JP2012246567A - 支持体付極薄銅箔とその製造方法 - Google Patents

支持体付極薄銅箔とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】支持体上に薄銅層が剥離可能に形成されている支持体付極薄銅箔の薄銅層の結晶状態を定量的に評価可能とし、エッチング性が良好で微細回路の加工に適すると共に、ハンドリング時の耐傷性を改善した支持体付極薄銅箔を提供する。
【解決手段】支持体上に薄銅層が剥離可能に形成されている支持体付極薄銅箔であって、薄銅層の230℃1時間加熱処理後のビッカース硬度が180〜240Hvである支持体付極薄銅箔を、薄銅層の形成に平均分子量が5000以下のゼラチンを15〜35ppm含有する硫酸銅めっき浴を用いることにより製造する。
【選択図】なし

Description

本発明は、微細回路の形成に適する支持体付極薄銅箔とその製造方法に関する。
プリント配線板の製造技術に基づく種々の半導体パッケージが提案、実用化されている。これらの半導体パッケージでは多端子化と高密度化に対応するため、微細回路を形成することが要求される。なお、微細回路とは、回路の幅ならびに回路の間隔が狭小なことを意味する。微細回路の形成にはセミアディティブ工法が用いられる傾向がある。セミアディティブ工法は次の工程からなる。すなわち、(1)樹脂基材上に極薄銅層を形成する工程、(2)回路部以外の極薄銅層上にレジストを形成する工程、(3)レジストで被覆された以外の部分の極薄銅層上に電気めっきにより回路の導体厚さを増加する工程、(4)レジストを除去する工程、(5)回路間の薄銅層をエッチング除去する工程、である。極薄銅層を樹脂基材上に形成するには、一般的な厚さの電解銅箔を樹脂基材と積層形成後に全面エッチングする方法もあるが、均一な厚さを確保することが難しい。一方、支持体上に剥離可能な極薄銅層を形成した支持体付極薄銅箔を樹脂基材と積層形成後に支持体を除去する方法は、極薄銅層の厚さが均一で、微細回路の形成に適している(特許文献1)。支持体付極薄銅箔は、支持体上に剥離層を形成後、硫酸浴等を用いた銅めっきにより極薄銅層を剥離層上に形成して製造する。極薄銅層の厚さは2〜5μmが一般的である。なぜなら極薄銅層は上記(3)の電気めっきにおける給電層として必須であるが、厚いと上記(5)のエッチング工程において、回路が過剰なエッチングを受け、断面が不整形となるからである。また、極薄銅層のエッチング速度が上記(3)の電気めっきで形成された回路の銅層に比べて遅いと同様に断面が不整形となり、好ましくない。更に微細回路間の絶縁性を確保するため、回路の直線性が良好であることが要求される。
エッチング性(速度、直線性)を決定する要因は3つある。第1は防錆処理金属に起因する要因で、防錆金属の種類、量によって調整することができる。なお、防錆処理金属は極薄銅層の露出された表面に形成されたニッケルやコバルト等を含有する金属の薄膜で、表面の好ましくない劣化を防止するために必須である。第2は樹脂基材との密着性を確保するために接着面に施される粗化処理に起因する要因で、粗化粒子の状態(高さ、密度等)によって調整することができる。第3は薄銅層の結晶状態に起因する要因である。
銅層のエッチング速度を改善する手段として、有機物を意図的に高濃度に分散させた高炭素含有銅にすることが特許文献2に示されている。しかし、炭素含有量が増加すると導電性が低下し、高速信号への対応が必要な半導体パッケージに使用するのは問題がある。また、円柱状結晶及び双晶境界がなく平均粒子サイズが10μm以下であること、600N/mmを超える常態引張強さとすることが特許文献3に示されている。しかし、製造工程において結晶状態の観察が必要であるが、これは工業的な量産では困難であり、また、支持体付極薄銅箔では極薄銅層の引張強さが600N/mmを超えると内部応力により極薄銅側にカールが大きく発生し、取扱い性が著しく困難で実際の製造ラインで使用することができない。
国際公開第2006/013735号パンフレット 特開2005−72290号公報 特開平07−188969号公報
このようなことから、本発明では支持体付極薄銅箔の薄銅層の結晶状態を定量的に評価可能とし、エッチング性が良好で微細回路の加工に適すると共に、ハンドリング時の耐傷性を改善した支持体付極薄銅箔を提供することを目的とする。
本発明者らは結晶粒の大きさに着目し、エッチング性との関係を検討することとして本発明を完成した。極薄銅層の結晶状態はめっき条件によって変化させることができる。一般的にはめっき時の電流密度がめっき浴の限界電流密度に近くなるほど結晶は微細化する。めっき電流密度を上げる以外には浴温度の低下、めっき液中銅濃度の低下、撹拌量の低下等はいずれも同様な効果がある。また、ゼラチン、膠等の有機添加剤を添加することによっても結晶は微細化できる。
