JP2011185160A - Egrシステムの異常検出装置及び異常検出方法 - Google Patents

Egrシステムの異常検出装置及び異常検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】EGRシステムの異常をより高精度に検出する。
【解決手段】タービンよりも上流の排気通路から吸気通路へ高圧EGRガスを供給する高圧EGR装置と、タービンよりも下流の排気通路から吸気通路へ低圧EGRガスを供給する低圧EGR装置と、を備え、一方のEGR装置からEGRガスを供給しつつ該一方のEGR装置が有するEGR弁をフィードバック制御し、このEGR弁の開度が異常を示す値となったときに、両方のEGR装置からEGRガスを供給しつつ他方のEGR装置が有するEGR弁をフィードバック制御し、該他方のEGR装置が有するEGR弁の開度が規定範囲外となったときに一方のEGR装置に異常があると判定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、EGRシステムの異常検出装置及び異常検出方法に関する。
EGRガスの流量を調節するEGR弁を吸入空気量が目標値に一致するようにフィードバック制御するEGR装置において、該EGR弁のフィードバック制御量が所定範囲から外れたときに、スロットルの開度を変更しても、フィードバック制御量の変化量が所定値以下である場合には、該EGR装置に異常が生じていると判定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、タービンよりも上流の排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路(以下、高圧EGR通路という。)からEGRガス(以下、高圧EGRガスという。)を供給する高圧EGR装置と、タービンよりも下流の排気通路と吸気通路とを接続するEGR通路(以下、低圧EGR通路という。)からEGRガス(以下、低圧EGRガスという。)を供給する低圧EGR装置と、の2つのEGR装置を備えている場合には、従来技術をそのまま適用することはできない。
このように2つのEGR装置を備えているEGRシステムでは、内燃機関の運転領域に応じてEGRガスの供給態様を変えることがある。例えば、低回転低負荷時には高圧EGR装置のみから高圧EGRガスを供給し、高回転または高負荷時には低圧EGR装置のみから低圧EGRガスを供給する。そして、その他の中負荷時等には低圧EGR装置及び高圧EGR装置の両方から低圧EGRガス及び高圧EGRガスを供給する。
ここで、低圧EGR装置または高圧EGR装置の何れか一方のみからEGRガスを供給しているときにEGRガス量の過不足が生じた場合には、そのときにEGRガスを供給しているほうのEGR装置に異常があると判定できる。例えば、目標EGR率と実際のEGR率(推定EGR率)との差が規定範囲外となった場合に、EGR装置に異常があると判定できる。しかし、EGRガス量の目標値が小さな運転領域では、EGR装置に異常があっても、目標EGR率と実際のEGR率との差が小さくなる傾向にある。また、実際のEGR率は推定により求められるが、この推定に用いられる物理値やセンサ(吸入空気量、吸気温度、インテークマニホールド内圧力などを検出するセンサ)の値には誤差などが含まれるため、推定されるEGR率にも誤差が含まれる。そうすると、EGRガス量の目標値が小さな運転領域では、推定したEGR率の誤差が大きくなると、異常検出の精度が低くなる虞がある。
また、一方のEGR装置に異常が生じたとしても他方のEGR装置によりEGRガスを供給することで、EGRシステム全体としては適正な量のEGRガスを供給することができる場合もある。このような状態をEGRシステムの異常として検出するのは好ましくない場合もある。
特開2002−266707号公報 特開2008−223554号公報 特開2001−207916号公報 特開2008−051022号公報 特開2005−240591号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、EGRシステムの異常をより高精度に検出することにある。
上記課題を達成するために本発明によるEGRシステムの異常検出装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明によるEGRシステムの異常検出装置は、
内燃機関の排気通路にタービンを有し且つ吸気通路にコンプレッサを有するターボチャージャと、
前記タービンよりも上流の排気通路と前記吸気通路とを接続する高圧EGR通路と、前記高圧EGR通路を流通するEGRガス量を調節する高圧EGR弁と、を有する高圧EGR装置と、
前記タービンよりも下流の排気通路と前記吸気通路とを接続する低圧EGR通路と、前記低圧EGR通路を流通するEGRガス量を調節する低圧EGR弁と、を有する低圧EGR装置と、
前記高圧EGR弁の開度を検知する高圧EGR弁開度検知装置と、
前記低圧EGR弁の開度を検知する低圧EGR弁開度検知装置と、
を備えたEGRシステムの異常検出装置において、
前記高圧EGR装置または前記低圧EGR装置の一方のEGR装置からEGRガスを供給しているときに、該一方のEGR装置が有するEGR弁を気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に向かうようにフィードバック制御し、このときの該一方のEGR装置が有するEGR弁の開度が、異常を示す値となったときに、前記高圧EGR装置と前記低圧EGR装置との両方からEGRガスを供給しつつ前記高圧EGR装置または前記低圧EGR装置の他方のEGR装置が有するEGR弁を気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に向かうようにフィードバック制御し、該他方のEGR装置が有するEGR弁の開度が規定範囲外となったときに前記一方のEGR装置に異常があると判定する判定手段を備えることを特徴とする。
