JP2012245500A - 水処理剤 - Google Patents
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Abstract
Description
2.前記一般式(1)のL1が酸素原子、L2がOCOであることを特徴とする前記1に記載の水処理剤。
4.前記一般式(1)で表される部分構造を有する重合体の数平均分子量が10,000〜50,000であることを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の水処理剤。
本発明の水処理剤は、後に詳細に説明する一般式(1)で表される部分構造を有する重合体を含有することを特徴とする。
前記水処理剤の粒径は下記の方法により求められる。
前記水処理剤は一般式(1)で表される部分構造を有する重合体を含有する。
前記水処理剤は一般式(1)で表される部分構造および一般式(2)で表される部分構造を併せて有する重合体を含有することが、金属捕捉部位相互の間隔が確保でき、水処理剤の添加量を低減した場合にも効率よく機能を発現できる点から好ましい。
前記一般式(1)で表される部分構造を有する重合体は、新実験化学講座(丸善)等の参考書に記載の方法を用いて容易に合成できるが、その方法は特に制限されない。例えばアゾビス−i−ブチロニトリル(AIBN)、その類縁体を開始剤とするラジカル重合、イオン重合(アニオン重合、カチオン重合)、重縮合、重付加の何れでもよいが、ラジカル重合が好ましい。ラジカル重合の場合、開始剤としては、過酸化ベンゾイル、AIBN、V−40、V−75等様々あるが、好ましくはAIBNである。開始剤の添加量は、使用するモノマーに対し3〜20モル%の範囲で用いることが好ましい。重合反応に用いられる溶媒種としては、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド(DMFA)、アルコールと様々であるが、THF、トルエンが好ましい。無論、無溶媒で反応を行うことも好ましい。反応温度は、開始剤がラジカルを発生できる温度が好ましく、例えばAIBNでれば60℃以上が好ましい。
被処理液がカルシウムなどのアルカリ土類金属イオンを含んでいても、前記水処理剤は、重金属を選択的に吸着するので、他の方法で処理の困難な被処理液でも重金属を捕捉、除去することができる。前記水処理剤により、効率的に吸着される金属イオンとしては、銅(Cu2+)、ニッケル(Ni2+)、コバルト(Co2+)、クロム(Cr3+)、亜鉛(Zn2+)などの重金属が挙げられる。
被処理液の初期液5mlに超高純度硝酸(関東化学Ultrapurグレード)を5ml加え、超純水を用いて50mlに希釈する。
[合成例]
以下、合成例を挙げて本発明の水処理剤を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《水処理剤P−19(部分構造(1)−19を有する重合体からなる)の合成》
1)合成ルート
45gの中間体1に350mlのトルエンを加え、更に50gの中間体2、1.2gのハイドロキノン及び1.7gのp−トルエンスルホン酸1水和物(TsOH)を加えトルエンおよび副生するメタノールを留去しながら2時間加熱還流を行う。反応終了後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘプタン混合溶液)により精製して中間体3を56.8g得た。1H−NMR、MASSスペクトル、IRで同定し、中間体3であることを確認した。
30gの中間体3、23.3gの塩化カルシウム及び120mlのアセトニトリルの懸濁溶液の中にトリエチルアミン(TEA)31.9gを加え、30〜40℃でカプリル酸クロライド23.9gを30分で滴下する。滴下終了後2時間撹拌し、水を加え分液、水洗後減圧下で溶媒を回収する。残渣をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/n−ヘプタン混合溶液)により精製して31.1gの中間体4を得た。1H−NMR、MASSスペクトル、IRで同定し、中間体4であることを確認した。
3.0gの中間体4を脱気した25mlのメタノールに加え、窒素バブリングを行った後に、窒素気流下に0.14gのAIBNを加え12時間加熱還流を行った。反応終了後に冷却し、白濁反応溶液を酢酸エチル300mlに徐々に添加する事で再沈殿を行った。固形分を孔径10μmのフィルターで濾別し、数平均分子量(GPC:スチレン基準、下記方法により測定)約10,500の例示化合物のP−19を2.79g得た。下記粒径測定方法によりメジアン径を測定したところ、40μmであった。
数平均分子量の測定は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を使用し、ポリスチレン換算により求めた。検出器としてウォーターズ製GPCシステム(カラム:昭和電工(株)製、Shodex LF−804)によって測定した。溶媒としてジメチルホルムアミド(以下、DMF)(LiBrを0.1M含有)を用い、溶媒流量0.8ml/分とした。分析する重合体サンプル約20mgをDMF(LiBrを0.1M含有)4mlに溶解することによりサンプル調製を行い、80μlをカラムに注入した。カラム温度は40℃に設定した。検出器としてRI(示差屈折率)検出器を使用した。
測定サンプル0.5gを0.3%界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムエチレンオキシド2付加物)溶液に分散させた後、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置LA−300(堀場製作所製)で粒径を測定し、そのメジアン径を求めた。
