JP2004194517A - コンバインなどの脱穀選別装置における選別部構造 - Google Patents

コンバインなどの脱穀選別装置における選別部構造 Download PDF

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Abstract

【課題】脱穀選別装置の選別性能を向上させることを目的とする。
【解決手段】略密閉空間となされた脱穀選別室a内の前下部に吹出しファン25を、そして該吹出ファン25よりも上方の後部に吸引ファン10を設け、これら吹出しファン25と吸引ファン10との間に揺動選別盤7を配設されたコンバインなどの脱穀選別装置において、前記吹出しファン25の回転翼25aの回転中心O2と、前記吸引ファン10の回転翼10cの回転中心O1を結んだものであるやや後上がり傾斜状の仮想直線28に対し、前記吹出しファン25の風送出口25bの方向、及び、前記揺動選別盤7の精選用グレンシーブ12の選別面のそれぞれを平行に配置するほか、前記精選用グレンシーブ12を、前記風送出口25bの上案内面26と下案内面27のそれぞれの仮想延長面26a、27a間の略中間位置に位置させた構成である。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインなどに搭載される脱穀選別装置における選別部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
箱状の略密閉空間内の前下部に吹出しファンを、そして該吹出ファンよりも少し上方の後部に吸引ファンを設け、これら吹出しファンと吸引ファンとの間に揺動選別盤を配設された構成の選別部を備えたコンバインなどの脱穀選別装置は存在している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−127151号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の選別部は、吹出しファンと吸引ファンとを設けた構造であるため効率的な選別が行えるものであるが、さらに選別能力を向上させることが要望されるのであり、本発明は斯かる要望に応じ得るものとしたコンバインなどの脱穀選別装置における選別部構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、請求項1に記載したように、扱室の下方から後方の排塵室内へ延出して前後方向に揺動し、扱室の受網からの漏下物と、扱室から後側へ脱穀後の排藁と共に排出され落下する穀粒などの選別対象物を受けて選別する揺動選別板を備え、該揺動選別板は、前方側からグレンパンとグレンシ−ブを架設し、このグレンシ−ブの上方にチャフシ−ブを配設し、前記チャフシ−ブの後側にストロ−ラックを設け、これらが一体となって揺動するように構成されており、前記揺動選別板の前部の下側に吹出しファンを、そして該吹出ファンよりも上方の後部に吸引ファンを設け、これら吹出しファンと吸引ファンとの間に前記揺動選別板を配設されたコンバインなどの脱穀選別装置において、前記吹出しファンの回転翼の回転中心と、前記吸引ファンの回転翼の回転中心を結んだ傾斜状の仮想直線に対し、前記吹出しファンの風送出口の方向、及び、前記揺動選別板の精選用グレンシーブの選別面のそれぞれを平行に配置するほか、前記精選用グレンシーブを、前記風送出口の上案内面と下案内面のそれぞれの仮想延長面間の略中間位置に位置させた構成のものである。
【0006】
この発明によれば、前記吹出しファンがその風送出口から前記仮想直線方向へ向けて選別風を送出するのであり、該選別風の大部分が精選用グレンシーブの選別面の上下近傍を通過し吸引ファンにより脱穀選別室の外方へ流出するものとなる。また精選用グレンシーブの選別面は前記仮想直線と略平行となされているため、前記選別風の流動を阻害することの生じ難いものになると共に前記選別風が精粒の漏下を妨げる傾向の生じ難いものとなって能率的且つ高精度な精選性能を実現させるものとなる。
【0007】
上記発明は次のように具体化する。
即ち、請求項2に記載したように、精選用グレンシーブの前部上方に粗選用グレンシーブを設け、該粗選用グレンシーブの選別面を前記風送出口の上案内面の仮想延長面に略合致させた構成となす。これによれば、前記粗選用グレンシーブが前記選別風の流動を妨げる傾向の少ないものとなって風選性能を向上させ、また該粗選用グレンシーブによる選別が前記精選用グレンシーブによる精選作用を向上させるものとなる。