ここで、一方のEGR装置からEGRガスを供給しているときには、該一方のEGR装置が有するEGR弁(以下、一方のEGR弁という。)を気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に向かうようにフィードバック制御している。また、このときには、他方のEGR装置が有するEGR弁(以下、他方のEGR弁という。)は全閉としている。
例えば、一方のEGR装置のEGR通路に粒子状物質などが堆積して通路断面積が減少すると、該一方のEGR装置から供給されるEGRガスの流量が減少するため、EGRガスの流量を増加させるように一方のEGR弁の開度を大きくする。なお、吸入空気量が目標値となるように一方のEGR弁の開度を調節しても良い。
しかし、一方のEGR装置のEGR通路の通路断面積が更に減少してEGRガスの流量が更に減少すると、一方のEGR弁の開度を例えば全開としても要求されるEGRガスの流量を得ることができなくなる。このときには、EGR弁の開度は、異常を示す値となっている。したがって、EGR弁の開度が異常を示す値となっているときには、EGR弁の開度を調節しても気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に入らない。このときには、一方のEGR装置に異常があると考えられる。しかし、一方のEGR弁がこのような状態となっても、一方のEGR装置が異常であるとの断定は行わないで、高圧EGR装置と低圧EGR装置との両方からEGRガスを供給する。なお、異常を示す値は、フィードバック制御を行うことができる限界の開度であり、全開としても良い。
ここで、高圧EGR装置と低圧EGR装置との両方のEGR装置からEGRガスを供給しているときとは、高圧EGR弁及び低圧EGR弁を共に開き、高圧EGR通路及び低圧EGR通路へ夫々EGRガスを流通させているときである。
高圧EGR装置と低圧EGR装置との両方からEGRガスを供給しているときには、高圧EGR弁及び低圧EGR弁が夫々開かれるが、このときに他方のEGR装置が有するEGR弁(以下、他方のEGR弁という。)をフィードバック制御している。なお、一方のEGR弁の開度は、フィードバック制御せずに、例えば異常を示す値で一定としても良く、規定値としても良く、機関回転数及び機関負荷に応じた開度としても良い。すなわち、一方のEGR装置から供給されるEGRガス量が減少することで気筒内に供給されるEGRガスが不足している分を、他方のEGR装置から供給するEGRガスで補う。
そうすると、一方のEGR装置から供給されるEGRガスの流量の不足の度合いが大きくなるにしたがって、他方のEGR弁の開度が大きくなる。このときの他方のEGR弁の開度は、EGRガス量の不足を解消する方向へ変更されている。このように、一方のEGR装置の異常が、他方のEGR弁の開度に表れる。そして、他方のEGR弁の開度が正常の範囲とされる規定範囲を外れた場合に一方のEGR装置に異常があると判定する。すなわち、他方のEGR弁の開度に基づいて一方のEGR装置の異常を判定することができる。
ここで、他方のEGR弁の開度が規定範囲内でフィードバック制御されていれば、気筒内に供給されるEGRガス量は目標範囲内に入っており、この場合にはEGRシステム全体としては正常であると判定している。一方、フィードバック制御により他方のEGR弁の開度が規定範囲を外れた場合には、他方のEGR装置からEGRガスを供給しても、一方のEGR装置のEGRガス量の減少分を補うことができないため、一方のEGR装置に異常があると判定している。なお、低圧EGR弁と高圧EGR弁とで規定範囲が異なっていても良い。
このように、一方のEGR弁をフィードバック制御しているときに、EGRガス量が目標範囲に入らなくても、低圧EGR装置及び高圧EGR装置の両方からEGRガスを供給することでEGRガス量が目標範囲に入れば、一方のEGR装置が異常であるとは断定されない。これにより、例えば、センサなどの誤差の影響が大きいためにEGR率に誤差が多く含まれている場合であっても、該誤差の影響が小さいEGR弁の開度を見るだけで異常を判定することができるので、異常判定の精度を高めることができる。また、一方のEGR装置に異常があっても、他方の装置によりEGRガスを補うことができるため、必要なEGRガス量を維持することができる。
また、上記課題を達成するために本発明によるEGRシステムの異常検出方法は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明によるEGRシステムの異常検出方法は、
内燃機関のターボチャージャのタービンよりも上流の排気通路と吸気通路とを接続する高圧EGR通路と、高圧EGR通路を流通するEGRガス量を調節する高圧EGR弁と、を有する高圧EGR装置と、
前記タービンよりも下流の排気通路と吸気通路とを接続する低圧EGR通路と、前記低圧EGR通路を流通するEGRガス量を調節する低圧EGR弁と、を有する低圧EGR装置と、
を備えるEGRシステムの異常検出方法において、
前記高圧EGR装置または前記低圧EGR装置の一方のEGR装置からEGRガスを供給しているときに、該一方のEGR装置が有するEGR弁を気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に向かうようにフィードバック制御する第1の工程と、
前記一方のEGR装置が有するEGR弁の開度が、異常を示す値となったときに、前記高圧EGR装置と前記低圧EGR装置との両方からEGRガスを供給しつつ、前記高圧EGR装置または前記低圧EGR装置の他方のEGR装置が有するEGR弁を気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に向かうようにフィードバック制御する第2の工程と、
前記他方のEGR装置が有するEGR弁の開度が規定範囲外となったときに前記一方のEGR装置に異常があると判定する第3の工程と、
を含んで構成されることを特徴とする。
本発明によれば、EGRシステムの異常をより高精度に検出することができる。
