JP2012248247A - ハードディスク製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】研磨材や研磨屑等の無機粒子に対する洗浄性が向上したガラスハードディスク基板の製造方法の提供。
【解決手段】以下の工程(1)〜(4)を含む、ガラスハードディスク基板の製造方法。(1)pHが1.0〜4.0である研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程。(2)工程(1)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Aに浸漬しながら、洗浄工程(3)に搬送する工程。(3)工程(2)で搬送された基板を、pH8.0〜13.0のアルカリ性洗浄剤組成物Bを用いて浸漬洗浄する工程。(4)工程(3)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Cを用いてスクラブ洗浄する工程。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラスハードディスク基板の製造方法、ガラスハードディスク基板の洗浄方法、及び、ハードディスクの製造方法に関する。
近年のメモリーハードディスクドライブには、高容量・小径化を目的として、記録密度を上げるために磁気ヘッドの浮上量を低下させて、単位記録面積を小さくすることが求められている。それに伴い、ハードディスクの製造工程においても、研磨対象物を研磨して得られる研磨面に要求される清浄度等の表面品質が高くなってきている。また、高容量を目的として基板を高密度化する必要があり、ガラス基板を有するハードディスクが使用されるようになってきている。
ガラスハードディスクの製造過程には、基板形成工程とメディア工程とが含まれる。前記基板形成工程では、被研磨ガラス基板に対して少なくとも研磨処理と洗浄処理とがこの順で複数回行われることにより、ガラスハードディスク基板が作製される。前記メディア工程では、必要に応じて研磨によりガラスハードディスク基板の少なくとも一方の主面に浅い凸凹をつけた後(テクスチャー工程)、洗浄がなされ(洗浄工程)、次いで、前記基板の少なくとも一方の主面側に磁性層が形成される(磁性層形成工程)。
基板形成工程において被研磨ガラス基板に対して行われる最後の研磨処理では、セリアやコロイダルシリカ等の無機粒子による研磨工程が含まれている。研磨工程を経た基板表面に研磨材や研磨屑等の微細パーティクル(無機粒子)が残存していると、磁気ディスクの性能や歩留まりに悪影響が及ぶ。特に、研磨材や研磨屑等の無機粒子は一旦基板表面から剥離しても、基板表面へ再付着しやすいため、洗浄剤組成物には無機粒子の高い分散性を有することが求められる。このような無機粒子の再付着を防止するために、界面活性剤や高分子化合物等の分散剤を含有する洗浄剤組成物、及び、それらの洗浄剤組成物を用いたガラスハードディスク基板の洗浄方法や製造方法が開示されている(特許文献1〜3)。
特許文献1には研磨後基板を、研磨液と同程度のpHの溶液中で保管しながら後の工程に前記基板を搬送することが開示されている。特許文献2にはテクスチャ形成後の基板を酸性溶液及び炭酸溶液を用いて洗浄処理することが開示されている。特許文献3には、研磨後基板を溶融塩中で化学強化処理すること、及び、スクラブ洗浄処理することが開示されている。
特開2007−294073号公報 特開2007−102844号公報 特開2000−149249号公報
しかし、近年、ガラスハードディスクドライブの高容量化に伴い、研磨工程を経た基板表面に求められる清浄度のレベルが格段に高くなっており、従来よりも洗浄性が向上した洗浄方法や製造方法が求められている。
そこで、本発明は、研磨材や研磨屑等の無機粒子に対する洗浄性が向上したガラスハードディスク基板の製造方法、ガラスハードディスク基板の洗浄方法、及び、ハードディスクの製造方法を提供する。
本発明は、一態様において、以下の工程(1)〜(4)を含むガラスハードディスク基板の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう)に関する。
(1)pHが1.0〜4.0である研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程。
(2)工程(1)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Aに浸漬しながら、洗浄工程(3)に搬送する工程。
(3)工程(2)で搬送された基板を、pH8.0〜13.0のアルカリ性洗浄剤組成物Bを用いて浸漬洗浄する工程。
(4)工程(3)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Cを用いてスクラブ洗浄する工程。
本発明は、その他の態様として、以下の工程(1')〜(3')を含むガラスハードディスク基板の洗浄方法(以下、「本発明の洗浄方法」ともいう。)に関する。
(1')研磨後の基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Aに浸漬しながら、洗浄工程(2')に搬送する工程。
(2')工程(1')で搬送された基板を、pH8.0〜13.0のアルカリ性洗浄剤組成物Bを用いて浸漬洗浄する工程。
(3')工程(2')で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Cを用いてスクラブ洗浄する工程。
本発明は、さらにその他の態様として、本発明の製造方法による工程、又は、本発明の洗浄方法による工程を含むハードディスクの製造方法に関する。
本発明の製造方法によれば、例えば、ガラスハードディスク基板の製造工程における研磨処理後の研磨材や研磨屑等の無機粒子に対する洗浄性を向上できる。
本発明は、研磨後の基板を酸性条件下で保存・搬送し、アルカリ条件下での洗浄及び酸性条件下でのスクラブ洗浄をこの順で行うことにより、意外にも研磨材や研磨屑等の無機粒子に対する洗浄性が格段に向上するという知見に基づく。
したがって、本発明は、一態様において、ガラスハードディスク基板の製造方法であって、pHが1.0〜4.0である研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程(1);工程(1)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Aに浸漬しながら、洗浄工程(3)に搬送する工程(2);工程(2)で搬送された基板を、pH8.0〜13.0のアルカリ性洗浄剤組成物Bを用いて浸漬洗浄する工程(3);及び工程(3)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Cを用いてスクラブ洗浄する工程(4)、を含むガラスハードディスク基板の製造方法に関する。本発明の製造方法によれば、研磨材や研磨屑等の無機粒子に対する洗浄性を向上できるから、例えば、清浄度が向上し高密度化が可能なガラスハードディスク基板を製造できる。
本発明の製造方法において、研磨材や研磨屑等の無機粒子に対する洗浄性の向上が可能となるメカニズムの詳細はすべて明らかになってはいないが、以下のように考えられる。すなわち、本来洗浄力が低い酸性条件下のスクラブ洗浄であっても、酸性条件のスクラブ洗浄を、酸性条件の搬送工程及びアルカリ性条件の浸漬洗浄工程と組み合わせることで、洗浄性が向上する。まず、搬送工程を酸性条件とすることにより、研磨材や研磨屑等の無機粒子の凝集を抑制しながら粗洗浄を行うことができる。この粗洗浄後にアルカリ性条件下の浸漬洗浄を行うため洗浄性が向上すると考えられる。さらに、浸漬洗浄後のスクラブ洗浄を酸性条件とすることでアルカリ性条件下に比べて無機粒子の分散性が低くなり、無機粒子がブラシによって排出されやすくなる。その結果、無機粒子が基板に転写され再付着するのを大幅に抑制でき、洗浄性が向上すると推定される。但し、本発明は前述のメカニズムに限定して解釈されない。
