JP6527519B2 - 増加した分子量分布を持つポリエチレン - Google Patents

増加した分子量分布を持つポリエチレン Download PDF

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Description

チーグラー・ナッタ触媒は、ポリエチレン及びそのコポリマーを生成するために広く使用されている。塩化マグネシウム及び/またはシリカ等の固体担体上にチタン錯体を析出させること等のチーグラー・ナッタ触媒を作製するための多くの変型及び方法が存在する。チーグラー・ナッタ触媒は、生成が比較的安価であり、通常、高レベルの生産性でポリマー生成物を生成する。
典型的なチーグラー・ナッタ生成物は、約2.0を超える、より一般的に約3.0を超える分子量分布(MWD)と、約24〜約28の範囲のI21/Iとして定義されるメルトフロー比(MFR)とを有する。チーグラー・ナッタ触媒樹脂から生成されたポリエチレンフィルムは、優れた靱性及び引裂特性で知られている。これらのポリエチレンフィルムを作製するときの生成率を増加させるために、乾式混合による押出前に、高圧低密度ポリエチレン(LDPE)をチーグラー・ナッタ触媒樹脂に付加することが一般的であり、これはモータ負荷及び押出機圧を低減し、ブローフィルムの気泡安定性を改善して、流延フィルムの延伸共鳴を低減することもできる。LDPEを直鎖及び実質的に直鎖のポリエチレン(ポリエチレンコポリマーを含む)に添加して、溶融強度を増加させ、延伸共鳴を抑制することもできる。増加した溶融強度は、厚ゲージブローフィルムの生成において、特に、例えば、農業用フィルムの生成において、大きな直径の気泡が必要であるとき、特に重要である。延伸共鳴の抑制は、流延プロセス及び押出コーティングにおいて特に重要であり、これらはいずれも、多くの場合、生成率が延伸共鳴の発生によって制限される。
しかしながら、高圧低密度ポリエチレンの使用は、チーグラー・ナッタ触媒樹脂の大部分の物理的特性に有害である。例えば、4重量%という低さの量の高圧低密度ポリエチレンは、エチレン−ヘキセンコポリマーにエチレン−ブテンコポリマーの特性を想定させることができる。この望ましくない結果は、フィルムのゲージを増加させること、及び/またはチーグラー・ナッタ触媒樹脂のメルトインデックスを低下させることによってある程度相殺され得るが、これらの手法はいずれも、高圧低密度ポリエチレンを付加するというプロセス利益を妨害する。
したがって、改善された触媒が、MFRによって表される、著しく増加した分子量分布を有するポリエチレンコポリマーを生成する必要性が存在する。例えば、高圧低密度ポリエチレンにブレンドすることを必要とせずに、フィルム組成物中で使用され得る、約28を超える、または約35を超えるMFRを有するポリマー生成物の必要性が存在する。
オレフィン重合触媒を作製するための方法、及びそれらの触媒を使用してポリマーを作製するための方法が本明細書中で開示される。触媒を作製するための方法は、第1の反応生成物を形成するための反応条件下で1つ以上の担体を1つ以上のマグネシウム含有化合物と組み合わせることを含み得る。アルミニウムアルキル塩化物及びクロロ置換シランから選択される1つ以上の塩素化化合物は、第2の反応生成物を形成するための反応条件下で第1の反応生成物と組み合わされ得る。チタンアルコキシド及びチタンハロゲン化物から選択される1つ以上のチタン含有化合物は、触媒を形成するための反応条件下で第2の反応生成物と組み合わされ得る。
ポリエチレンを作製するための方法は、ポリエチレンを生成するのに十分な条件で、重合反応器内でエチレンをチーグラー・ナッタ触媒と組み合わせることを含み得る。ポリエチレンは、約4.5〜約14の分子量分布(MWD)と、伸長粘度フィクスチャー(EVF)によって測定されるように、約0.75を超えるひずみ硬化の勾配と、8.33+(4.17×MWD)以上のメルトフロー比(MFR)と、を有し得る。
実施例19のコモノマー不均一性指数(CHI)を計算するために使用される、結晶化溶出分別(CEF)データのグラフ表示を描く。 実施例18のCEFデータと、比較例C12、実施例19のCEFデータと比較例C13をそれぞれ比較する、グラフ表示を描く。 実施例18のCEFデータと、比較例C12、実施例19のCEFデータと比較例C13をそれぞれ比較する、グラフ表示を描く。 実施例18及び19、ならびに比較例C12、C13、及びC3のひずみ硬化率(0.1s−1)のグラフ表示を描く。 実施例1ならびに比較例C3及びC15について、溶融強度のグラフ表示を描く。
オレフィン重合触媒を作製するための方法が本明細書中で開示される。この方法は、第1の反応生成物を形成するための反応条件の下で、1つ以上の担体を1つ以上のマグネシウム含有化合物と組み合わせることを含み得る。次に第1の反応生成物は、1つ以上のアルミニウムアルキル塩化物、1つ以上のクロロ置換シラン、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上の塩素化化合物と組み合わされ、第2の反応生成物を形成することができる。次に第2の反応生成物は、重合触媒を形成するための反応条件の下で、1つ以上のチタンアルコキシド、1つ以上のチタンハロゲン化物、及びそれらの組み合わせから選択される1つ以上のチタン含有化合物と組み合わされ得る。
いくつかの実施形態では、方法は、第1の反応生成物を形成するための反応条件の下で、1つ以上の担体を1つ以上のマグネシウム含有化合物と組み合わせることと、第2の反応生成物を形成するための反応条件の下で、1つ以上のアルミニウムアルキル塩化物を第1の反応生成物と組み合わせることと、重合触媒を形成するための反応条件の下で、1つ以上のチタンアルコキシドを第2の反応生成物と組み合わせることと、を含み得る。
いくつかの実施形態では、方法は、第1の反応生成物を形成するための反応条件の下で、1つ以上の担体を1つ以上のマグネシウム含有化合物と組み合わせることと、第2の反応生成物を形成するための反応条件の下で、1つ以上のクロロ置換シランを第1の反応生成物と組み合わせることと、触媒を形成するための反応条件の下で、1つ以上のチタンハロゲン化物を第2の反応生成物と組み合わせることと、を含み得る。
上記の方法では、1つ以上の担体及び1つ以上のマグネシウム含有化合物は、1つ以上の希釈剤の存在下で互いに組み合わされ得る。例えば、マグネシウム含有化合物及び担体は、1つ以上の芳香族炭化水素、1つ以上のシクロアルカン、またはそれらの任意の組み合わせの存在下で互いに組み合わされ得る。
上記の方法では、第1の反応生成物及び1つ以上の塩素化化合物は、1つ以上の希釈剤の存在下で互いに組み合わされ得る。
追加として、第2の反応生成物及び1つ以上のチタン含有化合物は、1つ以上の希釈剤の存在下で互いに組み合わされ得る。例えば、第2の反応生成物及び1つ以上のチタン含有化合物は、1つ以上の希釈剤の存在下で互いに組み合わされ、1つ以上の希釈剤と混合された触媒を提供することができる。そのような実施形態では、重合触媒を作製するための方法は、次に1つ以上の希釈剤を触媒から除去して、粉末状の乾燥触媒を提供することができる。
本明細書に記載される方法によって形成される触媒は、供与体化合物を本質的に含まなくてもよい。例えば、触媒は、アルコール、チオール、アミン、ホスフィン、エーテル、ケトン、及びエステルからなる群から選択される供与体化合物を本質的に含まなくてもよい。
いくつかの実施形態では、1つ以上の担体及び1つ以上のマグネシウム含有化合物は、約20℃〜約120℃の温度で互いに組み合わされ、約30分〜約24時間の範囲の時間混合されて第1の反応生成物を形成し得る。1つ以上の塩素化化合物及び第1の反応生成物は、次に約20℃〜約120℃の温度で互いに組み合わされ、約30分〜約24時間の範囲の時間混合されて第2の反応生成物を形成し得る。1つ以上のチタン含有化合物及び第2の反応生成物は、次に約20℃〜約120℃の温度で互いに組み合わされ、約30分〜約24時間の範囲の時間混合されて重合触媒を形成し得る。
上記の重合触媒は、改善された特性を有するポリエチレンを生成するのに十分な条件で、重合反応器内でエチレンと組み合わされ得る。ポリエチレンは、ホモポリマーであり得る、またはエチレン由来のコポリマー及び1つ以上のC〜C20α−オレフィンコモノマーであり得る、またはエチレン由来のコポリマー及び1つ以上のC〜Cα−オレフィンコモノマーであり得る。
ポリエチレンは、約4.5〜約14の分子量分布(MWD)と、伸長粘度フィクスチャー(EVF)によって測定される、約0.75を超えるひずみ硬化の勾配と、8.33+(4.17×MWD)以上のメルトフロー比(I21/I)と、を有し得る。ポリエチレンは、1,000炭素原子あたり約0.01超かつ1,000炭素原子あたり約0.07未満の長鎖分岐(LCB)を有することもできる。好適な実施形態では、長鎖分岐は、6より多くの炭素原子からなる。ポリエチレンは、約0.5未満のコモノマー不均一性指数(CHI)を有することもできる。
ポリエチレンは、0.945g/cm以上の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))以上の溶融強度とを有することができ、式中、aは1.5または1.75または1.9に等しい。
ポリエチレンは、0.945g/cm以下の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))以上の溶融強度とを有することができ、式中、aは1.2または1.5または1.9に等しい。
担体
本明細書中で使用される、「担体」及び「キャリア」という用語は、同じ意味で使用され、任意の担体物質または担体物質の組み合わせを示す。担体は、タルク、無機酸化物、及び無機塩化物等の1つ以上の多孔性物質であり得る、または含み得る。他の担体は、ポリスチレン等の樹脂性物質、ポリスチレンジビニルベンゼンポリオレフィン、もしくは他のポリマー化合物等の官能性もしくは架橋有機ポリマー、または任意の他の有機もしくは無機担体物質、またはそれらの混合物であり得る、または含み得る。担体は、非晶質物質、結晶性物質、または非晶質及び結晶性物質の混合物であり得る。例示的な無機酸化物は、2、3、4、5、12、13、または14族の元素の1つ以上の金属酸化物を含むことができる。例えば、無機酸化物は、アルミニウム、シリカ、チタン、ジルコニア、ボリア、亜鉛酸化物、マグネシウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。無機酸化物の例示的な組み合わせは、アルミナ−シリカ、シリカ−チタン、アルミナ−シリカ−チタン、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタン、及び同様のものを含むことができるが、それらに限定されない。少なくとも1つの実施例では、担体は、アルミニウム、シリカ、もしくはそれらの組み合わせであり得る、または含み得る。本明細書中で使用するように、周期表(Periodic Table of the Elements)及びその族への全参照は、Hawley’s Condensed Chemical Dictionaryの第13版(IUPACの許可の下再版された)、John Wiley & Sons,Inc.,(1997)で発表された、新たな表記法(New Notation)に対するものであるが、これは、参照が、ローマ数字で記載される以前のIUPAC形式(またはその形式内に表記されるもの)に対して行われない場合、または、別途指示されない場合に限る。
担体は、1つ以上のヒドロキシル基を含むことができ、例えば、シリカ含有担体は、担体内及び/またはその上にシラノール(Si−OH)基を含むことができる。ヒドロキシル基は、担体1グラムあたり低くは約0.1ミリモル(mmol)、約0.2mmol、約0.3mmol、約0.4mmol、または約0.5mmolから高くは約1mmol、約2mmol、約3mmol、約4mmol、または約5mmolの範囲の量で存在し得る。例えば、ヒドロキシル基は、担体1グラムあたり約0.3mmol〜約5mmol、約0.5mmol〜約2mmol、約0.5mmol〜約0.9mmol、または約0.6mmol〜約1mmolの量で存在し得る。担体上に存在するヒドロキシル基の数が所望の量を超える場合、過剰なヒドロキシ基は、十分な時間、十分な温度で担体を加熱することによって除去され得る。例えば、比較的少数のヒドロキシル基は、担体を約150℃〜約250℃の温度に加熱することによって除去され得るが、比較的多数のヒドロキシル基は、約500℃〜約800℃、または約550℃〜650℃の温度で加熱することによって除去され得る。担体は、例えば、約1時間〜約20時間、または約4時間〜約16時間の範囲の時間加熱され得る。シリカ中の表面ヒドロキシル濃度は、J.B.Peri,and A.L.Hensley,Jr.,J.Phys.Chem.,vol.72,No.8,p.2926(1968)に従って決定することができる。担体を加熱して任意のヒドロキシル基の少なくとも一部分を除去することの代替例は、化学的手段を含み得る。例えば、所望の分画のヒドロキシル基を、ヒドロキシル反応性有機アルミニウム化合物等の化学剤、例えば、トリエチルアルミニウムと反応させることができる。
2つ以上の無機酸化物を含む担体は、互いに対して任意の比率または量の各無機酸化物を有することができる。例えば、アルミナ−シリカ触媒担体は、アルミナ及びシリカの総量に基づいて、約1重量%のアルミナ〜約99重量%のアルミナを含むことができる。別の実施例では、アルミナ−シリカ触媒担体は、低くは約2重量%、約5重量%、約15重量%、または約25重量%から高くは約50重量%、約60重量%、約70重量%、または約90重量%の範囲のアルミナ濃度を有することができる。混合された無機酸化物担体は、任意の適切な方法を使用して調製され得る。例えば、シリカ担体は、1つ以上のアルミニウム化合物と混合、ブレンド、接触、または他の方法で組み合わされ、シリカ担体及びアルミニウム化合物(複数可)の混合物を生成することができる。別の実施例では、シリカ担体は、水及び/またはアルコール溶液中の1つ以上のアルミニウム化合物と混合され、乾燥されてシリカ担体及びアルミニウム化合物(複数可)混合物を生成することができる。適切なアルコールは、1〜5炭素原子を有するアルコール、及びそれらの混合物または組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例えば、アルコールは、メタノール、エタノール、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、及び同様のものであり得る、または含み得る。適切なアルミニウム化合物は、一酢酸アルミニウム((HO)AIC)、二酢酸アルミニウム(HOAI(C)、及び三酢酸アルミニウム(AI(C)、水酸化アルミニウム(AI(OH))、二酢酸アルミニウム水酸化物(AI(OAc)OH)、アルミニウムトリアセチルアセトネート、フッ化アルミニウム(AIF)、ヘキサフルオロアルミニウムナトリウム(NaAIF)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
シリカ担体及びアルミニウム化合物(複数可)の混合物は、1つ以上の不活性ガスの存在下、またはそれらの任意の順序/組み合わせで加熱(焼成)され、アルミナ−シリカ触媒担体を生成することができる。本明細書中で使用される、「酸化体」という用語は、空気、酸素、超ゼロ空気、酸素/不活性ガス混合、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。不活性ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴン、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。還元ガスは、水素、一酸化炭素、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
シリカ担体及びアルミニウム化合物(複数可)の混合物は、窒素ガスまたは他の不活性ガスの下で第1の温度に加熱され得る。第1の温度に加熱した後に、窒素ガスを停止させることができ、1つ以上の酸化体を導入することができ、温度を第2の温度に高めることができる。例えば、シリカ担体及びアルミニウム化合物(複数可)の混合物は、不活性雰囲気の下で約200℃の温度に加熱することができ、酸化体を導入することができ、次に混合物を約450℃〜約1,500℃の温度に加熱してアルミナ−シリカ触媒担体を生成することができる。第2の温度は、低くは約250℃、約300℃、約400℃、または約500℃から高くは約600℃、約650℃、約700℃、約800℃、または約900℃の範囲であり得る。例えば、第2の温度は、約400℃〜約850℃、約800℃〜約900℃、約600℃〜約850℃、または約810℃〜約890℃の範囲であり得る。シリカ担体及びアルミニウム化合物(複数可)の混合物は、約1分〜約100時間の範囲の期間に、第2の温度で加熱及び保持され得る。例えば、シリカ担体及びアルミナ化合物(複数可)の混合物は、低くは約30分、約1時間、または約3時間から高くは約10時間、約20時間、または約50時間の範囲の期間に、第2の温度で加熱及び保持され得る。1つ以上の実施形態では、シリカ担体及びアルミナ化合物(複数可)の混合物は、中間または第1の温度に加熱することなく、周囲温度から第2またはそれより上の温度に加熱され得る。シリカ担体及びアルミナ化合物(複数可)の混合物は、窒素雰囲気もしくは1つ以上の酸化体を含むように変性され得る他の不活性雰囲気の下で最初に加熱され得る、またはその雰囲気は、周囲温度からの初期加熱において1つ以上の酸化体であり得るか、もしくは含み得る。
担体は、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、またはアニオンの組み合わせの1つ以上の源と混合、ブレンド、接触、または他の方法で組み合わされ、無機酸化物触媒担体及びアニオンの混合物を生成することができ、それらを加熱または焼成して適切な担体を生成することができる。担体を、臭素、フッ素、塩素、臭素、フッ素、及び/もしくは塩素含有化合物、またはそれらの任意の組み合わせと接触させることができる。適切な担体は、臭素化シリカ、臭素化シリカ−チタン、フッ素化シリカ、フッ素化シリカ−アルミナ、フッ素化シリカ−ジルコニア、フッ素化−塩素化シリカ、フッ素化シリカ−チタン、塩素化シリカ、硫酸化シリカ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。担体は、1つ以上のハロゲン化物イオン源及び/または硫酸イオン源に加えて、または代わりに1つ以上の金属イオンで処理することもできる。例示的な金属イオンは、銅、ガリウム、モリブデン、銀、スズ、タングステン、バナジウム、亜鉛、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。適切な活性化担体は、PCT公開第WO2011/103402号で考察及び記載されるものを含み得る。