一方、プリント配線板を製造する場合には樹脂基材を硬化させるため加熱・加圧処理が行われる。一般的なFR−4基材で180℃、1時間程度、高耐熱性基材の場合には230℃の加熱が行われる。この時、微細化した結晶は加熱条件及び薄銅層製造条件により程度の差はあるものの再結晶が進み結晶が大きくなる。
結晶が大きいとエッチング速度が遅いとともに細線の形成が難しくなる問題点がある。これは結晶界面が結晶内部よりもエッチングされやすいことによる。すなわち、結晶粒が小さいと結晶界面が多数存在し、エッチングが容易に行われること、さらに、結晶粒内部のエッチングではエッチングの不均一さが生じやすく、結局、エッチングにより形成される断面が不整形となりやすいことによる。結果としてエッチングにより形成された回路の直線性が十分でないこととなり、これは特に回路間隔が狭い場合には深刻な問題となる。
特にセミアディティブ工法で用いられる硫酸−過酸化水素系のエッチング液ではその影響が顕著となる。回路間隔が10μm以下の微細配線になると直線性の低い回路では回路間の絶縁性が確保できず、ショートする可能性が高まる。
また、再結晶した銅層は一般に機械的強度(引張強さ)が小さい。機械的強度が小さいと、ハンドリング時に傷つきやすく、薄銅層では貫通した穴となりやすく、形成された微細回路に欠陥が生じる恐れがある。
従って、銅張積層板の製造時における薄銅層のエッチング性、耐傷性、ハンドリング性を評価するためには、積層工程時と同様の加熱履歴後の薄銅層の特性を管理することが必要となる。
本発明者らが検討した結果、平均分子量が5000以下のゼラチンを添加剤として15〜35ppm添加した硫酸銅めっき浴を用いて支持体上や、支持体上の剥離層上に陰極電解処理することにより、高温加熱後も適度な機械的強度を有し、エッチング性に優れ、かつハンドリング性にも優れる薄銅層を形成できることを見出した。
即ち、本発明は、(1)支持体上に薄銅層が剥離可能に形成されている支持体付極薄銅箔であって、薄銅層の230℃1時間加熱処理後(以下、単に加熱後ということがある。)のビッカース硬度が180〜240Hvであることを特徴とする支持体付極薄銅箔に関する。
また、本発明は、(2)薄銅層の230℃1時間加熱処理後の引張強さが500〜600N/mmであることを特徴とする(1)に記載の支持体付極薄銅箔に関する。
また、本発明は、(3)薄銅層の230℃1時間加熱処理後の断面の結晶粒度が0.0005mm以下であることを特徴とする(1)又は(2)に支持体付極薄銅箔に関する。
また、本発明は、(4)支持体が金属からなる支持体金属層であり、支持体金属層と薄銅層との間に、薄銅層を剥離可能とする剥離層を有する(1)〜(3)いずれかに記載の支持体付極薄銅箔に関する。
また、本発明は、(5)平均分子量が5000以下のゼラチンを15〜35ppm含有する硫酸銅めっき浴を用いて電解処理することにより形成される薄銅層を、支持体上に剥離可能に形成することを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の支持体付極薄銅箔の製造方法に関する。なお、本明細書中、ゼラチンの平均分子量とは、写真用ゼラチン試験方法第10版(2006年版)の平均分子量測定法に規定される重量平均分子量を意味する。
また、本発明は、(6)(1)〜(4)いずれかに記載の支持体付極薄銅箔を用いて得られる銅張積層板に関する。
本発明による薄銅層を有する支持体付極薄銅箔は、エッチング性が良好で微細回路形成に適すると共に、ハンドリング時の耐傷性を改善できるので、半導体パッケージ等の製造に用いるセミアディティブ工法に適する。
図1は、実施例1で製造した銅張積層板の断面SIM観察写真である。 図2は、比較例1で製造した銅張積層板の断面SIM観察写真である。
本発明で用いる支持体としては、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔、ステンレス箔、チタン箔、チタン合金箔、圧延銅箔及び電解銅箔等の金属からなる支持体金属層が挙げられ、その厚さも、特に規定するものではない。コストや製造工程、機械特性及び化学特性から、銅からなる支持体金属層を用いることが好ましく、例えば、厚さ8μm〜35μmの電解銅箔が好ましい。表面粗さについては、薄銅層と樹脂基材との接着強度が必要な場合は、支持体金属層の表面粗さは、回路直線性に影響しない範囲で大きいことが好ましく、一方、微細回路の形成が必要な場合は、表面粗さが小さいことが望ましい。また、薄銅層が薄い場合も表面粗さの小さいことが好ましい。
支持体金属層が、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス、チタン、チタン合金等の材質からなる場合には、支持体金属層の上にめっき処理によって直接薄銅層を形成することにより、薄銅層を剥離可能に形成することができる。
