JP2012097211A - 共重合体、金属高分子錯体、及び該金属高分子錯体からなるミセルの分散液 - Google Patents
共重合体、金属高分子錯体、及び該金属高分子錯体からなるミセルの分散液 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012097211A JP2012097211A JP2010246907A JP2010246907A JP2012097211A JP 2012097211 A JP2012097211 A JP 2012097211A JP 2010246907 A JP2010246907 A JP 2010246907A JP 2010246907 A JP2010246907 A JP 2010246907A JP 2012097211 A JP2012097211 A JP 2012097211A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- monomer
- copolymer
- polymer complex
- formula
- present
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Abstract
【解決手段】本発明の共重合体は、金属原子に配位結合する多座配位子を有するモノマー(A)と、親水性のモノマー(B)と、を少なくとも共重合させたことを特徴とし、前記モノマー(A)と、前記モノマー(B)とのモル比は、1:99〜99:1であることが好ましく、また、前記多座配位子は、ビピリジン、ジピコリルアミン、及びターピリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明の共重合体の配位子と、金属原子とが配位結合してなる金属高分子錯体は、ミセルを形成するので、液剤として取り扱い易い。
本発明の金属高分子錯体からなるミセルは、エンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれ、細胞に効果的に作用するものと推測される。
本発明のモノマー(A)は、金属原子に配位結合する多座配位子を有する。金属原子としては、特に限定されず、典型金属元素であっても、遷移金属元素であってもよい。典型金属元素としては、例えば、亜鉛、カドミウム等が挙げられる。遷移金属元素としては、例えば、銅、コバルト、ニッケル、鉄、マンガン、クロム等の第一遷移元素、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀等の第二遷移元素、タンタル、タングステン、オスミウム、イリジウム、白金、金等の第三遷移元素、ユーロピウム、ガドリニウム等のランタノイド、アクチノイド等が挙げられる。これらの中でも、亜鉛、白金、コバルト、ルテニウム、ユーロピウム、及びガドリニウムが、より安定な錯体を形成するという点において好ましい。
本発明のモノマー(B)は、親水性のモノマーである。本発明の共重合体は、親水性のモノマー(B)を有するので、極性溶媒中、特に水を含む溶媒中において優れた分散性や乳化性を示す。親水性のモノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、アミノスチレン、ヒドロキシスチレン、酢酸ビニル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(アルキル)アミノアルキル(メタ)アクリレート、アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキシド変性(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、N−ビニル−2−ピロリドン等のN−ビニルラクタム類、N−ビニルホルムアミド等のN−ビニルアミド類、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。本発明では、メタクリル酸(MAA)、末端にメトキシ基、カルボキシル基、アミノ基、アジ基、又はプロパギル基を有するポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、及びN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)が、優れた分散性や乳化性を示すという観点において好ましい。
本発明の共重合体では、モノマー(A)及びモノマー(B)以外に、その他のモノマーを有していてもよい。その他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのモノマーを、単独で有していても、2種以上を組み合わせて有していてもよい。
上記モノマー(A)と、上記モノマー(B)と、を少なくとも共重合させた本発明の共重合体によれば、多量の金属原子が安定に配位した高分子錯体のミセルを形成することができる。これにより、金属の高分子錯体が薬剤として取り扱い易くなる。