[被研磨ガラス基板を研磨する工程(1)]
ガラスハードディスク基板は、一般的な一例として、溶融ガラスの型枠プレス又はシートガラスから切り出す方法によってガラス基材を得る工程から始まり、形状加工工程、端面研磨工程、粗研削工程、精研削工程、粗研磨工程、仕上げ研磨工程、最終仕上げ研磨工程、化学強化工程を経る形成工程によって製造される。また各研磨工程の間には洗浄工程が含まれる。但し、本明細書においてガラスハードディスク基板形成工程は、これに限定されない。被研磨ガラス基板を研磨する工程(1)は、ガラスハードディスク基板形成工程におけるいずれの研磨工程であってもよいが、より高い洗浄性が要求される工程である点で、仕上げ研磨工程及び/又は最終仕上げ研磨工程であることが好ましく、最終仕上げ研磨工程であることがより好ましい。
被研磨ガラス基板を研磨する工程(1)の限定されない一実施形態としては、研磨液組成物を研磨パッドと被研磨ガラス基板の間に存在させ、所定の研磨荷重で研磨する工程を含むことが好ましい。具体的には、被研磨ガラス基板を研磨する工程(1)は、限定されない一実施形態として、被研磨ガラス基板の研磨対象面に研磨液組成物を供給し、前記研磨対象面に研磨パッドを接触させ、前記研磨パッド及び/又は前記被研磨ガラス基板を動かして研磨することを含む工程が挙げられる。
研磨工程(1)における研磨対象である被研磨ガラス基板としては、アルミノ珪酸ガラス基板、ホウ珪酸ガラス基板、アルミノホウ珪酸ガラス基板、石英ガラス基板、結晶化ガラス基板等が挙げられる。本発明の効果をより効果的に発現する観点、ガラス基板の強度向上及び研磨速度向上の観点から、前記被研磨ガラス基板としては、アルミノ珪酸ガラス基板が好ましい。アルミノ珪酸ガラス基板は、その構成元素としてO(酸素)以外ではSi(ケイ素)を最も多く含み、次いでAlを多く含む。通常、Siの含有量は20〜40重量%であり、Alの含有量は3〜25重量%で、他にもNaなどを含むことがある。
被研磨ガラス基板を研磨する工程(1)で使用する研磨液組成物は、限定されない一実施形態として、研磨材、酸、水、及び、必要に応じてポリマー、殺菌剤、抗菌剤、増粘剤、分散剤、防錆剤等を含むものが挙げられる。研磨液組成物の25℃におけるpHは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1.0〜4.0であって、好ましくは2.0〜4.0、より好ましくは2.5〜4.0である。被研磨ガラス基板を研磨する工程(1)で使用する研磨液組成物は、前記pHを満たすものであれば、従来公知のものを使用できる。なお、本明細書において、pHの値は、pHメータ(東亜電波工業社製、HM−30G)を用い、電極を検査対象液への浸漬した後40分後に測定した数値をいう(以下同様)。
前記研磨材としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリカ、表面を酸化アルミニウムで改質したアルミ改質コロイダルシリカのような表面修飾したシリカ、アルミナ、酸化セリウム(セリア)等が挙げられる。これらの中でも、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、コロイダルシリカが好ましい。また、無機粒子に対する洗浄性向上の観点、及び、研磨速度を向上させる観点から、表面修飾したシリカが好ましく、表面を酸化アルミニウムで改質したアルミ改質コロイダルシリカがより好ましい。なお、シリカの使用形態としては、スラリー状であることが好ましい。研磨材の一次粒子の平均粒子径は、研磨速度の向上及び無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、5〜200nmが好ましく、より好ましくは7〜100nm、さらに好ましくは9〜80nm、さらにより好ましくは10〜50nmである。研磨液組成物中の研磨材の含有量は、研磨速度の向上及び無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは2〜19重量%、さらに好ましくは3〜18重量%、さらにより好ましくは4〜16重量%である。
研磨液組成物中の酸としては、限定されないが、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸、メタンジスルホン酸、エタンジスルホン酸、フェノールジスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸等の含硫黄有機酸、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1,−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の含リン有機酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、イソクエン酸、フタル酸、ニトロトリ酢酸、ニトロ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、オキサロ酢酸等の多価カルボン酸、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、基板製造における排水による水質汚染の基準であるCOD値低減の観点、循環研磨における研磨速度の低下、表面粗さの悪化及びパーティクル増加の抑制の観点から、無機酸、含硫黄有機酸、多価カルボン酸及び含リン有機酸が好ましく、リン酸、硫酸、多価カルボン酸、含リン有機酸がより好ましく、さらに好ましくは多価カルボン酸であり、さらにより好ましくはコハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸であり、さらにより好ましくはクエン酸である。これらの酸は単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。また、酸は塩の形態であってもよい。研磨液組成物中における酸の含有量は、研磨速度向上の観点から、0.05重量%以上が好ましく、より好ましくは0.1重量%以上、さらに好ましくは0.15重量%以上である。また、前記酸の含有量は、研磨装置の腐食を抑制する観点から、10重量%以下が好ましく、より好ましくは7.5重量%以下、さらに好ましくは5重量%以下である。したがって、前記酸の含有量は、0.05〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜7.5重量%、さらに好ましくは0.15〜5重量%である。
研磨液組成物中の水は、媒体として使用されるものであり、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。本発明の研磨液組成物中の水の含有量は、研磨液組成物の取扱いを容易にする観点から、55重量%以上が好ましく、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、さらにより好ましくは85重量%以上である。また、前記水の含有量は、研磨速度向上の観点から、99重量%以下が好ましく、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは97重量%以下である。したがって、前記水の含有量は、55〜99重量%が好ましく、より好ましくは70〜98重量%、さらに好ましくは80〜97重量%、さらにより好ましくは85〜97重量%である。
被研磨ガラス基板を研磨する工程(1)に用いられる研磨装置としては、特に限定されない一実施形態として、被研磨ガラス基板を保持する、アラミド製やガラスエポキシ製等の冶具(「キャリア」ともいう。)と研磨布(「研磨パッド」ともいう。)とを備える片面又は両面研磨装置を用いることができる。中でも、両面研磨装置が好適に用いられる。研磨パッドの材質としては、有機高分子等が挙げられ、前記有機高分子としては、ポリウレタン等が挙げられる。前記研磨パッドの形状は、不織布状が好ましい。例えば、粗研磨工程ではスウェード調のウレタン製硬質パッド、仕上げ研磨工程及び最終仕上げ研磨工程ではスウェード調のウレタン製軟質パッドが好適に用いられる。
