JP2012249548A - 脱穀装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】揺動選別棚(20)上に設けた層厚検出手段(95)で検出される被処理物の層厚が増大するほど、唐箕(16)からの選別風の送風方向を揺動選別棚(20)の後寄りに変更するとともに、前記排塵口(56)を開放し、層厚検出手段(95)が検出する被処理物層厚が減少するほど、唐箕の選別風の送風方向を揺動選別棚(20)の前寄りに変更するとともに、前記排塵口(56)を閉鎖する構成とする。
【選択図】 図6
Description
そして、揺動選別棚後方の脱穀装置後壁には、揺動選別棚から下方に漏下しない來雑物や、唐箕の選別風により吹き上げられた藁屑を脱穀装置の外部へ排出する三番排塵口が形成されている。
特許文献1では、三番排塵口に開閉可能な板体を設け、この板体を揺動選別棚上の被処理物量(層厚)に応じて開閉することで選別効率を向上させ、穀粒の機外飛散を防止する技術が提案されている。
即ち、請求項1記載の発明は、扱室(11)の下方に、前後に往復揺動して被処理物を選別する揺動選別棚(20)を設け、該揺動選別棚(20)の下方には、唐箕(16)と一番回収部(19A)と二番回収部(19B)とを揺動選別棚(20)の被処理物移送方向にこの順で設け、脱穀装置の後壁(55)における揺動選別棚(20)の後方上部の部位に、排塵口(56)を形成し、該排塵口(56)を閉鎖及び開放自在な開閉板(57)を設けた脱穀装置において、前記揺動選別棚(20)上に、該揺動選別棚(20)により移送される被処理物の層厚を検出する層厚検出手段(95)を設け、前記唐箕(16)の送風口(65)には唐箕(16)からの選別風の送風方向を揺動選別棚(20)の前側から後側に亘って変更する風向板(66)を設け、前記層厚検出手段(95)で検出される被処理物の層厚が増大するほど、唐箕(16)からの選別風の送風方向を揺動選別棚(20)の後寄りに変更するとともに、前記排塵口(56)を開放し、層厚検出手段(95)が検出する被処理物層厚が減少するほど、唐箕の選別風の送風方向を揺動選別棚(20)の前寄りに変更するとともに、前記排塵口(56)を閉鎖する構成としたことを特徴とする脱穀装置である。
請求項2記載の発明は、前記風向板(57)を送風口(65)の天面板(67)と底面板(68)との間に配置し、前記風向板(66)を、該風向板(66)における唐箕(16)からの選別風送風方向の中間部位に設けた第一横軸(66x)で軸支し、前記天面板(67)は、該天面板(67)における唐箕(16)からの選別風送風方向上手側の端部に設けた第二横軸(67x)で軸支し、該天面板(57)と風向板(56)を、天面板(57)及び風向板(56)における唐箕(16)からの選別風送風方向下手側端部が送風方向上手側端部よりも高くなる角度範囲内で回動させる駆動手段(100)を設けたことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置である。
請求項3記載の発明は、前記揺動選別棚(20)の後部上方で、前記排塵口(56)よりも上側となる部位に吸引排塵ファン(47)の吸塵口(47i)を開口させ、前記風向板(66)及び天面板(67)を、唐箕(16)からの選別風送風方向下手側の端部が最も高くなる最大傾斜姿勢とした状態において、該風向板(66)と天面板(67)との間に形成される上側風路(74)からの選別風が吸塵口(47i)に向かい、前記風向板(66)及び天面板(67)における唐箕(16)からの選別風送風方向下手側の端部が最も低くなる状態において、前記上側風路(74)からの選別風が前記排塵口(56)に向かう構成としたことを特徴とする請求項2記載の脱穀装置である。
請求項4記載の発明は、前記吸塵口(47i)を、脱穀装置の左右一側の側壁(11R)に開口させ、揺動選別棚(20)を挟んで前記吸塵口(47i)の反対側には、扱室(11)内の被処理物を引継いで前記後壁(55)側に移送する排塵処理室(30)を形成し、前記揺動選別棚(20)における吸塵口(47i)の下方の部位に、後上がり傾斜姿勢のシーブ部材(25b)を前後に複数配置した選別シーブ(25)を設けたことを特徴とする請求項1又は2又は3記載の脱穀装置である。
請求項5記載の発明は、前記層厚検出手段(95)により検出される被処理物層厚が増大するほどシーブ部材(25b)の傾斜角度を減少させる構成としたことを特徴とする請求項4記載の脱穀装置である。