実施例に係る内燃機関とその吸・排気系の概略構成を示す図である。 機関回転数と機関負荷とEGRフィードバック制御の制御モードとの関係を示した図である。 各制御モードにおける制御方法を示した図である。 高圧EGR弁の開度、低圧EGR弁の開度、及びEGR率の推移を示したタイムチャートである。 高圧EGR弁の開度、低圧EGR弁の開度、及びEGR率の推移を示したタイムチャートである。 実施例に係るEGRシステムの異常を判定するフローを示したフローチャートである。
以下、本発明に係るEGRシステムの異常検出装置及び異常検出方法の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関とその吸・排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。なお、本実施例ではディーゼルエンジンを例に挙げて説明するが、その他の例えばガソリンエンジンであっても同様に適用することができる。
内燃機関1には、吸気通路3および排気通路4が接続されている。この吸気通路3の途中には、排気のエネルギを駆動源として作動するターボチャージャ5のコンプレッサ5aが設けられている。また、コンプレッサ5aよりも上流の吸気通路3には、該吸気通路3内を流通する吸気の流量を調節する第1吸気絞り弁6が設けられている。この第1吸気絞り弁6は、電動アクチュエータにより開閉される。第1吸気絞り弁6よりも上流の吸気通路3には、該吸気通路3内を流通する空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ7が設けられている。このエアフローメータ7により、内燃機関1の吸入空気量が測定される。
コンプレッサ5aよりも下流の吸気通路3には、吸気と外気とで熱交換を行うインタークーラ8が設けられている。そして、インタークーラ8よりも下流の吸気通路3には、該吸気通路3内を流通する吸気の流量を調整する第2吸気絞り弁9が設けられている。この第2吸気絞り弁9は、電動アクチュエータにより開閉される。
一方、排気通路4の途中には、前記ターボチャージャ5のタービン5bが設けられている。また、タービン5bよりも下流の排気通路4には、パティキュレートフィルタ(以下
、単にフィルタという。)10が設けられている。このフィルタ10には、例えば触媒を担持していても良い。
そして、内燃機関1には、排気通路4内を流通する排気の一部を低圧で吸気通路3へ再循環させる低圧EGR装置30が備えられている。この低圧EGR装置30は、低圧EGR通路31、低圧EGR弁32、およびEGRクーラ33を備えて構成されている。
低圧EGR通路31は、フィルタ10よりも下流側の排気通路4と、コンプレッサ5aよりも上流且つ第1吸気絞り弁6よりも下流の吸気通路3と、を接続している。この低圧EGR通路31を通って、排気が低圧で再循環される。そして、本実施例では、低圧EGR通路31を通って再循環される排気を低圧EGRガスと称している。なお、低圧EGR通路31の排気通路4側は、タービン5bよりも下流に接続されていれば良い。また、低圧EGR通路31の吸気通路3側は、コンプレッサ5aよりも上流に接続されていれば良い。
また、低圧EGR弁32は、低圧EGR通路31の通路断面積を調整することにより、該低圧EGR通路31を流れる低圧EGRガスの量を調整する。低圧EGR弁32には、該低圧EGR弁32の開度を検知する開度センサ34が取り付けられている。さらに、EGRクーラ33は、該EGRクーラ33を通過する低圧EGRガスと、内燃機関1の冷却水とで熱交換をして、該低圧EGRガスの温度を低下させる。なお、本実施例においては開度センサ34が、本発明における低圧EGR弁開度検知装置に相当する。
また、内燃機関1には、排気通路4内を流通する排気の一部を高圧で吸気通路3へ再循環させる高圧EGR装置40が備えられている。この高圧EGR装置40は、高圧EGR通路41、および高圧EGR弁42を備えて構成されている。
高圧EGR通路41は、タービン5bよりも上流側の排気通路4と、第2吸気絞り弁9よりも下流の吸気通路3と、を接続している。この高圧EGR通路41を通って、排気が高圧で再循環される。そして、本実施例では、高圧EGR通路41を通って再循環される排気を高圧EGRガスと称している。なお、高圧EGR通路41の排気通路4側は、タービン5bよりも上流に接続されていれば良い。また、高圧EGR通路41の吸気通路3側は、コンプレッサ5aよりも下流に接続されていれば良い。
また、高圧EGR弁42は、高圧EGR通路41の通路断面積を調整することにより、該高圧EGR通路41を流れる高圧EGRガスの量を調整する。高圧EGR弁42には、該高圧EGR弁42の開度を検知する開度センサ44が取り付けられている。なお、本実施例においては開度センサ44が、本発明における高圧EGR弁開度検知装置に相当する。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU20が併設されている。このECU20は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
また、ECU20には、上記センサの他、運転者がアクセルペダル14を踏み込んだ量に応じた電気信号を出力し機関負荷を検出可能なアクセル開度センサ15、及び機関回転数を検出するクランクポジションセンサ16が電気配線を介して接続され、これら各種センサの出力信号がECU20に入力されるようになっている。一方、ECU20には、第1吸気絞り弁6、第2吸気絞り弁9、低圧EGR弁32、及び高圧EGR弁42が電気配線を介して接続されており、該ECU20によりこれらの機器が制御される。
ここで、ECU20は、内燃機関1の運転状態(例えば機関回転数及び機関負荷)に応じて、EGRガスを低圧EGR装置30から供給するのか、高圧EGR装置40から供給するのか、または両方の装置から供給するのかを決定する。そして、EGRガスを供給するときには、EGRフィードバック制御が行われる。EGRフィードバック制御は、低圧EGR装置30からのみEGRガスを供給する場合、高圧EGR装置40からのみEGRガスを供給する場合、低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40の両方からEGRガスを供給する場合の夫々で異なる。