支持体金属層の材質が銅である場合には、支持体金属層と薄銅層との間に、剥離を可能とする剥離層を設けることが好ましい。剥離層は有機系剥離層、無機系剥離層のいずれであってもよく、また、それらの組合せでも用いることができる。
有機系剥離層としては、例えば、ベンゾトリアゾール等のトリアゾール化合物、オレイン酸等のカルボン酸化合物、チオール化合物等からなる剥離層が挙げられる。無機系剥離層としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等から選ばれる1種以上の金属及びその金属酸化物、並びに、クロム、モリブデン、タングステンから選ばれる1種以上の金属及びその金属酸化物を含有する剥離層が挙げられる。また、上記有機系剥離層と無機系剥離層とを組み合わせた剥離層としてもよい。耐熱性の点から無機系剥離層が好ましい。
剥離層の形成前に、支持体金属層の表面を適切な前処理によって清浄化することが好ましい。通常の酸洗処理のほか、アルカリ脱脂や電解洗浄を行ってもよい。
無機系剥離層の具体例としては、例えば特許文献1に示される方法で形成される剥離層が挙げられる。この剥離層は、タングステンの合金及びタングステンを含有する金属酸化物を含有する層、又はモリブデンの合金及びモリブデンを含有する金属酸化物を含有する層である。この剥離層は、めっき浴として、タングステン酸化合物若しくはモリブデン酸化合物と、鉄族元素を含有する化合物と、クエン酸とを含有するめっき浴を用いて電解めっきすることにより形成され、一方の表面がタングステン又はモリブデンの合金から主としてなり、他方の表面がタングステン又はモリブデンを含有する金属酸化物から主としてなる剥離層が形成される。支持体金属層を陰極として電解めっきを行うと、支持体金属層に接する剥離層の表面は、合金を主として含有する表面となる。剥離層の他方の表面は、金属酸化物を主として含有する表面となり、薄銅層の剥離を可能とする。めっき浴に用いられる鉄族元素としては、ニッケルが好ましく用いられる。めっき浴には、液抵抗値調整の目的で、硫酸ナトリウムなどの無機塩を添加してもよい。めっき浴中のタングステン酸化合物又はモリブデン酸化合物の濃度は、各々金属換算で、通常、0.1〜10g/l、好ましくは0.5〜2g/lである。また、鉄族元素を含有する化合物の濃度は、金属換算で、通常、0.6〜60g/l、好ましくは3〜12g/lである。クエン酸の濃度は、ナトリウムイオン等の析出しない金属を除く金属種に対してモル換算で、すなわち、タングステン酸化合物又はモリブデン酸化合物と鉄族元素を含有する化合物との合計モル数に対して、通常、0.2〜5倍、好ましくは0.5〜2倍である。タングステン酸化合物としては、例えば、タングステン酸ナトリウム2水和物等のタングステン酸塩又はその水和物を用いることができる。モリブデン酸化合物としては、例えば、モリブデン酸ナトリウム2水和物等のモリブデン酸塩又はその水和物を用いることができる。鉄族元素を含有する化合物としては、例えば、硫酸ニッケル6水和物等のニッケル塩又はその水和物を用いることができる。クエン酸源としては、例えば、クエン酸3ナトリウム2水和物等のクエン酸塩又はその水和物を用いることができる。めっき浴の溶媒は通常水である。めっき浴温度は、通常、5〜70℃、好ましくは10〜50℃である。電流密度は、通常、0.2〜10A/dm、好ましくは0.5〜5A/dmである。また、めっき浴のpHは、通常、2〜8、好ましくは4〜7の範囲である。上記の条件で電気めっきを行うと、まず、主として金属が析出し、電解めっきの進行とともに酸化物が主として析出される。酸化物から主としてなる表面が剥離機能を発現し、一方、金属を主体とする表面は、銅原子の熱拡散による層構造の一体化を抑制する。剥離層の厚さと組成は、めっき浴の組成と電解条件によって制御される。通常、このようにして形成する剥離層の厚さは、0.005〜0.5μmとなる。剥離層は、一段で形成してもよいが、電気めっきを複数回繰り返して形成してもよい。
本発明における薄銅層は、230℃、1時間加熱処理後のビッカース硬度が180〜240Hvであり、185〜235Hvであることが好ましい。加熱後のビッカース硬度が180Hv未満であると、加熱によって薄銅層の再結晶が進んで結晶粒度が大きくなっており、エッチング後の回路直線性が低下する。一方、加熱後のビッカース硬度が240Hvより大きい場合には、薄銅層が硬くなり過ぎて脆くなる傾向があり、ハンドリング時に割れが発生する恐れがある。