本発明の共重合体の重合方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)等のリビングラジカル重合法が好ましい。リビングラジカル重合法によれば、合成する共重合体の分子量や分子量分布を制御することができる。以下に、金属原子に配位結合する多座配位子を有するモノマー(A)と、親水性のモノマー(B)とを共重合させた本発明の共重合体の合成方法を例示する。なお、重合方法はリビングラジカル重合法による。
本発明の共重合体をミセル化する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、本発明の共重合体を所定の溶媒に溶解し、透析膜を用いて透析することにより、ミセル化することができる。所定の溶媒としては、特に限定されず、例えば、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ベンゼン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。透析膜としては、分画分子量2,000〜20,000の再生セルロース製膜を用いることが好ましい。なお、均一な粒子径のミセルを得るために、上記透析後にフィルター等でろ過することが好ましい。
本発明の金属高分子錯体は、本発明の共重合体の配位子と、金属原子とが配位結合してなる。本発明の金属高分子錯体は、多量の金属原子が安定に配位した高分子錯体であり、ミセルを形成する。本発明の金属高分子錯体によれば、ミセルを形成するので、液剤として取り扱い易く、また、エンドサイトーシスにより細胞内へ取り込まれるので、細胞に効果的に作用するものと推測される。
本発明の金属高分子錯体の製造方法について説明する。なお、上述した共重合体と共通する部分についての説明は省略する。本発明の金属高分子錯体の製造方法では、まず、金属錯体と、所定の溶媒と、水とを混合し、反応させることにより配位子交換金属錯体を合成する。例えば、白金高分子錯体を合成する場合、上記金属錯体としては、テトラクロロ白金(II)酸やそのアルカリ塩が好適である。その場合の所定の溶媒としては、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド等が好適である。溶媒にジメチルスルホキシドを用いた場合には、配位子交換金属錯体として、テトラクロロ白金(II)酸の2つの塩素原子が2つのジメチルスルホキシドに交換された化合物を合成することができる。
本発明の金属高分子錯体は、例えば、本発明の金属高分子錯体を所定の溶媒に溶解し、透析膜を用いて透析することにより、ミセル化することができる。所定の溶媒としては、特に限定されないが、例えば、エタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド等が好適である。透析膜としては、分画分子量5,000〜30,000の再生セルロース製膜を用いることが好ましい。なお、均一な粒子径のミセルを得るために、上記透析後にフィルター等でろ過することが好ましい。
本発明の分散液は、本発明の金属高分子錯体からなるミセルが分散した溶液である。本発明の分散液に分散している粒子の平均粒径は、特に限定されないが、より高い分散安定性を示すためには、10〜1000nmであることが好ましく、30〜200nmであることがより好ましい。本発明の分散液における分散溶媒は、極性溶媒であれば特に限定されず、例えば、水、エタノール、ジクロロメタン,クロロホルム等が挙げられる。
<多座配位子としてビピリジンを有するモノマー(A)>
2,6−ジブロモピリジン5.9g(25mmol)と、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム578mg(0.5mmol、2,6−ジブロモピリジンに対して2mol%)とを混合した後、アルゴン雰囲気下で、テトラヒドロフランに溶解させた0.5M 2−ピリジルジンクブロマイド50ml(25mmol、2,6−ジブロモピリジンに対して1当量)を加え、式(1)で表される化合物を得た(収量:2.60g、収率:44%)。反応スキームを以下に示す。
<bpy−g−PEGの合成>
式(7)で表される本発明のモノマー(A)であるbpyモノマー396.8mg(1.28mmol)に、式(8)で表される本発明のモノマー(B)1597mg(768μmol、式(7)で表される本発明のモノマー(A)に対して0.6当量)と、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.77mg(4.71μmol、総モノマー(式(7)で表される本発明のモノマー(A)+本発明のモノマー(B))に対して0.23mol%)と、CDB 6.43mg(23.6μmol、総モノマー(式(7)で表される本発明のモノマー(A)であるbpyモノマー+本発明のモノマー(B))に対して1.15mol%)と、総量が11.1mlとなるようにN,N−ジメチルホルムアミドを加え、凍結脱気を4回行い、70℃で二日と一晩撹拌し、式(9)で表される本発明の共重合体(bpy(65)−g−PEG(35))を得た(収量:295mg、収率:15%)。なお、総モノマーとAIBNとCDBとの重合比は、総モノマー/AIBN/CDB=100/0.23/1.15であり、総モノマーは全体を100として、式(7)で表される本発明のモノマー(A)/式(8)で表される本発明のモノマー(B)=63/37となるように仕込んだ。反応スキームを以下に示す。また、得られた式(9)で表される本発明の共重合体であるbpy(65)−g−PEG(35)のNMRスペクトルを図2に示す。