図2は、機関回転数と機関負荷とEGRフィードバック制御の制御モードとの関係を示した図である。また、図3は、各制御モードにおける制御方法を示した図である。
機関回転数及び機関負荷が共に低いとき(低回転低負荷領域)には、高圧EGR装置40のみを用いてEGRガスが供給される。この運転領域をHPL領域という。なお、冷却水温度が低いときにも高圧EGR装置40のみを用いてEGRガスが供給される。このときのEGRフィードバック制御は、エアフローメータ7により得られる吸入空気量が目標値となるように、高圧EGR弁42の開度を調節することにより行なわれる。吸入空気量の目標値は、内燃機関1の運転状態(例えば機関回転数及び機関負荷)に応じて決定される。このときに低圧EGR弁32は、全閉のまま維持される。
ここで、気筒内に吸入されるのはEGRガス及び空気であるため、EGRガス量が減少するとその分だけ空気量が増加し、EGRガス量が増加するとその分だけ空気量が減少する。このため、空気量が目標値となればEGRガス量も目標値となる。なお、空気量またはEGRガス量の目標値には幅を持たせて、目標範囲としても良い。
例えば、エアフローメータ7により得られる吸入空気量が目標値よりも少ない場合には、EGRガス量が目標値よりも多いとして、該EGRガス量を減少させるように高圧EGR弁42の開度を小さくする。また、例えば、エアフローメータ7により得られる吸入空気量が目標値よりも多い場合には、EGRガス量が目標値よりも少ないとして、EGRガス量を増加させるように高圧EGR弁42の開度を大きくする。
以下、高圧EGR装置40のみを用いてEGRガスを供給する制御モードをHPLモードという。なお、吸入空気量の目標値及びEGRガス量の目標値は、夫々ある程度の幅を持たせて目標範囲としても良い。また、センサ等によりEGRガス量を直接測定できる場合には、該EGRガス量が目標値若しくは目標範囲となるように高圧EGR弁42の開度を調節しても良い。
次に、機関回転数または機関負荷の少なくとも一方が高いとき(高回転領域、高負荷領域)には、低圧EGR装置30のみを用いてEGRガスが供給される。この運転領域をLPL領域という。このときのEGRフィードバック制御は、エアフローメータ7により得られる吸入空気量が目標値となるように、低圧EGR弁32の開度を調節することにより行なわれる。吸入空気量の目標値は、内燃機関1の運転状態(例えば機関回転数及び機関負荷)に応じて決定される。このときに高圧EGR弁42は、全閉のまま維持される。
例えば、エアフローメータ7により得られる吸入空気量が目標値よりも少ない場合には、EGRガス量が目標値よりも多いとして、該EGRガス量を減少させるように低圧EGR弁32の開度を小さくする。また、例えば、エアフローメータ7により得られる吸入空気量が目標値よりも多い場合には、EGRガス量が目標値よりも少ないとして、EGRガス量を増加させるように低圧EGR弁32の開度を大きくする。
以下、低圧EGR装置30のみを用いてEGRガスを供給する制御モードをLPLモー
ドという。なお、吸入空気量の目標値及びEGRガス量の目標値は、夫々ある程度の幅を持たせて目標範囲としても良い。また、センサ等によりEGRガス量を直接測定できる場合には、該EGRガス量が目標値若しくは目標範囲となるように低圧EGR弁32の開度を調節しても良い。
そして、HPL領域とLPL領域との間の領域をMPL領域という。MPL領域は、機関負荷が中程度のとき(中負荷領域)の運転領域である。そして、低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40の両方を用いてEGRガスが供給される運転領域である。このときのEGRフィードバック制御は、エアフローメータ7により得られる吸入空気量が目標値となるように、低圧EGR弁32または高圧EGR弁42の一方の開度を調節する。吸入空気量の目標値は、内燃機関1の運転状態(例えば機関回転数及び機関負荷)に応じて決定される。また、このときの低圧EGR弁32または高圧EGR弁42の他方の開度は、内燃機関1の運転状態(例えば機関回転数及び機関負荷)に応じて決定される。つまり、低圧EGR弁32または高圧EGR弁42の一方はフィードバック制御され、他方はオープンループ制御される。
なお、EGRシステムの異常判定を行っていないとき(通常時)には、高圧EGR弁42をフィードバック制御し、低圧EGR弁32をオープンループ制御する。例えば、エアフローメータ7により得られる吸入空気量が目標値よりも少ない場合には、EGRガス量が目標値よりも多いとして、該EGRガス量を減少させるように高圧EGR弁42の開度を小さくする。また、例えば、エアフローメータ7により得られる吸入空気量が目標値よりも多い場合には、EGRガス量が目標値よりも少ないとして、EGRガス量を増加させるように高圧EGR弁42の開度を大きくする。何れの場合であっても、低圧EGR弁32の開度はEGRガス量及び吸入空気量に関係なく決定される。すなわち、低圧EGRガス量と高圧EGRガス量との和を、高圧EGR弁42により調節している。
以下、低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40の両方を用いてEGRガスを供給する制御モードをMPLモードという。なお、吸入空気量の目標値及びEGRガス量の目標値は、夫々ある程度の幅を持たせて目標範囲としても良い。また、センサ等によりEGRガス量を直接測定できる場合には、該EGRガス量が目標値若しくは目標範囲となるように高圧EGR弁42または低圧EGR弁32の開度を調節しても良い。
ここで、低圧EGR通路31または高圧EGR通路41に排気中の粒子状物質などが付着して該通路の断面積が小さくなったり、通路が完全に詰まったりした場合には、低圧EGR通路31または高圧EGR通路41を流通するEGRガス量が正常時よりも減少する異常が発生する。そして、HPLモード及びLPLモードのときには、一方のEGR装置からしかEGRガスが供給されていないため、比較的容易にこの異常を判定することができる。