担体は、低くは約0.1μm、約0.3μm、約0.5μm、約1μm、約5μm、約10μm、または約20μmから高くは約50μm、約100μm、約200μm、または500μmの範囲の平均粒径を有することができる。担体は、約10Å〜約1,000Å、好ましくは約50Å〜約500Å、及びより好ましくは約75Å〜約350Åの範囲の平均細孔径を有することができる。担体は、低くは約0.01cm/g、約0.1cm/g、約0.8cm/g、または約1cm/gから高くは約2cm/g、約2.5cm/g、約3cm/g、または約4cm/gの範囲の細孔体積を有することができる。担体の内部多孔性は、Journal of the American Chemical Society,60,pp.209−319(1938)においてS.Brunauer、P.Emmett、及びE.Tellerによって記載される、BET技法と呼ばれる技法によって決定され得る。担体は、低くは約1m/g、約50m/g、または約100m/gから高くは約400m/g、約500m/g、または約800m/gの範囲の表面積を有することができる。担体の表面積は、British Standards BS 4359,Volume 1,(1969)に記載される標準化方法の使用とともに、上述のBET技法に従って測定され得る。
適切な市販のシリカ担体は、PQ Corporationから入手可能なES757、ES70、及びES70Wを含むことができるが、それらに限定されない。適切な市販のシリカ−アルミナ担体は、SASOL(登録商標)から入手可能なSIRAL(登録商標)1、SIRAL(登録商標)5、SIRAL(登録商標)10、SIRAL(登録商標)20、SIRAL(登録商標)28M、SIRAL(登録商標)30、及びSIRAL(登録商標)40、ならびにW.R.Grace & Coから入手可能なDavison 948、Davison 952、及びDavison 955を含むことができるが、それらに限定されない。
適切な担体は、米国特許第4,173,547号、同第4,701,432号、同第4,808,561号、同第4,912,075号、同第4,925,821号、同第4,937,217号、同第5,008,228号、同第5,238,892号、同第5,240,894号、同第5,332,706号、同第5,346,925号、同第5,422,325号、同第5,466,649号、同第5,466,766号、同第5,468,702号、同第5,529,965号、同第5,554,704号、同第5,629,253号、同第5,639,835号、同第5,625,015号、同第5,643,847号、同第5,665,665号、同第5,698,487号、同第5,714,424号、同第5,723,400号、同第5,723,402号、同第5,731,261号、同第5,759,940号、同第5,767,032号、及び同第5,770,664号、ならびに第WO95/32995号、第WO95/14044号、第WO96/06187号、及び第WO97/02297号に記載される通りであり得る。
マグネシウム含有化合物
1つ以上のマグネシウム含有化合物は、式R−Mg−Rによって表すことができ、式中、R及びRは、ヒドロカルビル基及びハロゲン原子からなる群から独立して選択される。適切なヒドロカルビル基は、アルキル基、アリール基、及びアルコキシ基を含むことができるが、それらに限定されない。アルキル基、及び/またはアルコキシ基は、1〜12炭素原子、または1〜10炭素原子、または1〜8炭素原子、または1〜6炭素原子、または1〜4炭素原子を含むことができる。アリール基は、6〜12炭素原子、または6〜10炭素原子、または6〜8炭素原子を含むことができる。適切なハロゲンは、フッ素、塩素、及び臭素を含むことができる。
例示的なマグネシウム含有化合物は、ジアルキルマグネシウム、ジシクロアルキルマグネシウム、ジアリールマグネシウム、アルキルマグネシウムハロゲン化物、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なジアルキルマグネシウムは、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジ−イソプロピルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシウム、ジ−イソブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジ−n−オクチルマグネシウム、ジ−n−ヘキシルマグネシウム、ジ−n−デシルマグネシウム、ジ−n−ドデシルマグネシウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なジシクロアルキルマグネシウムは、ジシクロヘキシルマグネシウム、ジシクロペンチルマグネシウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なジアリールマグネシウムは、ジベンジルマグネシウム、ジトリルマグネシウム、ジキシリルマグネシウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。2つの異なるアルキル基を含む例示的なマグネシウムアルキルは、エチル−n−プロピルマグネシウム、エチル−n−ブチルマグネシウム、アミル−n−ヘキシルマグネシウム、n−ブチル−s−ブチルマグネシウム、n−ブチル−n−オクチルマグネシウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なアルキマグネシウムハロゲン化物は、塩化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、n−塩化ブチルマグネシウム、t−塩化ブチルマグネシウム、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、n−臭化ブチルマグネシウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
マグネシウムアルキルが、分子の混合物を含有し得ることに留意されたい。例えば、塩化エチルマグネシウムは、塩化エチルマグネシウム自体以外の分子の混合物を含有し得る。例えば、液体または溶媒が塩化エチルマグネシウムと組み合わされる場合、塩化エチルマグネシウムは、不均衡化して二塩化マグネシウム及びジエチルマグネシウムの混合物を形成し得る。そのような混合物は、一般式RMgR内に含まれる。したがって、式R−Mg−Rの組成物及びそれを代表する組成物が、これらの組成物の分子式を記載するというよりもこれらの組成物の実験式全体を表すことが意図されることを理解されたい。
第1の反応生成物
担体及びマグネシウム含有化合物は、互いに組み合わされて第1の混合物または第1の反応生成物を提供または形成することができる。担体及びマグネシウム含有化合物は、それらの混合中に少なくとも部分的に互いに反応することができる。言い換えれば、担体及びマグネシウム含有化合物は、該担体及びマグネシウム含有化合物が少なくとも部分的に互いに反応して、第1の反応混合物または第1の反応生成物を形成するような反応条件の下で互いに組み合わされ得る。例えば、担体が1つ以上のヒドロキシル基を含有する場合、マグネシウム含有化合物は、ヒドロキシル基のうちの少なくともいくつかと反応して、第1の反応混合物または第1の反応生成物を生成することができる。
担体及びマグネシウム含有化合物の混合物は、例えば、低くは約20℃、約25℃、または約30℃から高くは約60℃、約75℃、または約120℃の範囲の温度に加熱することができ、適切な範囲は、任意の低い方の温度と任意の高い方の温度との組み合わせを含む。希釈剤が存在する場合、混合物の温度は、希釈剤の沸点より下に維持され得る。担体及びマグネシウム含有化合物は、低くは約15分、約30分、約1時間、約2時間、または約3時間から高くは約5時間、約10時間、約15時間、約20時間、約25時間、またはそれ以上の範囲の時間に、混合、ブレンド、撹拌、または他の方法で揺動され得る。担体及びマグネシウム含有化合物は、互いに組み合わされ、真空下、例えば50kPaで混合され得る。担体及びマグネシウム含有化合物は、互いに組み合わされ、大気圧で混合され得る。担体及びマグネシウム含有化合物は、互いに組み合わされ、圧力、例えば、約102kPa〜約500kPaの範囲の圧力下で混合され得る。担体及びマグネシウム含有化合物は、不活性雰囲気の下で互いに組み合わされ得る。不活性雰囲気は、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはそれらの任意の組み合わせであり得る、または含むことができるが、それらに限定されない。別の実施例では、担体及びマグネシウム含有化合物は、実質的に不活性の雰囲気下で互いに組み合わされ得る。実質的に不活性の雰囲気は、約5mol%未満の酸素、約3mol%未満の酸素、約2mol%未満の酸素、約1mol%未満の酸素、約0.5mol%未満の酸素、約0.1mol%未満の酸素、または約0.05mol%未満の酸素を含有する雰囲気であり得る。
担体と組み合わされたマグネシウム含有化合物の量は、担体1グラムあたり低くは約0.2mmol、約0.5mmol、約1mmol、約1.5mmol、または約2mmolから高くは約3mmol、約4mmol、約6mmol、約8mmol、または約12mmolの範囲であり得、適切な範囲は、任意の低い方の量と任意の高い方の量との組み合わせを含む。例えば、担体と組み合わされたマグネシウム含有化合物の量は、担体1グラムあたり約0.3mmol〜約10mmol、約1mmol〜約7mmol、約1.5mmol〜約5mmol、約1.5mmol〜約4mmol、または約2mmol〜約3mmolのマグネシウム含有化合物の範囲であり得る。
担体がマグネシウム含有化合物に付加される、またはマグネシウム含有化合物が担体に付加される場合、担体またはマグネシウム含有化合物は、全て一度に、またはある期間にわたって付加され得る。マグネシウム含有化合物は、低くは約1分、約5分、約10分、または約15分から高くは約45分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、またはそれ以上の範囲の期間にわたって付加され得る。例えば、マグネシウム含有化合物は、約15分〜約45分、約20分〜約1時間、または約30分〜約1.5時間の時間にわたって担体に付加され得る。担体及びマグネシウム含有化合物は、マグネシウム含有化合物が担体に付加されている間に、連続的または断続的に撹拌され得る。
担体及びマグネシウム含有化合物は、1つ以上の希釈剤の存在下で互いに組み合わされ、その溶液またはスラリーを形成することができる。希釈剤は、存在する場合、担体、マグネシウム含有化合物、または担体及びマグネシウム含有化合物の混合物のスラリーを形成するために適した任意の液体溶媒または液体溶媒の組み合わせであり得る。例示的な希釈剤は、1つ以上のアルカン、1つ以上の芳香族炭化水素、1つ以上のシクロアルカン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なアルカンは、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、それらの構造異性体、それらの立体異性体、それらのエナントマー、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的な芳香族炭化水素は、ベンゼン、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なシクロアルカンは、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
希釈剤の量は、存在する場合、担体及びマグネシウム含有化合物のスラリーを生成するために十分であり得る。希釈剤の量は、担体1グラムあたり低くは約0.5g、約1g、約2g、または約2.5gから高くは約5g、約7g、約10g、または約25gの範囲であり得、適切な範囲は、任意の低い方の量と任意の高い方の量との組み合わせを含む。例えば、希釈剤の量は、存在する場合、担体1グラムあたり約1.5g〜約25g、約2g〜約20g、約1g〜約15g、約2.5g〜約6g、約0.5g〜約8g、または約2.5g〜約5.5gの範囲であり得る。
担体及びマグネシウム含有化合物は、任意の適切な容器または管内で互いに組み合わされ得る。容器は、開放型容器または閉じる、もしくは密封することができる容器であり得る。容器は、担体及びマグネシウム含有化合物の混合物を混合、ブレンド、または他の方法で揺動させることができる1つ以上のデバイス、システム、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、容器は、1つ以上の機械的/電力混合器等の1つ以上の混合デバイス、及び/または音波混合器等の音響混合器を含むことができる。容器は、その中の温度を制御または調節することができる1つ以上の加熱ジャケット、加熱コイル、内部加熱素子、冷却ジャック、冷却コイル、内部冷却素子、または同様のものを含むことができる。
第2の反応生成物
担体及びマグネシウム含有化合物が、所望の期間に互いに混合された、及び/または少なくとも部分的に反応した後に、1つ以上の塩素化化合物を第1の混合物または第1の反応生成物と組み合わせて、第2の混合物または第2の反応生成物を提供または形成することができる。例示的な塩素化化合物は、塩化アルミニウムアルキル、1つ以上の塩素原子、フッ素原子、臭素原子、もしくはそれらの任意の組み合わせを含有するハロ置換シラン、有機塩素、またはそれらの任意の組み合わせであり得る、または含むことができるが、それらに限定されない。例示的な塩化アルミニウムアルキルは、塩化ジエチルアルミニウム、塩化ジイソブチルアルミニウム、二塩化エチルアルミニウム、セスキ塩化エチルアルミニウム、二塩化イソブチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なハロ置換シランは、ジメチルジクロロシラン、クロロトリメチルシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、t−塩化ブチルジメチレシリル、n−ブチルトリクロロシラン、塩化トリエトキシシリル、塩化トリメトキシシリル、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、ジメチルジブロモシラン、トリメチルブロモシラン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的な有機塩素は、t−塩化ブチル、テトラクロロメタン、クロロホルム、塩化メチル、トリブロモメタン、テトラブロモメタン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。1つ以上の実施形態では、1つ以上の塩素化化合物は、1つ以上の塩化アルミニウムアルキルまたは1つ以上のハロ置換シランのいずれかに限定され得る。1つ以上の実施形態では、1つ以上の塩素化化合物は、少なくとも1つの塩化アルミニウムアルキル及び少なくとも1つのハロ置換シランを含むことができる。
塩素化化合物及び第1の反応生成物は、少なくとも部分的に互いに反応して、第2の反応生成物を生成することができる。言い換えれば、第1の反応生成物及び塩素化化合物の混合物は、該第1の反応生成物及び塩素化化合物が少なくとも部分的に互いに反応して、第2の反応混合物または第2の反応生成物を形成するような反応条件の下で互いに組み合わされ得る。例えば、塩素化化合物は、第1の反応生成物中のマグネシウム含有化合物と反応して、第2の反応混合物または第2の反応生成物を生成することができる。
塩素化化合物は、第1の反応生成物に付加され得る、または逆に第1の反応生成物が、塩素化化合物に付加され得る。塩素化化合物は、第1の反応生成物と直接組み合わされ得る、または塩素化化合物は、溶液またはスラリーの形態であり得る。例えば、塩素化化合物は、1つ以上の希釈剤と組み合わされて、その溶液またはスラリーを形成することができる。塩素化化合物の溶液またはスラリーは、第1の反応生成物と組み合わされて、第2の混合物または第2の反応生成物を生成することができる。適切な希釈剤は、上で考察及び記載された1つ以上のアルカン、1つ以上の芳香族炭化水素、1つ以上のシクロアルカン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
塩素化化合物及び第1の反応生成物は、任意の適切な容器または管内で互いに組み合わされ得る。例えば、塩素化化合物は、第1の反応生成物が生成された同じ管内で第1の反応生成物と組み合わされ得る。塩素化化合物及び第1の反応生成物は、容器または管内で互いに同時に組み合わされ得る。塩素化化合物が第1の反応生成物に付加される、または第1の反応生成物が塩素化化合物に付加される場合、塩素化化合物または第1の反応生成物は、全て一度に、またはある期間にわたって付加され得る。例えば、塩素化化合物は、全て一度に第1の反応生成物に付加され得る。別の実施例では、塩素化化合物は、低くは約1分、約5分、約10分、または約15分から高くは約45分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、またはそれ以上の範囲の期間にわたって第1の反応生成物に付加され得る。別の実施例では、塩素化化合物は、約15分〜約45分、約20分〜約1時間、または約30分〜約1.5時間の期間にわたって第1の反応生成物に付加され得る。塩素化化合物及び第1の反応生成物は、塩素化化合物が第1の反応生成物に付加されている間に、連続的または断続的に撹拌され得る。
第1の反応生成物と組み合わされる塩素化化合物の量は、担体1グラムあたり低くは約0.2mmol、約0.5mmol、約1mmol、約1.5mmol、または約2mmolから高くは約5mmol、約7mmol、約10mmol、約15mmol、または約20mmolの範囲であり得、適切な範囲は、任意の低い方の量と任意の高い方の量との組み合わせを含む。例えば、第2の反応生成物は、担体1グラムあたり約0.25mmol〜約20mmol、約1mmol〜約10mmol、約1.5mmol〜約7mmol、または約2mmol〜約5mmolの塩素化化合物を含有することができる。
第1の反応生成物及び塩素化化合物の混合物は、例えば、低くは約20℃、約25℃、または約30℃から高くは約60℃、約75℃、または約120℃の範囲の温度に加熱することができ、適切な範囲は、任意の低い方の温度と任意の高い方の温度との組み合わせを含む。希釈剤が存在する場合、第2の混合物の温度は、希釈剤の沸点より下に維持され得る。塩素化化合物及び第1の反応生成物は、低くは約15分、約30分、約1時間、約2時間、または約3時間から高くは約5時間、約10時間、約15時間、約20時間、約25時間、またはそれ以上の範囲の時間に、混合、ブレンド、撹拌、または他の方法で揺動され得る。塩素化化合物及び第1の反応生成物は、互いに組み合わされ、真空下、例えば50kPaで混合され得る。塩素化化合物及び第1の反応生成物は、互いに組み合わされ、大気圧で混合され得る。塩素化化合物及び第1の反応生成物は、互いに組み合わされ、圧力、例えば、約102kPa〜約500kPaの範囲の圧力下で混合され得る。担体及び第1の反応生成物及び塩素化化合物は、不活性雰囲気の下で互いに組み合わされ得る。
第3の反応生成物
塩素化化合物及び第1の反応生成物が、所望の期間に互いに混合された、及び/または反応した後、1つ以上のチタン含有化合物を第2の混合物または第2の反応生成物と組み合わせて、触媒を生成または形成することができる。チタン含有化合物及び第2の反応生成物は、それらを混合している間、少なくとも部分的に互いに反応することができる。言い換えれば、第2の反応生成物は、触媒を生成または形成する反応条件の下で、1つ以上のチタン含有化合物と組み合わされ得る。例えば、チタン含有化合物は、第2の反応生成物と反応して第3の反応混合物または触媒を生成することができる。触媒は、チタン含有化合物と第2の反応生成物との間の反応生成物を含むことができる。
