JPH0617952B2 - 高含水コンタクトレンズ材料 - Google Patents

高含水コンタクトレンズ材料

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JPH0617952B2
JPH0617952B2 JP60204636A JP20463685A JPH0617952B2 JP H0617952 B2 JPH0617952 B2 JP H0617952B2 JP 60204636 A JP60204636 A JP 60204636A JP 20463685 A JP20463685 A JP 20463685A JP H0617952 B2 JPH0617952 B2 JP H0617952B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は優れた光学的性質、気体透過性および力学的性
質を有する高含水コンタクトレンズに用いられる高含水
コンタクトレンズ材料に関する。
[従来の技術] 近年、高分子材料の医療産業分野への利用が進むにつれ
て、親水性重合体への関心が高まり、とくに水不溶性
で、かつ大きな含水性を有する高分子材料が医療用材料
をはじめとした各種膜材料、カテーテル、カニューレ、
含水性コンタクトレンズなどに用いられるようになって
いる。
このような含水性材料は、高含水性のモノマーであるN
−ビニルピロドリドンやN,N−ジメチルアクリルアミ
ドなどを利用することにより、その材料の含水性を高め
ている。しかし、このような水不溶性で、かつ大きな含
水性を有するヒドロゲルは、含水率が高くなるにつれて
力学的性質が急激に低下したり、あるいは気体透過性を
高めようとするとかえって透明性が失なわれ、これまで
光学的性質、気体透過性および力学的性質を同時に充分
に満足するようなヒドロゲルをうるにいたっていない。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、前記実情に鑑み、優れた光学的性質、気
体透過性および力学的性質を有する高含水コンタクトレ
ンズをうるべく研究を重ねた結果、高含水性モノマーで
ある一般式: (式中、R1はHまたはCH;R2およびR3はそれぞ
れ水素原子または炭素数1もしくは2のアルキル基を示
す)で表わされる(メタ)アクリルアミド類と、分子内
に少なくとも1個のラジカル重合可能な重合基を有する
ポリエステルとを重合してえられるヒドロゲルが、前記
目的を達成するのに好ましいことを見出し、本発明を完
成するにいたった。
[問題点を解決するための手段] すなわち、本発明は光学的に透明な分子量1000〜1
00000の分子内に少なくとも1個のラジカル重合可
能な重合基を有するポリエステルと一般式: (式中、R1はHまたはCH;R2およびR3はそれぞ
れ水素原子または炭素数1もしくは2のアルキル基を示
す)で表わされる(メタ)アクリルアミド類とを必須成
分として重合してえられる光学的に透明なヒドロゲル基
材からなる高含水コンタクトレンズ材料であって、前記
ポリエステルが (A)(i)式: で示されるシクロヘキセンオキシド50〜99モル%な
らびに (ii)式(I): (式中、R4はビニル基、アリル基、アクリロイル基、
メタクリロイル基、 式: (式中、nは2〜50の整数を示す)で表わされる基、 式: (式中、mは2〜50の整数を示す)で表わされる基お
よび 式:CH2=CHOClH2l−(式中、lは1〜50の整数を示
す)で表わされる基よりなる群から選ばれた基を示す)
で表わされたエポキシ化合物1〜50モル%を主成分と
するエポキシ化合物と、 (B)無水フタル酸との反応生成物であることを特徴と
する高含水コンタクトレンズ材料に関する。
[作 用] 本発明においては、高含水性モノマーである一般式: (式中、R1はHまたはCH;R2およびR3はそれぞ
れ水素原子または炭素数1もしくは2のアルキル基を示
す)で表わされる(メタ)アクリルアミド類(以下、A
Amという)を必須成分として用いることにより、えら
れるヒドロゲルの含水性を非常に大きくすることがで
き、分子内に重合基を有する補強能にすぐれたポリエス
テルを用いることにより、ポリエステル自身が高分子量
を有するポリマーであるので、単にモノマーで補強する
ばあいと比べて数段の補強効果が期待でき、さらにポリ
エステル分子内に重合基を有するので、この重合基とA
