JP2012246124A - 吊り治具及び翼環の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吊り治具100は、二股に分岐した一対の脚111を有する治具本体102と、一対の脚111のうち一方の第1脚112に固定される第1当接部材104と、一対の脚111のうち他方の第2脚に形成された貫通ねじ穴114に螺合する送りねじ108と、当該送りねじ108の端部に固定される第2当接部材106とを備えている。治具本体102は、二股に分岐した一対の脚111を有する二股部110と、当該二股部110の上に延設されて吊り具装着用の吊り穴121が形成された被吊上げ部120とから構成されている。被吊上げ部120は、第2脚113側から第1脚112側に向かう方向に沿って第1脚112から突出するように延在している。
【選択図】図1
Description
この吊り治具200の駆動手段204は、フレーム201の上面に配置され、一対のアーム202に螺合している送りねじ205と、送りねじ205の一端に接続された電動機207とから構成されている。この電動機207で送りねじ205を回転させることで一対のアーム202を互いに近づけて、一対のアーム202間に配置されている筒状の運搬対象物内に爪203を挿入し、この爪203を運搬対象物に引っ掛けて運搬対象物を吊り上げる。
この吊り治具の駆動手段は、フレームの長手方向に伸縮自在で、伸縮により一対のアームを互いに近づけたり、離したりするシリンダを備えている。このシリンダで一対のアームを互いに近づけて、一対のフランジを運搬対象物に当接させて吊り上げる。
この操作レバーで一対のアームを互いに近づけて、凸状の把持部材を運搬対象物の凹部に挿入したら、操作レバーを所定の位置に設けられている溝に嵌合して操作レバーを固定し、把持部材を運搬対象物に引っ掛けて運搬対象物を吊り上げる。
この吊り治具220で運搬対象物228を吊り上げる際は、まず、運搬対象物228に形成された穴229に吊り治具220の支持部材224を挿入し、次に、被吊上げ部226に設けられている吊り穴227に吊り具230を掛けて、運搬対象物228が傾くように吊り上げる。傾いた状態の運搬対象物228は傾斜面231に沿って所定の位置まで搬送される。
そして、特許文献2に記載の吊り治具では、板状のフランジを翼環に当接させて吊り上げるため、突起部がある翼環には適用できない。
さらに、特許文献1及び特許文献2に記載の吊り治具では、電動機やシリンダ等の駆動手段を備えることで重量が増大するため、人がこれらの吊り治具を運搬することは困難である。
二股に分岐した一対の脚を有する二股部、及び前記二股部の上に延設されて吊り具装着用の吊り穴が形成された被吊上げ部を有する治具本体と、
前記二股部の一対の脚のうち一方の第1脚に固定される第1当接部材と、
前記二股部の一対の脚のうち他方の第2脚に形成された貫通ねじ穴に螺合する送りねじと、
前記送りねじの前記第1脚に近い端部に固定される第2当接部材とを備え、
前記第1当接部材は、前記第1脚の前記第2脚に対向する面に固定されて、前記第1当接部材と前記第2当接部材とは互いに対向しており、
前記送りねじの回転によって前記第2当接部材を前記送りねじの軸方向に沿って移動させて、前記第2当接部材と前記第1当接部材との間の距離を調整するようにしたことを特徴とする。
また、送りねじを回転させることで、第2当接部材の移動量を調整することができるので、形状や大きさの異なる翼環を吊り上げることができる。
さらに、吊り治具は、第2当接部材を送りねじで摺動させる機能を備えた簡素な機構とすることで、軽量化が可能となり、人が吊り治具を手で運搬することができる。
前記吊り穴の少なくとも一つは、前記被吊上げ部のうち、前記第1脚から突出した部分に設けられていてもよい。
前記第2当接部材は、前記送りねじの軸方向に沿って前記送りねじに形成されたねじ穴に螺合して前記送りねじに固定される第2当ボルトであり、
前記第1当ボルトと前記第2当ボルトとは頭部が互いに対向しており、
前記送りねじの回転によって前記第2当ボルトを前記送りねじの軸方向に沿って移動させて、前記第2当ボルトと前記第1当ボルトとの間の距離を調整することとしてもよい。
