以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下実施例では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
さらに、以下の実施例では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施例に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
また、以下の実施例において、要素の数等(個数、数値、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものでなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施例において、その構成要素(要素ステップなどを含む)は、特に明示した場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
同様に、以下の実施例において、構成要素などの形状、位置関係などに言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
図1は、本発明の一実施の形態において使用するテストバーンイン装置のブロック図、図2は、本発明の一実施の形態によるハンドラの説明図、図3は、図1のテストバーンイン装置にテストされる半導体装置の一例を示す平面図、図4、図5は、図1のテストバーンイン装置にテストされる半導体装置の他の例を示す断面図、図6は、図1のテストバーンイン装置に接続されるテストボードの形状の一例を示す説明図、図7は、図6におけるテストボードの構成を示すブロック図、図8は、図1のテストバーンイン装置に設けられたバックボード、および電源ボードの回路構成を示すブロック図、図9は、図1のテストバーンイン装置、および図2のハンドラにおける仕様概要をそれぞれ示した説明図、図10は、図1のテストバーンイン装置におけるテスタ機能の概要を示した説明図、図11は、図1のテストバーンイン装置によるメモリテストの概要を示す説明図、図12は、図1のテストバーンイン装置におけるテストシーケンスを示したタイムチャート、図13〜20は、テストバーンイン装置、およびハンドラを用いたメモリテストの詳細なフローチャート、図21は、図1のテストバーンイン装置によるメモリテスト工程のフローチャート、図22は、本発明者が先に検討したバッチ処理によるメモリテスト工程のフローチャート、図23は、図1のテストバーンイン装置によるメモリテストと図22のバッチ処理によるメモリテストとの処理比較の説明図、図24は、各種テストシステムにおけるテスト時間と測定数との関係を示した図、図25は、図1のテストバーンイン装置と図22の先に検討したバッチ処理のテストバーンイン装置における効果を比較した説明図である。
本実施の形態において、テストバーンイン装置(検査装置、テストシステム)1は、一般のバーンイン機能、すなわち、テストボード収容槽内に複数のテストボードを収容して、それを所定の温度に制御して、各ボードに電源、入力信号を供給して、それによる出力信号からボードに搭載された被テスト素子の良否判定結果を出力することに加えて、プログラムに従って、電圧、信号パターン、温度(温度は単一の場合もある)の組み合わせを含む複数のテストを順次、連続的または断続的に実行し、その結果を記憶装置に収納するテスト機能を有する。たとえば、固有欠陥のある半導体デバイス、または製造上のばらつきから、時間とストレスに依存する故障を起こす半導体装置を除く選別テストを行うバーンイン機能と、半導体装置のメモリ部におけるテストを行い、該半導体装置の良否判定、およびテスト結果に基づく分類までを行う機能とを有する装置である。
一方、類似の概念としてのテスタ・ハンドラは、単一のテストボードに対して、同様のテストを実行できるものである。本発明は、前記テストバーンイン装置を使用するものに限定されず、テスタ・ハンドラ等を改造して、実行できることは、言うまでもない。また、本来のバーンイン機能(加熱試験)は必須のものではない。
図1は、テストバーンイン装置1の構成を示すブロック図である。図示するように、テストバーンイン装置1は、マザーボード2が設けられている。
このマザーボード2には、たとえば、24個程度のスロット3が設けられている。各々のスロット3は、テストボード4がそれぞれ接続されている。テストボード4は、被テストデバイスである半導体装置を、たとえば、10個程度搭載する。
マザーボード2には、個々のスロット3に対応するように、24個程度のバックボード(テスト制御部)5、および同じく24個程度の電源ボード(電源部)6がそれぞれ搭載されている。マザーボード2には、固定DC電源7が搭載されている。電源ボード6は、固定DC電源7から供給された電源から、たとえば、3種類程度の電源電圧を生成し、テストボード4、およびバックボード5にそれぞれ供給する。
各々のバックボード5は、ハブ8を介して制御端末(テストコントローラ)9に接続されている。制御端末9は、たとえば、パーソナルコンピュータなどからなり、半導体装置に設けられているBIST(Built−In Self Test)におけるテスタ機能、ならびにハンドラ(テストシステム)10(図2)の制御を司る。バックボード5は、制御端末9の制御に基づいて、テストボード4へのテスト制御信号を生成し、テストボード4からの判定結果を処理する。
