JP2012241976A - ループ型ヒートパイプ - Google Patents
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Abstract
【課題】飛散現象やウォーターハンマー現象を防止するとともに、熱輸送の効率低下を抑制するループ型ヒートパイプを提供する。
【解決手段】加熱されて蒸発し放熱して凝縮する作動流体を封入しているとともに、気相の作動流体が凝縮される凝縮部7と、その凝縮部7で生じた液相の作動流体が一方向に流れる液流管14と、液相の作動流体が流入する入口16と気相の作動流体が流出する出口17とを備えており、液流管14を介して入口16から流入した液相の作動流体が蒸発される蒸発部6と、蒸発部6の出口17と凝縮部7とに接続されており、蒸発部6で生じた気相の作動流体が凝縮部7に一方向に流れる蒸気流管22とが環状に連結したループ型ヒートパイプにおいて、蒸気流管22または蒸発部6の出口17と蒸発部6の入口16とを連結するとともに、蒸気流管22で生じた液相の作動流体が蒸発部6の入口16に一方向に流れる液バイパス管23が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】加熱されて蒸発し放熱して凝縮する作動流体を封入しているとともに、気相の作動流体が凝縮される凝縮部7と、その凝縮部7で生じた液相の作動流体が一方向に流れる液流管14と、液相の作動流体が流入する入口16と気相の作動流体が流出する出口17とを備えており、液流管14を介して入口16から流入した液相の作動流体が蒸発される蒸発部6と、蒸発部6の出口17と凝縮部7とに接続されており、蒸発部6で生じた気相の作動流体が凝縮部7に一方向に流れる蒸気流管22とが環状に連結したループ型ヒートパイプにおいて、蒸気流管22または蒸発部6の出口17と蒸発部6の入口16とを連結するとともに、蒸気流管22で生じた液相の作動流体が蒸発部6の入口16に一方向に流れる液バイパス管23が設けられている。
【選択図】図1
Description
この発明は、コンテナの内部に封入した作動流体によって熱を輸送するように構成されたヒートパイプに関し、特にコンテナが環状に連結されたループ型ヒートパイプに関するものである。
ループ型ヒートパイプの基本的な構成は、空気などの非凝縮性の気体を脱気したコンテナ(容器)の内部に、水やアルコールなどの目的とする温度範囲で蒸発および凝縮する作動流体が作動流体として封入されているとともに、外部から熱が伝達される蒸発部と、作動流体が外部に放熱する凝縮部とが環状に連結されたものである。したがって、ルート型ヒートパイプにおいては、その作動流体が蒸発部で外部から熱を受けて蒸発し、その蒸気が温度および圧力の低い箇所に向けて流れた後に凝縮部で放熱して凝縮する。その結果、作動流体は、コンテナの内部を一方向に流れつつ、その潜熱によって熱を輸送する。また、ループ型ヒートパイプは、長距離熱輸送および大量熱輸送が可能であるため、蒸発部と凝縮部とを離れた位置に配置することができる。その一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載されている発明は、液体の作動流体が重力方向に流れる液管に対して蒸気の作動流体が逆流して、作動流体の循環を停止させないことを目的としている。その構成は、内部に作動流体が封入されており、作動流体を放熱して凝縮する凝縮器と、液体の作動流体を溜める液だめパイプと、液体の作動流体が重力方向に流れる液管と、作動流体が熱を受けて蒸発する蒸発器とがループ状に連結されるとともに、凝縮部と液だめパイプとに熱交換フィンが設けられ、凝縮した作動流体が流入する蒸発器の入り口よりも蒸発した作動流体が流出する蒸発器の出口が上側に設置されている。
特許文献1に記載されている発明は、蒸発部と凝縮部とを離れた位置に配置できるものの、それらを連結する蒸気管が長くなってしまうことで、気相の作動流体の一部が蒸気管内で放熱し凝縮してしまい、その凝縮液が蒸気管内を重力方向において下方に流れ落ちてしまいやすい。そのため、その蒸気管で生じて重力方向に流れ落ちる凝縮液と蒸気管の軸線方向において凝縮部側に流れる気相の作動流体とが対抗して飛散現象やウォーターハンマー現象が生じるとともに、熱輸送の効率が低下してしまうおそれがあり、この点で改善の余地がある。