JP2012515821A - 3置換c4−10アルケンとのポリオレフィン気相重合 - Google Patents

3置換c4−10アルケンとのポリオレフィン気相重合 Download PDF

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Abstract

アルケン共重合体は、少なくとも1種の3置換C4−10アルケンと少なくとも1種のC2−8アルケンとを、気相重合において重合触媒系を使用して重合させることによって製造される。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、少なくとも1種の3置換C4−10アルケンと別のC2−8アルケンとを、気相重合において重合触媒系を使用して重合させることを含む、アルケン共重合体の新規で効率的な製造方法に関する。本発明はまた、本方法から得られた共重合体にも関する。
関連技術の説明
エチレンなどのアルケンは、特定の特性を有するポリマーを得るために、しばしばコモノマーと共重合されている。従って、例えば、エチレンホモポリマーに対して減少した密度を有するポリマーを得るために、1−ヘキセン又は1−オクテンなどのコモノマーとエチレンとを重合させることが一般的である。共重合体の密度を減少させることは、一般的に多くのその機械的特性にプラスの影響を与え、場合によっては、ポリマーを多くの最終用途において更に有用なものにする。従って、コモノマーは一般的に、その目的用途に合うようにポリマーの特性を適合させるために使用されている。例えば、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンをコモノマーとして含む、多数の市販のエチレン共重合体がある。
アルケンポリマー、例えば、ポリエチレンの大半は、気相重合を用いて工業的に製造されている。気相重合は、スラリー重合に対して複数の利点を有する。第1に、スラリー希釈剤を必要としないことであり、該希釈剤はスラリー重合において、生産工場に大量に存在する成分であるが、重合工程の最後にポリマーから分離され且つ再利用のために回収及び精製されなければならないものである。第2に、スラリー相重合と比較して、気相重合後のポリマーの乾燥は遥かに単純であることである。第3に、スラリー重合で扱うには粘着性が高すぎるポリマー粉末は、気相重合では良好に挙動し得ることであり、例えば、920kg/mの密度を有するポリマーは過剰に粘着性で且つ可溶であり、スラリー重合で製造され得るが、910kg/mの密度を有する対応するポリマーは気相重合で容易に製造され得る。第4に、遥かに少ないコモノマーが第2段階で要求される多段階プロセスにおいて、気相反応器の場合、反応器間のポリマー流れからコモノマーを除去する必要がないことである。
気相重合は、従来の重合触媒系、例えば、チーグラー・ナッタ、単座又はクロム酸化物(フィリップ型)含有触媒系を使用して行ってよい。選択される触媒系は、最終的な共重合体で何の特性が要求されるかによってほとんど決められる。例えば、良好な加工性を有する共重合体が要求される場合、当業者は恐らくチーグラー・ナッタ触媒又はクロム酸化物触媒を選択する。他方では、共重合体の重要な所望特性は、それが同質であることであり、当業者は恐らく単座触媒を含む触媒系を選択するであろう。
使用される重合触媒系の性質を問わず、気相重合が工業的に行われる時、これは経済的に最も魅力的であるので、該重合は、通常、連続プロセスとして実施される。従って、重合触媒系は、適切なモノマーと一緒に連続的に気相反応器中に導入されるが、所望のポリマーは連続的に取出される。新たな触媒系の連続的な添加は、所望のポリアルケンが反応器系から取出される時に一定量の触媒系も取出されるので、必要である。従って、重合反応を維持するために追加の触媒系を提供することは重要である。
しかしながら、この製造機構の欠点は、所望のポリマーと共に反応器から取出される触媒系を通常それから分離できないことである。むしろ触媒系は、典型的には、部分的に修飾した残基の形でポリマー内に存在する。換言すれば、触媒系は不純物としてポリアルケン中に存在する。
ポリエチレンなどのポリマー中の触媒系残留物の存在は、多くの理由のために望ましくない、例えば、
− 残留物が繊維厚さ又は膜厚さと同じ大きさ又はそれを上回る大きさの粒子を作る場合、例えば、繊維又は膜への加工を難しくする
− 最終使用でのポリマーの性能を低下させる、例えば、膜において視覚的に観察可能な不均一性(しばしばゲル、斑点又はフィッシュアイと呼ばれる)を作ることによって、ポリマーを用いて製造される膜の光学特性を低減させ得る
− そこに存在する不純物の水準が一定の基準を下回ることが要求される用途、例えば、食品及び/又は医療用途に対してポリマーを不適切にさせ得る
− それらの遷移金属の含有率のために、ポリマー劣化の促進剤として作用し、最終的に変色及び機械的強度の損失をもたらし得る。
従って、一般的に所定量のポリマーの製造に必要とされる触媒系の量を最小限にすることを試みることが望ましい。このことは、加工及び使用時の上述の課題を克服し、さらにポリマー1トン当たりの触媒系費用の削減によりポリマーの製造費用を減少させることに役立つ。また、これは触媒物質を扱うことに付随する安全性に関するリスクを最小限にする。更に、最終的なポリマーのkg当たり、より少ない量の触媒系を使用する能力によって、場合により、生産工場がそれらの反応器の大きさを増大させないで生産速度を上げることができる。
通常、所定の触媒系の触媒系生産性(即ち、トンポリマー/kg触媒系)を増大させる多くの公知の方法がある。これらの方法は、反応器中の滞留時間、重合温度、モノマーの部分圧及び/又はコモノマーの部分圧を増加させることを含む。これらのアプローチの全ては、しかしながら、重大な欠点がある。
滞留時間の増大は、経済的に好ましくない生産速度の低下によって、又は反応器中のポリマー濃度の増加によってなされ、これは反応器中のよごれ及び/又は塊の原因となり易く、最終的に洗浄の長期停止を招く。モノマーの部分圧の増加は、モノマーの相対転換率の低下によって生産経済性に悪影響を及ぼす。コモノマーの部分圧の増加によって、コモノマーの組込みが増大し、従って、実質的に、異なる共重合体の目的のものへの生産をもたらす。通常の運転温度からの重合温度の昇温は、おそらく、これまでに利用された中で最もよく見られる手段であるが、滞留時間の増大を伴うので、反応器のシーティング(sheeting)又は反応器中の塊又はチャンキングの原因となり且つ反応器系の洗浄を再び長期的停止させることにつながり得る。
図面の簡単な説明
図1は、単座触媒を用いて実施できる重合に関するポリエチレン密度に対する触媒系活量係数のプロットである。
図2は、チーグラー・ナッタ触媒を用いて実施できる重合に関するポリエチレン密度に対する触媒系活量係数のプロットである。
発明の詳細な説明
背景技術の欠点を考慮すると、アルケンポリマーの、特に、所定量のポリマーを製造するために必要とされる触媒系の量を最小にすることができるアルケン共重合体の製造のための代替的な重合法が必要である。従来の気相重合条件(即ち、典型的な温度及び圧力条件)下で反応が実施できる方法並びに気相中に存在する反応器が特に望ましい。
ここで驚くことに、エチレンなどの1−アルケンの気相重合において重合触媒系の生産性(即ち、トンポリマー/kg触媒系)は、従来の非置換の直鎖状C4−10アルケンではなく、コモノマーとして3−置換C4−10アルケンを使用することによって、顕著に増大することが見出された。結果として、有意に少ない量の触媒系を、3−置換C4−10アルケンを含む所定量の共重合体を製造するために使用することができる(即ち、触媒系の生産性が著しく増大する)。1−アルケン/3−置換C4−10アルケン共重合体(例えば、MFR、密度、融点、Mw、Mn及び分子量分布)の有利な主要特性は、従来の1−アルケン/非置換の、直鎖状C4−10アルケン共重合体の特性に相当する水準に維持され得る。従って、本明細書に記載された方法は、市販のエチレン/1−ヘキサン及びエチレン/1−オクテンコポリマーの代替として使用できる共重合体を製造するための経済的に魅力的な手法を提供している。
エチレン及び3−メチル−ブト−1−エンを含むコポリマーは、これまでに従来技術、例えば、WO2008/006636号、EP−A−0058549号及びWO2008/003020号に記載されていた。しかしながら、これらの文献のどれも、3−メチル−ブト−1−エンと別のC2−8アルケンとの気相共重合を明確に開示していない。むしろWO2008/006636号は、エチレンと3−メチル−ブト−1−エンとのスラリー重合、特に、非支持型触媒系を使用するスラリー重合に焦点を合わせている。非支持型触媒系を用いるスラリー重合は、該触媒系がスラリー条件下で高い活性を有し且つ支持する必要がないので有利である。
EP−A−0058549号は、他のオレフィンとのその共重合を含む、エチレンの重合のためのチーグラー・ナッタ触媒を記載している。コモノマーのリストはEP−A−0058549号の明細書に記載されているが、そこには3−メチル−1−ブテンなどの3置換C4−10アルケンは開示されていない。それにもかかわらず、EP−A−0058549号の実験の項(実施例51)の例の1つは、エチレンと3−メチル−1−ブテンとのスラリー相共重合を例示している。しかしながら、表5における結果は、チーグラー・ナッタ触媒の活性が、1−ヘキセン又は1−オクテンをコモノマーとして使用する時よりも、3−メチル−1−ブテンをコモノマーとして使用する時に低いことを示す。
WO2008/003020号は、落槍衝撃強さ及び湿分透過速度などの特定の性質を有する膜の製造に焦点を合わせている。膜に加工されるポリマーがどのように製造されるかについて、WO2008/003020号の例にはほとんど詳述されていない。間違いなく、WO2008/003020号の例には、気相重合によるポリマーの製造は全く記載されていない。
従って、上述の文献はいずれも、エチレンなどのC2−8アルケンの気相共重合における重合触媒系の触媒生産性が、1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテンなどの従来のコモノマーではなく、3−メチル−ブト−1−エンをコモノマーとして利用することによって有意に増大し得ることは教示又は開示していない。
第1の態様において、本発明は、少なくとも1種の3置換C4−10アルケンと少なくとも1種のC2−8アルケンとを、気相重合において重合触媒系を使用して重合させることを含む、アルケン共重合体の製造方法を提供する。
本発明の方法の有利な実施態様において、重合触媒系は粒子の形態である。特に有利には、触媒系は担体を含む。
本発明の方法の更に有利な実施態様において、重合触媒系は単座触媒又はチーグラー・ナッタ触媒、特に単座触媒を含む。
更なる態様において、本発明は、上述のような方法によって得られるアルケン共重合体を提供する。
更に有利な実施態様において、本発明は、少なくとも1種の3置換C4−10アルケンと別のC2−8アルケンとの重合を含む、気相重合の生産性を高める方法を提供する。
別の態様において、本発明は、気相重合によるC2−8アルケン共重合体の製造における3置換C4−10アルケンの使用を提供する。
更に有利な実施態様において、本発明は、3置換C4−10アルケンと任意に別のC2−8アルケンとを、重合触媒系を使用して重合させることを含む気相重合法であって、前記重合が10モル%未満のC3−8飽和炭化水素(例えば、C3−8アルカン)濃度で実施される、前記気相重合法を提供する。
有利な実施態様において、該重合は、濃縮モード又は超濃縮モードで実施される。
更に有利な実施態様において、本発明は、気相重合における3−置換C4−10アルケンのプロセスであって、前記アルケンが、気相重合反応器に連続的に供給される、液体(例えば、蒸発可能な液体)の5質量%を上回って占めている、前記プロセスを提供する。
定義
本明細書で使用される、「アルケン共重合体」との用語は、少なくとも1種の3置換C4−10アルケンモノマー及び少なくとも1種の他のC2−8アルケンから誘導される繰り返し単位を含むポリマーを意味する。有利な共重合体は、二元であり(即ち、有利な共重合体はコポリマーである)且つ1種の3置換C4−10アルケンコモノマー及び別の1種のC2−8アルケンモノマーから誘導される繰り返し単位を含む。他の有利な共重合体は三元であり、例えば、それらは1種の3−置換C4−10アルケンコモノマー及び2種のC2−8アルケンモノマーから誘導される繰り返し単位を含む。特に有利な共重合体はコポリマーである。有利な共重合体において、共重合体の全質量を基準として、少なくとも0.01質量%、さらに一層有利には少なくとも0.1質量%、例えば、少なくとも0.5質量%のモノマーがそれぞれ存在する。
その一方、本明細書で使用される、「アルケンホモポリマー」との用語は、1種のC2−8アルケン、例えば、エチレンから誘導される繰り返し単位から本質的になるポリマーを意味する。ホモポリマーは、ポリマーの全質量を基準として、例えば、少なくとも99.9質量%、例えば、少なくとも99.99質量%の1種のC2−8アルケンから誘導される繰り返し単位を含む。
本明細書で使用される、「3置換C4−10アルケン」との用語は、(i)4〜10個の炭素原子を含有する主鎖(ここで該主鎖はアルケン二重結合を含有する分子中の最も長い炭素鎖である)、及び(ii)第3位に置換基(即ち、Hではない基)を有するアルケンを意味する。
気相重合は、当該技術の用語であり、既に当業者に理解されている。本明細書で使用される、「濃縮モード」及び「超濃縮モード」との用語は、蒸発可能な液体が連続的に反応器に供給される、気相重合を意味する。
本明細書において使用される、「触媒系」との用語は、重合反応を触媒する全活性実体を意味する。典型的には触媒系は、遷移金属化合物(活性部位前駆体)及び遷移金属化合物を活性化することができる活性化剤(時として助触媒を意味する)を含む配位触媒系である。本発明の触媒系は、有利には活性化剤、少なくとも1種の遷移金属活性部位前駆体、及び粒子構成材(活性化剤又は別の材料であってよい)を含む。有利には、粒子構成材は担体である。
本明細書で使用される、「多座触媒系」との用語は、少なくとも2つの化学的に異なる活性部位前駆体から誘導される少なくとも2つの異なる活性部位を含む触媒系を意味する。多座触媒系の例は、2つ又は3つの異なるメタロセン活性部位前駆体を含むもの、2つ又は3つの異なるチーグラー・ナッタ活性部位前駆体を含むもの又はチーグラー・ナッタ活性部位及びメタロセン活性部位を含むものである。2つの活性部位だけ触媒系に存在する場合、これは二重部位触媒系と呼ぶことができる。微粒子多座触媒系は、その異なる活性部位を単一のタイプの触媒粒子中に含有してよい。あるいは、各タイプの活性部位は、それぞれ個々別々の粒子中に含有されてよい。全ての活性部位のうち1タイプが、個々別々の粒子のうち1タイプに含有される場合、各タイプの粒子はそれ自体の注入口を通して反応器に入ってよい。
