JP3618579B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
本発明は、バーナの給気通路と排気通路の閉塞検知を行う燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば強制給排気式のガス温風暖房機において、ファンの回転作動により、屋外に開口した給気口から給気通路を介して燃焼用空気がガスバーナに供給されると共に、該ガスバーナの燃焼により生じる燃焼排ガスが排気通路を介して屋外に開口された排気口から排出されるものが知られている。
【0003】
かかるガス温風暖房機においては、前記給気口や前記排気口に雪が積もった場合や、前記給気通路や前記排気通路内に鳥が巣を作った場合に、前記給気通路と前記排気通路に流れる空気の流量が制限される、いわゆる閉塞状態となる。このような閉塞状態が生じると、前記ファンの作動により前記給気通路を介してガスバーナに供給される燃焼用空気の流量が減少する。その結果、ガスバーナの燃焼用空気が不足することとなってガスバーナが不完全燃焼状態となる。
【0004】
そこで、前記ファンを所定回転数で作動させた状態で、前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を把握し、把握した空気の流量が所定の閉塞判定値以下となったときに、前記給気通路又前記排気通路が閉塞状態にあると判断してガスバーナの燃焼を禁止する処理が行われている。
【0005】
そして、前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を把握する方法として、前記給気通路又は前記排気通路にオリフィスを設け、該オリフィスの上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を検出することが考えられる。該差圧は前記給気通路や前記排気通路に流れる空気の流量に応じて変化するため、該差圧から前記給気通路や前記排気通路に流れる空気の流量を把握することができる。
【0006】
このように前記オリフィスの上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を検出するため、半導体等の圧電変換素子を用いた圧力センサが一般的に使用されるが、前記給気通路又は前記排気通路が閉塞状態であるときと閉塞状態でないときとの、前記差圧の違いは比較的小さい(例えば数10Pa程度)。そのため、前記給気通路又は前記排気通路の閉塞の有無を精度良く検知するためには、圧力センサによる空気圧の検出精度が高いことが前提となる。
【0007】
しかし、該圧力センサは連続通電に対する耐久性に問題がある。そのため、連続的に通電して該圧力センサを使用した場合には、圧電変換素子の劣化等により空気圧の検出精度が悪化して、前記給気通路又は前記排気通路の閉塞の有無を精度良く検知することができなくなるおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、圧力センサを使用して、給気通路と排気通路の閉塞の有無を精度良く検知することができる燃焼装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、バーナと、該バーナに燃焼用空気を供給する給気通路と、該バーナの燃焼排気を排出する排気通路と、該給気通路と該排気通路に空気流を生じさせるファンと、該給気通路又は該給気通路に流れる空気の流量を把握する空気流量把握手段と、前記空気流量把握手段による空気の流量の把握値が所定の閉塞判定値以下となったときに前記給気通路又は前記排気通路が閉塞状態にあると判断する閉塞検知手段と、該閉塞検知手段により前記給気通路又は前記排気通路が閉塞状態にあると判断されたときに前記バーナの燃焼作動を禁止する燃焼禁止手段を備えた燃焼装置の改良に関する。
【0010】
前記空気流量把握手段により、前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を把握する方法として、前記給気通路又は前記排気通路にオリフィスを設け、該オリフィスの上流側と下流側の空気圧の差圧を求める方法を用いることが考えられる。該差圧は、前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量に応じて変化するため、該差圧から前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を把握することができる。