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、層厚検出手段(95)によって検出される被処理物の層厚が増大した場合、天面板(67)と風向板(66)の間に形成される上側風路からの選別風が、揺動選別棚(20)の後寄りに送風されるとともに、風向板(66)における唐箕(16)の送風方向上手側の端部と底面板(68)との間隔が広がり、風向板(66)と底面板(68)の間に形成される下側風路からの選別風量が増加することで、揺動選別棚(20)の後方に多量の選別風を送風して、藁屑を排塵口(56)から効率的に排出することができ、被処理物による揺動選別棚(20)の詰まりを防止することができる。
また、層厚検出手段(95)によって検出される被処理物の層厚が低下した場合、前記上側風路からの選別風が、揺動選別棚(20)の前寄りに変更されるとともに、下側風路からの選別風量が減少し、機外飛散による穀粒の収量ロスを低減することができる。
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明による効果に加えて、揺動選別棚(20)上の被処理物層厚が増大し、排塵口(56)を開放した状態において、唐箕(16)からの選別風が排塵口(56)に向けて送風されることで揺動選別棚(20)上の藁屑を更に効率的に機外へ排出することができる。また、揺動選別棚(20)上の被処理物層厚が減少し、排塵口(56)を閉鎖した状態においても、唐箕(16)からの選別風により吹き上げられた藁屑を吸引排塵ファン(47)により効率的に吸引することができるので、排塵口(56)を閉鎖した状態でも選別精度を高く保つことができる。
請求項4記載の発明によれば、上記請求項1又は2又は3記載の発明による効果に加えて、排塵処理室(30)から下方に落下した藁屑を多く含む被処理物が、選別シーブ(25)上を吸引排塵ファン(47)の吸引作用によって横方向に移動しながら選別されたのち、藁屑が吸引されるため、排塵口(56)を閉鎖した状態でも選別精度が低下せず、二番回収部(19B)への藁屑の混入を抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明による効果に加えて、揺動選別棚(20)上の被処理物量が多い場合は、各シーブ部材(25b)間の間隔を狭めて、多量の被処理物が二番回収部(19B)へ落下して、脱穀装置の駆動負荷が増大することを防止し、揺動選別棚(20)上の被処理物量が少ない場合には、各シーブ部材(25b)間の間隔を広げて二番回収部(19B)での回収を促進して、穀粒の収量ロスを低減することができる。
なお、刈取装置4は、後部支持フレーム4aの基端部を機体フレーム1に回動自在に支持し、この後部支持フレーム4aの中間部位と機体フレーム1側との間に設けた刈取昇降シリンダ4bの伸縮により、圃場面に対する高さを変更可能に構成している。
脱穀装置3は穀稈の脱穀を行う扱室11を上部に備えている。この扱室11内には扱歯10bを有する扱胴10が前後方向に沿う軸心を中心として正面視において時計方向に回転するように軸支されており、この扱胴10の主として下方側を扱胴10外周に沿って包囲するように扱網15が張設されている。扱室11に供給された穀稈は正面視において時計方向に回転する扱胴10と扱網15との間で脱穀され、脱穀された穀粒は扱網15から漏下して選別室18に供給され、揺動選別装置21により選別される。
扱室11の一方側(機体走行方向の左側)に設けられる脱穀部搬送装置12は、下側に位置するフィードチェン13Bと、上側に位置し、且つスプリング等の付勢手段13cにより上部カバー11Uに対してフィードチェン13B側に付勢される挟持杆13Aとから構成されている。フィードチェン13Bは、無端のチェーンであり、上方側を後方に向かって移動する過程で挟持杆13Aとの間に穀稈の株元側が挟持されるようになっている。
扱室11の扱網15の下方には、扱網15から漏下する脱穀処理物を穀粒とそれ以外の物とに選別するための選別室18が形成されており、選別室18の上部には前後方向に往復揺動する揺動選別棚20により構成された揺動選別装置21が設けられ、選別室18の下部には、唐箕16と、一番受樋(一番回収部)19A、二番受樋(二番回収部)19Bとが、揺動選別棚20の移送方向に(前から後ろに向かって)この順で設けられている。