すなわち、HPLモードのときには、EGR率の目標値と実際の値とを比較して、例えばこの差が閾値を超えていた場合に高圧EGR装置40に異常があると判定することができる。このように、HPLモードのときのEGR率は、高圧EGR装置40から供給されるEGRガス量のみによって変化するため、EGR率が目標範囲から外れていれば、高圧EGR装置40に異常があると判定できる。また、高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御しているときの補正量または開度が正常の範囲から外れた場合に、高圧EGR装置40に異常があると判定しても良い。
同様に、LPLモードのときにも、EGR率の目標値と実際の値とを比較して、例えばこの差が閾値を超えていた場合に低圧EGR装置30に異常があると判定することができる。すなわち、LPLモードのときのEGR率は、低圧EGR装置30から供給されるE
GRガス量のみによって変化するため、EGR率が目標範囲から外れていれば、低圧EGR装置30に異常があると判定できる。また、低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御しているときの補正量または開度が正常の範囲から外れた場合に、低圧EGR装置30に異常があると判定しても良い。
しかし、一方のEGR装置から供給されるEGRガスのみでは、EGR率を目標値に合わせることができなくても、他方のEGR装置によりEGRガスを補うことで、EGR率を目標値に合わせることができる場合もある。また、EGR率の推定誤差などにより、誤った判定がなされている場合も有り得る。
そこで本実施例では、LPLモードまたはHPLモードのときに異常が検出された場合でも、異常であるとすぐには確定せずに、MPLモードに移行する。そして、MPLモードでは、異常があったとされるEGR装置に備わるEGR弁をオープンループ制御し、他方のEGR装置に備わるEGR弁をフィードバック制御する。このMPLモードのときにフィードバック制御されている方のEGR弁の開度に基づいて異常を判定する。すなわち、一方のEGR装置に異常がありEGRガス量が目標範囲から外れれば、他方のEGR装置に備わるEGR弁の開度が調節されるので、該他方のEGR装置に備わるEGR弁の開度に基づいて、一方のEGR装置に異常があるか否か確認する。そして、MPLモードのときにEGR弁の開度が規定範囲に入らない場合に、EGR装置が異常であると確定する。
ここで、図4は、高圧EGR弁42の開度、低圧EGR弁32の開度、及びEGR率の推移を示したタイムチャートである。図4は、HPLモードを実行していた場合である。高圧EGR弁開度における実線は、低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40が正常の場合を示している。この正常の場合の値は、目標値としても良い。高圧EGR弁開度における一点鎖線は、高圧EGR弁42の調整幅の限界(フィードバック限界)を示している。フィードバック限界値は、例えば全開である。また、低圧EGR弁開度における実線(開度0%)は、低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40が正常の場合を示している。低圧EGR弁開度における破線は、HPLモードのときに高圧EGR弁42の開度を調節してもEGRガス量(吸入空気量としても良い)を目標値に合わせることができないが、MPLモードとすることによりEGRガス量(吸入空気量としても良い)を目標値に合わせることができる場合を示している。低圧EGR弁開度における一点鎖線は、HPLモード及びMPLモードのときにEGRガス量(吸入空気量としても良い)を目標値に合わせることができない場合を示している。EGR率における実線、一点鎖線、及び破線は、低圧EGR弁開度の場合と同じ意味で用いている。
高圧EGR弁42の開度は、高圧EGR通路41に詰まりが発生した場合には、高圧EGRガスの減少を補うために大きくされる。すなわち、フィードバック限界に近付く。しかし、高圧EGR弁42の開度を大きくしても高圧EGRガスの減少を補うことができない場合もある。高圧EGR弁42の開度がフィードバック限界に達した後は、高圧EGR弁42の開度を調節することはできないため、EGR率を目標値に合わせることはできない。このように、高圧EGR弁42の開度がフィードバック限界に達した場合には、MPLモードに移行する。なお、MPLモードでは、高圧EGR弁42の開度は、フィードバック限界のまま維持される。
低圧EGR弁32の開度は、高圧EGR装置40に異常がなければ全閉のまま維持される。しかし、高圧EGR弁42の開度がフィードバック限界に達した後は、低圧EGR弁32の開度がフィードバック制御される。このときには、高圧EGRガスの減少分を低圧EGRガスで補うように、低圧EGR弁32が開かれる。そして、低圧EGR弁32の開度をフィードバック制御しているときの低圧EGR弁32の開度が閾値以下であれば(破
線参照)、高圧EGRガスの減少分を低圧EGRガスで補うことができたとして、EGRシステムに異常はないと判定する。そして、その後も、HPLモードを実行する代わりにMPLモードを実行し、低圧EGR弁32のフィードバック制御を行う。
一方、低圧EGR弁32のフィードバック制御によってもEGR率が目標値に合わない場合(一点鎖線参照)、または、EGR率が目標値に合ったとしても低圧EGR弁32の開度が閾値を超えていた場合には、EGRシステムに異常があると判定する。この場合には、高圧EGR通路41に詰まりが生じていると判定される。すなわち、高圧EGR通路41の詰まりが進行し、低圧EGR弁32の開度が閾値を超えたときに、該高圧EGR通路41に詰まりが発生したと判定しており、それまでは異常はないとされる。
