JPH11322761A - ボロン酸基含有単量体およびその重合体 - Google Patents
ボロン酸基含有単量体およびその重合体Info
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- JPH11322761A JPH11322761A JP12608298A JP12608298A JPH11322761A JP H11322761 A JPH11322761 A JP H11322761A JP 12608298 A JP12608298 A JP 12608298A JP 12608298 A JP12608298 A JP 12608298A JP H11322761 A JPH11322761 A JP H11322761A
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Abstract
を重合してなる重合体を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(I) 【化1】 {ただし、式中R1は水素原子またはメチル基、R2は−
R4−O−(R3O)n−R5−で表される基(ただし、
R3は炭素数2〜4のアルキレン基、R4は−CH2CH2
−または−CO−CH2−、R5は−CH2CH2−または
−CH2−CO−、を示し、nは1〜200の整数を示
す)、または炭素数2〜8の2価の炭化水素基を示
す。}で表されるボロン酸基含有単量体。
Description
酸基含有化合物と可逆的な共有結合を形成するボロン酸
基を有する新規な単量体および該単量体に基づく構成単
位を含有してなる重合体に関する。該重合体は人工臓器
や、クロマトグラフィ−用担体などの各種機能材料とし
て有用である。
基含有化合物と可逆的にコンプレックスを形成すること
が知られており、この性質を利用して液体クロマトグラ
フィ−用充填剤(特開昭59−223706号公報)、
細胞凝集剤(BIOCHEMICAL AND BIO
PHYSICAL RESEARCH COMMUNI
CATIONS,第96巻,157−162頁(198
0年))、癌治療薬(現代化学1991年8月号、55
−60頁)、グルコース応答性薬物放出複合体(特開平
3−204823号公報)等として利用できる事が知ら
れている。
の置かれる環境のpHに応じて、−B(OH)2または
−B(OH)- 3の状態をとり得る。このうち−B(O
H)- 3のみが多価水酸基化合物と安定にコンプレックス
を形成し得る。ボロン酸基のこの平衡を表わす値として
pKaがあり、様々なフェニルボロン酸誘導体のpKa
が測定されている。
86{J.Amer.Chem.Soc.,第56巻,
937−941頁(1934年)、ポリアクリルアミド
固定化フェニルボロン酸:pKa=9.2(JOURN
AL OF CHROMATOGRAPHY,第189
巻,225−231頁(1980年)}、4−(N−メ
チル)カルボキシアミド−フェニルボロン酸:pKa=
7.86{ANALYTICAL BIOCHEMIS
TRY,第178巻,125−134頁(1989
年)}、4級アミノ化フェニルボロン酸:pKa=7.
30{Carbohydrate Reserch,第
43巻,215−224頁(1975年)}、3−アセ
タミド−6−ヘプタフルオロプロピルフェニルボロン
酸:pKa=6.6{Chemistry Lette
rs,1993,1799−1802頁(1993
年)}等が知られている。一般にpKaが低いほど、低
いpHで−B-(OH)3の比率が高くなることが知られ
ている。
ェニルボロン酸誘導体としては、メタクリルアミドフェ
ニルボロン酸(特開平3−204823号公報)、3−
アクリルアミド−6−ヘキサフルオロプロピルフェニル
ボロン酸(特開平5−301880号公報)、N−
(4’−ビニルベンジル)−4−フェニルボロン酸カル
ボキサミド(特開平5−262779号公報)等が知ら
れている。
るフェニルボロン酸基誘導体は、何れも次に示す3つの
条件を同時に満たしていなかった。 1)水溶性が高いこと。 2)生理的pH(pH=7.4)において多量の−B-
(OH)3が存在し得る低いpKaを有していること。 3)重合可能な不飽和結合を有していること。 このため、溶媒として水を用いて重合すると、十分な量
のフェニルボロン酸を重合体中に入れることができなか
ったり、あるいは重合した含水ゲルの疎水性が高く、下
限臨界共溶温度(以下LCSTと略す)を利用した糖応
答性ゲルとして十分な性能を発揮できなかった。
が高く、生理的pH(pH=7.4)で多量の−B
-(OH)3が存在する低いpKaを有し、重合可能な不