前記当て金は、前記一対の脚間の前記部分から前記一対の脚が延びる方向に向かって所定の距離だけ延設するように形成されていてもよい。
また、当て金を設けることで、一対の脚間内の凹部に差し込まれる翼環の長さを調整できるため、複数の当て金を準備することで形や大きさの異なる翼環でも適用できる。言い換えると、一対の脚間内における翼環の内側シュラウド又は外側シュラウドの最上表面の深さを調整できる。
前記当て金は、前記一対の脚間の前記部分に締結具で接続されていてもよい。
また、逃げ溝が設けられていることで、各脚の付け根部に応力が集中して作用することを防止できる。
また、送りねじを回転させることで、第2当接部材の移動量を調整することができるので、形状や大きさの異なる翼環を吊り上げることができる。
前記翼環の前記内側シュラウドの前記外周面又は前記外側シュラウドの内周面に、前記吊り治具の前記第1当接部材が当接し、前記第1当接部材が当接した前記内側シュラウドの前記外周面又は前記外側シュラウドの前記内周面とは反対側の面に、前記第2当接部材が当接するように、前記翼環の内側シュラウド及び外側シュラウドの何れか一方を把持して吊り上げてもよい。
具体的には、内側シュラウドの外周面に第1当接部材が当接し、内側シュラウドの内周面に第2当接部材が当接するように内側シュラウドを把持して吊り上げた場合には、内側シュラウドの外周面の上端部が、第1当接部材に引っ掛かった状態となることで、翼環の落下を防止できる。
また、外側シュラウドの内周面に第1当接部材が当接し、外側シュラウドの外周面に第2当接部材が当接するように外側シュラウドを把持して吊り上げた場合には、外側シュラウドの内周面の上端部が、第1当接部材に引っ掛かった状態となることで、翼環の落下を防止できる。
なお、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1に示すように、吊り治具100は、二股に分岐した一対の脚111を有する治具本体102と、一対の脚111のうち一方の第1脚112に固定される第1当接部材104と、一対の脚111のうち他方の第2脚113に形成された貫通ねじ穴114に螺合する送りねじ108と、当該送りねじ108の第1脚112に近い端部に固定される第2当接部材106とを備えている。
被吊上げ部120は、第2脚113側から第1脚112側に向かう方向に沿って第1脚112から突出するように延在している。
この被吊上げ部120に形成されている吊り穴121は、第1脚112から突出した部分及び二股部110の上方部分にそれぞれ複数形成されている。
また、第2当接部材106は、送りねじ108の軸方向に沿って送りねじ108に形成されたねじ穴109に螺合して送りねじ108に固定される第2当ボルトである。第2当接部材106と第1当接部材104とは互いに対向するように配置されている。
第1当ボルト及び第2当ボルトの材質は、一般構造用圧延鋼材からなる翼環50に傷を付けることを防止するために真鍮を用いた。なお、この材料に限定されるものではなく、翼環50よりも硬度が小さい材質のものであればよい。
図2に示すように、翼環50の内側シュラウド51の外周面53及び外側シュラウド55の内周面56は、翼環50の径方向に直交する方向に沿って上方に向かうにしたがって内側シュラウド51と外側シュラウド55との間に設けられている羽根54側に倒れ、翼環50の径方向に直交する方向に対して傾斜している。なお、以下の説明では、上方に向かうにしたがって羽根54側に倒れている内側シュラウド51の外周面53側の先端部を傾斜端部59という。
吊り治具100で翼環50の内側シュラウド51を把持する際は、内側シュラウド51と外側シュラウド55との間に第1脚112を差し込み、続いて、ハンドル107で送りねじ108を時計回りに回転させることによって、第2当接部材106を第1当接部材104に向かって移動させる。そして、第1当接部材104及び第2当接部材106をそれぞれ内側シュラウド51の外周面53及び内周面52に当接させて翼環50を把持する。
次に、翼環50に複数の吊り治具100を取り付ける。
図3に示すように、分割された円弧状の翼環50の内側シュラウド51の両端部にそれぞれ吊り治具100を取り付ける。