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、飛散現象やウォーターハンマー現象を防止するとともに、熱輸送の効率低下を抑制するループ型ヒートパイプを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、加熱されて蒸発し放熱して凝縮する作動流体を封入しているとともに、気相の前記作動流体が凝縮される凝縮部と、その凝縮部で生じた液相の前記作動流体が一方向に流れる液流管と、液相の前記作動流体が流入する入口と気相の前記作動流体が流出する出口とを備えており、前記液流管を介して前記入口から流入した液相の前記作動流体が蒸発される蒸発部と、前記蒸発部の前記出口と前記凝縮部とに接続されており、前記蒸発部で生じた気相の前記作動流体が前記凝縮部に一方向に流れる蒸気流管とが環状に連結したループ型ヒートパイプにおいて、前記蒸気流管または前記蒸発部の前記出口と前記蒸発部の前記入口とを連結するとともに、前記蒸気流管で生じた液相の前記作動流体が前記蒸発部の前記入口に一方向に流れる液バイパス管が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、液相の前記作動流体と気相の前記作動流体とを分けるとともに、一方の分けられた液相の前記作動流体を前記液バイパス管に流入し、他方の分けられた気相の前記作動流体を前記蒸気流管に流入するよう構成された分岐部が、前記蒸気流管もしくは前記蒸発部の前記出口もしくは前記液バイパス管またはそれらの接続部に設けられていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記蒸気流管には、その内部で生じた液相の前記作動流体を撥水する処理がなされていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記蒸気流管には、その内部で気相の前記作動流体が放熱し凝縮することを抑制するための断熱材が設けられていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記液バイパス管には、その内部で液相の前記作動流体が蒸発することを抑制するための断熱材が設けられていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
さらに、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記作動流体の量またはその流れまたはその圧力のうち少なくともひとつを調節する制御バルブが設けられていることを特徴とするループ型ヒートパイプである。
この発明によれば、蒸気流管で生じた液相の作動流体が蒸発部の入口に一方向に流れる液バイパス管が、蒸気流管または蒸発部の出口と蒸発部の入口とを連結するように設けられている。したがって、蒸気流管で生じて重力方向において下方に流れ落ちる凝縮液は、蒸発部の出口に留まることなく、液バイパス管を介して蒸発部の入口へ流入するため、蒸気管の軸線方向において凝縮部側に流れる気相の作動流体と対抗することがなく、その結果、飛散現象やウォーターハンマー現象は抑制され、熱輸送の効率を向上させることができる。
さらに、請求項2の発明によれば、液相の作動流体と気相の作動流体とを分ける分岐部が設けられている。したがって、重力方向に流れ落ちる凝縮液が蒸気流管で生じた場合に、その凝縮液が、気相の作動流体が放出される蒸発部の出口に流入することを防止することができる。
つぎに、この発明を具体例に基づいて説明する。図2には、データセンタに、この発明におけるループ型ヒートパイプを適用した例を模式的に示してある。データセンタ1は、建屋2を備え、その室内に少なくとも複数のサーバラック3が設けられている。この建屋は、要は、サーバラックを収容するためものであり、例えば建設建物あるいは輸送用コンテナなどであってよい。各サーバラック3には多数の図示しないサーバが収容されており、それらサーバは、その基板上にデータ処理にともなって発熱する多数の電子機器が配設されている。これらサーバやサーバラック内の発熱による温度上昇を抑えるために、データセンタ1には、冷気を供給するクーラー4と外気を利用して冷却するサーモサイフォン式のループ型ヒートパイプ5とが設置されている。
この発明に係るループ型ヒートパイプは、その内部に封入される作動流体が加熱されて蒸発する蒸発部と、放熱することにより作動流体の蒸気を凝縮する凝縮部とを備えている。その蒸発部6における熱あるいは圧力と比較して、凝縮部7における熱あるいは圧力が低温または低圧力である場合において、ループ型ヒートパイプ5は、蒸発部6から凝縮部7に向けて熱輸送するように構成されている。また、ループ型ヒートパイプは、例えば銅や銅合金などによって構成されている。