Amが有する重合基とが良好に重合しあってAAmの重
合物中に力学的特性にすぐれたポリエステルが導入さ
れ、AAmの重合物を効果的に補強しうる。
その結果、本発明の高含水コンタクトレンズ材料からえ
られた高含水コンタクトレンズは、力学的特性にすぐ
れ、また巨視的に相分離のない均一なものである。
本発明の高含水コンタクトレンズ材料において、前記A
Amと分子内に重合基を有するポリエステルとがどのよ
うな形態で重合しているのかは未だ明確にはわかってい
ないが、おそらくポリAAm鎖とポリエステル鎖とが互
いの重合基のところで交差するようにしてつながってい
ると考えられる。この際、該ポリエステル鎖が重合基を
2つ以上有すれば該ポリエステル鎖は補強能に加えて架
橋能を具備することになり、とくにこのばあいには該ポ
リエステル鎖と前記ポリAAm鎖とが良好に架橋しあ
い、その結果、えられたヒドロゲルの形状安定性なども
向上させることができるので、より好ましいといえる。
つぎに重合基としてメタクリロイル基を有する重合基を
導入したポリエステル鎖とポリAAm鎖との重合形態の
一例を示す。
[実施例] 本発明に用いられるポリエステルは、分子量1000〜
100000、好ましくは4000〜60000の分子
内に少なくとも1個のラジカル重合可能な重合基を有す
るるものが好適である。
前記ポリエステルの合成に用いるエポキシ化合物として
は、つぎに示す第1〜2群よりなる群から選ばれた成分
があげられ、各々の使用量についても併せて示す。
[第1群] 式: で示されるシクロヘキセンオキシドがあげられる。
使用量については、反応に供せられるすべてのエポキシ
化合物中、50〜99モル%の範囲が好ましい。
[第2群] 式(I): (式中、R4はビニル基、アリル基、アクリロイル基、
メタクリロイル基、 式: (式中、nは2〜50の整数を示す)で表わされる基、 式: (式中、mは2〜50の整数を示す)で表わされる基お
よび 式:CH2=CHOClH2l−(式中、lは1〜50の整数を示
す)で表わされる基よりなる群から選ばれた基を示す)
で表わされたエポキシ化合物。
式(I)で示される化合物の代表例としては、たとえば
アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレート、ビニルポリ(オキシエチレ
ン)グリシジルエーテル、ビニルポリ(オキシプロピレ
ン)グリシジルエーテルなどがあげられる。
使用量は反応に供せられるすべてのエポキシ化合物中、
1〜50モル%の範囲が好ましい。使用量が50モル%
よりも多くなると、導入される重合基の量が増加し、一
般に架橋性モノマーを使用しすぎたばあいと同様に生成
ヒドロゲルの含水率の低下やゴム弾性の低下を招来する
こととなり、好ましくない。
本発明に用いられるポリエステルを合成するには、生成
ポリエステル分子内に少なくとも1個のラジカル重合可
能な重合基を導入する必要があり、そのために前記第2
群のエポキシ化合物の使用は必須である。
前記エポキシ化合物と無水フタル酸との反応は、ポリエ
ステルの収率と高分子化の点からエポキシ化合物と無水
フタル酸とのモル比が40:60〜60:40、なかん
づく45:55〜55:45の範囲内となるように調整
され、触媒の存在下、溶媒中で約60〜120℃、好ま
しくは約80〜100℃の反応温度で約3〜数百時間、
好ましくは5〜300時間行なう。
かかる反応に用いる触媒としては、たとえば式: (式中、R5、R6およびR7は同じかまたは異なり、炭
素数1〜6のアルキル基、ベンジル基またはピリジンで
ある)で示される第3級アミン類などの塩基性触媒、そ
のほかに安息香酸の塩基性塩、臭化リチウム、Al(ア
ルコキシ)、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム
塩などがあげられる。塩基性触媒の具体例としては、た
とえばジメチルベンジルアミン、ジメチルアミノピリジ
ンなどがあげられ、四級アンモニウム塩の具体例として
は、たとえばトリメチルベンジルアンモニウムクロライ
ド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テト
ラブチルアンモニウムブロミドなどがあげられ、四級ホ
スホニウム塩の具体例としては、たとえばテトラn−ブ
チルホスホニウムブロミドなどがあげられる。
