JP2012255405A - 内燃機関のegr装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】凝縮水の発生状況を的確に把握して、これに対処することのできる内燃機関のEGR装置を提供する。
【解決手段】この装置は、過給器のコンプレッサが吸気通路に配設された内燃機関に適用されて、内燃機関の排気通路から吸気通路におけるコンプレッサより吸気流れ方向上流側の部分にEGRガスを再循環させる。内燃機関の運転状態に基づいて目標EGR比率TR1を算出する。吸入空気とEGRガスとの混合ガスの温度(コンプレッサ上流温度TUP)を算出する(S12)。吸気温THAおよび実EGRガス温度TRに基づいて吸入空気およびEGRガスの混合率MIXを算出する(S13,S14)。コンプレッサ上流温度TUP、混合率MIX、および露点温度に基づいて目標EGR比率TR1を補正する(S15〜S18)。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の吸気通路と排気通路とを連通するEGR通路を介して排気通路内の排気の一部を吸気通路に再循環させる内燃機関のEGR装置に関するものである。
内燃機関に、吸気通路に配設されたコンプレッサを有する過給器を搭載することが多用されている。また内燃機関に、EGR(排気再循環)装置を搭載することも多用されている。EGR装置は、排気通路と吸気通路とを連通するEGR通路を備え、同EGR通路を通じて排気通路内の排気の一部を吸気通路に戻して再循環させる。また、こうしたEGR装置において、EGR通路の吸気通路側の部分がコンプレッサよりも吸気流れ方向上流側に接続されたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
EGR装置を備えた内燃機関では、EGR通路と吸気通路との合流部分において、同EGR通路を通じて吸気通路に戻される高温の排気(EGRガス)と比較的低温の吸入空気とが混合されるために、このときEGRガスが冷却されて同EGRガス中の水蒸気成分が凝縮することによって凝縮水が発生することがある。
そのようにして凝縮水が発生すると、凝縮水を含むEGRガスと吸入空気とからなる混合ガスがコンプレッサを通過するようになるために、高速回転するコンプレッサへの凝縮水の衝突によって同コンプレッサの変形を招くなどして、コンプレッサの圧縮性能の低下や耐久性能の低下を招くおそれがある。
特許文献1に記載の装置では、EGRガスの温度と吸入空気の温度とに基づいてコンプレッサに流入する混合ガスの温度を推定するとともに、同温度に基づいて凝縮水の発生状況を把握して、その発生に対処するようにしている。
特開2010−90806号公報
EGR装置を備えた内燃機関では、その吸気通路におけるEGR通路との合流部分より吸気流れ方向下流側において、EGRガスと吸入空気とが徐々に混じり合いながら流れるため、EGRガスと吸入空気との混合の状態によっては、吸気通路の内部に温度分布が生じて局所的に温度が低い部分が生じることがある。
この場合、EGRガスと吸入空気とがバランス良く混合される状況であれば凝縮水の発生を招くことのない状況であるのにも関わらず、EGRガスと吸入空気との混合状態が悪いために吸気通路内の一部の温度が局所的に低くなって凝縮水の発生を招くおそれがある。
こうした状況では、特許文献1に記載の装置のように単にEGRガスと吸入空気との混合ガスの温度を推定するようにしても、それらの混合の過程において生じる局所的な低温部を検知することはできないために、凝縮水の発生状況を適正に把握することができず、凝縮水の発生への適正な対処は望めない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、凝縮水の発生状況を的確に把握して、これに対処することのできる内燃機関のEGR装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の装置は、過給器のコンプレッサが吸気通路に設けられた内燃機関に適用される。そして、内燃機関の吸気通路における上記コンプレッサより吸気流れ方向上流側の部分に同内燃機関の排気通路内の排気の一部がEGRガスとして再循環される。EGRガスの量に関する制御目標値は内燃機関の運転状態に基づき算出される。
請求項1に記載の装置では、基本的に、吸入空気とEGRガスとが混合された混合ガスの温度が推定されるとともに、同温度と露点温度との関係に基づいて吸気通路内における上記コンプレッサより吸気流れ方向上流側の部分における凝縮水の発生状況が把握される。そして、その凝縮水の発生状況に応じて制御目標値を補正してEGRガスの量を調節することによって、凝縮水の発生が抑えられる。
吸入空気とEGRガスとの密度差が大きくなるほど、それらが混合しにくくなるために、吸気通路内における吸入空気とEGRガスとの混合ガスの温度にバラツキが生じやすくなり、局所的に温度が低い部分が発生することに起因する凝縮水の発生を招き易くなる。
請求項1に記載の装置によれば、吸入空気の密度の指標値およびEGRガスの密度の指標値に基づいて、吸入空気とEGRガスとの混合状態についての指標値、言い換えれば、混合ガスの混合状態が凝縮水の発生し易い状態であるか否かを判断することの可能な値を算出することができる。そして、上述した凝縮水の発生状況の把握に際して、混合ガスの温度と露点温度との関係を考慮することに加えて、吸入空気とEGRガスとの混合状態についての指標値を考慮することにより、吸気通路内に局所的な低温部が生じることによる凝縮水の発生分を含めたかたちで凝縮水の発生状況を的確に把握することができるようになる。そのため、そのように把握した凝縮水の発生状況に応じて制御目標値を補正してEGRガスの量を調節することにより、凝縮水の発生を適正に抑えることができるようになる。