得られた式(9)で表される本発明の共重合体の理論数平均分子量(Mn)、ピリジン(Py)とポリエチレングリコール(PEG)との転化率、PyとPEGとのユニット比、及び臨界ミセル濃度(cmc)を表1に示す。なお、理論数平均分子量(Mn)、ピリジン(Py)とポリエチレングリコール(PEG)との転化率、及びPyとPEGとのユニット比は、NMRにより測定した。また、臨界ミセル濃度(cmc)は、ピレン可溶化試験により測定した。
式(9)で表される本発明の共重合体(bpy(65)−g−PEG(35))50mgをN,N−ジメチルアセトアミド5mlに溶解させた後、透析膜(分画分子量:3500)に入れ、N,N−ジメチルアセトアミドに対して400倍量の水で5日間透析を行うことによりミセルを形成させた。透析後、得られた溶液のうち、50mlをメスフラスコに回収し、濃度が1mg/mlとなるように水を用いてメスアップを行った。そして、得られたミセルの粒径を、Arレーザーを用いたダイナミック光散乱光度計(DLS)により測定したところ、平均粒径21.9±5.6nmの均一な粒子が形成されていることが確認された(図3)。
テトラクロロ白金(II)酸カリウム300mg(722μmol)に、ジメチルスルホキシド(DMSO)169mg(d=1.099、2.17mmol、テトラクロロ白金(II)酸カリウムに対して3当量)と、ミリQ水1.5mlとを加え、氷浴下で2時間撹拌し、[Pt(DMSO)2Cl2]を得た(収量:248mg、収率:81%)。得られた[Pt(DMSO)2Cl2]のIRスペクトルを図4に示す。1200〜1000cm−1付近、及び3000cm−1付近にDMSOに由来するピークが確認され、430cm−1付近に[Pt(DMSO)2Cl2]に由来するピークが確認された。
上記にて得られた本発明の白金高分子錯体(bpy(65)−g−PEG(35)−Pt錯体)100mgをN,N−ジメチルアセトアミド5mlに溶解させた後、透析膜(分画分子量:3500)に入れ、N,N−ジメチルアセトアミドに対して200倍量の水で5日間透析を行うことによりミセルを形成させた。透析後、得られた溶液のうち、50mlをメスフラスコに回収し、濃度が1mg/mlとなるように水を用いてメスアップを行った。そして、得られたミセルの粒径を、Arレーザーを用いたダイナミック光散乱光度計(DLS)により測定したところ、平均粒径37.5±8.9nmの均一な粒子が形成されていることが確認された(図7)。
<多座配位子としてジピコリルアミンを有するモノマー(A)>
2−クロロメチルピリジン塩酸塩11.81g(72mmol)に、アミノプロパノール1.8g(24mmol)、炭酸カリウム33.2g(240mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)0.322g(1mmol)、及び脱水アセトニトリル300mlを加え、95℃で3日間加熱還流した。TLCにより反応の進行を確認した後、セライト濾過、濃縮、及び真空乾燥を行った。その後、カラム精製し、濃縮することにより、式(10)で表される化合物(3−[bis(pyridin−2−ylmethyl)amino]propan−1−ol)を獲た(収量:4.3g、収率:69.6%)。なお、カラム精製は、酢酸エチルに対してメタノールの割合を0%、5%、10%、20%と増やした展開溶媒を用いて行った。反応スキームを以下に示す。また、得られた式(10)で表される化合物のNMRスペクトルを図8に示す。
4−ブロモメチル安息香酸3g(13.95mmol)をテトラヒドロフラン25mlに溶解させ、4−ブロモメチル安息香酸のテトラヒドロフラン溶液を得た。次いで、アルゴン雰囲気下、1−ブタンチオール1.80ml(16.74mmol、4−ブロモメチル安息香酸に対して1.2当量)、ジアザビシクロウンデセン2.5ml(16.74mmol、4−ブロモメチル安息香酸に対して1.2当量)、及び二硫化炭素1.01ml(16.74mmol、4−ブロモメチル安息香酸に対して1.2当量)を脱水テトラヒドロフラン75mlに加え、室温で30分間撹拌した。撹拌後、上記4−ブロモメチル安息香酸のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、更に室温で6時間撹拌した。TLCにより反応の進行を確認し、セライト濾過及び濃縮後、ベンゼンに溶解させた。さらに、1M塩酸及びイオン交換水で洗浄し、次いで、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水処理した後、濃縮し、フリーズドライすることにより、式(12)で表されるRAFT剤を得た(収量:3.78g、収率:93.9%)。反応スキームを以下に示す。また、得られた式(12)で表されるRAFT剤のNMRスペクトルを図10に示す。