図2は、ハンドラ10の概要を説明する構成図である。
図2の右側における平面図において、下方には、ボードラック11が設けられている。ボードラック11の上方には、エレベータ12が設けられており、該エレベータ12の上方には、ローダ/アンローダ13が設けられている。
ローダ/アンローダ13の上方には、エレベータ14が設けられており、該ローダ/アンローダ13の左側には、上方から下方にかけて、バッファトレイ15、ローダトレイ16、良品トレイ17、不良トレイ18、ならびに未検トレイ19がそれぞれ設けられている。
ボードラック11は、テスト前の複数のテストボード4を収納する。エレベータ12は、ボードラック11に格納されているテストボード4を所定の位置に昇降させるとともに、ローダ/アンローダ13で他のテストボード4を処理中の際、該ローダ/アンローダ13が空くまでテストボード4を待機させるバッファとなる。
ローダ/アンローダ13は、テストを行う半導体装置をテストボード4上に搭載し、テストが終了した半導体装置をはずす。エレベータ14は、半導体装置20が搭載されTテストボード4を所定の位置に昇降させるとともに、テストバーンイン装置1のスロットが満杯の際に、スロットに空きが出るまでテストボード4を待機させるバッファとなる。
バッファトレイ15は、空きトレイを収納する。ローダトレイ16は、テストされる半導体装置が収納される。良品トレイ17は、テスト後に良品判定された半導体装置が収納され、不良トレイ18は不良品判定された半導体装置が収納される。未検トレイ19は、未検の半導体装置が収納される。未検とは、半導体装置20とテストボードに実装されている測定用ソケット4b(図6)との接触不良などによってメモリテストが実施されなかった半導体装置20を払い出すカテゴリであり、再検査の対象となる。
図3は、テストバーンイン装置1によってテストされる半導体装置20の一例を示す平面図、図4、図5は、テストバーンイン装置1によってテストされる半導体装置20の他の例を示す断面図である。
図3に示す半導体装置20は、いわゆる、平置きSiPからなり、プリント配線基板21に、マイクロコンピュータ、およびフラッシュメモリやSDRAM(Synchronous Dynamic RAM)などの複数の異種の半導体メモリなどからなる半導体チップ22〜25が搭載された構成からなる。
プリント配線基板21のチップ搭載面には、接続用電極、および配線パターンが形成されており、該接続用電極と半導体チップ22〜25に設けられた電極部とがバンプなどを介して接続されている。
プリント配線基板21の裏面には、バンプ用電極、ならびに配線パターンが形成されており、バンプ用電極と半導体チップ22〜25の電極部とは、配線パターン、ならびにスルーホールによってそれぞれ電気的に接続されている。
バンプ用電極は、所定のピッチでアレイ状に形成されており、該バンプ用電極には、外部接続端子となる球形のはんだからなるはんだバンプがそれぞれ形成されている。
また、図4における半導体装置20は、マイクロコンピュータとフラッシュメモリなどの半導体メモリからなる2つの半導体チップ26,27を積み重ねて実装したスタックドSiPからなる。
この場合、図4の半導体装置20は、表面実装形CSPの一種であるBGA(Ball Grid Array)から構成されている。プリント配線基板28のチップ搭載面中央部には、半導体チップ26が搭載されている。
プリント配線基板28のチップ搭載面中央部には、接続用電極29が形成されており、該接続用電極29と半導体チップ26の裏面に設けられた電極部とがバンプ30などを介して接続されている。
この半導体チップ26には、半導体チップ27が積層されており、絶縁樹脂などの接着材を介して接着固定されている。プリント配線基板28のチップ搭載面において、半導体チップ26の対向する2辺の周辺部近傍には、ボンディング電極、ならびに配線パターンが形成されている。プリント配線基板28に設けられたボンディング電極は、半導体チップ27主面の周辺部に形成された電極部とボンディングワイヤ31を介して接続されている。
プリント配線基板28裏面には複数のバンプ用電極がアレイ状に形成されており、該バンプ用電極には球形のはんだからなるはんだバンプ32がそれぞれ形成されている。
そして、これら半導体チップ26,27、プリント配線基板28のボンディング電極周辺、ならびにボンディングワイヤ31が、封止樹脂33によって封止されてパッケージが形成される。
さらに、図5における半導体装置20は、QFP(Quad Flat Package)型からなる。この場合、半導体装置20の中央部に位置するダイパッド34,35に、たとえばマイクロコンピュータとフラッシュメモリなどからなる2つの半導体チップ36,37が搭載されている。
これら半導体チップ36,37の4つの周辺部近傍には、複数のインナリード38が位置しており、半導体チップ36,37の主面に設けられた電極部とインナリード38とがボンディングワイヤ39を介して接続されている。
これら半導体チップ36,37、複数のインナリード38、ならびにボンディングワイヤ39が、封止樹脂40によって封止されてパッケージが形成される。このパッケージの4つの側辺からは、インナリード38が延在して形成された略L字状のアウタリード41が突出して設けられている。
図6は、テストボード4の形状の一例を示す説明図である。
図6に示すように、テストボード4の下方の辺部には、ボードエッジコネクタ4aが設けられている。このボードエッジコネクタ4aは、マザーボード2に設けられたスロット3に接続されるコネクタである。
