JP2012241312A - 開口部下防水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の外壁材にシーリング材を使用しなくとも外壁材の裏面側への水の浸入を抑制し、開口部下側の防水性を高めることができる開口部下防水構造を提供する。
【解決手段】外壁材と、前記外壁材の裏面側の建築躯体との間に通気層が形成されると共に前記通気層には建物外部と連通する通気口が設けられる。前記外壁材10の面積に対する前記通気口の開口面積の合計が65cm/m以上である建物の開口部30に設けられた開口部下防水構造である。前記開口部30の下側枠部23とその下側枠部23に近接している記外壁材10との間に形成された隙間15に皿板水切り材5が設けられる。さらに、前記皿板水切り材5の下側には前記外壁材10の上端部が覆われるように見切り材7が設けられてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の外壁等に設けられる開口部下の防水性に優れる開口部下防水構造に関する。
従来、建物の外壁構造においては、図6に示すように、隣り合う左右の外壁材10間や、外壁材10と窓等の開口部30との間にシーリング材40を設けることで、防水性を確保する方法が知られている。例えば、シーリング材40として、定形シーリング材、又は不定形シーリング材を用いることで高い防水性を確保している。
また、外壁材10及び開口部30との間に防水シートを張るようなシーリング材40を簡略化した構造により、建物内部への漏水を防ぐ方法も提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
特開2000−240360号公報
上記のような建物の外壁構造においては、シーリング材40の部分あるいはシーリング材40と開口部30との境界部分が、年月を経ると外壁材10に比べて劣化しやすく、劣化した部分から雨水などが浸水するなどして防水性を悪化させる場合があった。また、シーリング材40によって隣り合う外壁材10間を密閉する必要があり、施工に手間がかかる場合があった。また、シーリング材40の部分にひびや割れなどが生じると、外壁の外観を損ね、意匠性が悪くなるおそれがあった。
また、特許文献1のように、シーリング材40を簡略化して防水シートを張った場合でも、やはり防水シートが劣化してしまったりすると、雨水等が毛管現象により建物内部へ浸入してしまうことがあった。そして、このように浸入した水は、外壁材10側が防水シートにより遮水されているために建物外部へ排出されにくくなり、結果として建築躯体等に腐食や変形等の損傷を与えたり、室内側へ漏出したりしてしまう原因となっていた。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、建物の外壁材にシーリング材を使用しなくとも外壁材の裏面側への水の浸入を抑制し、開口部下側の防水性を高めることができる開口部下防水構造を提供することを目的とするものである。
本発明に係る開口部下防水構造は、外壁材と、前記外壁材の裏面側の建築躯体との間に通気層が形成されると共に前記通気層には建物外部と連通する通気口が設けられ、前記建築躯体の面積に対する前記通気口の開口面積の合計が65cm/m以上である建物の開口部に設けられた開口部下防水構造であって、前記開口部の下側枠部とその下側枠部に近接している前記外壁材との間に形成された隙間に皿板水切り材が設けられると共に前記皿板水切り材の下側に前記外壁材の上端部が覆われるように見切り材が設けられてなることを特徴とする。
また、上記開口部下防水構造は、前記開口部の縦枠部の側面から前記外壁材裏面側に亘って目板材が取り付けられてなる建物の開口部下防水構造であって、前記目板材は、前記縦枠部の側面に固着される縦辺と、前記外壁材裏面側に配置される横辺とにより断面略L字状に形成され、前記横辺には前記外壁材裏面に当接する凸状部が少なくとも2条形成され、前記縦辺と、前記縦辺に最も近い側の凸状部との間に、水を建物外部へ排出するための排水路が建物外部と連通するように形成されていることが好ましい。