本明細書において使用される、「単座触媒」との用語は、1種類の活性な触媒部位を有する触媒を意味する。単座触媒の例は、メタロセン含有触媒である。例えば、TiClの担体物質中への含浸から製造される、典型的なチーグラー・ナッタ触媒、又は例えば、酸化クロムのシリカへの含浸から製造される酸化クロム(フィリップス)触媒は、それらが異なる組成のポリマー鎖を生じさせる、異なるタイプの部位の混合を含むので、単座触媒ではない。
本明細書において使用される、「チーグラー・ナッタ(ZN)」触媒との用語は、有利には、その配位子及び活性化剤(例えば、Al含有有機金属化合物)にシグマ結合される、遷移金属成分(例えば、Ti)を含む触媒を意味する。有利なチーグラー・ナッタ触媒は、追加的に粒子構成材料を含む。
本明細書において使用される、「重合区間」との用語は、多段階重合において存在する全ての重合反応器を意味する。該用語は使用される予備重合反応器をも包含する。
本明細書において使用される、「多峰性」との用語は、異なる重合条件下で及び/又は1段階において多座触媒系によって及び/又は重合段階において2種以上の異なる触媒系を使用することによって製造されてきた、少なくとも2つの成分を含むポリマーを意味しており、これらの成分について異なる(質量平均)分子量及び分子量分布が得られる。接頭部「多(multi)」とは、ポリマー中に存在する異なる成分の数を意味する。従って、例えば、2成分のみからなるポリマーは「二峰性」と呼ばれる。分子量分布曲線の形、即ち、多峰性ポリアルケンの、その分子量の関数として、ポリマー質量フラクションのグラフの外観は、2種以上の最大値を示すか又は個別の成分の曲線と比較して少なくとも明確に広がる。更に、多峰性は成分の溶融温度又は結晶化温度の差として示される。
対照的に、一定の重合条件下で製造された1つの成分を含むポリマーは、本明細書では単峰形を意味する。
2−8アルケン
共重合体を製造するために、C2−8アルケンは、3置換C4−10アルケンとして使用されるアルケンとは別のアルケンでなければならない。1つ以上(例えば、2つ又は3つ)のC2−8アルケンが使用され得る。しかしながら、有利には、1つ又は2つ、例えば、1つのC2−8アルケンが使用される。
有利には、C2−8アルケンはモノアルケンである。更に一層有利には、C2−8アルケンは末端アルケンである。換言すれば、C2−8アルケンは有利には炭素数1及び2で不飽和である。従って、有利にはC2−8アルケンはC2−8アルク−1−エンである。
2−8アルケンは有利には直鎖状アルケンである。更に一層有利には、C2−8アルケンは不飽和C2−8アルケンである。
本発明の方法の使用に適したC2−8アルケンの代表的な例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン及び1−オクテンが挙げられる。有利には、C2−8アルケンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン又はそれらの混合物から選択される。特に有利には、C2−8アルケンはエチレン又はプロピレン、例えば、エチレンである。
本発明で使用されるC2−8アルケンは市販されている。あるいは、エチレン、プロピレン及びブト−1−エンは熱分解によって製造してよい。高直鎖性オレフィンは、エチレンの触媒オリゴマー化から又はフィッシャー−トロプシュ合成によって入手可能である。
3置換C4−8アルケン
上述のC2−8アルケンと3置換C4−10アルケンとの気相重合が予想外に高い効率(即ち、優れた触媒生産性)で起こることが見出された。所定の密度のポリマーを提供するために、より少ない3置換C4−10アルケンが1−ヘキセン又は1−オクテン以外にそこに含まれる必要があることも見出された。これは、1−ヘキセン、1−オクテン又は3置換C4−10アルケンなどのコモノマーのコストが、エチレン又はプロピレンのコストよりも遥かに高いので有利である。
有利には、3置換C4−10アルケンの炭素3に存在する置換基は、C1−6アルキル基である。アルキル基は、非ヒドロカルビル置換基によって置換されるか又は置換されなくてよい。アルキル基の上に存在してよい非ヒドロカルビル置換基の代表的な例として、F及びClが挙げられる。しかしながら、有利にはC1−6アルキル基は置換されない。特に有利には、炭素3に存在する置換基は、メチル、エチル又はイソ−プロピルなどのC1−3アルキル基である。メチルは特に有利な置換基である。
有利には、3置換C4−10アルケンは単独で炭素3で置換される。しかしながら、置換基が別の位置に存在する場合、これは有利には炭素3に存在する置換基について上述したようなC1−6アルキル基である。
3置換C4−10アルケンは有利にはモノアルケンである。更に一層有利には、3置換C4−10アルケンは末端アルケンである。換言すれば、3置換C4−10アルケンは有利には炭素数1及び2で不飽和である。有利な3置換C4−10アルケンは従って3置換C4−10アルク−1−エンである。
本発明の方法において使用される有利な3置換C4−10アルケンは、式(I)
Figure 2012515821
(式中、Rは置換の又は非置換の、有利には、非置換の、C1−6アルキル基であり、nは0〜6の間の整数である)
のものである。
式(I)の有利な化合物において、Rはメチル又はエチル、例えば、メチルである。式(I)の更に有利な化合物において、nは0、1又は2であり、更に有利には0又は1、例えば、0である。
本発明の方法で使用できる式(I)の化合物の代表的な例として、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ペンテン及び3−エチル−1−ヘキセンが挙げられる。本発明の方法に使用される特に有利な3置換C4−10アルケンは3−メチル−1−ブテンである。
本発明で使用される3置換C4−10アルケンは、例えば、シグマ−アルドリッチ社から市販されている。3−メチル−1−ブテンは、例えば、WO2008/006633号に従って製造することができる。
触媒系
気相重合で使用される重合触媒系は有利には微粒子の形態である。有利には、触媒系は、0.5〜250ミクロン、有利には4〜150ミクロンの質量平均粒度を有する粒子の形態である。特に有利には重合触媒系は担体を含む。好適な担体材料は、当業者に公知であるが、更に詳細に以下に記載されている。
気相重合で使用される重合触媒系は、有利にはチーグラー・ナッタ触媒、単座触媒又は酸化クロム触媒、更に有利には単座触媒を含む。有利な単座触媒はメタロセンを含む。
単座触媒系
本発明の方法で使用してよい単座触媒を含む触媒系は、有利にはメタロセン含有触媒系である。かかる触媒系は、例えば、WO98/02246号(この内容は本明細書に援用される)から当該技術分野において周知である。
触媒系は、支持されていても支持されていなくてもよいが、有利には支持されている。支持型触媒系は、活性部位前駆体をそれに含浸させることによって製造してよい。あるいは、触媒系は、含浸段階を行わずに、液体出発材料成分から固体粒子を直接製造することによって合成してよい。単座触媒を含む有利な触媒系は担体を含む。
単座触媒を含む触媒系は、有利には、担体、活性化剤及び少なくとも1種の遷移金属活性部位前駆体(例えば、メタロセン)を含む。活性化剤は、アルミノキサン、ボラン又はボレートであってよいが、有利にはアルミノキサンである。有利には、活性部位前駆体はメタロセンである。
触媒の形態学及び担体
本発明の方法で使用される単座触媒を含む触媒系は、有利には微粒子の形態である。有利には、触媒系は、1〜250ミクロン、有利には4〜150ミクロンの質量平均粒度を有する粒子の形態である。有利には、触媒系は遊離の浮遊粉末の形態である。
単座触媒を含む触媒系に使用される好適な担体材料は当該技術分野で周知である。担体材料は有利には無機材料、例えば、ケイ素酸化物及び/又はアルミニウム酸化物又はMgClである。有利には、担体はケイ素及び/又はアルミニウムの酸化物である。更に一層有利には担体はシリカである。
有利には、担体粒子は、1〜500ミクロン、有利には3〜250ミクロン、例えば、10〜150ミクロンの平均粒度を有する。適切なサイズの粒子は、特大の大きさの粒子を排除するためのふるい分けによって得られる。ふるい分けは、触媒系の製造前に、その間に又はその後に実施することができる。有利には、粒子は球状である。担体の表面積は、有利には5〜1200m/g、更に有利には50〜600m/gの範囲である。担体の細孔容積は、有利には、0.1〜5cm/g、有利には0.5〜3.5cm/gの範囲である。
有利には、担体は使用前に脱水される。特に有利には、担体は使用前に100〜800℃、更に有利には150〜700℃、例えば、約250℃で加熱される。有利には、脱水は0.5〜12時間行われる。
本明細書に記載された触媒系の製造に適した担体は、例えば、Grace and PQ Corporationから市販されている。
活性化剤
アルミノキサンは有利には活性化剤として触媒系中に存在する。アルミノキサンは有利にはオリゴマーである。更に一層有利にはアルミノキサンは、例えば、近似の式(Al1.40.8O)(式中、nは10〜60であり、Rはアルキル基、例えば、C1−20アルキル基である)を有する、かご状(例えば、多環式)分子である。有利なアルミノキサンにおいて、RはC1−8アルキル基、例えば、メチルである。メチルアルミノキサン(MAO)は、分子量の分布を有する、有利には700〜1500の平均分子量を有する、オリゴマーの混合物である。MAOは、有利には触媒系で使用されるアルミノキサンである。
アルミノキサンはアルミニウムアルキル又はアルミニウムアルコキシ化合物によって変性してよい。特に有利な変性化合物は、アルミニウムアルキル、特に、アルミニウムトリアルキル、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムである。トリメチルアルミニウムが特に有利である。
本明細書に記載された触媒系の製造に適した、MAOなどのアルミノキサンは、例えば、Albemarle and Chemturaから市販されている。
例えば、担体の孔内部のトリメチルアルミニウムのゆっくりした加水分解によって、その部位に活性化剤を生じさせることも可能である。この方法は当該技術で周知である。
あるいは、ボランベースの活性化剤を使用してよい。有利なボランベースの活性化剤は、EP520732号に記載されるように、ボランが少なくとも3つのフッ素化フェニル環に結合されたものである。
あるいは、US7,312,283号に記載されるような活性化する、固体表面は担体として使用してよい。これらは、固体の、特に高い多孔率の無機酸化物であり、これはルイス酸又はブレンステッド酸の挙動を示し且つ電子求引性の成分、典型的にはアニオンで処理され、次いで焼成されたものである。
遷移金属活性部位前駆体
一般的に遷移金属前駆体の金属は16電子錯体であるが、それらは時としてより少ない数の電子を含んでよく、例えば、Ti、Zr又はHfの錯体である。
活性部位遷移金属前駆体は有利にはメタロセンである。
メタロセンは有利には1つ以上のη−結合配位子によって配位される金属を含む。金属は有利にはZr、Hf又はTi、特にZr又はHfである。η−結合配位子は有利にはη−環状配位子、即ち、場合により縮合した又はペンダント置換基を有するホモ又はヘテロ環状シクロペンタジエニル基である。
メタロセンは有利には、以下の式を有する:
(Cp)MX
(式中、Cpは非置換の又は置換されたシクロペンタジエニル基、非置換の又は置換されたインデニル又は非置換の又は置換されたフルオレニル(例えば、非置換の又は置換されたシクロペンタジエニル基)であり;
任意の1つ以上の置換基は、ハロゲン(例えば、Cl、F、Br、I)、ヒドロカルビル(例えば、C1−20アルキル、C2−20アルケニル、C2−20アルキニル,C6−20アリール又はC6−20アリールアルキル)、C3−12シクロアルキル(1、2、3又は4個のヘテロ原子を環部分に含有する)、C6−20ヘテロアリール、C1−20ハロアルキル、−SiR’’、−OSiR’’、−SR’’、−PR’’又は−NR’’から独立して選択され、
R’’はそれぞれ独立してH又はヒドロカルビル、例えば、C1−20アルキル、C2−20アルケニル、C2−20アルキニル、C6−20アリール又はC6−20アリールアルキルであり;又は−NR’’の場合、2つのR’’は環、例えば、5又は6員環を、それらが結合される窒素原子と一緒に、形成することができ;
Lは、1〜7個の原子の橋、例えば、1〜4個のC原子及び0〜4個のヘテロ原子の橋であり、ここでヘテロ原子は、例えば、Si、Ge及び/又はO原子であってよく、ここでそれぞれの橋原子は独立して置換基(例えば、C1−20アルキル、トリ(C1−20アルキル)シリル、トリ(C1−20アルキル)シロキシ又はC6−20アリール置換基)を有してよい;又は1〜3個、例えば、1個又は2個の、ヘテロ原子、例えば、Si、Ge及び/又はO原子の橋、例えば、−SiRであり、ここでRはそれぞれ独立してC1−20アルキル、C6−20アリール又はトリ(C1−20アルキル)シリル残基、例えば、トリメチルシリルである;
Mは第3〜第10族の遷移金属、有利には第4〜第6族、例えば、第4族の遷移金属、例えば、チタン、ジルコニウム又はハフニウム、有利にはハフニウムであり、
Xはそれぞれ独立してシグマ配位子、例えば、ハロゲン(例えば、Cl、F、Br、I)、水素、C1−20アルキル、C1−20アルコキシ、C2−20アルケニル、C2−20アルキニル、C3−12シクロアルキル、C6−20アリール、C6−20アリールオキシ、C7−20アリールアルキル、C7−20アリールアルケニル、−SR’’、−PR’’、−SiR’’、−OSiR’’、−NR’’、又はCH−Yであり、ここでYはC6−20アリール、C6−20ヘテロアリール、C1−20アルコキシ、C6−20アリールオキシ、−NR’’、−SR’’、−PR’’、−SiR’’又は−OSiR’’である;あるいは、2つのX配位子は金属上に二座配位子、例えば、1,3−ペンタジエンを提供するために架橋する;
上述のそれぞれの環部分は、単独で又は別の部分の一部としてCp、X、R’’又はR’’’の置換基として、例えば、Si及び/又はO原子を含有し得るC1−20アルキルで更に置換することができる;
mは1、2又は3、有利には1又は2、更に有利には2であり;
nは0、1又は2、有利には0又は1であり;
pは1、2又は3(例えば、2又は3)であり;且つ
m+pの合計はMの原子価に等しい(例えば、MがZr、Hf又はTiである場合、m+pの合計は4でなければならない)。
有利には、Cpはシクロペンタジエニル基、特に置換シクロペンタジエニル基である。シクロペンタジエニルを含む、Cp基上の有利な置換基は、C1−20アルキルである。有利には、シクロペンタジエニル基は、直鎖のC1−6アルキル基、例えば、n−ブチルで置換される。
当該Lが有利にはメチレン、エチレン又はシリルの橋である場合、それによってシリルは上で定義される通りに置換することができる、例えば、(ジメチル)Si=、(メチルフェニル)Si=又は(トリメチルシリルメチル)Si=;nが1であり;mが2であり且つpが2である。Lがシリルの橋である場合、R’’は有利にはH以外である。しかしながら、更に有利には、nは0である。