かかる触媒の使用量は反応に供せられるすべての無水フ
タル酸中、0.1〜5モル%の範囲が好ましい。使用量
が前記範囲よりも多いと生成ポリエステルの分子量が小
さくなる傾向があり、また前記範囲よりも少ないと効率
よく反応が進行せず、生成ポリエステルの収率の低下に
つながる。
前記反応を溶媒中でおこなうばあいの溶媒としては、反
応に供するエポキシ化合物および無水フタル酸などを溶
解しうるものであればよく、たとえばトルエン、ベンゼ
ン、キシレン、1,2−ジクロロエタンなどが好まし
い。ただし、メタノール、エタノールなどのようなアル
コール類は反応に関与するので使用しえない。
また前記反応においては、通常使用される重合禁止剤、
たとえばヒドロキノンなどを必要に応じて使用してもよ
い。
かくして合成されるポリエステルは、溶媒に溶解させた
溶液状態で無色透明であり、透明性に優れており、また
乾燥状態では白色粉末状である。分子量をゲル浸透クロ
マトグラフィー(以下、G.P.C.という)(Tri
rotor III型G.P.C.分析装置(日本分光
(株)製)、検出器:Shodex RI SE−31
(昭和電工(株)製)、カラム:Shodex PAK
G.P.C.用(A−80 M型)(昭和電工(株)
製)、流量1.0ml/min、カラム温度:40℃、
溶媒:テトラヒドロフラン)により測定すると、100
0〜100000の範囲にある。分子量は生成ヒドロゲ
ルの力学的性質に影響を及ぼし、分子量が大きいほど生
成ヒドロゲルの力学的性質を良好にすることができ、か
つ合成したポリエステル自身の分離・精製上も有利であ
る。好ましい分子量の範囲は4000〜60000であ
る。
本発明に用いられるAAmは、一般式: (式中、R1はHまたはCH;R2およびR3はそれぞ
れ水素原子または炭素数1もしくは2のアルキル基を示
す)で表わされる。式中、R2およびR3の炭素数が多く
なると所望の高含水性がえられにくくなるばあいがある
ので好ましくない。該AAmの具体例としては、(メ
タ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メ
タ)アクリルアミドなどがあげられるが、これらに限定
されるものではない。
前記AAmのなかでも、材質的に安定しているN,N−
ジメチルアクリルアミドなどは好ましく利用される。こ
れらのAAmは単独で用いてもよく、2種以上混合して
用いてもよい。
本発明に係わる重合体は、前記ポリエステルとAAmの
ほかに公知の含水性モノマーとして透明性および水溶性
に優れていることが知られているN−ビニルラクタムな
どを使用し、えられる重合体の物性を調製することはも
ちろん可能である。
前記N−ビニルラクタムの具体例としてはN−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラ
クタムなどやこれらのラクタム環が1個以上の炭素原子
数1〜4の低級アルキル基で置換されたものなどがあげ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
N−ビニルラクタムは単独で用いてもよく、2種以上混
合して用いてもよい。また、N−ビニル基を有する化合
物で重合性があり、重合体が親水性を有するもの、たと
えばN−ビニルヘテロ環化合物であるN−ビニルピリジ
ン、N−ビニルサクシイミドのようなものあるいは前記
N−ビニルラクタムと同様な性質を有する化合物、たと
えばα−メチレン−N−メチルピロリドンのようなもの
をN−ビニルラクタムとともにまたはN−ビニルラクタ
ムにかえて使用してもよい。なかでも、すでにその透明
性、水溶性の良さが知られているN−ビニルピロリドン
は好ましく利用されうる。
前記重合体に使用されるポリエステル、AAmおよび任
意成分であるN−ビニルラクタムなどの使用割合などは
つぎのとおりである。
このばあい、えようとする高含水コンタクトレンズ材料
として好ましい透明性と高含水性を充分にみたす材料と
するためには、ポリエステルと親水性付与モノマー材料
であるAAmやN−ビニルラクタムなどのモノマーを重
量比で約3:97〜60:40、好ましくは約10:9
0〜30:70の比率で重合させるのが好ましい。
このばあい、親水性付与の目的で用いられるAAmとN
−ビニルラクタムなどは、ある程度互換性のあるもので
はあるが、AAmをすべての混合物100重量部に対し
