JP2012251752A - 温風暖房機 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアフィルタの目詰まりを正確に報知できる温風暖房機を提供する。
【解決手段】室内温度を検知する室温センサ26と、燃焼室または送風路の燃焼室より下流側に設けられた目詰まり判定用温度センサ15と、エアフィルタ12の目詰まりを判定する制御ユニット9と、エアフィルタ12の目詰まりを報知するフィルタランプ33とを備え、初期状態で室温を基準設定温度まで上昇させたときの目詰まり判定用温度センサ15の基準判定温度Tdと室温センサ26の基準室温Trとの温度差(Td−Tr)よりも、運転時に設定温度まで上昇させたときの目詰まり判定用温度センサ15の運転時判定温度Tdと室温センサの運転時室温Trとの運転時温度差(Td−Tr)が、所定温度以上高い場合、フィルタランプ33からエアフィルタ12の目詰まりを報知する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスファンヒータや石油ファンヒータなどの温風暖房機に関する。特に、本発明は、給気口に設けられたエアフィルタの目詰まりを報知する機能を備えた温風暖房機に関する。
従来、給気口及び吹出口を設けたハウジング内に送風ファンを配設して送風路を形成するとともに、送風路中にバーナなどを備える燃焼室を設け、給気口から吸引した室内の空気を加熱することにより、吹出口から温風を吹き出すガスファンヒータや石油ファンヒータなどの温風暖房機が知られている。この種の温風暖房機では、通常、送風路内に吸引される空気中の塵や埃等を除去するためのエアフィルタが給気口に装填されている。それゆえ、エアフィルタに目詰まりが生じると、温風暖房機の暖房能力が低下することから、エアフィルタの掃除の必要性を使用者に報知することが行われている。
例えば、エアフィルタの目詰まりがひどくなると、室内から吸引される空気の量が少なくなり、吹出口から室内に吹き出される温風量が減少して、燃焼室の温度が上昇するため、給気口近傍と吹出口近傍の温度差が大きくなることから、これらの温度を測定し、その温度差が所定温度以上になるとエアフィルタの目詰まりを報知する温風暖房機や、同様に燃焼室の温度が所定の検知温度以上になると、エアフィルタの目詰まりを報知する温風暖房機が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
特開昭54−145069号公報
特開2004−61048号公報
ところで、上記のような給気口近傍と吹出口近傍の温度や燃焼室の温度を測定するために使用されるサーミスタの温度特性は製品によってばらつきがあり、またバーナの燃焼特性や送風路における空気の流通性も個々の温風暖房機によって異なっている。さらに、温風暖房機が使用される室内の通気性によってもハウジング内の温度が変化する。そのため、上記特許文献1や2のように給気口近傍と吹出口近傍の温度差や燃焼室の温度に基づき一律にエアフィルタの目詰まりを判断すると、個々の温風暖房機の特性や使用環境の相違から、エアフィルタに塵埃の付着が少ない場合でも、エアフィルタの目詰まりが報知されたり、あるいは逆にエアフィルタに塵埃が多量に付着している場合でも、エアフィルタの目詰まりが報知されないという問題がある。この場合、エアフィルタの目詰まりによる燃焼不良の防止を優先させて、目詰まりを判定するための給気口近傍と吹出口近傍の温度差や燃焼室の検知温度の絶対値を低下させることも考えられるが、短期間でエアフィルタの目詰まりが報知されるため、使い勝手が悪いという問題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、給気口に設けられたエアフィルタの目詰まりを正確に報知できる温風暖房機を提供することにある。
本発明は、給気口及び吹出口を有するハウジングと、前記給気口に設けられたエアフィルタと、前記給気口から室内空気を吸引し、吸引した空気をバーナを有する燃焼室で加熱して、前記吹出口から温風を吹き出す送風路を形成する送風ファンと、室内温度を検知する室温検知部と、前記燃焼室または前記送風路の燃焼室より下流側に設けられた目詰まり判定用温度検知部と、前記エアフィルタの目詰まりを判定する目詰まり判定部を含む制御ユニットと、前記エアフィルタの目詰まりを報知する報知器と、を備えた温風暖房機であって、