【0011】
そして、オリフィスの上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を検出するため、オリフィスの上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を検出する圧力センサ(差圧センサ)が用いられる。或いは、オリフィスの上流側の空気圧と下流側の空気圧を別個に検出する2個の圧力センサが用いられ、該2個の圧力センサの検出圧力からオリフィスの上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧が算出される。しかし、これらの圧力センサは、半導体等の圧電変換素子を利用するものであるため、連続通電に対する耐久性に問題があり、連続通電を行ってこれらの圧力センサを使用すると差圧や空気圧の検出精度が悪化するおそれがある。
【0012】
そこで、本発明の第1の実施の態様は、前記空気流量把握手段は、前記給気通路又は前記排気通路に設けたオリフィスと、該オリフィスの上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を検出する差圧センサと、該差圧センサに作動用電力を供給する電力供給期間と、該差圧センサへの作動用電力を遮断する電力遮断期間とを交互に切換えて、該差圧センサに断続的に作動用電力を供給する電力供給手段とを有し、前記電力供給期間において、前記電力供給期間の開始から所定時間が経過した後に前記差圧センサからの差圧検出信号を入力して前記差圧を認識し、該差圧により前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を把握することを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、前記電力供給手段により、前記差圧センサへの作動用電力の供給が断続的に行われる。そのため、連続通電により前記差圧センサの検出精度が低下することを防止することができる。
【0014】
また、差圧センサの特性上、前記電力供給手段から前記差圧センサへの作動用電力の供給が開始されてから、前記差圧センサの差圧検出信号の出力が正常な状態となるまでにはある程度の時間(出力安定時間)を要する。そのため、前記電力供給手段から前記差圧センサへの作動用電力の供給が開始された直後に、前記差圧センサの差圧検出信号を入力すると、正常ではない差圧検出信号を入力することとなってしまう。
【0015】
そこで、前記空気流量把握手段は、前記電力供給期間の開始から前記所定時間が経過した後に、前記差圧センサからの差圧検出信号を入力する。この場合、前記所定時間を前記出力安定時間よりも長く設定すれば、前記空気流量把握手段が前記差圧センサから正常でない差圧検出信号を入力することはない。したがって、前記空気流量把握手段が前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を誤って把握することを防止して、前記給気通路又は前記排気通路の閉塞の有無を精度良く検知することができる。
【0016】
また、本発明の第2の実施の態様は、前記空気流量把握手段は、前記給気通路又は前記排気通路に設けたオリフィスと、該オリフィスの上流側の空気圧を検出する第1圧力センサと、該オリフィスの下流側の空気圧を検出する第2圧力センサと、該第1圧力センサと該第2圧力センサに作動用電力を供給する電力供給期間と、該第1圧力センサと該第2圧力センサへの作動用電力を遮断する電力遮断期間とを交互に切換えて、該第1圧力センサと該第2圧力センサに断続的に作動用電力を供給する電力供給手段と、前記電力供給期間において、前記電力供給期間の開始から所定時間が経過した後に、前記第1圧力センサと前記第2圧力センサからの圧力検出信号を入力して、前記オリフィスの上流側と下流側の空気圧の差圧を算出する差圧算出手段とを有し、該差圧により前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を把握することを特徴とする。
【0017】
かかる本発明においては、前記差圧算出手段が、前記第1圧力センサの検出圧力と前記第2圧力センサの検出圧力とを入力して、前記オリフィスの上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を算出する。そして、前記第1圧力センサと前記第2圧力センサには、上述した第1の実施の態様と同様に、前記電力供給手段により断続的に作動用電力が供給されるため、連続通電により前記第1差圧センサと前記第2差圧センサの検出精度が低下することを防止することができる。