また、薄銅層は、230℃、1時間加熱処理後の引張強さが500〜600N/mmであることが好ましく、505〜580N/mmであることがより好ましい。加熱後の引張強さが500N/mm未満の場合には、薄銅層の再結晶が進んで結晶粒度が大きくなってしまっており、エッチング後の回路直線性が低下する。一方、加熱後の引張強さが600N/mmより大きい場合には、薄銅層めっき後加熱前の薄銅層の内部応力(引張応力)が高くなりすぎ、支持体付極薄銅箔全体がカールして搬送時に不具合が発生することがある。
さらに、薄銅層は、230℃、1時間加熱処理後の断面の結晶粒度が0.0005mm以下であることが好ましく、0.00025〜0.0005mmであることがより好ましい。結晶粒度が0.0005mmより大きい場合にはエッチング後の回路直線性が低下する傾向がある。結晶粒度が0.0002mm以下である場合には、薄銅層めっき後加熱前の内部応力(引張応力)が高くなりすぎ、支持体付極薄銅箔全体がカールして搬送時に不具合が発生する傾向がある。
薄銅層の厚さは用途に応じて任意に設定することができる。微細回路を形成するためには、通常、0.1〜10μmが好ましく、2〜5μmとするとより好ましい。
薄銅層は、平均分子量が5000以下のゼラチンを添加剤として15〜35ppm(mg/l、以下同様)含有する硫酸銅めっき浴を用いて陰極電解処理して形成することが好ましい。薄銅層の形成は、支持体金属層又は剥離層を形成した支持体金属層を陰極とし、上記の硫酸銅めっき浴を用いて電解処理して支持体金属層又は剥離層上に銅めっきすることにより行うことが好ましい。
ゼラチンの平均分子量が5000よりも大きい場合、加熱による薄銅層の再結晶が著しくなり、加熱後の結晶が大きくなってしまう。この理由については十分に解明されていないが、ゼラチンの分子量が大きくなるとめっき時に結晶粒界に取り込まれ難くなり、結果として再結晶が進みやすくなるためと考えられる。ゼラチンの平均分子量は、500〜5000であることが好ましく、1000〜5000であることがより好ましい。ゼラチンの平均分子量が500未満であると、硫酸銅めっき浴に添加したゼラチンが酸性溶液中で分解されて更に低分子量のアミノ酸等の有機化合物に分解され、めっき時に結晶粒界に取り込まれても再結晶を防止する効果が小さくなる傾向がある。
硫酸銅めっき浴中のゼラチンの濃度は15〜35ppmであることが好ましい。ゼラチンの濃度が15ppm未満の場合、加熱による再結晶の抑制効果が低く、加熱後に微細な結晶状態が維持できない。ゼラチンの濃度が35ppmを超えると、加熱による再結晶は抑制されるが、めっきにより形成される薄銅層の内部応力が高くなりすぎ、支持体付極薄銅箔がカールして、搬送時に不具合が発生する。
硫酸銅めっき浴としては、例えば、硫酸銅5水和物、硫酸、ゼラチン及び塩素を含有する硫酸酸性硫酸銅メッキ浴が好適に用いられる。硫酸銅めっき浴中の硫酸銅5水和物の濃度は、好ましくは50g/l〜300g/l、より好ましくは100g/l〜200g/lである。硫酸の濃度は、好ましくは40g/l〜160g/l、より好ましくは80g/l〜120g/lである。ゼラチンの濃度は、上記のとおりである。塩素の濃度は、好ましくは1〜20ppm、より好ましくは3〜10ppmである。めっき浴の溶媒は、通常、水である。めっき浴の温度は、好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃である。電解処理時の電流密度は、好ましくは1〜15A/dmであり、より好ましくは2〜10A/dmである。
薄銅層を形成する際、上記の硫酸銅めっき浴を用いる電解処理前に、ピンホールの発生を防止するため、いわゆる付きまわりの良いめっき浴を用いたストライクめっきを用いることができる。ストライクめっきに用いられるめっき浴としては、例えば、ピロリン酸銅めっき浴、クエン酸銅めっき浴、クエン酸銅ニッケルめっき浴などが挙げられる。
ピロリン酸銅めっき浴としては、例えば、ピロリン酸銅及びピロリン酸カリウムを含有するめっき浴が好適である。ピロリン酸銅めっき浴中のピロリン酸銅の濃度は、好ましくは60g/l〜110g/l、より好ましくは70g/l〜90g/lである。ピロリン酸カリウムの濃度は、好ましくは240g/l〜470g/l、より好ましくは300g/l〜400g/lである。めっき浴の溶媒は、通常、水である。めっき浴のpHは、好ましくは8.0〜9.0、より好ましくは8.2〜8.8である。pH値調整のために、アンモニア水等を添加してもよい(以下同様)。めっき浴の温度は、好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃である。電解処理時の電流密度は、好ましくは0.5〜10A/dmであり、より好ましくは1〜7A/dmである。電解処理時間は、好ましくは5〜40秒、より好ましくは10〜30秒である。