テストボード4には、半導体装置20を搭載する測定用ソケット4bが、たとえば、10個程度実装されており、各々の測定用ソケット4bの下部には、該測定用ソケット4bに対応するように周辺回路4cがそれぞれ設けられている。
図7は、図6におけるテストボード4の構成を示すブロック図である。
図7においては、テストボード4におけるある1つの測定用ソケット4bに装着された半導体装置20、および該半導体装置20に対応する1つの周辺回路4cについて示している。
周辺回路4cには、ボードエッジコネクタ4aを介してバックボード5から出力されるテスト用信号、および電源ボード6が生成した各種電源電圧が供給されている。電源ボード6が生成した各種電源電圧は、ボードエッジコネクタ4aを介して半導体装置20にも供給される。周辺回路4cは、電圧レベルの変換やテストの指示、およびテスト終了時の結果などを保存する。
半導体装置20は、マイクロコンピュータであるCPU20a、SDRAM20b、およびフラッシュメモリ20cから構成されており、周辺回路4cを介して入出力されるテスト用信号などに基づいて、該CPU20aのBISTによってSDRAM20b、およびフラッシュメモリ20cがテストされる。
図8は、バックボード5、および電源ボード6の回路構成を示すブロック図である。
バックボード5には、CPUモジュール5a、およびFPGA5bが搭載されている。
CPUモジュール5aは、LANインタフェース42、SDRAM43、フラッシュメモリ44、CPU45、CFスロット46、およびバスインタフェース47などから構成されている。
これらLANインタフェース42、SDRAM43、フラッシュメモリ44、CPU45、CFスロット46、ならびにバスインタフェース47は、アドレスバスAB、およびデータバスDBによりそれぞれ相互に接続されている。
LANインタフェース42は、ホストである制御端末9(図1)とのインタフェースである。SDRAM43は、CPU45のワークエリアである。
フラッシュメモリ44は、ブートプログラムなどが格納されている。CFスロット46は、CF(Compact Flash)カード用のスロットであり、フラッシュメモリ44にブートされるプログラムが格納されている。
CPU45は、フラッシュメモリ44に格納されたプログラムに基づいて対応するテストボード4の制御を司る。バスインタフェース47は、FPGA5bが接続される外部バスとのインタフェースである。
FPGA5bは、ボードエッジコネクタ4aの入力ピン、およびI/Oピンに接続されるドライバ48、該ドライバに接続されるバッファ49、および電源コントロール部50などから構成されている。電源コントロール部50は、制御端末からの指示に基づいて、電源ボード6が生成する電源電圧の制御を行う。
電源ボード6には、4つの電源生成部51〜54が設けられている。電源生成部51は、FPGA5bのドライバに供給する電源電圧を生成する。電源生成部52〜54は、半導体装置20などに供給する異なる3つの電源電圧をそれぞれ生成する。
電源生成部51〜54には、D/A(Digital/Analog)変換器、レギュレータ、および過電流検出部がそれぞれ設けられている。D/A変換器は、電源コントロール部50から出力された制御信号をアナログ値に変換する。レギュレータは、D/A変換器から出力されたアナログ値に基づいて任意の電源電圧を生成する。過電流検出部は、過電流を検出した際に検出信号を出力する。
次に、本実施の形態におけるテストバーンイン装置1によるテスト技術について説明する。
始めに、図2のハンドラ10の動作について説明する。
図9は、テストバーンイン装置1、およびハンドラ10における仕様概要をそれぞれ示した図である。
図9においては、恒温槽の設定温度、温度精度、温度刻み、トレイの分類、スロットピッチ、テストボード4の冷却方法、恒温槽の構成、最小テスト時間、未検品の供給方法、テストボード4のID認識におけるそれぞれの仕様概要が示されている。
まず、半導体装置20はトレイに入って供給され、該半導体装置20はローダ/アンローダ13によってテストボード4に実装される。半導体装置20が実装されたテストボード4は、エレベータ14を経由してテストバーンイン装置1における恒温槽の空いている部分に1枚毎に供給される。
新たに半導体装置20が装着されたテストボード4は、他のテストボード4がテスト中に出し入れされるので、テストバーンイン装置1におけるテストボード4の出入り口には、各スロット毎に扉が開く構成となっている。また、テストボード4の1枚対応の恒温槽を必要スロットル枚数だけ準備してもよい。
テストが終了したテストボード4は1枚毎にエレベータ14を経由して冷却、回収される。続いて、テスト結果に応じて、個々の半導体装置20がローダ/アンローダ13で分類され、良品、不良品、未検品に分類されて、良品トレイ17、不良トレイ18、または未検トレイ19のいずれかに収納される。
この例では、ローダとアンローダとを同一としてスペース効率を向上させているが、ローダとアンローダとを各々別々に構成するようにしてもよい。なお、テストボード4には、たとえばバーコードにてIDが設置されており、これにより、ローダ/アンローダ13でテスト結果と照合して分類されるために用いられる他、特定のテストボード4の特定の測定用ソケットが不良であるなどの情報を装置が保有しておき、該当測定用ソケットには製品を詰めないなどの目的にも使用される。