請求項2に記載の装置によれば、温度推定手段により、吸入空気とEGRガスとの混合状態が良好な場合における混合ガスの温度を推定することができる。また指標値算出手段により、吸入空気とEGRガスとの混合状態についての指標値、言い換えれば吸気通路内における温度バラツキに起因する局所的な温度低下分の指標となる値を算出することができる。そのため、そうした混合ガスの温度を局所的な温度低下分の指標値に基づいて補正することにより、吸入空気とEGRガスとの混合の過程において最もEGRガスの温度が低くなる部分、すなわち最も凝縮水が発生し易くなる部分の温度を算出することができる。したがって、そうした補正後の混合ガスの温度と露点温度とを比較することにより、凝縮水の発生状況を的確に把握することができる。
EGRガスと吸入空気との混合状態が悪いときほど、吸気通路内における温度バラツキが大きくなり易いために、そのバラツキに起因して局所的に温度が低くなる部分の温度が低くなり易い。
請求項3に記載の装置によれば、そうした傾向に合わせて、指標値算出手段により算出される指標値がEGRガスと吸入空気との混合状態が悪いことを示す値であるときほど混合ガスの温度を低い温度に補正することができ、凝縮水の発生状況を的確に把握することができる。
請求項4に記載の装置によれば、補正後の混合ガスの温度が露点温度以下であることを条件に、言い換えれば凝縮水の発生が懸念されるときに限って、凝縮水の発生を抑えるための制御目標値の補正を実行することができる。しかも、補正後の混合ガスの温度が露点温度より高いとき、すなわち凝縮水が発生する可能性が低いときには、制御目標値の補正を実行することなく、内燃機関の運転状態に応じたかたちでEGRガスの量を調節することができる。
吸入空気の量に対するEGRガスの量を少なくすることにより、EGRガスと吸入空気とが混合し易くなるために、その混合状態が良くなる。
請求項5に記載の装置によれば、EGRガスの量が少なくなるように制御目標値が補正されるために、EGRガスと吸入空気との混合状態を良くして吸気通路における温度バラツキを抑えることができ、凝縮水の発生を抑えることができる。
混合ガスの温度が露点温度以下である状況においては、混合ガスの温度が低いときほど凝縮水が発生し易く、その発生量も多くなりやすい。
請求項6に記載の装置によれば、補正後の混合ガスの温度と露点温度との差が大きいときほど、すなわち凝縮水が発生し易いときほど、EGRガスの量が少なくなるようにその制御目標値を補正することができる。そのため、凝縮水の発生状況に合わせて、EGRガスの量の減量補正を的確に実行することができる。
請求項7によるように、吸入空気の密度の指標値、および吸入空気の量、およびEGRガスの密度の指標値、およびEGRガスの量に基づいて吸入空気とEGRガスとの混合率を算出して、これを前記混合状態についての指標値として用いることができる。
請求項8によるように、前記温度推定手段による温度の推定は、吸入空気の温度および量とEGRガスの温度および量とに基づいて混合ガスの温度を推定するといったように実行することができる。
凝縮水は吸入空気とEGRガスとの温度差が大きいときにおいて発生する。そしてEGRガスの温度が高いときには、吸入空気とEGRガスとの温度差が大きい状況である可能性が高いといえ、凝縮水の発生が懸念される状況であるといえる。
請求項9に記載の装置によれば、EGRガスの温度が予め定めた所定温度以上であることを条件に、言い換えれば、凝縮水の発生が懸念される状況であるときに限って、温度推定手段による混合ガスの温度の推定と、指標値算出手段による混合状態についての指標値の算出と、補正手段による制御目標値の補正とを実行することができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる内燃機関のEGR装置の概略構成を示す略図。 吸気通路内における温度分布の一例を示すグラフ。 吸気通路内のガス温度の推移の一例を示すタイムチャート。 凝縮水発生抑制処理の実行手順を示すフローチャート。 混合率MIXと密度差ΔDとの関係の一例を示すグラフ。
以下、本発明にかかる内燃機関のEGR装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11には、吸気流れ方向上流側(以下、単に「上流側」)から順に、過給器20のコンプレッサ21、インタークーラ12、吸気絞り弁13が取り付けられている。内燃機関10の排気通路14には、排気流れ方向上流側(以下、単に「上流側」)から順に、過給器20のタービン22、酸化触媒15、排気浄化フィルタ16、排気絞り弁17が取り付けられている。なお過給器20は、コンプレッサ21の内部に設けられたコンプレッサホイール21Aとタービン22の内部に設けられたタービンホイール22Aとが連結された排気駆動式のものである。
内燃機関10には、排気通路14内の排気の一部をEGR(排気再循環)ガスとして吸気通路11に戻すための二つのEGR装置(第1EGR装置30および第2EGR装置40)が取り付けられている。
第1EGR装置30は、排気通路14におけるタービンホイール22Aより上流側の部分と吸気通路11における吸気絞り弁13より下流側の部分とを連通する第1EGR通路31を介して、EGRガスを再循環させる。第1EGR通路31には、その通路断面積を変更するための第1EGR弁32が取り付けられている。この第1EGR弁32の作動制御を通じて、第1EGR通路31を通過するEGRガスの量、すなわち第1EGR装置30によって吸気通路11に戻されるEGRガスの量(EGR量)が調節される。
