JP2012509165A - 排ガス配管への尿素溶液吐出装置 - Google Patents

Abstract

排ガス配管（４０）への尿素溶液吐出装置は、尿素溶液を供給するための配管接続部（１４）及びこれと配管接続されたノズルヘッドを有する噴射ノズル（２）を有している。ノズルヘッドにより、尿素溶液を細かく分散した状態で排ガス流に供給可能である。さらに前記装置は、排ガス配管壁部（４４）にある貫通部（４６）を取り囲み、ノズルヘッドに密着して支持するとともに噴射ノズル（２）を取外し可能に取り付けるように形成された受け部（４２）を有している。さらに、受け部（４２）の中でノズルヘッドを非確動の嵌め込みにより支持するためのばね手段が設けられている。
【選択図】図５

Description

本発明は、排ガス配管への尿素溶液吐出装置に関する。

このような種類の装置は、とりわけディーゼルエンジンで駆動される自動車及び特に商用車において、これらのエンジンの窒素酸化物を減らすために用いられている。そのために、排ガス配管に配置された触媒装置へ入る前に、エンジンからの排ガス流に窒素酸化物を分解するための還元剤が供給される。この還元剤は通常、尿素水溶液であり、これが排ガス流に噴射され、そこで窒素酸化物を窒素と水に変える。

本発明の課題は、簡単に製造可能であるとともに、簡単に自動車に組付け可能であり、尿素溶液を確実に排ガス配管へ投入することができる装置を提供することにある。さらに本発明の別の課題は、このような装置の噴射ノズルのための迅速で簡単な組付け方法を提供することにある。

この課題のうち、装置に関する部分は、請求項１に記載の構成要件を備える装置によって解決され、方法に関する部分は、請求項１９に記載の構成要件を備える噴射ノズルを組付ける方法によって解決される。本発明の発展例は、従属請求項、以下の説明、並びに図面から明らかとなる。

本発明による排ガス配管への尿素溶液吐出装置は、尿素溶液を供給するための配管接続部が設けられた噴射ノズルを有している。噴射ノズルの流入側に配置されたポンプによって、好ましくはエンジン制御部で制御しながら、尿素溶液を噴射ノズルへ供給することができる。このポンプは連続式に送出をするポンプであってよく、この場合、尿素溶液の供給を制御するために、典型的には制御可能なバルブが設けられる。このバルブは噴射ノズルの入口側に配置されていてよく、または噴射ノズルそのものが、例えば電磁式もしくは電気式に制御可能なバルブ機能を発揮する閉止体を有してもよい。ただし、尿素溶液を送出するために、電気部品を使わない噴射ノズルの純粋に機械式の構造を可能にする、送出量を制御可能なポンプが設けられているのが好ましい。

尿素溶液を細かく分散された状態で排ガス流へ供給できるようにするために、本発明による噴射ノズルは、尿素溶液を供給するための配管接続部と接続されたノズルヘッドを有している。このノズルヘッドには少なくとも１つの、または好ましくは２つの、互いに交差する噴射方向を有する出口開口部が配置されており、これらの出口開口部は、尿素溶液が非常に細かく分散された状態で、排ガス配管の実質的に配管断面全体にわたって排ガス流へ投入されるように形成され、配置されている。

本発明は、排ガス配管への噴射ノズルの取外し可能な取り付けのために、噴射ノズルのための受け部を設けることを意図している。この受け部は、排ガス配管壁の貫通部を部分的または全面的に取り囲むように、排ガス配管の外側に配置される。排ガス配管壁の貫通部を介して、尿素溶液は、受け部内に配置された噴射ノズルから排ガス配管へ吐出される。ここで、噴射ノズルは、本発明による装置のその他すべての構成要素と同じく、排ガス配管の外部に配置されている。これにより、本発明による装置の自動車への簡単な組付けが可能となる。その上、噴射ノズルは、このように排ガス配管の外部に配置されているため、排ガス配管内に係合する噴射ノズルとは異なり、大幅に低い熱負荷しか受けることがない。このことは、熱負荷によって引き起こされる噴射ノズルの破損の危険、特に噴射ノズル内での尿素の結晶析出という危険、及びそれによって惹起される噴射ノズルの詰まりを低減させる。