次に、図1に示すテストバーンイン装置1の構成について説明する。
テストバーンイン装置1の主なテスト内容としては、半導体装置20に搭載されたマイクロコンピュータを利用した半導体メモリ(SDRAM、フラッシュメモリなど)のBISTによるメモリテスト、フラッシュメモリへの顧客データ書込み、およびマイクロコンピュータ、メモリ部へのバーンインなどがある。
また、テスタの機能はBIST専用とし、各バックボード5単位でテストボード4への信号を生成し、該テストボード4からの判定結果を処理する。さらに、専用のALPG(ALgorithmic Pattern Generator)やTG(Timing Generator)、アドレススクランブラなどは搭載せず、テストプログラムは、C言語にて作成される。
半導体装置20の実動作のクロック信号(66MHz程度)は半導体装置20のBISTにて実施し、BISTテスタはプログラム転送・結果判定のみで1MHz程度で、タイミング精度不問となっている。
図10は、テストバーンイン装置1におけるテスタ機能の概要を示した説明図である。
図10においては、項目の上段には、バックボード5に搭載されたCPUモジュール5aによる各々の機能を示しており、項目の下段には、制御端末9による各々の機能を示している。
次に、テストバーンイン装置1によるメモリテスト技術について説明する。
図11は、テストバーンイン装置1によるメモリテストの概要を示す説明図である。
半導体装置20が実装されたテストボード4から順次恒温槽に導入され、所定の温度に達した後、メモリテストがスタートとなる。このメモリテストのテスト時間は、たとえば、十分程度〜数十分程度である。
メモリテストの終了後、テストボード4が冷却され、続いてテスト結果に従ってハンドラ10により、良品(PASS)、不良(FAIL)、未検に分類、払い出しされる。恒温槽のテストボード収納枚数は、たとえば、24枚程度である。恒温槽内へはテストボード4が1枚単位で出し入れされる。
この恒温槽は、低温〜常温〜高温まで温度設定が可能である。低温の設定範囲は、たとえば、−50℃程度〜0℃程度であり、より広くは−55℃程度〜10℃程度である。この低温では、たとえば、自動車向け電子システムなどに用いられる半導体装置等がテストされる。
また、常温でのテストにおける温度設定は、25℃前後の室温で行われ、広くは15℃程度〜40℃程度まで設定範囲となる。高温でのテストの温度設定は、約125℃程度であり、広くは90℃程度〜150℃程度まで設定範囲となる。
図12は、テストバーンイン装置1におけるテストシーケンスを示したタイムチャートである。
まず、1枚目のテストボード4における測定用ソケット4bに、たとえば、10個程度の半導体装置20が装着される(詰め)。半導体装置20の装着が終了すると、テストボード4は、恒温槽に導入される。そして、恒温槽が、所定の温度に達した後(温度)、メモリテストがスタートされる(選別)。
続いて、メモリテストが終了すると、該テストボード4が冷却され、ハンドラ10によって半導体装置20は測定用ソケット4bから抜かれて、再び、テストボード4の測定用ソケット4bにテストされる新たな半導体装置20がそれぞれ装着される(抜き詰め)。その後、テストボード4は恒温槽に導入され、所定の温度に達した後(温度)、メモリテストが行われる(選別)。
また、2枚目のテストボード4においては、1枚目のテストボード4への半導体装置20の装着が終了した際に、続けて半導体装置20の装着(詰め)が行われる。2枚目のテストボード4も同様に、半導体装置20の装着が終了すると、恒温槽に導入され、所定の温度に達した後(温度)、メモリテストがスタートされる(選別)。
メモリテストが終了すると、テストボード4の冷却後、ハンドラ10によって半導体装置20が測定用ソケットから抜かれて、再び、テストボード4にテストされる半導体装置20が装着される(抜き詰め)。以下、3枚目〜24枚目までのテストボード4においても、同様のサイクルによってメモリテストが実行される。
よって、24枚のテストボード4は順次時間差を持って処理されることになり、各々のテストボード4は1枚単位で循環し、半導体装置20を詰め終わったテストボード4からテストスタート、テスト終了したテストボード4から半導体装置20を払い出すという枚葉処理のシーケンスとなる。ここで、枚葉処理とは、テストボード4を1枚ずつメモリテストする処理をいう。ただし、テスト自体は複数枚同時に処理されていることに、留意すべきである。すなわち、テスト装置への導入、テスト開始、終了、取り出し等が枚葉方式で行われるのである。なお、このことは装置の便宜上、2枚以上の同時導入等を排除するものではない。
次に、図13〜図20のフローチャート用いて、テストバーンイン装置1におけるテスト工程を詳細に説明する。ここでは、テストバーンイン装置1におけるある1つのスロットに着目して説明するが、他のスロットにおいても、以下に説明するテスト工程が個別に行われている。
図13、図14は、テストバーンイン装置1のスロットとテストボード4との数が同じ場合のテスト工程の一例を示したフローチャートである。
始めに、図13を用いて説明する。図13は、エレベータ12をバッファとして用い、ローダ/アンローダ13に空きが出るまでテストボード4を待機させる場合のテスト工程である。
まず、テストが終了したスロットの扉が開かれて(ステップS101)、テストボード4が該スロットから抜かれ(ステップS102)、スロットの扉が閉じられる(ステップS103)。