クエン酸銅めっき浴としては、例えば、硫酸銅5水和物及びクエン酸3ナトリウム2水和物を含有するめっき浴が好適である。クエン酸銅めっき浴中の硫酸銅5水和物の濃度は、好ましくは10g/l〜50g/l、より好ましくは20g/l〜40g/lである。クエン酸3ナトリウム2水和物の濃度は、好ましくは20g/l〜60g/l、より好ましくは30g/l〜50g/lである。めっき浴の溶媒は、通常、水である。めっき浴のpHは、好ましくは5.5〜7.5、より好ましくは6.0〜7.0である。めっき浴の温度は、好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃である。電解処理時の電流密度は、好ましくは0.5〜8A/dmであり、より好ましくは1〜4A/dmである。電解処理時間は、好ましくは5〜40秒、より好ましくは10〜30秒である。
クエン酸銅ニッケルめっき浴としては、例えば、硫酸銅5水和物、硫酸ニッケル6水和物及びクエン酸3ナトリウム2水和物を含有するめっき浴が好適である。クエン酸銅ニッケルめっき浴中の硫酸銅5水和物の濃度は、好ましくは10g/l〜50g/l、より好ましくは20g/l〜40g/lである。硫酸ニッケル6水和物の濃度は、好ましくは1g/l〜10g/l、より好ましくは3g/l〜8g/lである。クエン酸3ナトリウム2水和物の濃度は、好ましくは20g/l〜60g/l、より好ましくは30g/l〜50g/lである。めっき浴の溶媒は、通常、水である。めっき浴のpHは、好ましくは5.5〜7.5、より好ましくは6.0〜7.0である。めっき浴の温度は、好ましくは20〜60℃、より好ましくは30〜50℃である。電解処理時の電流密度は、好ましくは0.5〜8A/dmであり、より好ましくは1〜4A/dmである。電解処理時間は、好ましくは5〜40秒、より好ましくは10〜30秒である。
薄銅層の表面には、公知の方法で、樹脂基材との接着性を向上させる目的で粗化処理を行なってもよく、また、クロメート処理などの公知の方法により防錆処理を行ってもよい。また、必要に応じて、樹脂基材との接着性を向上させる目的で、シランカップリング剤等による接着強化処理を行ってもよい。また、コバルトやニッケルなどの薄膜を形成することにより、基材樹脂と薄銅層の相互作用による劣化を防止することができる。
本発明の支持体付極薄銅箔と樹脂基材とを、薄銅層側を樹脂基材に面して積層成形して銅張積層板とし、プリント配線板の製造に用いることができる。樹脂基材としては、例えば、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、マレイミド系樹脂、トリアジン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブタジエン系樹脂のいずれか一種を少なくとも含有するものを用いることができる。ポリイミド系樹脂としては、例えばポリイミド、ポリアミドイミドや、それらの前駆体、例えばポリアミド酸などが挙げられる。銅張積層板の製造には、通常、これら樹脂の少なくとも1種をガラス布等に含浸させたプリプレグが樹脂基材として用いられ、支持体付極薄銅箔と樹脂基材とを、薄銅層側を樹脂基材に面して加熱加圧することにより銅張積層板を製造する。また、本発明において、銅張積層板は、銅張樹脂フィルムも含むものであり、銅張樹脂フィルムの製造には、通常、上記の樹脂の少なくとも1種を含有する樹脂基材溶液が用いられる。即ち、本発明の支持体付極薄銅箔の薄銅層上に樹脂基材溶液を塗布し、加熱することによって銅張樹脂フィルムとし、プリント配線板の製造に用いることもできる。プリント配線板の製造に当たっては、銅張積層板又は銅張樹脂フィルムから支持体(支持体金属層の材質が銅であって、支持体金属層と薄銅層との間に剥離層が形成されている場合には、支持体金属層及び剥離層)を剥離した後、薄銅層をエッチング加工して回路を形成することにより、プリント配線板を得ることができる。また、回路形成は、前述のセミアディティブ法で行うこともでき、特に制限はない。
以下、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
1.支持体付極薄銅箔の製造
(1)支持体金属層となる金属箔として厚さ18μmの電解銅箔を用い、硫酸30g/lの水溶液で4秒間陰極電解処理を行い表面清浄化後に流水で30秒間水洗を行った。
(2)洗浄した電解銅箔を陰極とし、酸化イリジウムコーテイングを施したTi極板を陽極(以下の陽極は全て同様)として、硫酸ニッケル6水和物30g/l、モリブデン酸ナトリウム2水和物3.0g/l、クエン酸3ナトリウム2水和物30g/l、pH6.0、液温度30℃の浴にて電解銅箔の光沢面に電流密度20A/dmで5秒間電解処理し、ニッケルとモリブデンからなる金属及び金属酸化物を含有する剥離層を形成した。
(3)剥離層の形成後、ピロリン酸銅めっき浴と硫酸銅めっき浴を順次用いて厚さ3μmの薄銅層を形成した。薄銅層形成のためのめっき条件は、下記のとおりである。
i)ピロリン酸銅めっき