飽和結合を有している新規かつ有用なフェニルボロン酸
基含有単量体を提供する。さらに、親水性が高く、LC
STを利用した糖応答性ゲルとして利用可能な該単量体
に基づく構成単位を含有してなる重合体を提供すること
にある。
ェニルボロン酸基含有誘導体の問題点を解決すべく鋭意
検討した結果、新規なフェニルボロン酸基含有単量体を
見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、下記の一般式(I)
R2は−R4−O−(R3O)n−R4−で表される基(但
し、R3は炭素数2〜4のアルキレン基、R4は−CH2
CH2−または−CH2−CO−を示し、nは1〜200
の整数を示す。)、または炭素数2〜8の2価の炭化水
素基を示す。)で表されるボロン酸基含有単量体であ
る。さらに、一般式(I)で表されるボロン酸基含有単
量体を重合させ、または他の共重合可能なビニル単量体
と共重合させて得られる重合体である。
量体は、前記一般式(I)で表される。一般式(I)中
で、R2で表される基のうち、炭素数2〜8の2価の炭
化水素基としては、具体的にはエチレン基、プロピレン
基、ブチレン基、ペンテン基、ヘキセン基、ヘプテン
基、オクテン基が挙げられる。またR2は−R4−O−
(R3O)n−R5−で表される基が挙げられ、ここでR
4は−CH2CH2−または−CO−CH2−であり、R5
は−CH2CH2−または−CH2−CO−である。(R3
O)nはエチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、トリ
メチレンオキシ基、ブチレンオキシ基等が挙げられる。
R3は直鎖であっても分岐していてもよい。R3Oで示さ
れる基はnの数だけ繰り返されるが、この場合同じ基の
繰り返しであってもよいし、2種類以上の異なる基の組
み合わせであってもよく、その数nは1〜200の整数
である。
量体は、次のような方法により容易に合成し得る。ま
ず、一般式(III)
塩化チオニルを反応させ、一般式(IV)
塩化チオニルの仕込みモル比は、カルボキシフェニルボ
ロン酸1モルに対して塩化チオニル1モル以上、好まし
くは2モル以上とするのが望ましい。この反応は溶媒を
用いても行う事ができるが、溶媒を使用しない方が好ま
しい。また、この反応はアルゴンや窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下で行うのが好ましい。この反応の条件として
は、温度は、−20〜100℃、好ましくは20〜80
℃、時間は、1〜100時間、好ましくは、5〜50時
間とするのが好ましい。反応後は減圧乾燥を行うことで
塩化チオニルを除くことができる。
すなわち酸クロリド化合物(IV)に一般式(V)
O)n−R5−で表される基(但し、R 3は炭素数2〜4
のアルキレン基、R4は−CH2CH2−または−CO−
CH2−、R5は−CH2CH2−または−CH2−CO−
を示し、nは1〜200の整数を示す。)で示されるジ
アミンを反応させて、一般式(VI)
示される化合物の仕込みモル比は、中間体(IV)1モル
に対して一般式(V)で示される化合物5モル以上、好
ましくは10モル以上とするのがよい。この反応は溶媒
を用いても行うことができるが、溶媒を使用しない方が
好ましい。また、この反応はアルゴンや窒素などの不活
性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。この反応の条件と
しては、温度は、−50〜50℃、好ましくは−20〜
30℃、時間は、0.1〜20時間、好ましくは1〜5
時間とするのが好ましい。反応後は減圧乾燥を行うこと
で一般式(V)で示される化合物を除いてもよいし、過
剰のアミンを中和後、ろ過により、副生成物の塩を除去
後、減圧乾燥を行ってもよい。
(VI)に一般式(VII)
ル基を示す。)で示される酸クロリドと重合可能な不飽
和結合を有する単量体を反応させ、前記一般式(I)で
示されるボロン酸基含有単量体を得ることができる。
もあるが、中間体(VI)と一般式(VII)で示される化
合物の溶解性を考慮して溶媒を選択することが望まし
い。溶媒としては、例えば、酢酸エチル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジメチルアセトアミド、ジメチル
ホルムアミドまたは水などを適宜選択する必要がある。
この反応で中間体(VI)と一般式(VII)で示される化
合物の仕込みモル比は、使用する溶媒にも依存するが、
中間体(VI)1モルに対して一般式(VII)で示される
化合物1モル以上、好ましくは10モル以上とするのが