このようにすることで、高圧EGR通路41の詰まりによるEGR率の低下を抑制することができるため、排気の状態が悪化したり、燃費が悪化したりすることを抑制できる。また、高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32の開度を見るだけで高圧EGR装置40の異常を検出することができるため、異常判定が容易になる。さらに、吸入空気量に基づいて高圧EGR弁42または低圧EGR弁32の開度を調節し、該開度に応じて異常判定を行えば、他のセンサや物理量などを用いてEGR率を推定する必要がないので、精度の高い判定が可能となる。
また、図5は、高圧EGR弁42の開度、低圧EGR弁32の開度、及びEGR率の推移を示したタイムチャートである。図5は、LPLモードを実行していた場合である。高圧EGR弁開度における実線は、低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40が正常の場合を示している。高圧EGR弁開度における破線は、LPLモードのときに低圧EGR弁32の開度を調節してもEGRガス量(吸入空気量としても良い)を目標値に合わせることができないが、MPLモードとすることによりEGRガス量(吸入空気量としても良い)を目標値に合わせることができる場合を示している。高圧EGR弁開度における一点鎖線は、LPLモード及びMPLモードのときにEGRガス量(吸入空気量としても良い)を目標値に合わせることができない場合を示している。また、低圧EGR弁開度における実線は、低圧EGR装置30及び高圧EGR装置40が正常の場合を示している。この正常の場合の値は、目標値としても良い。低圧EGR弁開度における一点鎖線は、低圧EGR弁32の調整幅の限界(フィードバック限界)を示している。フィードバック限界値は、例えば全開である。EGR率における実線、一点鎖線、及び破線は、高圧EGR弁開度の場合と同じ意味で用いている。
低圧EGR弁32の開度は、低圧EGR通路31に詰まりが発生した場合には、低圧EGRガスの減少を補うために大きくされる。すなわち、フィードバック限界に近付く。しかし、低圧EGR弁32の開度を大きくしても低圧EGRガスの減少を補うことができない場合もある。低圧EGR弁32の開度がフィードバック限界に達した後は、低圧EGR弁32の開度を調節することはできないため、EGR率を目標値に合わせることはできない。このように、低圧EGR弁32の開度がフィードバック限界に達した場合には、MPLモードに移行する。なお、MPLモードでは、低圧EGR弁32の開度は、フィードバック限界のまま維持される。
高圧EGR弁42の開度は、低圧EGR装置30に異常がなければ全閉のまま維持される。しかし、低圧EGR弁32の開度がフィードバック限界に達した後は、高圧EGR弁42の開度がフィードバック制御される。このときには、低圧EGRガスの減少分を高圧EGRガスで補うように、高圧EGR弁42が開かれる。そして、高圧EGR弁42の開度をフィードバック制御しているときの高圧EGR弁42の開度が閾値以下であれば(破線参照)、低圧EGRガスの減少分を高圧EGRガスで補うことができたとして、EGRシステムに異常はないと判定する。そして、その後も、LPLモードを実行する代わりに
MPLモードを実行し、高圧EGR弁42のフィードバック制御を行う。
一方、高圧EGR弁42のフィードバック制御によってもEGR率が目標値に合わない場合(一点鎖線参照)、または、EGR率が目標値に合ったとしても高圧EGR弁42の開度が閾値を超えていた場合には、EGRシステムに異常があると判定する。この場合には、低圧EGR通路31に詰まりが生じていると判定される。すなわち、低圧EGR通路31の詰まりが進行し、高圧EGR弁42の開度が閾値を超えたときに、該低圧EGR通路31に詰まりが発生したと判定しており、それまでは異常はないとされる。
このようにすることで、低圧EGR通路31の詰まりによるEGR率の低下を抑制することができるため、排気の状態が悪化したり、燃費が悪化したりすることを抑制できる。また、高圧EGR弁42及び低圧EGR弁32の開度を見るだけで低圧EGR装置30の異常を検出することができるため、異常判定が容易になる。さらに、吸入空気量に基づいて高圧EGR弁42または低圧EGR弁32の開度を調節し、該開度に応じて異常判定を行えば、他のセンサや物理量などを用いてEGR率を推定する必要がないので、精度の高い判定が可能となる。
次に、本実施例に係るEGRシステムの異常を判定するフローについて説明する。図6は、本実施例に係るEGRシステムの異常を判定するフローを示したフローチャートである。このルーチンはECU20により所定の時間毎に繰り返し実行される。
ステップS101では、EGRシステムの異常を判定するための前提条件が成立しているか否か判定される。例えば、EGRフィードバック制御が行われていなければ低圧EGR弁32若しくは高圧EGR弁42の開度からEGRシステムの異常を判定することができないため、EGRフィードバック制御を行い得る状態であることを前提条件の一つとする。また、内燃機関1が運転中でなければEGRガスが供給されないため、内燃機関1が運転中であることを前提条件の一つとする。これらはECU20によりなされる制御であるため、ECU20により容易に判定できる。
また、EGRシステムの異常を判定するときに用いるセンサが正常でなければ誤った情報を基にEGRシステムの異常を判定してしまうので、センサが正常であることを前提条件の一つとする。センサが正常であるか否かは、他の周知の技術を用いて検知する。さらに、吸入空気量が多すぎたり又は少なすぎたりすると内燃機関1の運転状態が悪化して低圧EGR弁32若しくは高圧EGR弁42の開度からEGRシステムの異常を判定することが困難となるため、吸入空気量が基準範囲内であることを前提条件の一つとしても良い。
これらの前提条件が全て成立しているときにステップS101で肯定判定がなされる。そして、ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、否定判定がなされた場合にはEGRシステムの異常を判定することができないため本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS102では、EGRシステムの制御モードが何に設定されているか判定する。例えば内燃機関1の運転状態と、図2に示した関係とから制御モードが判別される。