【0008】
また請求項3に記載したように、前記揺動選別板の後部上面に形成されたストローラックの処理面の終端部(最上位置p)が前記仮想直線部よりも上側へ上昇しないようになされている構成となす。これによれば、前記ストローラックの処理面上の藁くずなどが前記選別風の強い流動中に位置するようになり、従って前記吸引ファンは前記ストローラックの処理面上の藁くずなどを効果的に吸引して機外へ排出するようになる。
【0009】
また請求項4に記載したように、前記風送出口の上案内面と下案内面との中間位置よりも低い位置に位置された風向部材を設け、該風向部材の上面は概ね前記仮想直線方向へ向けられ側面視円弧状となされた案内面となされ、該風向部材の下面は前記仮想直線方向よりも僅かに緩やかな傾斜角度の案内面となされている構成となす。これによれば、前記風送出口の上案内面と前記風向部材の上面との間から送出された選別風がその流動方向の一様性を大きく乱されることなく前記精選用グレンシーブの選別面の上下近傍を通過するようになり、また前記風送出口の下案内面と前記風向部材の下面との間から送出された選別風が前記仮想直線よりも緩やかな後上がり傾斜方向へ流動するようになって前記精選用グレンシーブの下方の一番樋内に落下しようとする塵埃を吸引ファンへ向けて流動させるものとなる。
【0010】
さらには請求項5に記載したように、前記揺動選別板が前記精選用グレンシーブの上方に形成されたチャフシーブを具備し且つ該チャフシーブの後側にストローラックを形成されたものとなされており、前記風送出口の下案内面と風向部材の下側の案内面との間から吹き出された選別風が前記グレンシーブの下側から比較的大きな後上がり傾斜角度で前記グレンシーブの後部周辺及び前記チャフシーブの後部周辺を通り抜けて前記チャフシーブ上に到達するように流動する構成となす。これによれば、前記風送出口の下案内面と前記風向部材の下面との間から送出された選別風が前記グレンシーブの後部周辺の塵埃や、前記チャフシーブの後部の藁くずなどを効果的に吹き上げ前記吸引ファンへ向けて流動させるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の脱穀選別装置を搭載したコンバインの全体側面図、図2は同じく本発明の脱穀選別装置を搭載したコンバインの平面図、図3は本発明の脱穀選別装置の側面断面図、図4は本発明の脱穀選別装置の選別部周辺の側面断面図、図5は本発明の脱穀選別装置の選別部周辺をさらに拡大した側面断面図である。
【0012】
図1及び図2において、コンバインの概要を説明する。コンバインはクローラ式走行装置1により走行する。該クローラ式走行装置1の上部の先端位置に刈取部2を配置している。該刈取部2により刈り取った穀稈は穀稈搬送装置3により、脱穀選別装置4のフィードチェーン5に受け継がれ、該フィードチェーン5に株元部を挟持された状態で、その穂先部をフィードチェーン5の内側の扱室a1の内方に配設された扱胴6の外周に当接されつつ通過される。
【0013】
ここに、穀稈搬送装置3は穀稈の株元を挟持搬送する株元搬送部3aと、穀稈の穂先側を搬送する上側搬送部3bとからなっている。また脱穀選別装置4は周囲を略密状に包囲された箱形のケーシングを備え、これの内部である脱穀選別室a内の前寄り上部に脱穀部4Aを、そして下部に選別部4Bを形成されている。フィードチェーン5は後上がり状の斜めに配置され、穀稈が徐々に持ち上げなから扱胴6と接触して脱粒されるべく構成されている。
【0014】
脱穀部4Aに達した穀稈は扱室a1内において扱胴6により脱粒されて単粒化されるのであり、該単粒化された穀粒や藁くずなどの選別対象物が受網a2を漏下して選別部4Bの一部である揺動選別板7に至るのである。扱胴6により脱穀された後の穀稈は排藁となり、該排藁はフィードチェーン5に搬送されて脱穀部4Aの後方の選別処理室a3の上部に排出され、ここで、排藁内に混じって該排藁と一緒に運び出された穀粒などの選別対象物が揺動選別板7上に落下する。この後、排藁は排藁搬送チェーン8により後方へ搬送され、排藁カッタ機構9に供給される。
選別部4Bの一部をなす吸引ファン10は、該排藁カッタ機構9の前部で揺動選別板7の真後ろに、揺動選別板7の幅と略同等程度の幅となされて配置されている。
【0015】