【0018】
そして、前記第1圧力センサと前記第2圧力センサにおいても、前記差圧センサと同様に、前記電力供給手段から前記第1圧力センサと前記第2圧力センサへの作動用電力の供給が開始されてから、前記第1圧力センサと第2圧力センサの圧力検出信号の出力が正常な状態となるまでには、ある程度の時間(出力安定時間)を要する。
【0019】
そこで、前記差圧算出手段は、前記電力供給期間の開始から前記所定時間が経過した後に、前記第1圧力センサと前記第2圧力センサからの圧力検出信号を入力する。この場合、上述した第1の実施の態様と同様に、前記所定時間を前記出力安定時間よりも長く設定すれば、前記差圧算出手段が前記第1圧力センサと前記第2圧力センサから正常でない圧力検出信号を入力することはない。したがって、前記差圧算出手段が誤った差圧を算出し、前記空気流量把握手段が前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を誤って把握することを防止して、前記給気通路又は前記排気通路の閉塞の有無を精度良く検知することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例について、図1〜図5を参照して説明する。図1は本発明の燃焼装置である強制給排気式のガス温風暖房機の全体構成図、図2は図1に示したガス温風暖房機の制御ブロック図、図3は図1に示したガス温風暖房機における閉塞検知で使用される閉塞判定値のデータテーブル、図4は差圧センサから出力される差圧検出信号の入力処理のフローチャート、図5は図4に示したフローチャートを実行したときの差圧センサの出力の推移を示した説明図である。
【0021】
図1を参照して、本実施の形態のガス温風暖房機は、室内に設置されるハウジング1内に、送風路2と、該送風路2を介して室内空気を対流させる対流ファン3と、送風路2を流れる空気を加熱する加熱手段4とを備えている。
【0022】
加熱手段4は、バーナ5と、該バーナ5を収容した燃焼室6と、該燃焼室6に連なる熱交換器7とを有する。そして、燃焼室6には、バーナ5に燃焼用空気を供給するための給気通路8が接続されると共に、バーナ5の燃焼排ガスを排出するための排気通路9が熱交換器7を介して接続されている。
【0023】
また、給気通路8及び排気通路9は、ハウジング1から屋外まで延設され、給気通路8には燃焼ファン10(本発明のファンに相当する)が設けられている。燃焼ファン10は、給気通路8内に設けられた回転羽根11と、該回転羽根11を回転駆動する燃焼ファンモータ12と、該燃焼ファンモータ12の回転数を検出する回転数センサ13とにより構成されている。そして、燃焼ファン10が作動することで、給気通路8と排気通路9に空気流が生じ、給気通路8からバーナ5への燃焼用空気の供給と、燃焼室6から排気通路9への燃焼排ガスの排出が行われる。
【0024】
燃焼室6内のバーナ5は、ハウジング1の外部から配管されたガス供給管14と接続され、該ガス供給管14から供給される燃料ガスを給気通路8から供給される燃焼用空気と混合して燃焼させる。また、燃焼室6内には、バーナ5の点火を行うための点火電極15と、バーナ5の点火の検出や失火の有無を検知するためのフレームロッド16とが設けられている。
【0025】
また、給気通路8内には、給気通路8を流れる空気の流量の変化から、給気通路8又は排気通路9の閉塞の有無を検知するため、給気通路8中を流れる空気の流量を絞るオリフィス17と、該オリフィス17の上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を検出する差圧センサ18とが設けられている。尚、ガス供給管14には、第1電磁弁20,第2電磁弁21,及びガス比例弁22が設けられている。
【0026】
送風路2は、ハウジング1の背面及び前面にそれぞれ吸気口23と吹出口24を有し、吸気口23と吹出口24の間に熱交換器7を介して形成されている。そして、吸気口23にはエアフィルタ25が装着され、吹出口24には温風の吹出方向を調節するためのルーバ26が組付けられている。
【0027】
対流ファン3は、吸気口23に臨んで送風路2内に設けられた回転羽根27と、該回転羽根27を回転駆動する対流ファンモータ28とにより構成されている。対流ファン3は、回転羽根27の回転により、室内空気を吸気口23から送風路2内に取込み、取込んだ空気を熱交換器7を介して吹出口24から室内に送風する。