第三シーブ25は、第二シーブ24と同様に左右方向に長いシーブ部材25bが揺動選別棚20の下流側ほど高くなる傾斜姿勢で被処理物の移送方向に複数設けられたもので、傾斜角度を変更自在に構成されている。
詳細には、各シーブ部材25bに左右方向の上部支軸25cと下部支軸25dが夫々設けられ、上部支軸25cの左右端部を揺動選別棚20の側板に支持している。下部支軸25dは、連結板24rに挿通するとともに、揺動選別棚20の側板に形成された円弧溝20a内に挿入されている。そして、何れかのシーブ部材25b(図示例では最も移送上手側のシーブ部材)と一体的に設けた操作アーム25mを、このシーブ部材25bの上部支軸25cを中心に回動させることで、全てのシーブ部材25bの傾斜角度が変更される。操作アーム25mには、シーブ回動ワイヤ25uが取り付けられ、このシーブ回動ワイヤ25uの引き方向と反対側に操作アーム25mを付勢する引張りスプリング25vもまた取り付けられている。
シーブ回動ワイヤ25uが緩められると、引張りスプリング25vの作用によって、各シーブ部材25bの前後間隔が広がることとなる。
扱室11の後端部は連通口35を介して排塵処理室30に連通されている。排塵処理室30内には、扱胴10の軸心と略平行な排塵処理胴31が軸装されており、正面視において時計方向に回転している。排塵処理室30の周壁のうち揺動選別棚20側(正面に向かって左側)の下部は、後端部に処理物排出口33が形成されるとともに、この排出口33と連通口35との間の部分が受網により形成されている。排塵処理胴31の外周面のうち、処理物の移送方向の初端部(前端部)にはスクリュー羽根体37が設けられ、処理物の移送方向の終端部(後端部)には径方向に沿って外方に突出する羽根体34が設けられ、これらの間には排塵処理歯36が設けられている。
排塵処理室30の前側には、二番物を処理して還元するための二番処理室40が設けられている。二番処理室40内には、外周面に間欠螺旋羽根を有する二番処理胴41が排塵処理胴31と同心で直列的に軸装されており正面視において時計方向に回転している。二番処理室40における二番処理胴41の下方は、その終端部を除いて樋状の受板42により包囲されており、その側部上方は開口しており、その開口部は扱網15の側部下方に位置し、扱網15の側部から漏れ出る漏出物は二番物として二番処理室40に供給されるようになっている。また、二番処理室40における二番処理胴41の終端部(前端部)の下方は、二番処理物還元口43として、揺動選別棚20の上流側における二番処理室40側の側部の上方に開口されている。また、二番処理胴41の始端側(後端側)上方には二番コンベア27から供給される二番物の供給口44が開口している。
揺動選別棚20の終端部(後端部)の上方には吸引排塵ファン47の吸塵口47iが開口している。吸引排塵ファン47は脱穀装置の側壁に取り付けており、排風口46を有するケーシング45により覆われている。図示例では、揺動選別棚20の上方空間の両側壁のうち排塵処理室30と反対側の側壁に、排塵処理室30と対峙するように吸引排塵ファン47が取り付けられ、その取り付け部位に吸塵口47iが開口しているが、これらの取り付け位置は図示例に限定されるものではない。
脱穀装置3の後側では、扱室を通り脱穀を終えた穀稈、つまり排藁は排藁搬送装置14に引き継がれ、排藁搬送装置14の終端部から排藁処理装置としてのカッター装置48に排出される。カッター装置48は、上方から落下供給される排藁を一対のロータリーカッター刃49間に通して切断する構造のものである。ロータリーカッター刃49の外部側はフードにより覆われており、またロータリーカッター刃49の前側には、切断した排藁の切断藁屑を後方に落下するように案内するための切藁案内板50が設けられている。切藁案内板50は、上部が上側カッター刃49の下部とほぼ同じ高さに位置しており、下方に至るに従い後側に位置するように後下がりに傾斜し、切藁案内板50の下部は下側カッター刃49の下部より下方に位置している。カッター装置48に代えて他の排藁処理装置を用いることも可能である。