ステップS103では、EGRシステムの制御モードがHPLモードとなっているか否か判定される。すなわち、高圧EGR装置40の異常を判定することが可能な状態であるか否か判定している。ステップS103で肯定判定がなされた場合にはステップS104へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS110へ進む。
ステップS104では、内燃機関1の運転状態が定常状態であるか否か判定される。すなわち、機関回転数及び機関負荷が一定であるか、一定でないとしても変化が僅かであるか否か判定される。本ステップでは、EGRシステムの異常を判定するのに適した運転状態であるか否か判定している。定常運転中でないとEGR率や下記の各種閾値が変化するため、EGRシステムの異常を判定することが困難となるため、過渡状態の場合ではEGRシステムの異常判定は行わない。ステップS104で肯定判定がなされた場合にはステップS105へ進み、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS105では、高圧EGR弁42の開度が、フィードバック制御の限界(フィードバック限界)に達しているか否か判定される。フィードバック限界は例えば全開または全開近傍の開度であり、フィードバック制御によりそれ以上は開くことのできない開度、または開いてもEGRガス量が増加しない開度である。高圧EGR弁42の開度がフィードバック限界に達している場合には、高圧EGR通路41に詰まりが発生している可能性が高い。ステップS105で肯定判定がなされた場合にはステップS106へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS109へ進む。
ステップS106では、EGRシステムの制御モードをMPLモードへ切り替える。これに併せて低圧EGR弁32のフィードバック制御が開始される。なお、高圧EGR弁42の開度は、フィードバック限界のときの開度(例えば全開)で一定としても良く、それよりも小さい規定の開度で一定としても良い。
ステップS107では、低圧EGR弁32の開度が閾値よりも大きいか否か判定される。閾値は、高圧EGR通路41に詰まりがあったとしてもEGRシステム全体としてはEGR率を目標値に合わせられるために異常がないとすることのできる場合において、低圧EGR弁32の開度が変化し得る範囲の上限値である。
例えば、EGR率が目標範囲内に入っていれば、低圧EGR弁32の開度は規定範囲内となり、EGR率が目標範囲内に入っていなければ、低圧EGR弁32の開度は規定範囲外となる。すなわち、閾値は、EGR率を目標範囲に入れることができる低圧EGR弁32の開度の上限値としても良い。このように、本ステップでは、低圧EGR弁32の開度が高圧EGR装置40に異常があるといえる範囲にある否か判定している。また、低圧EGR弁32の開度は内燃機関1の運転状態(例えば機関回転数及び機関負荷)に応じて変化するため、閾値も同様に内燃機関1の運転状態に応じて変化させる。そして閾値は、予め実験等により求めておく。
また、ある程度の期間、同じ状態が続いたときに限り高圧EGR装置40に異常があると判定しても良い。すなわち本ステップでは、低圧EGR弁32の開度が閾値よりも大きく、且つこの状態が継続している期間が規定期間よりも長いか否か判定してもよい。この規定期間は、高圧EGR装置40の異常を判定するために要する期間として設定される。
そして、ステップS107で肯定判定がなされた場合にはステップS108へ進んで、高圧EGR装置40に異常があると判定される。一方、ステップS107で否定判定がなされた場合には、ステップS106へ戻る。また、ステップS109では、高圧EGR装置40は正常であると判定される。
次に、ステップS110では、EGRシステムの制御モードがLPLモードとなっているか否か判定される。すなわち、低圧EGR装置30の異常を判定することが可能な状態であるか否か判定している。ステップS110で肯定判定がなされた場合にはステップS111へ進み、否定判定がなされた場合にはEGRシステムの制御モードがMPLモードとなっており、本実施例に係る異常判定を行うことができないので本ルーチンを一旦終了
させる。
ステップS111では、内燃機関1の運転状態が定常状態であるか否か判定される。本ステップでは、ステップS104と同じ処理がなされる。ステップS111で肯定判定がなされた場合にはステップS112へ進み、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS112では、低圧EGR弁32の開度が、フィードバック制御の限界(フィードバック限界)に達しているか否か判定される。フィードバック限界は例えば全開または全開近傍の開度であり、フィードバック制御によりそれ以上は開くことのできない開度、または開いてもEGRガス量が増加しない開度である。低圧EGR弁32の開度がフィードバック限界に達している場合には、低圧EGR通路31に詰まりが発生している可能性が高い。ステップS112で肯定判定がなされた場合にはステップS113へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS116へ進む。
ステップS113では、EGRシステムの制御モードをMPLモードへ切り替える。これに併せて高圧EGR弁42のフィードバック制御が開始される。なお、低圧EGR弁32の開度は、フィードバック限界のときの開度(例えば全開)で一定としても良く、それよりも小さい規定の開度で一定としても良い。
ステップS114では、高圧EGR弁42の開度が閾値よりも大きいか否か判定される。閾値は、低圧EGR通路31に詰まりがあったとしてもEGRシステム全体としてはEGR率を目標値に合わせられるために異常がないとすることのできる場合において、高圧EGR弁42の開度が変化し得る範囲の上限値である。