続いて、テストボード4は、エレベータ12で待機し、ローダ/アンローダ13の空き待ちを行った後(ステップS104)、ハンドラ10がテストボード4から半導体装置20をはずし、テスト結果に基づいて分類する(ステップS105)。
半導体装置20がはずされた後、テストボード4には、新たにテストされる半導体装置20が搭載されて(ステップS106)、ローダ/アンローダ13において待機となる(ステップS107)。
その後、ステップ102の処理において抜き出されたスロットの扉が開かれ(ステップS108)、テストボード4が該スロットに導入された後(ステップS109)、スロットの扉が閉じられる(ステップS110)。
そして、ステップS109の処理において導入されたテストボード4の温度が設定温度になるまで待機し(ステップS111)、設定温度になるとメモリテストが行われる(ステップS112)。
メモリテストにおいては、テスト1〜テストNがテストボード4に搭載されたM個の各半導体装置20毎に並列して実行される。そして、すべてのテストが終了すると、テストボード4から、テスト終了を示すフラグが出力される。バックボード5は、フラグに基づいてテスト終了を検出し、制御端末9に知らせる。その後、再びステップS101〜S112の処理が繰り返されることになる。
また、ステップS112の処理におけるメモリテストの時間は、たとえば、半導体装置20の製造ばらつきなどによって生じるメモリ部の書き込み/消去時間の違いやテスト不良となる半導体装置の数などによって大きく異なることになる。
たとえば、書き込み/消去時間が非常に長い半導体装置20が1つでもあると、テスト時間は該半導体装置20に律則され、長くなってしまう。また、テストボード4に搭載されたすべての半導体装置20が最初のテスト1で不良になった場合には、その時点でテスト終了となるのでテスト時間は大幅に少なくなる。
このように、テスト時間は、各スロットに導入されたテストボード4によって、それぞれ異なることになるので、上記ステップS101〜S112の処理は、各スロットに個別に行われることになる。
次に、図14によるテスト工程について説明する。図14は、エレベータ12をバッファとして用い、ローダ/アンローダ13に空きが出るまでテストボード4を待機させ、かつスロット内のテストボード4の温度が安定するまでの間、温度に関係のないテストを行う場合のテスト工程例である。
まず、テストが終了したスロットの扉が開かれて(ステップS201)、テストボード4が該スロットから抜かれた後(ステップS202)、スロットの扉が閉じられる(ステップS203)。続いて、テストボード4は、エレベータ12で待機し、ローダ/アンローダ13の空き待ちを行い(ステップS204)、ハンドラ10によってテストボード4から半導体装置20が引き抜かれ、テスト結果に基づいて分類される(ステップS205)。
その後、テストボード4には、新たにテストされる半導体装置20が搭載された後(ステップS206)、ローダ/アンローダ13において待機する(ステップS207)。その後、ステップ202の処理におけるスロットの扉が開かれ(ステップS208)、テストボード4が該スロットに導入された後(ステップS209)、スロットの扉が閉じられる(ステップS210)。
そして、テストボード4が導入されたスロットが設定温度となるまで待機した後、メモリテストが行われる(ステップS211)。このステップS211の処理においては、温度設定を開始し、設定温度が安定するまでの間、温度に関係ないテストを行う。これにより、テストを、より効率よく行うことが可能となる。
そして、メモリテストが終了すると、テストボード4から、テスト終了を示すフラグが出力される。バックボード5は、そのフラグに基づいてテスト終了を検出し、制御端末9に知らせる。その後、再びステップS201〜S211の処理が繰り返されることになる。
図15〜図20は、テストバーンイン装置1のスロットの数よりもテストボード4の数が、1枚あるいは2枚程度多い場合のテスト工程における例を示したフローチャートである。
始めに、図15を用いて説明する。図15は、エレベータ12をバッファ1,およびローダ/アンローダ13とエレベータ14の間に設けた待機部(図示せず)をバッファ2として用い、ローダ/アンローダ13に空きが出るまでテストボード4を待機させる場合のテスト工程である。これにより、テストを行う新たなテストボード4の準備を効率よく行うことができ、テスト効率をより向上させることができる。
まず、テストが終了したスロットの扉が開かれて(ステップS301)、テストボード4が該スロットから抜かれた後(ステップS302)、スロットの扉が閉じられる(ステップS303)。
続いて、テストボード4は、エレベータ12で待機し、ローダ/アンローダ13の空き待ちを行った後(ステップS304)、ハンドラ10によってテストボード4から半導体装置20が引き抜かれ、テスト結果に基づいて分類される(ステップS305)。
その後、テストボード4には、新たにテストされる半導体装置20が搭載された後(ステップS306)、待機部において待機し(ステップS307)、空きスロットを待つ。
スロットに空きが出ると、該スロットの扉が開かれ(ステップS308)、テストボード4が該スロットに導入された後(ステップS309)、スロットの扉が閉じられる(ステップS310)。
そして、ステップS309の処理において導入されたテストボード4の温度が設定温度になるまで待機し(ステップS311)、設定温度になるとメモリテストが行われる(ステップS312)。