よい。また、この反応はアルゴンや窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下で行うのが好ましい。この反応の条件は、温
度−50〜50℃、好ましくは−20〜30℃、時間
0.1〜20時間、好ましくは1〜5時間とするのがよ
い。反応後は減圧乾燥を行うことで一般式(I)で示さ
れる化合物を濃縮することができるが、通常の精製方法
で一般式(I)で示される化合物を精製することがで
き、例えば2相分離系溶媒を用いて生成物を精製した
り、溶媒を選択して再結晶化を行ったりすることができ
る。
量体は前記一般式(I)で表されるボロン酸基含有単量
体の合成法に準じて合成することができる。
一般式(II)で表されるボロン酸基含有単量体を単独重
合させるか、あるいは一般式(I)、または一般式(I
I)で表されるボロン酸基含有単量体と該単量体と共重
合可能な他の単量体とを共重合することにより得られ
る。
例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)
アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルア
ミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸、各
種アルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、(メ
タ)アクリル酸モノグリセロール、アクリロニトリル、
スチレン、各種マクロモノマー、ビニルベンジルアミ
ン、アミノスチレン、2−ビニルピリジン、3−ビニル
ピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾー
ル、N−メチル−2−ビニルイミダゾール、N−ビニル
イミダゾール、N,N−ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド各種四級塩、N,N−ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート各種四級塩、N,
N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート各種四
級塩、酢酸ビニル、N−[トリス(ヒドロキシメチル)
メチル](メタ)アクルアミド、イタコン酸、メタコン
酸、フマル酸、無水マレイン酸、ビニルベンジルアミン
等が挙げられる。
示は「アクリルおよび/またはメタクリル」を意味す
る。これらの他の単量体を共重合することで、重合体の
親水性、疎水性等を調整することができる。
えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1、4−ブチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ
(メタ)アクリロイルオキシプロパン、2,2−ビス
〔4−((メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニ
ル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリロ
イルオキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−
ビス〔4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メ
タ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル〕プ
ロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
ト、N,N−メチレンビス((メタ)アクリルアミ
ド)、アリル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジアリルエーテル、ジビニルベンゼン等の多官能単
量体などが挙げられる。これらの多官能単量体を共重合
した場合、得られる共重合体は架橋型となり、これらの
多官能単量体を共重合することで、重合体の強度、膨潤
性などを調整することができる。
体を選択することで、共重合体の物性を調整することが
できる。前記共重合する他の単量体の1種以上を混合し
て用いることもでき、一般式(I)、または一般式(I
I)で表されるボロン酸基含有単量体は全不飽和単量体
中、100〜2モル%の範囲で用いられる。好ましくは
100〜5モル%、より好ましくは50〜10モル%の
範囲で用いるのがよい。この場合、一般式(I)、また
は一般式(II)で表されるボロン酸基含有単量体が2モ