また、上記開口部下防水構造は、前記開口部の上側枠部の上方には水切り板が設けられ、前記水切り板の側端部が、前記排水路の上方に近接するように配設されていることが好ましい。
また、上記開口部下防水構造は、前記目板材の下端部が、前記皿板水切り材に近接するように設けられていることが好ましい。
本発明の開口部下防水構造によれば、建物の外壁材にシーリング材を使用しなくとも外壁材の裏面側への水の浸入を抑制して雨水等を効率良く外部へ排出することができる。
本発明の建物の開口部下防水構造の実施の形態の一例を示す概略図であり、(a)は開口部の正面図、(b)は開口部下付近の側面垂直断面図、(c)は(b)の拡大図を示す。 同上の他の実施の形態の一例を示し、開口部上端の端部付近の横断面図を示す。 同上の他の実施の形態の一例を示し、開口部上端付近の側面垂直断面図である。 同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)はその正面概略図、(b)はその一部の拡大図である。 本発明の開口部下防水構造を有する建物の一例を示す側面視断面図である。 従来例を示す建物の正面図である。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の開口部下防水構造の実施形態の一例を示す。図1(a)に示すように、建物の外壁材10に開口部30が形成されている。開口部30の外周には、左右端部の一対の縦枠部21、21と、上側枠部22と、下側枠部23とで構成された方形状の枠材20が設けられている。また、枠材20と外壁材10との境界部分には、隙間15が形成されている。さらに、下側枠部23の下方には、皿板水切り材5が建物の外側へ突出するように設けられている。皿板水切り材5の横幅L1は、開口部30の左右の隙間15と接する外壁側端部間の距離L2よりも長く形成されている。
図1(b)は、開口部30の下側の側面垂直断面図を示している。本発明の開口部下防水構造では、下側枠部23と、下側枠部23の下面に近接している外壁材10aとの間の隙間15に皿板水切り材5が設けられている。下側枠部23と、下側枠部23に近接している外壁材10aとの間の隙間15の厚みは特に限定されないが、例えば、3〜15mmにすることができる。さらに、皿板水切り材5と下側枠部23下方の外壁材10aとの間には、見切り材7が設けられており、その外壁材10aの上端部を被覆するように配設されている。
皿板水切り材5は、例えば、金属等の平板が屈曲加工されて形成されたものである。皿板水切り材5の端部には取り付け部5aが形成されており、さらに、取り付け部5aの先端が屈曲されて、長尺略平板状の皿板水切り部5bが形成されている。皿板水切り部5bの先端がさらに略垂直に屈曲加工されて水切り前片5cが形成されている。
取り付け部5aは、下側枠部23の下側の壁下地17に取り付けられるものであって、その取り付けあたっては、取り付け部5aと壁下地17との間にはパッキン材等が介されていても良い。また、皿板水切り部5bは、下側枠部23と外壁材10aとの間に配置されており、建物外部へ外壁材10よりも突出するように下り傾斜に形成されている。そして、水切り前片5cは外壁材10aの前方で外壁材10aと対向するように配置されている。
一方、見切り材7は、金属等の平板が屈曲加工されて断面略逆U字状に形成されたものである。見切り材7の一方の端部には後方覆い片7cが設けられており、この後方覆い片7cの先端が略垂直に屈曲されて頂部7bが形成され、さらに頂部7bの先端が略垂直に屈曲されて後方覆い片7cと対向するように前方覆い片7aが形成されている。
そして、見切り材7は、外壁材10aの上端面を被覆するように配置されている。具体的には、頂部7bが外壁材10aの上端面と対向するように見切り材7が配置され、前方覆い片7aは、外壁材10aの表面側上部と対向し、後方覆い片7cは外壁材10aの裏面側上部と対向するように位置している。また、後方覆い片7cは、胴縁16に固着されている。尚、胴縁16は、壁下地17を介して内壁部18に取り付けられている。
上記のように、開口部30と外壁材10aとの間に形成された隙間15に皿板水切り材5を設けると共に、外壁材10aの上端面を被覆するよう見切り材7を配置することで、外壁材10a裏面側に雨水等の水が浸入することを防止できる。すなわち、本発明の開口部下防水構造では、開口部30の下側の隙間15にシーリング材40等を設けることなく、雨水等に対する防水性を高めることができるものである。そのため、水による構造躯体等への腐食や変形等の損傷や、あるいは室内側へ水の漏出を抑制できるものである。
ここで、図1(c)に示すように、外壁材10aと前方覆い片7aとの最短距離をa、外壁材10aと後方覆い片7cとの最短距離をb、外壁材10aの上端面から頂部7bまでの最短距離をe、前方覆い片7aの短辺長さと前記eとの差をa、頂部7bの短辺長さをd、前方覆い片7aと水切り前片5cの最短距離をfとする。この場合、aは0〜9mm、bは0〜3mm、cは10mm以上、eは0〜10mmであることが好ましく、この範囲であれば外壁材10aの裏面側に雨水等による水が浸入するのをさらに防ぎやすくなり、防水性をいっそう高めることが可能となる。尚、dは、a、b寸法と外壁材10の厚みからおのずと決定される。f寸法は特に限定されず、外壁材10aの表面から水切り前片5cとの距離が30mm以上確保されるように設定されるのが好ましい。
上記のようにa〜fの寸法が比較的幅広く設定できるので、本発明の開口部下防水構造では、見切り材7の形状を様々に設計することが可能となり、また、外壁材10aと見切り材7との納まり設計の自由度が増し、非常に有用な施工法となる。
尚、皿板水切り材5及び見切り材7の取り付け状態が安定するために、後方覆い片7cと取り付け部5aとを架けるように支持部材7dが設けられていても良い。
図2は、開口部30の側端部付近の横断面(水平断面)を示しており、縦枠部21の端面から縦枠部21に隣接する外壁材10の裏面側に亘って目板材1が、少なくとも縦枠部21の全長に亘って設けられている。目板材1は、断面略L字状に屈曲加工されたものであり、縦枠部21の外側端面に密着される縦辺1aと、外壁材10の裏面側に配置される横辺1bとが形成されている。さらに、横辺1bには、平板部1d及び少なくとも2条の凸状部2とが横辺1bの全長に亘って形成されている。この凸状部2の形状は、例えば、図示のように、断面略逆V字状に形成されるものである。
そして、凸状部2の先端部分は、外壁材10の裏面側に当接していると共に、平板部1dは内壁部18に壁下地17を介して取り付けられた胴縁16に固着されている。一方、縦辺1aは、縦枠部21の端面に密着固定されているが、縦辺1aと縦枠部21との間には防水テープ等の水密材29が介在されていることが好ましい。
目板材1の下端部は、皿板水切り材5の皿板水切り部5b表面上まで延伸しており、この場合、目板材1の下端部が皿板水切り部5bの表面と当接していても良いし、若干の空隙を有していても良い。一方、目板材1の上端部は、少なくとも縦枠部21の上端まで延伸しているものである。
さらに、縦辺1aと、縦辺1aに最も近い側の凸状部2(図示では2a)との間の空隙は、排水路3として、目板材1の全長に亘って形成され、排水路3は、その上下端部や側部が建物の外部と連通している。
尚、図2では開口部30の一方の端部のみの構造を示しているが、他方の端部も同じ構成のものである。
上記のように構成されることで、隙間15から雨水等の水が浸入したとしても排水路3を通じて、建物外部へ排出することが可能となる。すなわち、上側枠部22の上方の隙間15から水が浸入した場合、大部分の水は上側枠部22の表面を伝って排水路3の上端部に到達し、その後、水は排水路3を通過して、皿板水切り部5bに到達し、次いで、皿板水切り部5bの表面上を伝って、建物外部へ排出されるものである。すなわち、図1(a)に示した破線矢印の経路に沿って浸入した水が建物外部へ排出されるものである。
また、凸状部2aが形成されていることにより、排水路3を流れる水が横方向(横辺1bの先端方向)へ浸入することを防止することができる。
さらに、目板材1の下端部が皿板水切り材5の表面と当接していれば、皿板水切り材5に到達した水をより確実に建物外部へ排出することが可能となる。従って、水による建築躯体等への腐食や変形等の損傷や、あるいは室内側へ水の漏出を抑制できるものである。尚、当接していなくても、皿板水切り材5の両端に設ける水返し(エンドキャップ)が皿板水切り材5の側方への水の流れを止める堰として機能し、水を建物外部へ排出することが可能となる。
一方、図3に示しているように、上側枠部22の上部には、水切り板6を設けることができる。水切り板6は、例えば、金属板等の平板が屈曲加工されて形成されたものである。水切り板6の端部には固着片6aが形成されており、さらに、固着片6aの先端が屈曲されて、長尺略平板状の水切り部6bが形成されている。水切り部6bの先端がさらに略垂直に屈曲加工されて上側枠部覆い片6cが形成されている。
固着片6aは、上側枠部22の上側に位置する内壁部18に壁下地17を介して配設されている胴縁16に取り付けられ、水切り部6bは、上側枠部22と外壁材10との間に配置され、外壁材10よりも突出するように下り傾斜に形成されている。そして、上側枠部覆い片6cは上側枠部22の前面を覆うように位置している。また、水切り部6bの両側の水切り側端部6dは、排水路3の上端面の上方に近接するように配置されている。
上記のように上側枠部22の上側に水切り板6を設けることで、開口部30の上部と外壁材10との間の隙間15に外部から浸入する雨水等を、水切り板6により再び、建物外部へ排出することが可能となる。また、水切り部6bの水切り側端部6dが、排水路3の上方に位置しているので、水切り部6b上の水は排水路3へ流入することもでき、この場合は、上記と同じように水は排水路3を通じて、開口部下側の皿板水切り材5により、建物外部へ排出される。
図4(a)は、本発明の開口部下防水構造の他の実施の形態を示す正面図を示しており、一部(図4における右側略半分)はその破断面を示したものである。この実施の形態では、上側枠部22の上部にも目板材1(1T)が設けられるものである。目板材1は、上記と同じ構成のものが使用され、この場合、縦辺1aは上側枠部22の上面に水密材29を介在させて密着固定され、少なくとも2条形成されている凸状部2は上側枠部22の上方の外壁材10の裏面側に当接するように配置されている。また、図示はされていないが、この場合も平板部1dは内壁部18に壁下地17を介して取り付けられた胴縁16に密着固定されている。
図4(b)は、上記のように上側枠部22の上部に設けられた目板材1Tと、縦枠部21の端部に設けられた目板材1Sとの重なり部分(図4(a)の破線円部分)を示している。目板材1Tは横辺1bの横辺短辺側1cが、目板材1Sの凸状部2aに近傍する位置、若しくは当接するように延伸している。
上記のように上側枠部22の上部にも目板材1Tを設けることにより、上側枠部22と外壁材10との間の隙間15に浸入した雨水等の水は、図4(a)の破線矢印に沿って目板材1Tの排水路3の中を流れ、目板材1Sの排水路3へと伝わり、その後は、上記と同様に皿板水切り材5に到達し、皿板水切り材5の表面を伝って、建物外部へ排出されるものである。具体的には、目板材1Tの縦辺1a上に浸入した雨水等は、再度、建物外部に流れ返されるか、もしくは、縦辺1a上を左右に流れて目板材1S側に流れるものとなる。そして、雨水等が目板材1S側に流れた場合、縦辺1aと凸状部2aとの間の僅かな空隙に浸入し、図4(b)破線矢印のように目板材1Sの排水路3に到達し、その後建物外部へ排出される。
図5は、本発明の開口部下防水構造を有する建物の一例を示す側面視断面図である。この図のように、外壁材10とその裏面側に設けられている建築躯体60との間には通気層8が形成されており、かつ、外壁材10には建物外部と通気層8とを連通する通気口9、9が設けられていても良い。ここで、建築躯体60は、例えば、内壁部18に重ね合わせて設けられている壁下地17等である。また、図示はしていないが、建築躯体60と外壁材10との間には胴縁16(縦胴縁)が建築躯体60の縦方向の全長に亘って配設されており、外壁材10は、取り付け金具等により胴縁16に取り付けられている。
通気層8の厚みとしては、例えば、20〜23mmに設定することができる。
建物外部と通気層8とを連通するように通気口9、9が設けられることで、通気層8と外部との圧力差を小さくして屋内側に風雨が浸入することを防ぐことができ、防水性の高い外壁を形成することができるものである。すなわち、外壁材10によって壁面に向って吹く風を受けることができ、風が外壁材10において遮断される。このとき、屋内側の圧力が外部圧力よりも小さいと、外壁材10の接合部分などの外壁材10に形成された隙間において、外部からの空気の流れを吸い込みやすくなる。しかし、通気口9が設けられていることで通気層8と外部との圧力差が小さくなり等圧に近くなるために、空気の流れを吸い込みにくくすることができ、風圧を外壁材10によって遮断することができるのである。そして、通気層8には風の力がそがれた雨水が浸入するが、この浸入した雨水は重力の作用によって外壁材10の裏面をつたって下方に流下し、下方から外部に排出されるので、屋内側に雨水が浸入することを防ぐことができるのである。また、建築躯体60に雨水がかかったとしても建築躯体60には防水シートが貼着されるなどして防水加工が施されており、建築躯体60よりも屋内側に雨水が浸入することを防ぐことができる。
通気層8と外部との圧力差としては、風速20m/sec以下において通気層8と外部との圧力差(差圧)が50Pa以下となるように通気層8を形成することが好ましい。尚、風としては、正面風(外壁材10に垂直な風)と斜面風(上斜め45°から外壁材10に向って吹き降ろす風)との少なくとも一方、好ましくは両方で、上記の差圧を満たすことが好ましい。建物に対する散水加圧試験としては、JIS A1414「建築構成材(パネル)およびその構造部分の性能試験、6.5 水密試験」に準じて行うことができる。
通気口9は、外壁材10の見かけ面積に対する通気口9の開口面積の合計が65cm/m以上であるように開口が設けられる。すなわち、外壁材10の1mに対して65cm以上の開口を設けるものである。ここで、外壁材10の見かけ面積とは、外壁材10の外周全体で形成された面積のことであり、すなわち、開口部30で切り抜かれた部分も外壁材10の面積として含むものである。
ただし、通気口9は外壁材10の一部分に集中して設けたり、あるいは、外壁材10に分散させて設けたりしてもよい。したがって、外壁材10の面積をSmとした場合に通気口9の面積の合計が65×Scm以上となっていればよい。面積がこれより小さいと圧力差を小さくすることができなくなるおそれがある。開口面積の合計の上限は特に制限がなく、水仕舞いがなされていれば雨が直接入り込むことは少ないので、開口面積の合計は大きいほどよい。なお、開口面積の合計が110cm/mまでの範囲では確実に差圧が小さくなっていくことが実験により確認されている。
上記のような外壁材10と建築躯体60との間に通気層8を設けることで、雨水が建物外部から浸入を防ぎやすくするものであるが、仮に開口部30の周囲の隙間15に雨水が浸入したとしても、本発明の開口部下防水構造によって、建物外部へ排出することができるものである。従って、本発明の開口部下防水構造を有する建物では、外壁材10と建築躯体60との間に水が浸入しにくく、浸入したとしても効果的に外部へ雨水を排出することができるので、建築躯体等に腐食や変形等の損傷、室内側へ漏出を抑制できる。その上、シーリング材を使用するものでもないので、その効果が長期的に安定したものとなる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
図1(b)に示すような構造に見立てた開口部モデルを作製し、この開口部モデルの下側に、皿板水切り材5、見切り材7を図1(b)、(c)に示すように設け、各寸法a〜fを表1に示すように設計し、開口部下防水構造を施工した。