て5重量部以上、好ましくは20重量部以上使用したば
あいには、前記所望の高含水性材料をうることができる
ので好ましい。ポリエステルの使用量が多いばあいある
いはポリエステルとAAmの両者を容易に均一混合させ
るためにはつぎに示す方法が好ましい。
すなわち、所望量の精製ポリエステル(固体状でも液体
でもよい)をハロゲン化炭化水素、たとえばジクロロメ
タン、クロロホルムなどあるいはアセトンなどのような
ポリエステルとAAmとの混合後除去しやすい低沸点の
揮発性溶媒を用いて溶かし、その中へ液状のAAmを所
望量添加し、該ポリエステルとAAmとを均一に溶解さ
せたのち、前記溶媒を蒸発させ、ついで重合開始剤を加
えて加熱重合する。
ところで、AAmのなかでも、たとえばアクリルアミド
などの固体状のものとポリエステルを重合させるばあい
には、どちらも固体状であるため、このままの状態では
通常のラジカル重合を行なうことができない。そこで、
このようなばあいにはアクリルアミドとポリエステルの
双方に良溶媒であるようなジメチルスルホキシド、ジメ
チルホルムアミドなどの溶媒に溶解させた状態で重合を
行なうことが好ましい。また、固体状のAAm、ポリエ
ステルを他の液状のAAmまたはN−ビニルラクタムな
どに溶解させた状態とすれば通常の塊状重合が可能とな
る。またフイルム成形するようなばあいには、ポリエス
テル−AAm混合液の粘度を下げる目的でジメチルスル
ホキシドのような溶媒を使用してもよい。
本発明の重合体に前記N−ビニルラクタムを使用するば
あいには、ポリエステルの有する重合基がビニル基やア
リル基であることが重合性を良好にするために好まし
い。
また前記のとおりAAmについては、メタクリロイル
基、アクリロイル基を重合基として含有するポリエステ
ルが好ましい。
そこで本重合体に用いるポリエステルの重合基について
は、AAmのみ(以下、単独系という)を使用するばあ
いには、メタクリロイル基およびアクリロイル基のうち
1種以上を有するものが好ましく、AAmとN−ビニル
ラクタムの混合系(以下、混合系という)のばあいに
は、メタクリロイル基およびアクリロイル基のうち1種
以上と、アリル基およびビニル基のうち1種以上とをそ
れぞれ有するポリエステルの2種類類の混合ポリエステ
ルを用いるか、あるいはポリエステルの1鎖中に前記メ
タクリロイル基およびアクリロイル基の1種以上と、ア
リル基およびビニル基の1種以上との2種類の重合基を
含んだポリエステルを用いることが好ましい。
前記混合系を用いるばあいには、使用するモノマーの混
合比にあわせて、メタクリロイル基またはアクリロイル
基含有ポリエステルと、アリル基またはビニル基含有ポ
リエステルの混合比を変化させたりすることにより、よ
り均一な重合が進行していく。
前記重合体に用いる重合開始剤としては、たとえば2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル
バレロニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル、ベン
ゾイルパ−オキサイド、t−ブチルハイドローオキサイ
ド、クメンハイドローオキサイドなどの過酸化物あるい
はレドックス開始剤などがあげられる。かかる重合開始
剤の使用量は、重合に供せられるすべての化合物に対し
て0.001〜2重量%、好ましくは0.01〜0.5
重量%である。また重合は、とくに限定はないが、昇温
方式にて行なうことが好ましく、約20〜約115℃程
度の範囲で、各温度につき数時間〜数十時間の昇温にて
重合を完結させるのが好ましい。
本発明において、力学的特性、光学的特性、含水性など
多方面の性質においてより一層すぐれたヒドロゲルをう
るためには、特性の異なる2、3種のポリエステルを前
記使用範囲内で組合わせて使用することが好ましい。
つぎに本発明の高含水コンタクトレンズ材料およびこれ
によりえられた高含水コンタクトレンズを実施例にもと
づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定さ
れるものではない。
参考例1[本発明に用いられる分子内に重合基を有する
ポリエステルの合成] ジムロートを取り付けた3リットル丸底フラスコ中を充
分にアルゴンで置換したのち、無水フタル酸(和光純薬
工業(株)製)325.06g(2.19モル)、シク
ロヘキセンオキシド(東京化成工業(株)製)204.