前記制御ユニットは、
前記エアフィルタに目詰まりがない初期状態で温風暖房機を運転して室内を基準設定温度まで上昇させたときの前記室温検知部で検知される基準室温Tr及び前記目詰まり判定用温度検知部で検知される基準判定温度Tdを記憶し、
温風暖房機を運転して室内を設定温度まで上昇させたときの前記目詰まり判定用温度検知部で検知される運転時判定温度Tdと前記室温検知部で検知される運転時室温Trとの運転時温度差(Td−Tr)が、前記基準判定温度Tdと前記基準室温Trとの基準温度差(Td−Tr)よりも、所定温度以上高い場合、前記報知器から前記エアフィルタの目詰まりを報知する温風暖房機である。
上記温風暖房機によれば、エアフィルタに目詰まりがない初期状態で温風暖房機を運転して室内を基準設定温度まで上昇させたときの室温検知部で検知される基準室温Tr及び目詰まり判定用温度検知部で検知される基準判定温度Tdを制御ユニットが記憶しているから、初期状態における個々の温風暖房機が有する特性を把握することができる。
そして、運転時の設定温度に応じて運転時室温Tr及び運転時判定温度Tdは変化するが、室温検知部で検知される基準室温Tr及び運転時室温Trはそれぞれ、室内が基準設定温度及び運転時の設定温度まで上昇したときの温度であるから、エアフィルタに目詰まりがなければ運転時室温Trと基準室温Trとの温度差は、運転時判定温度Tdと基準判定温度Tdとの温度差にも同様に反映される。従って、運転時温度差(Td−Tr)が基準温度差(Td−Tr)よりも高い場合には、その設定温度において初期状態よりも高い温度でバーナが燃焼されているから、上記温度差の相違[(Td−Tr)−(Td−Tr)]が所定温度以上であれば、エアフィルタが目詰まりしたと判断できる。
上記温風暖房機において、前記エアフィルタの目詰まりが報知されて前記エアフィルタが掃除された場合、
前記制御ユニットは、
前記基準室温Tr及び前記基準判定温度Tdをそれぞれ、前記エアフィルタの掃除後、最初に温風暖房機を運転して室内を設定温度まで上昇させたときの前記室温検知部で検知される初回運転時室温Tr及び前記目詰まり判定用温度検知部で検知される初回運転時判定温度Tdに更新してもよい。
温風暖房機は、使用によりハウジング内に塵や埃が堆積しやすく、またサーミスタの温度特性やバーナの燃焼特性は温風暖房機の使用により経時劣化する。そのため、エアフィルタの掃除が行なわれて初期状態と同じ基準設定温度で運転が行われても、室温検知部及び目詰まり判定用温度検知部で検知される各温度は、それ以前の初期状態で記憶された基準室温Tr及び基準判定温度Tdと異なる可能性がある。従って、エアフィルタの掃除後、最初に温風暖房機を運転して室内を設定温度まで上昇させたときの室温検知部で検知される初回運転時室温Tr及び目詰まり判定用温度検知部で検知される初回運転時判定温度Tdのそれぞれを、基準室温Tr及び基準判定温度Tdとして新たに利用すれば、よりその温風暖房機の状態に応じた特性に基づきエアフィルタの目詰まりを判断することができる。
上記温風暖房機において、好ましくは
前記制御ユニットは、
前記初期状態において所定回転数で前記送風ファンを回転させたときのファンモータの基準電流値Aを記憶し、
温風暖房機を運転して前記送風ファンを前記所定回転数と同回転数で回転させたときの前記ファンモータの運転時電流値Aが、前記基準電流値Aよりも、所定電流値以上低い場合、前記報知器から前記エアフィルタの目詰まりを報知する。
サーミスタの温度特性やバーナの燃焼特性は温風暖房機の使用により経時劣化するため、長期使用により、同じ設定温度であっても運転時判定温度Td及び運転時室温Trに変化が生じてくる場合がある。一方、既述したように、エアフィルタの目詰まりがひどくなると室内から吸引される空気の量が低下するから、送風ファンを駆動するためのファンモータの負荷が小さくなり、電流値が低下する。従って、上記の温度差の相違だけでなく、エアフィルタの目詰まりのない初期状態で送風ファンを所定回転数で回転させたときの基準電流値Aと同回転数で回転させたときの運転時電流値Aとを比較すれば、より正確にエアフィルタが目詰まりしたと判断することができる。
上記温風暖房機において、前記エアフィルタの目詰まりが報知されて前記エアフィルタが掃除された場合、