第2EGR装置40は、EGRガスを再循環させるための通路として、排気通路14における排気浄化フィルタ16および排気絞り弁17の間の部分と吸気通路11におけるコンプレッサホイール21Aより上流側の部分とを連通する第2EGR通路41を備えている。第2EGR通路41には、その通路断面積を変更するための第2EGR弁42と、EGRガスを冷却するためのEGRクーラ43とが取り付けられている。そして、この第2EGR弁42の作動制御を通じて、第2EGR通路41を通過するEGRガスの量、すなわち第2EGR装置40によるEGR量が調節される。
内燃機関10には、その周辺機器として、例えばマイクロコンピュータを備えて構成される電子制御装置50が設けられている。この電子制御装置50は各種センサの出力信号を取り込むとともにそれら出力信号をもとに各種の演算を行い、その演算結果に応じて燃料噴射弁(図示略)や、吸気絞り弁13、排気絞り弁17、第1EGR弁32、ならびに第2EGR弁42といった各種アクチュエータの作動制御など、内燃機関10の運転にかかる各種制御を実行する。
各種センサとしては、例えば内燃機関10の出力軸(図示略)の回転速度(機関回転速度NE)を検出するための速度センサ51や、吸気通路11に設けられて同吸気通路11を通過する空気の量(通路吸気量GA)を検出するための吸気量センサ52を備える。また、吸気通路11における第2EGR通路41との合流分部分より上流側に設けられて吸入空気の温度(吸気温THA)を検出するための吸気温センサ53や、吸気通路11における吸気絞り弁13より下流側に設けられて吸入空気の圧力(過給圧P)を検出するための過給圧センサ54を備える。その他、排気通路14における第2EGR通路41の接続部分近傍に設けられて排気の温度(排気温THE)を検出するための排気温センサ55や、第2EGR通路41に設けられて第2EGR弁42の排気通路14側の部分と吸気通路11側の部分との圧力差ΔPを検出するための差圧センサ56等も備えている。
本実施の形態では、内燃機関10の排気通路14から吸気通路11に戻されるEGRガスの量(EGR量)を調節するためのEGR制御として、第1EGR弁32の作動制御と第2EGR弁42の作動制御とが実行される。なお、排気通路14から吸気通路11へのEGRガスの再循環は、吸気通路11内の圧力と排気通路14内の圧力との差を利用して行われる。
本実施の形態のEGR制御では先ず、電子制御装置50により、内燃機関10の燃料噴射量および機関回転速度NEに基づいて、以下の各制御目標値が算出される。
・[目標EGR率TRA]内燃機関10の気筒(図示略)内に吸入される空気の量V1とEGRガスの量V2との比率(EGR率=V2/[V1+V2])についての制御目標値。
・[目標EGR比率TR1]内燃機関10の気筒内に吸入されるEGRガスのうちの第1EGR装置30による供給分が占める割合についての制御目標値(ただし、0≦TR1≦1.0)。
・[目標絞り弁開度]吸気絞り弁13の開度についての制御目標値。
・[目標第1EGR開度TV1]第1EGR弁32の開度についての制御目標値。
・[目標第2EGR開度TV2]第2EGR弁42の開度についての制御目標値。
なお本実施の形態では、内燃機関10の燃料消費量の低減や排気性状の悪化抑制を図ることが可能になる機関運転状態と各制御目標値との関係がそれぞれ実験やシミュレーションの結果に基づき予め求められて電子制御装置50に記憶されている。そして各制御目標値は、それら関係から機関運転状態に基づきそれぞれ算出される。
第1EGR装置30によるEGR量の調節は、内燃機関10の気筒内に吸入される空気の量V1と第1EGR通路31を介して再循環されて気筒内に吸入されるEGRガスの量V3との比率(V3/[V1+V3])が、目標EGR率TRAに目標EGR比率TR1を乗算した値(TRA×TR1)になるように実行される。この調節は、吸気絞り弁13の作動制御を通じて吸気通路11の通路断面積を変更することによって吸気通路11と排気通路14との圧力差(具体的には、過給圧P)を調節しつつ第1EGR弁32の作動制御を通じて第1EGR通路31の通路断面積を変更するといったように行われる。
詳しくは、目標絞り弁開度と実際の吸気絞り弁13の開度とが一致するように吸気絞り弁13の作動制御が実行される。
また、内燃機関10の運転状態に基づいて第1EGR装置30による実際のEGR率についての推定値(実第1EGR率RE1)が算出される。なお本実施の形態では、吸気通路11、第1EGR通路31、第2EGR通路41およびその周辺部分の構造をモデル化した物理モデルが構築されており、この物理モデルを通じて上記実第1EGR率RE1が算出される。詳しくは、実験やシミュレーションの結果をもとに各種の機関パラメータ(過給圧Pや、機関回転速度NE、通路吸気量GA、圧力差ΔP、実第1EGR率RE1、後述する実第2EGR率RE2など)を変数とするモデル式が予め定められて電子制御装置50に記憶されており、同モデル式を通じて実第1EGR率RE1が算出される。
そして、目標第1EGR開度TV1、目標EGR率TRA、目標EGR比率TR1、および実第1EGR率RE1に基づいて第1EGR弁32の作動制御が実行される。詳しくは、目標第1EGR開度TV1を見込み制御量とする見込み制御と、第1EGR装置30によるEGR率についての目標値(目標EGR率TRA×目標EGR比率TR1)および実第1EGR率RE1の偏差に基づくフィードバック制御とが実行される。
一方、第2EGR装置40によるEGR量の調節は次のように実行される。すなわち、内燃機関10の気筒内に吸入される空気の量V1と第2EGR通路41を介して再循環されて気筒内に吸入されるEGRガスの量V4との比率(V4/[V1+V4])が、「1.0」から目標EGR比率TR1を減算した値を目標EGR率TRAに乗算した値(TRA×[1.0−TR1])になるように実行される。この調節は、第2EGR弁42の排気通路14側の部分の圧力と吸気通路11側の部分の圧力との差(前記圧力差ΔP)に応じて第2EGR弁42の作動制御を実行することによって第2EGR通路41の通路断面積を変更するといったように行われる。