脱穀装置3の後側壁55には三番排塵口56が開口されており、揺動選別棚20の後部がこの三番排塵口56に臨むように構成されている。また、三番排塵口56を開閉する三番排塵口シャッタ57が設けられており、例えば圃場の一辺を刈り終えて次辺へ向けて旋回する際に、この三番排塵口シャッタ57を閉じれば、排塵処理室30の処理物排出口33から排出される排塵処理物に含まれる穀粒を、三番排塵口56から排出させずに、揺動選別棚20の第二シーブ24又は第三シーブ25に供給し、篩い選別により回収することができる。よって、三番ロスの発生を防止して脱穀効率を向上できるようになる。また、排塵処理室30と吸引排塵ファン47の吸塵口47iとは、揺動選別棚20を挟んで対峙するように配置されており、三番排塵口シャッタ57を閉めると、排塵処理室30から排出される排塵処理物が、吸引排塵ファン47の吸塵口47i側に向かって広範に拡散するため、カギ又などの回収効率が一層向上する。
前記三番排塵口シャッタ57は、脱穀装置3の後側壁(後壁)55に基端部を支持軸57xで回動自在に支持され、基端側のシャッタ板57aと先端側のゴム材等の可撓性部材からなるシール板57bとから成る。そして前記支持軸57xの右側(機体中央側)には、開閉アーム109が一体的に設けられており、シャッタ開閉ワイヤ108cが、第一スプリング108dを介して接続されている。開閉アーム109には、第二スプリング110の一端も取り付けられており、この第二スプリング110の他端は脱穀装置の機枠に固定されている。
図5〜図7に示すように、本実施形態では、第一シーブ23上を左右に往復移動することにより清掃を行う清掃体80が設けられている。より詳細には、第一シーブ23は左右方向に所定の間隔を空けて配置された複数の第一清掃体80,80,80…を備えており、前後方向に沿うプレート部81と、第一シーブ23の各シーブ部材23bの上面に接触して付着物を除去するスクレーパ部82とを有するものである。
唐箕16の唐箕ケーシング16cの送風口65は、上方に位置する天面部(天面板)67と下方に位置する底面部(底面板)68との間に開口しており、これら天面部67と底面部68との上下中間に風割(風向板)66が設けられている。これにより、送風口65は、風割66と天面部67との間の上側風路74と、風割66と底面部68との間の下側風路75とに区画されている。
風割66及び天面部67の傾斜角は揺動選別棚20の棚上処理物の量を検出する処理物量検出センサ95の検出結果に基づき、棚上処理物の量(層厚)が増加したときに風割66及び天面部67の水平面に対する傾斜角を減少させ、棚上処理物の量が減少したときに風割66及び天面部67の水平面に対する傾斜角を増加させる制御装置(図示略)を設けるのも好ましい。これにより、処理物量に増減があっても、揺動選別棚20上の処理物量検出結果に応じて、風割66及び天面部67の傾斜角が適切に自動調整され、最適な穀粒損失と選別状態を得ることができる。
(連動制御機構)
図13に示すとおり、前記唐箕16の風向を変更する風割66及び天面部67と、三番排塵口シャッタ57と、第三シーブ25は、駆動機構100により、前記処理物量検出センサ95により検出される処理物層厚の変動に応じて連動するように構成している。
駆動機構100は、電動モータ101からの出力回転を減速ギアボックス101aを介してピニオンギア101bに出力し、このピニオンギア101bに扇形ギア102を噛合わせている。扇形ギア102には、ピン106bを突設しており、このピン106bには連動ワイヤ108の端部を取り付けている。なお、108aはケーブルアウタ、108bはケーブルアウタ108aの固定部材である。連動ワイヤ108は、途中で三番排塵口シャッタ57側のシャッタ開閉ワイヤ108cと第三シーブ25側とに分岐している。
扇形ギア102のピン106bとは回転軸102xを挟んで反対側の部位にはピン106aが突設され、このピン106aに主動アーム103aの一端が回動自在に取り付けられている。主動アーム103aの他端は副動アーム103bの一端にリンクピン104aで互いに回転自在に連結され、副動アーム103bの他端は前記風割66の回転軸66xに回転不能に固定されている。そして、回転軸66x回りに回動自在な風割66と天面部67とは、ピン105a,105bで連結杆105と接続し、一体的に回動する構成としている。
しかして、電動モータ101の駆動力によって、ピニオンギア101bが図13において時計回りに回転されると、扇形ギア102が半時計方向に回転し、主動アーム103aが、リンクピン104a側に押し出され、それに伴って、副動アーム103bと共に風割66が回動軸66xを中心として時計回りに回動する。そして、それに連動して天面部67も回動軸67xを中心に時計回りに回動することとなる。そして、扇形ギア102のピン106bの位置も変化するため、連動ワイヤ108が弛緩する。