56g(2.08モル)およびアリルグリシジルエーテ
ル(和光純薬工業(株)製)12.53g(0.11モ
ル)を溶媒のトルエン219ml、触媒の臭化テトラn
−ブチルホスホニウム(アルドリッチ社製)1.49g
とともに加え、80℃で8日間攪拌下に反応させた。放
冷後、えられた粘性液体を約2.5リットルのジクロロ
メタンに溶解させ、ついでメタノール40リットル中に
加え、沈殿物を形成させた。濾別後、えられた固体を4
0℃で減圧乾燥させ、白色固体513.18gをえた。
かくしてえられたポリエステルの分子量をG.P.C.
によって測定したところ、数平均分子量▲▼=34
700、重量平均分子量▲▼=47300であっ
た。
なお、G.P.C.による分子量の測定は、Triro
torIII型G.P.C.分析装置(日本分光(株)
製)(検出器:Shodex RI SE−31、カラ
ム:Shodex PAK G.P.C. A−80
M型(昭和電工(株)製)、溶媒:テトラヒドロフラ
ン)を用い、カラム温度40℃、流量1.0ml/mi
nの測定条件で行なった。
参考例2 ジムロートを取り付けた100mlのナス型フラスコ中
を充分にアルゴンで置換したのち、無水フタル酸(和光
純薬工業(株)製)14.29g(0.096モル)、
シクロヘキセンオキシド(東京化成工業(株)製)8.
99g(0.092モル)メタクリル酸グリシジル(和
光純薬工業(株)製)0.70g(0.005モル)を
溶媒のトルエン10ml、触媒の臭化テトラn−ブチル
ホスホニウム(アルドリッチ社製)0.39g(0.0
01モル)とともに加え、80℃で5日間攪拌下で反応
させた。放冷後、えられた粘性液体を約150mlのジ
クロロメタンに溶解させ、ついでメタノール3リットル
中に加え沈殿物を形成させた。濾別後、えられた固体を
40℃で減圧乾燥させ、白色固体23.10gをえた。
かくしてえられたポリエステルの分子量をG.P.C.
によって測定したところ、数平均分子量▲▼=15
700、重量平均分子量▲▼=21400であっ
た。なお、分子量の測定は、参考例1に準じて行なっ
た。
参考例3 ジムロートを取り付けた100mlのナス型フラスコ中
を充分にアルゴンで置換したのち、無水フタル酸(和光
純薬工業(株)製)14.32g(0.097モル)、
フェニルグリシジルエーテル(東京化成工業(株)製)
13.77g(0.093モル)およびメタクリル酸グ
リシジル(和光純薬工業(株)製)0.69g(0.0
05モル)を溶媒のトルエン10ml、触媒のテトラn
−ブチルホスホニウムブロミド(アルドリッチ社製)
0.32g(0.001モル)とともに加え、80℃で
5日間攪拌下で反応させた。放冷後、えられた粘性液体
を約150mlのジクロロメタンに溶解させ、ついでメ
タノール3リットル中に加えて沈殿物を形成させた。濾
別後、えられた固体を40℃で減圧乾燥させ、白色固体
25.90gをえた。
かくしてえられたポリエステルの分子量をG.P.C.