例示的なチタン含有化合物は、1つ以上のチタンハロゲン化物、1つ以上のチタンアルコキシド、1つ以上のチタンアミド、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なチタンハロゲン化物は、塩化チタン(IV)、臭化チタン(IV)、フッ化チタン(IV)、ヨウ化チタン(IV)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なチタンアルコキシドは、テトライソプロピルチタン酸塩、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)n−ブトキシド、チタン(IV)t−ブトキシド、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。例示的なチタンアミドは、テトラキス(ジメチルアミン)チタン(IV)を含むことができるが、それらに限定されない。
1つ以上のチタン含有化合物は、第2の反応生成物に付加され得る、または逆に第2の反応生成物が、遷移金属化合物に付加され得る。チタン含有化合物は、第2の反応生成物と直接組み合わされ得る、またはチタン含有化合物は、溶液もしくはスラリーの形態であり得る。例えば、チタン含有化合物は、1つ以上の希釈剤と組み合わされて、その溶液またはスラリーを形成することができる。チタン含有化合物の溶液またはスラリーは、第2の反応生成物と組み合わされて触媒を生成することができる。適切な希釈剤は、上で考察及び記載された1つ以上のアルカン、1つ以上の芳香族炭化水素、1つ以上のシクロアルカン、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
チタン含有化合物及び第2の反応生成物は、任意の適切な容器または管内で互いに組み合わされ得る。例えば、チタン含有化合物は、第2の反応生成物が生成された同じ管内で第2の反応生成物と組み合わされ得る。チタン含有化合物及び第2の反応生成物は、容器または管内で互いに同時に組み合わされ得る。チタン含有化合物が第2の反応生成物に付加される、または第2の反応生成物がチタン含有化合物に付加される場合、チタン含有化合物または第2の反応生成物は、全て一度に、またはある期間にわたって付加され得る。例えば、チタン含有化合物は、全て一度に第2の反応生成物に添加され得る。別の実施例では、チタン含有化合物は、低くは約1分、約5分、約10分、または約15分から高くは約45分、約1時間、約2時間、約4時間、約6時間、またはそれ以上の範囲の期間にわたって第2の反応生成物に付加され得る。別の実施例では、チタン含有化合物は、約15分〜約45分、約20分〜約1時間、または約30分〜約1.5時間の期間にわたって第2の反応生成物に付加され得る。チタン含有化合物及び第2の反応生成物は、チタン含有化合物が第2の反応生成物に付加されている間に、連続的または断続的に撹拌され得る。
触媒中のチタン含有化合物の量は、担体1グラムあたり低くは約0.05mmol、約0.1mmol、約0.5mmol、約1mmol、または約2mmolから高くは約3mmol、約4mmol、約6mmol、約8mmol、または約12mmolの範囲であり得、適切な範囲は、任意の低い方の量と任意の高い方の量との組み合わせを含む。例えば、触媒は、担体1グラムあたり約0.1mmol〜約8mmol、約0.5mmol〜約6mmol、約1mmol〜約4mmol、または約2mmol〜約3mmolのチタン含有化合物を含有することができる。
チタン含有化合物及び第2の反応生成物の混合物は、例えば、低くは約20℃、約25℃、または約30℃から高くは約60℃、約75℃、または約120℃の範囲の温度に加熱することができ、適切な範囲は、任意の低い方の温度と任意の高い方の温度との組み合わせを含む。希釈剤が存在する場合、第2の混合物の温度は、希釈剤の沸点より下に維持され得る。チタン含有化合物及び第2の反応生成物は、低くは約15分、約30分、約1時間、約2時間、または約3時間から高くは約5時間、約10時間、約15時間、約20時間、約25時間、またはそれ以上の範囲の時間に、混合、ブレンド、撹拌、または他の方法で揺動され得る。チタン含有化合物及び第2の反応生成物は、互いに組み合わされ、真空下、例えば50kPaで混合され得る。チタン含有化合物及び第2の反応生成物は、互いに組み合わされ、大気圧で混合され得る。チタン含有化合物及び第2の反応生成物は、互いに組み合わされ、圧力、例えば、約102kPa〜約500kPaの範囲の圧力下で混合され得る。第2の反応生成物及びチタン含有化合物は、空気中または内部大気下で互いに組み合わされ得る。不活性雰囲気は、窒素、アルゴン、またはそれらの任意の組み合わせであり得る、または含むことができるが、それらに限定されない。
希釈剤が触媒の調製において、例えば、第1の反応生成物、第2の反応生成物、及び/またはチタン含有化合物及び第2の反応生成物の混合物の調製において使用される場合、希釈剤の少なくとも一部分が除去され得る。希釈剤は、任意の適切なプロセスを使用して除去され得る。例えば、希釈剤は、真空下でスラリー化触媒を置くこと、希釈剤を蒸発させるために十分な温度にスラリーを加熱すること、またはそれらの組み合わせによって触媒から除去され、乾燥自由流動触媒を生成することができる。そのようにして、触媒は、スラリーの形態であり得るか(すなわち、希釈剤が触媒を生成する際に使用された)、または触媒は、粉末の形態であり得る(すなわち、希釈剤が使用されなかったか、または希釈剤が存在していた場合は、十分な量の希釈剤がそこから除去され、粉末状触媒を生成したかのいずれかである)。1つ以上の実施形態では、触媒は、結晶相もしくは構造、非晶質相もしくは構造、または結晶相及び非晶質相の混合物を有することができる。
1つ以上の実施形態では、触媒は、1つ以上の塩化アルミニウムアルキルを塩素化化合物として含む場合、チタン含有化合物は、1つ以上のチタンアルコキシド、1つ以上のチタンアミド、またはそれらの組み合わせを含むことができる。1つ以上の実施形態では、触媒が1つ以上の置換シランを塩素化化合物として含む場合、チタン含有化合物は、1つ以上のチタンハロゲン化物を含むことができる。言い換えれば、チタン含有化合物がチタンハロゲン化物である場合、塩素化化合物は、1つ以上の置換シランであり得る。同様に、チタン含有化合物がチタンアルコキシド及び/またはチタンアミドである場合、塩素化化合物は、1つ以上の塩化アルミニウムアルキルであり得る。少なくとも1つの特定の実施形態では、塩素化化合物が1つ以上の塩化アルミニウムアルキルを含む場合、塩素化化合物は、いずれの意図的に付加された置換シランも含み得ない、または本質的に含み得ない。少なくとも1つの他の特定の実施形態では、塩素化化合物が1つ以上の置換シランを含む場合、塩素化化合物は、いずれの意図的に付加された塩化アルミニウムアルキルも含み得ない、または本質的に含み得ない。
1つ以上の実施形態では、触媒は、いずれの電子供与体もしくは供与体化合物も含み得ない、または本質的に含み得ない。本明細書中で使用される、「いずれの電子供与体も本質的に含まない」及び「いずれの供与体化合物も本質的に含まない」という用語は、同じ意味で使用され、触媒が、触媒の総重量に基づいて、約1重量%未満の電子供与体を含有することを意味する。例えば、いずれの電子供与体も本質的に含まない触媒は、触媒の総重量に基づいて、約1重量%未満、約0.7重量%未満、約0.5重量%未満、約0.3重量%未満、約0.1重量%未満、または約0.05重量%未満の電子供与体を含有することができる。本明細書中で使用される、「電子供与体」という用語は、化学共有結合及び/または配位結合及び/または付加物形成において使用される1つ以上の電子を供与する化合物を示す。電子供与体は、アルコール、チオール、アミン、ホスフィン、エーテル、ケトン、及びエステルを含む。
本明細書中で使用される、「アルコール」という用語は、式ROHを有する化学化合物を指し、式中、Rは、任意の置換または非置換ヒドロカルビル基である。例示的なアルコールは、脂肪族アルコール、環式アルコール、及び芳香族アルコールを含む。脂肪族アルコールは、例えば、1〜約25炭素原子を有することができる。例示的な脂肪族アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、及び1−ドデカノールを含む。例示的な環式アルコールは、シクロヘキサノールを含む。例示的な芳香族アルコールは、t−ブチルフェノールを含む。
本明細書中で使用される、「エーテル」という用語は、式R−O−R′を有する化学化合物を指し、式中、R及びR′は、置換及び非置換ヒドロカルビル基から独立して選択される、またはR及びR′は、融合環を形成し、該融合環は、飽和または不飽和である。ヒドロカルビル基を含有する例示的なエーテルは、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルアリルエーテル、及びエチルビニルエーテルを含む。融合環を含有する例示的なエーテルは、テトラヒドロフラン及び2−メチルテトラヒドロフランを含む。
本明細書中で使用される、「ケトン」という用語は、式R(C=O)R′を有する化学化合物を指し、式中、R及びR′は、置換及び非置換ヒドロカルビル基から独立して選択され、その他はエーテルを参照して上に記載される通りである。例示的なケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンチルメチルケトン、3−ブロモ−4−ヘプタノン、及び2−クロロシクロペンタノンを含む。他の適切なケトンは、アリルメチルケトンと同様に、不飽和等の他の官能基を含み得る。
本明細書中で使用される、「エステル」という用語は、式R(C=O)OR′を有する化学化合物を指し、式中、カルボニル基の炭素原子は、炭素原子に対する1つの結合及び酸素原子に対する別の結合を形成し、式中、R及びR′は、置換または非置換ヒドロカルビル基から独立して選択される。例示的なエステルは、脂肪族及び芳香族カルボン酸のアルキルエステル、環式エステル、飽和エステル、及びハロゲン化エステルを含むことができる。エステルの特定の実施例は、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル、及び安息香酸エチルを含むことができる。
1つ以上の共触媒または活性剤は、触媒と組み合わされ得る。適切な共触媒は、アルミニウムアルキル化合物等の有機金属化合物を含むことができるが、それらに限定されない。例示的なアルミニウムアルキル化合物は、ハロゲン化ジアルキルアルミニウム、例えば、塩化ジアルキルアルミニウム、水素化ジアルキルアルミニウム、ハロゲン化アルキルアルミニウム、例えば、塩化アルキルアルミニウム、及びトリアルキルアルミニウム化合物を含むことができるが、それらに限定されない。アルミニウムアルキル化合物中のアルキル基は、1〜18、または1〜12、または1〜10、または1〜8、または1〜6の炭素原子を含むことができる。例えば、アルミニウムアルキル化合物中のアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、またはオクチルであり得る。好ましくは、共触媒は、トリアルキルアルミニウム化合物であり得る、または含むことができ、その中でアルキル基は、1〜18、または1〜12、または1〜10、または1〜8、または1〜6の炭素原子を含む。例示的なトリアルキルアルミニウム化合物は、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。他の適切な共触媒は、米国特許第3,787,384号、同第4,148,754号、及び同第4,481,301号で考察及び記載されるものを含み得る。
触媒と組み合わされ得る共触媒の量は、触媒中に含有されるチタン1mmolあたり低くは約0.1mmol、約0.5mmol、約1mmol、約2mmol、または約3mmolから高くは約10mmol、約20mmol、約50mmol、約100mmol、または約500mmolの範囲であり得る。例えば、触媒/共触媒混合物中の共触媒の濃度は、触媒中に含有されるチタン1mmolあたり約0.5mmol〜約150mmol、約1mmol〜約100mmol、約1mmol〜約75mmol、約1mmol〜約50mmol、約2mmol〜約30mmol、約2mmol〜約20mmol、約3mmol〜約15mmol、または約3mmol〜約10mmolの範囲であり得る。
本明細書で考察及び記載される触媒のうちの1つ以上で生成されるポリエチレン及びポリエチレンコポリマーが、固有の特性を有することは、意外かつ予想外の発見であった。例えば、本明細書で考察及び記載される1つ以上の触媒で生成されるポリエチレン及びそのコポリマーが、長鎖分岐(LCB)及び広い分子量分布(MWD)を有し得ることは、意外かつ予想外の発見であった。この特性の組み合わせは、チーグラー・ナッタ触媒で生成されるポリエチレンの中で固有であると考えられる。LCBは、反応器内で生成される顆粒ポリマーに固有である。LCB及び得られた溶融強度、ならびに他の関連特性は、ペレット化プロセス中に著しく変性されない。広いMWD及びLCBの組み合わせは、実質的に増加した押出加工性及びペレット化費用の結果的低減とともに、低減した電力消費及び/または増加した生成率を持つポリマーをもたらす。
「ポリエチレン」という用語は、少なくとも50重量%のエチレン由来単位を有するポリマーを示す。例えば、ポリエチレンは、少なくとも50重量%のエチレン由来単位、少なくとも70重量%のエチレン由来単位、少なくとも80重量%のエチレン由来単位、90重量%のエチレン由来単位、95重量%のエチレン由来単位、または100重量%のエチレン由来単位を有することができる。ポリエチレンは、ホモポリマーまたはコポリマーであり得、1つ以上の他のモノマー単位を有するターポリマーを含む。そのようにして、ポリエチレンは、例えば、1つ以上の他のオレフィン(複数可)及び/またはα−オレフィンコモノマー(複数可)を含むことができる。例示的なα−オレフィンコモノマーは、3〜約20炭素原子を有するもの、例えば、C−C20α−オレフィン、C−C12α−オレフィン、C−Cα−オレフィン、C−Cα−オレフィン、C−Cα−オレフィン、C−Cα−オレフィン、C−Cα−オレフィン、またはCαオレフィンを含むことができるが、それらに限定されない。適切なα−オレフィンコモノマーは、直鎖もしくは分岐であり得る、または2つの不飽和炭素−炭素結合(ジエン)を含むことができる。2つ以上のコモノマーが使用され得る。適切なコモノマーの実施例は、直鎖C−C12α−オレフィン、及び1つ以上のC−Cアルキル分岐またはアリール基を有するα−オレフィンを含むことができるが、それらに限定されない。
有用なコモノマーの実施例は、プロピレン;1−ブテン;3−メチル−1−ブテン;3,3−ジメチル−1−ブテン;1−ペンテン;1つ以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を持つ1−ペンテン;1−ヘキセン;1つ以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を持つ1−ヘキセン;1−ヘプテン;1つ以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を持つ1−ヘプテン;1−オクテン;1つ以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を持つ1−オクテン;1−ノネン;1つ以上のメチル、エチル、またはプロピル置換基を持つ1−ノネン;エチル、メチル、またはジメチル置換された1−デセン;1−ドデセン;及びそれらの組み合わせを含む。特に好ましいコモノマーは、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンを含む。
1つ以上のコモノマーが使用される場合、モノマー、すなわちエチレンは、約50重量%〜約99.9重量%の比率のモノマー、好ましくは約70重量%〜約99重量%のモノマー、及びより好ましくは約80重量%〜約98重量%のモノマー中で、約0.1重量%〜約50重量%の1つ以上のコモノマー、好ましくは約1重量%〜約30重量%の1つ以上のコモノマー、及びより好ましくは約2重量%〜約20重量%の1つ以上のコモノマーで重合化され得る。
ポリエチレンは、約0.900g/cm〜約0.970g/cmの密度を有することができる。例えば、ポリエチレンは、低くは約0.910g/cm、約0.915g/cm、約0.915g/cm約、0.920g/cm、または約0.925g/cmから高くは約0.940g/cm、約0.945g/cm、約0.950g/cm、約0.955g/cm、約0.960g/cm、約0.965g/cm、または約0.970g/cmの範囲の密度を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約0.915g/cm〜約0.935g/cm、または約0.920g/cm〜約0.930g/cm、または約0.935g/cm〜約0.960g/cm、または約0.945g/cm〜約0.957g/cm、または約0.915g/cm〜約0.960g/cm、または約0.920g/cm〜約0.955g/cmの密度を有することができる。密度は、ASTM D−792に従って決定され得る。
「分子量分布」及び「MWD」は、多分散性指数(PDI)と同じものを意味する。分子量分布(MWD)は、重量平均分子量(Mw)と、数平均分子量(M)との比、すなわちM/Mである。ポリエチレンは、約4〜約14の範囲の分子量分布(M/M)または(MWD)を有することができる。例えば、ポリエチレンは、低くは約4.1、約4.3、約4.5、約4.7、約4.9、約5、約5.5、約6.0、約6.5、約6.8、約6.9、約7.0、または約7.1から高くは約5.7、約5.9、約6、約6.1、約6.3、約6.5、約6.8、約7.0、約7.3、約7.5、約8.0、約9.0、約10.0、約11.0、約12.0、約13.0、または約14.0の範囲の分子量分布(M/M)を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約4.5〜約6.5、約4.6〜約6.3、約4.9〜約6.3、約5〜約6.4、または約4.5〜約6.8の分子量分布(M/M)を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約4.5〜14、6.8〜14、6.9〜14、または7.0〜14の分子量分布(M/M)を有することができる。
ポリエチレンは、約3.0〜約5.5のM/M値を有することができる。例えば、ポリエチレンは、低くは約3.3、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9、または約4.0から高くは約4.6、約4.7、約4.8、約4.9、約5.0、または約5.3の範囲のM/M値を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンのM/M値は、約3.65〜約4.85、約3.55〜約4.75、約3.7〜約4.7、または約3.6〜約4.5の範囲であり得る。