次に、図16に示したテスト工程について説明する。この図16においては、待機部のみをバッファとして用い、ローダ/アンローダ13に空きが出るまでテストボード4を待機させる場合のテスト工程の他の例である。
まず、テストが終了したスロットの扉が開かれて(ステップS401)、テストボード4が該スロットから抜かれた後(ステップS402)、スロットの扉が閉じられる(ステップS403)。
続いて、ハンドラ10によってテストボード4から半導体装置20が引き抜かれ、テスト結果に基づいて分類される(ステップS404)。その後、テストボード4には、新たにテストされる半導体装置20が搭載された後(ステップS405)、待機部において待機し(ステップS406)、空きスロットを待つ。
スロットに空きが出ると、該スロットの扉が開かれ(ステップS407)、テストボード4が該スロットに導入された後(ステップS408)、スロットの扉が閉じられる(ステップS409)。
そして、ステップS408の処理において導入されたテストボード4の温度が設定温度になるまで待機し(ステップS410)、設定温度になるとメモリテストが行われる(ステップS411)。
次に、図17に示したテスト工程について説明する。図17は、エレベータ12,待機部をバッファとして用いず、ローダ/アンローダ13に空きがない場合には、スロット内でテストボード4を待機させ、スロットに空きがない場合にはローダ/アンローダ13でテストボード4を待機させる場合のテスト工程例である。
まず、テストが終了したスロットの扉が開かれて(ステップS501)、テストボード4が該スロットから抜かれた後(ステップS502)、スロットの扉が閉じられる(ステップS503)。
続いて、ハンドラ10によってテストボード4から半導体装置20が引き抜かれ、テスト結果に基づいて分類される(ステップS504)。続いて、テストボード4には、新たにテストされる半導体装置20が搭載され(ステップS505)、ローダ/アンローダ13において待機した後(ステップS506)、スロットの扉が開かれ(ステップS507)、テストボード4が該スロットに導入された後(ステップS508)、スロットの扉が閉じられる(ステップS509)。
そして、ステップS508の処理において導入されたテストボード4の温度が設定温度になるまで待機し(ステップS510)、設定温度になるとメモリテストが行われる(ステップS511)。
次に、図18に示したテスト工程について説明する。図18は、エレベータ12,待機部をバッファとして用い、ローダ/アンローダ13に空きが出るまでテストボード4を待機させ、かつスロット内のテストボード4の温度が安定するまでの間、温度に関係のないテストを行う場合のテスト工程例である。
まず、テストが終了したスロットの扉が開かれて(ステップS601)、テストボード4が該スロットから抜かれた後(ステップS602)、スロットの扉が閉じられる(ステップS603)。
その後、エレベータ12で待機し(ステップS604)、ローダ/アンローダ13の空き待ちを行った後、ハンドラ10によってテストボード4から半導体装置20が引き抜かれ、テスト結果に基づいて分類される(ステップS605)。
続いて、テストボード4には、新たにテストされる半導体装置20が搭載された後(ステップS606)、待機部において待機し、空きスロットを待つ(ステップS607)。
スロットに空きが出ると、該スロットの扉が開かれ(ステップS608)、テストボード4が該スロットに導入された後(ステップS609)、スロットの扉が閉じられる(ステップS610)。
そして、ステップS609の処理において導入されたテストボード4の温度設定を開始し、設定温度になるとメモリテストが行われる(ステップS611)。ここで、ステップS611の処理においては、温度設定を開始し、設定温度が安定するまでの間、温度に関係ないテストを行う。これにより、テストを、より効率よく行うことが可能となる。
次に、図19に示したテスト工程について説明する。図19は、待機部のみをバッファとして用い、ローダ/アンローダ13に空きがない場合には、スロット内でテストボード4を待機させ、スロットに空きが出るまで待機部でテストボード4を待機させ、かつスロット内のテストボード4の温度が安定するまでの間、温度に関係のないテストを行う場合のテスト工程例である。
まず、テストが終了したスロットの扉が開かれて(ステップS701)、テストボード4が該スロットから抜かれた後(ステップS702)、スロットの扉が閉じられる(ステップS703)。
続いて、ハンドラ10によってテストボード4から半導体装置20が引き抜かれ、テスト結果に基づいて分類された後(ステップS704)、テストボード4に、新たにテストされる半導体装置20が搭載され(ステップS705)、待機部において待機し、空きスロットを待つ(ステップS706)。
スロットに空きが出ると、該スロットの扉が開かれ(ステップS707)、テストボード4が該スロットに導入された後(ステップS708)、スロットの扉が閉じられる(ステップS709)。
そして、ステップS708の処理において導入されたテストボード4の温度設定を開始し、設定温度になるとメモリテストが行われ、テストが終了したテストボード4は該スロット内で待機となる(ステップS710)。
この場合も、ステップS710の処理においては、温度設定を開始し、設定温度が安定するまでの間、温度に関係ないテストを行う。これにより、テストを、より効率よく行うことが可能となる。