前記制御ユニットは、
前記基準電流値Aを、前記エアフィルタの掃除後、最初に温風暖房機を運転したときの前記ファンモータの初回運転時電流値Aに更新してもよい。
温度特性と同様に、ファンモータが経時劣化した場合、同じ回転数であっても運転時電流値Aが変化する可能性があるから、上記温風暖房機によれば、より温風暖房機の状態に応じた特性に基づきエアフィルタの目詰まりを判断することができる。
上記温風暖房機において、
前記目詰まり判定用温度検知部で検知される運転時判定温度Tdが所定の運転禁止温度以上である場合、前記制御ユニットは運転を停止してもよい。
上記温風暖房機によれば、運転時判定温度Tdが所定の運転禁止温度以上であれば運転が停止されるから、使用者がエアフィルタの掃除を忘れていた場合でも、異常過熱温度での運転を防止することができる。
以上説明したように、本発明によれば、個々の温風暖房機の特性に基づきエアフィルタの目詰まりをより正確に報知することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る温風暖房機を示す概略断面図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る温風暖房機の要部を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る温風暖房機においてエアフィルタの目詰まりを判断する制御動作を示すフロー図である。
以下、本発明の一実施形態をなすガスファンヒータについて図面を参照しながら具体的に説明する。
図1を参照して、本実施の形態に係る温風暖房機1はガスファンヒータであり、室内に配置されるハウジング2内に内蔵された暖房機本体3が、ダクト4(送風路)、ダクト7(燃焼用空気通路)、送風ファン5、ガスバーナ6、ガス供給管8などを具備し、制御ユニット9により制御されるように構成されている。
ダクト4は、ハウジング2の背面側に設けられた給気口10及び前面下部に設けられた吹出口11に開口している。給気口10には、塵や埃等がダクト4内に流入するのを防ぐためにエアフィルタ12が取付けられている。吹出口11には、その開口度合いや温風の吹出方向を調節する可動式ルーバ13が取付けられ、この可動式ルーバ13を駆動するための図略のギャドモータが設けられている。
送風ファン5は、通電電流に比例して回転数が増大するファンモータ16と、ファンモータ16により回転駆動される回転羽根17とを有し、回転羽根17の回転により給気口10からダクト4内に室内空気sを吸引する。そして、吸引した室内空気sをダクト4内に組み込まれたガスバーナ6の燃焼排気hと混合して加熱し、それを温風mとして吹出口11から吹き出す。この送風ファン5には、その回転数を検知するための回転数センサ18が配設されている。回転数センサ18は、ファンモータ16の一回転毎に所定数のパルスを発生するホールICにより構成されたものであり、その出力を制御ユニット9に送出する。
ダクト4内に組み込まれた燃焼室Cは、ガスバーナ6と、燃焼プレート20を囲むように配設された燃焼胴19aと、燃焼胴19aの上部開口部に対向するように配設された分流板19bとを備える。燃焼胴19aの上端と分流板19bの下面との間は、燃焼プレート20で加熱された燃焼排気hの通路となる隙間が設けられている。また、燃焼プレート20の下流側には、点火電極21、及び異常燃焼を検知するためのサーモカップル22が配設されている。このサーモカップル22は、ガスバーナ6の燃焼炎に晒されて起電力を発生し、それを制御ユニット9に出力する。
ダクト7は、室内空気sと燃料ガスとをガスバーナ6に供給するための燃焼用空気通路であり、ガスバーナ6と連通し、且つダクト4と画成してハウジング2内に組み込まれ、ハウジング2の背面に開口した給気口23と連通している。そして、給気口23からガスバーナ6に至る途中箇所には、ガス供給管8の先端に取付けられたノズル24が導入されている。このダクト7には、送風ファン5の回転駆動によりエアフィルタ12に覆われている給気口23から室内空気sが吸引され、その吸引された室内空気sがガスバーナ6に至る過程でガス供給管8のノズル24から噴出される燃料ガスと混合されて、その混合気がガスバーナ6に供給される。また、ダクト7の内部の給気口23近傍には、サーミスタにより構成された室温センサ(室温検知部)26が取付けられ、この室温センサ26は、室温に対応した電気出力を制御ユニット9に出力する。なお、室温検知部は、ダクト4の内部の給気口10近傍に設けてもよいし、ハウジング2の構成壁の外面に設けてもよい。