電解液組成:ピロリン酸銅80g/l、ピロリン酸カリウム320g/l、アンモニア水2ml/l
pH:8.5
電流密度:2.0A/dm
時間:20秒
温度:40℃
ii)硫酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物160g/l、硫酸100g/l、平均分子量5000のゼラチン(ニッピ社製、商品名PBH)15ppm、塩素5ppm、
電流密度:3.5A/dm
時間:220秒
温度:40℃
(4)薄銅層を形成後の表面に、硫酸銅5水和物150g/l、硫酸100g/l、液温度30℃に調整しためっき浴(限界電流密度15A/dm)を用いて1.電流密度30A/dmで3秒間陰極電解処理し、2.電流密度5A/dmで80秒間陰極電解処理してコブ状の銅粒子からなる粗化層を形成した。
(5)次に粗化層を形成後の表面に、重クロム酸ナトリウム2水和物3.5g/l、pH4.0、液温度28℃に調整した水溶液を用いて電流密度0.5 A/dmで2.5秒間陰極電解処理し、粗化層上にクロメート層を形成した。
(6)クロメート層を形成した表面に、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.1wt%の水溶液に浸漬後、直ちに80℃で乾燥して、クロメート層上にシランカップリング剤処理層を形成した。
2.ビッカース硬度の測定
ビッカース硬度の測定は、JIS Z 2244に準拠し、以下の手順で、アカシ社製、微小硬度計(型番MVK−2H)を用いて23℃で行った。
(1)薄銅層まで形成した支持体付極薄銅箔を230℃に加熱したオーブン(窒素雰囲気)中に1時間放置した後、10×10mm角にカットした。
(2)カット試料に負荷速度3μm/秒、試験荷重5gf、保持時間15秒の条件で圧痕をつけ、圧痕の測定結果からビッカース硬度を算出した。
(3)任意の5点のビッカース硬度を測定した平均値をその条件の値とした。
測定結果をまとめて表1に示す。
3.引張強さの測定
引張強さは5μm以下の厚さでは正確な測定が困難なため、薄銅層形成時の硫酸銅めっきによる電解処理時間を調整して、12μmの厚さまでめっきアップした支持体付極薄銅箔を230℃に加熱したオーブン(窒素雰囲気)中に1時間放置してから支持体を剥離し、JIS C 6515の付属書Aに規定された方法に準じて23℃で測定した。
測定結果をまとめて表1に示す。
4.エッチング速度の測定
[1]エッチング液の調整
(1)蒸留水650mlに化学研磨液(三菱瓦斯化学(株)製、商品名:CPE−800)320mlと硫酸30mlを加え、攪拌する。
(2)(1)の液に銅箔50gを少しずつ加えて溶解する。
(3)(2)の液中過酸化水素濃度が1.5±0.1wt%となるように調整する。
[2]エッチング速度の測定
(1)1.(6)で得られたシランカップリング剤処理まで施した支持体付極薄銅箔の薄銅層側を接着面としてプレス圧力3.8MPa、プレス温度230℃で1時間、高耐熱性FR−4基材に積層し、銅張積層板を作製する。
(2)銅張積層板を規定サイズ(80mm×40mm)にカットしてサンプルとし、サンプル寸法をノギスで正確に測定し、面積を算出する。
(3)支持体を剥離層と共に剥離除去した各サンプルの重量を電子天秤で0.1mgの単位まで測定する。
(4)エッチング液の温度を30℃に保温し、撹拌した状態で試験サンプルをエッチング液に浸漬する。
(5)エッチング時間を変えたサンプルのエッチング後重量を電子天秤で0.1mgの単位まで測定し、エッチング前の重量との差から時間当たりのエッチング量を算出する。
測定結果をまとめて表1に示す。
5.回路直線性の評価
(1)1.(6)で得られたシランカップリング剤処理まで施した支持体付極薄銅箔の薄銅層側を接着面としてプレス圧力3.8MPa、プレス温度230℃で1時間、高耐熱性FR-4基材に積層し、銅張積層板を作製する。
(2)支持体を剥離層と共に剥離除去した後、薄銅層表面の酸化銅等を除去するために、表面を化学研磨液(三菱瓦斯化学(株)製、商品名:CPB−60)で5秒間、23℃でソフトエッチングし、ドライフィルムレジスト(日立化成工業(株)製、商品名:フォテックH−N920、厚さ20μm)を用いて、回路幅50μm、回路間隔50μmのくし型の回路パターンを露光、現像により作製する。
(3)エッチング速度を測定したエッチング液と同様のエッチング液を用いて回路間の幅が50μmとなる条件で薄銅層をエッチングする。
(4)エッチング後の回路を真上から顕微鏡観察し、回路ボトム部の輪郭を目視評価した。
○:顕微鏡観察で、回路ボトム部の輪郭が直線に見える
×:顕微鏡観察で、回路ボトム部の輪郭が曲線状に見える部分がある
測定結果をまとめて表1に示す。
6.結晶粒度の評価
JIS H 0501に準じて測定した。手順は下記のとおりである。