【0028】
尚、送風路2内の吸気口23に臨む箇所には、該送風路2に対流ファン3により吸気される室内空気の温度を室温として検出する室温センサ29が設けられている。
【0029】
図1及び図2を参照して、本実施の形態のガス温風暖房機は、さらに、その暖房運転の制御を行うためのコントローラ30と、使用者により操作される暖房運転の開始/停止を指示する運転スイッチ31と室温設定スイッチ32、及び給気通路8又は排気通路9が閉塞状態にあることを報知する警報ランプ33を有するリモコン34とを備えている。
【0030】
図2に示したように、コントローラ30は、マイクロコンピュータ40(以下、マイコン40という)と、第1電磁弁20と第2電磁弁21,ガス比例弁22,燃焼ファンモータ12,警報ランプ33,及び対流ファンモータ28をそれぞれ駆動する駆動回路41〜46と、差圧センサ18に作動用電力を供給する電力供給回路47とを備えている。
【0031】
マイコン40には、運転スイッチ31からの暖房運転の開始/停止の指示信号、室温設定スイッチ32からの目標室温の指示信号、フレームロッド16からのバーナ5の失火の有無等を示す信号、室温センサ29からの検出室温を示す信号、回転数センサ13からの燃焼ファンモータ12の回転数を示す信号、差圧センサ18からのオリフィス17の上流側の空気圧と下流側の空気圧との検出差圧を示す信号が入力される。
【0032】
そして、マイコン40は、これらの信号に基づいて、燃焼制御手段50,閉塞判定値設定手段51,閉塞検知手段52,燃焼禁止手段53,前記駆動回路41〜46,及び電力供給回路47によりガス温風暖房機の暖房運転を実行する。
【0033】
燃焼制御手段50は、点火駆動回路41,電磁弁駆動回路42,比例弁駆動回路43,及び燃焼ファン駆動回路44を介してバーナ5の点火/消火と燃焼量の制御を行う。燃焼制御手段50は、バーナ5の燃焼量を7段階(1速〜7速)で制御する。そして、燃焼制御手段50は、前記1速から7速の燃焼量の設定に応じて、燃焼ファン駆動回路44を介して燃焼ファン10の回転数を7段階で制御し、また、比例弁駆動回路43を介してガス比例弁22の開度を7段階で制御する。また、閉塞判定値設定手段51と閉塞検知手段52は、給気通路8又は排気通路9の閉塞の有無を検知するためのものである。
【0034】
ここで、給気通路8にオリフィス17を設けた場合、差圧センサ18により検出されるオリフィス17の上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧ΔPは、給気通路8に流れる空気の流量(≒排気通路9に流れる空気の流量)の変動に応じて変化する。そのため、差圧センサ18により検出される差圧ΔPから、給気通路8及び排気通路9に流れる空気の流量を把握することができる。この場合、差圧ΔPが本発明の空気の流量の把握値に相当し、オリフィス17,差圧センサ18,マイコン40及び電力供給回路47により本発明の空気流量把握手段が構成される。
【0035】
また、閉塞判定値設定手段51は、給気通路8又は排気通路9の閉塞の有無を判断するための基準値である閉塞判定値Jを、燃焼ファン10の回転数に応じて、図3に示したデータテーブルに従って7段階に設定する。尚、図3に示したデータテーブルは、予め実験等により決定したものである。
【0036】
そして、閉塞検知手段52は、差圧センサ18により検出された差圧ΔPが、閉塞判定値設定手段51により設定された閉塞判定値J以下となったときに、給気通路8又は排気通路9が閉塞状態にあると判断し、燃焼禁止手段53は、閉塞検知手段52により給気通路8又は排気通路9が閉塞状態にあると検知されたときにバーナ5の燃焼作動を禁止する。
【0037】
このように、給気通路8又は排気通路9が閉塞状態にあると検知されたときにバーナ5の燃焼作動を禁止することで、燃焼室6に供給される空気の流量が減少してバーナ5の燃焼用空気が不足した状態でバーナ5が燃焼し、バーナ5が不完全燃焼状態となることを防止している。
【0038】
次に、本実施の形態のガス温風暖房機の作動について説明する。ガス温風暖房機への電源供給が開始されると、マイコン40が作動を開始し、運転スイッチ31のON操作待ちとなる。そして、使用者により運転スイッチ31がON操作されると、マイコン40は暖房運転の実行を開始する。マイコン40は先ず、予め給気通路8と燃焼室6内に燃焼用空気を満たすために燃焼ファンを一定回転数で一定時間作動させるプリパージを行った後、バーナ5の点火処理を行う。