該研磨装置を用いる研磨の具体例としては、被研磨ガラス基板をキャリアで保持し研磨パッドを貼り付けた1対の研磨定盤で挟み込み、研磨液組成物を研磨パッドと被研磨ガラス基板との間に供給し、所定の圧力の下で研磨定盤及び/又は被研磨ガラス基板を動かすことにより、研磨液組成物を被研磨ガラス基板に接触させながら被研磨ガラス基板を研磨する方法が挙げられる。
被研磨ガラス基板を研磨する工程(1)における研磨液組成物の供給速度は、コスト低減の観点から、被研磨ガラス基板1cm2あたり1.0mL/分以下が好ましく、より好ましくは0.6mL/分以下、さらに好ましくは0.4mL/分以下である。また、前記供給速度は、研磨速度の向上の観点、表面粗さ低減の観点から、被研磨ガラス基板1cm2あたり0.01mL/分以上が好ましく、より好ましくは0.025mL/分以上、さらに好ましくは0.05mL/分以上である。したがって、前記供給速度は、被研磨ガラス基板1cm2あたり0.01〜1.0mL/分が好ましく、より好ましくは0.025〜0.6mL/分、さらに好ましくは0.05〜0.4mL/分である。
本明細書において「研磨荷重」とは、研磨時に被研磨基板を挟み込む定盤から被研磨基板の研磨対象面に加えられる圧力を意味する。研磨荷重の調整は、通常の研磨装置であれば容易に調整可能であるが、例えば、定盤や被研磨基板等への空気圧や錘の負荷によって行うことができる。研磨荷重は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは3kPa以上、4kPa以上がより好ましく、5kPa以上がさらに好ましく、6kPa以上がさらにより好ましい。表面粗さを低減する観点、研磨中に研磨機に振動が発生しないように安定に研磨できるという観点から、好ましくは40kPa以下、30kPa以下がより好ましく、20kPa以下がさらに好ましく、15kPa以下がさらにより好ましい。従って、高い研磨速度を維持し、表面粗さを低減し、安定に研磨できるという観点から、好ましくは3〜40kPa、より好ましくは4〜30kPa、さらに好ましくは5〜20kPa、さらにより好ましくは6〜15kPaである。前記研磨荷重の調整は、定盤や基板等への空気圧や錘の負荷によって行うことができる。
[搬送工程(2)]
本明細書において「搬送工程」とは、研磨工程を行った研磨機から、研磨後のガラス基板を、洗浄工程を行う洗浄装置へ移動させる工程をいう。搬送工程は、一般に、自動、手動を問わず、研磨工程と洗浄工程との間にガラス基板表面を乾燥させないことを目的として行われる。よって、本明細書において、「搬送工程」は、研磨工程後のガラス基板を洗浄工程まで保管することを含む。
搬送工程(2)は、工程(1)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Aに浸漬しながら、後述する洗浄工程(3)に搬送する工程である。
〔酸性洗浄剤組成物A〕
搬送工程(2)で使用する酸性洗浄剤組成物Aは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、25℃におけるpHは1.0〜4.0であって、好ましくは2.0〜4.0、より好ましくは2.5〜3.7である。酸性洗浄剤組成物Aは、使用時に希釈することを前提した形態であってもよく、そのまま原液を使用する形態であってもよい。希釈を前提とする場合、希釈倍率は、例えば、10〜500倍、20〜200倍などである。希釈用の水は、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。
酸性洗浄剤組成物Aは、前記pHとなる酸を含有する酸性水溶液であれば使用できる。なお、本明細書において、酸の使用は、酸及び又はその塩の使用を含む。酸性洗浄剤組成物Aに使用できる酸としては、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1,−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の有機ホスホン酸、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸等が挙げられ、有機ホスホン酸及びカルボン酸が好ましい。中でも1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸及びアミノトリ(メチレンホスホン酸)が好ましく、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸がより好ましい。前記酸の添加されうる含有量及び種類は、洗浄剤組成物の25℃におけるpHが前記の範囲となるものであれば、特に限定されない。酸は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。また、酸性洗浄剤組成物Aは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、媒体として水を含有することが好ましく、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。
酸性洗浄剤組成物Aは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から好ましい一実施形態として、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の少なくとも一方の界面活性剤を含む酸性洗浄剤組成物が挙げられ、より好ましくは、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の双方を含む酸性洗浄剤組成物が挙げられる。さらに、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、酸性洗浄剤組成物Aの好ましい一実施形態として、下記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤及び下記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含有する酸性洗浄剤組成物(A-1)が挙げられる。
R1-O-(AO)n-H (I)
R2-Ph-SO3Na (II)
前記式(I)において、R1は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、炭素数は9〜16が好ましく、より好ましくは10〜14、さらにより好ましくは11〜13であり、前記アルキル基は、同様の観点から、直鎖であることが好ましい。
前記式(I)において、AOはエチレンオキシ基(EO)及び/又はプロピレンオキシ基(PO)であり、nはAOの平均付加モル数であって1〜20である。(AO)nは、EO及びPOのいずれか一方のみであってもよく、両者で構成されていてもよい。(AO)nがEOとPOとから構成される場合、EOとPOの配列は、ブロックでもランダムでもよい。無機粒子に対する洗浄性向上の観点からは、(AO)nにおけるEO基の占める割合は好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらにより好ましくは80モル%以上である。平均付加モル数nは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、2〜20が好ましく、より好ましくは3〜19、さらに好ましくは5〜17、さらにより好ましくは7〜15である。
前記式(II)において、R2は炭素数8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Phはフェニレン基である。R2とスルホン酸基とは、オルト、メタ、パラのいずれの位置関係であってもよい。R2は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、炭素数は9〜16が好ましく、より好ましくは10〜14、さらにより好ましくは11〜13であり、前記アルキル基は、同様の観点から、直鎖であることが好ましい。