ル%より少ないと、この単量体が有する多価水酸基含有
化合物とのコンプレックス形成が十分発現することがで
きない。
公知のラジカル重合法、例えば溶液重合法、塊状重合
法、乳化重合法、懸濁重合法などにより得ることができ
る。重合反応では、重合開始剤を使用するのが好まし
く、例えば、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草
酸)、2,2’−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,2’
−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロ
パン〕二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド
二水和物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸
化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネー
ト、ターシャリブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノ
エート、ターシャリブチルペルオキシピバレート、ター
シャリブチルペルオキシジイソブチレート、過酸化ラウ
ロイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾ
ビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ
る。これらを単独で用いても、あるいは各種レドックス
開始剤系などを併用して用いても良い。また、これらの
重合開始剤は1種または2種以上を用いることができ
る。重合開始剤の使用量は、全不飽和単量体に対して
0.01〜5重量%が好ましい。
宜重合系を不活性ガス、例えば窒素、二酸化炭素、ヘリ
ウム、アルゴン等で置換ないし、雰囲気下にし、重合温
度は0〜100℃の範囲で、重合時間としては10分〜
7日間程度である。ラジカル重合により得られる本発明
の重合体の分子量は、重合温度、開始剤使用量、単量体
濃度などによって異なるが、多官能単量体を含まない系
では、重量平均分子量で、5,000〜800,000
の範囲のものが得られる。
合可能な不飽和結合を有する新規な化合物であり、水溶
性が高く、生理的pH(pH=7.4)で多量の−B
(OH) - 3が存在する低いpKaを有している。該単量
体に基づく構成単位を含有する重合体は含水ゲルを形成
することができ、LCSTを利用した糖応答性ゲルとし
て利用可能である。
する。次に用いた測定方法を示した。 1.pKaの測定; 機種;pH計(φ;50 pH Meter、Deck
men製)電導率計(DS−8F、堀場) 測定条件;25℃ 測定方法;5×10-7molの試料に49.2mlの蒸
留水及び0.8mlの0.1N−NaOH水溶液を加え
て試料を溶解した。次いで、この溶液にpH計及び電導
度計の電極をいれ0.01N−HClの水溶液で滴定し
た。 2.質量分析; 機種;JMS−700{日本電子(株)製}を用いて行
った。 3.水溶性の評価;試料2gを100mlの水に投入
し、60℃で加温して、目視で、水溶性の評価を行っ
た。
(以下CPBAと略す)に80mlの塩化チオニルを加
え、アルゴン気流下で、80℃で、50時間還流した。
この溶液を減圧乾燥後、100mlのエチレンジアミン
を加え、氷冷下で20時間攪拌した。沈殿物をろ過によ
って取り除き、110mlの1N水酸化ナトリウムを加
え、凍結乾燥を行った。この固体に蒸留水30mlを加
えて溶解し、氷冷下でアセチルクロリド10mlを滴下
し、一晩攪拌した。次に、生成した白色沈殿物をろ別
し、減圧乾燥を行った。更に、この白色沈殿物約2gを
100mlの水で溶解し、60℃に加温し、冷却後、0
℃で一晩放置し、結晶化を行った。生成物の1H−NM
R分析、質量分析の結果を次に示した。1 H−NMR分析の結果(δ(ppm)、DMSO−d
6/TMS); 3.1 ;−CH2CH2− 5.8−6.3 ;CH2=CH− 7.7 ;フェニル基 ピーク強度比4:3:4であった。 また、質量分析の結果は319[M++グリセリン−2
H2O]+の値であった。結果より、得られた結晶が4−
(1’,6’−ジオキソ−2’,5’−ジアザ−7’−
オクテニル)−フェニルボロン酸(以下、DODAOP
BAと略す)であることを確認した。
果、pKa=7.5であった。このDODAOPBAが
低いpKaを有することが確認された。
方法にしたがって行なった。その結果、DODAOPB
Aは完全に溶解することが確認された。