次に、図20に示したテスト工程について説明する。図20は、エレベータ12,待機部をバッファとして用いず、ローダ/アンローダ13に空きがない場合には、スロット内でテストボード4を待機させ、スロットに空きがない場合にはローダ/アンローダ13でテストボード4を待機させ、かつスロット内のテストボード4の温度が安定するまでの間、温度に関係のないテストを行う場合のテスト工程例である。
まず、テストが終了したスロットの扉が開かれて(ステップS801)、テストボード4が該スロットから抜かれた後(ステップS802)、スロットの扉が閉じられる(ステップS803)。
続いて、ハンドラ10によってテストボード4から半導体装置20が引き抜かれ、テスト結果に基づいて分類された後(ステップS804)、テストボード4に、新たにテストされる半導体装置20が搭載され(ステップS805)、ローダ/アンローダ13において待機し(ステップS806)、空きスロットを待つ。
スロットに空きが出ると、該スロットの扉が開かれ(ステップS807)、テストボード4が該スロットに導入された後(ステップS808)、スロットの扉が閉じられる(ステップS809)。
そして、ステップS808の処理において導入されたテストボード4の温度設定を開始し、設定温度になるとメモリテストが行われ、テストが終了したテストボード4は該スロット内で待機となる(ステップS810)。
この場合も、ステップS810の処理においては、温度設定を開始し、設定温度が安定するまでの間、温度に関係ないテストを行う。これにより、テストを、より効率よく行うことが可能となる。
以上、図14〜図20で示したメモリテストにおいては、図13と同様に、テスト1〜テストNが各半導体装置20毎に並列して実行される。そして、すべてのテストが終了すると、テストボード4から、テスト終了を示すフラグが出力される。バックボード5は、フラグに基づいてテスト終了を検出し、制御端末9に知らせる。その後、再び最初のステップの処理から繰り返されることになる。
また、図14〜図20のメモリテストにおいて、メモリテストの時間は、たとえば、半導体装置20の製造ばらつきなどによって生じるメモリ部の書き込み/消去時間の違いやテスト不良となる半導体装置の数などによって大きく異なることになる。
さらに、図13〜図20においては、テストボード4を1枚毎にスロットに導入する場合について記載したが、テストボード4は、いわゆる2枚葉方式等のように、2枚(あるいは3枚以上)同時にスロットに導入し、2枚(3枚以上)同時に該スロットから取り出すようにしてもよい。ただし、多くなるほどボードコスト削減効果は減少する可能性があるとともに、ボードを搬送するハンドラの負担が増大する。従って、枚葉方式すなわち、1枚葉方式がハンドラコストの点ではメリットがある。N枚の上限はN=4程度と見られるが、望ましくは、2枚葉以下がよい。
なお、ボードの挿入順序は初期的には上から(または下から)順でもよいが、これに限定されないことはいうまでもない。たとえば、ランダムに挿入しても良い。
この場合、同時に導入するテストボード4の枚数が多くなるほど、ハンドラ10の負荷が増えることになり、また、テスト待ち時間が増加してしまうなどのデメリットが生じてしまうことになる。
図21は、テストバーンイン装置1によるメモリテストのフローチャートである。
図21においては、たとえば、常温によるメモリテスト(常温選別)と高温のメモリテスト(高温選別)を行う場合について記載している。この図21において、バーンインを行う場合には、別工程、たとえば、後述するステップS901の処理の前などに行われることになる。
テストバーンイン装置1によって常温選別と高温選別とを行う場合、始めに、常温によるメモリテストが行われる(ステップS901)。続いて、高温によるメモリテストが行われた後(ステップS902)、ロジックテスタによって半導体装置20のCPU20aにおける論理機能、および電気的特性などが測定される(ステップS903)。
ここで、ステップS901,S902の処理では、ステップS901の処理において図12で説明したテストシーケンスによりメモリテストが終了した後、再び、ステップS902の処理において、図12で説明したテストシーケンスによるメモリテストが行われることになる。すなわち、常温選別と高温選別とで、それぞれ1回ずつメモリテストが個別に行われることになる。
なお、フラッシュメモリカードなどの不揮発性メモリにおけるテスト技術については、日本特願2002−141267号出願明細書および図面に詳しく記載されている。
図22は、本発明者が先に検討したバッチ処理によるメモリテスト工程のフローチャートである。
バッチ処理は、多数(たとえば72枚程度)のテストボードを用意し、同時に多数個(たとえば、1000個程度)の半導体装置のメモリテストを行う。
この場合、すべてのテストボードにテストされる半導体装置を装着し(ステップS1001)、バーンインとメモリテストとを一括して行っている(ステップS1002)。そしてメモリテストが終了すると、テストボードに装着されているすべての半導体装置をはずし(ステップS1003)、ロジックテスタによるテストが行われる(ステップS1004)。
図23は、テストバーンイン装置1によるメモリテストと先に本発明者が検討したバッチ処理によるメモリテストとの処理比較の説明図である。