酸性洗浄剤組成物(A-1)は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤及び前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤の双方を含有することが好ましい。酸性洗浄剤組成物(A-1)において、前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤と前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤との含有量(重量)比[前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤/前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤]は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1/2〜4/1が好ましく、より好ましくは1/1〜4/1、さらに好ましくは1/1〜2/1である。
また、酸性洗浄剤組成物(A-1)は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、前述した酸を含むことが好ましく、より好ましくはホスホン酸及び有機ホスホン酸を含み、より好ましくは有機ホスホン酸を含む。酸性洗浄剤組成物(A-1)において、前記酸と界面活性剤(前記一般式(I)及び(II)で表わされる界面活性剤)との含有量(重量)比[前記酸/界面活性剤(前記一般式(I)及び(II)で表わされる界面活性剤)]は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1/3〜3/1が好ましく、より好ましくは1/2〜2/1、さらに好ましくは1/2〜1.5/1である。
酸性洗浄剤組成物(A-1)が使用時に希釈を前提とする形態である場合、前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、0.1〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5.0重量%、さらに好ましくは0.5〜2.0重量%である。前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、0.1〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5.0重量%、さらに好ましくは0.5〜2.0重量%である。さらに、酸の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、0.1〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0重量%、さらに好ましくは0.5〜3.0重量%である。
酸性洗浄剤組成物(A-1)には、その他、pH調整のためのアルカリ剤、水溶性高分子、曇点上昇剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤等が含まれていてもよい。
前記アルカリ剤としては、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤のうちのいずれであってもよい。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリン等が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。前記アルカリ剤の添加されうる含有量は、酸性洗浄剤組成物(A-1)の25℃におけるpHが前述の範囲であれば、特に限定されない。
前記水溶性高分子は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、任意に加えられてもよく、例えば、カルボン酸系重合体が挙げられる。前記カルボン酸系重合体としては、アクリル酸重合体、メタクリル酸重合体、マレイン酸重合体、アクリル酸/メタクリル酸の共重合体、アクリル酸/マレイン酸の共重合体、メタクリル酸/メタクリル酸ジメチルアミノエステルの共重合体、メタクリル酸/アクリル酸メチルエステルの共重合体等が挙げられるが、アクリル酸(AA)と2―アクリルアミド―2―メチルプロパンスルホン酸(AMPS)のモル比が91/9〜95/5である共重合体が好ましい。前記水溶性高分子は塩の形態であってもよい。前記水溶性高分子の重量平均分子量は、シリカに対する洗浄性向上の観点から、500〜150,000が好ましく、1000〜100,000がより好ましく、1000〜50,000がさらに好ましい。前記水溶性高分子の重量平均分子量は、例えば、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって求めることができる。
〔GPC条件〕
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソ−社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファ−/CH3CN=9/1(容量比)
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール
酸性洗浄剤組成物(A-1)において、前記水溶性高分子と界面活性剤(前記一般式(I)及び(II)で表わされる界面活性剤)との含有量(重量)比[前記水溶性高分子/界面活性剤(前記一般式(I)及び(II)で表わされる界面活性剤)]は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1/10〜2/1が好ましく、より好ましくは1/10〜1/1、さらに好ましくは1/5〜1/1である。また、酸性洗浄剤組成物(A-1)が使用時に希釈を前提とする形態である場合、水溶性高分子の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、0.1〜3.0重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜2.0重量%、さらに好ましくは0.5〜1.0重量%である。
搬送工程(2)で使用する酸性洗浄剤組成物Aの温度としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、20〜50℃であることが好ましく、より好ましくは20〜40℃、さらに好ましくは20〜30℃である。浸漬時間としては、特に制限されないが、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1〜20分が好ましく、より好ましくは2〜12分、さらにより好ましくは2〜11分である。
[浸漬洗浄工程(3)]
工程(3)は、工程(2)で搬送された基板を、pH8.0〜13.0のアルカリ性洗浄剤組成物(B)を用いて浸漬洗浄する工程である。
〔アルカリ性洗浄剤組成物B〕
浸漬洗浄工程(3)で使用するアルカリ性洗浄剤組成物Bは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、25℃におけるpHは8.0〜13.0であって、好ましくは9.0〜12.0、より好ましくは10.0〜12.0である。アルカリ性洗浄剤組成物Bは、使用時に希釈することを前提とした形態であってもよく、そのまま原液を使用する形態であってもよい。希釈を前提とする場合、希釈倍率は、例えば、10〜500倍、20〜200倍などである。希釈用の水は、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。