2gの4−ヘプタフルオロプロピル−3−アクリルアミ
ドフェニルボロン酸(特開平5−301880号公報
中、実施例3の化合物)を用いて同様に水溶性の評価を
行った。その結果、4−ヘプタフルオロプロピル−3−
アクリルアミドフェニルボロン酸は、この濃度では完全
に溶解されなった。参考例1、および比較参考例1よ
り、本発明の単量体の水溶性が高いことが確認された。
イソプロピルアクリルアミド(以下、NIPAAmと略
する)を7mlのベンゼンおよび3mlのエタノ−ルか
らなる混合溶媒に溶解し、25mgの2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトル)を加え、脱気封管
後40℃で45分間重合した。得られた重合体はジエチ
ルエーテルによって洗浄を行い、真空乾燥を行った結
果、360mgの重合物が得られた。収率は28%であ
った。
ノマ−由来のピ−クを比較することで、重合体の組成を
算出した。さらに、得られた重合体をゲルろ過タイプの
高速液体クロマトグラフィ−で分析し、ポリエチレング
リコールの標準サンプルから重量平均分子量を求めた。
また、生成物の電導度滴定を行うことで重合後のボロン
酸基のpKaを測定した。これらの結果を次に示す。1 H−NMR分析の結果(δ(ppm)、DMSO−d
6/TMS); 1.0 ;−CH3 1.2−1.7 ;−CH2−(主鎖) 1.9−2.1 ;−CH−(主鎖) 3.1−3.5 ;−CH2−(側鎖) 3.7−3.9 ;−CH−(側鎖) 7.8 ;フェニル基 8.2 ;−B(OH)2 また、組成比はDODAOPBA:NIPAAm=1
3:87であった。重量平均分子量分析の結果は45,
000であり、pKaは7.4であった。以上の結果よ
りポリ(4−(1’,6’−ジオキソ−2’,5’−ジ
アザ−7’−オクテニル)−フェニルボロン酸−co−
N−イソプロピルアクリルアミド)共重合体が得られた
ことを確認した。
1.654gのリン酸2水素ナトリウム2水和物、16
gの塩化ナトリウム、0.4gの塩化カリウム、2gの
アジ化ナトリウムを1.8リットルの水に溶解し、水酸
化ナトリウム水溶液を加えることでpHを7.4に合わ
せ、さらに水を加えて、最終体積を2リットルとするこ
とで、イオン強度0.15のリン酸緩衝生理食塩水を作
製した。次にこの生理食塩水にグルコースを加えること
で、各種濃度(0,1,3,5,10g/リットル)の
グルコースを含むリン酸緩衝生理食塩水を調製した。こ
れらの溶液3mlに3mgの実施例2の重合体を溶解
し、15℃に保温し、500nmにおける透過率を測定
した。その結果、0,1,3g/リットルのグルコース
濃度では透過率ほぼ100%であり、重合体が溶解して
いたのに対して、5,10g/リットルのグルコース濃
度では、透過率がそれぞれ80%、15%と極端に低下
し(白濁状態)、重合体が沈殿状態であることが確認さ
れた。このことから、本重合体はLCSTを利用した糖
応答性ゲルとして利用可能であることがわかる。
Claims (6)
- 【請求項1】下記の一般式(I) 【化1】 {式中、R1は水素原子またはメチル基、R2は、−R4
−O−(R3O)n−R5−で表される基(但し、R3は
炭素数2〜4のアルキレン基、R4は−CH2CH2−ま
たは−CO−CH2−、R5は−CH2CH2−または−C
H2−CO−、nは1〜200の整数を示す。)、また
は炭素数2〜8の2価の炭化水素基を示す。}で表され
るボロン酸基含有単量体。 - 【請求項2】下記の一般式(II) 【化2】 で表されるボロン酸基含有単量体。
- 【請求項3】請求項1記載の一般式(I)で表されるボ
ロン酸基含有単量体に基づく構成単位を含有してなる重
合体。 - 【請求項4】請求項2記載の一般式(II)で表されるボ
ロン酸基含有単量体に基づく構成単位を含有してなる重
合体。 - 【請求項5】重量平均分子量で5,000〜800,0
00である請求項3記載の一般式(I)で表されるボロ
ン酸基含有単量体に基づく構成単位を含有してなる重合
体。 - 【請求項6】重量平均分子量で5,000〜800,0
00である請求項4記載の一般式(II)で表されるボロ
ン酸基含有単量体に基づく構成単位を含有してなる重合
体。
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---|---|---|---|
JP12608298A JP3867400B2 (ja) | 1998-05-08 | 1998-05-08 | ボロン酸基含有単量体およびその重合体 |
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