すなわち、風割66及び天面部67の後上がり傾斜角度が大きくなるとともに、三番排塵口シャッタ57が三番排塵口56を閉鎖する側に回動し、第三シーブ25の間隔が広がる。当然ながら、電動モータ101を上記の説明とは反対方向に駆動した場合は、これらの動作も逆となる。
なお、扇形ギア102には、ピン106cもまた突設されており、このピン106cには、扇形ギア102の回転量を検出する回転量センサのセンサフォーク107aの溝部を係合させている。
次に前記処理物量検出センサ95の検出量に応じた選別制御について説明する。
それに対して、処理物量検出センサ95の検出量が小さくなった場合、風割66及び天面部67の後上がり傾斜角度を増大させ、三番排塵口シャッタ57を三番排塵口56が閉鎖される側に回動させ、第三シーブ25のシーブ部材25bの前後間隔を広げる。
そして、風割66及び天面部67の後上がり傾斜角度が最も緩傾斜となる最緩傾斜状態では、天面部67が仮想線L1方向を向き、風割66の上面69が仮想線L2方向を向く。従って上側風路74から送風される選別風は略全量が揺動選別棚20を通過して三番排塵口56に向けて送風されることとなり、揺動選別棚20上の藁屑を効率的に機外へ排出することができる。また、この状態において第三シーブ25はシーブ部材25bの間隔が最も狭くなり、選別風により吹き飛ばされた藁屑が二番受樋19B側に多量に落下することを防止することができる。なお、この状態において、三番排塵口シャッタ57の下端部が切藁案内板50よりも前側に位置するため、カッター装置48により切断された切藁の流れを阻害しない。
これに対して、揺動選別棚20上の被処理物量が少ない場合には、選別風の送風方向を揺動選別棚20の移送方向上手側に向けて立ち上げ、穀粒の機外飛散を抑制すると共に、下側風路75の開口度を減少させて一番受樋19Aで穀粒を確実に回収し、三番排塵口56を閉鎖していくとともに第三シーブ25のシーブ部材25bの前後間隔を広げることで、二番還元量(二番受樋19Bで回収され、二番処理室40で処理された後に揺動選別棚20の前側部位に放出されて再選別される被処理物の量)を増大させる。
揺動選別棚20上の被処理物の量が所定範囲よりも増大又は減少すると、著しく選別効率が低下するが、上記の制御によって、選別室18の選別状態は最適な状態に維持される。
次に、図5、図6及び図14に基づき、連動制御の第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態と重複する説明は省略する。
この実施形態は、風割66及び天面部67と、第三シーブ25とは上述の電動モータ(第一電動モータ)101により駆動し、三番排塵口シャッタ57は第二駆動モータ110によって駆動する構成としている点で第一実施形態と異なる。
そして、三番排塵口シャッタ57は、通常時においては、前記処理物量検出センサ95の処理物層厚に応じて、被処理物量が多い場合の可動範囲上限(最も三番排塵口56を開放する側の回動限界位置)から、被処理物量が少ない場合の可動範囲下限よりも三番排塵口56を開放する側の位置までにわたり回動調節される。そして、刈取装置4が非作業高さとなる所定以上の高さまで上昇したことを刈取昇降軸センサ111が検出した状態においては、前記可動範囲上限から可動範囲下限までの全域で回動調節される。
これによって、刈取作業時は、被処理物の層厚が減少しても、三番排塵口56が完全に閉鎖されることがなく、藁屑の排出を効率的に行え、圃場の一辺を刈取り、次辺の刈取作業に移行する場合などの穀粒の機外飛散を抑え、穀粒の収量ロスを防止することができる。
次に、図5、図6及び図15、図16に基づき、連動制御の第三実施形態について説明する。本実施形態は、三番排塵口シャッタ57を左三番排塵口シャッタ57Lと右三番排塵口シャッタ57Rとから構成し、夫々を第三電動モータ112と第四電動モータ113で駆動する点で第一実施形態と相違する。
そして、左三番排塵口シャッタ57Lと右三番排塵口シャッタ57Rとは、処理物量検出センサ95の処理物層厚に応じて、夫々可動範囲上限から可動範囲下限までの全域にわたって回動調節される。なお、左三番排塵口シャッタ57Lはワイヤ116で第三電動モータ112と連繋されている。
更に、操向操作センサ114によって機体の旋回操作が検出された場合には、前記処理物量検出センサ95の検出結果に関わらず、左三番排塵口シャッタ57Lと右三番排塵口シャッタ57Rのうち、旋回外側となる側のシャッタを可動範囲下限まで回動させ、三番排塵口56の一側側を閉鎖する。