アルカリ性洗浄剤組成物Bは、前記pHとなるアルカリを含有するアルカリ性水溶液であれば使用できる。なお、本明細書において、アルカリの使用は、アルカリ及び又はその塩の使用を含み、無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤のうちのいずれであってもよい。無機アルカリ剤としては、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。有機アルカリ剤としては、例えば、ヒドロキシアルキルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、及びコリン等が挙げられる。これらのアルカリ剤は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。前記アルカリの添加されうる含有量及び種類は、洗浄剤組成物の25℃におけるpHが前記の範囲となるものであれば、特に限定されない。また、アルカリ性洗浄剤組成物Bは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、媒体として水を含有することが好ましく、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。
アルカリ性洗浄剤組成物Bは、無機粒子に対する洗浄性向上と洗浄剤組成物の安定性向上の観点から好ましい一実施形態として、ノニオン性界面活性剤を含むアルカリ性洗浄剤組成物が挙げられ、より好ましくは、下記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤を含むアルカリ性洗浄剤組成物が挙げられる。さらに、無機粒子に対する洗浄性向上と洗浄剤組成物の安定性向上の観点から、アルカリ性洗浄剤組成物Bの好ましい一実施形態として、ノニオン性界面活性剤及び下記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含有するアルカリ洗浄剤組成物が挙げられ、より好ましくは下記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤及び下記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物を含有するアルカリ性洗浄剤組成物(B-1)が挙げられる。
R1-O-(AO)n-H (I)
R3-Ph-SO3Na (III)
前記式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤は、前述のものを使用できる。前記式(III)において、R3は、炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、Phはフェニレン基である。R3とスルホン酸基とは、オルト、メタ、パラのいずれの位置関係であってもよい。R3の炭素数は、無機粒子に対する洗浄性向上と洗浄剤組成物の安定性向上の観点から、1〜4が好ましく、より好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2である。(III)で表わされるスルホン酸化合物としては、無機粒子に対する洗浄性向上と洗浄剤組成物の安定性向上の観点から、p−トルエンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)において、前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤と前記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物との含有量(重量)比[前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤/前記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物]は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1/30〜1/5が好ましく、より好ましくは1/25〜1/10、さらに好ましくは1/25〜1/15である。
また、アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)は、無機粒子に対する洗浄性向上と洗浄剤組成物の安定性向上の観点から、有機ホスホン酸を含むことが好ましい。有機ホスホン酸としては、前述した具体例の有機ホスホン酸が使用できる。アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)において、前記有機ホスホン酸と前記一般式(I)で表わされる界面活性剤及び前記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物との含有量(重量)比[前記有機ホスホン酸/(前記一般式(I)で表わされる界面活性剤及び前記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物)]は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1/5〜2/1が好ましく、より好ましくは1/5〜1/1、さらに好ましくは1/4〜1/1である。
アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)が使用時に希釈を前提とする形態である場合、前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上と洗浄剤組成物の安定性向上の観点から、0.01〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3.0重量%、さらに好ましくは0.3〜2.0重量%である。前記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上と洗浄剤組成物の安定性向上の観点から、1.0〜30.0重量%が好ましく、より好ましくは3.0〜20.0重量%、さらに好ましくは5.0〜15.0重量%である。さらに、有機ホスホン酸の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上と洗浄剤組成物の安定性向上の観点から、0.1〜20.0重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10.0重量%、さらに好ましくは1.0〜5.0重量%である。
アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)には、その他、pH調整のための酸(有機ホスホン酸を除く)、水溶性高分子、アミン、曇点上昇剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤等が含まれていてもよい。
前記酸としては、酸としては、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸、クエン酸、酒石酸、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸等が挙げられる。前記酸の添加されうる含有量及び種類は、洗浄剤組成物の25℃におけるpHが前記の範囲となるものであれば、特に限定されない。酸は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。前記酸の添加されうる含有量は、アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)の25℃におけるpHが前述の範囲であれば、特に限定されない。