噴射ノズルと排ガス配管の間での、すなわち排ガス配管外部での尿素溶液の漏れを防ぐために、受け部は、噴射ノズルのノズルヘッドに密着して当接するように形成されており、受け部内でのノズルヘッドの当接は、本発明によると、ばね手段による非確動の嵌め込み（non-positive fit）により行われる。このときばね手段は、自動車の運転時に通常発生するような排ガス配管の揺れや振動が起こったときでも、排ガス配管に固定的に配置された受け部へのノズルヘッドの密着した当接を保証するという利点があり、それにより、排ガス配管外部の受け部からノズルヘッドが意図せず分離することによって、尿素溶液が流出することがない。

ノズルヘッドと受け部との間の非確動の嵌め込みを成立させるために用いられるばね手段は、噴射ノズルに直接取り付けられていてもよく、別個のばね部材であってもよい。しかしながら、受け部への噴射ノズルの組付けを簡素化するために、取り外しできるばね手段は避けるのが好ましい。この理由により、ばね手段は噴射ノズルの一体化された構成要素であるのが好ましい。

ばね部材の種類は原則として任意であり、ばね部材はハウジングに固定的に、またはスライド可能に配置されていてよい。本発明による噴射ノズルの１つの好ましい実施形態では、ばね部材は、ハウジングにスライド可能に配置された当接部分と、ノズルヘッドに形成された当接面との間で支持される。この場合、ハウジングの外側で周りを取り囲むように配置されたコイルばねが設けられるのが好ましく、ノズルヘッド及びハウジングに配置された支持部分は、いずれもコイルばねが周りに配置されているハウジング部分から半径方向に延びている。そして、支持部分及びノズルヘッドのこのような延設部分が、コイルばねのための支持面をそれぞれ形成する。

噴射ノズルは、ハウジングの中で限定的に可動なように案内された中央のパイプを有しているのが好ましく、その一方のパイプ端部にノズルヘッドが配置される。このパイプは尿素溶液をノズルヘッドへ供給する役目を果たすものであり、ノズルヘッドへの通路を形成する。ハウジングにスライド可能に配置された支持部分は、この実施形態では、受け部の内部または表面に確動な嵌め込み（positive fit）により取り付けられ、この支持部分とノズルヘッドとの間にばねが支持される。このとき、受け部への支持部分の取り付けは、ばね部材の応力のもとで、ノズルヘッドが受け部に支持するように行われるのが有効である。さらに、受け部へ支持部分を確動な嵌め込みにより取り付けるために必要な手段は、受け部からのハウジングの分離を防ぐだけでなく、特に受け部に対して相対的なハウジング及びこれに伴う噴射ノズル全体の回転も防止するように形成するのが好ましい。さらに、ハウジングの回転を防止する確動な嵌め込み手段は、噴射ノズルによって排ガス配管の実質的に内側断面全体にわたって分散された状態で尿素溶液を排ガス配管へ投入できるように、噴射ノズルを定められたとおり排ガス配管に位置決めすることも可能にする。ばねは、受け部内でノズルヘッドを当接位置へ密着するように押し付けて、これを排ガス配管またはこれに取り付けられた受け部の運動に関わりなく受け部位置で保つ圧縮ばねであるのが好ましい。

ノズルヘッドは、少なくとも１つの出口通路が形成されたコンポーネントを有しているのが好ましく、このコンポーネントはハウジングの外径全体にわたって延びるとともに、ばねのための支持面を形成してもよい。これにより、ばね部材またはコイルばねが、ノズルヘッドの外側円周を超えて延びないことにより、特別に省スペースなばね部材の配置が可能になるため有利である。さらに、噴射ノズルのための受け部は、コイルばねが周囲に配置されているハウジング部分及びノズルヘッドのための案内部を形成する、円筒状の中空スペースを有しているのが好ましい。

支持部分は、受け部へハウジングを取り付けるために設けられた、実質的に平坦な環状部材によって形成されるのが好ましい。環状部材は、ハウジングに配置され、そこでスライド可能であるようにハウジングを緩やかに取り囲むのが有効である。

本発明による噴射ノズルのさらに有利な実施形態では、ばねは、支持部分と、噴射ノズルに固定して形成された支持面との間で支持されてもよい。この場合、ばねのための支持面は、噴射ノズルのハウジングに直接形成されていてもよく、または、ハウジングに取り付けられたコンポーネント、特にそこに取り付けられている固定リングによって形成されてもよい。これは、応力をかけられたばねの力によってノズルヘッドが付勢されないので、ノズルヘッドが負荷を受けないという利点がある。

本発明による装置の噴射ノズルにかかる熱負荷は、排ガス配管の中に係合するノズルに比べて低いが、それでも排ガス配管のすぐ外面では比較的高い温度にさらされる。そのような温度が、噴射ノズルの中の尿素の結晶析出につながらないようにするために、ハウジングは冷却体として形成されているのが有利である。したがって、ハウジングの材料と形態は、ハウジングにより排ガス配管の領域で吸収される熱を迅速かつ十分な程度に噴射ノズルを取り囲む空気へ放出できるようになっているのが好ましい。例えば、ハウジングは、熱を放出する表面積を拡大するための冷却リブが有効に形成されたアルミニウムダイカスト部品または軽金属鋳造部品であってよい。そのほか典型的には、ハウジング内に、ハウジングの外部に熱を排出できる液体冷却部を設けることも可能である。

典型的な場合、排ガス流と直接的に連通するノズルヘッドは、特に高い熱負荷にさらされる。ノズルヘッドから熱を外部に排出できるようにするために、噴射ノズルを受け部へ配置したときに、噴射ノズルのハウジングの円筒状部分の端面がノズルヘッドに当接する、噴射ノズルが形成されるのが好ましい。それにより、ノズルヘッドで吸収された熱をそのままハウジングへ、さらにそこから周囲空気へ排出するのが好ましい。

ノズルヘッドから、冷却体として形成されたハウジングへの熱排出を確保できるようにするために、ノズルヘッドにハウジングを非確動の嵌め込みにより支持させるためのばねが設けられるのが好ましい。このばねは、噴射ノズルのハウジングに配置されるのが好ましい。

噴射ノズルのさらに有利な実施形態として、噴射ノズルのハウジング内に形成され、接続受け部を配置するための段状の拡張部を設けることが意図される。接続受け部と拡張部の段部との間には、パイプを取り囲むばねが配置される。このように配置されたばねは、ハウジングをノズルヘッドに向かって押圧し、ノズルヘッドからハウジングへの熱伝導部を形成する。実現されるばね経路が比較的短いので、このばねは例えば皿ばねとして形成されていてもよい。しかしながら、コイルばねとしてのばねの形成が好ましい。

本発明による噴射ノズルのさらに有利な実施形態として、ばね部材は噴射ノズルのハウジングと、噴射ノズルのための受け部とに支持される。したがって、噴射ノズルには、場合によりばね部材のための当接面が設けられる。これに関連して、環状部材が弾性作用をもつように形成されるとともに、噴射ノズルのハウジングに固定されると、このような支持面も省略できるので特に有利である。すなわち、このさらなる実施形態の環状部材は、確動の嵌め込みを形成するためだけでなく、受け部との非確動の嵌め込みを形成するのにも利用される。この目的のために、環状部材は皿ばねに類似するように形成されていてよい。

環状部材に対応して受け部にも、環状部材を支持させることができる一種のフランジが形成されるのが有利であり、環状部材とフランジは、環状部材及びフランジを包囲する固定具によって相互に確動の嵌め込みと非確動の嵌め込みにより固定されるのが好ましい。このとき環状部材は、受け部内のノズルヘッドが排ガス配管壁に形成された貫通部の外側の所定の位置に支持したときに、受け部に形成されたフランジに支持してフランジに固定されるようにハウジングに配置されるのが有効である。

受け部のフランジに環状部材を取り付けるために設けられるのが好ましい固定具は、通常のホース固定具とは異なり、環状部材とフランジを円周側からだけでなく、互いに離れたフランジ側でも包囲するように、実質的に自由な方法で形成されているのが有利である。そのために固定具は、相応に寸法決めされた溝を内面に有しているのが有効である。固定具は、受け部内での噴射ノズルの迅速で簡単な取り付けを可能にし、噴射ノズルを特別に調整することなく、ノズルヘッドは受け部内でばね部材によって所定の位置に密着して当接する。

別案として、受け部に噴射ノズルを取り付けるために、場合により、バヨネット接合が設けられてもよく、このバヨネット接合は、噴射ノズルを２段階で取り付け可能であるように形成されるのが好ましい。噴射ノズルは、第１の閉止位置では受け部に拘束的に固定されるにすぎず、第２の閉止位置では前述したように初期応力をかけられた状態で取り付けられる。固定プロセスは、工具なしで行ってもよいのに対し、初期応力を与えるプロセスは工具を利用して行うことが必要になる場合がある。噴射ノズルに応力をかけるときに噴射ノズルを保持しなくてよく、応力をかけるのに両手を使うことができるので、２段階の取り付けプロセスは特に有利である。これは特に、自動車の作動中に保守作業をするときに有利である。

ハウジングからその中心を通るパイプへの熱伝導を防止するために、パイプはノズルヘッドの領域でハウジングと熱伝導状態で接続されるのが好ましく、その他の領域ではハウジングから間隔をおいている。このような実施形態は、高い温度にさらされる領域で、すなわちノズルヘッドの周辺で、パイプから熱をハウジングへ排出可能にするが、それ以外では、パイプとハウジングの間に形成された自由空間により、熱がハウジングからパイプへ伝わることがない。

ハウジングの中を通るパイプの流入側の端部には、尿素溶液配管への接続のための接続受け部が取り付けられるのが有利である。この接続受け部は、例えばパイプと溶接されていてよい。接続受け部はスリーブ状に形成され、フィルタが収容されるのが特に有利である。接続受け部は、配管接続部をねじ止め可能な円筒状の中空スペースを有してもよく、パイプが取り付けられた接続受け部の底面と配管接続部との間に中空スペースが残り、その中に、場合により発生する尿素溶液の不純物を捕集するためのフィルタが配置される。このような実施形態では、接続受け部から配管接続部を回して外すことで、場合によりフィルタを簡単な方法で取り外して交換することができる。

噴射ノズルのための受け部には、排ガス配管の貫通部を覆う領域が、排ガス配管を起点として凹面状に湾曲して形成されているのが特に好ましい。これは、噴射ノズルのノズルヘッドの適切な設計及び構造によって、尿素溶液の噴射を受け部の湾曲領域で相応に幅広く拡張させることができるので、実質的に排ガス配管の断面全体にわたって尿素溶液を細かく分散させて吐出することが可能となり有利である。

このような尿素溶液噴射の拡張を実現するために、噴射ノズルのノズルヘッドは少なくとも２つの出口通路を有しているのが有利であり、これらの出口通路は、出口通路の中心軸が噴射ノズルの外部で交差するように互いに傾いている。このようなノズルヘッドの構成は、出口通路を通って流れるそれぞれの尿素溶液噴射の衝突を惹起し、この衝突は最終的に、排ガス配管の尿素溶液の幅広く細かい分散につながる。この観点からは、好ましくは、出口通路の中心軸の交差点と噴射ノズルとの間隔が出口通路の直径よりも短いと、特別に良好な結果が得られる。これにより、出口通路を通って流れる尿素溶液噴射がノズルヘッド内部ですでに部分的に衝突するというという結果を得られる。このため、ノズルヘッドは、２つの出口通路がともに連通する窪み状の切欠きをその外面に有しているのが有効である。

パイプの内側断面がノズルヘッドの方向に連続して拡大するように、ノズルヘッドに接するパイプの流出側端部の内径部に面取りを形成することによって、ノズルヘッドに形成された出口通路への良好な流れ込みを有利に達成できる。

本発明による噴射ノズルを組付ける方法では、ハウジングはパイプへ緩やかに嵌め込まれる。次いで、ノズルヘッドを形成するコンポーネントがパイプに溶接される。これは、ハウジングをパイプやコンポーネントに固定することなく、ハウジングがパイプと噴射ノズルのノズルヘッドの一部を形成するコンポーネントとの間で直接的または間接的に固定されるので有利である。本発明による噴射ノズルの組付けは、相応に迅速かつ簡単に完了する。ノズルヘッドを形成するコンポーネントとハウジングにスライド可能に配置された環状部材との間でコイルばねが支持される噴射ノズルの実施形態では、環状部材とコイルばねもまた、ハウジングへ緩やかに嵌め込んでもよく、個別に固定することなくハウジングとコンポーネントの間で固定される。

次に、本発明による排ガス配管への尿素溶液吐出装置について、図面に示されている実施例を参照しながら詳しく説明する。

第１の実施形態の噴射ノズルを示す側面図である。 図１の噴射ノズルを示す図１のII−II線に沿った断面図である。 図２の詳細部Ｘを示す拡大図である。 図２の詳細部Ｙとして図１の噴射ノズルのノズルヘッドを示す拡大図である。 排ガス配管に配置された受け部に配置されている、図１の噴射ノズルを示す部分破断図である。 第２の実施形態の噴射ノズルを示す側面図である。 第３の実施形態の噴射ノズルを示す側面図である。 排ガス配管に配置された受け部に配置されている、図７の噴射ノズルを示す部分破断図である。

図面に示すいずれの実施例においても、噴射ノズル２ａ，２ｂ，２ｃはパイプ４を有しており、このパイプは４、パイプ４の端部に形成されたノズルヘッド（図４）への流動通路を形成している。パイプ４の端面にはコンポーネント６ａまたは６ｂが支持しており、コンポーネント６ａまたは６ｂは、そこでレーザ溶接８によってパイプ４の端面と環状に溶接されている（図４）。コンポーネント６ａ，６ｂには２つの出口通路１０が形成されており、これらの出口通路１０は、パイプ４とは反対側のコンポーネント６ａ，６ｂの側面で、そこに形成された切欠き１１に共に連通するように、パイプ４の長軸Ａに対して斜めに並べられており、２つの出口通路１０の中心軸Ｂ及びＣは、噴射ノズル２の外部にある点Ｄで互いに交わる。コンポーネント６ａ，６ｂの出口通路１０への良好な流れ込みを保証するために、コンポーネント６ａ，６ｂに接しているパイプ４の端部は内側で面取りされている。

ノズルヘッドと反対側のパイプ４の端部には、配管接続部１４ａ（噴射ノズル２ａ及び２ｂ）のための噴射ノズル２ａ及び２ｂ用の接続受け部１２ａ、または配管接続部１４ｂ（噴射ノズル２ｃ）のための噴射ノズル２ｃ用の接続受け部１２ｂが、図示されていない尿素溶液配管へ取り付けられている。図２及び図６に示す噴射ノズル２ａ及び２ｂでは、接続受け部１２ａは、パイプ４よりも明らかに大きい外径を有しており、スリーブ状に中空に形成されている。このようにして接続受け部１２ａに形成された中空スペースは、配管接続部１４ａを収容するための開口部を起点としてノズルヘッドの方向へ、まず円筒状部分１６を形成し、円筒状部分１８に向かってテーパ状に先細になっている。円筒状部分１６では、配管接続部１４は接続受け部１２ａとねじ止めされており、円筒状部分１８には、尿素溶液の不純物をとどめるフィルタ２０が配置されている。図７に示す噴射ノズル２ｃでは、接続受け部１２ｂは実質的に円筒状に形成されている。配管接続部１４ｂには、取り付けた状態のときにノズルヘッドの方を向く端部に中空スペースが形成されている。この中空スペースは、接続受け部１２ｂが係合する第１の円筒状部分を有している。配管接続部１４ｂの中空スペースの第１の円筒状部分には、フィルタ２０が中に配置された、内径が小さい第２の円筒状部分がつながっている。

パイプ４は、いずれの噴射ノズル２ａ，２ｂ及び２ｃでもハウジング２２の中心に配置されている。噴射ノズル２ａ，２ｂ及び２ｃは、あとでまた詳細に説明する排ガス配管４０のすぐ近傍に配置されるので、比較的高い温度にさらされる。したがって、ハウジング２２は、噴射ノズル２ａ，２ｂ及び２ｃへ伝わる熱を排出するために特別に形成されており、こうした熱を噴射ノズル２ａ，２ｂ及び２ｃの周囲空気へ排出する冷却器を形成する。ハウジング２２は、ノズルヘッドと直接接続し、テーパ状に形成された第１の部分２２ａを有しており、土台部分６ａに面するその端部に、切頭円錐形の先細部が形成されている。ハウジング２２の部分２２ａは、半径方向外側に向かって突き出す４つの冷却リブ２４が形成された部分２２ｂへと結合する。

パイプ４は、いずれの噴射ノズル２ａ，２ｂ及び２ｃにおいても、ハウジング２２に形成された案内通路２６の中で可動に案内されている。この案内通路２６は、ノズルヘッドが形成されているところでパイプ４の外径と対応する内径を有しているが、この内径は、噴射ノズル２ａ及び２ｂでは複数の段階で拡大していき、ハウジング２２の部分２２ｂの領域では、接続受け部１２の外径にほぼ対応するようになっている。噴射ノズル２ａ及び２ｂでは、この領域において、接続受け部１２ａ及びこれに取り付けられたパイプ４は、案内通路２６の段部３０上のワッシャ３２に支持された圧縮コイルばね２８に弾性的に据え付けられている。それに対して、噴射ノズル２ｃの接続受け部１２ｂは、段部に載ることなく案内通路２６に係合しており、シールリング６４によって案内通路２６の壁部に対して封止されている。

噴射ノズル２ａ及び２ｂにおいて、ハウジング２２の外面には、部分２２ａの領域でノズルヘッドから間隔をおいて環状部材３４ａがスライド可能に配置されている。この環状部材３４ａは打抜き部品として形成されており、ハウジング２２の外面を起点として半径方向外側に向かって延びている。環状部材３４ａには鋼製ばねから成るコイルばね３６が支持されているので、環状部材３４ａはコイルばね３６と少なくとも同じ硬さの材料で形成され、好ましくは鋼材で形成される。それによって本発明の装置の作動時に、コイルばね３６が環状部材３４ａに食い込むのを防止する。コンポーネント６ａは縁なし帽状に先端が切り取られた部分を有しており、この部分は、ハウジング２２の部分２２ａの切頭円錐形の先細部の外面に配置されている。コンポーネント６ａは、コンポーネント６ａがパイプ４に溶接された縁なし帽状に先端が切り取られた部分を起点として、ハウジング２２の部分２２ａの外径よりも半径方向外側に向かって延びている。図１と図３に示す噴射ノズル２ａにおいて、部分２２ａの外側円周から半径方向に延びているコンポーネント６ａの部分は、コンポーネント６ａに面した環状部材３４ａの平坦側と同様に、ハウジング２２の部分２２ａの周囲に配置されたコイルばね３６のための支持面を形成する。コイルばね３６は、コンポーネント６ａの方向に屈曲するコンポーネント６ａの部分３８によって、パイプ４の長軸Ａに対して相対的にセンタリングされる。

噴射ノズル２ａとは異なり、図６に示す噴射ノズル２ｂにおけるコイルばね３６は、環状部材３４ａとコンポーネント６ａとの間に支持されるのではない。その代わりに、コンポーネント６ａに面するハウジング２２の部分２２ａの端部に、固定リング６２がクランプされた溝６０が形成されている。この固定リング６０と環状部材３４ａの間に、コイルばね３６が配置されている。