また、機体傾斜センサ115によって所定量以上の機体の左右方向の傾斜が検出された場合に、左三番排塵口シャッタ57Lと右三番排塵口シャッタ57Rのうち、機体の低い側のシャッタを可動範囲下限まで回動させ、三番排塵口56の一側側を閉鎖する。
揺動選別棚20の被処理物に含まれる穀粒は、比重が大きいために、機体旋回時の遠心力や機体の傾斜によって揺動選別棚20の左右一側に偏るが、上記の制御によって、この穀粒の機外飛散を防止し、穀粒収量ロスを低減することができる。
11R 側壁
16 唐箕
19A 一番回収部
19B 二番回収部
20 揺動選別棚
25 選別シーブ
25b シーブ部材
30 排塵処理室
47 吸引排塵ファン
47i 吸塵口
55 後壁
56 排塵口
57 開閉板
65 送風口
66x 第一横軸
67x 第二横軸
67 天面板
68 底面板
74 上側風路
95 層厚検出手段
100 駆動手段
Claims (5)
- 扱室(11)の下方に、前後に往復揺動して被処理物を選別する揺動選別棚(20)を設け、該揺動選別棚(20)の下方には、唐箕(16)と一番回収部(19A)と二番回収部(19B)とを揺動選別棚(20)の被処理物移送方向にこの順で設け、
脱穀装置の後壁(55)における揺動選別棚(20)の後方上部の部位に、排塵口(56)を形成し、該排塵口(56)を閉鎖及び開放自在な開閉板(57)を設けた脱穀装置において、
前記揺動選別棚(20)上に、該揺動選別棚(20)により移送される被処理物の層厚を検出する層厚検出手段(95)を設け、前記唐箕(16)の送風口(65)には唐箕(16)からの選別風の送風方向を揺動選別棚(20)の前側から後側に亘って変更する風向板(66)を設け、
前記層厚検出手段(95)で検出される被処理物の層厚が増大するほど、唐箕(16)からの選別風の送風方向を揺動選別棚(20)の後寄りに変更するとともに、前記排塵口(56)を開放し、層厚検出手段(95)が検出する被処理物層厚が減少するほど、唐箕の選別風の送風方向を揺動選別棚(20)の前寄りに変更するとともに、前記排塵口(56)を閉鎖する構成としたことを特徴とする脱穀装置。 - 前記風向板(57)を送風口(65)の天面板(67)と底面板(68)との間に配置し、前記風向板(66)を、該風向板(66)における唐箕(16)からの選別風送風方向の中間部位に設けた第一横軸(66x)で軸支し、前記天面板(67)は、該天面板(67)における唐箕(16)からの選別風送風方向上手側の端部に設けた第二横軸(67x)で軸支し、該天面板(57)と風向板(56)を、天面板(57)及び風向板(56)における唐箕(16)からの選別風送風方向下手側端部が送風方向上手側端部よりも高くなる角度範囲内で回動させる駆動手段(100)を設けたことを特徴とする請求項1記載の脱穀装置。
- 前記揺動選別棚(20)の後部上方で、前記排塵口(56)よりも上側となる部位に吸引排塵ファン(47)の吸塵口(47i)を開口させ、
前記風向板(66)及び天面板(67)を、唐箕(16)からの選別風送風方向下手側の端部が最も高くなる最大傾斜姿勢とした状態において、該風向板(66)と天面板(67)との間に形成される上側風路(74)からの選別風が吸塵口(47i)に向かい、
前記風向板(66)及び天面板(67)における唐箕(16)からの選別風送風方向下手側の端部が最も低くなる状態において、前記上側風路(74)からの選別風が前記排塵口(56)に向かう構成としたことを特徴とする請求項2記載の脱穀装置。 - 前記吸塵口(47i)を、脱穀装置の左右一側の側壁(11R)に開口させ、
揺動選別棚(20)を挟んで前記吸塵口(47i)の反対側には、扱室(11)内の被処理物を引継いで前記後壁(55)側に移送する排塵処理室(30)を形成し、
前記揺動選別棚(20)における吸塵口(47i)の下方の部位に、後上がり傾斜姿勢のシーブ部材(25b)を前後に複数配置した選別シーブ(25)を設けたことを特徴とする請求項1又は2又は3記載の脱穀装置。 - 前記層厚検出手段(95)により検出される被処理物層厚が増大するほどシーブ部材(25b)の傾斜角度を減少させる構成としたことを特徴とする請求項4記載の脱穀装置。
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