Xは有利にはH、ハロゲン、C1−20アルキル又はC6−20アリールである。Xがハロゲン原子である場合、それらは有利にはフッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選択される。最も有利にはXは塩素である。XがC1−20アルキル基である場合、これは有利には直鎖状又は分枝鎖状のC1−8アルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ヘキシル又はn−オクチル基である。XがC6−20アリール基である場合、これは有利にはフェニル又はベンジルである。有利なメタロセンにおいて、Xはハロゲン、例えば、塩素である。
好適なメタロセン化合物として、ビス(シクロペンタジエニル)金属ジハリド、ビス(シクロペンタジエニル)金属ヒドリドハリド、ビス(シクロペンタジエニル)金属モノアルキルモノハリド、ビス(シクロペンタジエニル)金属ジアルキル及びビス(インデニル)金属ジハリドが挙げられ、ここで、金属はジルコニウム又はハフニウム、有利にはハフニウムであり、ハリド基は有利には塩素であり且つアルキル基は有利にはC1−6アルキルである。
メタロセンの代表的な例として、ビス(シクロペンタジエニル)ZrCl、ビス(シクロペンタジエニル)HfCl、ビス(シクロペンタジエニル)ZrMe、ビス(シクロペンタジエニル)HfMe、ビス(シクロペンタジエニル)Zr(H)Cl、ビス(シクロペンタジエニル)Hf(H)Cl、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ZrCl、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)HfCl、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ZrMe、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)HfMe、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)Zr(H)Cl、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)Hf(H)Cl、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ZrCl、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)HfCl、ビス−(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ZrCl、ビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ZrCl及びエチレン−[ビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ZrClが挙げられる。
あるいは、メタロセンは幾何拘束型触媒(CGC)であってよい。これらは、1つのη−シクロペンタジエニル配位子及び2つのX基を有する遷移金属、M(有利にはTi)を含み、即ち、式CpMXのものであり、式中、Xは上で定義された通りであり且つシクロペンタジエニルは−Si(R’’)N(R’’)−置換基を有し、式中、R’’は上で定義された通りであり且つN原子はMに結合されている。有利には、R’’はC1−20アルキルである。有利には、シクロペンタジエニル配位子は1〜4個、有利には4個のC1−20アルキル基で置換される。このタイプのメタロセンの例は、US2003/0022998号に記載されており、その内容は本明細書に援用されている。
メタロセンの製造は、この文献から公知の方法に従って又は類似して実施することができ、これはポリマー化学者の技術水準内である。
他のタイプの単座前駆体化合物は以下に記載されている:
G.J.P. Britovsekら:The Search for New-Generation Olefin Polymerization Catalysts: Life beyond Metallocenes, Angew. Chemie Int. Ed., 38 (1999), 第428頁。
H. Makioら:FI Catalysts: A New Family of High Performance Catalysts for Olefin Polymerization, Advanced Synthesis and Catalysis, 344 (2002), 第477頁。
デュポン−ブルックハート(Dupont-Brookhart)型活性部位前駆体はUS5880241号に開示されている。
触媒系の製造
本発明で使用される触媒系を成形するために、担体、例えば、シリカが有利には(例えば、加熱によって)脱水される。触媒系の更なる製造は有利には無水条件下で且つ酸素及び水の不在下で行われる。次いで無水担体を有利には液体媒体に添加してスラリーを形成する。液体媒体は有利には5〜20個の炭素原子を含む炭化水素、例えば、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、トルエン及びそれらの混合物である。前述の炭化水素の異性体を使用してもよい。液体媒体の体積は、有利には担体の孔を満たすために、更に有利には担体粒子のスラリーを形成するために、充分である。典型的には液体媒体の体積は、窒素吸着法(BET法)によって測定される支持体の孔容積の2〜15倍である。これは、金属の表面上の均一な分布を確実にすることに役立ち、担体の孔が達成される。
分離容器中で、メタロセンを溶媒中でアルミノキサンと混合してよい。溶媒は、5〜20個の炭素原子を含む炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン又はそれらの混合物であってよい。有利にはトルエンが使用される。有利には、メタロセンは、アルミノキサンが市販の形で存在するトルエン溶液に単純に添加される。溶媒の体積は、有利には担体の孔容積とほぼ等しいか又はそれより少ない。次に得られた混合物を、有利には0〜60℃の範囲の温度で担体と混合物する。メタロセン及びアルミノキサンの担体中への含浸は、有利には撹拌を用いて達成される。撹拌は有利には15分〜12時間行われる。あるいは、担体は、まずアルミノキサンで含浸され、その後メタロセンで含浸される。しかしながら、アルミノキサン及びメタロセンとの同時の含浸が有利である。
溶媒及び/又は液体媒体は、典型的には濾過及び/又はデカント及び/又は蒸発によって、有利には蒸発のみによって除去される。場合により、含浸された粒子を、炭化水素溶媒で洗って抽出メタロセン及び/又はアルミノキサンを取り除く。担体材料の孔からの溶媒及び液体媒体の除去は、有利には加熱及び/又は不活性ガスによるパージによって達成される。溶媒及び液体媒体の除去は有利には真空下で行われる。有利には、加熱工程の温度は80℃を下回り、例えば、加熱は40〜70℃で行ってよい。典型的には加熱は2〜24時間行ってよい。あるいは、触媒系粒子は、スラリーの形で残って重合反応器に供給される時などに使用されてよい。しかしながら、これは好ましくない。
担体上に負荷しているメタロセン及びアルミノキサンについて、担体上のアルミノキサンの量(乾燥)は、乾燥触媒の全質量を基準として、10〜90質量%、有利には15〜50質量%、更に一層有利には20〜40質量%の範囲である。担体上の遷移金属の量は、有利には乾燥触媒の0.005〜0.2ミリモル/g、更に一層有利には乾燥触媒の0.01〜0.1ミリモル/gである。
Alのモル比:触媒系(乾燥)中の遷移金属は25〜10,000の範囲、通常50〜980の範囲内であってよいが、有利には70〜500、最も有利には100〜350の範囲である。
微粒子触媒系は、アルミノキサン活性化剤、例えば、US6,787,608号に記載されたものの代わりに、ホウ素活性化剤を使用して製造することもできる。その実施例1では、無機担体を脱水し、次いでアルキルアルミニウム含浸によって表面変性し、洗って過剰なアルキルアルミニウムを除去し、乾燥させている。その後、担体を、ほぼ等モルのホウ素活性化剤及びトリアルキルアルミニウムの溶液で含浸する。次にメタロセン前駆体、特にCGCメタロセンと混合し、次いで濾過し、洗い且つ乾燥させる。
US6,350,829号もホウ素活性剤の使用を記載しているが、活性部位前駆体として主にビスメタロセン錯体を使用している。乾燥した金属アルキル処理担体は、メタロセン及びホウ素活性化剤の混合物で共含浸され(追加の金属アルキルなしで)、次いで揮発物を除去する。
支持体材料は、重合直前に、メタロセン溶液と混合してもよい。US7,312,283号はかかる方法を記載している。多孔性の金属酸化物粒状材料を、水中に溶解した硫酸アンモニウムで含浸し、次いで乾燥空気中で焼成し、窒素下で維持し、そして炭化水素液体と混合する。別に、メタロセンを1−アルケンと混合し、次いで金属アルキルと混合することによって溶液を調製した。重合は、2つの供給流れが反応器に入る直前に混合されるように、硫化した粒状金属酸化物とメタロセン溶液の両方が連続的に供給される、連続式スラリー反応器中で行った。従って処理した金属酸化物は、活性化剤として並びに触媒支持体として機能する。
予め形成された担体及びアルミノキサンによる単座触媒を支持する代替法は、EP279863号、WO93/23439号、EP793678号、WO96/00245号、WO97/29134号に示されている。
予め形成された担体及びホウ素活性化剤による単座触媒を支持する代替法は、WO91/09882号及びWO97/31038号に示されている。
予め形成された担体を使用しないで粒状触媒系を得る方法は、EP810344号及びEP792297号に示されている。
チーグラー・ナッタ触媒系
チーグラー・ナッタ触媒系は有利には遷移金属成分及び活性化剤を含む。有利には、重合反応に添加される遷移金属成分は、固体粒子内に含有されている。更に一層有利には、少なくとも幾つかの活性化剤(時として助触媒と呼ばれる)が液体又は溶液として重合に添加される。
触媒系粒子
遷移金属成分
触媒系の活性部位は遷移金属である。第4族又は第5族の遷移金属が有利であり、特に第4族金属、特にTiが有利である。特に有利なチーグラー・ナッタ触媒では、第4族遷移金属(例えば、Ti)のみが存在する。
触媒系の製造の間に、アルコキシ又はハリド化合物、特にクロリドの形で遷移金属を使用することが有利である。特に有利にはTiは、触媒系製造プロセスへのその導入段階では、TiClとして提供されている。
最終的な固体触媒中の遷移金属の含量は、乾燥した固体の触媒成分の質量を基準として、有利には0.1〜5ミリモル/gである。
有利には、最終的な固体触媒粒子は、第2族金属、有利にはマグネシウム化合物、更に一層有利にはMg−Cl化合物、例えば、MgClをも含む。
マグネシウム化合物はMg−Cl(例えば、MgCl化合物自体)として触媒製造に導入してよいが、高程度の分散、遷移金属との接触及び多孔性に耐えるために、触媒製造手順内においてその場でこれを製造することが有利である。当業者は、そのようなその場での反応をどのように実施するかを認識している。
最終的な固体触媒中のMgの含量は、乾燥した固体の触媒成分の質量を基準として、有利には1〜25質量%である。
粒子構成材
チーグラー・ナッタ触媒を含む触媒系中に存在する粒子構成材は、無機酸化物支持体、例えば、シリカ、アルミナ、チタン、シリカ−アルミナ及びシリカ−チタンであってよく又はMg又はCa化合物、例えば、クロリド、オキシクロリド、アルキル又はアルコキシド又は有機アニオンとの金属塩であってよい。しかしながら、有利には金属は、任意の他の成分を有するシリカ又はMgClである。
粒子構成材は有利には30〜90質量%の最終的な乾燥した固体触媒を含む。粒子構成材がMg−Cl化合物を含む場合、典型的には該構成材は上述のマグネシウム化合物としても機能する。粒子構成材が金属酸化物である場合、金属酸化物粒子は典型的には最終的な触媒系外部の形態を規定し、触媒系の他の成分はその孔の内部で合成される。
チーグラー・ナッタ触媒系の製造に好適な予め形成された担体は、Grace and PQ Corporationから市販されている。有利な予め形成された担体は、"Catalyst morphology and carrier"と題された第4.4.1.1節に上記されている。
活性化剤及び追加の成分
この活性化剤は、遷移金属成分を活性化することが可能な化合物である。これは時として助触媒と呼ばれる。有用な活性化剤は、特に、アルミニウムアルキル及びアルミニウムアルコキシ化合物である。特に有利な活性化剤は、アルミニウムアルキル、特に、アルミニウムトリアルキル(例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウム)である。この活性化剤は、有利には遷移金属成分に対して過剰に使用されている。例えば、アルミニウムアルキルが活性化剤として使用される場合、遷移金属成分中の遷移金属に対する活性化剤中のアルミニウムのモル比は1〜500モル/モル、有利には2〜100モル/モル、例えば、5〜50モル/モルである。活性化剤は典型的には固体の粒状触媒の一部ではないが、液体として重合反応器に添加される。
チーグラー・ナッタ触媒を含む触媒系は、追加的に共活性化剤及び/又は変性剤を含んでよい。従って、例えば、上記のような2種以上のアルキルアルミニウム化合物を使用してよい及び/又は触媒系成分を種々のエーテル、エステル、ケイ素エーテルなどと組み合わせて活性を変化させてよい及び/又は触媒系の選択は当該技術で公知である。
触媒系の製造
チーグラー・ナッタ触媒を含む触媒系は、例えば、US5,332,793号、US6,18,7866号、US5,290,745号、US3,901,863号、US4,294,2200号、US4,617,360号、WO91/18934号に開示されているような、当該技術分野で公知の手順によって製造してよい。
固体触媒系粒子は、場合により非結合の遷移金属を除去するために使用前に洗ってよい。重合に添加される最終的な触媒系粒子では、極めてわずかな量の遷移金属が80℃でアルカン中で抽出されるべきである。
触媒系粒子の平均粒径は、有利には1〜250μm、更に有利には4〜100μm、更に一層有利には6〜30μm、例えば、10〜25μmの範囲である。粒子は有利には球状である。
触媒系粒子の表面積は、有利には1〜500m/g、更に有利には2〜300m/gの範囲である。触媒系粒子の細孔容積は、有利には0.1〜5cm/g、有利には0.2〜1.5cm/gの範囲である。
酸化クロム触媒系
酸化クロム触媒系の製造手順は、当該技術において公知である。酸化クロム触媒(フィリップス触媒とも呼ばれる)は、典型的には、500〜900℃の温度で、乾燥した酸素含有ガスの流れで、熱安定性ではないCr化合物と一緒に、シリカ、シリカ−アルミニウム又はリン酸アルミニウムの多孔質粉末を焼成することによって製造される。Cr含有率は有利には0.1〜2質量%である。それらは有利には助触媒又は活性化剤なしで使用されるが、時として少量のAl又はBアルキルが重合反応器に添加される。製造されるべきポリマーの分子量は、焼成について選択される温度によって大きく影響され得る。一般的に使用される焼成温度が高いほど、得られるポリマーの分子量が低い。