によって測定したところ、数平均分子量▲▼=12
300、重量平均分子量▲▼=19700であっ
た。なお、分子量の測定は、参考例1に準じて行なっ
た。
実施例1 参考例2でえられた白色の粉末状のポリエステル3.0
gをジメチルアクリルアミド(東京化成工業(株)製)
12.0gに、均一に混合溶解させた後、重合開始剤と
してV−65(アゾビスジメチルバレロニトリル)0.
012gを加えて溶解させた。かくしてえられた重合用
溶液を内径15mmのポリプロピレン製試験管に入れ、
順次30℃で48時間、40℃で4時間、50℃で4時
間、60℃で4時間、70℃で4時間、80℃で4時
間、95℃で1時間、115℃で2時間加熱重合し、棒
材を合成した。
えられた棒材をプレート形状に加工し、該プレートを蒸
留水に浸漬し、膨潤させてプレート状のヒドロゲルをえ
た。
このヒドロゲルは透明性にすぐれていた。かくしてえら
れた厚さ0.2mm、直径15mmのプレート状のヒド
ロゲルを用いて下記の方法により、含水率、可視光線透
過率および突き抜き荷重を測定した。
(含水率) 平衡含水フィルムおよび乾燥フィルムの重量を測定し
た。
(可視光線透過率) 自記分光光度計UV−240((株)島津製作所製)を
使用し、波長780〜380nmの領域の光の透過率を
測定した。
(突き抜き荷重) インストロン型の圧縮試験機を用い、含水状態のフィル
ム(厚さ約0.2mm)の中央部に直径1/16インチ
(約1.59mm)の押圧針をあてフィルム破断時の荷
重を測定した。
実施例2〜13 第1表に示す成分、分量を用いて調製した混合液を実施
例1と同様にして重合反応させてヒドロゲルをえた。え
られたヒドロゲルの含水率、可視光線透過率および突き
抜き荷重を実施例1と同様にして測定した。その結果を
第1表に示す。
比較例1〜3 従来より使用されている、高含水性モノマーであるN−
ビニルピロリドンを主成分とした市販の3種類の高含水
ソフトコンタクトレンズについて実施例1と同様にして
含水率、可視光線透過率および突き抜き荷重を測定し
た。その結果を第2表に示す。
比較例4 実施例1において、参考例2でえられた白色の粉末状の
ポリエステルのかわりに参考例3でえられた白色の粉末
状のポリエステルを用いたほかは、実施例1と同様にし
て重合反応させてヒドロゲルをえた。えられたヒドロゲ
ルの含水率、可視光線透過率および突き抜き荷重を実施
例1と同様にして測定した。その結果を第2表に示す。
なお、えられたヒドロゲルは、含水時には透明であっ
た。
比較例5 ジムロートを取り付けた50mlのナス型フラスコ中を
充分にアルゴンで置換したのち、無水フタル酸(和光純
薬工業(株)製)1.53g(0.01モル)、メタク
リル酸グリシジル(和光純薬工業(株)製)1.47g
(0.01モル)を溶媒としてN,N−ジメチルアクリ
ルアミド(東京化成工業(株)製)12g、触媒のテト
ラn−ブチルホスホニウムブロミド(アルドリッチ社
製)0.032g(0.0001モル)および熱重合禁
止剤ハイドロキノンモノメチルエーテル(和光純薬工業
(株)製)0.001g(0.008ミリモル)ととも
に加え、80℃で24時間攪拌下で反応させた。放冷
後、えられた液体に重合開始剤としてV−65(アゾビ
スジメチルバレロニトリル)0.02gを加えて溶解さ
せた。以下、実施例1と同様にして重合反応させてヒド
ロゲルをえた。えられたヒドロゲルの物性を実施例1と
同様にして測定しようとしたが、えられたヒドロゲル
は、寒天様を示し、非常に脆いものであったので、物性
を測定することができなかった。
比較例6 ジムロートを取り付けた50mlのナス型フラスコ中を
充分にアルゴンで置換したのち、無水フタル酸(和光純