吹出口11近傍には、サーミスタにより構成された目詰まり判定用温度センサ(目詰まり判定用温度検知部)15が取付けられ、この目詰まり判定用温度センサ15は、吹出口11から吹き出される温風mの温度に対応した電気出力を制御ユニット9に出力する。なお、目詰まり判定用温度検知部は、燃焼胴19aや分流板19bなどの燃焼室Cの構成壁に設けてもよい。
ガス供給管8には、その上流側から順に、電磁弁27,28、及び比例弁29が配設されている。電磁弁27,28は、通電により開弁状態になると燃料ガスをノズル24方向へ通過させ、通電停止により閉弁状態となると燃料ガスの通過を遮断する。比例弁29は、通電電流の大きさに伴って開度が増大する弁であり、通電電流とガスバーナ6への供給ガス量とが比例する。
ハウジング2の上面には、運転スイッチ30、温調スイッチ31,32、フィルタランプ33(報知器)、及びリセットスイッチ34が配設されている。
運転スイッチ30は、そのON/OFF操作により暖房運転の開始や終了を制御ユニット9に指示する。温調スイッチ31,32は、室温を設定するための押しボタンスイッチであり、それぞれ押圧により、設定室温を1°Cづつ上昇及び下降させて制御ユニット9に指示する。
フィルタランプ33は、その点灯によりエアフィルタ12の目詰まりによる掃除の必要性を使用者に報知するものであり、制御ユニット9により通電制御される。リセットスイッチ34は、後述する基準室温Tr、基準判定温度Td、及び基準電流値Aをそれぞれ、初回運転時室温Tr、初回運転時判定温度Td、及び初回運転時電流値Aに更新するためのものであり、使用者がフィルタランプ33からの報知によりエアフィルタ12の目詰まりを認識し、エアフィルタ12の掃除を行った後、所定時間(例えば、5秒)連続して押圧すると、次の暖房運転までリセット信号が制御ユニット9に保持される。
図2を参照して、制御ユニット9は、運転制御部35、温調制御部36、燃焼制御部37、ファン制御部38、目詰まり判定部39、及びファン通電部40を備え、CPU、ROM、RAMなどから構成されている。
運転制御部35は、運転スイッチ30からの指示信号、サーモカップル22が送出する起電力、及び目詰まり判定部39が後述するように送出する運転停止信号に基づいて、電磁弁27,28の通電を制御する。
温調制御部36は、室温センサ26によって検知された室温と、温調スイッチ31,32で設定される設定温度とに基づいてガスバーナ6の燃焼強度を決定し、その決定した燃焼強度を示す燃焼強度信号を燃焼制御部37及びファン制御部38に出力する。
燃焼制御部37は、温調制御部36から付与される燃焼強度信号に基づいてガスバーナ6への供給ガス量を決定し、この供給ガス量となる開度が得られる比例弁電流を比例弁29に通電する。また、燃焼制御部37は、点火電極21への通電を制御する。
ファン制御部38には回転数センサ18からの出力と温調制御部36からの燃焼強度信号とが入力され、燃焼強度信号に基づいてガスバーナ6の燃焼強度に見合った量の空気をダクト4,7に吸引するための送風ファン5の目標回転数を予め定められたデータテーブル等に従って設定する。そして、ファン制御部38は、送風ファン5の回転数が設定された目標回転数となる通電量の基準指示値を決定し、目標回転数と回転数センサ18から出力される送風ファン5の回転数との偏差から基準指示値を補正した通電量を決定して、ファン通電部40及び目詰まり判定部39に送出する。ファン通電部40は、補正された通電量の大きさの電流をファンモータ16に通電して送風ファン5を回転させる。