例えば、EGR率が目標範囲内に入っていれば、高圧EGR弁42の開度は規定範囲内となり、EGR率が目標範囲内に入っていなければ、高圧EGR弁42の開度は規定範囲外となる。すなわち、閾値は、EGR率を目標範囲に入れることができる高圧EGR弁42の開度の上限値としても良い。このように、本ステップでは、高圧EGR弁42の開度が低圧EGR装置30に異常があるといえる範囲にある否か判定している。また、高圧EGR弁42の開度は内燃機関1の運転状態(例えば機関回転数及び機関負荷)に応じて変化するため、閾値も同様に内燃機関1の運転状態に応じて変化させる。そして閾値は、予め実験等により求めておく。
また、ある程度の期間、同じ状態が続いたときに限り低圧EGR装置30に異常があると判定しても良い。すなわち本ステップでは、高圧EGR弁42の開度が閾値よりも大きく、且つこの状態が継続している期間が規定期間よりも長いか否か判定してもよい。この規定期間は、低圧EGR装置30の異常を判定するために要する期間として設定される。
そして、ステップS114で肯定判定がなされた場合にはステップS115へ進んで、低圧EGR装置30に異常があると判定される。一方、ステップS114で否定判定がなされた場合には、ステップS113へ戻る。また、ステップS116では、低圧EGR装置30は正常であると判定される。
なお、本実施例においてはステップS103からステップS116を処理するECU20が、本発明における判定手段に相当する。
以上説明したように、本実施例によれば、HPLモードまたはLPLモードのときに検出されたEGRシステムの異常をMPLモードで確認することで、異常判定の精度を高めることができる。
また、HPLモードまたはLPLモードのときにEGR率が低下しても、MPLモードに移行することで気筒内にEGRガスを供給することができるため、排気の状態が悪化することを抑制できる。そして、排気の状態が悪化しない限りはEGRシステムに異常はないと判定されるため、不要な警告などが行われることを抑制できる。
さらに、フィードバック制御時の高圧EGR弁42または低圧EGR弁32の開度に基づいてEGRシステムの異常判定を行うことができるため、誤差を含む虞のあるEGR率に基づいた異常判定をする必要がないので、判定精度を高めることができる。
1 内燃機関
2 気筒
3 吸気通路
4 排気通路
5 ターボチャージャ
5a コンプレッサ
5b タービン
6 第1吸気絞り弁
7 エアフローメータ
8 インタークーラ
9 第2吸気絞り弁
10 フィルタ
14 アクセルペダル
15 アクセル開度センサ
16 クランクポジションセンサ
20 ECU
30 低圧EGR装置
31 低圧EGR通路
32 低圧EGR弁
33 EGRクーラ
34 開度センサ
40 高圧EGR装置
41 高圧EGR通路
42 高圧EGR弁
44 開度センサ

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路にタービンを有し且つ吸気通路にコンプレッサを有するターボチャージャと、
    前記タービンよりも上流の排気通路と前記吸気通路とを接続する高圧EGR通路と、前記高圧EGR通路を流通するEGRガス量を調節する高圧EGR弁と、を有する高圧EGR装置と、
    前記タービンよりも下流の排気通路と前記吸気通路とを接続する低圧EGR通路と、前記低圧EGR通路を流通するEGRガス量を調節する低圧EGR弁と、を有する低圧EGR装置と、
    前記高圧EGR弁の開度を検知する高圧EGR弁開度検知装置と、
    前記低圧EGR弁の開度を検知する低圧EGR弁開度検知装置と、
    を備えたEGRシステムの異常検出装置において、
    前記高圧EGR装置または前記低圧EGR装置の一方のEGR装置からEGRガスを供給しているときに、該一方のEGR装置が有するEGR弁を気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に向かうようにフィードバック制御し、このときの該一方のEGR装置が有するEGR弁の開度が、異常を示す値となったときに、前記高圧EGR装置と前記低圧EGR装置との両方からEGRガスを供給しつつ前記高圧EGR装置または前記低圧EGR装置の他方のEGR装置が有するEGR弁を気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に向かうようにフィードバック制御し、該他方のEGR装置が有するEGR弁の開度が規定範囲外となったときに前記一方のEGR装置に異常があると判定する判定手段を備えることを特徴とするEGRシステムの異常検出装置。
  2. 内燃機関のターボチャージャのタービンよりも上流の排気通路と吸気通路とを接続する高圧EGR通路と、高圧EGR通路を流通するEGRガス量を調節する高圧EGR弁と、を有する高圧EGR装置と、
    前記タービンよりも下流の排気通路と吸気通路とを接続する低圧EGR通路と、前記低圧EGR通路を流通するEGRガス量を調節する低圧EGR弁と、を有する低圧EGR装置と、
    を備えるEGRシステムの異常検出方法において、
    前記高圧EGR装置または前記低圧EGR装置の一方のEGR装置からEGRガスを供給しているときに、該一方のEGR装置が有するEGR弁を気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に向かうようにフィードバック制御する第1の工程と、
    前記一方のEGR装置が有するEGR弁の開度が、異常を示す値となったときに、前記高圧EGR装置と前記低圧EGR装置との両方からEGRガスを供給しつつ、前記高圧EGR装置または前記低圧EGR装置の他方のEGR装置が有するEGR弁を気筒内のEGRガス量が該EGRガス量の目標範囲に向かうようにフィードバック制御する第2の工程と、
    前記他方のEGR装置が有するEGR弁の開度が規定範囲外となったときに前記一方のEGR装置に異常があると判定する第3の工程と、
    を含んで構成されることを特徴とするEGRシステムの異常検出方法。
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