図23において、上段には、バッチ処理によるメモリテストの処理時間と基板枚数と関係を示しており、下段には、テストバーンイン装置1の枚葉処理によるメモリテストの処理時間と基板枚数と関係を示している。また、テスト条件は、テスト時間が30分、高温選別により、たとえば1000個程度の半導体装置をテストする。
図示するように、バッチ処理で、たとえば、72枚のテストボードを用いる場合、すべてのテストボードに半導体装置を装着する詰め工程に必要な時間は1時間程度である。その後、72枚のテストボードを恒温槽に導入し、温度設定、メモリテスト、ならびにテストボードの冷却が終了するまでに、約1.2時間程度が必要となる。
メモリテストが終了した後、再び、1枚毎にテストボードから半導体装置をはずす工程に1時間程度が必要となり、メモリテストの合計処理時間は、約3.2時間程度になってしまう。
このように、バッチ処理では、詰め工程において、1枚毎にテストボードに半導体装置を装着するので、他の71枚のテストボードが待ち状態となってしまうことになる。また、恒温槽の温度設定では、すべてのテストボードを導入した後に一括して恒温槽を加熱するので、昇降温に時間がかかってしまうことになる。
一方、テストバーンイン装置1による枚葉処理では、約24枚程度のテストボードを用いて、図21において説明したシーケンスでメモリテストを実行することにより、約2.3時間程度ですべてのメモリテストが終了する。
このように、枚葉処理では、テストボード4の使用枚数の低減、およびテスト時間の短縮を行うことが可能である。
図24は、一般的なテストシステムにおけるテスト時間と測定数との関係を示した図である。
たとえば、ロジックテスタでは、測定個数は1個〜4個程度であり、テスト時間は数秒程度である。また、バーンイン機能を持たないメモリテスタでは、測定個数が数個〜128個程度であり、テスト時間は十秒〜十分程度である。さらに、バッチ式のテストバーンイン装置においては、測定個数が500個程度以上〜10000個程度であり、テスト時間は8時間程度〜100時間程度である。
このように、128個〜512個程度の半導体装置を十分程度〜数十分程度というテスト時間で効率よくテストするテストシステムは存在せず(図中、ハッチングの領域)、このようなテスト時間に合理的に対応でき、少ないテストのボードで、バッチ処理のテストバーンイン装置と同等以上のスループットを得ることのできるテストシステムとしてはテストバーンイン装置1(または単にテストバーンイン装置)が好適である。
図25は、枚葉処理のテストバーンイン装置1と先に検討したバッチ処理のテストバーンイン装置における効果を比較した説明図である。
この図25では、毎月所定数量の半導体装置のメモリテストを実施する場合における必要なテストボード枚数とメモリテストのコストとを比較しており、該メモリテストのコスト算出に関しては、コストモデル(必要テストボードの費用、装置投資償却費用、作業者費用、電気などのユーティリティ費用、メモリテストの歩留まり)を仮定した相対比較となっている。
図中、ハッチングで示す棒グラフは、バッチ処理における各テスト条件毎のテストボードの必要枚数(相対値)を示しており、白抜きで示す棒グラフは、枚葉処理における各テスト条件毎のテストボードの必要枚数(相対値)を示している。
また、実線で示した折れ線グラフは、バッチ処理における各テスト条件毎のテストコスト(相対値)を示しており、一点鎖線で示した折れ線グラフは、枚葉処理における各テスト条件毎のテストコスト(相対値)を示している。
この場合、図25に示すように、テスト時間(バーンインを含む)が少ない、特に、バーンインがなく高温または常温のいずれか一方のテスト条件で、大幅にテストコストを削減することが可能となっている。
一方、バーンインがあり、常温選別と高温選別とが両方あるテスト条件では、テストボード数の増加にもかかわらず、バッチ処理によるメモリテストのコストが枚葉処理よりも小さくなっている。
この結果から分かるように、半導体装置のメモリテスト時間が短い場合には枚葉式、逆にメモリテスト時間が長い(特にバーンインがある場合)場合には、バッチ処理によるメモリテストを行うというように使い分けることにより、より大幅にテスト効率を向上させることができる。
それにより、本実施の形態によれば、テストボード4の使用数を少なくしながら、メモリテストの時間を大幅に短縮することが可能となり、半導体装置20の製造コストを小さくすることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
前記実施の形態では、SiP製品の半導体装置におけるメモリテストについて記載したが、このメモリテストは、テストボードによってメモリテスト可能な製品であればSiP以外の半導体装置でもよい。
たとえば、MCP(Multi Chip Package)などのマイクロコンピュータ(CPU)を含まず、フラッシュメモリ、SRAM、DRAMなどの複数の半導体メモリによって構成された製品、マイクロプロセッサ、チップセット、ビデオチップなどの主要機能が1つの半導体チップに集約されたSoC(System on Chip)製品や、その他、BISTが導入されて多数個同時にメモリテストが可能な大容量フラッシュメモリなどのメモリ製品などのメモリテスタやハンドラでテストするにはテスト時間が長い半導体装置などである。
また、上記した半導体装置のみならず、たとえば、マルチメディアカードなどのメモリテスタ/ハンドラでテストするにはテスト時間が長いメモリカード製品やメモリモジュール製品などにも有効である。