前記脱穀部4Aで脱粒され、図3に示す揺動選別板7の粗選用グレンシーブ11と精選用グレンシーブ12などで選別された精粒は、一番コンベア13aにより右側方に搬送され、図2に示す揚穀コンベア14により、グレンタンク15内に貯留される。該グレンタンク15内に貯留された穀粒が搬出される場合には、グレンタンク15下端の搬出コンベア16により後方へ搬出されて、垂直コンベア17により再度揚穀されて、横向き搭載コンベア18により、トラックや搬送装置の荷台に移送される。グレンタンク15の前部にエンジン19が配置されており、該エンジン19の上側に座席20が配置され、該座席20の前部に操作コラム21が配置されている。
【0016】
次に図3〜図5において、選別部4Bの全体構成を説明する。扱胴6の下方に、前後にわたり長い揺動選別板7が配置されている。該揺動選別板7は、前部のグレンパン22と、多数のフィン23aからなる中央部のチャフシーブ23と、波形鈎を有する複数の前後向き板部材24aからなるストロラック24などの組合せにより構成されている。チャフシーブ23の後寄り下方でストロラック24の前部下方に、前記した粗選用グレンシーブ11と精選用グレンシーブ12が配置されている。
【0017】
該揺動選別板7の底面で粗選用グレンシーブ11及び精選用グレンシーブ12の下側箇所b1やストローラック24の下側箇所b2は開口されており、チャフシーブ22や粗選用グレンシーブ11及び精選用グレンシーブ12から落下する精粒や粃(しいな)などが、唐箕式の吹出しファン25からの選別風により風選されて、一番コンベア13a箇所と二番コンベア13b箇所との二箇所に分別される。該吹出しファン25からの選別風により飛ばされた排藁付きの穀粒が、粗選用グレンシーブ11や精選用グレンシーブ12の上に載置されることもあり、またチャフシーブ23の後部位置で落下した藁くず付きの精粒や粃などが、粗選用グレンシーブ11や精選用グレンシーブ12の上に落下して選別されることもある。二番コンベア13b箇所に落下した藁くずや粃などは、2番還元装置により、脱穀部4Aの扱胴6箇所に送り返される。
【0018】
またストロラック24の上面である処理面の上にある藁くずや塵埃などを、脱穀選別装置4の機体外に排出すべく構成しているのであって、具体的には揺動選別板7などが配置された脱穀選別装置4の内部を、吸引ファン10による藁くずや塵埃などの吸引排出作用を向上させるように構成している。そして、前記吸引ファン10の吸引風量は、吹出しファン25から吐出される選別風量より多くなるように設定されている。
【0019】
実際には、フィードチェーン5と扱胴6の間の、穀稈の挿入部分が開口されており、完全な密閉構造とはならないが、その他の部分からの空気の吸引は不可能として、出来るだけ吸引ファン10の部分から選別風が吸引されて外部に排出されるように構成しているのである。
【0020】
そして、揺動選別板7の後部に配置する吸引ファン10の幅を、揺動選別板7の幅と略等しいか、やや狭い幅に構成しているのである。またファンケーシング10aは、ブロワーファンにより構成した吸引ファン10の吸引空気を排出する排出口10bを、クローラ式走行装置1の後下方に向けて開口している。
揺動選別板7の幅と、吸引ファン10の幅を前述の如く、略等しいか、後者幅の方がやや狭い幅として、揺動選別板7の全幅にわたり、吸引ファン10の吸引作用の効果を及ぼすように構成している。
【0021】
前記吸引ファン10と、揺動選別板7のストロラック24の後端部との間隙はできるだけ小としており、また前記吸引ファン10の回転翼10cの回転中心O1は、上記ストロラック24の後端部の最上個所(処理面の終端部)pが揺動選別板7の揺動運動の上死点に対応する位置に変位したときの位置(図3中の位置)よりも特定長さ(例えば数cm)eだけ高い位置となされており、且つ、ストロラック24の後端部の最上個所pが揺動選別板7の揺動運動の下死点に対応する位置に位置したときに該ストロラック24の後端部の最上個所pが前記回転中心O1よりもH/2だけ低い位置の近傍に位置するような相対配置となされている。ここに、Hは回転翼10cの半径であって、前記長さeよりも充分に大きく設定してある。
【0022】
チャフシーブ23の後寄り部とストロラック24の前端との間箇所の下方に前記粗選用グレンシーブ11及び精選用グレンンーブ12が配設されている。そして粗選用グレンシーブ11はグレンパン22の後端に連続して形成されると共に、比較的大きな網目を有する平面状のふるい網で選別面を形成されるほか、前後方向の長さを比較的短くなされている。精選用グレンンーブ12は粗選用グレンシーブ11よりも下方に離間して配置されており、比較的小さな網目を有する平面状のふるい網で選別面を形成され、前後方向の長さを比較的長くなされている。