、M、及びz平均分子量(M)は、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)としても知られるゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を使用して測定され得る。この技法は、異なるサイズのポリマー分子を分離するために、多孔質ビーズで充填されたカラム、溶出溶媒、及び検出器を含有する器具を利用する。SECによる分子量の測定は、当該技術分野において周知であり、例えば、Slade,P.E.Ed.,Polymer Molecular Weights Part II,Marcel Dekker,Inc.,NY,(1975)287−368、Rodriguez,F.,Principles of Polymer Systems 3rd ed.,Hemisphere Pub.Corp.,NY,(1989)155−160、米国特許第4,540,753号、及びVerstrate et al.,Macromolecules,vol.21,(1988)3360、T. Sun et al.,Macromolecules,vol.34,(2001)6812−6820においてより詳細に考察されている。
ポリエチレンは、約0.05g/10分〜約100g/10分の範囲のメルトインデックス(MI)または(I)を有することができる。例えば、ポリエチレンは、低くは約0.10g/10分、約0.4g/10分、約0.9g/10分、約1.1g/10分、または約1.5g/10分から高くは約60g/10分、約70g/10分、約80g/10分、約90g/10分、または約100g/10分の範囲のMI(I)を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約0.40g/10分〜約6g/10分、約0.8g/10分〜約3g/10分、約0.3g/10分〜約2g/10分、または、約0.4g/10分〜約3.5g/10分のMI(I)を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約0.5g/10分〜約45g/10分、約5g/10分〜約30g/10分、約10g/10分〜約80g/10分、約40g/10分〜約90g/10分、約1g/10分〜約5g/10分、または約0.05g/10分〜約10g/10分のMI(I)を有することができる。MI(I)は、ASTM D−1238−Eに従って(190℃、2.16kg重量で)測定され得る。
ポリエチレンは、約10g/10分〜約1,000g/10分の範囲のフローインデックス(FI)または(I21)を有することができる。例えば、ポリエチレンは、低くは約10g/10分、約15g/10分、または約20g/10分から高くは約100g/10分、約200g/10分、約300g/10分、約400g/10分、または約500g/10分の範囲のFI(I21)を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約40g/10分〜約200g/10分、約50g/10分〜約100g/10分、または約100g/10分〜約200g/10分のFI(I21)を有することができる。FI(I21)は、ASTM D−1238−Fに従って(190℃、21.6kg重量で)測定され得る。
「メルトインデックス比」、「MIR」、「メルトフロー比」、「MFR」、及び「I21/I」という用語は、同じ意味で使用され、フローインデックス(I21)と、メルトインデックス(I)との比、すなわち、I21/Iを示す。ポリエチレンは、約30〜約60の範囲のMFR(I21/I)を有することができる。例えば、ポリエチレンは、低くは約30、約31、約32、約33、約34、約40、約45、約46、約47、約48、または約50から高くは約35、約36、約37、約39、約40、約42、約43、約45、約50、約55、または約60の範囲のMFR(I21/I)を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約31〜約42、または約32〜約40、または約33〜約37、または約34〜約44、約35〜約45、約30〜約60、約45〜約60、約46〜約60、約47〜約60、約48〜約60、約49〜約60、または約50〜約60の範囲のMFRを有することができる。ポリエチレンは、8.33+(4.17×MWD)以上のメルトフロー比(MFR)を有することができる。
ポリエチレンは、約100g/10分未満のメルトインデックス(I)と、約10g/10分を超えるフローインデックス(I21)とを有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約50g/10分未満のメルトインデックス(I)と、約25g/10分を超えるフローインデックス(I21)とを有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約20g/10分未満のメルトインデックス(I)、及び約40g/10分を超えるフローインデックス(I21)を有することができる。
長鎖分岐の存在を決定するための様々な方法が知られている。例えば、長鎖分岐は、13C核磁気共鳴(NMR)分光法を使用することによって決定され得、限られた範囲で、例えば、エチレンホモポリマーの場合、及びある特定のコポリマーの場合は、Randall,(Journal of Macromolecular Science:Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29(2&3),p.285−297)の方法を使用して定量され得る。従来の13C核磁気共鳴分光法は、最大6炭素原子の長鎖分岐の長さを決定することができるが、約6より多くの炭素原子が存在する場合、エチレン/1−オクテン共重合体等のエチレンポリマー中の長鎖分岐の存在を定量または決定するための有用な他の既知の技法が存在する。コモノマーの13C共鳴が長鎖分岐の13C共鳴と完全に重なるそれらの共重合体の場合、コモノマーまたは他のモノマー(エチレン等)のいずれかは、長鎖分岐がコモノマーから区別され得るように同位体標識され得る。例えば、エチレン及び1−オクテンのコポリマーは、13C標識エチレンを使用して調製され得る。この場合、マクロマの組み込みと関連付けられる長鎖分岐共鳴は、強度が著しく増強され、隣接する13C炭素への結合を示すが、オクテン共鳴は増強されない。他の方法は、長鎖分岐頻度(LCBF)が、等式LCBF=b/Mによって表され得る(式中、bは1分子あたりの長鎖分岐の重量平均数であり、Mは重量平均分子量である)ことを開示する、米国特許第4,500,648号で開示される技法を含む。分子量平均及び長鎖分岐特徴は、それぞれゲル浸透クロマトグラフィ及び固有粘度法によって決定され得る。
ポリエチレンは、長鎖分岐(LCB)を有することができる。長鎖分岐のレベルまたは量は、1,000炭素原子あたりの長鎖分岐の数を示す。長鎖分岐は、4以上、5以上、または6以上の長さの炭素原子、最大でポリマー骨格の長さほどの長さを有することができる。例えば、長鎖分岐上の炭素原子の数は、重合条件に少なくとも部分的に依存して、低くは約4、約5、約6、約7、約8、または約9から高くは約10、約50、約100、約1,000、約10,000以上の範囲であり得る。ポリエチレンは、1,000炭素原子あたり約0.01超かつ1,000炭素原子あたり約0.07未満の長鎖分岐(LCB)を有することができる。例えば、ポリエチレンは、1,000炭素原子あたり低くは約0.01、約0.015、約0.02、約0.025、約0.03、約0.04、約0.05、約0.055、または約0.06から高くは約0.035、約0.040、約0.045、約0.05、約0.06、または約0.07の範囲の長鎖分岐を有することができる。
コモノマーの組み込みの結果として導入される分岐、例えば、コモノマーとしてn−デセンを使用する場合、8炭素長の分岐は、当該技術分野において通常理解されるように「長鎖分岐」とは見なされない。そのようなコモノマーの存在下で、ポリエチレン中のLCBは、分取昇温溶出分別法(pTREF)によって決定することができ、95℃超で溶出するホモポリマーまたは結晶分別は、ポリマーの残りから分離される。pTREF技法についての追加の詳細は、米国特許出願公開第2012/0028065号で考察及び記載される通りであり得る。記載されるNMR技法を使用して、ホモポリマー分画中のLCBの量が決定され得る。この分画中のLCBは、1,000炭素原子あたり0.01〜1,000炭素原子あたり0.07分岐の範囲内であり得る。
エチレン/1−オクテン共重合体等のエチレンポリマー中の長鎖分岐の存在を定量または決定するための2つの他の有用な方法は、低角レーザ光散乱式検出器と結合されたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC−LALLS)及び示差粘度計と結合されたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC−DV)を含むことができる。長鎖分岐検出のためのこれらの技法の使用、及びその基礎理論は、文献で考察及び記載されている。例えば、G.H.Zimm,and W.H.Stockmayer,J.Chem.Phys.,vol.17,p.1301(1949)、及びA.Rudin,″Modern Methods of Polymer Characterization,″John Wiley & Sons,New York(1991)p.103を参照されたい。長鎖分岐を決定するための更に別の方法は、E.J.Markel,et al.Macromolecules,vol.33,p.8541(2000)によって記載される、GPC−FTIRを含むことができる。
コモノマー分布分析は、結晶化溶出分別(CEF)(PolymerChar in Spam)(Monrabal,B.et al.,Macromol.Symp.,257,p.71(2007))を用いて行われ得る。600ppm抗酸化剤ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を持つオルト−ジクロロベンゼン(ODCB)は、溶媒として使用され得る。試料調製は、オートサンプラーを用いて4mg/mLでの振とう下で約2時間、160℃で行われ得る(別途指定のない限り)。注入量は、約300μLであり得る。CEFの温度プロファイルは、110℃から30℃へ3℃/分での結晶化、30℃で5分間の熱平衡、30℃から140℃へ3℃/分での溶出である。結晶化中の流量は、0.052mL/分であり得る。溶出中の流量は、0.50mL/分であり得る。データは、1データ点/秒で収集され得る。ガラスビーズを酸洗浄することができ、CEFカラムを125μm±6%(MO−SCI特殊製品)でのガラスビーズで0.125インチステンレス鋼管を用いて充填することができる。カラム体積は、約2.06mLであり得る。カラム温度の較正は、ODCB中のNIST標準参照物質直鎖ポリエチレン1475a(1.0mg/mL)及びイコサン(2mg/mL)の混合物を使用して行われ得る。温度は、NIST直鎖ポリエチレン1475aが101℃でピーク温度を有し、イコサンが、30.0℃でピーク温度を有するように、溶出加熱速度を調節することによって較正され得る。CEFカラム分解能は、NIST直鎖ポリエチレン1475a(1.0mg/mL)及びヘキサコンタン(Fluka,purum、>97.0%、1mg/mL)の混合物を用いて計算され得る。ヘキサコンタン及びNISTポリエチレン1475aのベースライン分離が達成され得る。ヘキサコンタンの面積(35.0℃〜67.0℃)対NIST 1475aの面積(67.0℃〜110.0℃)は、50対50であり得、35.0℃以下の可溶性分画の量は、1.8重量%未満であり得る。カラム分解能は、6.0であり得る。CEFカラム分解能は、次のように定義され得る。
ポリエチレンは、不均一分布の短鎖分岐(SCB)を有することができる。本明細書中で使用される、「不均一分岐分布」、「不均一に分岐した」、及び「不均一分布の短鎖分岐」という用語は、同じ意味で使用され、(1)異なる鎖長の分子は、異なるレベルのコモノマーを含み、特に低鎖長の分子は、より高い量のコモノマー、すなわち、より低いエチレン対コモノマー比を含み、(2)ポリマーは、広い短鎖分岐分布によって特徴付けられ(コモノマー不均一性指数または(CHI)は、<0.5である)、(3)ポリマーは、温度の関数としてポリマー分画溶出を必要とするいくつかの既知の分画技法のうちのいずれか、例えば、昇温溶出分別法(TREF)(例えば、米国特許第5,008,204号及びJ.Wild et al.,Poly.Sci.,Poly.Phy.Ed.,vol.20,p.441(1982)を参照)、結晶化分析分別法(CRYSTAF)(例えば、D.Beigzadeh,J.B.P.Soares,and T.A.Duever;“Modeling of Fractionation in CRYSTAF Using Monte Carlo Simulation of Crystallizable Sequence Lengths:Ethylene/1−octene Copolymers Synthesized with Single−Site−Type Catalysts,”J.Applied Polymer Science,vol.80,No.12,p.2200(2001)、またB.Morabal,J.Blanco,J.Nieto,and J.B.P.Soares,Polym.Sci Part A:Polym.Chem.,vol.37,p.89(1999)を参照)、及びWO公開第2011/002868号で考察及び記載される、結晶化溶出分画(CEF)のうちのいずれかにおいて、約100℃の溶出温度におけるピークとして示される、測定可能な高密度(結晶性)分画を含む。ポリエチレンは、0.5未満、約0.47未満、約0.45未満、約0.43未満、約0.40未満、約0.37未満、約0.35未満、約0.33未満、約0.3未満、約0.27未満、約0.25未満、約0.23未満、または約0.20未満のコモノマー不均一性指数(CHI)を有することができる。
化合物は、190℃でRheotensによって、及びARES溶融レオメータを使用する動的EVFによって溶融強度について測定した。「溶融強度」及び「MS」という用語は、同じ意味で使用され、33逆秒(秒−1)の一定のせん断速度で毛管レオメータダイから溶融押出されたポリマーの溶融フィラメント上で測定された最大引張力を示す一方で、フィラメントは、約1cm/秒の初期速度から1秒あたり1秒あたり約0.24センチメートルの速度(cm/秒)でフィラメントを加速させる一対のニップローラによって伸長される。最大力は、次のように力対巻き取り速度データから決定されることができ、延伸共鳴の不在下で、溶融強度値は、破壊直前の最大値であり、破壊前延伸共鳴の不在下で、溶融強度は、延伸共鳴の発生前の20データ点の平均値であり、延伸共鳴は、振動の平均値の10%を超える増幅を有する振動として定義される。溶融フィラメントは、好ましくは、Instron毛管レオメータのバレルに充填された約10gのポリマーを加熱すること、190℃で5分間ポリマーを平衡させること、及び次に約2.54cm/分(cm/分)のピストン速度で約0.21cmの直径及び約4.19cmの長さを持つ毛管ダイを通じてポリマーを押出することによって生成される。引張力は、好ましくは、ニップローラが、フィラメントが毛管を出る点の約10cm直下にあるように位置する、Goettfert Rheotensで測定される。
ポリエチレンの溶融強度は、等式の形で表すこともできる。より具体的に、ポリエチレンの溶融強度は、等式:
[数]
によって表すことができ、対数はベース10である。1つ以上の実施形態では、ポリエチレンは、0.945g/cm以上の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))以上の溶融強度とを有することができ、式中、aは1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、または1.9に等しい。例えば、不均一ポリエチレンは、0.945g/cm以上の密度と、a×(3.7643×exp(−1.485×log(MI)))以上の溶融強度とを有することができ、式中、aは1.5、1.75、または1.9に等しい。1つ以上の実施形態では、ポリエチレンは、0.945g/cm未満の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))以上の溶融強度とを有することができ、式中、aは1.2、1.25、1.3、1.35、1.4、1.45、1.5、1.55、1.6、1.65、1.7、1.75、1.8、1.85、または1.9に等しい。例えば、不均一ポリエチレンは、0.945g/cm未満の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))以上の溶融強度とを有することができ、式中、aは1.2、1.5、または1.9に等しい。
ポリエチレンは、低くは約2センチニュートン(cN)、約3cN、約3.5cN、約4cN、または約4.5cNから高くは約6cN、約8cN、約10cN、約12cN、約14cN、約16cN、約18cN、または約20cNの範囲の溶融強度を有することができる。例えば、ポリエチレンは、約2cN〜約7cN、約2.5cN〜約6cN、約3.3cN〜約7.3cN、約3.6cN〜約7cN、または約2.2cN〜約6.8cNの溶融強度を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、約3.3cN〜約16cN、約5cN〜約18cN、約6cN〜約14cN、約8cN〜約20cN、または約8.5cN〜約17cNの溶融強度を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、少なくとも2cN、少なくとも3cN、少なくとも4cN、少なくとも5cN、少なくとも6cN、少なくとも7cN、少なくとも8cN、少なくとも9cN、少なくとも10cN、少なくとも11cN、少なくとも12cN、少なくとも13cN、少なくとも14cN、少なくとも15cN、または少なくとも16cNの溶融強度を有することができる。別の実施例では、ポリエチレンは、少なくとも2.5cN、少なくとも3.5cN、少なくとも4.5cN、少なくとも5.5cN、少なくとも6.5cN、少なくとも7.5cN、少なくとも8.5cN、少なくとも9.5cN、少なくとも10.5cN、少なくとも11.5cN、少なくとも12.5cN、少なくとも13.5cN、少なくとも14.5cN、少なくとも15.5cN、または少なくとも16.5cNの溶融強度を有することができる。
ポリエチレンは、伸長粘度フィクスチャー(EVF)によって測定される、約0.75超、約0.80超、約0.85超、約0.90超、約0.95超、または約1.00超のひずみ硬化の勾配(SSH)を有することができる。例えば、ポリエチレンは、EVFによって測定される、低くは約0.76、約0.78、約0.80、約0.83、約0.85、または約0.87から高くは約0.90、約0.95、約1.00、約1.10、約1.20、約1.30、または約1.40の範囲のSSHを有することができる。例えば、ポリエチレンは、EVFによって測定される、約0.75超〜約1.35、約0.80〜約1.30、約0.90〜約1.29、約0.95〜約1.35、約1.00〜約1.35、または約1.05〜約1.30のひずみ硬化の勾配を有することができる。