アルゴン雰囲気下、式(12)で表されるRAFT剤720mg(2.4mmol、後述するモノマー(B)に対して10当量)を脱水ベンゼンに溶解させ、オキサリルクロライド242μl(2.88mmol、式(12)で表されるRAFT剤に対して1.2当量)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(cat.)を少量加え、撹拌した後、TLCにより式(13)で表される酸塩化物の生成を確認し、濃縮した。次いで、該酸塩化物を脱水ベンゼン7mlに溶解し、さらに、脱水ベンゼンに溶解させたトリエチルアミン400μl(2.88mmol、式(12)で表されるRAFT剤に対して1.2当量)、及びポリエチレングリコール(PEG)(5K)1200mg(0.24mmol)を加えた後、70℃のオイルバス中で1晩撹拌した。その後、セライト濾過及び濃縮を行い、20倍量のイソプロピルエーテルで再沈殿を行った。得られた沈殿物をクロロホルムに溶解させ、濃縮後、フリーズドライすることにより、本発明のモノマー(B)が重合したポリマーの末端にRAFT剤が導入された、式(14)で表されるPEG(5K)−マクロ−RAFT剤を得た(収量:1060mg、収率:83.3%、末端修飾率:85%)。反応スキームを以下に示す。また、得られた式(14)で表されるPEG(5K)−マクロ−RAFT剤のNMRスペクトルを図11に示す。
<DPA−b−PEGの合成>
式(14)で表されるPEG(5K)−マクロ−RAFT剤250mg(47μmol)、及び式(11)で表される本発明のモノマー(A)であるDPAモノマー(2M)1.42ml(2.83mmol、式(14)で表されるPEG(5K)−マクロ−RAFT剤に対して60当量)を、N,N−ジメチルホルムアミド5mlに溶解し、重合管に入れ、さらに、0.1Mのアゾビスイソブチロニトリル溶液235μl(23.5μmol、式(14)で表されるPEG(5K)−マクロ−RAFT剤に対して0.5当量)を加えた。凍結脱気を3回行い、90℃のオイルバス中で5日間撹拌した。その後、セライト濾過及び濃縮を行い、20倍量のイソプロピルエーテルで再沈殿を行った。得られた沈殿物をフリーズドライすることにより、式(15)本発明の共重合体(DPA(20)−b−PEG)を得た(収量:470mg、収率:35.7%)。反応スキームを以下に示す。また、得られた式(15)で表される本発明の共重合体であるDPA−b−PEGのNMRスペクトルを図12に示す。
式(14)で表されるPEG(5K)−マクロ−RAFT剤300mg(57μmol)、及び式(11)で表される本発明のモノマー(A)であるDPAモノマー(2M)1.42ml(2.83mmol、式(14)で表されるPEG(5K)−マクロ−RAFT剤に対して50当量)を、N,N−ジメチルホルムアミド10mlに溶解した。そして、得られた溶液1.9mlと、0.1Mのアゾビスイソブチロニトリル溶液38μl(式(14)で表されるPEG(5K)−マクロ−RAFT剤に対して0.4当量)とを入れた重合管を全部で6本作製し、凍結、脱気を行い、90℃のオイルバス中で撹拌し、重合させた。なお、各重合管には、式(14)で表されるPEG(5K)−マクロ−RAFT剤が9.5μmol、式(11)で表される本発明のモノマー(A)であるDPAモノマーが473μmol、アゾビスイソブチロニトリルが3.8μmol入っている。重合して1日経過、2日経過、3日経過、5日経過、及び7日経過後に、重合管を1本回収し、NMRにより転化率を測定した。その結果を表2に示す。
式(15)本発明の共重合体(DPA(20)−b−PEG)100mgをジメチルスルホキシド10mlに溶解させた後、透析膜(分画分子量:1000)に入れ、ジメチルスルホキシドに対して200倍量のpH9のホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝溶液で5日間透析を行うことによりミセルを形成させた。透析後、pH9のホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝溶液を用い、得られた溶液の濃度を0.5mg/mlとなるように調整した。そして、0.22μmのフィルターにてろ過した後、ミセルの粒径を、Arレーザーを用いたダイナミック光散乱光度計(DLS)により測定したところ、平均粒径120.7±34.0nmの均一な粒子が形成されていることが確認された(図13)。
上記方法にて合成した[Pt(DMSO)2Cl2]60mg(0.14mmol)に、式(15)で表される本発明の共重合体(DPA(20)−b−PEG)96.7mg(0.01mmol、[Pt(DMSO)2Cl2]に対して1当量)と、メタノール100mlとを加え、80℃の還流条件下で、1日間撹拌し、DPA(20)−b−PEG−Pt錯体を得た(収量:137mg、収率:92%)。
上記にて得られた本発明の白金高分子錯体(DPA(20)−b−PEG−Pt錯体)100mgをN,N−ジメチルアセトアミド5mlに溶解させた後、透析膜(分画分子量:1000)に入れ、N,N−ジメチルアセトアミドに対して400倍量のpH9のホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝溶液で5日間透析を行うことによりミセルを形成させた。透析後、得られた溶液のうち、50mlをメスフラスコに回収し、濃度が0.5mg/mlとなるように、pH9のホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝溶液を用いてメスアップを行った。そして、得られたミセルの粒径を、Arレーザーを用いたダイナミック光散乱光度計(DLS)により測定したところ、平均粒径91.3±30.6nmの均一な粒子が形成されていることが確認された(図14)。