【0023】
前記吹出しファン25は図3中で反時計回り方向へ回転駆動される回転翼25aを備えており、該回転翼25aの回転中心O2は吸引ファン10の回転翼10cの回転中心O1よりも低い位置となされている。該吹出しファン25は図4に示すように回転翼25aの後側に揺動選別板7の左右巾に略合致するかそれよりも大きな左右巾となされた風送出口25bを形成されている。該風送出口25bは上案内面26と下案内面27と左右の側面で形成されており、その全体的な向きを回転中心O1と回転中心O2とを結んで形成されるやや後上がり傾斜状の仮想直線28に対して正確な平行に或いは概略平行になされており、具体的には上案内面26と下案内面27のそれぞれは左右方向が水平で前後方向が前記仮想直線28に平行となるように位置決めされている。
【0024】
該風送出口25bの上案内面26と下案内面27との中間位置よりも低い位置には風向部材29が設けてあり、図5に示すように、該風向部材29の上面は概ね前記仮想直線28方向へ向けられ側面視円弧状となされた案内面29aとなされ、また該風向部材29の下面は前記仮想直線28方向よりも僅かに緩やかな傾斜角度の案内面29bとなされている。
【0025】
次に該風送出口25bと、仮想直線28と、揺動選別盤7の各部との関係について図5を参照して説明する。精選用グレンシーブ12はその選別面を前記仮想直線28に略平行に配置されると共に風送出口25bの上案内面26と下案内面27のそれぞれの仮想延長面26a、27a間の略中間位置に位置されている。そして、粗選用グレンシーブ11はその選別面を風送出口25bの上案内面26の仮想延長面26aに略合致されるのであって、厳密には仮想延長面26aよりも僅かに緩やかな後上がり傾斜となされている。また揺動選別板7は後上がり傾斜方向f0に沿って揺動されるものであるが、該揺動選別板7のストローラック24の処理面最上個所pの移動軌跡kの最上位置p1が前記仮想直線28よりも上側へ上昇しないようになされている。
【0026】
選別部4Bの底面で風送出口25bの後側には一番コンベア13aを配置された一番樋30が形成され、また該一番樋30の後側には二番コンベア13bを配置された二番樋31が形成されている。一番樋30は粗選用グレンシーブ11及び精選用グレンシーブ12の下方に位置され、また二番樋31はストローラック24の下方に位置されている。一番樋30と二番樋31の間には前下がり状の流穀板部30aと後下がり状の流穀板部31aからなる隆起境界部33が形成されており、該境界部33と、揺動選別盤7のリターンパン部34との間の隙間はリターンパン部34に固定されたものであるところの、前下がり状のゴム板35aと後下がり状のゴム板35bとで密状に閉鎖されている。
【0027】
次に上記選別部4Bの詳細な作用を説明する。吹出しファン25の回転翼25aが回転すると、風送出口25bから選別風が後側へ向けて吹き出されるのであり、このとき、上案内面26、下案内面27及び風向部材29が該選別風を仮想直線28に沿わせるように案内する。風送出口25bから吹き出された選別風の大部分が上案内面26と、風向部材29の上側の案内面29aとの間を通過して精選用グレンシーブ12に到達するのであり、続いてその過半割合分が粗選用グレンシーブ11と精選用グレンシーブ12との相互間の領域を仮想直線28に沿って矢印方向f1へ通過し、この過程で該領域に位置する処理物に含まれる藁くずや塵埃を吸引ファン10へ向けて流動させるように作用し、また前記過半割合分を除いた分が精選用グレンシーブ12の下側を仮想直線28に沿って矢印方向f2へ通過し、この過程で、該精選用グレンシーブ12でふるい選別されて漏下する比較的小さい藁くずや塵埃を吸引ファン10へ向けて流動させるように作用する。
【0028】
この際、風向部材29の円弧状となされた上側の案内面29aは上案内面26と風向部材29の上側の案内面29aとの間を通過する選別風の流線f3の乱れを抑制する上で寄与する。また粗選用グレンシーブ11の選別面が仮想直線28の傾斜よりも僅かに緩やかとなされていることは、粗選用グレンシーブ11と精選用グレンシーブ12との間を仮想直線28に沿って矢印方向f1へ通過する選別風が粗選用グレンシーブ11の網目を上側へ通過する現象を、該選別風の流動を大きく乱すことなく生成させて、粗選用グレンシーブ11上に位置した藁くずや塵埃の選別風による選別除去を効果的となす。
【0029】