前記水溶性高分子は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、任意に加えられてもよく、酸性洗浄剤組成物Aの任意成分として示した水溶性高分子を使用でき、例えば、酸性洗浄剤組成物Aで添加される水溶性高分子と同じものを使用できる。アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)において前記水溶性高分子と前記一般式(I)で表わされる界面活性剤及び前記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物との含有量(重量)比[前記水溶性高分子/(前記一般式(I)で表わされる界面活性剤及び前記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物)]は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1/20〜1/1が好ましく、より好ましくは1/20〜1/5、さらに好ましくは1/15〜1/10である。また、アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)が使用時に希釈を前提とする形態である場合、水溶性高分子の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、0.1〜3.0重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜2.0重量%、さらに好ましくは0.5〜1.0重量%である。
アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)には、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、アミン化合物を含むことが好ましい。アミン化合物としては、分子量が400以下のものが好ましく、より好ましくは300以下、さらに好ましくは200以下である。アミン化合物としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、アミノアルコールが好ましい。具体的には、2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられ、これらの中でも無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノール、モノエタノールアミンが好ましく、より好ましくは2‐[(2‐アミノエチル)アミノ]エタノールである。
アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)における前記アミン化合物と前記一般式(I)で表わされる界面活性剤及び前記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物との含有量(重量)比[前記アミン化合物/(前記一般式(I)で表わされる界面活性剤及び前記一般式(III)で表わされるスルホン酸化合物)]は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1/15〜2/1が好ましく、より好ましくは1/10〜1/1、さらに好ましくは1/7〜1/3である。また、アルカリ性洗浄剤組成物(B-1)が使用時に希釈を前提とする形態である場合、アミン化合物の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1.0〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは1.0〜5.0重量%、さらに好ましくは1.0〜3.0重量%ある。
浸漬洗浄工程(3)における被洗浄ガラス基板をアルカリ性洗浄剤組成物Bへ浸漬する条件としては、特に制限はないが、アルカリ性洗浄剤組成物Bの温度は、無機粒子に対する洗浄性向上と洗浄剤組成物の安定性向上の観点から、及び、安全性及び操業性の観点から20〜100℃であると好ましく、浸漬時間は、無機粒子に対する洗浄性向上と生産効率の観点から10秒〜30分間であると好ましい。また、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、洗浄剤組成物には超音波振動が付与されていると好ましい。超音波の周波数としては、20〜2000kHzが好ましく、30〜2000kHzがより好ましく、30〜1500kHzがさらに好ましい。
[スクラブ洗浄工程(4)]
工程(4)は、浸漬洗浄工程(3)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Cを用いてスクラブ洗浄する工程である。
〔酸性洗浄剤組成物C〕
スクラブ洗浄工程(4)で使用する酸性洗浄剤組成物Cは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、25℃におけるpHは1.0〜4.0であって、好ましくは2.0〜4.0、より好ましくは2.5〜3.7である。酸性洗浄剤組成物Cは、使用時に希釈することを前提とした形態であってもよく、そのまま原液を使用する形態であってもよい。希釈を前提とする場合、希釈倍率は、例えば、10〜500倍、20〜200倍などである。希釈用の水は、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。
酸性洗浄剤組成物Cは、前記pHとなる酸を含有する酸性水溶液であれば使用できる。酸性洗浄剤組成物Cに含有される酸としては、酸性洗浄剤組成物Aで使用できる酸として示したものが使用できる。前記酸の添加されうる酸の含有量及び種類は、洗浄剤組成物の25℃におけるpHが前記の範囲となるものであれば、特に限定されない。酸は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。また、酸性洗浄剤組成物Cは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、媒体として水を含有することが好ましく、蒸留水、イオン交換水、純水及び超純水等が使用され得る。
酸性洗浄剤組成物Cは、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から好ましい一実施形態として、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の少なくとも一方の界面活性剤を含む酸性洗浄剤組成物が挙げられ、より好ましくは、ノニオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤の双方を含む酸性洗浄剤組成物が挙げられる。さらに、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、酸性洗浄剤組成物Cの好ましい一実施形態として、前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤及び前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含有する酸性洗浄剤組成物(C-1)が挙げられる。
酸性洗浄剤組成物(C-1)は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤及び前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤の双方を含有することが好ましい。酸性洗浄剤組成物(C-1)において、前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤と前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤との含有量(重量)比[前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤/前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤]は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1/2〜4/1が好ましく、より好ましくは1/1〜4/1、さらに好ましくは1/1〜2/1である。