ポリマーの分子量は、重合条件にも依存する:重合温度が高いほど、分子量が低い。生産性(kgポリマー/g触媒)が高いほど、分子量が高い。ポリマー密度が高いほど(より少ないコモノマー)、分子量が高い。(M. P. McDaniel: Supported Chromium Catalysts for Ethylene Polymerization, Adv. Catal., 33 (1985), 48。
更に、どんなに低い分子量(どんなに高いMFR2)が粒子形態(スラリー又は気相)の商業的な重合プロセスによって製造できるか制限がある。この制限は、射出成形ポリマー市場のフラクションのみが酸化クロム触媒によって供給できることを意味する。また、二峰性ポリマーグレードは、触媒が低分子量フラクションを製造できないために、クロムによって製造されていない。
多座触媒系
多座触媒系は本発明の気相重合に使用してよい。
重合に使用される多座触媒系は、2(又は3)種の異なる触媒系統からのハイブリッドであってよい。例えば、チーグラー・ナッタ触媒及び単座触媒部位は、例えば、粒状チーグラー・ナッタ触媒の孔の中にメタロセン部位前駆体及びメタロセンの活性化剤を含浸させることによって、一緒に使用してよい。あるいは、酸化クロムは、例えば、不活性条件下で、粒状の熱活性酸化クロム触媒の孔の中にメタロセン部位前駆体及びメタロセンの活性化剤を含浸させることによって、メタロセンと一緒に使用してよい。チーグラー・ナッタ触媒及び酸化クロム触媒も、例えば、これらの触媒の各固体成分が重合反応器に別々の粒子として供給される系として使用してよく、チーグラー・ナッタ成分に必要とされる比較的少量の助触媒が使用される。あるいは、2つの異なるZN部位、例えば、Hf及びTi活性部位の両方を含む多座触媒系を製造してよい。
単座触媒が多座触媒系の製造に特に有用である。有利な多座触媒系は、2種のメタロセン、例えば、高分子量のポリマーを作る傾向のあるもの及び低分子量のポリマーを作る傾向のあるもの又はコモノマーを導入する傾向のあるもの及びそのような傾向のないものを含む系である。2種のメタロセンは、例えば、それらの合成で作られる比とほぼ同じ比の異性体のメタロセンであってよい。しかしながら、有利には、多座触媒系は、別の部位よりも低い分子量及び低いコモノマー導入の両方のポリマー成分を作る1つの活性部位を含む。かかる部位を含有する二重部位触媒系(2つの部位を有する多座触媒系)が特に有利である。
あるいは、酸化クロム触媒は、場合によっては、例えば、それらがリン酸アルミニウムの上に支持される場合(過剰のAl対Pを用いて)、二重部位触媒系として挙動する。これは、活性部位の特性に影響を与える支持体の影響によるものと思われる。
高触媒活性/生産性
本発明の方法の重要な特徴は、上記の気相重合が、約80℃の重合温度での3置換C4−10アルケンと別のC2−8アルケンとの共重合において高い活量係数を有することである。有利には、触媒系の活量係数は、少なくとも100gポリアルケン/(g固体触媒、時間、バール)であり、更に一層有利には触媒系の活量係数は少なくとも200gポリアルケン/(g固体触媒、時間、バール)、例えば、少なくとも250gポリアルケン/(g固体触媒、時間、バール)である。これらは活量係数の上限がなく、例えば、10000gポリアルケン/(g固体触媒、時間、バール)もの高さであってよい。
例えば、液体形態で添加される活性化剤、例えば、トリエチルアルミニウムなどの液体補助剤を含む、全触媒系を基準として、有利には触媒系の活量係数は少なくとも25gポリアルケン/(g全触媒系、時間、バール)であり、更に一層有利には触媒系の活量係数は少なくとも40gポリアルケン/(g全触媒系、時間、バール)、例えば、少なくとも60gポリアルケン/(g全触媒系、時間、バール)である。これらは活量係数の上限がなく、例えば、500gポリアルケン/(g全触媒系、時間、バール)もの高さであってよい。
単座触媒を含む触媒系が使用される場合、その活量係数は有利には少なくとも5000gポリアルケン/(ミリモル遷移金属、時間、バール)であり、更に一層有利には触媒系の活量係数は少なくとも8000gポリアルケン/(ミリモル遷移金属、時間、バール)、例えば、少なくとも12000gポリアルケン/(ミリモル遷移金属、時間、バール)である。
高い活量係数、従って本発明の方法の触媒生産性は多くの利点がある。例えば、これはポリマーの製造費を削減し且つ少量で済むので触媒物質を扱うことに付随する安全性に関するリスクを最小限にする。更に、最終的なポリマーのkg当たり、より少ない量の触媒系を使用する能力によって、場合により、生産工場がそれらの反応器の大きさ又は触媒系物質の供給システムを増大させないで生産速度を上げることができる。
全触媒系に基づく高い活量係数は、触媒系残留物を除去しないでポリマー中に残してもよいことを意味する。というのは、ポリマーが適切に前処理される場合、例えば、複数の本発明のポリマーが膜に製造される場合(これはむしろ重要用途である)、加工でも膜それ自体でも触媒系残留物の負の影響は認められず、該残留物がポリマーの更なる使用において問題を起こさないからである。
重合及び下流プロセス
重合プロセス
商業的なプロセス
気相重合は有利には、ガス供給による流動層などの従来の気相反応器で、又は機械的な撹拌層で、又は循環層プロセスで行われる。ポリエチレンのための好適な気相ポリアルケンプロセスは、例えば、Univationによる、Unipol PEガス供給流動化単一反応器プロセス及びUnipol PE IIガス供給流動化多段反応器プロセス、MitsuiによるEvolueガス供給流動化多段反応器プロセス、IneosによるInnoveneガス供給流動化単一反応器プロセス、LyondellBasellによるLupotech Gガス供給流動化単一反応器プロセス及びLyondellBasellによるSpherileneガス供給流動化多段反応器プロセス及びBorealisによるBorstar PE多段反応器プロセスの最後の部分である。ポリプロピレンのための好適な気相ポリアルケンプロセスは、例えば、IneosによるInnovene PP、DowによるDow/Unipol PP、LyondellBasellによるSpherizone循環層、日本ポリプロ株式会社によるChisso/JPP機械的撹拌反応器プロセス、LummusによるNovolen気相及びLyondellBasellによるSpheripolプロセスの最後の重合部分である。
気相反応器パラメータ及び運転
3置換C4−10アルケンコモノマーを有する高い活性の重合触媒系は、効率的な気相重合が実行されることを可能にする。有利には、固体触媒の生産性は、固体触媒系のg当たり少なくとも1000gポリマーである。更に一層有利には、固体触媒の生産性は、少なくとも1800gポリマー/g触媒系、例えば、少なくとも2000gポリマー/g固体触媒系である。上限は重要ではないが、100000gポリマー/g固体触媒系のオーダーであり得る。有利には、全触媒系の生産性は、全触媒系のg当たり少なくとも250gポリマーである。更に一層有利には、固体触媒の生産性は、少なくとも400gポリマー/g全触媒系、例えば、少なくとも1000gポリマー/g触媒系である。上限は重要ではないが、20000gポリマー/g固体触媒のオーダーであり得る。
有利には、このプロセスは典型的には反応器汚染なしで進行する。
気相重合を実行するための条件は、当該技術において確立されている。反応温度は有利には30〜120℃、例えば、50〜100℃の範囲である。全圧計は有利には1〜100バール、例えば、10〜40バールの範囲である。全モノマー部分圧は有利には2〜20バール、例えば、3〜10バールの範囲である。各気相反応器での滞留時間は、有利には0.3〜7時間、更に有利には0.5〜4時間、更に一層有利には0.7〜3時間、例えば、0.9〜2時間の範囲である。
水素は有利には反応器中に供給されて分子量調節剤として機能する。単座触媒の場合、特に少なくとも1つのシクロペンタジエニル基を有する第4族メタロセンを有する触媒の場合、反応器系中に供給される水素とC2−8アルケンとの間のモル比は有利には1:10000〜1:2000である。ZN触媒の場合、重合反応器の気相内のH/C2−8アルケンモル比は有利には1:5000〜1.0である。
主要モノマー、C2−8アルケンの反応器中のガス濃度は、有利には、10〜70モル%、有利には20〜50モル%であるが、3置換C4−10アルケンコモノマー濃度は有利には1〜70モル%、更に有利には5〜50モル%である。
有利には、窒素も反応器に供給される。これは洗浄ガスとして機能する。
有利には、C3〜8飽和炭化水素も反応器に供給される。特に有利には、C3−6アルカン(例えば、プロパン、n−ブタン)が反応器に供給される。これは伝熱効率を増大させる機能を果たし、それによって熱を更に効率的に反応器内で移動させる。
有利には、気相重合反応は連続プロセス又は半連続プロセスとして実施される。従って、モノマー、水素及び他の任意のガスは有利には連続的に又は半連続的に反応器に供給される。有利には、触媒系も連続的に又は半連続的に反応器に供給される。更に一層有利には、ポリマーが連続的に又は半連続的に反応器から取出される。半連続的とは、添加及び/又は取り出しが、ポリマーの反応器中の滞留時間(例えば、重合の持続時間の少なくとも75%(例えば、100%)にわたる、20秒〜2分の間)と比較して比較的短時間の間隔で起こるように制御されることを意味する。
従って本発明の有利な方法において、触媒成分又は触媒系は、有利には、反応器からの取り出し速度と同じ速度で反応器に注入される。しかしながら、本明細書に記載された本発明の利点は、生産されるポリマーのkg当たりでより少ない触媒系を使用することができるので、より少ない触媒系がポリマーと一緒に反応器から取出されることである。従って、重合反応器から直接得られる共重合体は、触媒系から誘導されている不純物をより少なく含む。
3置換C4−10アルケンコモノマーの気相重合に使用される場合、本明細書に記載される重合触媒系、特に単座触媒系は、非常に高い活性を与え、これは高い生産性(gポリマー/g触媒系)を可能にする。結果的に、比較的低い濃度の触媒系が反応器において要求されている。有利には、気相重合における全触媒系の濃度は、3kg/トンポリマー未満、更に一層有利には1.0kg/トンポリマー未満、例えば、0.8kg/トンポリマー未満である。有利には、触媒系の濃度は少なくとも0.01kg/トンポリマーである。
上述の気相重合は、1つ以上の更なる重合と組み合わせてよい、即ち、多段階プロセスである。従って、例えば、2つの気相重合(例えば、UNIPOL II, Evolue, Spherilene, Novolenプロセス、Spheripolプロセスオプション)を順番に実施するか又は気相重合に先立ってスラリー相重合(例えば、Borstar又はSpheripolプロセス)を実施することができる。あるいは、気相重合の後にスラリー相重合を行ってもよい。
ポリマーを多段階プロセスで生産する際、反応器は並列又は直列であってよいが、配置は直列が好ましい。ポリマー成分が並列配置で生産される場合、粉末は有利には均質化のために混合されて押出される。
直列に結合された反応器及び各反応器中で異なる条件を用いて、ポリマーを順次式の多段階プロセスで生産する際、異なる反応器で生産されるポリマー成分は、それぞれ、それ自体の分子量分布及び質量平均分子量を有する。かかるポリマーの分子量分布曲線が記録される際、これらのフラクションからの個々の曲線は、全ての得られるポリマー生産に関するモル質量分布曲線に重ね合わせられ、通常、2つ以上の別個の最高点を有する曲線が得られる。多段階重合の生成物は通常、多峰性ポリアルケンである。
スラリー相重合が追加的に利用される場合、条件は有利には次の通りである:
− 温度は30〜120℃、有利には50〜100℃の範囲内である。
− 反応圧力は1〜100バール、有利には10〜70バールの範囲内であり
− 滞留時間は典型的には0.5〜6時間、例えば、1〜4時間であり
− 使用される希釈剤は有利には−70℃〜100℃の範囲の沸点を有する脂肪族炭化水素、例えば、n−ヘキサン、イソブタン、プロパンであり
− 水素は当該技術分野で公知の手法でモル質量を制御するために添加してよい。
モノマー(例えば、エチレン)及び任意に3置換C4−10アルケンコモノマーがスラリー反応器に供給される。あるいは、別のコモノマーを3置換C4−10アルケンコモノマーと一緒に添加してよい。あるいは、コモノマーを添加しなくてよい。コモノマーをスラリー相重合に添加しない場合、スラリー相重合からのポリマー成分はアルケンホモポリマーである。
重合は、当該技術で公知の方式で、例えば、従来のループ又はタンク反応器で実施してよい。
ポリエチレンの多段階プロセスは、有利には低分子量及び低コモノマー含有率(特に有利には、940g/dmより高い密度の最終生成物を生産する時にゼロである)の主要成分Aコモノマーと、高分子量及び高コモノマー含有率の主要成分Bとの組み合わせを生産する。成分Aは有利には反応器A’中で製造され、その際、成分Bが製造される反応器B’中でよりも、水素濃度が高く且つコモノマー濃度は低い。反応器A’がB’に先行する場合、有利には水素がA’からB’へのポリマー流れから分離されるべきである。反応器B’がA’に先行し、有利には過剰のコモノマーが全く反応器B’に添加されない場合、大部分の非変換コモノマーをB’からA’へのポリマー流れから取り除くことが有利である。コモノマーが最高程度に組み込まれたポリマーが生産される反応器において、特に有利にはコモノマーが使用されるプロセスの反応器全てにおいて、3置換C4−10アルケンを使用することも有利である。
2段階重合が利用される時、低分子量のポリマー成分は、有利には上述の通りスラリー反応器中で生産され、高分子量成分は気相反応器中で生産される。高分子量成分は、典型的には低水素/モノマー供給を用いて生産される。反応器は有利には直列に接続されている。有利には、同じ触媒系が両方の反応器で使用される。低分子量の成分は共重合体(例えば、コポリマー)又はホモポリマーであってよい。
予備重合は当技術分野で周知のように利用してよい。典型的な予備重合では、全ポリマーの約5質量%未満が生産される。予備重合は、プロセスが一段階又は多段階プロセスであるかを考慮して、段階として数えていない。
しかしながら、有利には本発明のプロセスは、気相反応器において一段階の重合である。
多峰性ポリマーは、代替的に、2種以上の異なる単座触媒を一段階反応器で使用することによって製造してよい。
あるいは、上述の通り、多座触媒系を、多峰性ポリマーを製造するために使用してよい。この場合、最適なポリマー特性を達成するために、特に一段階反応器系において、多座触媒系が、部位I及び別の部位IIでのコモノマーの組み込みの間で可能な限り高い割合を有することが有利である。驚くことに、活性部位の多数の組み合わせについて上記の通り、3置換C4−10アルケンコモノマーが、1−ブテン及び1−ヘキセンのような従来のコモノマーを使用する対応する反応と比較して高い割合を与えることが分かった。従って多座触媒系を有する3置換C4−10アルケンの利用が特に好ましい。
