項18乃至22のいずれか1項に従っている方法。
  24. インクジェットヘッドはグレースケールの要求に応じて滴下する形式であり、そしてこの方法がさらに、個々の滴下により付着される物質の量を調整することをさらに備えている、請求項18乃至23のいずれか1項に従っている方法。
  25. 正確な色又は影再生を提供するよう、震え機能を使用してインクジェットヘッドを駆動することを備えている、請求項18乃至24のいずれか1項に従っている方法。
  26. 第1の複数のインクジェットヘッドが横断方向に積層されていて、そしてこの方法が、積層の程度に従って個々のヘッドの横断方向における解像度が減少されて印刷することを備えている、請求項18乃至25のいずれか1項に従っている方法。
  27. 同じ横断の間に更なる複数のインクジェットヘッドから支持体上に第2の又は更なる物質を付着させることをさらに備えている、請求項18乃至26のいずれか1項に従っている方法。
  28. 支持体が織物であり、そして、物質が織物への適用の最終配合物である、請求項18乃至27のいずれか1項に従っている方法。
  29. 最終配合物が、帯電防止の,抗微生物の,抗ウイルスの,抗菌の,薬物の,しわ防止の,防炎の,防水の,紫外線防止の,防臭の,耐摩耗の,汚れ防止の,自己清浄性の,接着の,補剛の,軟化の,弾性強化の,顔料結合の,導電性の,半導電性の,感光性の,光電性の,発光性の,蛍光性の,防縮性の,風合い付与性の,充填及び補剛の,増量の,軟化の,防油の,防汚物の,汚物剥離性の,フェルトの,フェルト防止の,コンディショニングの,光沢性の,光沢低下性の,滑り止めの,水蒸気透過性の,反引っ掛け性の,抗微生物の,反射性の,制御された剥離性の,表示の,相変化の,親水性の,疎水性の,検知性の,耐摩耗性の,そして湿潤性の薬剤から成る群から選択されている、請求項28に従っている方法。
  30. 支持体が織物であり、そして物質がインク又は染料であり、そして方法が織物の実質的に全表面に渡る染料の均一な適用を備えている、請求項18乃至27のいずれか1項に従っている方法。
  31. 支持体が織物であり、物質がインク又は所定の色の染料であり、そして方法が織物上に単色画像又は部分画像を形成する為の染料の適用を備えている、請求項18乃至27のいずれか1項に従っている方法。
  32. その上に物質が付着されている連続した支持体であって、物質が補完的な対角線痕跡中に配置された個々の小滴として付着されていて、ここにおいて小滴は種々の寸法である、及び/又は支持体上において規則正しくない位置に付着されている、連続した支持体。
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