具体的には、各種の機関パラメータに基づいて上記モデル式から、第2EGR装置40による実際のEGR率についての推定値(実第2EGR率RE2)が算出される。そして、目標第2EGR開度TV2、目標EGR率TRA、目標EGR比率TR1、および実第2EGR率RE2に基づいて第2EGR弁42の作動制御が実行される。詳しくは、目標第2EGR開度TV2を見込み制御量とする見込み制御と、第2EGR装置40によるEGR率についての目標値(TRA×[1.0−TR1])および実第2EGR率RE2の偏差に基づくフィードバック制御とが実行される。
さて本実施の形態では、吸気通路11と第2EGR通路41との合流部分において凝縮水が発生することによるコンプレッサ21の圧縮性能の低下や耐久性能の低下を抑えるために、基本的には、以下のようにして凝縮水の発生を抑えるようにしている。
すなわち吸気通路11の上記合流部分とコンプレッサ21の配設部分との間における吸入空気とEGRガスとの混合ガスの温度(コンプレッサ上流温度TUP)が推定されるとともに、同温度と露点温度との関係に基づいて目標EGR比率TR1が補正される。これにより、コンプレッサ上流温度TUPと露点温度との関係に基づいてコンプレッサ21の上流側の部分における凝縮水の発生状況を把握するとともに、その把握した発生状況に応じて目標EGR比率TR1を補正してEGRガスの量を調節することによって凝縮水の発生が抑えられる。
ところで内燃機関10では、その吸気通路11における第2EGR通路41との合流部分より下流側において吸入空気とEGRガスとが徐々に混じり合いながら流れるために、それらの混合の状態によっては吸気通路11の内部における温度のバラツキが大きくなって局所的に温度が低い部分が生じることがある。図2に示す例では、吸気通路11内における吸気流れ方向に向かって左側の部分の温度が他の部分と比べてごく低くなっている。
図3に、そうした場合における混合ガスの温度と露点温度との関係の一例を示す。なお図3において、実線は吸気通路11において温度が局所的に低くなる部分における同温度の推移を示し、一点鎖線は吸気通路11の各部における温度の平均値を示している。
図3に示す例では、一点鎖線で示すように、EGRガスと吸入空気との混合状態が良好であれば吸気通路11の各部における温度がほぼ均等になるため、同温度が露点温度を下回ることがない。それにも関わらず、EGRガスと吸入空気との混合状態が悪いと、図3に実線で示すように、時刻t1において吸入空気とEGRガスとが合流した後に吸気通路11内の一部の温度が局所的に低くなるために、その後の時刻t2において同温度が露点温度を下回ってしまう。こうしたことから、EGRガスと吸入空気とが良好に混合されるのであれば凝縮水の発生を招くことのない状況であっても、それらの混合状態が悪いために吸気通路11内の一部の温度が局所的に低くなって凝縮水の発生を招くおそれがあると云える。そして、この場合には、単に吸入空気とEGRガスとの混合ガスの温度を推定するようにしても、それらの混合の過程において生じる局所的な低温部を検知することはできないために、凝縮水の発生状況を適正に把握することができず、凝縮水の発生への適正な対処は望めない。
ここで、吸入空気とEGRガスとの密度差が大きくなるほど、それらが混合されにくくなるために、吸気通路11内における吸入空気とEGRガスとの混合ガスの温度にバラツキが生じやすくなり、局所的に温度が低い部分が発生することに起因する凝縮水の発生を招き易くなる。
この点をふまえて、本実施の形態では、吸入空気の密度の指標値(吸気温THA)およびEGRガスの密度の指標値(EGRガスの温度[後述する実EGRガス温度TR])に基づき吸入空気およびEGRガスの混合状態についての指標値(混合率MIX)を算出するとともに、同混合率MIXに基づいて目標EGR比率TR1を補正するようにしている。具体的には、混合率MIXに基づいてコンプレッサ上流温度TUPを補正するとともに、補正後のコンプレッサ上流温度TUPと露点温度との関係に基づいて目標EGR比率TR1を補正するようにしている。
なお上記混合率MIXとしては、0%〜100%の範囲内の値であって、吸入空気の密度とEGRガスの密度との差が大きいときほど大きい値が算出される。この混合率MIXが小さい値であるときほど、吸入空気とEGRガスとの混合状態が悪く吸気通路11内における温度バラツキが大きいために、凝縮水の発生を招き易い状態であると判断することができる。また、この混合率MIXにより、吸気通路11内における温度バラツキに起因する局所的な温度低下分を把握することができる。
本実施の形態では、凝縮水の発生状況の把握に際して、コンプレッサ上流温度TUP(詳しくは、吸入空気とEGRガスとの混合状態が良好な場合における混合ガスの温度)と露点温度との関係が考慮されることに加えて、混合率MIXが考慮される。そのため、吸気通路11内に局所的な低温部(具体的には、吸入空気とEGRガスとの混合の過程において最もEGRガスの温度が低くなる部分)が生じることによる凝縮水の発生分を含めたかたちで凝縮水の発生状況を的確に把握することができる。したがって、そのように把握した凝縮水の発生状況に応じて目標EGR比率TR1を補正して混合ガスの混合状態が改善されるように第2EGR通路41を通過するEGRガスの量を調節することにより、凝縮水の発生を適正に抑えることができるようになる。
吸入空気の量に対するEGRガスの量を少なくすることにより、EGRガスと吸入空気とが混合し易くなるために、その混合状態が良くなる。この点をふまえて本実施の形態では、吸入空気とEGRガスとの混合状態が悪くなることに起因する凝縮水の発生が懸念されるときに、第2EGR装置40によるEGR量が少なくなるように、目標EGR比率TR1を大きい値に補正するようにしている。これにより、吸入空気の量に対する第2EGR装置40によるEGR量を減少させて、吸入空気とEGRガスとの混合状態を良くすることができる。したがって、吸気通路11内における温度バラツキが抑えられて、凝縮水の発生が抑えられるようになる。