一方、風送出口25bから吹き出された選別風の小部分が、下案内面27と風向部材29の下側の案内面29bとの間を矢印方向f4へ通過して一番コンベア13a近傍の上側に到達し、続いて流穀板部30a及びリターンパン部34により流動方向を変化されて仮想直線28よりも大きな後上がり傾斜角度の矢印方向f5へ向かい、精選用グレンシーブ12の後部やチャフシーブ23の後部の空隙を通過するように流動し、さらにストローラック24の処理面上を該処理面に沿うように流動し吸引ファン10により機外へ吸引排出されるものとなる。
【0030】
これにより精選用グレンシーブ12の選別面上の後部に存在する藁くずや塵埃などのうち比較的重いものは、精選用グレンシーブ12の揺動送り作用のほか矢印方向f5へ流動する選別風による上向き力及び矢印方向f1の選別風による後方送り作用を受けて円滑に二番樋31内に落下するものとなり、比較的軽いものは矢印方向f5へ流動する選別風や矢印方向f1の選別風によりチャフシーブ23やストローラック24の空隙を通過して吸引ファン10まで移動され該ファン10により機外へ吸引排出される。またチャフシーブ23の上面の後部に存在する藁くずや切れ穂や塵埃などのうち比較的重いものは、チャフシーブ23の揺動送り作用のほか矢印方向f5へ流動する選別風の上向き力及び矢印方向f1の選別風による後方送り作用などを受けて円滑に二番樋内に落下するものとなり、比較的軽いものは矢印方向f1へ流動する選別風や矢印方向f5の選別風などによりチャフシーブ23を通過して吸引ファン10まで移動され該ファン10により機外へ吸引排出される。
【0031】
ストローラック24の上面には比較的大きな藁くずが存在するようになるが、該藁くずはストローラック24の揺動送り作用などにより漸次に後方へ送り移動され、吸引ファン10の吸引口近傍に到達し該ファン10により機外へ吸引排出されるのであり、該藁くずに含まれる穀粒などはストローラック24の隙間を通じて二番樋31内に落下し、また該藁くずに含まれる比較的軽い塵埃などは矢印方向f1、f5の選別風などにより吸引ファン10まで運ばれ、該ファン10により機外へ吸引排出される。
【0032】
このような処理において、ストローラック24の処理面最上個所pの移動軌跡kの最上位置p1が仮想直線28よりも上側へ上昇しないようになされていることは、ストローラック24上を揺動送りされている藁くずなどに矢印方向f1、f5の選別風などが効果的に当たることを可能となし、該藁くずなどの後方送りを能率的となす。
【0033】
動力伝達系統について図2を参照して説明すると、エンジンの19回転はトランスミッション36を経てクローラ式走行装置1に伝達され、一方では脱穀選別装置4及び刈取部2のほか搬出コンベア16などに伝達される。そして脱穀選別装置4では吹出しファン25、フィードチェン5、扱胴6、排藁搬送チェーン8、一番コンベア13a、二番コンベア13b及び吸引ファン10に伝達され、また刈取部2では穀稈搬送装置3、穀稈掻込み装置37、刈刃38及び穀稈引起こし装置39に伝達される。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、次のような効果を得ることができる。
請求項1に記載のものによれば、精選用グレンシーブ12に効果的に選別風を到達させることができると共に、精選用グレンシーブ12が選別風の流動を妨げることの生じ難いものとなすことができて、精選用グレンシーブ12による選別を能率的且つ高精度に行わせることができる。
【0035】
請求項2に記載のものによれば、粗選用グレンシーブ11が選別風の流動を妨げることの生じ難いものとなすことができて風選性能を向上させることができ、また粗選用グレンシーブ11による予めの粗選作用により精選用グレンシーブ12による精選能力を向上させることができる。
【0036】
請求項3に記載したものによれば、ストローラック24の処理面上の藁くずなどが選別風の強い流動中に位置するようになり、従ってストローラック24の処理面上の藁くずなどを吸引ファン10へ向けて強力に移動させ該ファン10により効果的に吸引させて機外へ排出させることができる。
【0037】
請求項4に記載したものによれば、吹出しファン25の風送出口25bの上案内面26と風向部材29の上側の案内面29aとの間から送出された選別風を、その流動方向の一様性を大きく乱すことなく、精選用グレンシーブ12の上下近傍を通過させることができ、また風送出口25bの下案内面27と風向部材29の下側の案内面29bとの間から送出された選別風を仮想直線28よりも緩やかな後上がり傾斜方向へ流動させて一番コンベア13a近傍の上側に導くことができるため、精選用グレンシーブ12の下方の一番樋30内に落下しようとする塵埃などを効果的に吸引ファン10へ向けて流動させることができる。