この発明に係るループ型ヒートパイプは、その内部から空気などの非凝縮性ガスを脱気した状態で、作動流体が封入されている。図示しない作動流体は、蒸発部6で外部から熱を受けて蒸発し、その蒸気が温度および圧力の低い箇所に向けて流れた後に凝縮部7で放熱して凝縮する。また、凝縮部7で凝縮した作動流体は、重力によって蒸発部6に還流するため、蒸発部6から凝縮部7に向けた一方向にのみ熱を輸送するようなっている。また、作動流体は加熱されて蒸発し、かつ放熱して凝縮することにより、潜熱の形で熱を輸送する流体であり、ヒートパイプを使用する温度に応じて適宜に選択される。その一例を挙げると、水やアルコール、代替フロン、アンモニアなどが作動流体として使用される。なお、蒸発した作動流体は気相の作動流体または作動流体蒸気と呼び、凝縮した作動流体は液相の作動流体または凝縮液と呼ぶこととする。
作動流体蒸気を凝縮する凝縮部7は、図3に示すように、重力方向において上部に配置された作動流体蒸気が流入する蒸気ヘッダー部8(言い換えると、凝縮部7の入口)と、重力方向において蒸気ヘッダー部8よりも下部に配置された凝縮液が流入する凝縮液ヘッダー部9(言い換えると、凝縮部7の出口)と、それらヘッダー部8,9に接続された複数の凝縮管部10とによって構成されている。また、凝縮管部10は、作動流体蒸気が流入する端部11aと凝縮液が流出する端部11bとを備えた多数の平行に配置されたパイプ11と、作動流体蒸気が流入するそれら端部11bを連通するとともに、蒸気ヘッダー部8に連結されている連通パイプ12と、凝縮液が流出するそれら端部11bを連通するとともに、凝縮液ヘッダー部9に連結されている他の連通パイプ13とによって構成されている。したがって、蒸発部6と比較して温度および圧力の低い凝縮部7に流入した作動流体蒸気は、まず、蒸気ヘッダー部8を介して各凝縮管部10に分流される。つぎに、作動流体蒸気は、その温度よりも低い外気にさらされた凝縮管部10における多数のパイプ内で放熱して凝縮した作動流体(つまり凝縮液)となり、その凝縮液は、パイプ11の重力方向において下方に流れ、凝縮液ヘッダー部9に集約される。また、建屋内の熱を放出するために、凝縮部7は、建屋内よりも温度が低い建屋外に設置されている。なお、凝縮部の構成は、蒸発部から凝縮部に向けて還流し、熱輸送するように構成されていればよく、上記の構成でなくともよい。また、凝縮部は、蒸発部に対して温度差と高低差とがあればよく、例えば、その設置場所が建屋内でもよい。また、凝縮部には、放熱効率を高める熱交換フィンが設けられてもよい。
その凝縮部7で生じた凝縮液を重力方向において下方に流す液流管14の一方の端部が、凝縮部7の凝縮液ヘッダー部9と連通され、また、液流管14の他端部は、重力方向において凝縮部7よりも下部にある蒸発部6に連通されている。これにより、凝縮部7で凝縮した作動流体は、凝縮部7の凝縮液ヘッダー部9と液流管14とを介して、重力によって蒸発部6に一方向に還流する。また、凝縮液が重力方向において下方に流れる液流管14には、制御バルブ15が設けられている。この制御バルブ15は、作動流体の量やその流れ、その圧力などを調整する。
凝縮液を蒸発する蒸発部6は、図1に示すように、重力方向において下部に配置された凝縮液が流入する凝縮液ヘッダー部16(言い換えると、蒸発部6の入口)と、重力方向において凝縮液ヘッダー部16よりも上部に配置された作動流体蒸気が流入する蒸気ヘッダー部17(言い換えると、蒸発部6の出口)と、それらヘッダー部16,17に接続された複数の蒸発管部18とによって構成されている。また、蒸発管部18は、凝縮液が流入する端部19aと作動流体蒸気が流出する他の端部19bとを備えた多数の平行に配置されたパイプ19と、凝縮液が流入するそれら多数の端部19aを連通するとともに、凝縮液ヘッダー部16に連結されている連通パイプ20と、作動流体蒸気が流出するそれら他の端部19bを連通するとともに、蒸気ヘッダー部17に連結されている他の連通パイプ21とによって構成されている。液流管14を介して蒸発部6に流入した凝縮液は、まず、凝縮液ヘッダー部16を介して各蒸発管部18に分流される。これにより、凝縮液は、凝縮液ヘッダー部16と凝縮液ヘッダー部16に連結されている各蒸発管部18の連通パイプ20とに、液溜まりが形成される。つぎに、液溜まりを形成している凝縮液は、凝縮液の温度よりも高い建屋内の室温にさらされた各蒸発管部18における多数のパイプ内19で、建屋内の熱を受けて蒸発して作動流体蒸気となる。その作動流体蒸気は、多数のパイプ19の重力方向において上方に流れ、蒸気ヘッダー部17に連結された各蒸発管部18の連通パイプ21を介して蒸気ヘッダー部17に集約される。