ちなみに、吸入空気とEGRガスとの混合状態を良くするためにそれらの混合を促進させるためのミキサーを吸気通路に設けることも考えられるが、その場合には、装置の大型化を招いたり、ミキサーの配設に伴う圧損の増加による燃料消費量の増加や機関出力の低下を招いたりしてしまう。本実施の形態では、そうした種々の不都合を招くことなく、凝縮水の発生を抑えることができるようになる。
以下、そのようにして凝縮水の発生を抑えるための処理(凝縮水発生抑制処理)について詳細に説明する。
図4は凝縮水発生抑制処理の具体的な実行手順を示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の割り込み処理として、電子制御装置50により実行される。
この処理では先ず、第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの温度が凝縮水の発生が懸念される程度に高くなっているか否かが判断される(S11)。
このステップS11の処理では先ず、排気温THEに基づいて、第2EGR通路41を介して吸気通路11に戻されるEGRガスの温度の実際値(実EGRガス温度TR)が算出される。なお本実施の形態では、前述したモデル式として、実EGRガス温度TRや、第2EGR装置40によるEGR量、排気温THEを変数とするモデル式が採用されており、同モデル式を通じて実EGRガス温度TRが算出される。
また、内燃機関10の燃料噴射量および機関回転速度NEに基づいて、内燃機関10が運転状態の変化の少ない安定した状態で運転されているときに第2EGR通路41を介して吸気通路11に戻されるEGRガスの温度の推定値(基本温度Tbse)と、ステップS11における判定において用いる判定温度TJとが算出される。
そして、実EGRガス温度TRと基本温度Tbseとの差が判定温度TJより高いときに([TR−Tbse]>TJ)、第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの温度が凝縮水の発生が懸念される程度に高くなっていると判断される。なお本実施の形態では、ステップS11の処理における判断を的確に行うことの可能な内燃機関10の運転状態と基本温度Tbseとの関係や、内燃機関10の運転状態と判定温度TJとの関係が実験やシミュレーションの結果をもとに予め求められて電子制御装置50に記憶されている。ステップS11の処理では、それら関係と内燃機関10の運転状態とに基づいて基本温度Tbseと判定温度TJとがそれぞれ算出される。
こうした処理において、第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの温度がさほど高くなっていないと判断される場合には(ステップS11:NO)、ステップS12〜S18の処理を実行することなく、本処理は一旦終了される。一方、第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの温度が凝縮水の発生が懸念される程度に高くなっていると判断される場合には(ステップS11:YES)、凝縮水の発生を抑えるべく、以下のステップS12〜S18の処理が実行される。
凝縮水は、第2EGR通路41を介して再循環されるEGRガスの温度と吸入空気の温度との差が大きいときにおいて発生する。そしてEGRガスの温度が高いときには、吸入空気とEGRガスとの温度差が大きい状況である可能性が高いといえ、凝縮水の発生が懸念される状況であるといえる。本実施の形態では、第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの温度が予め定められた所定温度より高くなっていることを条件に、言い換えれば、凝縮水の発生が懸念される状況であるときに限って、その発生を抑えるための処理が効率よく実行される。
そして、第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの温度が凝縮水の発生が懸念される程度に高くなっていると判断される場合には(ステップS11:YES)、前述したモデル式によって前記コンプレッサ上流温度TUPが算出される(ステップS12)。コンプレッサ上流温度TUPとしては、詳しくは、吸入空気の温度および量および比熱とEGRガスの温度および量および比熱との関係に基づいて、吸入空気とEGRガスとが良好に混合された場合における混合ガスの温度が算出される。
その後、吸入空気の密度の指標値としての吸気温THA、およびEGRガスの密度の指標値としての実EGRガス温度TRに基づいて、吸入空気とEGRガスとの密度の差(密度差ΔD)が算出される(ステップS13)。そして、上記密度差ΔD、吸入空気の量(通路吸気量GA)、第2EGR通路41を介して再循環されるEGRガスの量に基づいて前記混合率MIXが算出される(ステップS14)。本実施の形態では、吸入空気の量およびEGR量が一定の条件下における混合率MIXと密度差ΔDとの関係の一例を図5に示すように、密度差ΔDが大きいときほど混合率MIXとして小さい値が算出される。
なお本実施の形態では、吸気通路11における凝縮水の発生が的確に抑えられるようになる値を混合率MIXとして算出することの可能な吸気温THAと実EGRガス温度TRと密度差ΔDとの関係が実験やシミュレーションの結果に基づき予め求められて電子制御装置50に記憶されており、この関係をもとに密度差ΔDが算出される。なお、この関係は、吸入空気の比熱やEGRガスの比熱を考慮したうえで設定されている。また、同様に凝縮水の発生が的確に抑えられうようになる値を混合率MIXとして算出することの可能な上記密度差ΔDと通路吸気量GAと第2EGR装置40によるEGR量と混合率MIXとの関係が実験やシミュレーションの結果に基づき予め求められて電子制御装置50に記憶されおり、この関係をもとに混合率MIXが算出される。