【0039】
図1を参照して、マイコン40に備えられた燃焼制御手段50は、燃焼ファン10を回転作動させ、点火駆動回路41を介して点火電極15に火花放電を生じさせた状態で、電磁弁駆動回路42を介して第1電磁弁20と第2電磁弁21を開弁してバーナ5への燃料ガスの供給を開始することで、バーナ5の点火処理を行う。尚、この点火処理において、マイコン40は、フレームロッド16から入力した信号により、バーナ5が着火したか否かを監視し、バーナ5の着火が検知されない場合は、以後の暖房運転の実行を中止する。
【0040】
バーナ5の着火を検知したときは、マイコン40は温調制御を開始する。温調制御においては、図2を参照して、マイコン40は、先ず対流ファン駆動回路46を介して対流ファンモータ28を駆動し、対流ファン3の回転作動を開始する。これにより、図1を参照して、室内空気が吸気口23から送風路2に吸気され、この吸気された空気が熱交換器7で加熱されて、吹出口24から温風として吹き出される。
【0041】
このようにバーナ5の燃焼と対流ファン3の作動を開始した後、マイコン40は、室温設定スイッチ32により使用者が設定した目標室温と、室温センサ29による検出室温とが一致するように、燃焼制御手段50によりバーナ5の燃焼量を上述した7段階(1速〜7速)に切換えると共に、対流ファン駆動回路46を介して対流ファン3の回転数を制御して吹出口24からの温風の送風量を制御して温調制御を実行しながら暖房運転を続行する。
【0042】
次に、差圧センサ18は、圧電変換素子としてピエゾ抵抗効果を有する半導体を備える。そして、差圧センサ18は、2個の入力ポートから入力される空気圧(オリフィス17の上流側の空気圧と下流側の空気圧)の差圧に応じてその抵抗が変化する該半導体を用いて発振回路を構成することで、該差圧に応じて周波数が変化する電気信号(差圧検出信号)を出力する。
【0043】
しかし、このように圧電変換素子として半導体を用いた差圧センサ18は、連続通電に対する耐久性に問題がある。即ち、差圧センサ18に連続的に作動用電力を供給して使用すると、前記半導体の動作特性の変化等が生じて、差圧の検出精度が低下するおそれがある。そこで、マイコン40は、電力供給回路47を介して、差圧センサ18に断続的に作動用電力を供給する(マイコン4と電力供給回路47により本発明の電力供給手段が構成される)。そして、閉塞検知手段52は、差圧センサ18への作動用電力の供給と同期して、差圧センサ18から出力される差圧検出信号を入力する。
【0044】
以下、図4,図5を参照して、マイコン40による電力供給回路47から差圧センサ18への断続的な作動用電力の供給処理と、閉塞検知手段52による差圧センサ18からの差圧検出信号の入力処理について説明する。
【0045】
図4を参照して、マイコン40は、ガス温風暖房機本体への電源供給が開始されると、作動を開始してSTEP1からSTEP2に進み、使用者による運転スイッチ31のON操作待ちとなる。そして、運転スイッチ31がON操作されるとSTEP3に進み、マイコン40は電力供給回路47を介して、差圧センサ18への作動用電力の供給を開始する。
【0046】
続くSTEP4で、マイコン40は10msecタイマをスタートし、STEP5で該10msecタイマがタイムアップするのを待って、STEP6で100msecタイマをスタートする。そして、次のSTEP7で、マイコン40は、STEP8で100msecタイマがタイムアップするまでの間、差圧センサ18から出力される差圧検出信号を入力する。
【0047】
ここで、図5を参照して、STEP3〜STEP8の処理による効果について説明する。図5は差圧センサ18の出力特性を示したものであり、横軸は経過時間(msec)、縦軸は差圧センサ18から出力される差圧検出信号の周波数(Hz)である。
【0048】
時刻t0 で電力供給回路47から差圧センサ18への作動用電力の供給が開始されると、差圧センサ18から出力される差圧検出信号の周波数が急速に増加するが、差圧センサ18の特性から、正常な差圧検出信号であるf1 が安定して出力されるようになるまでの間に、f1 よりも高い周波数f2 の差圧検出信号が出力される。尚、f2 の周波数は一定ではなく、周囲温度等の影響を受けて変動するため、f2 を補正して正常な差圧検出信号f1 を得ることは困難である。
【0049】