また、酸性洗浄剤組成物(C-1)は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、前述した酸を含むことが好ましく、より好ましくはホスホン酸及び有機ホスホン酸を含み、より好ましくは有機ホスホン酸を含む。酸性洗浄剤組成物(C-1)において、前記酸と界面活性剤(前記一般式(I)及び(II)で表わされる界面活性剤)との含有量(重量)比[前記酸/界面活性剤(前記一般式(I)及び(II)で表わされる界面活性剤)]は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、1/3〜3/1が好ましく、より好ましくは1/2〜2/1、さらに好ましくは1/2〜1.5/1である。
酸性洗浄剤組成物(C-1)における前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、0.1〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5.0重量%、さらに好ましくは0.5〜2.0重量%である。前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、0.1〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5.0重量%、さらに好ましくは0.5〜2.0重量%である。さらに、酸の含有量としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、0.1〜10.0重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0重量%、さらに好ましくは0.5〜3.0重量%である。
酸性洗浄剤組成物(C-1)には、その他、pH調整のためのアルカリ剤、水溶性高分子、曇点上昇剤、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤等が含まれていてもよい。
前記アルカリ剤としては、酸性洗浄剤組成物Aの任意成分として示したアルカリ剤が使用でき、これらのアルカリ剤は、単独で用いても良く、二種以上を混合して用いても良い。前記アルカリ剤の添加されうる含有量は、酸性洗浄剤組成物(C-1)の25℃におけるpHが前述の範囲であれば、特に限定されない。
前記水溶性高分子は、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、任意に加えられてもよく、酸性洗浄剤組成物Aの任意成分として示した水溶性高分子を前述した含有量の範囲で使用でき、例えば、酸性洗浄剤組成物Aで添加される水溶性高分子と同じものを使用できる。
スクラブ洗浄工程(4)で使用する酸性洗浄剤組成物Cは、搬送工程(2)で使用する酸性洗浄剤組成物Aと同じものであってよく、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、酸性洗浄剤組成物Aと同じものを使用することが好ましい。
スクラブ洗浄工程(4)で使用する酸性洗浄剤組成物Cの温度としては、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、20〜50℃であることが好ましく、より好ましくは20〜40℃、さらに好ましくは20〜30℃である。
スクラブ洗浄工程(4)は、限定されない一実施形態において、酸性洗浄剤組成物Cを被洗浄ガラス基板の表面上に射出により供給し、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。また、無機粒子に対する洗浄性向上の観点から、超音波振動が与えられている酸性洗浄剤組成物Cを射出により被洗浄基板の表面に供給し、かつ、洗浄剤組成物が供給された当該表面を洗浄用ブラシでこすることにより洗浄することが好ましい。酸性洗浄剤組成物Cを被洗浄基板の表面上に射出により供給する手段としては、スプレーノズル等の公知の手段を用いることができる。また、洗浄用ブラシとしては、特に制限はなく、例えばナイロンブラシやPVA(ポリビニルアルコール)スポンジブラシ等の公知のものを使用することができる。超音波の周波数としては、前記浸漬洗浄工程(3)で好ましく採用される値と同様とすることができる。
[洗浄方法]
本発明は、その他の態様として、以下の工程(1')〜(3')を含むガラスハードディスク基板の洗浄方法に関する。下記工程(1')、(2')及び(3')は、それぞれ、本発明の製造方法の工程(2)、(3)及び(4)と同様に行うことができる。
(1')研磨後の基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Aに浸漬しながら、洗浄工程(2')に搬送する工程。
(2')工程(1')で搬送された基板を、pH8.0〜13.0のアルカリ性洗浄剤組成物Bを用いて浸漬洗浄する工程。
(3')工程(2')で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Cを用いてスクラブ洗浄する工程。
本発明の製造方法によって製造されたガラスハードディスク基板、及び、本発明の洗浄方法の洗浄工程を含む製造方法により製造されたガラスハードディスク基板は、必要に応じてテクスチャ工程及び洗浄工程がなされた後、前記基板の少なくとも一方の主面側に磁性層が形成される磁性層形成工程を経てハードディスクとなる。したがって、本発明は、さらにその他の態様として、本発明の製造方法による工程、及び/又は、本発明の洗浄方法による工程を含むハードディスクの製造方法に関する。
[洗浄剤組成物の調製(酸性洗浄剤i〜vi、アルカリ性洗浄剤i〜iv)]
下記表1の記載の組成となるように、各成分を重量%で配合し、混合することにより酸性洗浄剤i)〜vi)及びアルカリ性洗浄剤i)〜iv)を得た。表1中の成分としては以下のものを使用した。
ノニオン性界面活性剤
1)商品名 エマルゲンLS-110、花王社製
2)商品名 エマルゲン108、花王社製
3)商品名 EHDG、日本乳化剤社製
4)商品名 HeDG、日本乳化剤社製
アニオン性界面活性剤及びスルホン酸化合物
1)商品名 ネオペレックスG-15(濃度:16重量%)、花王社製
2)商品名 PTS-Na、高觀實業有限公司社製
水溶性高分子
1)アクリル酸(AA)と2―アクリルアミド―2―メチルプロパンスルホン酸(AMPS)の共重合体(AA/AMPSのモル比=92/8、重量平均分子量:12000(PEG換算)):商品名 アロンA6016A、東亞合成社製

1)ヒドロキシエチリデンジホスホン酸:商品名 ディクエスト2010(濃度:60重量%)、ThermPhos社製
2)アミノトリメチレンホスホン酸:商品名 ディクエスト2000(濃度:50重量%)、ThermPhos社製
3)酒石酸:シグマアルドリッチ社製
アミン
1)N-(βアミノエチル)エタノールアミン:商品名 AA-EA、日本乳化剤社製、分子量104
2)オレイルアミン:商品名 ファーミンO、花王社製、分子量267
3)モノエタノールアミン:商品名 MEA、日本触媒社製、分子量61
無機アルカリ
1)KOH:東亞合成社製(濃度:48重量%)
2)NaOH:東亞合成社製(濃度:48重量%)
得られた各洗浄剤は、3重量%になるように水に希釈し、25℃におけるpHを下記の条件で測定した。
(pH測定)
pH測定は、pHメータ(東亜電波工業社製、HM−30G)を用い、25℃に保持した測定対象液へ電極を浸漬した後、40分後に測定した。
Figure 2012248247
[ハードディスク用ガラス基板の洗浄性評価](実施例1〜10、比較例1〜9)