目詰まり判定部39は、温度記憶部39a、通電量記憶部39b、温度比較部39c、及び通電量比較部39dを備えている。温度記憶部39aには、エアフィルタ12に目詰まりがない初期状態で使用者が初めて温風暖房機1を運転して室内を基準設定温度まで上昇させたときの室温センサ26で検知される基準室温Tr、目詰まり判定用温度センサ15で検知される基準判定温度Td、及び運転禁止温度が記憶されており、通電量記憶部39bには、上記と同様に、エアフィルタ12の目詰まりがない初期状態において送風ファン5を回転させたときの回転数とファンモータ16の基準電流値Aとのデータテーブルが記憶されている。これにより、初期状態における個々の温風暖房機1が有する特性を把握することができる。また、これら基準室温Tr、基準判定温度Td、及び基準電流値Aは、リセットスイッチ34が押圧されると、リセット後、最初に温風暖房機1が運転されて室内を設定温度まで上昇させたときの室温センサ26で検知される初回運転時室温Tr、目詰まり判定用温度センサ15で検知される初回運転時判定温度Td、及びファンモータの初回運転時電流値Aに更新される。なお、温風暖房機1が初めて使用される最初期の基準室温Tr、基準判定温度Td、及び基準電流値Aは、工場出荷時に設定されてもよい。
温度比較部39cは、目詰まり判定用温度センサ15から出力される運転時判定温度Tdと室温センサ26から出力される運転時室温Trとの運転時温度差(Td−Tr)を求めるとともに、温度記憶部39aに記憶された基準判定温度Tdと基準室温Trとの基準温度差(Td−Tr)を求め、運転時温度差(Td−Tr)と基準温度差(Td−Tr)との相違[(Td−Tr)−(Td−Tr)]が所定温度以上であるかどうかを判断する。また、温度比較部39cは、運転時判定温度Tdが所定の運転禁止温度以上である場合、フィルタランプ33に通電してフィルタランプ33を連続点灯させるとともに、運転制御部35に運転停止信号を出力する。
通電量比較部39dは、温度比較部39cで、運転時温度差(Td−Tr)と基準温度差(Td−Tr)との相違[(Td−Tr)−(Td−Tr)]が所定温度以上である場合、ファンモータ16の運転時電流値Aと、通電量記憶部39bに記憶された基準電流値Aとを比較し、運転時電流値Aが基準電流値Aより所定電流値以上低い場合、フィルタランプ33に通電してフィルタランプ33を点滅点灯させる。
次に、本実施の形態の温風暖房機1においてエアフィルタ12の目詰まりの判断動作について図3のフロー図を参照して具体的に説明する。
使用者が運転スイッチ30をON操作すると、それに応じて制御ユニット9の制御により暖房運転が開始される(ステップST1)。この暖房運転では、制御ユニット9は、送風ファン5のファンモータ16、点火電極21、電磁弁27,28、及び比例弁29に通電を行い、送風ファン5の回転羽根17の回転による室内空気sのダクト4,7への吸引を開始せしめるとともに、ガスバーナ6へのガス供給及びその着火・燃焼を開始せしめる。
一方、回転羽根17の回転によって、エアフィルタ12を介して給気口10からダクト4内に取り込まれた室内空気sは、ガスバーナ6の燃焼排気hと混合されることにより温風mとなり、吹出口11から室内に吹き出される。そして、室温センサ26で検知される室温が設定温度となるように(例えば、設定温度±1℃の温度が1分間継続する状態)、制御ユニット9は、既述したガスバーナ6の燃焼強度、及び送風ファン5の回転数を制御する。
室温センサ26で検知される室温が設定温度になると、温度比較部39cは、まず運転時判定温度Tdが所定の運転禁止温度(例えば、60℃)以上となっていないかどうかを判断する(ステップST2)。運転時判定温度Tdが所定の運転禁止温度以上である場合(ステップST2でYes)、目詰まり判定部39は運転停止信号を運転制御部35に出力して、フィルタランプ33を連続点灯させ(ステップST3)、ファンモータ16等への通電を停止するとともに、電磁弁27,28を閉弁して、温風暖房機1の運転を停止する(ステップST4)。これにより、使用者がエアフィルタ12の掃除を忘れ、エアフィルタ12に重度の目詰まりが生じていても、異常過熱温度での暖房運転を防止することができる。
運転時判定温度Tdが所定の運転禁止温度未満である場合(ステップST2でNo)、次に制御ユニット9はリセットスイッチ34が押されたかどうかを判断する(ステップST5)。リセットスイッチ34が操作されていない場合(ステップST5でNo)、使用者がエアフィルタ12の掃除を行っていないから、目詰まり判定部39は、目詰まり判定用温度センサ15で検知される運転時判定温度Tdと室温センサ26で検知される運転時室温Trとの運転時温度差(Td−Tr)を求めるとともに、温度記憶部39aに記憶された基準判定温度Tdと基準室温Trとの基準温度差(Td−Tr)を求め、その温度差の相違が所定温度(例えば、5K)以上であるかどうかを判断する(ステップST6)。