そのため、時刻t0 で電力供給回路47から差圧センサ18への作動用電力の供給が開始された直後に、マイコン40が差圧センサ18から出力される差圧検出信号を入力すると、正常ではない差圧検出信号に基づいてオリフィス17の上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧ΔPが認識され、給気通路8又は排気通路9に流れる空気の流量が誤って把握されてしまう。
【0050】
そして、図3に示したように、正常時 (閉塞が生じていない状態)の差圧ΔPと閉塞時の差圧ΔPとは、数10Pa程度の差しかない。そのため、上述したように、正常ではない差圧検出信号に基づいて差圧ΔPが認識されると、閉塞検知手段52により給気通路8又は排気通路9の閉塞の有無が誤って検知される可能性が高い。
【0051】
そこで、上述したSTEP4,STEP5におけるタイマの設定時間(10msec)は、差圧センサ18への作動用電力の供給を開始してから、差圧センサ18から正常な差圧検出信号が安定して出力されるようになるまでに要する時間(出力安定時間)よりも長い時間(本発明の所定時間に相当する)に設定される。
【0052】
これにより、図5を参照して、差圧センサ18への作動用電力の供給が開始された時刻t0 から10msecが経過した時刻t1 までの間は、マイコン40による差圧センサ18からの差圧検出信号の入力が禁止され、差圧センサ18から正常な差圧検出信号が安定して出力されるようになったと判断できる時刻t1 から、マイコン40による差圧センサ18からの差圧検出信号の入力が開始される。
【0053】
そのため、マイコン40は、差圧センサ18から正常な差圧検出信号を入力して差圧ΔPを認識することができ、閉塞検知手段52は、該差圧ΔPに基づいて給気通路8又は排気通路9の閉塞の有無を精度良く検知することができる。
【0054】
次に、マイコン40は、STEP8で100msecタイマがタイムアップするのを待ってSTEP9に進み、電力供給回路47を介して差圧センサ18への作動用電力の供給を停止する。そして、マイコン40は、続くSTEP9で890msecタイマをスタートし、STEP11で該890msecタイマがタイムアップするのを待ってSTEP3に戻り、STEP3以下の処理を再び実行する。
【0055】
これにより、図5を参照して、差圧センサ18に作動用電力を供給する電力供給期間(110msec,t0 〜t1 及びt3 〜t5 )と、差圧センサ18への作動用電力を遮断する電力遮断期間(890msec,t2 〜t3 )とが交互に切り変わり、電力供給回路47から差圧センサ18に断続的に作動用電力が供給される。そして、このように電力供給回路47から差圧センサ18に断続的に作動用電力を供給することで、上述した連続通電により生じる差圧センサ18の検出精度の低下を防止して、オリフィス17の上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を精度良く検出することができる。
【0056】
尚、本実施の形態では、差圧センサ18によりオリフィス17の上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を検出したが、他の実施の形態として、オリフィス17の上流側の空気圧を検出する第1圧力センサと、オリフィス17の下流側の空気圧を検出する第2圧力センサと、該第1圧力センサと該第2圧力センサの検出圧力の差圧を算出する差圧算出手段(マイコン40に含めてもよい)とを設け、該差圧算出手段により、オリフィスの上流側の空気圧と下流側の空気圧との差圧を算出するようにしてもよい。
【0057】
この場合にも、上述した差圧センサ18を用いた場合と同様に、第1圧力センサと第2圧力センサへの作動用電力の供給を断続的に行うようにすることで、連続通電による第1圧力センサと第2圧力センサの劣化を防止することができる。また、第1圧力センサと第2圧力センサへの作動用電力の供給を開始してから、第1圧力センサと第2圧力センサの圧力検出信号の出力が正常な状態となるまでに要する所定時間が経過するのを待って、差圧算出手段が第1圧力センサと第2圧力センサの圧力検出信号を入力することで、上述した差圧センサ18を用いた場合と同様に、差圧算出手段が第1圧力センサと第2圧力センサから正常でない圧力検出信号を入力することを防止して、給気通路と排気通路の閉塞の有無を精度よく検出することができる。
【0058】
また、本実施の形態では、オリフィス17と差圧センサ18を給気通路8に設けたが、これらを排気通路9に設けても良い。
【0059】