下記組成の研磨液スラリー(研磨剤組成物)を用いて下記評価用基板を下記研磨条件で研磨した。研磨後の被洗浄基板に対して下記の条件で洗浄工程を行った。すなわち、洗浄剤Aを用いた搬送工程、洗浄剤Bを用いた浸漬洗浄工程、及び、洗浄剤Cを用いたスクラブ洗浄工程である(実施例1〜10及び比較例1〜8)。洗浄剤A〜Cは、下記表2に示すものを使用した。なお、下記表2に記載される酸性洗浄剤(i)〜(vi)及びアルカリ性洗浄剤(i)〜(iv)は前記表1に記載のものである。洗浄後、基板の洗浄性を下記の方法で評価した。なお、洗浄剤Aは、下記表2に示す酸性洗浄剤組成物(又はアルカリ性洗浄剤組成物)を超純水で3%希釈液としたものを使用し、洗浄剤Bは、下記表2に示すアルカリ性洗浄剤組成物(又は酸性洗浄剤組成物)を超純水で3%希釈液としたものを使用し、洗浄剤Cは、下記表2に示す酸性洗浄剤組成物(又はアルカリ性洗浄剤組成物)を超純水で1%希釈液としたものを使用した。なお、比較例9では、スクラブ洗浄工程に換えて、洗浄剤Cを用いて浸漬洗浄工程を行った。
(評価用基板)
評価用基板として、アルミノ珪酸ガラス基板(外径:65mmφ、内径:20mmφ、厚さ:0.635mm)を用意した。
(研磨条件)
研磨機:両面9B研磨機(浜井産業社製)
研磨パッド:FILWEL社製仕上げ研磨用スウェードパッド
研磨剤組成物:イオン交換水にコロイダルシリカ(平均粒子径:24nm)を研磨液組成物中8重量%になるよう添加し、クエン酸を研磨液組成物中、およそ0.65重量%になるよう添加して25℃においてpHが3.0となるように調整したもの
予備研磨:荷重 3.9 kPa、時間 60秒、研磨液流量 0.33 ml/cm2/分
本研磨:荷重 9.8 kPa、時間 1200秒、研磨液流量 0.33 ml/cm2/分
水リンス:荷重 3.9 kPa、時間 60秒、リンス水流量 約2L/分
(洗浄方法)
〔搬送工程〕
研磨後の基板(被洗浄基板)を研磨機から速やかに取り出し、洗浄剤A(25℃/10分)に浸漬して下記洗浄工程まで保管及び搬送を行った。
〔浸漬洗浄工程〕
保管及び搬送された前記被洗浄基板(5枚)を、洗浄装置にて以下の条件で洗浄した。洗浄槽、すすぎ槽は2セットずつ用意した。
(I) 浸漬洗浄:450gの洗浄剤Bを入れた洗浄槽(15L)を40℃に設定し、被洗浄基板を浸漬し、超音波(40kHz)を照射しながら120秒間洗浄する。
(II) すすぎ:超純水を入れたすすぎ槽(40℃)に被洗浄基板を移し、超音波(40kHz)を照射しながら120秒間すすぎを行う。
(III) 未使用の洗浄剤Bを入れた洗浄槽、未使用の超純水を入れたすすぎ槽を使用して再度(I)及び(II)を繰り返す。
〔スクラブ洗浄工程〕
浸漬洗浄工程につづき、スクラブ洗浄ユニットにて以下の条件で洗浄した。
(IV) スクラブ洗浄:前記(III)のすすぎ槽内中の被洗浄基板を、洗浄ブラシがセットされたスクラブ洗浄ユニット(A)に移し、洗浄ブラシに常温(25℃)の洗浄剤Cを射出し、該洗浄剤の存在下で該基板の両面に洗浄ブラシを400rpmで回転させながら押し当てることにより、洗浄を25℃で5秒間行う。
(V) すすぎ:未使用のスクラブ洗浄ユニット(B)に被洗浄基板を移し、25℃の超純水を射出し、洗浄ブラシを該基板の両面に(IV)と同様にしてすすぎを5秒間行う。
(VI) 再度(IV)及び(IV)を繰り返す。
〔すすぎ〕
スクラブ洗浄後の基板を、超純水を入れた樹脂槽に移し、600秒間25℃ですすぎを行った。
〔乾燥〕
前記すすぎ後の基板を、完全に基板表面を乾燥させた。
(洗浄性評価方法)
10000rpmで回転している洗浄された基板に、光学式微細欠陥検査装置(Candela6100、 KLA Tencor社製)のMODE Q-Scatterでレーザーを照射して、欠陥数(基板上の異物数)の測定を実施した。実施例1〜10及び比較例1〜9の洗浄それぞれにつき10枚ずつの基板について前記測定を行い、平均値を得た。比較例6の場合の欠陥数を100としたときの相対値を下記表2に示す。洗浄性の相対値は、小さいほどガラス基板の洗浄性は数字が高いと評価できる。
Figure 2012248247
前記表2に示すとおり、実施例1〜10の洗浄では、比較例1〜9の洗浄よりも洗浄性に優れていた。
本発明は、ガラスハードディスク基板の製造分野において有用といえる。

Claims (8)

  1. 以下の工程(1)〜(4)を含む、ガラスハードディスク基板の製造方法。
    (1)pHが1.0〜4.0である研磨液組成物を用いて被研磨ガラス基板を研磨する工程。
    (2)工程(1)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Aに浸漬しながら、洗浄工程(3)に搬送する工程。
    (3)工程(2)で搬送された基板を、pH8.0〜13.0のアルカリ性洗浄剤組成物Bを用いて浸漬洗浄する工程。
    (4)工程(3)で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Cを用いてスクラブ洗浄する工程。
  2. 前記酸性洗浄剤組成物A及び/又はCが、下記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤及び下記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含有する、請求項1記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
    R1-O-(AO)n-H (I)
    R2-Ph-SO3Na (II)
    (前記式(I)において、R1は炭素数8〜18のアルキル基であり、AOはエチレンオキシ及び/又はプロピレンオキシ基であり、nはAOの平均付加モル数であって1〜20であり、前記式(II)において、R2は炭素数8〜18のアルキル基であり、Phはフェニレン基である。)
  3. 前記酸性洗浄剤組成物A及び/又はCが、前記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤及び前記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤を含有する、請求項2記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  4. 前記アルカリ性洗浄剤組成物Bが、分子量200以下の有機アミンを含有する、請求項1から3のいずれかに記載のガラスハードディスク基板の製造方法。
  5. 以下の工程(1')〜(3')を含む、ガラスハードディスク基板の洗浄方法。
    (1')研磨後の基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Aに浸漬しながら、洗浄工程(2')に搬送する工程。
    (2')工程(1')で搬送された基板を、pH8.0〜13.0のアルカリ性洗浄剤組成物Bを用いて浸漬洗浄する工程。
    (3')工程(2')で得られた基板を、pH1.0〜4.0の酸性洗浄剤組成物Cを用いてスクラブ洗浄する工程。
  6. 前記酸性洗浄剤組成物A及び/又はCが、下記一般式(I)で表わされるノニオン性界面活性剤及び下記一般式(II)で表わされるアニオン性界面活性剤から選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含有する、請求項5記載のガラスハードディスク基板の洗浄方法。
    R1-O-(AO)n-H (I)
    R2-Ph-SO3Na (II)
    (前記式(I)において、R1は炭素数8〜18のアルキル基であり、AOはエチレンオキシ及び/又はプロピレンオキシ基であり、nはAOの平均付加モル数であって1〜20であり、前記式(II)において、R2は炭素数8〜18のアルキル基であり、Phはフェニレン基である。)
  7. 前記アルカリ性洗浄剤組成物Bが、分子量200以下の有機アミンを含有する、請求項5又は6に記載のガラスハードディスク基板の洗浄方法。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載のガラスハードディスク基板の製造方法による工程、又は、請求項5から7のいずれかに記載のガラスハードディスク基板の洗浄方法による工程を含む、ハードディスクの製造方法。
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