(1)1.(6)で得られたシランカップリング剤処理まで施した支持体付極薄銅箔の薄銅層側を接着面としてプレス圧力3.8MPa、プレス温度230℃で1時間、高耐熱性FR-4基材に積層し、銅張積層板を作製する。
(2)支持体を剥離層と共に剥離除去した銅張積層板をFIB(収束イオンビーム)加工装置で加工し、SIM(Scanning Ion Microscope)観察写真を撮影する。
(3)撮影した写真の断面の結晶粒度をJIS H 0501に規定される比較法の標準写真から算出する。なお、この規格の付図には75倍で観察した結晶粒度0.010mmまでしか示されていないので、最も類似した図と観察時の倍率を勘案して算出した。
測定結果をまとめて表1に示す。また、図1に断面観察写真を示す。図1中、1は薄銅層であり、2は樹脂基材、3はFIB加工の際に表面を保護する目的で形成されたタングステンの保護膜である。
[実施例2]
剥離層形成までは実施例1と同様に行い、クエン酸銅めっき浴と硫酸銅めっき浴を順次用いて厚さ3μmの薄銅層を形成した。薄銅層形成のためのめっき条件は、下記のとおりである。
i)クエン酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物30g/l、クエン酸3ナトリウム2水和物40g/l
pH:6.5
電流密度:2.0A/dm
時間:20秒
温度:40℃
ii)硫酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物160g/l、硫酸100g/l、平均分子量3000のゼラチン(ニッピ社製、商品名PBF)20ppm、塩素5ppm、
電流密度:3.5A/dm
時間:220秒
温度:40℃
その後の粗化・表面処理及び特性評価も実施例1と同様に行った。全ての測定結果を表1に示す。
[実施例3]
剥離層形成までは実施例1と同様に行い、クエン酸銅めっき浴と硫酸銅めっき浴を順次用いて厚さ3μmの薄銅層を形成した。薄銅層形成のためのめっき条件は、下記のとおりである。
i)クエン酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物30g/l、クエン酸3ナトリウム2水和物40g/l
pH:6.5
電流密度:2.0A/dm
時間:20秒
温度:40℃
ii)硫酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物160g/l、硫酸100g/l、平均分子量1000のゼラチン(ニッピ社製、商品名PA-10)25ppm、塩素5ppm、
電流密度:3.5A/dm
時間:220秒
温度:40℃
その後の粗化・表面処理及び特性評価も実施例1と同様に行った。全ての測定結果を表1に示す。
[実施例4]
剥離層形成までは実施例1と同様に行い、クエン酸銅ニッケルめっき浴と硫酸銅めっき浴を順次用いて厚さ3μmの薄銅層を形成した。薄銅層形成のためのめっき条件は、下記のとおりである。
i)クエン酸銅ニッケルめっき
電解液組成:硫酸銅5水和物30g/l、硫酸ニッケル6水和物5g/l、クエン酸3ナトリウム2水和物40g/l
pH:6.5
電流密度:2.0A/dm
時間:20秒
温度:40℃
ii)硫酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物160g/l、硫酸100g/l、平均分子量1000のゼラチン(ニッピ社製、商品名PA-10)35ppm、塩素5ppm、
電流密度:3.5A/dm
時間:220秒
温度:40℃
その後の粗化・表面処理及び特性評価も実施例1と同様に行った。全ての測定結果を表1に示す。
[実施例5]
剥離層形成までは実施例1と同様に行い、クエン酸銅ニッケルめっき浴と硫酸銅めっき浴を順次用いて厚さ3μmの薄銅層を形成した。薄銅層形成のためのめっき条件は、下記のとおりである。
i)クエン酸銅ニッケルめっき
電解液組成:硫酸銅5水和物30g/l、硫酸ニッケル6水和物5g/l、クエン酸3ナトリウム2水和物40g/l
pH:6.5
電流密度:2.0A/dm
時間:20秒
温度:40℃
ii)硫酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物160g/l、硫酸100g/l、平均分子量5000のゼラチン(ニッピ社製、商品名PBH)30ppm、塩素5ppm、
電流密度:3.5A/dm
時間:220秒
温度:40℃
その後の粗化・表面処理及び特性評価も実施例1と同様に行った。全ての測定結果を表1に示す。
[比較例1]
剥離層形成までは実施例1と同様に行い、ピロリン酸銅めっき浴と硫酸銅めっき浴を順次用いて厚さ3μmの薄銅層を形成した。薄銅層形成のためのめっき条件は、下記のとおりである。
i)ピロリン酸銅めっき