吊り治具100の取付けは、上述したように、ハンドル107を回転させることによって、第2当接部材106を第1当接部材104に向かって移動させて、第1当接部材104及び第2当接部材106をそれぞれ内側シュラウド51の外周面53及び内周面52に当接させて翼環50を把持する。
第二実施形態に係る吊り治具は、第一実施形態の吊り治具100に当て金を設けたものである。
図4に示すように、第二実施形態に係る吊り治具130は、二股部110のうち一対の脚111間の部分123(以下、脚間部分という)に当て金132を備えている。
当て金132は(後述する図6参照)、互いに対向して配置された一対の板134と、当該一対の板134に互いに対向する面の中央部同士を連結する連結板136とから断面H字形状に構成されている。また、当て金132は、脚間部分123から一対の脚111が延びる方向に向かって所定の距離だけ延設するように形成されている。当該所定の距離は、吊り上げる翼環50の形状等に応じて決定される。
当て金132の材質は一般構造用圧延鋼材からなる翼環50に傷を付けることを防止することができ、かつ、入手性に優れたアルミニウムを用いた。なお、この材料に限定されるものではなく、翼環50よりも硬度が小さい材質のものであればよい。
当て金132は、脚間部分123が一対の板134及び連結板136に囲まれるように配されて、脚間部分123にボルト138及びナット140からなる締結具で着脱自在に接続されている。
図5及び図6に示すように、吊り治具130で翼環50の内側シュラウド51を把持する際は、第一実施形態と同様に、内側シュラウド51と外側シュラウド55との間に第1脚112を差し込み、続いて、第1当接部材104及び第2当接部材106をそれぞれ内側シュラウド51の外周面53及び内周面52に当接させて翼環50を把持する。このとき、翼環50の上面は、当て金132の下面に密着している。
吊り治具130の脚間部分123に当て金132が設けられているため、一対の脚111間内に差し込まれる翼環50の長さを規制することとなり、翼環50を把持する位置が浅くなる。したがって、第1脚112は第一実施形態と比べて、内側シュラウド51と外側シュラウド55との間に浅く差し込まれることとなる。
また、当て金132を設けることで、一対の脚111間内の凹部に差し込まれる翼環50の長さを調整できるため、複数の当て金132を準備することで形状や大きさの異なる翼環50にも適用できる。言い換えると、一対の脚111間内における翼環50の内側シュラウド51の最上表面の深さを調整できる。
そして、一対の脚111間に断面H字形状の当て金132を設けることにより、第1当接部材104、第2当接部材106及び当て金132が翼環50に当接することとなるので、翼環50を確実に把持して吊り上げることができる。
さらに、アルミニウムからなる断面H字形状の当て金132は、一般的に市販されているため、入手性に優れており、かつ、安価に入手することができる。
4 ゴム板
5 ワイヤーロープ
50 翼環
51 内側シュラウド
52 内周面
53 外周面
54 羽根
55 外側シュラウド
56 内周面
59 傾斜端部
70 フック
100 吊り治具
102 治具本体
104 第1当接部材
106 第2当接部材
107 ハンドル
108 送りねじ
109 ねじ穴
110 二股部
111 一対の脚
112 第1脚
113 第2脚
114 貫通ねじ穴
115 ねじ穴
116 面
117 面
118 付け根部
119 付け根部
120 被吊上げ部
121 吊り穴
122 逃げ溝
123 脚間部分
124 シャックル
130 吊り治具
132 当て金
134 一対の板
136 連結板
138 ボルト
140 ナット
150 吊り治具
200 吊り治具
201 フレーム
202 一対のアーム
203 爪
204 駆動手段
205 送りねじ
207 電動機
220 吊り治具
222 フレーム
224 支持部材
226 被吊上げ部
227 吊り穴
228 運搬対象物
229 穴
230 吊り具
231 傾斜面
S 隙間
Claims (10)
- 回転機械の翼環を吊り上げる吊り治具であって、
二股に分岐した一対の脚を有する二股部、及び前記二股部の上に延設されて吊り具装着用の吊り穴が形成された被吊上げ部を有する治具本体と、