Claims (5)
- 金属原子に配位結合する多座配位子を有するモノマー(A)と、親水性のモノマー(B)と、を少なくとも共重合させた共重合体。
- 前記モノマー(A)と、前記モノマー(B)とのモル比は、1:99〜99:1である請求項1に記載の共重合体。
- 前記多座配位子は、ビピリジン、ジピコリルアミン、及びターピリジンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の共重合体。
- 請求項1〜3いずれかに記載の共重合体の配位子と、金属原子とが配位結合してなる金属高分子錯体。
- 請求項4に記載の金属高分子錯体からなるミセルの分散液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010246907A JP5594730B2 (ja) | 2010-11-02 | 2010-11-02 | 金属高分子錯体からなるミセルの分散液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010246907A JP5594730B2 (ja) | 2010-11-02 | 2010-11-02 | 金属高分子錯体からなるミセルの分散液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012097211A true JP2012097211A (ja) | 2012-05-24 |
JP5594730B2 JP5594730B2 (ja) | 2014-09-24 |
Family
ID=46389488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010246907A Expired - Fee Related JP5594730B2 (ja) | 2010-11-02 | 2010-11-02 | 金属高分子錯体からなるミセルの分散液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5594730B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016045065A (ja) * | 2014-08-22 | 2016-04-04 | 国立大学法人山形大学 | トランジスタ型重金属イオンセンサ |
WO2022034880A1 (ja) * | 2020-08-12 | 2022-02-17 | 学校法人東京理科大学 | 細胞培養系、細胞培養方法、及び培地添加剤 |
WO2022097580A1 (ja) * | 2020-11-06 | 2022-05-12 | 五洋紙工株式会社 | ジピコリルアミン部分を有する化合物およびその製造方法ならびにそれを用いた抗菌組成物 |
CN116515021A (zh) * | 2023-05-19 | 2023-08-01 | 广东省科学院化工研究所 | 一种聚甲基丙烯酸(n,n-二烷基氨基乙酯)季铵盐及其制备方法和应用 |
US11981760B2 (en) * | 2018-06-29 | 2024-05-14 | The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate | Therapeutic hydrogels and contact lens for corneal melting |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002529507A (ja) * | 1998-11-18 | 2002-09-10 | スプラテック ファーマ インコーポレイテッド | ウイルス感染を治療するためのコポリマー組成物 |
WO2005056641A1 (ja) * | 2003-12-10 | 2005-06-23 | Toudai Tlo, Ltd. | ジアミノシクロヘキサン白金(ii)とポリ(カルボン酸)セグメント含有ブロック共重合体との配位錯体、その抗腫瘍剤 |
JP2006045131A (ja) * | 2004-08-05 | 2006-02-16 | Science Univ Of Tokyo | 新規化合物及び遺伝子発現制御剤並びに遺伝子発現制御方法 |
JP2008223018A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-09-25 | Fujifilm Corp | レーザー分解用組成物およびそれを用いたパターン形成材料 |
WO2009157561A1 (ja) * | 2008-06-26 | 2009-12-30 | 独立行政法人科学技術振興機構 | Mri造影能を有する重合体-金属錯体複合体、並びにそれを用いたmri造影用及び/又は抗腫瘍用組成物 |