噴射ノズル２ａ及び２ｂとは異なり、噴射ノズル２ｃでは、環状部材３４ｂとコンポーネント６ｂとの間で支持されるコイルばねは設けられていない。その代わりに環状部材３４ｂそのものがばね部材を形成する。このために、環状部材３４ｂは、皿ばねの形式である程度の範囲内で弾性的に変形可能なややテーパ状の環状シェルとして形成されており、部分２２ａから部分２２ｂへの移行部のところでハウジング２２に取り付けられている。

図５と図８は、排ガス配管４０に配置された受け部４２の中の噴射ノズル２ａまたは２ｃを示している。排ガス配管４０の壁部４４には貫通部４６が形成されている。排ガス配管４０の円周輪郭と対応する、受け部４２の実質的に鞍形のベースコンポーネント４８が、排ガス配管の壁部４４の外面に配置されており、貫通部４６の縁部を覆うようになっている。ベースコンポーネント４８は排ガス配管４０と気密に溶接されている。

ベースコンポーネント４８は、貫通部４６のすぐ外側に、排ガス配管４０の内部を起点とする凹面状の湾曲部５０を有している。湾曲部５０はパイプ片５２で取り囲まれている。パイプ片５２の自由端には、フランジが形成されている。パイプ片５２は、噴射ノズル２のノズルヘッドを収容する役目をするものであり、噴射ノズル２ａ，２ｂ及び２ｃから出ていく尿素が、排ガス流の流動方向で排ガス配管４０に流れ込み、それによって尿素が排ガス配管４０の中で適切な方法で排ガス流に取り込まれるように、排ガス配管４０の長手方向に対して斜めに向いている。

噴射ノズル２ａ，２ｂ及び２ｃの位置決めにあたっては、出口通路１０が形成されたコンポーネント６ａ及び６ｂの縁なし帽状に平坦化して形成された部分を、湾曲部５０に設けられた貫通部５４の面取りされた縁部へ密着して支持させる。これは、噴射ノズル２ａ及び２ｂにおいて、フランジ及び環状部材３４ａを円周側だけでなく互いに離れた平坦側でも包囲する固定具５６とともに、噴射ノズル２のハウジング２２に取り付けられ、パイプ片５２のフランジの端面に支持し、非確動の嵌め込みによりフランジに固定された環状部材３４ａにより行われる。それにより、噴射ノズル２のコイルばね３６に応力がかかり、貫通部５４の縁部に向かってコンポーネント６ａを押圧する。貫通部５４へのコンポーネント６ｂの非確動の嵌め込みによる支持は、噴射ノズルが環状部材３４ｂの応力のもとで貫通部５６の縁部に押圧されるように、固定具５６の支持と取り付けによって弾性的に変形した環状部材３４ｂにより、噴射ノズル２ｃの位置決めとともに行われる。ノズルヘッドの領域で熱を排出できるようにするために、パイプ片５２はその円周全体にわたって配分された４つの貫通部５８を有している。

２ 噴射ノズル
４ パイプ
６ａ，６ｂ コンポーネント
８ レーザ溶接部
１０ 出口通路
１１ 切欠き
１２ 接続受け部
１４ 配管接続部
１６ 部分
１８ 部分
２０ フィルタ
２２ ハウジング
２２ａ，２２ｂ 部分
２４ 冷却リブ
２６ 案内通路
２８ コイルばね
３０ 段部
３２ ワッシャ
３４ａ，３４ｂ 環状部材
３６ コイルばね
３８ 部分
４０ 排ガス配管
４２ 受け部
４４ 壁部
４６ 貫通部
４８ ベースコンポーネント
５０ 湾曲部
５２ パイプ片
５４ 貫通部
５６ 固定具
５８ 貫通部
６０ 溝
６２ 固定リング
６４ シールリング
Ａ 長軸
Ｂ 中心軸
Ｃ 中心軸
Ｄ 点
Ｘ 詳細部
Ｙ 詳細部

Claims (19)

1. 排ガス配管への尿素溶液吐出装置であって、
   尿素溶液を供給するための配管接続部（１４）と、この配管接続部（１４）と配管接続され、尿素溶液を細かく分散した状態で排ガス流に供給可能なノズルヘッドと、を有する噴射ノズル（２）と、
   前記排ガス配管の壁部（４４）にある貫通部（４６）を取り囲み、前記ノズルヘッドに密着して支持するとともに前記噴射ノズル（２）を取外し可能に取り付けるために形成された受け部（４２）と、
   前記受け部（４２）の中で前記ノズルヘッドを非確動の嵌め込みにより支持するばね手段と、
   を有する排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
2. 前記ばね手段は前記噴射ノズル（２）の一部を形成する請求項１に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
3. 前記ハウジング（２２）にスライド可能に配置された支持部分と、前記ノズルヘッドに形成された支持面と、の間でばね（３６）が支持される請求項１〜３のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
4. 前記噴射ノズル（２）は、ハウジング（２２）の中で限定的に可動に案内される中央のパイプ（４）を有し、このパイプの一方のパイプ端部に前記ノズルヘッドが配置され、前記ばね（３６）は前記ノズルヘッドと前記支持部分との間で支持され、前記支持部分は前記受け部（４２）の内部または表面に確動の嵌め込みにより取り付け可能である請求項３に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
5. 前記ノズルヘッドは、前記ハウジング（２２）の外径全体にわたって延びるとともに、前記ばね（３６）のための前記支持面を形成している、少なくとも１つの出口通路（１０）が形成されたコンポーネント（６ａ）を有する請求項４に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
6. 前記支持部分は、実質的に平坦な環状部材（３４ａ）によって形成される請求項４又は５のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
7. ばね（３６）は、前記支持部分と前記噴射ノズルに固定して形成された支持面との間で支持される請求項１又は２のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
8. 前記噴射ノズル（２）の前記ハウジング（２２）は、前記受け部（４２）に配置された前記ノズルヘッドに位置する請求項１〜７のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
9. 前記ハウジング（２２）を前記ノズルヘッドへ非確動の嵌め込みにより支持するためのばね（２８）が設けられた請求項８に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
10. 前記ばね（２８）は、前記ハウジング（２２）の中に配置される請求項９に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
11. ばね部材は、前記ハウジング（２２）と前記受け部（４２）に支持される請求項１又は２のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
12. 前記環状部材は、弾性作用をもつように構成され、前記ハウジングに固定される請求項１１に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
13. 前記受け部（４２）には、前記環状部材（３４ａ，３４ｂ）を支持可能なフランジが形成され、前記環状部材（３４ａ，３４ｂ）と前記フランジは、前記環状部材（３４ａ，３４ｂ）と前記フランジを取り囲む固定具（５６）によって互いに固定可能である請求項６〜１２のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
14. 前記パイプ（４）は，前記ノズルヘッドの領域では前記ハウジング（２２）と熱伝導状態に接続され、その他の部分では前記ハウジング（２２）から間隔をおいた請求項４〜１３のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
15. 前記ハウジング（２２）の中で案内される前記パイプ（４）の流入側の端部において、尿素溶液配管に前記配管接続部（１４）のための接続受け部（１２）が取り付けられた請求項４〜１４のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
16. 前記接続受け部（１２）は、スリーブ状に形成され、フィルタ（２０）を収容する請求項１５に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
17. 前記噴射ノズル（２）の前記ハウジング（２２）内に、前記接続受け部（１２）を配置するための段状の拡張部が形成され、前記接続受け部（１２）と前記拡張部の段部（３０）との間には、前記パイプ（４）を取り囲む前記ばね（２８）が配置された請求項１５又は１６のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
18. 前記排ガス配管（４０）の前記貫通部（４６）を覆う前記受け部（４２）の領域は、前記排ガス配管（４０）を起点として凹面状に湾曲するように形成された請求項１〜１７のいずれか１項に記載の排ガス配管への尿素溶液吐出装置。
19. 請求項１〜１８のいずれか１項に記載の構成要件のうち少なくとも１つを備える噴射ノズル（２）の組付け方法であって、少なくとも前記ハウジング（２２）が前記パイプ（４）に緩やかに嵌め込まれ、次いで、前記ノズルヘッドを形成するコンポーネント（６ａ，６ｂ）が前記パイプ（４）に溶接される噴射ノズルの組付け方法。