そのようして混合率MIXが算出された後、同混合率MIXが予め定められた所定値MJ(例えば数十%)未満である否かが判断される(図4のステップS15)。
そして、混合率MIXが所定値MJ以上である場合には(ステップS15:NO)、吸入空気とEGRガスの混合状態が悪いことに起因して凝縮水の発生を招く可能性は低いとして、以下のステップS16〜S18の処理を実行することなく、本処理は一旦終了される。一方、混合率MIXが所定値MJ未満である場合には(ステップS15:YES)、吸入空気とEGRガスの混合状態が悪いことに起因して凝縮水の発生を招く可能性があるために、その発生を抑えるべく以下のステップS16〜S18の処理が実行される。このように本実施の形態では、混合率MIXが所定値MJ未満である場合に限って、以下のステップS16〜S18の処理が実行される。
この場合には先ず、混合率MIXに基づいてコンプレッサ上流温度TUPが補正される(ステップS16)。具体的には、混合率MIXが小さい値であるときほど低い温度になるようにコンプレッサ上流温度TUPが補正される。ここでステップS12の処理では、コンプレッサ上流温度TUPとして、吸入空気とEGRガスとが良好に混合された場合における混合ガスの温度が算出される。また、ステップS14の処理では、密度差ΔDが大きいときほど、すなわち吸入空気とEGRガスとの混合状態が悪いために吸気通路11内における温度バラツキが大きいときほど、混合率MIXとして小さい値が算出される。そのため、この混合率MIXとして、吸気通路11内における温度バラツキに起因する局所的な温度低下分の指標となる値を算出することができる。したがって、コンプレッサ上流温度TUPを混合率MIXに基づき補正することにより、吸入空気とEGRガスとの混合の過程において最もEGRガスの温度が低くなる部分、すなわち最も凝縮水が発生し易くなる部分の温度を推定することができるようになる。そして、そうした補正後のコンプレッサ上流温度TUPと露点温度とを比較することにより、凝縮水の発生状況を的確に把握することができる。
そのようにしてコンプレッサ上流温度TUPが補正された後、吸気温THAに基づいて露点温度が算出されるとともに、補正後のコンプレッサ上流温度TUPが露点温度より低いか否かが判断される(ステップS17)。
そして、補正後のコンプレッサ上流温度TUPが露点温度より高い場合には(ステップS17:NO)、凝縮水が発生する可能性が低いとして、以下の処理を実行することなく(ステップS18の処理がジャンプされて)、本処理は一旦終了される。
一方、補正後のコンプレッサ上流温度TUPが露点温度以下である場合には(ステップS17:YES)、凝縮水が発生する可能性が高いとして、その発生を抑えるべく目標EGR比率TR1が補正された後(ステップS18)、本処理は一旦終了される。ここで、コンプレッサ上流温度TUPが露点温度以下である状況においては、同コンプレッサ上流温度TUPが低いときほど凝縮水が発生し易く、その発生量も多くなりやすい。この点をふまえて、ステップS18の処理では、補正後のコンプレッサ上流温度TUPと露点温度との差が大きいときほど、目標EGR比率TR1が大きい値に補正される。これにより、凝縮水が発生し易いときほど第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの量を少なくして吸入空気とEGRガスの混合状態の改善を図るといったように、凝縮水の発生状況に合わせて同EGRガスの量の減量補正を的確に実行することができる。
EGRガスと吸入空気との混合状態が悪いときほど、吸気通路11内における温度バラツキが大きくなり易いために、そのバラツキに起因して局所的に温度が低くなる部分の温度が低くなり易い。本実施の形態では、ステップS16の処理において、そうした傾向に合わせて、混合率MIXが小さい値であるときほど、すなわち混合率MIXがEGRガスと吸入空気との混合状態が悪いことを示す値であるときほど、コンプレッサ上流温度TUPを低い温度に補正することができる。そのため、補正後のコンプレッサ上流温度TUPと露点温度との比較を通じて、吸気通路11における凝縮水の発生状況を的確に把握することができるようになる。
また、そうした補正後のコンプレッサ上流温度TUPが露点温度以下であることを条件に(ステップS17:YES)、凝縮水の発生を抑えるための目標EGR比率TR1の補正が実行される。そのため、凝縮水の発生が懸念されるときに限って、目標EGR比率TR1の補正を実行することができる。これにより、補正後のコンプレッサ上流温度TUPが露点温度より高いために凝縮水が発生する可能性が低いときには、目標EGR比率TR1の補正を実行することなく、内燃機関10の運転状態に応じたかたちで第1EGR装置30によるEGR量と第2EGR装置40によるEGR量とをそれぞれ調節することができるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)吸気温THAおよび実EGRガス温度TRに基づいて吸入空気およびEGRガスの混合率MIXを算出するとともに、同混合率MIXに基づいて目標EGR比率TR1を補正するようにした。そのため、吸気通路11内に局所的な低温部が生じることによる凝縮水の発生分を含めたかたちで凝縮水の発生状況を的確に把握することができ、その発生状況に応じて目標EGR比率TR1を補正することにより凝縮水の発生を適正に抑えることができる。