【0038】
請求項5に記載したものによれば、吹出しファン25の風送出口25aの下案内面27と風向部材29の下側の案内面29bとの間から送出された選別風が精選用グレンシーブ29の後部周辺の藁くずなどや、チャフシーブ34の後部の藁くずなどに効果的な上向き力を付与するものとなり、これら藁くずなどを吸引ファン10へ向けて円滑に流動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱穀選別装置を搭載したコンバインの全体側面図である。
【図2】同じく本発明の脱穀選別装置を搭載したコンバインの平面図である。
【図3】本発明の脱穀選別装置の側面断面図である。
【図4】本発明の脱穀選別装置の選別部周辺の側面断面図である。
【図5】本発明の脱穀選別装置の選別部周辺をさらに拡大した側面断面図である。
【符号の説明】
4 脱穀選別装置
4B 選別部
7 揺動選別盤
10 吸引ファン
10c 回転翼
11 粗選用グレンシーブ
12 精選用グレンシーブ
23 チャフシーブ
24 ストローラック
25 吹出しファン
25a 回転翼
25b 風送出口
26 上案内面
26a 仮想延長面
27 下案内面
27a 仮想延長面
28 仮想直線
29 風向部材
29a 案内面
29b 案内面
O1 回転中心
O2 回転中心
a 脱穀選別室
a1 扱室
a2 受網
k 移動軌跡
p 最上個所
p1 最上位置

Claims (5)

  1. 扱室の下方から後方の排塵室内へ延出して前後方向に揺動し、扱室の受網からの漏下物と、扱室から後側へ脱穀後の排藁と共に排出され落下する穀粒などの選別対象物を受けて選別する揺動選別板を備え、該揺動選別板は、前方側からグレンパンとグレンシ−ブを架設し、このグレンシ−ブの上方にチャフシ−ブを配設し、前記チャフシ−ブの後側にストロ−ラックを設け、これらが一体となって揺動するように構成されており、前記揺動選別板の前部の下側に吹出しファンを、そして該吹出ファンよりも上方の後部に吸引ファンを設け、これら吹出しファンと吸引ファンとの間に前記揺動選別板を配設されたコンバインなどの脱穀選別装置において、前記吹出しファンの回転翼の回転中心と、前記吸引ファンの回転翼の回転中心を結んだ傾斜状の仮想直線に対し、前記吹出しファンの風送出口の方向、及び、前記揺動選別板の精選用グレンシーブの選別面のそれぞれを平行に配置するほか、前記精選用グレンシーブを、前記風送出口の上案内面と下案内面のそれぞれの仮想延長面間の略中間位置に位置させたことを特徴とするコンバインなどの脱穀選別装置における選別部構造。
  2. 精選用グレンシーブの前部上方に粗選用グレンシーブを設け該粗選用グレンシーブの選別面を前記風送出口の上案内面の仮想延長面に略合致させたことを特徴とする請求項1記載のコンバインなどの脱穀選別装置における選別部構造。
  3. 前記揺動選別板の後部上面に形成されたストローラックの処理面の終端部が前記仮想直線部よりも上側へ上昇しないようになされていることを特徴とする請求項1又は2記載のコンバインなどの脱穀選別装置における選別部構造。
  4. 前記風送出口の上案内面と下案内面との中間位置よりも低い位置に位置された風向部材を設け、該風向部材の上面は概ね前記仮想直線方向へ向けられ側面視円弧状となされた案内面となされ、該風向部材の下面は前記仮想直線方向よりも僅かに緩やかな傾斜角度の案内面となされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のコンバインなどの脱穀選別装置における選別部構造。
  5. 前記揺動選別板が前記精選用グレンシーブの上方に形成されたチャフシーブを具備し且つ該チャフシーブの後側にストローラックを形成されたものとなされており、前記風送出口の下案内面と風向部材の下側の案内面との間から吹き出された選別風が前記グレンシーブの下側から比較的大きな後上がり傾斜角度で前記グレンシーブの後部周辺及び前記チャフシーブの後部周辺を通り抜けて前記チャフシーブ上に到達するように流動する構成を特徴とする請求項4記載のコンバインなどの脱穀選別装置における選別部構造。
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