また、本実施の形態では、本発明の燃焼装置の例として強制給排気式のガス温風暖房機を示したが、本発明の燃焼装置はこれに限らず、強制給排気式の給湯器等の他の種類の燃焼装置であってもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、ガスを燃料とするバーナを備えた燃焼装置を示したが、灯油等の他の種類の燃料を使用するバーナを備えた燃焼装置に対しても本発明の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】強制給排気式のガス温風暖房機の全体構成図。
【図2】図1に示したガス温風暖房機の制御ブロック図。
【図3】閉塞検知で使用される閉塞判定値のデータテーブル。
【図4】差圧検出信号の入力処理のフローチャート。
【図5】差圧センサの出力の推移を示した説明図。
【符号の説明】
1…ハウジング、2…送風路、3…対流ファン、4…加熱手段、5…バーナ、6…燃焼室、7…熱交換器、8…給気通路、9…排気通路、10…燃焼ファン、11…回転羽根、12…燃焼ファンモータ、13…回転数センサ、14…ガス供給管、15…点火電極、16…フレームロッド、17…オリフィス、18…差圧センサ、20…第1電磁弁、21…第2電磁弁、22…ガス比例弁、23…吸気口、24…吹出口、25…エアフィルタ、26…ルーバ、27…回転羽根、28…対流ファンモータ、29…室温センサ、30…コントローラ、31…運転スイッチ、32…室温設定スイッチ、33…警報ランプ、34…リモコン、40…マイクロコンピュータ(マイコン)、50…燃焼制御手段、51…閉塞判定値設定手段、52…閉塞検知手段、53…燃焼禁止手段
Claims (2)
- バーナと、該バーナに燃焼用空気を供給する給気通路と、該バーナの燃焼排気を排出する排気通路と、該給気通路と該排気通路に空気流を生じさせるファンと、該給気通路又は該給気通路に流れる空気の流量を把握する空気流量把握手段と、前記空気流量把握手段による空気の流量の把握値が所定の閉塞判定値以下となったときに前記給気通路又は前記排気通路が閉塞状態にあると判断する閉塞検知手段と、該閉塞検知手段により前記給気通路又は前記排気通路が閉塞状態にあると判断されたときに前記バーナの燃焼作動を禁止する燃焼禁止手段を備えた燃焼装置において、
前記空気流量把握手段は、前記給気通路又は前記排気通路に設けたオリフィスと、該オリフィスの上流側の空気圧と該オリフィスの下流側の空気圧との差圧を検出する差圧センサと、
該差圧センサに作動用電力を供給する電力供給期間と、該差圧センサへの作動用電力を遮断する電力遮断期間とを交互に切換えて、該差圧センサに断続的に作動用電力を供給する電力供給手段とを有し、
前記電力供給期間において、前記電力供給期間の開始から所定時間が経過した後に前記差圧センサからの差圧検出信号を入力して前記差圧を認識し、該差圧により前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を把握することを特徴とする燃焼装置。 - バーナと、該バーナに燃焼用空気を供給する給気通路と、該バーナの燃焼排気を排出する排気通路と、該給気通路と該排気通路に空気流を生じさせるファンと、該給気通路又は該給気通路に流れる空気の流量を把握する空気流量把握手段と、前記空気流量把握手段による空気の流量の把握値が所定の閉塞判定値以下となったときに前記給気通路又は前記排気通路が閉塞状態にあると判断する閉塞検知手段と、該閉塞検知手段により前記給気通路又は前記排気通路が閉塞状態にあると判断されたときに前記バーナの燃焼作動を禁止する燃焼禁止手段を備えた燃焼装置において、
前記空気流量把握手段は、前記給気通路又は前記排気通路に設けたオリフィスと、該オリフィスの上流側の空気圧を検出する第1圧力センサと、該オリフィスの下流側の空気圧を検出する第2圧力センサと、
該第1圧力センサと該第2圧力センサに作動用電力を供給する電力供給期間と、該第1圧力センサと該第2圧力センサへの作動用電力を遮断する電力遮断期間とを交互に切換えて、該第1圧力センサと該第2圧力センサに断続的に作動用電力を供給する電力供給手段と、
前記電力供給期間において、前記電力供給期間の開始から所定時間が経過した後に、前記第1圧力センサと前記第2圧力センサからの圧力検出信号を入力して、前記オリフィスの上流側と下流側の空気圧の差圧を算出する差圧算出手段とを有し、該差圧により前記給気通路又は前記排気通路に流れる空気の流量を把握することを特徴とする燃焼装置。
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