伸長粘度は、TA Instruments(New Castle,DE)のARESレオメータの上に取り付けられたTA Instrumentsの伸長粘度フィクスチャー(EVF)によって、10s−1、1s−1、及び0.1s−1のHenckyひずみ速度において150Cで測定され得る。試料プラークは、プログラム可能なTetrahedronベンチトッププレス上で調製され得る。プログラムは、177C、1,500psi(10Pa)の圧力で5分間溶融を保持することができる。次に追跡物をベンチトップに除去して冷却する。試験試料は、パンチプレス及び約10mm×18mm(幅×長さ)の寸法を持つ手持ち式ダイを使用して、試料プラークからダイカットされ得る。標本厚さは、約0.7mm〜約1.1mmの範囲であり得る。
TA Instrumentsの伸長粘度フィクスチャー(EVF)は、従来のAriesレオメータとともに使用することができる。EVFのフィクスチャーを囲むレオメータオーブンは、固定具をゼロに戻す前に少なくとも60分間、約150Cの試験温度に設定され得る。各試料フィルムの幅及び厚さは、プラーク試料の3つの異なる場所で測定され得、平均値は、試験プログラム(TA Orchestrator バージョン7.2)に入力され得る。室温及び試験温度(0.78g/cm)での試料の密度を試験プログラムに入力して、プログラムが試験温度での試料フィルムの実寸法を計算するのを許すこともできる。室温での試料の密度は、試料ごとに変動し、ASTM D−792に従って測定される密度を使用することができる。フィルム標本は、ピンによって固定具の2つのドラムのそれぞれに取り付けることができる。オーブンを閉じ、試験を開始する前に温度を平衡させることができる。試験は、3つのゾーンに分割された。第1のゾーンは、フィルムを約0.005s−1で11秒間引張する、予張ゾーンである。フィルムを予張することは、フィルムが搭載される時にもたらされるフィルム座屈を低減することができる。予張ステップにおいてもたらされた応力を最小化または低減するために、約60秒の弛緩ゾーンがこれに続く。第3のゾーンは、フィルムが事前設定されたHenckyひずみ速度で伸長される、測定ゾーンである。第3のゾーンにおいて収集されるデータは、分析に使用されるものである。
伸長粘度は、約150℃で測定され得る。ひずみ硬化の勾配の計算のためのデータは、約0.1s−1のひずみ速度で収集され得る。ひずみ硬化の勾配SSHは、次のように計算され得る:(a)データを、粘度(Pa・s)対経過時間(秒)として記録する、(b)粘度は、経過時間とともに増加し、この計算の目的で経過時間>1秒の範囲内のデータが考慮される、(c)破断直前の点、または粘度の減少、または力の突然の上昇または下降によって表される試料の明らかな滑動が記される、値F最大及び時間t最大;t最大のlogが計算される=Lt最大、(d)log10(時間)として表される時間とともに、計算に使用されるデータの範囲は、0.9×Lt最大〜0.75×Lt最大(0.9×Lt最大に隣接し、それ未満の点〜0.75×Lt最大に隣接し、それを超える点は、範囲の上限及び下限を定義する)、(e)ステップ(d)の範囲を使用して、データは、log(粘度)対log(時間)としてプロットされる、(f)当該技術分野において知られている従来の線形回帰技法を使用して、一連の形式y=m×x+cがデータに適合される(Microsoft CorporationのEXCEL(登録商標)プログラムで提供される直線適合が適している)、(g)ひずみ硬化の勾配は、mに等しい。勾配はログ空間内で測定されるため、ひずみ硬化の勾配の値(SSH)は、無次元数である。伸長粘度に関する追加の情報は、J.Chem.Educ.,vol.74,No.8,p.899(1997)、及びJ.Chem.Educ.,vol.72,No.10,p.954(1995)において見出される。
触媒を使用して1つ以上のオレフィンを重合し、そこから1つ以上のポリマー生成物を提供することができる。高圧、溶液、スラリー、及び/または気相プロセスを含むが、それらに限定されない任意の重合プロセスが使用され得る。好ましくは、流動床反応器を利用する連続気相プロセスを使用してエチレンまたはエチレン及び1つ以上のコモノマーを重合し、ポリエチレンまたはポリエチレンコポリマーをそれぞれ提供する。コモノマーは、上で考察及び記載され得る。
例示的な流動床反応器は、反応ゾーンと、いわゆる速度低減ゾーンとを含むことができる。反応ゾーンは、増殖するポリマー粒子の床、形成されたポリマー粒子、及び気体モノマー及び希釈剤の連続フローによって流動化された少量の触媒粒子を含み、反応ゾーンを通じて重合の熱を除去することができる。随意に、再循環ガスの一部は冷却及び圧縮されて、反応ゾーンに再度入った時に、循環ガス流の熱除去能力を増加させる液体を形成することができる。適切なガス流量は、簡単な実験によって容易に決定され得る。気体モノマー対循環ガス流の構成は、粒状ポリマー生成物及びそれと関連付けられるモノマーが反応器から引き抜かれ得る速度に等しい速度であり得、反応器を通過する気体組成物は、反応ゾーン内の本質的に安定した状態の気体組成物を維持するように調節され得る。反応ゾーンを出る気体は、噴流粒子が除去される速度低減ゾーンに通され得る。より微細な噴流粒子及び粉塵は、サイクロン及び/または微細フィルタ内で除去され得る。気体は、重合の熱を除去することができる熱交換器を通り、圧縮器内で圧縮され、次に反応ゾーンに戻され得る。追加の反応器詳細及び反応器を操作するための手段は、例えば、米国特許第3,709,853号、同第4,003,712号、同第4,011,382号、同第4,302,566号、同第4,543,399号、同第4,882,400号、同第5,352,749号、及び同第5,541,270号、欧州特許第0802202号、ならびにベルギー特許第839,380号に記載されている。
流動床プロセスの反応器温度は、30℃、または40℃、または50℃〜90℃、または100℃、または110℃、または120℃、または150℃の範囲であり得る。一般に、反応器温度は、反応器内のポリエチレンの焼結温度を考慮して実現可能であり得る最高温度で操作され得る。ポリエチレンを作製するために使用されるプロセスに関わらず、重合温度または反応温度は、形成されるポリエチレンの溶融または「焼結」温度よりも低くなければならない。したがって、一実施形態での温度上限は、反応器内で生成されるポリエチレンの溶融温度である。
水素ガスをオレフィン重合で使用し、例えば、「Polypropylene Handbook」(Hanser Publishers、1996)の76〜78頁に記載されるようなポリオレフィンの最終特性を制御することができる。水素の増加濃度(分圧)は、生成されるポリエチレンのメルトフロー比(MFR)(本明細書ではメルトインデックス(MI)とも称される)を増加させることができる。したがって、MFRまたはMIは、水素濃度の影響を受け得る。重合反応器内の水素の量は、総重合性モノマー、例えば、エチレン、またはエチレン及びヘキセンのブレンドに対するモル比として発現され得る。重合プロセスで使用される水素の量は、最終ポリオレフィン樹脂の所望のMFRまたはMIを達成するために十分な量であり得る。一実施形態では、水素対全モノマーのモル比(H:モノマー)は、一実施形態では0.0001超、及び別の実施形態では0.0005超、及び更に別の実施形態では0.001超、更に別の実施形態では10未満、更に別の実施形態では5未満、及び更に別の実施形態では3未満、及び更に別の実施形態では0.10未満の範囲であり得、所望の範囲は、任意のモル比上限と、本明細書に記載される任意のモル比下限との任意の組み合わせを含むことができる。言い換えれば、任意の時点での反応器内の水素量は、最大5,000ppm、及び別の実施形態では4,000ppm、及び更に別の実施形態では最大3,000ppm、及び更に別の実施形態では50ppm〜5,000ppm、及び別の実施形態では500ppm〜2,000ppmの範囲であり得る。
気相プロセス(単一のステージまたは2つ以上のステージのいずれか)における1つ以上の反応器圧力は、690kPa〜3,448kPa、及び別の実施形態では1,379kPa〜2,759kPaの範囲内、及び更に別の実施形態では1,724kPa〜2,414kPaの範囲内で変動し得る。
気相反応器は、1時間あたり227kg(kg/時間)〜90、900kg/時間、及び別の実施形態では455kg/時間を超える、及び更に別の実施形態では4,540kg/時間を超える、及び更に別の実施形態では11,300kg/時間を超える、及び更に別の実施形態では15,900kg/時間を超える、及び更に別の実施形態では22,700kg/時間を超える、及び更に別の実施形態では29,000kg/時間〜45,500kg/時間のポリマーを生成することができ得る。
1つ以上の実施形態では、例えば、1つの反応器が高分子量成分を生成することができ、別の反応器が低分子量成分を生成することができる、2つ以上の反応器を連続して用いるステージ化反応器を使用することができる。1つ以上の実施形態では、ポリオレフィンは、ステージ化気相反応器を使用して生成され得る。そのような商業的重合システムは、例えば、″Volume 2,Metallocene−Based Polyolefins,″366〜378頁(John Scheirs & W.Kaminsky,eds.John Wiley & Sons,Ltd.2000)、米国特許第5,665,818号、同第5,677,375号、及び同第6,472,484号、ならびに欧州特許第0517868号及び同第0794200号に記載されている。
スラリー重合プロセスを使用することもできる。スラリー重合プロセスは一般に、約101kPa〜約5,070kPaの範囲のまたはそれ以上の圧力と、約0℃〜約120℃の範囲の温度、より詳細には、約30℃〜約100℃の温度と、を使用する。スラリー重合において、固体懸濁液、微粒子ポリマーを、液体重合希釈溶媒内で形成することができ、この溶媒に、エチレン、コモノマー、及び水素を触媒とともに付加することができる。希釈剤を含む懸濁液を、断続的または連続的に、反応器から排除することができ、反応器では、揮発性成分がポリマーから分離され、任意に蒸留後、反応器に再循環する。重合溶媒で使用される液体希釈剤は、3〜7の炭素原子、を含むアルカン、例えば、分岐アルカン等であってよい。使用される溶媒は、重合及び比較的不活性であるという条件の下で、液体でなければならない。プロパン溶媒を使用する場合、反応希釈剤の臨界温度及び臨界圧力を超えて、プロセスを動作させなければならない。一実施形態では、ヘキサン、イソペンタン、またはイソブタン溶媒を使用することができる。
1つ以上の共触媒は、使用される場合、重合反応器の外側、重合反応器内、またはそれらの組み合わせで触媒と組み合わせることができる。例えば、触媒及び共触媒は、重合反応器に別個に導入され、その中で組み合わされ得る。別の実施例では、触媒及び共触媒は、重合反応器の外側または外部で互いに組み合わされ、混合物として重合反応器に導入され得る。別の実施例では、共触媒の第1の部分は、重合反応器の外部で触媒と組み合わせることができ、共触媒の第2の部分は、重合反応器内で共触媒の第1の部分及び触媒の混合物と組み合わせることができる。共触媒は、高圧、溶液、スラリー、及び/または気相重合プロセスで使用され得る。
本明細書で考察及び記載される本発明の触媒組成物が、より少量の共触媒が用いられる場合に増加した効率及びメルトフロー比(I21/I)を持つポリエチレン及びポリエチレンコポリマーを生成できることは、意外かつ予想外の発見であった。言い換えれば、共触媒対触媒の比を減少させることは、触媒の生産性(通常、触媒1ポンドあたりの生成された樹脂のポンドとして記載される)の増加、ならびに生成されたポリエチレンまたはポリエチレンコポリマーのメルトフロー比の増加を許すことができる。そのようにして、好ましい実施形態では、共触媒/触媒混合物中の共触媒の濃度は、触媒中に含有されるチタン1mmolあたり約20mmol未満の共触媒、または触媒中に含有されるチタン1mmolあたり約10mmol未満の共触媒、または触媒中に含有されるチタン1mmolあたり約5mmol未満の共触媒であり得る。
本明細書で開示される重合プロセスでは、反応器内の静電レベルを調節するのを助けるために、1つ以上の静電制御剤を付加的に使用することが望ましいこともある。本明細書中で使用されるように、静電制御剤は、流動床反応器に導入された時に、流動床で静電荷に(負に、正に、または0まで)影響を及ぼし得る、またはそれを駆動し得る化学成分である。使用される特定の静電制御剤は、静電荷の特質によって決定し得、生成されるポリマー及び使用される触媒化合物(複数可)によって、選択される静電制御剤が異なり得る。例えば、静電制御剤の使用は欧州特許第0229368号、及び米国特許第4,803,251号、同第4,555,370号、及び同第5,283,278号、ならびにそれらで引用される参照に開示されている。
また、アルミニウムステアレート等の制御剤を採用することもできる。使用される静電制御剤は、生産性に悪影響を及ぼすことなく、流動床で静電荷を受容するその能力のために選択され得る。また、他の好適な静電制御剤は、アルミニウムジステアレート、エトキシル化アミン、及び、例えば、OCTASTATという商標名でInnospec Inc.によって提供される帯電防止組成物、を含むことができる。例えば、OCTASTAT(商標)2000は、ポリスルホンコポリマー、高分子ポリアミン、及び油溶性のスルホン酸の混合物である。
上述の制御剤のいずれか、ならびに、例えば、特許公開第WO 01/44322号に記載される、Carboxylate Metal Saltの項目化に列挙され、それらの化学薬品及び組成物を含み、帯電防止剤として列挙されるものを、単体でまたは組み合わせて、制御剤として採用することができる。例えば、カルボン酸塩金属塩を、制御剤を含むアミンと組み合わせることができる(例えば、カルボン酸塩金属塩を、KEMAMINE(商標)(Crompton Corporationから入手可能)またはATMER(商標)(ICI Americas Inc.から入手可能)製品群に属する任意のファミリーメンバーと組み合わせることができる)。
実施形態で役立つ、本明細書中で開示されたエチレンイミン添加剤を含む他の有用な連続添加剤は、以下の一般式を有するポリエチレンイミンを含んでもよい:
−(CH−CH−NH)
式中、nは約10〜約10,000であり得る。ポリエチレンイミンは、直鎖、分岐、または超分岐(すなわち、樹状または樹枝状ポリマー構造を形成する)であってよい。それらは、エチレンイミンのホモポリマーまたはコポリマー、もしくはそれらの混合(以下、ポリエチレンイミン(複数可)と称される)であってよい。化学式−[CH CH NH]−によって示される直鎖ポリマーを、ポリエチレンイミンとして使用することができ、また、第1、第2、及び第3分岐を使用することもできる。商業用ポリエチレンイミンは、エチレンイミンポリマーの分岐を有する化合物であってよい。好適なポリエチレンイミンは、Lupasolという商標名で、BASF Corporationから商業的に入手可能である。これらの化合物を、広範な分子量成分及び生成活性として調製することができる。BASFによって販売され、本発明での使用に好適な商業用ポリエチレンイミンの実施例は、Lupasol(商標)FG及びLupasol(商標)WFを含むが、それらに限定されない。別の有用な添加剤は、アルミニウムジステアレート及びエトキシル化アミンタイプの化合物、例えば、Huntsman(元Ciba Specialty Chemicals)から入手可能なIRGASTAT(商標)AS−990の混合物を含むことができる。アルミニウムジステアレート及びエトキシル化アミンタイプの化合物の混合物を、鉱油、例えば、Hydrobrite 380でスラリーすることができる。例えば、アルミニウムジステアレート及びエトキシル化アミンタイプの化合物の混合物は鉱油でスラリーされ、約5重量%〜約50重量%、または約10重量%〜約40重量%、または約15重量%〜約30重量%の範囲で変動する総スラリー濃度を有することができる。他の有用な静電制御剤及び添加剤は、米国特許出願公開第2008/0045663号で開示される。
再循環を除く反応器への全ての供給重量に基づいて、連続添加剤(複数可)または静電制御剤(複数可)を、0.05〜200ppmの範囲の量で、より好ましくは2〜100ppmの範囲の量で、より好ましくは更に他の実施形態では4〜50ppmで反応器に付加することができる。
上で考察されるように、チーグラー・ナッタ触媒ポリエチレンから生成された従来のポリエチレンは、低密度ポリエチレンの加工性と、チーグラー・ナッタ触媒ポリエチレンの物理属性とを組み合わせる試みにおいて、高圧低密度ポリエチレン(LDPE)とブレンドされてもよく、多くの場合ブレンドされる。本明細書で考察及び記載されるチーグラー・ナッタ触媒ポリエチレンが、許容可能な加工性を得るために、LDPE及び/または他のポリマーをそこでブレンドする必要性を回避できる、または実質的にその必要性を低減できることは、意外かつ予想外の発見であった。言い換えれば、本明細書で考察及び記載されるポリエチレンは、単独で使用され得る、またはそのように所望される場合、1つ以上の追加ポリマーとブレンドされ得る。本明細書で考察及び記載されるポリエチレンとブレンドされ得る他の適切なポリマーは、高圧低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン酢酸ビニル、エチレンエチルアクリレート、エチレンアクリル酸、エチレン−スチレン共重合体、ポリエチレンホモポリマー、従来の触媒で作製されたエチレン/α−オレフィンコポリマー、当該技術分野において既知のプロセス、及び同様のもの、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができるが、それらに限定されない。
ポリエチレン及び1つ以上の他のポリマーを含有するポリマーブレンド、例えばLDPEは、従来の装置及び方法を使用して、例えば、個別の成分を乾燥ブレンドし、続いて混合器内で溶融混合することによって、またはBanbury混合器、Haake混合器、Brabender内部混合器、または重合プロセスの下流で直接使用される化合押出機及びサイドアーム押出機を含むことができる、単軸もしくは二軸式押出機等の混合器内で成分を一緒に直接混合することによって形成され得る。別の実施例では、ポリマーブレンドは、多段重合反応器の配置及びプロセスを使用して、原位置で生成され得る。多段反応器の配置において、2つ以上の反応器は、連続して接続されることができ、そこで第1のポリマー、例えばポリエチレン及び触媒前駆体の混合物を、第1の反応器から第2の反応器に移すことができ、第2のポリマー、例えばメタロセン触媒ポリエチレンが、第1のポリマーと原位置で生成及びブレンドされ得る。
ポリエチレンを含むポリマーブレンドは、ポリエチレン及び1つ以上の他のポリマーの組み合わせ重量に基づいて、少なくとも0.1重量パーセント(重量%)〜最大99.9重量%のポリエチレンと、少なくとも0.1重量%〜最大99.9重量%の1つ以上の他のポリマーとを含むことができる。例えば、ポリマーブレンド中のポリエチレンの量は、ポリエチレン及び1つ以上の他のポリマーの組み合わせ重量に基づいて、低くは約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、または約75重量%から高くは約80重量%、約85重量%、約90重量%、約95重量%、または約99重量%の範囲であり得る。別の実施例では、ポリマーブレンド中のポリエチレンの量は、ポリエチレン及び1つ以上の他のポリマーの組み合わせ重量に基づいて、約60重量%〜約85重量%、約75重量%〜約95重量%、約80重量%〜約95重量%、約80重量%〜約90重量%、約85重量%〜約95重量%、または約90重量%〜約95重量%の範囲であり得る。
ポリエチレン及び/またはポリエチレンを含有するポリマーブレンドは、広範な適用に使用することができる。例えば、ポリエチレン及び/またはポリエチレンを含むポリマーブレンドは、押出コーティング、流延フィルム加工、ブローフィルム加工、熱成形加工、射出成形加工、及び積層加工において特に有用であり得る。例示的な最終用途は、コーティング、フィルム、フィルムベース製品、おむつのバックシート、家庭用ラップ、ワイヤ及びケーブルコーティング、例えば、射出または吹込み成形、発泡、流延、及びそれらの組み合わせ等の成形技法によって形成された物品を含むことができるが、それらに限定されない。最終用途は、フィルムから作製された製品、例えば、バッグ、パッケージ、パーソナルケアフィルム、パウチ、例えば、医療用フィルム及び静脈内(IV)バッグ等の医薬製品を含むこともできる。フィルムを含む最終用途では、ポリマーブレンドから生成されたフィルムの表面のいずれかまたは両方は、コロナ放電、化学処理、火炎処理、及び同様のもの等の既知及び従来の後形成技法によって変性され得る。
一実施例では、単層フィルムは、ポリエチレン及び/またはポリエチレンを含有するポリマーブレンドから調製され得る。別の実施例では、多層フィルムは、ポリエチレン及び/またはそのブレンドから調製され得る。多層フィルムは、ポリエチレン以外のポリマー及び/またはそのブレンドから作製されたフィルムの1つ以上の層を含むことができる。
異なる多層フィルム構造の考察を容易にするために、本明細書では次の表記法が使用される。フィルムの各層は、「A」または「B」と表記され、「A」は、ポリエチレンを含有しないフィルム層を示し、「B」は、ポリエチレンを有するフィルム層を示す。フィルムが1つより多くのA層または1つより多くのB層を含む場合、1つ以上のプライム記号(′、″、′′′等)がAまたはB記号に添付され、化学組成、密度、メルトインデックス、厚さ等の1つ以上の特性において同じであり得る、または異なり得る同種の層を示す。最後に、隣接した層の記号は、スラッシュ(/)によって分離される。この表記法を使用して、2つの外部、従来のフィルム層間に配置された、すなわちポリエチレンを含有しないポリエチレンの内部層またはコア層を有する3層フィルムは、A/B/A′と表記される。同様に、代替の従来/ポリマーブレンド層の5層フィルムは、A/B/A′/B′/A″と表記される。別途指示されない限り、層の左から右または右から左の順も、プライム記号の順序も問題ではない。例えば、本明細書に記載される目的で、A/Bフィルムは、B/Aフィルムと同じであり、A/A′/B/A″フィルムは、A/B/A′/A″と同じである。
各フィルム層の相対厚さは、同様に表記され、数値的に示され、スラッシュによって分離される100(無次元)の総フィルム厚に対する各層の厚さ、例えば、それぞれ10μmのA及びA′層と、30μmのB層とを有するA/B/A′フィルムの相対厚さは、20/60/20として表記される。例示的な従来のフィルムは、例えば、米国特許第6,423,420号、同第6,255,426号、同第6,265,055号、同第6,093,480号、同第6,083,611号、同第5,922,441号、同第5,907,943号、同第5,907,942号、同第5,902,684号、同第5,814,399号、同第5,752,362号、同第5,749,202号、同第7,235,607号、同第7,601,409号、再発行特許第38,658号、同第38,429号、米国特許出願公開第2007/0260016号、及びWO公開第2005/065945号で考察及び記載され得る。
本明細書に記載される様々なフィルムの場合、「A」層は、多層フィルムまたはフィルムコーティング製品で使用するための、当該技術分野において既知の任意の材料で形成され得る。したがって、例えば、A層は、第2のポリエチレン(ホモポリマーまたはコポリマー)、すなわち、本明細書で考察及び記載されるポリエチレンとは少なくとも1つの特性において異なるポリエチレンで形成することができ、第2のポリエチレンは、例えば、VLDPE、LDPE、LLDPE、MDPE、HDPE、ならびに当該技術分野において既知の他のポリエチレンであり得る。別の実施例では、A層は、ポリエチレン(ホモポリマーもしくはコポリマー)、非ポリエチレンポリマー、例えば、ポリプロピレン、またはポリエチレン及び非ポリエチレンポリマーのブレンドで形成され得る。
A層として、またはその中で使用され得る例示的な付加的ポリマー(非ポリエチレン)は、他のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリアセタール、ポリラクトン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、スチレン−アクリロニトリル樹脂、スチレン無水マレイン酸、ポリイミド、芳香族ポリケトン、または上記のうちの2つ以上の混合物を含むことができるが、それらに限定されない。適切なポリオレフィンは、1つ以上の直鎖、分岐、または環状C〜C40オレフィンを含むポリマー、好ましくは1つ以上のC〜C40オレフィンで共重合されたプロピレンを含むポリマー、好ましくはC〜C20αオレフィン、より好ましくはC〜C10α−オレフィンを含むことができるが、それらに限定されない。
多層構造において、1つ以上のA層は、Dow Chemical Co.から入手可能なPRIMACOR(商標)エチレン−アクリル酸コポリマー及び/またはエチレン−酢酸ビニルコポリマー等の接着促進結合剤層でもあり得る。A層の他の材料は、例えば、フォイル、ナイロン、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、配向ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−アクリル酸コポリマー、エチレン−メタクリル酸コポリマー、グラフト変性ポリマー、及び紙であり得る。
1つ以上のA層を、例えばガラス、プラスチック、紙、金属等の基材層で置き換えることができる、またはフィルム全体を基材の上にコーティングもしくは積層することができる。したがって、本明細書での考察は、多層フィルムに焦点を当てているが、ポリエチレンを含むフィルムをコーティングとして使用することもでき、例えば、フィルム(単層及び多層)を、紙、金属、ガラス、プラスチック、及びコーティングを許容することができる他の材料等の基材の上にコーティングすることができる。
ポリマーフィルムは、次の例示的構造のうちのいずれかを持つ多層フィルムであり得る:(a)A/B及びB/B′等の2層フィルム;(b)A/B/A′、A/A′/B、B/A/B′、及びB/B′/B″等の3層フィルム;(c)A/A′/A″/B、A/A′/B/A″、A/A′/B/B′、A/B/A′/B′、A/B/B′/A′、B/A/A′/B′、A/B/B′/B″、A/B/B′/B″、B/A/B′/B″、及びB/B′/B″/B′′′等の4層フィルム;(d)A/A′/A″/A′′′/B、A/A′/A″/B/A′′′、A/A′/B/A″/A′′′、A/A′/A″/B/B′、A/A′/B/A″/B′、A/A′/B/B′/A″、A/B/A′/B′/A″、A/B/A′/A″/B、B/A/A′/A″/B′、A/A′/B/B′/B″、A/B/A′/B′/B″、A/B/B′/B″/A′、B/A/A′/B′/B″、B/A/B′/A′/B″、B/A/B′/B″/A′、A/B/B′/B″/B′′′、B/A/B′/B″/B′′′、B/B′/A/B″/B′′′、及びB/B′/B″/B′′′/B′′′′等の5層フィルム、ならびに6、7、8、9、24、48、64、100、または任意の他の数の層を有するフィルムの類似構造。ポリマーブレンドを使用して、更に多くの層を有するフィルムが形成され得ること、及びそのようなフィルムが本発明の範囲内であることを理解されたい。
ポリエチレン及び/またはそのブレンドは、当該技術分野において既知の任意のブローフィルム加工を含む、既知の任意の手段によって単層及び/または多層フィルムに形成されることができ、気泡及び二重気泡プロセス、流延プロセス、例えば、流延フィルム及び押出コーティング、射出成形、吹込み成形、シート押出、及び同様のものを含む。例えば、ポリエチレンは、フラットダイを通じて溶融状態で押出され、次に冷却されてフィルムを形成することができる。別の実施例では、ポリエチレンを、単層または共押出された押出物の形態のいずれかで基材の上に押出コーティングされ得る封止剤として使用することができる。
一実施例では、通常の押出コーティングプロセスにおいて、ポリエチレンならびに/またはポリエチレン及び1つ以上の他のポリマー、例えば、ポリエチレン及び直鎖ポリエチレンが押出機に供給されることができ、そこでポリエチレンまたはポリエチレン及び1つ以上の他のポリマーは、通常約275℃〜約340℃の範囲の温度で溶融、混合されて、スリットダイを通じて押出される。バリア素子を持つ混合スクリューを利用することができる。押出物は、チルロールと接触することができ、高グロス、マット、またはエンボス加工され得る。通常のチルロール温度は、約25℃〜35℃の範囲であり得る。当該技術分野において既知の通り、多層共押出は、ポリエチレンまたはポリエチレンを含むポリマーブレンドを含む層のうちの少なくとも1つを持つ2つ以上の層で行われ得る。ダイ幅、ダイギャップ、押出速度、及び基材は、所望の押出物の幅、厚さ、及び生成率を提供するように選択される。基材及びコーティングされた表面の両方は、コロナまたはプラズマ処理等の当該技術分野において既知のような技法で表面処理され得る。押出表面は、エンボス加工、剥離紙の調製のためのシラン処理、ならびに当該技術分野において既知の他の技法及び方法等の技法で更に処理されてもよい。
別の実施例では、流延フィルムは、流延フィルムライン機を使用して次のように調製され得る。単独または1つ以上の他のポリマーと混合されたポリエチレンのペレットは、流延ポリマーの場合、(使用される特定のポリマー(複数可)に応じて)通常約275℃〜約325℃の範囲の温度で溶融することができ、特定の溶融温度は、特定のポリマー(複数可)の溶融粘度に一致するように選択される。多層流延フィルムの場合では、2つ以上の異なる溶融物を、多層共押出構造への2つ以上のメルトフローを組み合わせる、共押出アダプタに運ばれ得る。この層状フローは、単一マニホールドフィルム押出ダイを通じて所望の幅に分配され得る。ダイギャップ開口は、通常、約600μm(0.025インチ)である。次に材料が最終ゲージにドローダウンされ得る。材料のドローダウン比は、20μm(0.8ミル)フィルムの場合、通常約21:1である。真空ボックス、縁ピナー、エアナイフ、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、ダイ開口を出る溶融物を、約32℃(80°F)で維持されている一次チルロールに対してピンすることができる。得られるフィルムは、巻き付け器上で回収され得る。フィルム厚は、ゲージモニターによってモニターされることができ、フィルムは、トリマーによって縁トリムされ得る。通常の流延ライン速度は、1分あたり約76.2m〜約610m(250ft〜約2,000フィート)である。当業者であれば、より高い速度を押出コーティング等の類似のプロセスに使用してもよいことを理解するであろう。1つ以上の随意処理器を使用して、所望の場合にフィルムを表面処理することができる。そのようなチルロール流延プロセス及び装置は、例えば、The Wiley−Encyclopedia of Packaging Technology,Second Edition,A.L.Brody and K.S.Marsh,Ed.,John Wiley and Sons,Inc.,New York(1997)で考察及び記載される通りであり得る。チルロール流延は、1つの実施例であるが、押出コーティング等の他の形式の流延が用いられてもよい。
得られる単層及び/または多層フィルムの総厚は、特定の最終用途適用に少なくとも部分的に基づいて変動し得る。約5μm〜約100μm、より通常は約10μm〜約50μmの総フィルム厚は、大部分の適用に適切であり得る。当業者であれば、多層フィルムの個別層の厚さを、所望の最終用途性能、最終用途製品、装置能力、及び他の要因に基づいて調節できることを理解するであろう。
ポリエチレン、またはポリエチレン及び本明細書で考察及び記載される1つ以上の他のポリマーのポリマーブレンドから作製されるフィルム、ならびに/または該フィルムを作製するプロセスは、改善された特性を有することができる。例えば、ポリエチレンを含むフィルムは、従来のポリマーブレンドと比較して、フィルムの押出中の低減されたモータ負荷及び/または増加したドローダウン比で生成され得る。モータ負荷の低減は、押出に使用される特定の装置に依存する。ポリエチレン及び比較ポリエチレンの両方が約1g/10分のメルトインデックス(I)を有し、LDPEが約1.9g/10分のメルトインデックス(I)を有する場合、ポリエチレンならびに/またはポリエチレン及び本明細書で考察及び記載されるLDPEのポリマーブレンドが、ポリエチレン及び/またはポリマーブレンドを押出するために必要とされるモータ負荷を、比較ポリエチレン及び/または同じLDPE及び従来のポリエチレンを含有する比較ポリマーブレンドと比較して約10%以上、約12%以上、約14%以上、約16%以上、約18%以上、約20%以上、約22%、約24%以上、約26%以上、約28%以上、または約30%以上実質的に低減できることは、意外かつ予想外の発見であった。
様々な添加剤を、特定の適用によって必要とされる性能特徴に応じて、ポリエチレン組成物及び/または本明細書で考察及び記載されるポリエチレンを含有するポリマーブレンドにおいて用いることができる。添加剤は、ポリエチレン中、及び/または必要に応じて押出フィルム等のポリエチレンから形成された生成物中に含まれ得る。一実施例では、本明細書で考察及び記載されるポリエチレンは、ポリエチレンの総重量に基づいて、約0.1重量%〜約40重量%の添加剤を含むことができる。別の実施例では、ポリエチレンは、ポリエチレンの総重量に基づいて、約5重量%〜約25重量%の添加剤を含むことができる。
そのような添加剤の実施例は、粘着剤、ろう、酸変性ポリオレフィン及び/または無水変性ポリオレフィン等の官能化ポリマー、抗酸化剤(例えば、Ciba−Geigyから入手可能なIRGANOX(登録商標)1010もしくはIRGANOX(登録商標)1076等のヒンダードフェノール)、(例えば、Ciba−Geigyから入手可能なIRGAFOS(登録商標)168)、油、相溶化剤、充填剤、補助剤、接着促進剤、可塑剤、低分子量ポリマー、遮断剤、抗遮断剤、抗静電剤、剥離剤、抗固着添加剤、着色剤、染料、色素、加工助剤、UV安定剤、熱安定剤、中和剤、潤滑剤、界面活性剤、核形成剤、柔軟剤、ゴム、光学的光沢剤、着色剤、希釈剤、粘度変性剤、酸化ポリオレフィン、及びそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されない。添加剤は、第1または直鎖ポリエチレンの一方または両方と組み合わされ得る、及び/またはマスターバッチ中もしくはそれらの任意の組み合わせ中の更なる個別成分として、第1及び直鎖ポリエチレンのブレンドと組み合わされ得る。
前述の考察をよりよく理解するために、以下の非限定実施例を提供する。全ての部分、比率、割合は、別途示されない限り、重量によるものである。
実施例1〜19及び比較例C1−C17のポリマーを生成するために使用される触媒は、チーグラー・ナッタタイプの触媒であった。実施例1〜9のポリマーを生成するために使用される触媒は、次の手順に従って調製された。W.R.Grace & Co.から購入した、600℃で既に焼成されている約613gのDavison 955シリカを、不活性窒素雰囲気下で6リットル混合タンクに充填した。約2.3kgの乾燥、脱気ヘキサンを混合タンクに付加し、スラリーを混合しながら約60℃の温度に加熱した。ヘプタン(19.6重量% BEM)中の約865gの1.2M n−ブチルエチルマグネシウム(BEM)溶液を、約1時間にわたってシリカ/ヘキサンスラリーに付加し、60℃で更に1時間混合して第1の反応生成物を生成した。約198gのジメチルジクロロシラン(DMDCS)を、約1時間にわたって第1の反応生成物に付加し、60℃で更に1時間混合して第2の反応生成物を生成した。約290gのチタン(IV)塩化物を、約100gのヘキサンで、第2の反応生成物に付加する前に約1時間にわたって希釈し、約60℃の温度を保持して、約1時間更に混合した後、そこから揮発性物質を低減圧下で除去して触媒を生成した。触媒は、自由流動粉末の形態であった。実施例1〜9のポリマーを生成するために使用される同じ触媒の第2のバッチを調製し、それを使用して実施例16〜19のポリマーを生成した。第1のバッチと同じ手順に従って、触媒の第2のバッチを調製した。両方の触媒を、Ti、Mg、Cl、及びヘキサン含有量について分析し、その結果は下記表1に示される。
実施例10、11、及び13〜15のポリマーを生成するために使用される触媒は、次の手順に従って調製された。W.R.Grace & Co.から購入した、600℃で既に焼成されている約415gのDavison 955シリカを、不活性窒素雰囲気下で6リットル混合タンクに付加した。約1.4kgの乾燥、脱気ヘキサンを混合タンクに付加し、スラリーを混合しながら約30℃の温度に加熱した。ヘプタン(19.9重量% BEM)中の約524gの1.3M n−ブチルエチルマグネシウム(BEM)溶液を、約30分間にわたってシリカ/ヘキサンスラリーに付加し、30℃で更に19時間混合して第1の反応生成物を生成した。ヘキサン(17.4重量%)中、約1,210gの1.0Mエチルアルミニウムジクロリド(EADC)溶液を、約30分間にわたって第1の反応生成物に付加し、30℃で更に4時間混合して第2の反応生成物を生成した。約21.6gのテトライソプロピルチタン酸塩(TIPT)を、第2の反応生成物に付加し、30℃で更に16時間混合した後、揮発性物質を低減圧下で除去して触媒を形成した。触媒は、自由流動粉末であった。
実施例12のポリマーを生成するために使用される触媒は、次の手順に従って調製された。W.R.Grace & Co.から購入した、600℃で既に焼成されている約465gのDavison 955シリカを、不活性窒素雰囲気下で6リットル混合タンクに付加した。約1.5kgの乾燥、脱気ヘキサンを混合タンクに付加し、スラリーを混合しながら約30℃の温度に加熱した。ヘプタン(19.6重量% BEM)中の約1,200gの1.2M n−ブチルエチルマグネシウム(BEM)溶液を、混合しながら約30分間にわたってシリカ/ヘキサンスラリーに付加して第1の混合物を生成した。第1の混合物を30℃で更に19時間混合し、その後に固体をろ過した。次に固体を、約1.6リットルのヘキサン中に懸濁し、約5分間混合した後ろ過した。この洗浄/ろ過サイクルを更に2回繰り返し、合計3回の洗浄/ろ過サイクルを行った。約1.4リットルのヘキサンを固体に付加し、スラリーを混合しながら約30℃に加熱した。ヘキサン(17.4重量%)中、約1,630gの1.0M二塩化エチルアルミニウム(EADC)溶液を、約30分間にわたって付加して第2の混合物を生成した。第2の混合物を、約30℃の温度で更に4時間混合した。約24.2gのテトライソプロピルチタン酸塩(TIPT)を、第2の混合物に付加して触媒または触媒組成物を生成した。触媒組成物を30℃で更に16時間混合し、その後に固体をろ過した。次に固体を、約1.6リットルのヘキサン中に懸濁し、ろ過する前に約5分間混合した。この洗浄/ろ過サイクルを更に2回繰り返し、合計3回の洗浄/ろ過サイクルを行った。次に、触媒組成物の揮発性物質を低減圧下で除去した。自由流動粉末の形態の触媒が回収された。
実施例1〜19のポリマーを生成するために使用される触媒は、上で考察及び記載される任意の電子供与体の付加なしに調製されたことに留意されたい。そのようにして、触媒は、「供与体を含まない触媒」と称され得る。実施例10〜15のポリマーを調製するために使用される触媒を、Ti、Mg、Al、及びCl含有量について分析し、その結果は下記表2に示される。
約35.6cm(約14インチ)の呼び径を有するUNIPOL(商標)PEプロセス設計の気相流動床重合反応器を、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE)の両方の連続生成に使用した。これらの場合では、サイクルガスブロワーは、ガス再循環ループにおいて、サイクルガス熱交換器の上流に位置していたが、2つを反転させてガスが熱交換器に入る場合のガス温度を低減させることができた。サイクルパイプは、直径約5.1cm(約2インチ)であり、その流量は、サイクルライン内のボール弁によって操作され、流動床内の表層ガス速度を所望の速度で制御した。モノマー及び気体成分を、ブロワー前、ブロワー羽根車において、またはブロワー後の冷却器の上流で付加した。触媒系を、約0.317cm(約0.125インチ)管を介して、流動床に直接、分配器プレート上約0.1m〜2mの高さ、及び最も好ましくは約0.2m〜約1.2mの範囲で、反応器直径の約15%〜約50%の位置で窒素担体ガスフローを使用して別個の小分量で連続的に付加した。トリエチルアルミニウム(TEAL)を共触媒として利用し、ヘキサン中の溶液として反応器に付加した。連続添加剤を使用した場合、ヒドロキシエチルステアリールアミン及びジステアリン酸アルミニウム連続添加剤スラリーの50/50混合物を、揺動スラリー供給容器から反応器に計量して入れ、イソペンタン等の不活性炭化水素を担体溶媒として使用し、ポリマー生成率に基づいて、床において所望の濃度を維持した。ポリマー生成物を、約0.2kg〜5kgの分量で反応器から排液単離タンクを通じて定期的に引き抜き、所望の近似平均流動床レベルまたは重量を維持した。
実施例1〜19のポリマーの生成のための重合条件及び結果は、下記表3A〜Cに示される。
UCAT(登録商標)A2020(Univation Technologies LLCから入手可能)を使用して、比較例C1及びC2のポリマーを生成した。Grace Davisonから入手したSYLOPOL(登録商標)5006触媒を使用して、比較例C3〜C11のポリマーを生成した。比較例C1〜C11の重合結果は、下記表4A〜Bに示される。
比較例C12のポリマーは、TUFLIN(登録商標)HS−7098 NT7(エチレン及びヘキセンのコポリマー)であり、Dow Chemical Companyから入手した。比較例C13のポリマーは、DFDA 7047 NT7(エチレン及びブテンのコポリマー)であり、Dow Chemical Companyから入手した。比較例C14のポリマーは、LDPE 501iポリエチレンで生成され、Dow Chemical Companyから入手した。比較例C16のポリマーは、AFFINITY(商標)PL 1880G(エチレン及びオクテンのコポリマー)であり、Dow Chemical Companyから入手した。比較例C17のポリマーは、EXCEED(登録商標)1018CA(エチレン及びヘキセンのコポリマー)であり、ExxonMobil Chemicalから入手した。
比較例C15は、2リットルのオートクレーブ気相反応器を使用して生成された。次の手順を使用して比較例C15のポリマーを生成した。密封した反応器を、熱及び窒素パージステップを通じて数回循環させ、反応器が清潔であり、不活性窒素雰囲気下にあることを保証した。約1Lの液体イソブタンを、密封した反応器に周囲温度で付加した。約1.3mLの1Mトリエチルアルミニウムの装填を、窒素圧を使用してショットシリンダから反応器に付加した。反応器揺動器を800rpmに設定して電源を入れた。水素(3.83L)及び20mLの1−ヘキセンを反応器に付加した。反応器を約85℃の温度に加熱し、エチレンを付加して125psi差圧を達成した。UCAT(登録商標)A2020(Univation Technologies LLCから入手可能)の名目35mgの充填を、窒素圧を使用してショットシリンダから反応器に付加した。エチレン供給圧を、反応器に一致するように増加させた。重合を約85℃で進行させ、エチレンを連続的に付加して反応器を一定圧で維持した。1時間後、反応器を周囲温度に冷却し、換気、開放して、ポリマー生成物を回収した。
実施例1〜19及び比較例C1〜C17のポリマーに対して選択された特性は、下記表5に示される。
上で表5に示されるように、選択された実施例、つまり実施例1、9、10、14、16、18、及び19ならびに比較例C3、C9、及びC12〜C15の分子量分布(MWD)、ひずみ硬化の勾配(SSH)、及びメルトフロー比(MFR)を測定した。示されるように、実施例1、9、16、18、及び19は全て、約5.03〜約6.4の範囲のMWD、0.75を超えるSSHと、8.33+(4.17×MWD)以上のMFRとを有していた。対照的に、比較例C3、C9、及びC12〜C15のいずれも、3つの特性全てを互いに組み合わせて含んでいない。実際に、MWD、SSH、MFR、及びチーグラー・ナッタポリマーと関連付けられた不均一短鎖分岐分布の固有の組み合わせを有するポリエチレンは、本発明のチーグラー・ナッタ触媒ポリエチレンに固有であると考えられている。
選択された実施例、つまり実施例16〜19及び比較例C12、C13、及びC16に対して測定された別の特性は、コモノマー不均一性指数(CHI)であった。CHIは、次の手順に従って決定された。次のCHI測定手順に使用され、表6に示されるデータは、実施例19に対して取得されたデータであった。説明の明瞭性及び容易性のために、いくつかのデータは表6から省略されている。しかしながら、表6に示されるデータの全範囲の実験データは、図1に描かれるグラフに示され、CEFデータからCHIの計算を示す。
35℃〜105℃の温度の結晶化溶出分別(CEF)データを、温度(T)対応答高さ(H)として表集計した。0未満の応答データ点は、計算の目的でゼロに設定した。0.5℃以下の温度間隔(例えば、0.2℃の間隔)の頻度でデータを収集した。累積曲線は、次のステップに従って計算した:
式中、Hは応答である(質量=dWf/dT)、(2)i=1・・・N−1、(3)N=T=35.0℃に最も近い、それより高い点からT=105.0℃(を含む)に最も近い、それより低い点までの範囲にある点の総数、及び(4)Sは、nS=10×S/Sに従って正規化した。中央値温度Tは、nSが5.0に最も近い点であった。Tにおけるコモノマー含有量は、Cであり、次のステップに従って計算された:(1)C=1−exp(0.5533−(207.0/(273.12+T)))、及び(2)Cは、それぞれ測定されたT:C=1−exp(0.5533−(207.0/(273.12+T)))に対して計算した。領域0.5×C〜1.5×C内の質量分画(M50)は、次のステップに従って計算された:(1)lC=0.5×C;、(2)hC=1.5×C;(3)使用される範囲の制限は、lC及びhCに最も近い計算されたC値を決定することによって設定した:(a)lCに最も近く、それよりも大きいalC=C;及び(b)hCに最も近く、それよりも小さいahC=C;(4)alC及びahCに相当するT値を特定した:(a)lT≡alC、及び(b)hT≡ahC;(5)この領域内の質量分画は、lT〜hTを含む範囲内であるが、ステップ4と同様に計算した。
式中、iは、lT〜hTi−1を含む範囲内のデータ点を表す。CHI=M50/S
実施例18とC12、及び実施例19とC13とを比較するCEFデータは、図2及び3にそれぞれ描かれるグラフに示される。
ひずみ硬化の勾配
伸長粘度フィクスチャーによって測定される、ひずみ硬化の勾配(SSH)は、実施例1、9、10、14、16、18、及び19、並びに比較例C3、C9、及びC12〜C15に対して決定され、それらの値は表5に示される。実施例18及び19と、比較例C3、C12、及びC13とを比較する伸長粘度フィクスチャー(EVF)分析も、図4にグラフで示される。図4に示されるように、実施例18及び19は、意外かつ予想外に、150℃の温度で、上で考察及び記載される伸長粘度フィクスチャー試験に従って測定される、ひずみ硬化速度(0.1s−1)の著しい増加を有していた。
溶融強度
実施例1の溶融強度を、全て約0.4g/10分のメルトインデックス(I)を有する比較例C3及びC15と比較した。図5は、実施例1、C3、及びC15の溶融強度のグラフ表現を描く。図5に示されるように、実施例1のポリエチレンの溶融強度は、意外かつ予想外に、比較例C3及びC15の溶融強度をはるかに超える。
ブローフィルム実験
単層フィルムは、実施例18及び19、ならびに比較例C12及びC13から、ブローフィルムプロセスを介して形成された。特定の実施例に応じて、LDPE樹脂(The Dow Chemical Companyによって製造されたLDPE 501i)を、実施例18、19、C12、またはC13のポリエチレン及びLDPE 501i樹脂に基づいて、なしまたは0〜最大30重量%の範囲の様々な量で実施例とブレンドした。LDPE 501i樹脂は、1.9MIのメルトインデックス(I)を有し、Dow Chemicalから入手した。ブローフィルムは、25μmまたは12.5μmの呼び厚さを有していた。メルトインデックス及び密度に関して本発明のポリエチレンと非常に近い一致を有するため、市販の比較樹脂(C12及びC13)を選択した。より具体的に、実施例18及び比較例C12のポリエチレンは、いずれもメルトインデックス1.0及び密度0.922g/cmのエチレン/ヘキセンコポリマーであり、実施例19及び比較例C13のポリエチレンは、いずれもメルトインデックス1.0及び密度0.918g/cmを有するエチレン/ブテンコポリマーであった。そのようにして、実施例18をC12と比較し、実施例19をC13と比較した。
ブレンド成分、すなわち、LDPE及び本発明のポリエチレン(実施例18もしくは19)、またはLDPE及び比較ポリエチレン(C13もしくはC14)を測量し、回転ドラムブレンダー内でタンブルブレンドした。3つの押出機全ての操作を必要とする3層共押出が可能なColinブローフィルム装置上に、フィルムをブローした。そのようにして、単層フィルムが形成されたとしても、3つの押出機全てが使用され、同じ樹脂または樹脂ブレンドが供給された。
Colinブローフィルム装置は、3つの押出機、すなわち、押出機A、B、及びCを含んでいた。押出機A及びCは、それぞれ25mmバレル径及び25:1のL/D単一フライトスクリュー送りスクリューを有していた。押出機Bは、30mmバレル径及び25:1のL/D単一フライト送りスクリューを有していた。3つの押出機から組み合わされた樹脂を、60mmのダイ径、2mmのダイギャップ、及び約30m/分の最大巻き取り速度を有する環状ダイに供給した。ブローアップ比(BUR)は、約2.5:1であった。BURは、気泡径対ダイ径の比に等しい。フィルムは、巻き取り速度を調節することによって、25μmまたは12.5μmの厚さで生成された。各押出機A、B、及びCは、最大巻き取り速度の50%で操作され、スクリュー速度の変化を必要とすることなく、収容されるモータ負荷及び圧力の変動を可能にした。気泡安定性は、12.5μm厚のフィルム試料をブローした時に、気泡が5秒間安定する最小気流量を測定することによって研究した。行われる実験、押出機データ、及び気泡データは、下記表7に示される。
「ポリマーの加工性」及び「ポリマー加工性」という用語は、同じ意味で使用され、生成率を最大化する能力を示す。そのようにして、加工性の高いポリマーは、加工性の低いポリマーよりも高い割合で変換されることができる。押出加工性は、例えば、駆動モータ(Ampsの電力消費として測定される)及びダイへの入口を含む様々な場所での押出機内の圧力上昇の制限によって制限され得る。ブローフィルムプロセスにおいて、最大生成率は、気泡の安定性によっても制限され得る。多くの形態の気泡不安定性が存在し、押出機システムが関与する特定のポリマーまたはポリマーブレンドの高いスループットが可能であるとしても、それらのうちのいずれかが最大生成率を制限し得ることは、当業者によって理解されるであろう。本発明のポリエチレンの利益を実証する際に、少なくとも5秒間、12.5μm(0.5ミル)のフィルムを提供する巻き取り速度で安定した気泡を維持するために必要とされる最小冷却環気流を測定した。より低い最小気流は、より安定した気泡を示す。本発明のポリエチレンは、比較ポリエチレンを超える改善された加工性を有し、それらのいくつかが表8に示される。
LDPE 501iの付加を含むすべてのポリマーに対して、純粋なポリエチレンに対して低減されたモータ負荷が予想された。実施例18及び19の両方は、等しいブレンド組成物を比較した時に、付加されたLDPE 501iの全レベルにおいて、それぞれ比較例C12及びC13よりも低いモータ負荷を有していた。意外かつ予想外に、実施例18及び19の純粋なポリエチレン(すなわち、LDPEが付加されなかった)もまた、1.85g/10分のメルトインデックスを有するLDPE 501iにも関わらず、最大30重量%のLDPE 501iを含む任意のレベルのLDPE 501iとブレンドされた比較例より低いモータ負荷を呈した。
実施例18及び19の両方は、等しいブレンド組成物を比較した時に、付加されたLDPE 501iの全レベルにおいて、それぞれ比較例C12及びC13よりも実質的に低い押出機圧を呈した。意外かつ予想外に、実施例18及び19の純粋なポリエチレン(すなわち、LDPEが付加されなかった)もまた、1.85g/10分のメルトインデックスを有するLDPE 501iにも関わらず、最大30重量%のLDPE 501iを含む任意のレベルのLDPE 501iとブレンドされた比較例よりも実質的に低い押出機圧重を呈した。
実施例18及び19の両方は、等しいブレンド組成物を比較した時に、付加されたLDPE 501iの全レベルにおいて、それぞれ比較例C12及びC13よりも大きい、または類似する気泡安定性を呈した。意外かつ予想外に、実施例18及び19の純粋なポリエチレン(すなわち、LDPEが付加されなかった)は、最大15重量%のLDPE 501iとブレンドされた比較樹脂と比較して改善された気泡安定性を呈した。
これらの結果を個別かつ一緒に考慮し、実施例18及び19の本発明のポリエチレンが、従来のチーグラー・ナッタ樹脂と比較して実質的に優れた加工性を有し、変換器が、従来のチーグラー・ナッタLLDPEの加工性を改善するために一般に使用されるLDPEを取得し、取り扱う追加のコストなしに、スループットを維持または増加させるのを許すことを実証する。ブローフィルム生成についてここで実証されたが、これらの利益は、流延プロセス、例えば、流延フィルム及び押出コーティング、射出成形、ブローモールディング、及びシート押出を含むが、それらに限定される、ポリマーの押出を伴ういずれの変換プロセスにも等しく適用することが予想される。具体的に、チーグラー・ナッタLLDPEに付加されたLDPEが、純粋なチーグラー・ナッタ樹脂と比較して物理的特性を一般に低減することは当該技術分野において周知であるため、LDPEの使用を排除または低減し、かつ依然として加工性を維持または増加させる能力は、非常に有利である。これを補償するために、変換器は、多くの場合、フィルムのゲージを増加させ、したがってLDPEの付加を通じて得られる生成率の増加の利益を低減する。
実施例18及び19、ならびに比較例C12及びC13、ならびにLDPE 501iとのブレンドの引張特性は、下記表9に示される。測定された引張特性は、フィルム巻き取り方向及び穿孔に対して機械方向(MD)及び横方向(CD)のエルメンドルフ引裂であった。これらの特性は、25μm及び12.5μmフィルムの両方に対して測定された。
穿孔は、穿孔力として報告される(1立方インチあたりのフィートポンドまたはft・lb/in)。全ての実施例では、実施例18及び19の純粋なポリエチレンフィルム(すなわち、LDPE 501iが付加されなかった)の穿孔は、純粋な比較樹脂よりも低かったが、純粋な本発明の樹脂の穿孔は、約20%以上のLDPE 501iを含有する比較樹脂のブレンドを超える。
実施例18及びC12のエチレン/ヘキセンコポリマーフィルムの穿孔間のいくつかの観察は、次の通りであった。実施例18の25μmの純粋なポリエチレンフィルムは、15重量%のLDPE 501iを含有したC12の25μm厚の比較フィルムよりも優れた穿孔を有していた。5重量%のLDPEを持つ実施例18のフィルムは、15%のLDPEを含有していたC12フィルムと同じ穿孔を有していた。実施例18の12.5μmの純粋なポリエチレンフィルムは、15重量%のLDPE 501iを含有する比較樹脂C12よりも優れた穿孔を有していた。5重量%のLDPEを持つ実施例18フィルムは、15重量%のLDPEを含有するC12と同じ穿孔を有していた。実施例18の純粋なポリエチレンフィルムに相当するモータ負荷を達成するために、比較例C12における30重量%のLDPE 501i負荷が必要であった。相当する押出機圧を達成するために、更に多い量のLDPE 501iが必要となるであろう。したがって、実施例18の本発明のポリエチレンの使用を通じて、増加した加工性の利益を享受すると同時に、改善された穿孔性能を達成することが可能であった。
実施例19及びC13のエチレン/ブテンコポリマーフィルムの穿孔間のいくつかの観察は、次の通りであった。実施例19の25μmの純粋なポリエチレンフィルムは、30重量%のLDPE 501iを含有した比較樹脂C13よりも優れた穿孔を有し、補間を介して22重量%ブレンドに類似する穿孔を有していた。5重量%のLDPEを含有した実施例19のフィルムは、30重量%のLDPEを含有したC13のフィルムと比較して、優れた穿孔を有していた。実施例19の12.5μmの純粋なポリエチレンフィルムは、30重量%のLDPE 501iを含有した比較C13フィルムよりも優れた穿孔を有していた。10重量%のLDPEを含有した実施例19のフィルムは、30重量%のLDPEを含有したC13のフィルムと同じ穿孔を有していた。実施例19の純粋なポリエチレンフィルムに相当するモータ負荷を達成するために、比較例C13における30重量%のLDPE 501i負荷が必要であった。相当する押出機圧を達成するために、更に多い量のLDPE 501iが必要となるであろう。したがって、実施例19の本発明のポリエチレンの使用を通じて、増加した加工性の利益を享受すると同時に、改善された穿孔性能を達成することが可能であった。