JP2010053261A (ja) * | 2008-08-28 | 2010-03-11 | Tokyo Univ Of Science | 表面改質剤、該表面改質剤により改質された被改質体及びナノ粒子の分散液、並びにナノ粒子の製造方法 |
JP2010084132A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-04-15 | Tokyo Univ Of Science | 重合性モノマー及びその製造方法、並びにグラフト共重合体 |
JP2010208955A (ja) * | 2009-03-06 | 2010-09-24 | Makoto Yuasa | 疾患治療薬 |
-
2010
- 2010-11-02 JP JP2010246907A patent/JP5594730B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002529507A (ja) * | 1998-11-18 | 2002-09-10 | スプラテック ファーマ インコーポレイテッド | ウイルス感染を治療するためのコポリマー組成物 |
WO2005056641A1 (ja) * | 2003-12-10 | 2005-06-23 | Toudai Tlo, Ltd. | ジアミノシクロヘキサン白金(ii)とポリ(カルボン酸)セグメント含有ブロック共重合体との配位錯体、その抗腫瘍剤 |
JP2006045131A (ja) * | 2004-08-05 | 2006-02-16 | Science Univ Of Tokyo | 新規化合物及び遺伝子発現制御剤並びに遺伝子発現制御方法 |
JP2008223018A (ja) * | 2007-02-14 | 2008-09-25 | Fujifilm Corp | レーザー分解用組成物およびそれを用いたパターン形成材料 |
WO2009157561A1 (ja) * | 2008-06-26 | 2009-12-30 | 独立行政法人科学技術振興機構 | Mri造影能を有する重合体-金属錯体複合体、並びにそれを用いたmri造影用及び/又は抗腫瘍用組成物 |
JP2010053261A (ja) * | 2008-08-28 | 2010-03-11 | Tokyo Univ Of Science | 表面改質剤、該表面改質剤により改質された被改質体及びナノ粒子の分散液、並びにナノ粒子の製造方法 |
JP2010084132A (ja) * | 2008-09-08 | 2010-04-15 | Tokyo Univ Of Science | 重合性モノマー及びその製造方法、並びにグラフト共重合体 |
JP2010208955A (ja) * | 2009-03-06 | 2010-09-24 | Makoto Yuasa | 疾患治療薬 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016045065A (ja) * | 2014-08-22 | 2016-04-04 | 国立大学法人山形大学 | トランジスタ型重金属イオンセンサ |
US11981760B2 (en) * | 2018-06-29 | 2024-05-14 | The Regents Of The University Of Colorado, A Body Corporate | Therapeutic hydrogels and contact lens for corneal melting |
WO2022034880A1 (ja) * | 2020-08-12 | 2022-02-17 | 学校法人東京理科大学 | 細胞培養系、細胞培養方法、及び培地添加剤 |
JPWO2022034880A1 (ja) * | 2020-08-12 | 2022-02-17 | ||
WO2022097580A1 (ja) * | 2020-11-06 | 2022-05-12 | 五洋紙工株式会社 | ジピコリルアミン部分を有する化合物およびその製造方法ならびにそれを用いた抗菌組成物 |
CN116515021A (zh) * | 2023-05-19 | 2023-08-01 | 广东省科学院化工研究所 | 一种聚甲基丙烯酸(n,n-二烷基氨基乙酯)季铵盐及其制备方法和应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5594730B2 (ja) | 2014-09-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5594730B2 (ja) | 金属高分子錯体からなるミセルの分散液 | |
Anastasaki et al. | Cu (0)-mediated living radical polymerization: a versatile tool for materials synthesis | |
Haddleton et al. | Phenolic ester-based initiators for transition metal mediated living polymerization | |