多峰性ポリマーは、従って一段階反応器で又は2つ以上の反応器の系で、例えば、段階的反応器プロセスで得られてよい。しかしながら、有利には、一段階反応器プロセス(全ポリマーの7%未満を製造する任意の予備重合反応器を除く)が使用される。有利には、2つ以上(例えば、2つ)のメタロセン活性部位前駆体を含む多座触媒系が使用される。
更なる可能性は、上記の通り、例えば、造粒前に異なる共重合体をブレンドすることである。しかしながら、ブレンドは、例えば、多段階重合による又は一段階反応器での2種以上の異なる単座触媒の使用による、多峰性ポリマーの生産にとってあまり好ましくない。
多峰性ポリマー及び単峰性ポリマー
上記のような多峰性共重合体、特に高分子量ポリマー成分Aが低分子量成分Bよりも高いコモノマー含有率を有する共重合体は、場合によっては、単峰性共重合体よりも多くの利点を有し得る。
単峰性共重合体と比較して、押出し機及びダイプロセスに関して、同じ密度及び同じ高い押出し容易性において、より高い応力亀裂、脆性亀裂フープ応力破損及び/又は低速亀裂成長抵抗を有する、例えば、エチレン及び3置換C4−10アルケンを含む多峰性共重合体が製造され得る。かかる共重合体は、それらが応力亀裂及び低速亀裂成長成形に対して向上した耐性を付与する成形及びパイプ用途に、並びにそれらが耐衝撃性及び引裂抵抗を向上させることが可能なフィルム用途において特に有用である。
その上、上記の多峰性共重合体も、垂れ下り抵抗に相当する高い溶融強度を有し、これは大きなパイプの押出及び、物品、特に大きな部品のブロー成形に有利である。
上記の多峰性共重合体も、同じ密度及び押出容易性の単峰性ポリマーと比較して、向上したシール特性(例えば、最小のシール温度、シール温度範囲の広さ)を示し得る。これは特にフィルムの製造において有用である。
他方では、上記の単峰性共重合体は、しばしば、多峰性共重合体と比較して非常に低いせん断応力でより低い粘度を有する。これは、例えば、製品のより良好な機械的強度を同じサイクル時間で達成できる回転成形プロセスにおいて有用である。更にかかる共重合体は、射出成形にとってそれらを有利にする低い程度の反りを有してよい。
熱除去での3置換C4−10アルケン
上述の通り、気相重合反応は有利にはC3−8飽和炭化水素、例えば、C3−6アルカンを含む。C3−8飽和炭化水素の機能は、気相反応器中での熱除去効率を向上させることである。粒子の冷却は、C3−8飽和炭化水素が粒子から熱を捕捉する重合領域を通って、これが冷却されて、次いで再循環される冷却表面に向けて、該C3−8飽和炭化水素を反応器内で循環させることによって達成される。このプロセスは、粒子が過度に加熱する場合、該粒子は溶融して別の粒子又は反応器壁とくっつく(即ちアグロメレート)ので、重要である。C−C炭化水素は、窒素よりも高い比熱容量を有し、且つ例えば、窒素よりも熱除去についてより効率的に機能することが見出された。
従って、典型的な気相重合では、モノマーに加えて、相当な濃度のC3−8飽和炭化水素、例えば、C3−6アルカンが通常添加されている。例えば、反応器中でのC3−8飽和炭化水素の濃度は5〜60モル%のオーダーであってよい。
しかしながら、ここで、3−メチル−ブト−1−エンなどの3置換C4−10アルケンが、効率的なその場での熱除去手段として作用し得ることが見出された。気相重合において比較的高い部分圧の3置換C4−10アルケンを利用することが可能であり、且つ多くの場合に好ましく、また反応器から熱を除去する手段として働くことが見出された。これは例えば、直鎖状1−ブテン又は1−ヘキセンの代わりに3置換C4−10アルケンコモノマーを使用することの更なる利点である。この方法で、冷却を改善することができ且つC3−8飽和炭化水素、例えば、C3−6アルカンを減らすことができる。C3−8飽和炭化水素、例えば、C3−6アルカンの添加を削減することの利点は、このアルカンが、特に大量に、獲得され、精製され、添加され、制御され、反応器及びポリマーから除去され且つガス混合物から分離されなければならないことである。
従って、上述の気相重合の利点は、追加のC3−8飽和炭化水素を用いずに又はより少ない追加のC3−8飽和炭化水素を用いてこれを実施できることである。有利な気相重合において、C3−8飽和炭化水素、例えば、C3−6アルカンの濃度は、従って20%モル未満、更に有利には10%モル未満、更に一層有利には5%モル未満である。場合によっては、C3−8飽和炭化水素、例えば、C3−6アルカンは実質的に存在しなくてよい。
更に有利な気相重合において、C3−8飽和炭化水素、例えば、C3−6アルカン対3置換C4−10アルケンのモル比は、2:1未満、有利には1:1未満、更に有利には1:2未満、例えば、1:9未満である。
気相反応器中に存在する3置換C4−10アルケンの部分圧は、有利には全圧の少なくとも10%、更に有利には全圧の少なくとも20%、例えば、全圧の少なくとも40%である。
例えば、気相重合は次の条件下で実施してよい:
− 0.01〜5モル%のC3−6アルカン濃度
− 10〜40モル%の窒素濃度、
− 10〜50モル%のエチレン濃度、
− 反応器中の全圧の20%を上回る3置換C4−10アルケン(例えば、3−メチルブト−1−エン)の部分圧、及び
− 例えば、ZN又は酸化クロム触媒について1〜5モル%及び単座触媒について5〜1000ppmモルの水素濃度。
従って更なる態様から見ると、本発明は、3置換C4−10アルケンと任意に別のC2−8アルケンとを、重合触媒系を使用して重合させることを含む気相重合であって、前記重合は5モル%未満のC3−8飽和炭化水素(例えば、C3−8アルカン)濃度で実施される、前記重合の実施方法を提供する。
有利には、C3−8飽和炭化水素(例えば、C3−8アルカン)の気相反応器系(反応器+再循環系)への供給は、100kg/トンポリエチレン未満、有利には30kg/トンポリエチレン未満、更に有利には10kg/トンポリエチレン未満である。
任意に濃縮性のコモノマーによる、濃縮モード/超濃縮モード
3置換C4−10アルケンコモノマーを使用して達成される上記の向上した触媒活性は、比較的短い滞留時間(例えば、最初の1時間以内)で最も顕著であることが分かった。もちろん、多量の触媒系又は触媒残留物がポリマーに組み込まれるので、短い滞留時間でより高い触媒活性が最も要求されている。
しかしながら、気相反応器は、特に非重合触媒系が供給される時、従来の方式で短い滞留時間で運転される場合、局部的な冷却の不十分な制御による局部的な過熱のために、時として運転が困難になる。気相重合反応器での短い滞留時間は、従って、濃縮又は超濃縮運転モードと呼ばれるものを使用することによって達成される。本発明の有利な気相重合は、従って、濃縮モード又は超濃縮モードで実施される。これは、冷却効率及び冷却制御を増大するために、蒸発性液体を連続的に流動層重合反応器(米国特許第453,399号、米国特許第4,588,790号、米国特許第5,352,749号、米国特許第5,405,922号)に供給する運転モードである。超濃縮モードとは、通常、全液体供給の約20質量%を上回る液体の流体供給の状況を意味する。濃縮モードは、コモノマーのみの部分濃縮によって使用してよいが、循環ガスの濃縮可能な量及び露点はアルカン、例えば、C−C、特にCを反応器システムに添加することによって調整することが非常に多いので、循環ガスの中の又は該ガスからのアルカンも部分的に濃縮する。従って、反応器層への連続蒸発性液体供給と連続気相重合との組み合わせが好ましく、特に有利である。
3置換C4−6アルケン、特に合計で5〜7個の炭素原子を有するもの(例えば、3−メチル−1−ブテン及び3−メチル−1−ペンテン、特に3−メチル−1−ブテン)が濃縮モード運転に理想的な蒸発性液体であることが分かった。標準的な直鎖状コモノマーと比較して、3置換C4−6アルケンは、得られる共重合体の性質に影響を与えずに、遥かに高い濃度で反応器内で使用してよく、これは遥かに高い程度の循環ガスの濃縮が可能である。運転は飽和C3−6アルカンを本質的に添加しないで濃縮モードで実行することができる。
従って、更なる態様から見ると、本発明は、蒸発性液体の5質量%を上回る前記アルケン成分が連続的に気相重合反応器に供給される、気相重合における3置換C4−10アルケンの使用を提供する。
濃縮モードで実行する時、反応器のガス中の3置換C4−10アルケンガス濃度は、有利には10モル%を上回り、更に有利には20モル%を上回り、例えば、30モル%を上回る。有利には、気相反応器への濃縮液体供給流れ中の3置換C4−10アルケン濃度は10〜99モル%、更に有利には25〜98モル%、例えば、50〜96モル%である。反応器からの全循環ガスの反応器への濃縮液体流れは、有利には3〜60質量%、例えば、5〜40質量%である。
最適なコモノマー戦略は、3置換C4−10アルケンと、直鎖状アルケンコモノマー、例えば、ブテンとの混合物を使用することであってよい。比較的高い密度では、高い濃縮物(condensibles)濃度、生成物特性及び活性度の、3置換C4−10アルケンが高い割合で存在することが有利である。非常に低い密度のポリマーでは、全コモノマー濃度が過剰に高くならないように、例えば、反応器中の露点が近くなりすぎるので、バランスが直鎖状コモノマーにシフトし、エチレン及び不可欠な部分の窒素についても幾らかの部分圧が残っていなければならない。
下流の要件及びプロセス
最終ポリマー生成物がスラリー反応器から得られる際に、該ポリマーをそこから取り出し、希釈液を有利にはフラッシング又は濾過によってそれから分離する。大部分の希釈液及び未変換コモノマーは再生して重合反応器に戻される。有利には、次にポリマーが乾燥される(例えば、反応器から液体及びガスの残留物を除去するために)。その比較的低い含有率の触媒系残留物のために、有利にはポリマーは脱灰工程に供さない、即ち、アルコールで洗浄しないで、任意に炭化水素液体、又は水と混合する。
気相重合から得られるポリマーは有利には乾燥している。そうでなければ、最終ポリマーは、反応器が有利には触媒系残留物又はポリマー成分を除去しないで使用される気相から得られる。
重合プロセス内で及びその下流の両方で、ポリマーを支障なく扱うために、反応器からの重合粉末は、有利には高いかさ密度の比較的大きい粒子を有することによって易流動状態であるべきであり、例えば、10質量%未満のポリマーが100μmより小さいサイズであり、疎かさ密度(loose bulk density)は300kg/mより高い。
有利には、重合から造粒押出機の出口までのプロセスは、不活性ガス(例えば、N)雰囲気下で実施される。
有利には酸化防止剤(プロセス安定化剤及び長期酸化防止剤)がポリマーに添加される。酸化防止剤として、この目的のためにあらゆる種類の公知の化合物、例えば、立体障害又は半障害フェノール、芳香族アミン、脂肪族立体障害アミン、有機ホスフェート及び硫黄含有化合物(例えば、チオエーテル)を使用してよい。
有利には、酸化防止剤は、有機ホスフェート類及び立体障害又は半障害フェノール類、即ち、オルト位でヒドロキシ基に対して、それぞれ2つ又は1つのかさ高い残基を含むフェノール類、及び硫黄含有化合物の群から選択される。
立体障害フェノール化合物の代表例として、2,6−ジ−tert.−ブチル−4−メチルフェノール;ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3’,5’−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;オクタデシル3−(3’,5’−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン;2,2’−チオジエチレン−ビス−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;カルシウム−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチル−ホスホネート);1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert.−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌラート;ビス−(3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert.−ブチルフェニル)ブタン酸)−グリコールエステル;4,4’−チオビス(2−tert.−ブチル−5−メチルフェノール);2,2’−メチレン−ビス(6−(1−メチル−シクロヘキシル)パラ−クレゾール);n,n’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert.ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド;2,5,7,8−テトラメチル−2−(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン−6−オール;2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert.−ブチルフェノール);1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロシ(hydrosy)−5−tert.−ブチルフェニル)ブタン;1,3,5−トリス(4−tert.−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4−,6−(1h,3h,5h)−トリオン;3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(beta−(3−tert.−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン;1,6−ヘキサンジイル−ビス(3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼン−プロパノエート);2,6−ジ−tert.−ブチル−4−ノニルフェノール;1,3,5−トリス(2−ヒドロキシエチル)−s−トリアジン−2,4,6(1h,3h,5h)−トリオンとの3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸トリエステル;4,4’−ブチリデンビス(6−tert.ブチル−3−メチルフェノール);2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert.−ブチルフェノール);2,2−ビス(4−(2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ))エトキシフェニル))プロパン;トリエチレングリコール−ビス−(3−tert.−ブチル−4−ヒドロキシ−5メチルフェニル)プロピオネート;ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−c13−15−分枝鎖状及び直鎖状アルキルエステル;6,6’−ジ−tert.−ブチル−2,2’−チオジ−p−クレゾール;ジエチル((3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)メチル)ホスホネート;4,6−ビス(オクチルチオメチル)o−クレゾール;ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)4−ヒドロキシ−c7−9−分枝鎖状及び直鎖状アルキルエステル;1,1,3−トリス[2−メチル−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−5−t−ブチルフェニル]ブタン;及びp−クレゾール及びジシクロペンタジエンのブチル化反応生成物が挙げられる。
それらの化合物の中で、次のフェノール型酸化防止剤化合物が特に有利に挙げられる:ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3’,5’−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;オクタデシル3−(3’,5’−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert.−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゼン;1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert.−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、ビス−(3,3−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert.−ブチルフェニル)ブタン酸)−グリコールエステル;及び3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(beta−(3−tert.−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン。
有利な有機ホスフェート酸化剤はホスフィット部分又はホスホニット部分を含有する。有利なホスフィット/ホスホニット酸化防止剤の代表例として、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフィット;テトラキス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホニット、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリチル−ジ−ホスフィット;ジ−ステアリル−ペンタエリスリチル−ジ−ホスフィット;トリス−ノニルフェニルホスフィット;ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリチル−ジ−ホスフィット;2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチル−ホスフィット;1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスフィット−5−t−ブチルフェニル)ブタン;4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスフィット;ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィット;ビス(2−メチル−4,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル)亜リン酸エチルエステル;2,2’,2’’−ニトリロトリエチル−トリス(3,3’5,5’−テトラ−t−ブチル−1,1’−ビフェニル−2,2’−ジイル)ホスフィット);亜リン酸、環状ブチルエチルプロパンジオール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルエステル;ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)−ペンタエリスリチル−ジ−ホスフィット;2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスホニット、6−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ)−2,4,8,10−テトラ−tert.ブチルジベンゾ(d,t)(1.3.2)ジオキサホスフェピン;及びテトラキス−(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチル−フェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホニットが挙げられる。
上述の化合物の中で、有利には以下のホスフィット/ホスホニット酸化防止剤化合物が挙げられる:テトラキス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホニット;ビス(2,6−ジ−t−ブチル−.4−メチルフェニル)ペンタエリスリチル−ジ−ホスフィット;ジ−ステアリル−ペンタエリスリチル−ジ−ホスフィット;及びビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスフィット。
酸化防止剤として、単一の化合物又は化合物の混合物のいずれかを使用してよい。特に有利には立体障害フェノール化合物及びホスフィット/ホスホニット化合物を組み合わせて使用してよい。立体障害フェノール化合物は典型的には長期安定化剤として作用する。ホスフィット/ホスホニット化合物は典型的にはプロセス安定化剤として作用する。
当業者は容易にポリマーに含まれるべき酸化防止剤の適切な量を決定することができる。しかしながら、上述の通り、本発明のプロセスによって製造されるポリマーは、従来のポリマーよりも少ない触媒系残留物を含み、従ってそこにより少ない酸化防止剤を添加することが可能である。従って、立体障害フェノール酸化防止剤は、200〜1000ppmwt、更に有利には300〜800ppmwt、例えば、400〜600ppmwt又は約500ppmwtの量で使用してよい。ポリマー中に存在する有機ホスフィット/ホスホニット酸化防止剤の量は、有利には50〜500ppmwt、更に有利には100〜350ppmwt及び最も有利には150〜200ppmwtである。
上述の酸化防止剤は、ポリマー中に存在する遷移金属の量が、酸化反応を促進するのに十分である時、例えば、ポリマー中の遷移金属の濃度が、ポリマーkg当たり1μモル遷移金属を上回る時、更に典型的にはkgポリマー当たり2μモル遷移金属を上回る時、例えば、kgポリマー当たり6μモル遷移金属を上回る時に特に有利である。共重合体は洗浄(例えば、脱灰)工程なしで製造されることが多いので、かかる濃度の遷移金属が生じ得る。
他の添加剤(粘着防止剤、カラーバッチ、帯電防止剤、スリップ剤、充填剤、UV吸収剤、滑剤、酸中和剤及びフルオロエラストマー及び他のポリマー加工剤)を任意にポリマーに添加してよい。
プラスチック変換機への導入前に、ポリマーは有利には更に加工されて、2mmより小さい平均サイズ(質量平均)であり、400kg/mより高い疎かさ密度である10質量%未満のポリマーを得る。
ポリマー又はポリマー混合物は有利には押出されてペレットに粒状化される。押出す前に、ポリマーは有利には1kg/トン未満、更に一層有利には0.1kg/トン未満の水又はアルコールと接触する。押出す前に、ポリマーは有利には酸と接触しない。
添加剤(例えば、ポリマー加工剤又は粘着防止剤)は、ポリマーの造粒後に添加してよい。この場合、添加剤は有利には、押出される前又はフィルム又は物品に成形される前に、マスターバッチ及びそれと共に混合されるペレットとして使用される。
ポリマー組成物及び特性
本発明の共重合体中に存在するC2−8アルケン(例えば、エチレン)モノマーの量は、有利には60−99.99質量%、更に一層有利には80−99.9質量%、例えば、90−99.5質量%である。最も多量のC2−8アルケンがプロピレンである共重合体において、有利には少なくとも3−10質量%のエチレンが追加的に存在する。共重合体が2種類のC2−8アルケン(例えば、エチレン及び1−ブテン)を含む場合、少量のC2−8アルケン(例えば、1−ブテン)が有利には0.1〜20質量%、更に一層有利には0.5〜10質量%、例えば、1〜7質量%の量で存在する。
本発明の共重合体中に存在する3置換C4−10アルケン(例えば、3−メチル−1−ブテン)モノマーの量は有利には0.01〜40質量%、更に有利には0.1〜20質量%、例えば、0.5〜10質量%、更に有利には7質量%未満である。
ポリマー中に存在する所与のモノマーの量がある一定の量であることが本明細書で述べられる場合、モノマーが繰り返し単位の形でポリマー中に存在することが理解されるべきである。当業者は、何が所与のモノマーの繰り返し単位であるかを容易に決定することができる。
本発明の共重合体の密度は有利には835〜970kg/mの範囲である。C2−8アルケンがエチレンである場合、密度は有利には880〜950kg/mの範囲、更に一層有利には900〜940kg/mの範囲、例えば、915〜930kg/mである。
2−8アルケンがプロピレンである場合、密度は有利には880〜910kg/mの範囲、更に一層有利には885〜910kg/mの範囲、例えば、890〜910kg/mである。C2−8アルケンがプロピレンである場合、共重合体のキシレン可溶物は有利には0.5〜30質量%の範囲、更に有利には1〜10質量%、例えば、3〜8質量%である。
本発明の共重合体のMFRは、有利には0.01〜1000g/10分の範囲である。C2−8アルケンがエチレンである場合、ポリマーのMFRは有利には0.01〜1000g/10分の範囲、更に有利には0.05〜500g/10分の範囲、例えば、0.1〜5g/10分である。C2−8アルケンがプロピレンである場合、ポリマーのMFRは有利には0.1〜1000g/10分の範囲、更に有利には1〜150g/10分の範囲、例えば、10〜50g/10分である。
本発明の共重合体のMFR21は、有利には0.01g/10分を上回る。C2−8アルケンがエチレンである場合、ポリマーのMFR21は有利には0.05g/10分を上回る、更に有利には0.1g/10分を上回る、例えば、1g/10分を上回る。MFR21の上限は重要ではないが300g/10分であり得る。
本発明の共重合体の融解温度は有利には90〜240℃の範囲である。C2−8アルケンがエチレンである場合、融解温度は更に有利には100〜140℃の範囲、更に一層有利には110〜130℃の範囲、例えば、115〜125℃である。C2−8アルケンがプロピレンである場合、融解温度は更に有利には120〜160℃の範囲、更に一層有利には130〜155℃の範囲、例えば、135〜150℃である。
本発明の共重合体のMnは、有利には4000〜500000g/モルの範囲である。C2−8アルケンがエチレンである場合、Mnは更に有利には7000〜250000g/モルの範囲、更に一層有利には10000〜150000g/モルの範囲、例えば、20000〜70000g/モルである。C2−8アルケンがプロピレンである場合、Mnは更に有利には6000〜100000g/モルの範囲、更に一層有利には8000〜70000g/モルの範囲、例えば、15000〜50000g/モルである。
本発明の共重合体の質量平均分子量(Mw)は、有利には20000〜1000000g/モルの範囲である。C2−8アルケンがエチレンである場合、質量平均分子量は更に有利には30000〜700000g/モルの範囲、更に一層有利には50000〜150000g/モルの範囲、例えば、70000〜140000g/モルである。C2−8アルケンがプロピレンである場合、質量平均分子量は更に有利には30000〜700000g/モルの範囲、更に一層有利には50000〜400000g/モルの範囲、例えば、80000〜200000g/モルである。
本発明の共重合体のMw/Mnは有利には1.5〜50の範囲である。C2−8アルケンがエチレンである場合、共重合体のMw/Mnは有利には1.5〜50の範囲、更に有利には2〜30の範囲、例えば、2〜5である。C2−8アルケンがプロピレンである場合、Mw/Mnは更に有利には1〜10の範囲、更に有利には2〜10の範囲、例えば、2〜5である。ポリマーが多峰性である場合、単座触媒を使用して製造された各成分は、有利には2〜5の範囲、更に有利には2〜4の範囲、最も有利には2〜3.5の範囲のM/Mを有する。ポリマーが多峰性である場合、チーグラー・ナッタ触媒で製造された各成分は、有利には4〜12の範囲、更に有利には5〜10の範囲、最も有利には6〜9の範囲のM/Mを有する。
有利には、本発明の共重合体は単峰性である。
本発明の共重合体のポリマー鎖は、測定可能な長鎖分枝がないという意味では直鎖状である。あるいは、該ポリマー鎖はある程度の長鎖分枝を有してよく、これは例えば、ある触媒部位、特にCGCメタロセンなどのメタロセンによって、又はジエンとの重合によって又は反応器後の変性、例えば、遊離基によって形成されてよい。しかしながら、長鎖分枝は、存在する場合、有利には、余分な反応物を添加しないで、例えば、上述のモノ−Cpメタロセン又は2つのCp環(インデニル及びフルオレニルを含む)を有し且つ該Cp環の間に1つの橋を有するメタロセンの使用によって、重合の間に導入される。長鎖分岐は、より広い分子量のポリマーに似た有用なレオロジー特性を与える(それによって加工挙動が改善される)が、実際には、例えば、GPCによって測定される通り、比較的狭い分子量分布が維持されている。
本発明の共重合体は高純度で得られる。これは、例えば、脱灰又は洗浄工程なしで使用してよい。従って、共重合体は非常に少量の触媒系又は触媒残留物(即ち、灰)のみを含有する。有利には、本発明の共重合体中の触媒系残留物(即ち、灰)の量は、1200ppmwt灰未満、更に一層有利には600ppmwt灰未満、例えば、500ppmwt灰未満である。触媒系灰とは、重合後に及び脱灰、洗浄又は添加工程前に存在する、活性部位前駆体、活性剤、担体又は他の触媒粒子構成材料及び触媒系の他の成分からの灰を意味する。
遷移金属は、酸素及び温度によるポリマー分解の促進剤として働くので、更に低い濃度のフィルムでは有害であり、これは変色及び機械的特性の低下又は消失をもたらす。本発明の方法の特有の利点は、非常に少量の遷移金属を含有するポリマーが得られることである。本発明の方法によって製造されるポリマーは、有利にはポリマーkg当たり500μモル未満の遷移金属、更に有利にはポリマーkg当たり400μモル未満の遷移金属、更に一層有利にはポリマーkg当たり200μモル未満の遷移金属、例えば、ポリマーkg当たり100μモル未満の遷移金属を含む。
用途
従って本発明の共重合体は幅広い用途で有用である。これは、例えば、医療用途において、食品の包装の製造のために又は電気的用途のために使用してよい。その際、ポリマーに存在する不純物の量は最小になることが重要である。
共重合体は、成形で並びに管用途でも使用してよい。
成形
本発明の共重合体は成形用途で有利に使用され得る。これは例えば、ブロー成形、射出成形又は回転成形で使用してよい。
製造され得るブロー成形された物品の代表的な例として、例えば、200ml〜300リットルの容積を有する、瓶又は容器が挙げられる。ブロー成形に有利な共重合体は、945g/dmを上回る、例えば、945〜970g/dmの密度を有する。ブロー成形に有利な共重合体は、1〜40g/10分のMFR21を有する。
ブロー成形の使用にとって特に有利な共重合体は、チーグラー・ナッタ触媒又は酸化クロム触媒を使用して製造される。共重合体は有利には50〜150のMFR21/MFRを有する。チーグラー・ナッタ触媒を使用する場合、共重合体は有利には多峰性である。酸化クロム触媒を使用する場合、共重合体は有利には単峰性である。
製造され得る射出成形された物品の代表的な例として、箱、枠組箱、薄い壁の包装、プラスチック製ハウジング、バケット、玩具、ラック、レールパッド、ごみ缶、キャップ及びクロージャが挙げられる。射出成形に有利な共重合体は、955g/dmを上回る、例えば、955〜970g/dmの密度を有する。射出成形に有利な共重合体は、0.5〜100g/10分のMFRを有する。
射出成形の使用に特に有利な共重合体は、チーグラー・ナッタ触媒を使用して製造される。共重合体は有利には20〜40のMFR21/MFRを有する。射出成形に使用される共重合体は単峰性又は多峰性であってよい。
製造され得る回転成形された物品の代表的な例として、水タンク、ビン、容器及び小型ボートが挙げられる。回転成形に有利な共重合体は、915〜950g/dmの密度を有する。回転成形に有利な共重合体は、0.5〜5g/10分のMFRを有する。

本発明の共重合体は管用途で有利に使用され得る。有利には、これはHDPE管で、例えば、PE80又はPE100基準に従って使用される。管は、例えば、水及びガス配給、下水管、廃水、農業用、スラリー、薬品などのために使用され得る。
管用途に使用される共重合体は、酸化クロム触媒を使用して、例えば、一段階重合で製造され得る。あるいは、共重合体は、マルチ反応器処理で、有利には多段階重合で、更に一層有利には2段階又は3段階で、例えば、チーグラー・ナッタ触媒を使用して製造され得る。しかしながら、単座触媒も使用してよい。
管用途に使用される有利な共重合体は930〜960g/dm、有利には940〜954g/dm、更に有利には942〜952g/dmの密度を有する。管用途に使用される有利な共重合体も0.1〜0.5g/10分、更に有利には0.15〜0.4g/10分のMFRを有する。管用途に使用される有利な共重合体は、14〜45、更に有利には16〜37、最も有利には18〜30のMFR21/MFRを有する。管用途に使用される有利な共重合体は、0.8〜5質量%、更に有利には1〜3質量%のコモノマー含有率を有する。添加されたカーボンブラックと共に使用される場合、カーボンブラックを有する共重合体の密度は、有利には940〜970g/dm、更に有利には948〜966g/dm、更に一層有利には953〜963g/dmである。
共重合体が2つ以上の成分を含む場合、特にチーグラー・ナッタ触媒を使用して製造される場合、該共重合体は有利には以下のものを含む:
A.25〜65質量%、更に有利には35〜60質量%の共重合体であり、1質量%未満のコモノマー、更に有利には0.5質量%未満のコモノマーを含み且つ50〜5000g/10分、更に有利には100〜1000g/10分のMFRを有するポリマー成分。
B.25〜65質量%、更に有利には35〜60質量%の共重合体であり、0.5質量%を上回るコモノマー、更に有利には1質量%を上回るコモノマーを含み且つ50〜5000g/10分、更に有利には100〜1000g/10分のMFRを有するポリマー成分。
本発明の概要を記載したが、更なる理解は、例示のみの目的で本明細書に提供され、且つ特に記載のない限り限定を意図するものではない、ある特定の実施例を参照することによって得られる。
図1は、単座触媒を用いた場合の活性データである。 図2は、チーグラー・ナッタ(ZN)触媒を用いた場合の活性データである。 図3は、Cr触媒を用いた場合の活性データである。 図4は、Cr触媒を用いた場合の生産性に対するMFR2データである。 図5は、Cr触媒を用いた場合の生産性及び密度のMFR2への影響を示す。 図6は、ZN触媒を用いた場合の活性の比較を示す。
実施例
本発明はここで以下の非限定の実施例に関して記載される:
測定法
一般法
特に記載のない限り、以下のパラメータは表に示した通りポリマー試料で測定されたものである。
MFR、MFR及びMFR21は、それぞれ、2.16、5.0及び21.6kgの負荷でISO1133に従って測定された。測定は、ポリエチレン共重合体の場合190℃で、及びポリプロピレン共重合体の場合230℃で行った。
分子量及び分子量分布、Mn、Mw及びMWDは、以下の方法に従ってゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した:質量平均分子量Mw及び分子量分布(MWD=Mw/Mn、ここでMnは数平均分子量であり、Mwは質量平均分子量である)は、ISO16014−4:2003に基づく方法によって測定する。RI検出器及びオンライン粘度計を備えた、Waters 150CV plus測定器を、140℃で及び1mL/分の一定の流量で、溶剤としての水(スチレン−ジビニルベンゼン)及び1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB、250mg/Lの2,6−ジtertブチル−4−メチル−フェノールで安定化)からの3 x HT6E styragelカラムと一緒に使用した。500μlの試料溶液を分析毎に射出した。設定されたカラムは、1.0kg/モル〜12000kg/モルの範囲で15の狭い分子量分布ポリスチレン(PS)基準を用いて、汎用較正(ISO16014−2:2003に従う)を使用して較正された。これらの基準はポリマーラボからのものであり、1.02〜1.10のMw/Mnを有した。Mark Houwink定数は、ポリスチレン及びポリエチレン(K:9.54×10−5dL/g及びa:PSについて0.725及びK:39.2×10−4dL/g及びPEについてa:0.725)について使用された。全ての試料は、0.5〜3.5mgのポリマーを4mL(140℃)の安定化TCB(移動相と同じ)中に溶解し、140℃で3時間、更に160℃で1時間維持し、場合によりGPC機器に試料をサンプリングする前に振盪することによって製造した。
融解温度は、Perkin Elmer DSC-7示差走査熱量測定法でISO11357−1に従って測定した。加熱曲線は10℃/分で−10℃から200℃まで取った。10分間200℃で維持する。冷却曲線は10℃/分で200℃から−10℃まで取った。融解温度は第2の加熱の吸熱ピークとして取った。
コモノマー含有率(質量%)を、C13−NMRで較正されたフーリエ変換赤外分光(FTIR)測定(Perkin-ElmerスペクトルGX装置を使用する)に基づいて測定した。
材料の密度は、圧縮成形されたプラックからの試験片で勾配液体としてイソプロパノール水を用いて、ISO1183:1987(E)、方法Dに従って測定する。試料を結晶化する時のプラックの冷却速度は15C/分であった。調整時間は16時間であった。
キシレン可溶物はISO−6427、付録B1992に従って測定した。
ポリマーのレオロジーは、平行平板形状、25mm直径の板及び1.2mmの間隙で、Rheometrics RDA II ダイナミックレオメーターを使用して、ISO6721−10に従って窒素雰囲気下で190℃で周波数掃引によって測定した。測定は、全て周期数(ω)の関数として、複素粘度(η*)と共に貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)及び複素弾性率(G*)を与える。これらのパラメータは次の通り関係する:周期数ωの場合:複素弾性率:G*=(G’+G’’21/2。複素粘度:η=G/ω。弾性率に使用される単位はPa(又はkPa)であり、粘度にはPas及び周波数には(1/s)である。η 0.05は0.05s−1の周波数での複素粘度であり、η 300は300s−1での複素粘度である。
経験的なコックスメルツ(Cox−Merz)則によれば、所定のポリマー及び温度の場合、この動的手法によって測定された周波数の関数としての複素粘度は、定常流(例えば、細管)の剪断速度の関数としての粘度と同じである。
ベンチスケール重合生産の活量係数は以下の等式によって計算される:
Figure 2012515821
連続重合の場合、活量係数は、生成物の収量の代わりにポリマーの生成速度を及び供給される触媒量の代わりに触媒系の供給速度を使用することによって、並びに連続反応器での平均滞留時間を使用することによって近似する。
圧縮成形された試験片での機械的特性
正割弾性係数は23℃の温度及び1mm/分の速度でASTM D 882−Aに従って測定する。
圧縮成形試料での引張特性(引張り降伏応力、引張降伏歪、破断点引張強さ、破断点引張歪)は、ISO527−2に従って23℃で測定し、弾性率は1mm/分の速度で測定するが、収量及び破断点特性は50mm/分で測定する。この試験のための試験片は、15℃/分の冷却速度でISO1872−2によって作られる。
シャルピー衝撃の場合、VノッチタイプAのISO10350−1(1998−11−15)−オプションISO179−1に従って作られた圧縮成形試験片が使用される。これらは23℃でISO179に従って衝撃で試験される。
フィルム
特に記載のない限り、以下のパラメータは、実施例に記載された通りに製造された40μmの膜厚で23℃にて測定した。
落槍はISO7765/1に従って測定する。
曇り度はASTM D 1003に従って測定する。
光沢度はASTM D 2457に従って測定する。これは60°の光線角度で測定する。
破壊抵抗はASTM D5748に従って測定する。
正割弾性係数:ASTM D 882−Aに従って測定し、0.05及び1.05%の歪での値から計算する。
引張応力、引張歪及び引張り強さはISO527−3に従って測定する。
引裂強さ(エルメンドルフ)はISO6383/2に従って測定する。
実施例
原料
エチレン:重合度。
水素:グレード6.0。
1−ヘキセン:サソール。揮発物をストリップし且つ13Xの分子ふるいで乾燥させる。
1−ブテン:重合度(99.5%)。Nで泡立たせて13Xの分子ふるいで乾燥させる。
3−メチル−1−ブテン:Evonik Oxenoによって製造される。純度>99.7%。Nで泡立たせて13Xの分子ふるいで乾燥させる。
プロパン及びイソブタン:重合用途品質。
窒素:<0.7ppm酸素、露点<−98℃。
実施例1:粒状の単座触媒を使用する気相重合
触媒系(か焼したシリカ上に支持された(n−Bu−Cp)HfCl及びMAO)は、HfをZrの代わりに遷移金属として使用し且つシリカのか焼(脱水)温度が600℃であることを除いて、WO98/02246号の実施例1に従って製造された。
重合法
重合は、撹拌機及び温度制御系を備えた8リットルの反応器中で実施した。同じコモノマー供給システムを全生産について使用した。この手順は以下の工程から構成された:
1.触媒系を反応器中に供給した。
2.撹拌を開始した(280rpm)。
3.反応器を70℃の重合温度に加熱した。
4.プロパン(400ml)を添加した。
5.エチレン、コモノマー及び水素を反応器中に添加した。圧力を、圧力調節弁を介したエチレンの供給によって21バールのゲージ圧に維持した。水素はエチレン供給シリンダ中でエチレンと予め混合した。コモノマーも、エチレン流れに比例して、連続的に反応器中に添加した。
6.重合は、揮発物の反応器のガス抜きによって及び温度を下げることによって停止させた。
7.ポリマーはN流れを有する反応器において70℃で更に乾燥した。重合手順の更なる詳細及び得られる共重合体の詳細は、表1及び図1aに提供されている。
結果
Figure 2012515821
表1aの結果は、類似のエチレン共重合体の製造について、気相重合中にメタロセン触媒を含む粒状触媒系と併せて3−メチル−1−ブテンを使用することにより、1−ヘキセン又は1−ブテンをコモノマーとして使用する場合よりも遥かに高い触媒活性が達成され得ることを示す。これは、例えば、表1bの生産4及び9(比較)で得られる結果と比較して理解され得る。
Figure 2012515821
表1aからの結果の一部も図1に示した。
図1(触媒系活量係数対ポリエチレン密度のプロット)は、所定の密度のポリエチレンを製造するために、3−メチル−1−ブテンをコモノマーとして利用する重合が1−ヘキセン又は1−ブテンを使用する重合と比較して有意に効率的であることを示す。これは特に約920kg/m未満の密度を有するポリエチレンの場合である。更に、ここで得られる活量係数は、同じポリマー密度を得るために、同じ触媒を用いるスラリー重合において経験によって達成されたものに比較的近い。
実施例2:チーグラー・ナッタ触媒を使用する気相重合
遷移金属としてTiを有する、通常のチーグラー・ナッタ触媒を使用した。
TEAL(トリエチルアルミニウム):ヘプタン中1M
重合法
重合は、撹拌機及び温度制御系を備えた5.3リットルの反応器中で実施した。同じコモノマー供給システムが全生産のために使用された。この手順は以下の工程から構成された:
1.260mlのプロパンを反応器に添加して撹拌を開始した(300rpm)。反応器温度は85℃であり、この温度は重合の間維持した。
2.水素、エチレン及びコモノマーを反応器中に添加した。水素をバッチとして添加した。圧力を、圧力調節弁を介したエチレンの供給によって要求される圧力に維持した。コモノマーも、エチレン流れに比例して、連続的に反応器中に添加した。
3.触媒系を添加した。助触媒トリエチルアルミニウム(TEAL)を1Mとしてヘプタン溶液中に供給した。
4.重合は、揮発物の反応器のガス抜きによって及び温度を下げることによって停止させた。
5.ポリマーは真空オーブン中で70℃で30分間更に乾燥させた。
重合手順の更なる詳細及び得られる共重合体の詳細は、表2a及び2b並びに図2に提供されている。
ポリマーも酸化防止剤、Cibaからの1500ppmのIrganox B561(20質量%のIrgafos168(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート)及び80質量%のIrganox1010(ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3’,5’−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)を含有する)と混合し、次いで200℃の押出機温度にてPrism16押出機によってペレット状にした。