前記二股部の一対の脚のうち一方の第1脚に固定される第1当接部材と、
前記二股部の一対の脚のうち他方の第2脚に形成された貫通ねじ穴に螺合する送りねじと、
前記送りねじの前記第1脚に近い端部に固定される第2当接部材とを備え、
前記第1当接部材は、前記第1脚の前記第2脚に対向する面に固定されて、前記第1当接部材と前記第2当接部材とは互いに対向しており、
前記送りねじの回転によって前記第2当接部材を前記送りねじの軸方向に沿って移動させて、前記第2当接部材と前記第1当接部材との間の距離を調整するようにしたことを特徴とする吊り治具。 - 前記吊り穴は、前記被吊上げ部に複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載の吊り治具。
- 前記被吊上げ部は、前記第2脚側から前記第1脚側に向かう方向に沿って前記第1脚から突出するように延在し、
前記吊り穴の少なくとも一つは、前記被吊上げ部のうち、前記第1脚から突出した部分に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の吊り治具。 - 前記第1当接部材は、前記第1脚に形成されたねじ穴に螺合して前記第1脚に固定される第1当ボルトであり、
前記第2当接部材は、前記送りねじの軸方向に沿って前記送りねじに形成されたねじ穴に螺合して前記送りねじに固定される第2当ボルトであり、
前記第1当ボルトと前記第2当ボルトとは頭部が互いに対向しており、
前記送りねじの回転によって前記第2当ボルトを前記送りねじの軸方向に沿って移動させて、前記第2当ボルトと前記第1当ボルトとの間の距離を調整するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の吊り治具。 - 前記二股部のうち前記一対の脚間の部分に着脱自在に設けられる当て金を更に備え、
前記当て金は、前記一対の脚間の前記部分から前記一対の脚が延びる方向に向かって所定の距離だけ延設するように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の吊り治具。 - 前記当て金は、互いに対向して配置された一対の板と、当該一対の板に互いに対向する面の中央部同士を連結する連結板とから断面H字形状に構成され、前記二股部のうち前記一対の脚間の前記部分が前記一対の板及び前記連結板に囲まれるように配されており、
前記当て金は、前記一対の脚間の前記部分に締結具で接続されていることを特徴とする請求項5に記載の吊り治具。 - 前記送りねじの前記第1脚と反対側の端部に、前記送りねじを回転させるためのハンドルを更に備えることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一項に記載の吊り治具。
- 前記二股部の前記一対の脚の互いに対向する面側のうち、前記一対の脚のそれぞれの付け根部に前記各脚の付け根に沿って逃げ溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のうち何れか一項に記載の吊り治具。
- 請求項1〜8のうち何れか一項に記載の吊り治具の前記第1当接部材と前記第2当接部材とで、前記翼環の内側シュラウド及び外側シュラウドの何れか一方を把持して前記翼環を吊り上げて、前記翼環を工作機械まで搬送することを特徴とする翼環の加工方法。
- 前記内側シュラウドの外周面及び前記外側シュラウドの内周面が、前記翼環の径方向に直交する方向に沿って上方に向かうにしたがって羽根側に倒れ、前記翼環の径方向に直交する方向に対して傾斜するように、前記翼環を配し、
前記翼環の前記内側シュラウドの前記外周面又は前記外側シュラウドの内周面に、前記吊り治具の前記第1当接部材が当接し、前記第1当接部材が当接した前記内側シュラウドの前記外周面又は前記外側シュラウドの前記内周面とは反対側の面に、前記第2当接部材が当接するように、前記翼環の内側シュラウド及び外側シュラウドの何れか一方を把持して吊り上げることを特徴とする請求項9に記載の翼環の加工方法。
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