引裂特性に対するLDPE 501iの付加の影響は、実験の条件下で生成されたフィルムのゲージに非常に依存していた。25μmにおいて、横方向の引裂またはCD引裂(横断方向またはTD引裂とも称される)は、LDPE負荷が増加するにつれて増加したが、機械方向またはMD引裂は減少した。対照的に、12.5μmにおいて、CD及びMD引裂の両方は、LDPEの付加によって最大約15重量%まで増加した。より高いレベルで、CD及びMD引裂値は、わずかに減少する傾向があった。実施例18及び19の本発明のポリエチレンは、良好な引裂性能を必要とする薄いゲージフィルム適用に特に適していることが分かった。
エチレン/ヘキセンコポリマーフィルムの引裂特性間のいくつかの観察(実施例18対C12)は次の通りであった。実施例18及びC12の25μmフィルムのCD引裂は、ゼロ負荷を含む全てのLDPE負荷において実質的に同じであった。実施例18及びC12の両方で、CD引裂は、LDPE負荷の増加にともなって増加する傾向があった。実施例18の25μmフィルムのMD引裂は、C12の純粋な比較ポリエチレンと比較して実質的に低減された。実施例18のMD引裂は、LDPE負荷のレベルによって本質的に影響を受けず、約100gの値を維持していたが、C12の引裂は、ゼロLDPEでの約400gから30重量%のLDPEで約160gに低下した。実施例18及びLDPE 501iを含有する実施例18の12.5μmフィルムのCD引裂は、C13の比較フィルムのCD引裂を超えた。CD引裂は、LDPE組成物の増加にともなって増加する傾向があった。実施例18のCD引裂は、15重量%のLDPE負荷で最大に到達し、値は約425gであり、C13フィルムで到達された最大引裂もまた、15重量%のLDPE負荷においてであり、値は約310gであった。実施例18の12.5μmフィルムの全てのMD引裂は、C13の比較フィルムのMD引裂を超えた。実施例18及びC12の両方の場合、MD引裂は、LDPE負荷の増加にともなって増加する傾向があった。実施例18のMD引裂は、15重量%のLDPE負荷で最大に到達し、値は約1,025gであり、C13のMD引裂もまた、15重量%のLDPEで最大に到達し、値は約725gであった。実施例19の本発明のポリエチレン/ヘキセンコポリマーは、ブローフィルムプロセスによって薄いゲージフィルム(12.5μm)に形成された場合、特に有益であった。実際に、実施例18の純粋なポリエチレンのCD及びMD引裂特性は、C12と比較して、いずれのLDPE 501i負荷においても実質的に改善しただけでなく、実施例18の本発明のポリエチレンコポリマーは、LDPEの不在下で、優れた加工性を提供した。実施例18の純粋なポリエチレンコポリマー(すなわち、LDPEが付加されなかった)は、より厚いゲージ(25μm)においてあまり有益でなかったが、変換器が高負荷のLDPE(例えば、15重量%以上)を使用する状況では、実施例18の純粋なポリエチレンコポリマーは、優れた加工性とともに、類似のCD及びMD引裂特性を提供する。
エチレン/ブテンコポリマーフィルムの引裂特性間のいくつかの観察(実施例19対C13)は次の通りであった。本発明のポリエチレンコポリマー実施例19及び比較コポリマーC13の25μmフィルムのCD引裂は、ゼロ負荷を含む全てのLDPE負荷において実質的に同じであった。実施例19及びC13の両方で、CD引裂は、LDPE負荷の増加にともなって増加する傾向があった。実施例19の純粋なポリエチレンコポリマーに対する25μmフィルムのMD引裂は、約100gであり、純粋な比較樹脂C13(約155g)よりも低かった。実施例19及びC13フィルムの両方のMD引裂は、LDPEが付加された場合、ほぼ線形様式で低減した。純粋な実施例19フィルムのMD引裂は、10重量%のLDPEを含有したC13フィルムのそれとほぼ同じであり、より高レベルのLDPE 501iを含有したC13フィルムよりも優れていた。
実施例19の全てのポリエチレンコポリマーに対する12.5μmフィルムのCD引裂は、最大約15重量%のLDPE 501iの比較C13フィルムのそれと実質的に同じであった。30重量%のLDPE負荷において、実施例19フィルムのCD引裂は、約290gであったが、対応するC13フィルムのCD引裂は、約210gであった。実施例19及びC13の両方の場合、CD引裂は、LDPE負荷の増加にともなって増加する傾向があった。実施例19のCD引裂は、30重量%のLDPE負荷で最大に到達し、値は約290gであったが、C13フィルムのCD引裂は、15重量%のLDPE負荷で最大に到達し、値は約265gであった。
実施例19フィルム及びC13フィルムのMD引裂は、それぞれ約540g及び560gでほぼ等しかった。実施例19フィルムのMD引裂は、ほぼ線形様式で増加し、30重量%のLDPE 501i負荷で約675gの値に到達した。C13フィルムのMD引裂は、最大約15重量%のLDPEまでLDPE 501iの付加によって実質的に影響を受けなかった。しかしながら、30重量%のLDPE負荷において、C13フィルムは、MD引裂の実質的な減少を示した。
本発明の実施例19のポリエチレンコポリマーフィルムは、ブローフィルムプロセスによって薄いゲージフィルム(例えば、12.5μm)に形成された場合、特に有益であった。実施例19の純粋なポリエチレンフィルムのCD及びMD引裂特性は、任意のLDPE 501i負荷でのC13の比較ポリエチレンフィルムに概して類似していたが、実施例19の本発明のポリエチレンコポリマーは、LDPE負荷の不在下で、優れた加工性を提供した。実施例19の本発明のポリエチレンコポリマーはまた、より厚いゲージフィルム(例えば、25μm)の生成のために、特に約10重量%を超えるLDPE負荷でのC13の比較ポリエチレンコポリマーと比較した場合に有益であった。変換器が現在、高負荷のLDPE(例えば、10重量%以上)を現在使用している状況では、実施例19の純粋なポリエチレンコポリマーは、優れた加工性とともに、類似のCD及びMD引裂特性を提供する。
光学(明瞭性及びかすみ)も、実施例18及び19ならびに比較例C12及びC13の25μmフィルムに対して測定された。明瞭性及びかすみの値は、下記表10に示される。
表10に示される明瞭性の値は、入射光の割合として報告される。明瞭性及びかすみの値は、それぞれASTM D1746及びD1003に従って測定された。実施例18フィルムの全ての本発明のポリエチレンコポリマーの明瞭性は、全ての対応する比較C12フィルムの明瞭性を超えた。C12フィルムの明瞭性は、LDPE負荷が0から30%に増加するにつれて、87.5%から94.0%に増加した。実施例18フィルムの明瞭性は、LDPE負荷が増加するにつれて、実質的に未変化のままであり、全ての場合において、95.5%に近い値を持つ。
実施例19及びC13の本発明及び比較エチレン/ブテンコポリマーフィルムの明瞭性は、LDPE 501iの全ての負荷において実質的に未変化であった。実施例19の純粋なポリエチレンコポリマーの明瞭性は、約98.2%であり、C13の純粋なコポリマーのそれは、約99.5%であった。
実施例18の全ての本発明のポリエチレンコポリマーのかすみは、C12の対応する比較フィルムのかすみよりも低かった。比較C13フィルムのかすみは、LDPE負荷が0から30重量%に増加するにつれて、12.4%から5.5%に減少した。実施例18の本発明のポリエチレンコポリマーのかすみは、LDPEの付加によって実質的に変化せず、値は純粋な実施例18の場合、約6%、及び30重量%のLDPE負荷の場合は約5.4%であった。
実施例19フィルムのかすみは、LDPE 501iの全ての負荷において実質的に未変化のままであり、約5%に近い値であった。C13フィルムのかすみは、LDPE 501iの負荷の増加とともに4.9%から2.5%に減少した。
実施例18の本発明のエチレン/ヘキセンコポリマーの光学は、C13の比較エチレン/ヘキセンコポリマーの光学よりも優れ、特に最大30重量%のLDPE 501iを含有する比較コポリマーの光学よりも優れていた。これは、本発明の樹脂の優れた加工性に加えて、実施例18の本発明のコポリマーが、良好な光学が必要とされる状況において有益であることを示す。
追加の重合実験
実施例1〜9及び実施例16〜19のポリマーを生成するために使用される同じ触媒の第3及び第4のバッチを調製し、それらを使用して実施例20〜25及び26〜32のポリマーをそれぞれ生成した。これらの第3及び第4の触媒のバッチは、下記表11に照らして当業者に明らかであろう小さな変更とともに、実施例1〜9及び16〜19の第1のバッチについて上で概説されるものと同じ一般手順に従って調製した。そのようにして、これらの触媒もまた、上で考察及び記載される任意の電子供与体の付加なしに調製され、これらの触媒は、「供与体を含まない触媒」とも称され得る。これらの触媒を、Ti、Mg、及びCl含有量について分析し、その結果は下記表11に示される。
約35.6cm(約14インチ)の呼び径を有するUNIPOL(商標)PEプロセス設計の気相流動床重合反応器を、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、及び高密度ポリエチレン(HDPE)の両方の連続生成に使用した。重合プロセスは、一般に実施例1〜19に対して上で記載される通りであった。比較例C18のポリマーは、Univation Technologies,LLCから入手可能なUCAT(商標)A4520触媒を使用して生成された。
実施例20〜32のポリマーの生成に対する重合条件及び結果は、下記表12A〜Bに示される。
実施例20〜32のポリマーに対して選択された特性は、下記表13A〜Bに示される。
理論に拘束されるものではないが、LS検出器を使用して計算されたMと、RI検出器を使用して計算されたMとの比、M(LS)/M(RI)は、ポリマー中に存在する長鎖分岐に関連する。ポリエチレンは、約1.4〜約3.0、約1.4〜2.8、または約1.45〜2.72のM(LS)/M(RI)値を有することができる。
全ての数値は、「約」または「およそ」の表示値であり、当業者によって予想される実験誤差及び偏差を考慮する。
様々な用語は、上に定義されている。特許請求の範囲内で使用される用語が上に定義されていない場合、関連する技術分野における当業者が、少なくとも1つの印刷刊行物または発行特許において反映されるように該用語に付与する最も広い定義を付与しなければならない。更に、全ての特許、試験手順、及び本出願で引用される他の文書は、そのような開示が本出願と矛盾しない程度で、そのような組み込みが許される全ての権限において、参照することにより完全に組み込まれる。
上記の開示に基づく発明の例として、以下のものが挙げられる。
[1] 約4.5〜約14の分子量分布(MWD)と、
伸長粘度フィクスチャー(EVF)によって測定される、約0.75を超えるひずみ硬化の勾配と、
8.33+(4.17×MWD)以上のメルトフロー比(I 21 /I )と、を含む、ポリエチレン。
[2] 前記ポリエチレンが、約6.8〜約14のMWDを有する、[1]に記載の前記ポリエチレン。
[3] 前記ポリエチレンが、約6.9〜約14のMWDを有する、[1]に記載の前記ポリエチレン。
[4] 前記ポリエチレンが、約7.0〜約14のMWDを有する、[1]に記載の前記ポリエチレン。
[5] 前記ポリエチレンが、1,000炭素原子あたり約0.01超かつ1,000炭素原子あたり約0.07未満の長鎖分岐(LCB)を有する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[6] 前記ポリエチレンが、1,000炭素原子あたり約0.05〜0.06の長鎖分岐(LCB)を有する、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[7] 前記長鎖分岐が、4以上の炭素原子からなる、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[8] 前記ポリエチレンが、約1.4〜約3.0の、LS検出器を使用して計算された重量平均分子量と、RI検出器を使用して計算された重量平均分子量との比、M (LS)/M (RI)を有する、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[9] 前記ポリエチレンが、約1.4〜約2.8の、LS検出器を使用して計算された重量平均分子量と、RI検出器を使用して計算された重量平均分子量との比、M (LS)/M (RI)を有する、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[10] 前記ポリエチレンが、約0.5未満のコモノマー不均一性指数(CHI)を有する、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[11] 前記ポリエチレンが、不均一分布の短鎖分岐(SCB)を有する、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[12] 前記ポリエチレンが、約30〜約60の範囲のメルトフロー比(I 21 /I )を有する、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[13] 前記ポリエチレンが、約45〜約60の範囲のメルトフロー比(I 21 /I )を有する、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[14] 前記ポリエチレンが、約46〜約60の範囲のメルトフロー比(I 21 /I )を有する、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[15] 前記ポリエチレンが、0.91g/cm 〜約0.965g/cm の密度を有する、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[16] 前記ポリエチレンが、0.945g/cm 以上の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))(式中、aが1.5に等しい)以上の溶融強度と、を有する、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[17] 前記ポリエチレンが、0.945g/cm 以上の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))(式中、aが1.75に等しい)以上の溶融強度と、を有する、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[18] 前記ポリエチレンが、0.945g/cm 以上の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))(式中、aが1.9に等しい)以上の溶融強度と、を有する、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[19] 前記ポリエチレンが、0.945g/cm 以下の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))(式中、aが1.2に等しい)以上の溶融強度と、を有する、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[20] 前記ポリエチレンが、0.945g/cm 以下の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))(式中、aが1.5に等しい)以上の溶融強度と、を有する、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[21] 前記ポリエチレンが、0.945g/cm 以下の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))(式中、aが1.9に等しい)以上の溶融強度と、を有する、[1]〜[14]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
[22] 前記ポリエチレンが、いずれの電子供与体もしくは供与体化合物も含まないか、または本質的に含まない触媒を使用して作製される、[1]〜[21]のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。

上述は本発明の実施形態を対象とするが、本発明の他の及びさらなる実施形態を、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は以下に続く特許請求の範囲により決定される。

Claims (10)

  1. 4.97〜7の分子量分布(MWD)と、
    TAインスツルメント社のARESレオメータに取り付けた伸長粘度フィクスチャー(EVF)によって0.1s -1 のひずみ速度において150℃で測定される、0.75を超えるひずみ硬化の勾配と、を含む、ポリエチレンであって、
    不均一分布の短鎖分岐(SCB)と、8.33+(4.17×MWD)以上のメルトフロー比(I21/I)と、1,000炭素原子あたり0.01〜0.07の長鎖分岐(LCB)とを有する、前記ポリエチレン。
  2. 前記ポリエチレンが、4.97〜6.83のMWDを有する、請求項1に記載の前記ポリエチレン。
  3. 前記ポリエチレンが、1,000炭素原子あたり0.05〜0.06の長鎖分岐(LCB)を有する、請求項1〜2のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
  4. 前記ポリエチレンが、1.4〜3.0の、LS検出器を使用して計算された重量平均分子量と、RI検出器を使用して計算された重量平均分子量との比、M(LS)/M(RI)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
  5. 前記ポリエチレンが、0.5未満のコモノマー不均一性指数を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
  6. 前記ポリエチレンが、3〜60の範囲のメルトフロー比(I21/I)を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
  7. 前記ポリエチレンが、0.91g/cm 〜0.965g/cmの密度を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
  8. 前記ポリエチレンが、0.945g/cm以上の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))(式中、aが1.5に等しい)以上の溶融強度と、を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
  9. 前記ポリエチレンが、0.945g/cm以下の密度と、a×(3.7463×exp(−1.485×log(MI)))(式中、aが1.2に等しい)以上の溶融強度と、を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
  10. 前記ポリエチレンが、いずれの電子供与体もしくは供与体化合物も含まない触媒、または電子供与体もしくは供与体化合物を触媒の総重量に基づき1重量%未満含む触媒を使用して作製される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の前記ポリエチレン。
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