結果
Figure 2012515821
Figure 2012515821
表2a及び2bの結果は、類似のエチレン共重合体の製造について、気相重合中にチーグラー・ナッタ触媒を含む触媒系と併せて3−メチル−1−ブテンを使用することにより、1−ヘキセン又は1−ブテンをコモノマーとして使用する場合よりも遥かに高い触媒活性が達成され得ることを示す。これは、例えば、生産3及び8〜生産17(比較)で得られる結果と比較することによって理解され得る(表2cを参照のこと)。
Figure 2012515821
表2a及び2bの結果の一部も図2に示す。これは生産9が、3−メチル−1−ブテンとブレンドした相当量の1−ブテンを使用しているにも関わらず、3−メチル−1−ブテンの典型的な単独使用に近い活性を有することを示す。
実施例3:熱を除去するためのインサイチュでの手段としての3−メチル−1−ブト−1−エンの使用
重合は、プロパンを添加しないで異なる反応器温度を以下の表3に詳述した通りに使用したことを除いて、実施例1のように実行した。
Figure 2012515821
これらの重合の間の温度制御は十分であった。この大幅な密度の減少は驚くことであった。
実施例4:多段階重合における3−メチル−ブト−1−エンの使用
同じ触媒を含む、実施例1と同じ原料を、適用できる場合に使用した。
重合は、撹拌機及び温度制御系を備えた8リットルの反応器中で実施した。同じコモノマー供給システムが全生産のために使用された。この手順は以下の工程から構成された:
1.触媒系を反応器中に供給した。
2.3.8リットルのイソブタンを反応器に添加して撹拌を開始した(300rpm)。
3.反応器を85℃の所望の重合温度に加熱した。
4.エチレン、コモノマー及び水素を反応器中に添加した。圧力を、圧力調節弁を介したエチレンの供給によって要求される圧力に維持した。水素はエチレン供給シリンダ中でエチレンと予め混合した。コモノマーも、エチレン流れに比例して、連続的に反応器中に添加した。
5.次にモノマーが消費された。約1200gのポリマーが製造された場合、反応器をガス抜きし、撹拌を30rpmまで低下させ、ポリマーを70℃でNにより乾燥させ、40gのポリマー試料を取出した。
6.温度を所望の重合温度に調整した。400mlのプロパンを添加して撹拌を280rpmに調整した。
7.エチレン、コモノマー及び水素を反応器中に添加した。圧力を、圧力調節弁を介したエチレンの供給によって所望の圧力に維持した。水素はエチレン供給シリンダ中でエチレンと予め混合した。コモノマーも、エチレン流れに比例して、連続的に反応器中に添加した。
8.重合は、揮発物の反応器のガス抜きによって及び温度を下げることによって停止させた。
9.ポリマーはN流れを有する反応器において70℃で更に乾燥した。
重合手順の更なる詳細及び得られる共重合体の詳細は、表4に提供されている。
結果
Figure 2012515821
表4の結果は、相対的に等しい生成物を生産するための1つのスラリー重合段階及び1つの気相重合段階の多段階工程において3−メチル−1−ブテンと1−ヘキセンとを比較した場合、3−メチル−1−ブテンはスラリー段階並びに気相段階での活性が優れていることを示す。従って、気相重合の後にスラリー重合を行う場合を含み、多段階重合は3置換C4−10アルケンを用いて有利に実行することができる。
実施例5:Cr重合
Ineos SilicasからのグレードEP352のCr触媒を使用した。これは複数のチタンとの合成シリカの多孔性粒子の支持体上の酢酸クロムである。これは使用前に15時間600℃の温度で乾燥空気の流れにおいて流動化することによって活性化された。
重合は、撹拌機及び温度制御系を備えた3.4リットルの反応器中で実施した。この手順は以下の工程から構成された:
1.90mlのイソブタン、所定量の窒素、出発量のイソブタン及び幾らかのエチレンを反応器に供給した。添加した窒素の量は、重合の間、反応器に16バールの部分圧を与えるのに必要な量であった。撹拌速度は475rpmに設定した。
2.反応器温度を95℃の重合温度設定値まで上昇させた。触媒を、温度が70℃を超えた時に射出した。
3.圧力を、圧力調節弁によるエチレンの供給によって36バールのゲージ圧に維持した。コモノマーも、エチレン流れに比例して、連続的に反応器中に添加した。
4.重合は、揮発物の反応器のガス抜きによって及び温度を下げることによって停止させ、ポリマーを取出した。
5.ポリマー粉末を真空オーブン中で70℃で2時間更に乾燥させた。
結果
Figure 2012515821
重合データ及び重合分析を表5に示す。
活性データを図3にプロットする。これは、3−メチル−1−ブテンをコモノマーとして用いて一定の密度に達する活性が、1−ヘキセンを用いた場合よりも有意に高かったことを示す。
MFR2を生産性に対して図4に示す。MFR2は、1−ヘキセンを用いて生産する場合よりも、3−メチル−1−ブテンを用いて生産する場合の方が高いことが分かる。生産性及び密度のMFR2への複合影響を図5に示す。この図は、言及される観測値が、密度の変動による妨害に起因しないことを示す。ほぼ等しい生産性及び密度では、3−メチル−1−ブテンによるMFR2は、1−ヘキセンによるMFR2の約2倍である(0.34対0.18)。さらに、所定のCr酸化クロム重合系を用いる場合、最も低いMFR2のものは図の右上の頂点に近くに見出されるが、最も高いものは左下の頂点近くに見出されることを考慮するべきである。同等の密度での1−ヘキセンを用いる生産に対して3−メチル−1−ブテンを用いる生産の生産性が高いにも関わらず、3−メチル−1−ブテンのMFR2値は1−ヘキセンよりも高いままである。従って、3−メチル−1−ブテンは、所定の密度及び生産性において、より高いMFR2のポリマーを得ることができる。この驚くべき特性によって、より高いMFR2のポリマーは、1−ヘキセンを用いるよりも3−メチル−1−ブテンコモノマーを用いて製造することができる。
実施例6:チーグラー・ナッタ共重合及び三元重合
チーグラー・ナッタ触媒をUS2006/0014897号の実施例1に従って実験室規模で合成した。
重合
重合は、撹拌機及び温度制御系を備えた8リットルの反応器中で実施した。0.15バールのHを反応器に添加した。重合を、反応器中で、21バールの全ゲージ圧で、15バールのN分圧を用いて85°で行った。アルカンは添加しなかった。1Mのヘプタン中のトリエチルアルミニウム(TEAL)を、表6aに示す通りに添加し且つ表6aに示す通りに一定時間重合させた。
表6a及び図6は、この生産により本質的に同じ密度が得られることを示す。3−メチル−1−ブテンをコモノマーとして用いた活量係数は、この密度に到達するために直鎖状アルケン1−ブテン及び1−ヘキセンを用いたものよりも約1.7倍高い。3−メチル−1−ブテンと1−ブテンとの混合物を使用する場合、驚くことに、この密度に到達する3−メチル−1−ブテンを単独で使用する場合と比較して、活量係数の損失がほとんどない。これは、単独の使用される1−ブテンの約半分の量及び単独で使用される3−メチル−1−ブテンの約半分の量を添加することによって達成した。従って、3−メチル−1−ブテンと直鎖状1−アルケンとの混合物は、3−メチル−1−ブテン単独で達成される高い活性を実質的に与えると同時に、これは反応器において所定の密度に到達するためにコモノマーとして3−メチル−1−ブテン単独よりも遥かに低い全濃度のコモノマーを必要とする。
ペレット化
重合からの乾燥ポリマー粉末を、Cibaからの1500ppmのIrganox B561酸化防止剤(20質量%のIrgafos168(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスフェート)及び80質量%のIrganox1010(ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3’,5’−ジ−tertブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート)を含有する)並びに937g/dmの密度及び0.4のMFR2の10質量%のチーグラー・ナッタ二峰性PEと混合した。混合物をブレンドして210℃の押出機温度にてPrism 16押出機によってペレット化した。操作上の問題が生じる前に到達可能な最大の生産速度は、3−メチル−1−ブテンのみをコモノマーとして有するポリマーの場合が最も高く、3−メチル−1−ブテンと1−ブテンとのブレンドを有するポリマーの場合が次に高いことが観察された(表6aを参照のこと)。コモノマーとして直鎖状アルケンのみを有するポリマー(1−ブテン及び1−ヘキセン)は劣っていた。
Figure 2012515821
Figure 2012515821
Figure 2012515821
インフレーション及びフィルム
ペレットを、スクリュー直径25mm、25の長さ/直径比、ダイ直径50mmを有し且つ1.5mmに調整されたダイギャップを有するCollin単分子層フィルムライン上でフィルムに吹き込んだ。ポリマーを、3.5のブローレシオ(BUR)及び90rpmのスクリュー速度で生産した。温度領域の設定値を200〜230℃(押出機ヘッドに向かって上昇する)に設定した。引取速度を変化させることによって、膜厚を各生産において約40μmに調整した。試験用のフィルムは40μmであるように選択された。インフレーションパラメータ及び分析結果を表6bに示す。
表6bは一定のスクリュー回転速度にも関わらず、生産速度、従って引取速度も、生産の間にかなり大幅に変化したことを示す。コモノマーとして3−メチル−1−ブテンのみを有するポリマーは、最も高い生産速度を有し、1−ブテンのみを有するポリマーは最も低い速度を有するが、3−メチル−1−ブテンと1−ブテンとのブレンドを有するポリマーは中間の速度を有した。
更に、1−ブテンのみを有するポリマーは、不安定な泡を示した(わずかに高い生産速度は泡立ち不良を引き起こすことを示す)が、3−メチル−1−ブテンによる生産は良好な安定性を与えた。
1−ブテンのみをコモノマーとして有するポリマーと比較して、3−メチル−1−ブテンをコモノマーとして有するポリマーは、顕著に向上した特性をもたらすことが分かった(表3):良好な衝撃特性(高い落槍)、良好な破壊抵抗(高い最大力及び最大力時の変形)、良好な光学特性(高い光沢度、低い曇り度)、及びTDとMDの両方向における高いエルメンドルフ引裂抵抗。3−メチル−1−ブテン及び1−ブテンの両方を一緒に有するターポリマーは、光学特性、光沢度及び曇り度について、驚くほど優れていたことに留意するべきである。
2009年1月23日に出願された米国特許仮出願第61/146,915号は本明細書に援用されている。
本発明における多くの変形及びバリエーションは上の教示に照らして可能である。従って、添付の特許請求の範囲内で、本発明が本明細書に明確に記載されている以外に実施され得ることが理解されるべきである。

Claims (20)

  1. アルケン共重合体の製造方法であって、少なくとも1種の3置換C4−10アルケンと少なくとも1種のC2−8アルケンとを、気相重合において重合触媒系を使用して重合させることを含む、アルケン共重合体の製造方法。
  2. 前記触媒系が粒状形態である、請求項1記載の方法。
  3. 前記触媒系が単座触媒を含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記単座触媒がメタロセンを含む、請求項3記載の方法。
  5. 前記触媒系がチーグラー・ナッタ触媒を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記触媒系が酸化クロム触媒を含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記C2−8アルケンがエチレン又はプロピレンである、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記3置換C4−10アルケンは、式(I)
    Figure 2012515821
    (式中、Rは置換の又は非置換の、有利には、非置換の、C1−6アルキル基であり、nは0〜6の間の整数である)
    の化合物である、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記3置換C4−10アルケンが3−メチル−1−ブテンである、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記方法が連続的である、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 触媒系の総生産性が固体触媒g当たり少なくとも1000gポリマーである、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記アルケン共重合体が共重合体の全質量を基準として0.01〜40質量%の量で3置換C4−10アルケンコモノマーを含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 前記アルケン共重合体が共重合体の全質量を基準として少なくとも60質量%の量でC2−8アルケンモノマーを含む、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 前記アルケン共重合体が2種のC2−8アルケンモノマー及び少なくとも1種の3置換C4−10アルケンモノマーを含む、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. 前記アルケン共重合体が0.01g/10分より高いMFR21を有する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
  16. 前記アルケン共重合体が単峰性である、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 前記方法が濃縮モード又は超濃縮モードで実施される、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. 前記アルケン共重合体が1200質量ppm未満の灰を含む、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
  19. 前記重合が10モル%より低いC3−8アルカン濃度で実施される、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
  20. 前記3置換C4−10アルケンが、気相重合反応器に連続的に供給される液体の5質量%を上回って占める、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
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