Semsarilar et al. | Cationic polyelectrolyte-stabilized nanoparticles via RAFT aqueous dispersion polymerization | |
Keddie et al. | Chain transfer kinetics of acid/base switchable N-aryl-N-pyridyl dithiocarbamate RAFT agents in methyl acrylate, N-vinylcarbazole and vinyl acetate polymerization | |
Zhang et al. | Cobaltocenium-containing methacrylate homopolymers, block copolymers, and heterobimetallic polymers via RAFT polymerization | |
US9005583B2 (en) | Chain-end functionalized poly(ethykene oxide) and process for the preparation of a nano-sized transition metal or metal salt using the same | |
JP6241929B2 (ja) | 異種複合金属ナノ粒子の調製方法 | |
CN102307653A (zh) | 用于自由基聚合的新型多官能团偶氮引发剂及其应用 | |
Kopeć et al. | Aqueous RAFT polymerization of acrylonitrile | |
EP2267049A1 (en) | Block copolymers | |
WO2015122404A1 (ja) | リビングラジカル重合触媒及びそれを用いた重合体の製造方法 | |
Wei et al. | Synthesis of cleavable multi-functional mikto-arm star polymer by RAFT polymerization: example of an anti-cancer drug 7-ethyl-10-hydroxycamptothecin (SN-38) as functional moiety | |
Liu et al. | Recent Progress on Controlled Polymerizations for Functional Metallopolymers | |
JP2013017994A (ja) | 金属イオンの分離方法 | |
Li et al. | ATNRC and SET‐NRC synthesis of PtBA‐g‐PEO well‐defined amphiphilic graft copolymers | |
JP7113509B2 (ja) | 高分子金属錯体の製造方法 | |
WO2018159740A1 (ja) | グラフトポリマーの製造方法、グラフトポリマー、グラフトポリマーの開始剤 | |
JPH11322761A (ja) | ボロン酸基含有単量体およびその重合体 | |
JP5467447B2 (ja) | 表面改質剤、該表面改質剤により改質された被改質体及びナノ粒子の分散液、並びにナノ粒子の製造方法 | |
CN109071697A (zh) | 多支链聚合物的制造方法和多支链聚合物 | |
KR101336692B1 (ko) | 하이드라지드기를 가지는 폴리에틸렌옥사이드계 블록공중합체 및 그에 의해 안정화된 산화철 나노입자 | |
JP4344779B2 (ja) | 鉄錯体及び該鉄錯体を触媒とする重合体の製造方法 | |
Arslan et al. | 2, 6-Bis-benzimidazolylpyridines as new catalyst in copper-based ATRP | |
JP5594715B2 (ja) | 重合性モノマーの製造方法及びグラフト共重合体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20131101 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140224 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20140304 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140415 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140722 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140730 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5594730 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |