JP2015064141A - 冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】輸送される熱量が比較的大きい場合であっても、放熱部を極力コンパクトな構成としつつ、特定の伝熱管に冷媒の流れが偏ることを抑制可能な冷却装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、冷却装置10は、冷却対象からの熱を受け、冷媒を自然循環させて共通の放熱部13で放熱する複数の冷却回路20を備えている。各冷却回路20は、冷却対象からの熱を受熱することにより冷媒を気化させる受熱器22と、並列に接続されて内部を冷媒が流れる複数の伝熱管を含み、気化した冷媒の熱を当該伝熱管において放熱することにより当該冷媒を液化させる放熱器30と、受熱器22において気化した冷媒を放熱器30に送る気相冷媒配管24と、放熱器30において液化した冷媒を受熱器22に送る液相冷媒配管28とを有している。共通の放熱部13は、複数の放熱器30が鉛直方向に配列されて構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態によれば、冷却装置10は、冷却対象からの熱を受け、冷媒を自然循環させて共通の放熱部13で放熱する複数の冷却回路20を備えている。各冷却回路20は、冷却対象からの熱を受熱することにより冷媒を気化させる受熱器22と、並列に接続されて内部を冷媒が流れる複数の伝熱管を含み、気化した冷媒の熱を当該伝熱管において放熱することにより当該冷媒を液化させる放熱器30と、受熱器22において気化した冷媒を放熱器30に送る気相冷媒配管24と、放熱器30において液化した冷媒を受熱器22に送る液相冷媒配管28とを有している。共通の放熱部13は、複数の放熱器30が鉛直方向に配列されて構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、各種の冷却対象を冷却する冷却装置に関し、特に、外部動力を必要としない冷却装置に関する。
機械的動力や電力等の外部動力を用いることなく、発熱している機器や設備等の冷却対象を冷却する冷却装置がある。特に、原子力発電所等においては、シビアアクシデント等が生じて外部動力が使用できない場合が想定されるため、外部動力を用いない冷却装置が求められている。例えば、下記の特許文献1及び特許文献2には、原子力発電所において使用済燃料を貯蔵する燃料貯蔵プールの水を、外部動力を用いることなく冷却する冷却装置が提案されている。
特許文献1には、冷却装置として、燃料貯蔵プールの熱を原子炉建屋の外に輸送するヒートパイプが提案されている。このようなヒートパイプは、密閉された管内を、冷却媒体(以下、単に「冷媒」と記す)が相変化しながら自然循環することにより熱を輸送する。管の内壁には、ウイック(wick)と呼ばれる毛細管構造が形成されており、凝縮した冷媒は、ウイック内を毛細管現象により駆動されて蒸発部に戻る。
ところで、上述した冷却装置においては、当該冷却装置が輸送する熱量が比較的大きい場合、気相の作動流体が流れる通路と液相の作動流体が流れる通路とを分離して、重力により冷媒を駆動する方式(以下、熱サイフォン式と記す)が用いられることが多い。また、輸送する熱量が比較的大きい場合には、放熱器(コンデンサ)において放出する熱量を増大させる必要があるため、放熱器を、多数の伝熱管で構成することにより伝熱面の面積を増大させる手法が用いられる。このような放熱器は、自然対流により放熱を行うため熱伝達率が比較的低く、当該機器が大型化するという問題が生じる。
このような冷却装置において、単に比較的小型の放熱器を用いたのでは、特定の伝熱管に冷媒の流れが偏り、冷媒が流れにくい、すなわち放熱が行われにくい伝熱管が生じてしまう。また、特定の伝熱管に冷媒の流れが偏ると、凝縮しないガスいわゆる不凝縮ガスが放熱器に滞留して熱伝達率が低下するという問題や、液相の冷媒が伝熱管の内壁面を覆うことにより冷媒と伝熱管との間における熱伝達率(凝縮熱伝達率)が低下するという問題も生じる。
本発明の実施形態は、上記に鑑みてなされたものであって、輸送される熱量が比較的大きい場合であっても、放熱部を極力コンパクトな構成としつつ、特定の伝熱管に冷媒の流れが偏ることを抑制可能な冷却装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態の冷却装置は、冷却対象からの熱を受け、冷媒を自然循環させて共通の放熱部で放熱して当該冷却対象を冷却する複数の冷却回路を備え、各冷却回路は、前記冷却対象からの熱を受熱することにより冷媒を気化させる受熱器と、並列に接続されて内部を冷媒が流れる複数の伝熱管を含み、気化した冷媒の熱を当該伝熱管において放熱することにより当該冷媒を液化させる放熱器と、前記受熱器からの冷媒を前記放熱器に送る気相冷媒配管と、前記放熱器からの冷媒を前記受熱器に送る液相冷媒配管と、を有し、前記放熱器は、前記冷却回路ごとに独立して設けられており、前記放熱部は、複数の前記放熱器が鉛直方向に配列されて構成されていることを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、冷却装置により輸送される熱量が比較的大きい場合であっても、放熱部を極力コンパクトな構成としつつ、放熱部において特定の伝熱管に冷媒の流れが偏ることを抑制することができる。
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態により、本発明が限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態の冷却装置の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施形態の冷却装置と、その周辺構成を模式的に示す断面立面図である。図2は、本実施形態の冷却装置を構成する各冷却回路の構成を説明する模式図である。図3は、本実施形態の冷却装置の構成を説明する模式図である。なお、図1において、鉛直方向のうち上側を矢印Uで示し、下側を矢印Dで示す。加えて、水平方向を矢印Hで示す。
第1の実施形態の冷却装置の構成について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施形態の冷却装置と、その周辺構成を模式的に示す断面立面図である。図2は、本実施形態の冷却装置を構成する各冷却回路の構成を説明する模式図である。図3は、本実施形態の冷却装置の構成を説明する模式図である。なお、図1において、鉛直方向のうち上側を矢印Uで示し、下側を矢印Dで示す。加えて、水平方向を矢印Hで示す。
図1に示すように、本実施形態の冷却装置10は、原子力プラント1内において、使用済燃料9からの熱を受けて高温となった燃料貯蔵プール7の水を冷却する。冷却装置10は、冷媒(作動流体)が自然循環する回路(以下、冷却回路と記す)20を複数有している。なお、図1及び図2には、説明を容易にするため、冷却装置10を構成する複数の冷却回路20のうち、一つの冷却回路のみを示している。
冷却回路20は、冷却対象からの熱を受熱することにより冷媒を気化させる熱交換器(以下、受熱器と記す)22と、受熱器22において気化した冷媒の熱を放熱することにより冷媒を液化させる熱交換器(以下、放熱器と記す)30とを有している。受熱器22は、冷媒を蒸発させる熱交換器、いわゆるエバポレータとして構成されており、放熱器30は、冷媒を凝縮させる熱交換器、いわゆるコンデンサとして構成されている。放熱器30は、冷媒が貫流する複数の伝熱管33を有している。伝熱管33等、放熱器30の詳細な構成については、後述する。
本実施形態において、受熱器22は、燃料貯蔵建屋5内に設けられた燃料貯蔵プール7内に配置されている。受熱器22は、燃料貯蔵プール7内において、使用済燃料9からプール内の水に放出された熱を受ける。一方、放熱器30は、クーリングタワー等に設けられた放熱室14内に配置されている。放熱室14は、複数の開口15を介して外気と連通している。放熱室14は、燃料貯蔵プール7に比べて鉛直上側に設けられている。すなわち、放熱器30は、受熱器22より鉛直上側に配置されている。
加えて、冷却回路20は、受熱器22において気化した冷媒(以下、単に「気相冷媒」と記す)を放熱器30に送る配管(以下、気相冷媒配管と記す)24と、放熱器30において液化した冷媒(以下、単に「液相冷媒」と記す)を受熱器22に送る配管(以下、液相冷媒配管と記す)28とを有している。気相冷媒配管24及び液相冷媒配管28は、燃料貯蔵プール7と放熱室14とを仕切る壁体18を貫通して延びている。なお、本実施形態の冷却装置10において、冷媒(作動流体)には、水が用いられている。
受熱器22は、内部を冷媒が貫流可能に構成されており、使用済燃料9からの熱を受熱することにより、内部にある液相冷媒が蒸発して気化する。受熱器22において生じた気相冷媒は、図1に矢印Fで示すように気相冷媒配管24を通して放熱器30に送られる。放熱器30は、内部を冷媒が貫流可能に構成されており、気相冷媒配管24から受けた気相冷媒の熱を、放熱室14にある外気に放出することにより、内部にある気相冷媒が凝縮して液化する。放熱器30において生じた液相冷媒は、図1に矢印Rで示すように液相冷媒配管28を通して再び受熱器22に戻される。このようにして、冷却回路20は、冷媒が相変化しながら自然循環し、受熱器22で受けた熱を放熱器30に輸送する。
次に、放熱器30の詳細な構成について図2を用いて説明する。放熱器30は、並列に接続され内部を冷媒が流れる複数の伝熱管33と、気相冷媒配管24からの気相の冷媒を、複数の伝熱管33にそれぞれに分配する分配管35と、複数の伝熱管33からの液相の冷媒を合流させて液相冷媒配管28に流す集合管36を有している。受熱器22において気化した気相冷媒は、気相冷媒配管24を介して分配管35に流入し、当該分配管35により各伝熱管33に分配される。各伝熱管33は、気相冷媒の熱を放熱することにより当該冷媒を凝縮、液化させる。伝熱管33を流れた冷媒は、液相冷媒として集合管36から液相冷媒配管28を介して受熱器22に戻る。放熱器30を構成する一組の伝熱管33は、所定の方向に所定の間隔をあけて配列されており、例えば、同一の水平面内に配列されている。
以上のように構成された冷却回路20は、図3に示すように、冷却装置10に複数設けられている。換言すれば、冷却装置10は、それぞれ独立した複数の冷却回路20を有している。放熱器30は、冷却回路20ごとに独立して設けられている。換言すれば、放熱器30は、複数の冷却回路20で共有されていない。本実施形態において、各冷却回路20は、それぞれ、単数の受熱器22と、単数の気相冷媒配管24と、単数の放熱器30と、単数の液相冷媒配管28とを有している。なお、放熱器30は、並列に接続された複数の伝熱管33を有している。
各冷却回路20の放熱器30は、鉛直方向に配列されている。これら放熱器30は、冷却装置10において共通の放熱部(放熱領域)13を構成している。すなわち、放熱部13は、複数の放熱器30が鉛直方向に配列されて構成されている。放熱部13は、本実施形態において、図1に示す共通の放熱室14内に配置されている。
放熱部13においては、鉛直下側にある放熱器30の伝熱管33により、その周囲の空気が加熱されて、鉛直上側に向かう自然対流が形成される。この空気の流れは、鉛直上側にある放熱器30の伝熱管33に衝突し、隣り合う伝熱管33の間を流れる。このような放熱部13を有する冷却装置10においては、鉛直下側にある放熱器30ほど、放熱する熱量が高くなる。しかし、各冷却回路20は、それぞれ、1つの閉じたループ状に構成されているため、各冷却回路20の放熱器30において放熱される熱量が異なるものとなっても、特定の放熱器30の特定の伝熱管33に冷媒の流れが偏ることを抑制することができる。
以上に説明したように、本実施形態の冷却装置10は、冷却対象からの熱を受け、冷媒を自然循環させて共通の放熱部13で放熱することにより、当該冷却対象を冷却する複数の冷却回路20を備えている。各冷却回路20は、冷却対象からの熱を受熱することにより冷媒を気化させる単数の受熱器22と、並列に接続されて内部を冷媒が流れる複数の伝熱管33を含み、気化した冷媒の熱を当該伝熱管において放熱することにより当該冷媒を液化させる単数の放熱器30と、受熱器22において気化した冷媒を放熱器30に送る単数の気相冷媒配管24と、放熱器30において液化した冷媒を受熱器22に送る単数の液相冷媒配管28とを有している。放熱部13は、複数の放熱器30が鉛直方向に配列されて構成されているものとした。冷却装置10により輸送される熱量が比較的大きい場合であっても、放熱部13を極力コンパクトな構成としつつ、放熱部13において特定の放熱器30や特定の伝熱管33に冷媒の流れが偏ることを抑制することができる。
なお、本実施形態の冷却装置10において、各冷却回路20は、単数の受熱器22と、単数の気相冷媒配管24と、単数の液相冷媒配管28を有するものとしたが、本発明に係る冷却回路の態様は、これに限定されるものではない。これら冷却回路の各構成要素は、複数並列に接続されているものとしても良い。
また、本実施形態の冷却回路10において、各冷却回路20は、それぞれ、単数の受熱器22と、単数の放熱器30とを有しているものとしたが、本発明に係る冷却回路の態様は、これに限定されるものではない。本発明に係る受熱器及び放熱器は、冷却回路ごとに他の冷却回路から独立して設けられていれば良く、一つの冷却回路に複数設けられているものとしても良い。
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態の冷却装置の構成について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、本実施形態の冷却装置を構成する各冷却回路の構成を説明する模式図である。図5は、本実施形態の冷却装置と、その周辺構成を模式的に示す断面立面図である。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
第2の実施形態の冷却装置の構成について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、本実施形態の冷却装置を構成する各冷却回路の構成を説明する模式図である。図5は、本実施形態の冷却装置と、その周辺構成を模式的に示す断面立面図である。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の冷却回路21には、当該冷却回路21を流れる冷媒の圧力(以下、単に「冷媒圧力」と記す)を検出する圧力検出器50と、冷媒圧力を調整する圧力調整器52が設けられている。圧力検出器50は、これに対応して設けられた冷却回路21の気相冷媒配管24に設けられている。一方、圧力調整器52は、これに対応して設けられた冷却回路21の液相冷媒配管28に設けられている。圧力調整器52には、例えば、真空ポンプが用いられる。圧力検出器50で冷媒圧力を確認しながら圧力調整器52を作動させることにより、冷却回路21内の冷媒を所望の圧力に調整することが可能となっている。なお、圧力調整器52は、液相冷媒配管28に替えて、放熱器30に設けられるものとしても良い。
ところで、冷媒は、受熱器22において熱を受けて蒸発し、放熱器30において凝縮する。気相冷媒配管24は、蒸気となった冷媒すなわち気相冷媒で満たされていると考えられる。放熱器30の内部(例えば、伝熱管33)においては、放熱により気相冷媒が凝縮すると、凝縮しない不凝縮ガスの濃度が高くなる。このような不凝縮ガスは、蒸気となった冷媒すなわち気相冷媒に比べて重く、液相冷媒配管28の鉛直下側から溜まる場合がある。したがって、圧力調整器52は、放熱器30又は液相冷媒配管28に設置され、圧力調整器52により不凝縮ガスを外部に排出することにより、不凝縮ガスが放熱器30内に滞留することを抑制することが可能である。
気相冷媒配管24に圧力調整器52を設置した場合、冷却回路21において冷媒の自然循環がない初期状態において、真空引きを行う冷媒圧力(系統圧力)を調整する際に、放熱器30内にある不凝縮ガスより多く、受熱器22から蒸発した気相冷媒を吸い出すと考えられる。一方、液相冷媒配管28に圧力調整器52を設置した場合は、冷媒を吸い出す際に、放熱器30内にある不凝縮ガスを吸い出せるため、不凝縮ガスが放熱器30内に滞留することを抑制することができる。
このように圧力検出器50及び圧力調整器52を設けることにより、冷却回路21ごとに冷媒圧力(系統圧力)を設定することができ、放熱器30の温度を制御することが可能となる。共通の放熱部13を構成する複数の放熱器30について温度を均一なものにするためには、冷却回路21ごとに冷媒圧力(系統圧力)を設定することが好適である。
図5に示すように、特に、放熱部13を構成する複数の放熱器30のうち、鉛直下側にある放熱器30ほど温度が高くなるよう、各冷却回路21の冷媒圧力が設定されることが好ましい。放熱部13において鉛直下側にある放熱器30ほど温度が高くなれば、煙突効果によりドラフト(通気力)が増大する。これにより、放熱部13を流れる空気量(通風量)が増大し、放熱部13において放熱される熱量が増大する。このため、放熱部13において放熱器30が鉛直下側にある冷却回路21ほど、冷媒圧力(系統圧力)が高くなるように設定することが好適である。
ただし、冷媒圧力(系統圧力)を高くすると、冷媒の温度が高いものとなり、受熱器22においては、燃料貯蔵プール7の水との温度差が小さくなる。このため、受熱器22において交換される熱量(受熱量)が小さくなり、これに伴って放熱器30における放熱量も低下することが考えられる。
これを解決するために、本実施形態の冷却装置11においては、図5に示すように、各冷却回路21の受熱器22のうち、冷媒圧力が高く設定された冷却回路21のものほど、冷却対象の温度が高い位置に配置されるものとした。本実施形態のように、冷却対象が、燃料貯蔵プール7内の水である場合、自然対流により燃料貯蔵プール7内の水温は鉛直上側ほど高くなる。このため、冷媒圧力が高く設定された冷却回路21、すなわち放熱器30が鉛直下側に配置された冷却回路21の受熱器22ほど、燃料貯蔵プール7内の水温が高い鉛直上側の位置に配置されている。
このように冷却装置11を構成することで、放熱器30における冷媒の温度を高くするために、冷却回路21の冷媒圧力が高い値に設定されて、内部を流れる冷媒の温度が高くなった受熱器22においても、冷却対象すなわち燃料貯蔵プール7の水から熱を受熱することができる。
なお、本実施形態の冷却装置11においては、一つの冷却回路21は、単数の放熱器30と単数の受熱器22を有するものとしたが、本発明に係る冷却回路の態様は、これに限定されるものではない。本発明に係る冷却回路は、接続される受熱器の個数を増やすことにより、受熱器から放熱器に輸送される熱量を増大させることが可能である。
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態の冷却装置の構成について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、本実施形態の冷却回路の構成を説明する模式図である。図7は、本実施形態の変形例に係る冷却回路の構成を説明する模式図である。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
〔第3の実施形態〕
第3の実施形態の冷却装置の構成について、図6及び図7を用いて説明する。図6は、本実施形態の冷却回路の構成を説明する模式図である。図7は、本実施形態の変形例に係る冷却回路の構成を説明する模式図である。なお、第1の実施形態と略共通の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態の冷却回路20Cにおいて、放熱器30Cは、複数の伝熱管33の内部を連通させる中間連通管38を有している。中間連通管38は、伝熱管33のうち分配管35と集合管36との中間に配置されている。
以下の説明において、伝熱管33のうち中間連通管38より分配管35側すなわち上流側の部分を上流側伝熱管33aと記す。一方、伝熱管33のうち中間連通管38より集合管36側すなわち下流側にある部分を下流側伝熱管33cと記す。中間連通管38は、分配管35と集合管36との間において、複数の上流側伝熱管33aを流れた冷媒を合流させることが可能となっている。複数の上流側伝熱管33aのうち特定の上流側伝熱管33aに冷媒の流れが偏っても、中間連通管38において、各上流側伝熱管33aの冷媒の流れが合流すると共に各下流側伝熱管33cに分配される。これにより、各下流側伝熱管33cを流れる冷媒の流量を、より均一なものとすることができ、特定の下流側伝熱管33cに流れが偏ることを抑制することができる。
なお、本実施形態の冷却回路20Cにおいては、放熱器30Cに、単数の中間連通管38が設けられるものとしたが、放熱器の態様は、これに限定されるものではない。中間連通管38は、分配管35と集合管36との間に設けられていれば良く、複数の中間連通管38を設けるものとしても良い。
また、図7に示すように、本実施形態の変形例の冷却回路20Eは、さらに、放熱器30Eに設けられた中間連通管38と液相冷媒配管28とを連通させる液相冷媒回収配管39を有している。液相冷媒回収配管39は、前記複数の伝熱管33のうち中間連通管38より上流側にある上流側伝熱管33aにおいて液化した冷媒を、当該中間連通管38から当該液相冷媒配管28に流す。
伝熱管33における熱伝達率は、内部で凝縮した冷媒の液膜の厚みが大きくなるに従って、小さくなる。伝熱管33の上流側から凝縮は開始され、内部に生じた液膜は、下流側に流れていくため、伝熱管33を下流側に向かうに従って、液膜は厚くなり、熱伝達率は低下する。本実施形態の変形例の冷却回路20Eにおいては、上流側伝熱管33aで生じた液膜状の冷媒を、中間連通管38及び液相冷媒回収配管39により、液相冷媒配管28に回収することができる。これにより、下流側伝熱管33cの内部において液膜により熱伝達率が低下することを抑制することができる。
〔他の実施形態〕
以上に説明した実施形態の他に、冷却装置の態様には、種々の変更が可能である。上述した実施形態において、放熱器30は、放熱室14において周囲にある外気に熱を放出するものとしたが、放熱器30が熱を放出する態様は、これに限定されるものではない。例えば、放熱室14に冷却用の液体が貯蔵されたタンクを配置し、当該タンク内の液体と熱交換を行うことにより、内部にある気相冷媒を凝縮、液化するものとしても良い。このように構成することにより、放熱器30の放熱能力をさらに向上させることができる。
以上に説明した実施形態の他に、冷却装置の態様には、種々の変更が可能である。上述した実施形態において、放熱器30は、放熱室14において周囲にある外気に熱を放出するものとしたが、放熱器30が熱を放出する態様は、これに限定されるものではない。例えば、放熱室14に冷却用の液体が貯蔵されたタンクを配置し、当該タンク内の液体と熱交換を行うことにより、内部にある気相冷媒を凝縮、液化するものとしても良い。このように構成することにより、放熱器30の放熱能力をさらに向上させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明と均等の範囲に含まれる。
1 原子力プラント
5 燃料貯蔵建屋
7 燃料貯蔵プール
9 使用済燃料
10,11 冷却装置
13 放熱部
14 放熱室
15 開口
18 壁体
20,20C,20E 冷却回路
21 冷却回路
22 受熱器(エバポレータ)
24 気相冷媒配管
28 液相冷媒配管
30,30C,30E 放熱器(コンデンサ)
33 伝熱管
33a 上流側伝熱管
33c 下流側伝熱管
35 分配管
36 集合管
38 中間連通管
39 液相冷媒回収配管
50 圧力検出器
52 圧力調整器
5 燃料貯蔵建屋
7 燃料貯蔵プール
9 使用済燃料
10,11 冷却装置
13 放熱部
14 放熱室
15 開口
18 壁体
20,20C,20E 冷却回路
21 冷却回路
22 受熱器(エバポレータ)
24 気相冷媒配管
28 液相冷媒配管
30,30C,30E 放熱器(コンデンサ)
33 伝熱管
33a 上流側伝熱管
33c 下流側伝熱管
35 分配管
36 集合管
38 中間連通管
39 液相冷媒回収配管
50 圧力検出器
52 圧力調整器
Claims (7)
- 冷却対象からの熱を受け、冷媒を自然循環させて共通の放熱部で放熱して当該冷却対象を冷却する複数の冷却回路を備え、
各冷却回路は、
前記冷却対象からの熱を受熱することにより冷媒を気化させる受熱器と、
並列に接続されて内部を冷媒が流れる複数の伝熱管を含み、気化した冷媒の熱を当該伝熱管において放熱することにより当該冷媒を液化させる放熱器と、
前記受熱器からの冷媒を前記放熱器に送る気相冷媒配管と、
前記放熱器からの冷媒を前記受熱器に送る液相冷媒配管と、
を有し、
前記放熱器は、前記冷却回路ごとに独立して設けられており、
前記放熱部は、複数の前記放熱器が鉛直方向に配列されて構成されている
ことを特徴とする冷却装置。 - 前記気相冷媒配管には、前記冷却回路の冷媒圧力を検出する圧力検出器が設けられており、
前記液相冷媒配管又は前記放熱器には、前記冷却回路の冷媒圧力を調整する圧力調整器が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。 - 前記放熱部を構成する複数の放熱器のうち鉛直下側に配置されているものほど冷媒の温度が高くなるよう、各冷却回路の冷媒圧力が設定されている
ことを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。 - 前記放熱部を構成する複数の放熱器のうち鉛直下側に配置されているものほど、各冷却回路の冷媒圧力が高くなるよう設定されている
ことを特徴とする請求項3に記載の冷却装置。 - 各冷却回路の受熱器のうち、冷媒圧力が高く設定された冷却回路のものほど、冷却対象の温度が高い位置に配置されている
ことを特徴とする請求項4に記載の冷却装置。 - 前記放熱器は、
前記気相冷媒配管からの気相の冷媒を、前記複数の伝熱管に分配する分配管と、
前記複数の伝熱管からの液相の冷媒を合流させて前記液相冷媒配管に流す集合管と、
前記分配管と前記集合管との間に配置されており、前記複数の伝熱管を連通させる中間連通管と、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の冷却装置。 - 前記中間連通管と前記液相冷媒配管とを連通させて、前記複数の伝熱管において液化した冷媒を当該中間連通管から当該液相冷媒配管に流す液相冷媒回収配管を、
さらに備えることを特徴とする請求項6に記載の冷却装置。
Priority Applications (1)
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JP2013198611A JP2015064141A (ja) | 2013-09-25 | 2013-09-25 | 冷却装置 |
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- 2013-09-25 JP JP2013198611A patent/JP2015064141A/ja active Pending
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