すなわち、運転時の設定温度に応じて運転時室温Tr及び運転時判定温度Tdは変化するが、室温センサ26で検知される基準室温Tr及び運転時室温Trはそれぞれ、室内が基準設定温度及び運転時の設定温度まで上昇したときの温度であるから、エアフィルタ12に目詰まりがなければ運転時室温Trと基準室温Trとの温度差は、運転時判定温度Tdと基準判定温度Tdとの温度差にも同様に反映される。従って、運転時温度差(Td−Tr)が基準温度差(Td−Tr)よりも所定温度以上高い場合には、その設定温度において初期状態よりも高い温度でガスバーナ6が燃焼されているから、エアフィルタ12が目詰まりしている可能性があると判断できる。
温度比較部39cによりエアフィルタ12の目詰まりの可能性が判断されると(ステップST6でYes)、さらに制御ユニット9は、通電量比較部39dにより、運転時電流値Aと通電量記憶部39bに記憶された基準電流値Aとを比較する(ステップST7)。すなわち、上記の運転時温度差(Td−Tr)が基準温度差(Td−Tr)よりも所定温度以上高い場合、通常はエアフィルタ12が目詰まりしている可能性が高いが、室温センサ26や目詰まり判定用温度センサ15で使用されているサーミスタの温度特性やガスバーナ6の燃焼特性が経時劣化し、運転時判定温度Td及び運転時室温Trに変化が生じる場合もある。従って、温度特性だけでなく、ファンモータ16の通電量による通気特性も比較することによって、より正確にエアフィルタ12が目詰まりしたと判断することができる。なお、運転時電流値Aの回転数が基準電流値Aの所定回転数と異なる場合、回転数と通電量のデータテーブルから運転時の回転数を基準電流値Aの回転数と同回転数に補正した運転時電流値Aを基準電流値Aと比較してもよい。
通電量比較部39dによってもエアフィルタ12の目詰まりの可能性が判断されると(ステップST7でYes)、目詰まり判定部39は、フィルタランプ33を点滅点灯させてエアフィルタ12の目詰まりを使用者に知らせる(ステップST8)。これにより使用者は、エアフィルタ12の掃除の必要性を認識することができる。
一方、リセットスイッチ34が操作されている場合(ステップST5でYes)、フィルタサインに気付いた使用者がエアフィルタ12を掃除し、エアフィルタ12は目詰まりが少ない状態であるが、既にそれまでの暖房運転によりハウジング2内に塵や埃が堆積している可能性がある。また、サーミスタの温度特性やガスバーナ6の燃焼特性は経時劣化している可能性がある。従って、同じ設定温度で運転しても、室温センサ26及び目詰まり判定用温度センサ15で検知される各温度、及びファンモータ15の電流値は、それ以前の初期状態で記憶された基準室温Tr、基準判定温度Td、及び基準電流値Aと異なる可能性がある。このため、温度記憶部39aに記憶されていた基準室温Tr及び基準判定温度Tdと、通電量記憶部39bに記憶されていた基準電流値Aとを、リセット後に最初に温風暖房機1を運転して室内を設定温度まで上昇させたときの室温センサ26で検知される初回運転時室温Tr及び目詰まり判定用温度センサ15で検知される初回運転時判定温度Tdと、ファンモータ15の初回運転時電流値Aとにそれぞれ更新し(ステップST9)、上記ステップST6及びST7と同様にエアフィルタ12の目詰まりの判断を行う。これにより、よりその温風暖房機1の状態に応じた特性に基づきエアフィルタ12の目詰まりを判断することができる。
上記エアフィルタ12の目詰まりを判定するステップは運転スイッチ30がOFF操作されるまで行われ(ステップ10でNo)、暖房運転中は運転時判定温度Tdが運転禁止温度以上になった場合を除いて、エアフィルタ12の目詰まりの監視が継続される。
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、運転時温度差(Td−Tr)と基準温度差(Td−Tr)との相違だけでなく、運転時電流値Aと基準電流値Aとの相違も比較してエアフィルタ12の目詰まりを判断しているが、温度のみによりエアフィルタ12の目詰まりを判断してもよい。