また、その蒸発部6で生じた作動流体蒸気が温度および圧力の低い箇所に流れるよう設けられた蒸気流管22は、図3に示すように、その端部の一方が蒸発部6の蒸発ヘッダー部と連通され、また、その他端部が重力方向において蒸発部6よりも上部にある凝縮部7に連通されている。これにより、蒸気ヘッダー部17に集約された作動流体蒸気は、蒸発部6の蒸気ヘッダー部17を介して蒸気流管22に流れた後に、温度および圧力の低い凝縮部7に一方向に還流する。なお、蒸気流管には、その内部で作動流体蒸気が放熱し凝縮して凝縮液に変相することを抑制するための断熱材が設けられていてもよい。また、蒸気流管の内面には、その内部で作動流体蒸気が放熱し凝縮した凝縮液を重力方向において下方に流れるように、その内部で生じた凝縮液を撥水する処理が施されていてもよい。
また、この発明に係るループ型ヒートパイプには、図1に示すように、蒸気流管22もしくは蒸発部6の蒸気ヘッダー部17またはそれらの接続部と蒸発部6の凝縮液ヘッダー部16とを連通するとともに、蒸気流管22で生じた凝縮液が蒸発部6の凝縮液ヘッダー部16に一方向に流れる液バイパス管23が設けられている。液バイパス管23は、図4に示すように、蒸気流管22もしくは蒸発部6の蒸気ヘッダー部17またはそれらの接続部との接合部が略円錐形状であるとともに、その略円錐形状の頂点から伸びるパイプ部が蒸発部6の凝縮液ヘッダー部16に接合されるように構成されている。また、液バイパス管23の内径は、蒸気流管22の内径よりも小さく設けられている。なお、液バイパス管の外周側には、その内部で凝縮液が蒸発して作動流体蒸気に変相することを抑制するための断熱材が設けられていてもよい。また、液バイパス管と蒸発部の凝縮液ヘッダー部との接続部には、蒸発部の凝縮液ヘッダー部を介して液バイパス管に凝縮液が流入することを防止するために、逆止弁が設けられてもよい。
つまり、重力方向において下方に流れ落ちる凝縮液が蒸気流管22で生じた場合、その凝縮液は、蒸気流管22の内面をつたって重力方向において下方に流れ落ちた後に、その流れ落ちた凝縮液は、蒸気流管22もしくは蒸発部6の蒸気ヘッダー部17またはそれらの接続部に留まることなく、液バイパス管23に排除される。したがって、凝縮液は、設けられた液バイパス管23を介して蒸発部6の凝縮液ヘッダー部16に流入するため、蒸気流管22の軸線方向において凝縮部側に流れる作動流体蒸気と対抗することがなく、その結果、飛散現象やウォーターハンマー現象は抑制され、熱輸送の効率を向上させることができる。
また、この発明に係るヒートパイプには、蒸気流管もしくは蒸発部の蒸気ヘッダー部もしくは液バイパス管またはそれらの接続部には、蒸気流管で生じて重力方向において下方に流れ落ちる凝縮液と蒸発部で生じて蒸気流管の軸線方向において凝縮部側に流れる作動流体蒸気とを分けるとともに、その凝縮液を液バイパス管に流入し、作動流体蒸気を蒸気流管に流入するように構成された分岐部が設けられている。分岐部24は、例えば図4に示すように、蒸気流管22の内径よりも外径が小さい蒸気ヘッダー部17と、蒸発部6の蒸気ヘッダー部17に連通され、作動流体蒸気が流れやすいように蒸気ヘッダー部17の内径と等しい、かつ蒸気流管22と蒸気ヘッダー部17との軸線方向に沿う蒸気流管22の軸線方向長さよりも短いパイプ管25と、そのパイプ管25の外径よりも内径が大きい蒸気流管22と、蒸気流管22の重力方向において下方に流れ落ちる凝縮液が蒸気ヘッダー部17に流入することを防ぐために、蒸気流管22と液バイパス管23とを連通し、蒸発部6の蒸気ヘッダー部17の外周面または蒸気ヘッダー部17に連通したパイプ部25の外周面に嵌合している管継手部26とによって構成されている。この分岐部24では、蒸気流管22の軸線方向において凝縮部側に流れる作動流体蒸気がパイプ管25の開口端25aから放出されるとともに、蒸気流管22とパイプ部25との間にはクリアランスがある。なお、この発明に係る分岐部は、例えば図5に示すように、蒸気流管22と蒸発部6の蒸気ヘッダー部17との軸線方向に沿った蒸気流管22よりも短いパイプ管27であるとともに、蒸気流管22の軸線方向において凝縮部側の端部27aが、蒸気流管22の内径よりも小さい円筒状であってもよい。この分岐部27は、蒸気流管22の軸線方向において蒸発部側の分岐部27の端部27bがラッパ形状であるとともに、蒸気流管22の重力方向において下方に流れ落ちる凝縮液が蒸気ヘッダー部17に流入することを防ぐために、その端部27bの縁部が蒸気流管22と蒸発部6の蒸気ヘッダー部17との接続部の内面に接合している。