上記試験体において、圧力50Pa、散水量4L/m・min(240mm/hr)にて10分間散水したところ、外壁材10a裏面側への水の流れは観察されなかった。
(実施例2)
a〜fを表1に示すように設計したこと以外は実施例1と同様の方法で開口部下防水構造を施工した。
上記試験体において、実施例1と同条件で外壁材10aの裏面側への水の流れを観察したところ、外壁材10a裏面側への水の流れは観察されなかった。
(実施例3)
a〜fを表1に示すように設計したこと以外は実施例1と同様の方法で開口部下防水構造を施工した。
上記試験体において、実施例1と同条件で外壁材10aの裏面側への水の流れを観察したところ、外壁材10a裏面側への水の流れは観察されなかった。
(実施例4)
a〜fを表1に示すように設計したこと以外は実施例1と同様の方法で開口部下防水構造を施工した。
上記試験体において、実施例1と同条件で外壁材10aの裏面側への水の流れを観察したところ、外壁材10a裏面側への水の流れは観察されなかった。
(比較例1)
皿板水切り材5を設けずに各寸法a〜fを表1に示すように設計したこと以外は実施例1と同様の方法で開口部下防水構造を施工した。
上記試験体において、実施例1と同条件で外壁材10aの裏面側への水の流れを観察したところ、外壁材10a裏面側への水の流れが観察されるものであった。
(比較例2)
皿板水切り材5を設けずに各寸法a〜fを表1に示すように設計したこと以外は実施例1と同様の方法で開口部下防水構造を施工した。
上記試験体において、実施例1と同条件で外壁材10aの裏面側への水の流れを観察したところ、外壁材10a裏面側への水の流れが観察されるものであった。
Figure 2012241312
実施例1〜4及び比較例1、2との結果から、皿板水切り材5と見切り材7を両方設けた場合、外壁材10aの裏面側への水の流れは観察されず、防水性に優れるものであった。
1 目板材
1a 縦辺
1b 横辺
2 凸状部
3 排水路
5 皿板水切り材
6 水切り板
7 見切り材
8 通気層
9 通気口
10 外壁材
15 隙間
21 縦枠部
23 下側枠部
30 開口部
60 建築躯体

Claims (4)

  1. 外壁材と、前記外壁材の裏面側の建築躯体との間に通気層が形成されると共に前記通気層には建物外部と連通する通気口が設けられ、前記建築躯体の面積に対する前記通気口の開口面積の合計が65cm/m以上である建物の開口部に設けられた開口部下防水構造であって、
    前記開口部の下側枠部とその下側枠部に近接している前記外壁材との間に形成された隙間に皿板水切り材が設けられると共に前記皿板水切り材の下側に前記外壁材の上端部が覆われるように見切り材が設けられてなることを特徴とする開口部下防水構造。
  2. 前記開口部の縦枠部の側面から前記外壁材裏面側に亘って目板材が取り付けられてなる建物の開口部下防水構造であって、
    前記目板材は、前記縦枠部の側面に固着される縦辺と、前記外壁材裏面側に配置される横辺とにより断面略L字状に形成され、
    前記横辺には前記外壁材裏面に当接する凸状部が少なくとも2条形成され、
    前記縦辺と、前記縦辺に最も近い側の凸状部との間に、水を建物外部へ排出するための排水路が建物外部と連通するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の開口部下防水構造。
  3. 前記開口部の上側枠部の上方には水切り板が設けられ、
    前記水切り板の側端部が、前記排水路の上方に近接するように配設されていることを特徴とする請求項2に記載の開口部下防水構造。
  4. 前記目板材の下端部が、前記皿板水切り材に近接するように設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の開口部下防水構造。
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