(2)コンプレッサ上流温度TUPを混合率MIXに基づいて補正するようにしたために、吸入空気とEGRガスとの混合の過程において最もEGRガスの温度が低くなる部分、すなわち最も凝縮水が発生し易くなる部分の温度を推定することができる。そして、そうした補正後のコンプレッサ上流温度TUPと露点温度とを比較することにより、凝縮水の発生状況を的確に把握することができる。
(3)EGRガスと吸入空気との混合状態が悪いときほど吸気通路11内における温度バラツキに起因して局所的に温度が低くなる部分の温度が低くなり易いといった傾向に合わせて、混合率MIXがEGRガスと吸入空気との混合状態が悪いことを示す値であるときほど、コンプレッサ上流温度TUPを低い温度に補正することができる。そのため、補正後のコンプレッサ上流温度TUPと露点温度との比較を通じて、吸気通路11における凝縮水の発生状況を的確に把握することができる。
(4)補正後のコンプレッサ上流温度TUPが露点温度より低いために凝縮水の発生が懸念されるときに限って、目標EGR比率TR1の補正を実行することができる。しかも、補正後のコンプレッサ上流温度TUPが露点温度より高いために凝縮水が発生する可能性が低いときには、目標EGR比率TR1の補正を実行することなく、内燃機関10の運転状態に応じたかたちで第1EGR装置30によるEGR量と第2EGR装置40によるEGR量とをそれぞれ調節することができる。
(5)吸入空気とEGRガスとの混合状態が悪くなることに起因する凝縮水の発生が懸念されるときに、第2EGR装置40によるEGR量が少なくなるように、目標EGR比率TR1を大きい値に補正するようにした。これにより、吸入空気の量に対する第2EGR装置40によるEGR量を減少させて吸入空気とEGRガスとの混合状態を良くすることができ、吸気通路11における温度バラツキを抑えて凝縮水の発生を抑えることができる。
(6)補正後のコンプレッサ上流温度TUPと露点温度との差が大きいときほど、目標EGR比率TR1を大きい値に補正するようにした。そのため、凝縮水が発生し易いときほど第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの量を少なくして吸入空気とEGRガスの混合状態の改善を図るといったように、凝縮水の発生状況に合わせて同EGRガスの量の減量補正を的確に実行することができる。
(7)第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの温度が高くなっていることを条件に、言い換えれば、凝縮水の発生が懸念される状況であるときに限って、その発生を抑えるための処理を効率よく実行することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・露点温度を算出するための処理としては、吸気温THAに基づき算出する処理に限らず、例えば大気圧に基づき算出する処理など、任意の処理を採用することができる。
・第2EGR通路41を介して再循環されるEGRガスの温度として、排気温THEに基づき算出される実EGRガス温度TRを用いることに代えて、第2EGR通路41における吸気通路11との合流部分の近傍に新たに温度センサを配設するとともに、同温度センサにより検出される温度を用いるようにしてもよい。
・ステップS11の処理において、第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの温度が凝縮水の発生が懸念される程度に高くなっていることとの条件を設定することに代えて、同EGRガスの温度が予め定められた所定温度以上になっていることを判断することのできる条件であれば、任意の条件を設定することができる。そうした条件としては、例えば排気温THEが予め定められた所定温度以上であることといった条件や、内燃機関10が排気温度の高くなる運転状態であることといった条件などを挙げることができる。なお、内燃機関10が排気温度の高くなる運転状態であることは、排気浄化フィルタ16に堆積した煤の除去あるいは酸化触媒15の硫黄被毒からの回復を図るために排気通路14に未燃燃料成分を供給して排気温度を上昇させる制御が実行されていることや、同制御の実行完了後の経過時間が所定時間未満であることによって判断することができる。その他、内燃機関10の運転状態が燃料噴射量の多い高負荷運転状態であることなどによっても、内燃機関10が排気温度の高くなる運転状態であることを判断することができる。
・コンプレッサ上流温度TUPを算出するための処理としては、モデル式を通じて算出する処理に限らず、例えば演算マップに基づき算出したり任意の算出パラメータを追加したりするなど、任意の処理を採用することができる。また、内燃機関10の運転状態に基づいてコンプレッサ上流温度TUPを算出することに代えて、吸気通路11における前記第2EGR通路41の合流部分とコンプレッサ21の配設部分との間に温度センサを新たに配設するとともに同温度センサにより検出される温度をコンプレッサ上流温度として用いるようにしてもよい。
・吸入空気およびEGRガスの混合状態についての指標となる値であれば、混合率MIXを算出して用いることに限らず、任意の値を算出して用いることができる。
・補正後のコンプレッサ上流温度TUPが露点温度以下になったときに、目標EGR比率TR1を予め定めた一定値だけ大きい値に補正するようにしてもよい。
・図4のステップS18の処理において、目標EGR比率TR1を大きい値に補正することに代えて、目標EGR率TRAを小さい値に補正したり、目標第2EGR開度TV2を小さい開度に補正したりしてもよい。要は、第2EGR通路41を介して吸気通路11に再循環されるEGRガスの量を減少させることができればよい。
・混合率MIXが所定値MJより低いときに、コンプレッサ上流温度TUPを予め定めた一定の温度だけ低い温度に補正するようにしてもよい。