薬工業(株)製)1.53g(0.01モル)、メタク
リル酸グリシジル(和光純薬工業(株)製)1.47g
(0.01モル)を溶媒としてトルエン1.25ml、
触媒のテトラn−ブチルホスホニウムブロミド(アルド
リッチ社製)0.033g(0.0001モル)ととも
に加え、80℃で5日間攪拌下で反応させた。放冷後、
えられた粘性液体にN,N−ジメチルアクリルアミド
(東京化成工業(株)製)12gを加え、均一に混合溶
解させた後、重合開始剤としてV−65(アゾビスジメ
チルバレロニトリル)0.013gを加えて溶解させ
た。以下、実施例1と同様にして重合反応させてヒドロ
ゲルをえた。えられたヒドロゲルは、非常に硬いもので
あった。えられたヒドロゲルの含水率、可視光線透過率
および突き抜き荷重を実施例1と同様にして測定したと
ころ、含水率が22%、含水時に透明となり、その可視
光線透過率は90%以上であった。突き抜き荷重に関し
ては、現有のロードセルでは強すぎて測定不可能であっ
た。
このヒドロゲルは、含水率が低いにもかかわらず、硬く
て脆い性状を示したため、とてもコンタクトレンズとし
て使用しうるものではなかった。
以上の結果から、本発明の高含水コンタクトレンズ材料
は、従来の高含水ソフトコンタクトレンズと比較して、
透明で同等もしくはそれ以上の含水性を有し、さらに強
度的にも優れたものであることがわかる。
本発明の高含水コンタクトレンズ材料は、その有効性か
ら種々の医療用材料に利用しうるが、架橋重合性が良好
であり透明性に優れていること、AAmの重合物の溶出
が極めて少ないことなどから、とりわけ高含水コンタク
トレンズに好適に使用されうる。
本発明の高含水コンタクトレンズ材料は、通常の重合技
術および成形技術、すなわち、切削研磨加工することに
より、または所定のコンタクトレンズに対応した形状を
有する成形型内で前記ポリエステルとAAmとの混合液
を注型重合させることによりえられる。
[発明の効果] 本発明は、従来例にみられるように含水率を高めると強
度が弱くなるという欠点を克服しており、高含水率でか
つ透明性および強度のすぐれた高含水コンタクトレンズ
材料を提供することができるという効果を奏す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学的に透明な分子量1000〜1000
    00の分子内に少なくとも1個のラジカル重合可能な重
    合基を有するポリエステルと一般式: (式中、R1はHまたはCH;R2およびR3はそれぞ
    れ水素原子または炭素数1もしくは2のアルキル基を示
    す)で表わされる(メタ)アクリルアミド類とを必須成
    分として重合してえられる光学的に透明なヒドロゲル基
    材からなる高含水コンタクトレンズ材料であって、前記
    ポリエステルが (A)(i)式: で示されるシクロヘキセンオキシド50〜99モル%な
    らびに (ii)式(I): (式中、R4はビニル基、アリル基、アクリロイル基、
    メタクリロイル基、 式: (式中、nは2〜50の整数を示す)で表わされる基、 式: (式中、mは2〜50の整数を示す)で表わされる基お
    よび 式:CH2=CHOClH2l−(式中、lは1〜50の整数を示
    す)で表わされる基よりなる群から選ばれた基を示す)
    で表わされたエポキシ化合物1〜50モル%を主成分と
    するエポキシ化合物と、 (B)無水フタル酸との反応生成物であることを特徴と
    する高含水コンタクトレンズ材料。
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