電解液組成:ピロリン酸銅80g/l、ピロリン酸カリウム320g/l、アンモニア水2ml/l
pH:8.5
電流密度:2.0A/dm
時間:20秒
温度:40℃
ii)硫酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物160g/l、硫酸100g/l
電流密度:3.5A/dm
時間:220秒
温度:40℃
その後の粗化・表面処理及び特性評価も実施例1と同様に行った。全ての測定結果を表1に示す。また、図2に断面観察写真を示す。
[比較例2]
剥離層形成までは実施例1と同様に行い、クエン酸銅めっき浴と硫酸銅めっき浴を順次用いて厚さ3μmの薄銅層を形成した。薄銅層形成のためのめっき条件は、下記のとおりである。
i)クエン酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物30g/l、クエン酸3ナトリウム2水和物40g/l
pH:6.5
電流密度:2.0A/dm
時間:20秒
温度:40℃
ii)硫酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物160g/l、硫酸100g/l、平均分子量3000のゼラチン(ニッピ社製、商品名PBF)10ppm、塩素5ppm、
電流密度:3.5A/dm
時間:220秒
温度:40℃
その後の粗化・表面処理及び特性評価も実施例1と同様に行った。全ての測定結果を表1に示す。
[比較例3]
剥離層形成までは実施例1と同様に行い、クエン酸銅めっき浴と硫酸銅めっき浴を順次用いて厚さ3μmの薄銅層を形成した。薄銅層形成のためのめっき条件は、下記のとおりである。
i)クエン酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物30g/l、クエン酸3ナトリウム2水和物40g/l
pH:6.5
電流密度:2.0A/dm
時間:20秒
温度:40℃
ii)硫酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物160g/l、硫酸100g/l、平均分子量200000のゼラチン(ニッピ社製、商品名ST1)20ppm、塩素5ppm、
電流密度:3.5A/dm
時間:220秒
温度:40℃
その後の粗化・表面処理及び特性評価も実施例1と同様に行った。全ての測定結果を表1に示す。
[比較例4]
剥離層形成までは実施例1と同様に行い、クエン酸銅ニッケルめっき浴と硫酸銅めっき浴を順次用いて厚さ3μmの薄銅層を形成した。薄銅層形成のためのめっき条件は、下記のとおりである。
i)クエン酸銅ニッケルめっき
電解液組成:硫酸銅5水和物30g/l、硫酸ニッケル6水和物5g/l、クエン酸3ナトリウム2水和物40g/l
pH:6.5
電流密度:2.0A/dm
時間:20秒
温度:40℃
ii)硫酸銅めっき
電解液組成:硫酸銅5水和物160g/l、硫酸100g/l、平均分子量5000のゼラチン(ニッピ社製、商品名PBH)40ppm、塩素5ppm、
電流密度:3.5A/dm
時間:220秒
温度:40℃
その後の粗化・表面処理及び特性評価も実施例1と同様に行った。全ての測定結果を表1に示す。
本発明による薄銅層を有する支持体付極薄銅箔は、セミアディティブ工法におけるエッチング性が良好で細線加工に適すると共に、ハンドリング時の耐傷性を改善でき、高密プリント配線板の製造に適する。
1 薄銅層
2 樹脂基材
3 タングステン保護層

Claims (6)

  1. 支持体上に薄銅層が剥離可能に形成されている支持体付極薄銅箔であって、薄銅層の230℃1時間加熱処理後のビッカース硬度が180〜240Hvであることを特徴とする支持体付極薄銅箔。
  2. 薄銅層の230℃1時間加熱処理後の引張強さが500〜600N/mmであることを特徴とする請求項1に記載の支持体付極薄銅箔。
  3. 薄銅層の230℃1時間加熱処理後の断面の結晶粒度が0.0005mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の支持体付極薄銅箔。
  4. 支持体が金属からなる支持体金属層であり、支持体金属層と薄銅層との間に、薄銅層を剥離可能とする剥離層を有する請求項1〜3いずれかに記載の支持体付極薄銅箔。
  5. 平均分子量が5000以下のゼラチンを15〜35ppm含有する硫酸銅めっき浴を用いて電解処理することにより形成される薄銅層を、支持体上に剥離可能に設けることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の支持体付極薄銅箔の製造方法。
  6. 請求項1〜4いずれかに記載の支持体付極薄銅箔を用いて得られる銅張積層板。
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