・図4のステップS15の処理を省略して、ステップS16〜S18の処理を混合率MIXの値によることなく実行するようにしてもよい。
・図4のステップS16の処理において、混合率MIXに基づきコンプレッサ上流温度TUPを補正することに代えて、混合率MIXに基づき露点温度を補正するようにしてもよい。この場合には、混合率MIXが小さい値であるときほど露点温度を高い温度に補正したり、混合率MIXが所定値MJより小さいときに予め定められた一定温度だけ露点温度を高い温度に補正したりすればよい。
・上記実施の形態にかかる装置は、第1EGR装置30が設けられずに第2EGR装置40が設けられる内燃機関にも、その構成を適宜変更したうえで適用することができる。
・本発明にかかるEGR装置は、排気駆動式の過給器が設けられた内燃機関に限らず、過給器のコンプレッサが吸気通路に設けられる内燃機関であれば、機関出力軸によってコンプレッサが駆動される機関駆動式の過給器が設けられた内燃機関などにも適用することができる。
10…内燃機関、11…吸気通路、12…インタークーラ、13…吸気絞り弁、14…排気通路、15…酸化触媒、16…排気浄化フィルタ、17…排気絞り弁、20…過給器、21…コンプレッサ、21A…コンプレッサホイール、22…タービン、22A…タービンホイール、30…第1EGR装置、31…第1EGR通路、32…第1EGR弁、40…第2EGR装置、41…第2EGR通路、42…第2EGR弁、43…EGRクーラ50…電子制御装置(目標値算出手段、温度推定手段、指標値算出手段、および補正手段)、51…速度センサ、52…吸気量センサ、53…吸気温センサ、4…過給圧センサ、55…排気温センサ、56…差圧センサ。

Claims (9)

  1. 過給器のコンプレッサが吸気通路に設けられた内燃機関に適用されて、前記内燃機関の排気通路内の排気の一部をEGRガスとして前記吸気通路における前記コンプレッサより吸気流れ方向上流側の部分に再循環させる内燃機関のEGR装置において、
    前記内燃機関の運転状態に基づいてEGRガスの量に関する制御目標値を算出する目標値算出手段と、
    吸入空気およびEGRガスが混合された混合ガスの温度を推定する温度推定手段と、
    吸入空気の密度の指標値およびEGRガスの密度の指標値に基づいて、それら吸入空気およびEGRガスの混合状態についての指標値を算出する指標値算出手段と、
    前記温度推定手段により推定した混合ガスの温度、および前記指標値算出手段により算出した混合状態についての指標値、および露点温度に基づいて前記制御目標値を補正する補正手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関のEGR装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関のEGR装置において、
    前記補正手段は、前記指標値算出手段により算出した混合状態についての指標値に基づいて前記温度推定手段により推定した混合ガスの温度を補正するとともに、同補正後の混合ガスの温度と前記露点温度との関係に基づいて前記制御目標値を補正する
    ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関のEGR装置において、
    前記補正手段は、前記指標値算出手段により算出される指標値が前記混合状態が悪いことを示す値であるときほど、前記混合ガスの温度を低い温度に補正する
    ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
  4. 請求項2または3に記載の内燃機関のEGR装置において、
    前記補正手段は、前記補正後の混合ガスの温度が前記露点温度以下であることを条件に、前記制御目標値の補正を実行する
    ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関のEGR装置において、
    前記補正手段は、EGRガスの量が少なくなるように前記制御目標値を補正する
    ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関のEGR装置において、
    前記補正手段は、前記補正後の混合ガスの温度と前記露点温度との差が大きいときほどEGRガスの量が少なくなるように前記制御目標値を補正する
    ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関のEGR装置において、
    前記指標値算出手段は、前記混合状態についての指標値として、吸入空気の密度の指標値、および吸入空気の量、およびEGRガスの密度の指標値、およびEGRガスの量に基づいて、吸入空気とEGRガスとの混合率を算出する
    ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の内燃機関のEGR装置において、
    前記温度推定手段は、吸入空気の温度および量と、EGRガスの温度および量とに基づいて混合ガスの温度を推定する
    ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の内燃機関のEGR装置において、
    当該装置は、EGRガスの温度が予め定めた所定温度以上であることを条件に、前記温度推定手段による混合ガスの温度の推定と、前記指標値算出手段による混合状態についての指標値の算出と、前記補正手段による前記制御目標値の補正と、を実行する
    ことを特徴とする内燃機関のEGR装置。
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