同様に中間体4を用いてTHF溶媒で反応を行いジイソプロピルエーテルで再沈殿を行い、数平均分子量(GPC:スチレン基準)約6,800の水処理剤P−20を2.32g得た。上記粒径測定方法により粒径を測定したところそのメジアン径は23μmであった。
水処理剤P−19の合成において、中間体4を表1に記載の部分構造を形成するモノマーに代え、AIBNの添加量を変化させた他は、同様に水処理剤P−1〜P−18、P−21〜P−34についても合成した。上記粒径測定方法によりメジアン径を測定した。下記により分子量を測定し、測定結果を表1に示す。
《水処理剤P−55の合成》
1)合成ルート
5.0gの中間体4及び1.23gのメタクリル酸メチル(部分構造(2)−34を形成するモノマー)を脱気したテトラヒドロフラン250mlに加え、窒素バブリングを行った後に、窒素気流下に0.15gのAIBNを加え12時間加熱還流を行った。反応終了後に濃縮してメタノール300mlに徐々に添加する事で再沈殿を行った。固形分を孔径10μmフィルターで濾別し、4.6gの水処理剤P−55(数平均分子量Mn(GPC:ポリスチレン換算)=11,500、共重合比x:y=1:1.2)を得た。上記の粒径測定方法により粒径を測定したところ、メジアン径は53μmであった。
《水処理剤P−57の合成》
1)合成ルート
5.0gの中間体4及び1.82gのメタクリル酸ヒドロキシエチル(部分構造(2)−43を形成するモノマー)を、脱気したテトラヒドロフラン250mlに加え、窒素バブリングを行った後に、窒素気流下に0.15gのAIBNを加え12時間加熱還流を行った。反応終了後に濃縮してヘキサン/ジイソプロピルエーテル=1/1(v/v)混合溶媒300mlに徐々に添加する事で再沈殿を行った。固形分を孔径10μmのフィルターで濾別し、5.8gの水処理剤P−57(数平均分子量Mn(GPC:ポリスチレン換算)=14,200、共重合比x:y=1:1.05)を得た。上記の粒径測定方法により粒径を測定したところ、メジアン径は58μmであった。
《水処理剤P−61の合成》
1)合成ルート
5.0gの中間体及4及び1.53gのスチレン(一般式(2)の部分構造を形成するモノマー)を脱気したテトラヒドロフラン250mlに加え、窒素バブリングを行った後に、窒素気流下に0.15gのAIBNを加え12時間加熱還流を行った。反応終了後に濃縮してメタノール350mlに徐々に添加する事で再沈殿を行った。固形分を孔径10μmのフィルターで濾別し、5.3gの水処理剤P−61(数平均分子量Mn(GPC:ポリスチレン基準)=約10,200、共重合比x:y=1:1)を得た。上記の粒径測定方法により粒径を測定したところ、メジアン径は62μmであった。
リン酸系緩衝液(pH6)に、銅(Cu2+)、ニッケル(Ni2+)、コバルト(Co2+)、クロム(Cr3+)、亜鉛(Zn2+)およびカルシウム(Ca2+)の金属イオンを硝酸塩として添加し溶解して、各金属イオンが50mg/L含まれる被処理液Aを調整し、各種金属含量を下記のICP測定方法により測定した。この被処理液A20mlに、本発明の水処理剤P−1を2g添加し、24時間振とう機に掛けて吸着させた。その後、孔径10μmのフィルターで濾過して、濾液の各種金属含量を同様に下記のICP測定方法により測定した。吸着剤への吸着率は、初期液(被処理液A)の各種金属の濃度と吸着終了後の濾液の濃度から以下の様に算出した。
吸着率の評価基準は以下の様に定めた。
B:吸着率が90−95%
C:吸着率が80−90%
D:吸着率が80%未満。
被処理液の初期液の溶液5mlに超高純度硝酸(関東化学Ultrapurグレード)を5ml加え、超純水を用いて50mlに希釈し、試料溶液を作製した。
実施例1において、水処理剤P−1に代えて、表3に記載の水処理剤を用いた他は同様にして実施例2〜16を実施した。
実施例1の被処理液Aにおいて、カルシウムイオンを添加しなかった以外は同様にして、被処理液Bを調製した。
実施例16において、被処理液Aに代えて、被処理液Bを用いた他は同様にして、実施例18を実施した。
表3から明らかなように、本発明に係る水処理剤は、カルシウムイオンの存在下において、比較化合物よりも、銅(Cu2+)、ニッケル(Ni2+)、コバルト(Co2+)、クロム(Cr3+)および亜鉛(Zn2+)の金属イオンに対する優れた捕捉(吸着)能力を発揮することが明らかになった。また、比較の水処理剤はカルシウムイオンが共存すると重金属の吸着率が低下するのに対し、本発明の水処理剤はカルシウムイオン添加の影響を受けないことが分かった。
実施例1において、水処理剤を表4の記載ように替え、水処理剤の添加量を1gに変更した以外は同様にして実施例19〜40を実施した。
実施例31において、被処理液Aに代えて、被処理液Bを用いた他は同様にして、実施例41を実施した。
実施例39において、被処理液Aに代えて、被処理液Bを用いた他は同様にして、実施例42を実施した。
比較化合物3
特開2010−194509の実施例1の(1)〜(3)に記載の方法で、高分子担体粒子にポリエチレンイミンを結合し、カルボキシメチル化した比較化合物3(特開2010−194509に記載のキレート樹脂A)を合成した。
Claims (5)
- 前記一般式(1)のL1が酸素原子、L2がOCOであることを特徴とする請求項1に記載の水処理剤。
- 前記一般式(1)で表される部分構造を有する重合体の数平均分子量が10,000〜50,000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理剤。
- 前記水処理剤が不定形の固体粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の水処理剤。
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