(2)上記実施の形態では、運転スイッチ30がON操作された場合、毎回エアフィルタ12の目詰まりが判定されるが、所定の累積運転時間(例えば、500時間)が経過するごとにエアフィルタ12の目詰まりの判定を行ってもよい。
(3)上記実施の形態では、目詰まりの報知をフィルタランプ33から行なっているが、スピーカにより音声で目詰まりを報知してもよい。
(4)上記実施の形態では、エアフィルタ12の掃除が行われたことをリセットスイッチ34の押圧により判断しているが、既述したようにエアフィルタ12に目詰まりがある状態で暖房運転した場合と、エアフィルタ12に目詰まりがない状態で暖房運転した場合とでは運転時判定温度Tdや運転時電流値Aが異なってくる。従って、前回の暖房運転時における運転時判定温度Tdn−1または運転時電流値An−1と、運転時判定温度Tdまたは運転時電流値Aとを比較することによりエアフィルタ12が掃除されたかどうかを判断してもよい。
1 温風暖房機
2 ハウジング
5 送風ファン
6 ガスバーナ
9 制御ユニット
10,23 給気口
11 吹出口
12 エアフィルタ
15 目詰まり判定用温度センサ(目詰まり判定用温度検知部)
16 ファンモータ
26 室温センサ(室温検知部)
33 フィルタランプ(報知器)
39 目詰まり判定部
C 燃焼室

Claims (5)

  1. 給気口及び吹出口を有するハウジングと、前記給気口に設けられたエアフィルタと、前記給気口から室内空気を吸引し、吸引した空気をバーナを有する燃焼室で加熱して、前記吹出口から温風を吹き出す送風路を形成する送風ファンと、室内温度を検知する室温検知部と、前記燃焼室または前記送風路の燃焼室より下流側に設けられた目詰まり判定用温度検知部と、前記エアフィルタの目詰まりを判定する目詰まり判定部を含む制御ユニットと、前記エアフィルタの目詰まりを報知する報知器と、を備えた温風暖房機であって、
    前記制御ユニットは、
    前記エアフィルタに目詰まりがない初期状態で温風暖房機を運転して室内を基準設定温度まで上昇させたときの前記室温検知部で検知される基準室温Tr及び前記目詰まり判定用温度検知部で検知される基準判定温度Tdを記憶し、
    温風暖房機を運転して室内を設定温度まで上昇させたときの前記目詰まり判定用温度検知部で検知される運転時判定温度Tdと前記室温検知部で検知される運転時室温Trとの運転時温度差(Td−Tr)が、前記基準判定温度Tdと前記基準室温Trとの基準温度差(Td−Tr)よりも、所定温度以上高い場合、前記報知器から前記エアフィルタの目詰まりを報知する温風暖房機。
  2. 請求項1に記載の温風暖房機であって、
    前記エアフィルタの目詰まりが報知されて前記エアフィルタが掃除された場合、
    前記制御ユニットは、
    前記基準室温Tr及び前記基準判定温度Tdをそれぞれ、前記エアフィルタの掃除後、最初に温風暖房機を運転して室内を設定温度まで上昇させたときの前記室温検知部で検知される初回運転時室温Tr及び前記目詰まり判定用温度検知部で検知される初回運転時判定温度Tdに更新する温風暖房機。
  3. 請求項1または2に記載の温風暖房機であって、さらに、
    前記制御ユニットは、
    前記初期状態において所定回転数で前記送風ファンを回転させたときのファンモータの基準電流値Aを記憶し、
    温風暖房機を運転して前記送風ファンを前記所定回転数と同回転数で回転させたときの前記ファンモータの運転時電流値Aが、前記基準電流値Aよりも、所定電流値以上低い場合、前記報知器から前記エアフィルタの目詰まりを報知する温風暖房機。
  4. 請求項3に記載の温風暖房機であって、
    前記エアフィルタの目詰まりが報知されて前記エアフィルタが掃除された場合、
    前記制御ユニットは、
    前記基準電流値Aを、前記エアフィルタの掃除後、最初に温風暖房機を運転したときの前記ファンモータの初回運転時電流値Aに更新する温風暖房機。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の温風暖房機であって、
    前記目詰まり判定用温度検知部で検知される運転時判定温度Tdが所定の運転禁止温度以上である場合、前記制御ユニットは運転を停止する温風暖房機。
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