つまり、図4に示すように、重力方向において下方に流れ落ちる凝縮液が蒸気流管22で生じた場合、その凝縮液は、蒸気流管22の内面をつたって重力方向において下方に流れ落ちた後に、その流れ落ちた凝縮液は、蒸気流管22とパイプ管25との間にクリアランスがあるために分岐部24の管継手部26をつたって、液バイパス管23に排除される。または、図5に示すように、重力方向において下方に流れ落ちる凝縮液が蒸気流管22で生じた場合、その凝縮液は、蒸気流管22の内面をつたって重力方向において下方に流れ落ちた後に、その流れ落ちた凝縮液は、分岐部27のラッパ形状の端部27bと蒸発部6の蒸気ヘッダー部17との接合部によって、蒸発部6の蒸気ヘッダー部17に流入することを阻まれ、液バイパス管23に排除される。したがって、この発明に係る分岐部は、作動流体蒸気を放出する蒸発部6の蒸気ヘッダー部17に凝縮液が流入することを防止することができるため、蒸気流管22の軸線方向において凝縮部側に流れる作動流体蒸気と凝縮液とは対抗することがなく、その結果、飛散現象やウォーターハンマー現象は抑制され、熱輸送の効率を向上させることができる。
なお、この発明は上述した具体例に限定されず、要は、蒸気流管の軸線方向において凝縮部側に流れる作動流体蒸気とその蒸気流管で生じた凝縮液とが対抗し飛散現象を生じないように、蒸気流管または作動流体蒸気が放出される蒸発部6の出口と凝縮液が流入する蒸発部6の入口とを連結するとともに、蒸気流管で生じた凝縮液が蒸発部6の入口に一方向に流れる液バイパス管が、ループ型ヒートパイプに設けられていればよい。したがって、この発明に係るループ型ヒートパイプは、ウィック式ヒートパイプであってもよい。また、この発明に係るループ型ヒートパイプは、データセンタに適用した例に限らない。
6…蒸発部、 7…凝縮部、 14…液流管、 16…蒸発部の凝縮液ヘッダー部(蒸発部の入口)、 17…蒸発部の蒸気ヘッダー部(蒸発部の出口)、 22…蒸気流管、 23…液バイパス管、 24…分岐部。
Claims (6)
- 加熱されて蒸発し放熱して凝縮する作動流体を封入しているとともに、気相の前記作動流体が凝縮される凝縮部と、その凝縮部で生じた液相の前記作動流体が一方向に流れる液流管と、液相の前記作動流体が流入する入口と気相の前記作動流体が流出する出口とを備えており、前記液流管を介して前記入口から流入した液相の前記作動流体が蒸発される蒸発部と、前記蒸発部の前記出口と前記凝縮部とに接続されており、前記蒸発部で生じた気相の前記作動流体が前記凝縮部に一方向に流れる蒸気流管とが環状に連結したループ型ヒートパイプにおいて、
前記蒸気流管または前記蒸発部の前記出口と前記蒸発部の前記入口とを連結するとともに、前記蒸気流管で生じた液相の前記作動流体が前記蒸発部の前記入口に一方向に流れる液バイパス管が設けられていることを特徴とするループ型ヒートパイプ。 - 液相の前記作動流体と気相の前記作動流体とを分けるとともに、一方の分けられた液相の前記作動流体を前記液バイパス管に流入し、他方の分けられた気相の前記作動流体を前記蒸気流管に流入するよう構成された分岐部が、前記蒸気流管もしくは前記蒸発部の前記出口もしくは前記液バイパス管またはそれらの接続部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
- 前記蒸気流管には、その内部で生じた液相の前記作動流体を撥水する処理がなされていることを特徴とする請求項1または2に記載のループ型ヒートパイプ。
- 前記蒸気流管には、その内部で気相の前記作動流体が放熱し凝縮することを抑制するための断熱材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のループ型ヒートパイプ。
- 前記液バイパス管には、その内部で液相の前記作動流体が蒸発することを抑制するための断熱材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のループ型ヒートパイプ。
- 前記作動流体の量またはその流れまたはその圧力のうち少なくともひとつを調節する制御バルブが設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のループ型ヒートパイプ。
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