JP6312977B2 - 縦葺き屋根の棟構造 - Google Patents
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Description
・面戸下端と外装材表面間に隙間(スリット状の間隔)を設ける方法
・面戸下端等と外装材表面を当接させる方法
また、前記面戸下端等と外装材表面を当接させる方法では、微細な隙間や外装材等の接続部から浸入した雨水が面戸内(面戸の棟側)に侵入した場合に水の逃げ道がなく水が面戸内に滞留し、立ち上げ部からオーバーフローして漏水事故に繋がる恐れがある。なお、面戸の軒側には吹き上げ風の吹き付けにより気圧が高く、それを上端に乱流を起こして逃がすために面戸の棟側では気圧が低くなる。このように面戸の棟側と軒側に気圧差が生じるため、軒側から雨水を吸い込み易い反面、排出し難い構造となっている。
なお、本発明における「流れ方向において重なり合わない」とは、流れ方向における配置が直線状に沿っておらず、流れ方向と直交する方向(左右方向)にずらせた配置を指すものである。
また、第2面戸材及び/又はその開口部周縁は、水返し状に形成されているので、第2面戸材やその開口部周縁に設けた水返し片により、第1面戸材の開口部から侵入した水が廻りにくい。
この構成により、複数設けた面戸材に開口部を設けることで面戸内が外気圧と等圧になり、面戸内に侵入した雨水等を滞留させることなく排出することができる。
また、隣接する面戸材の開口部を流れ方向において重なり合わない位置に設けることで、水下側の第1面戸材から侵入した雨水が水上側の第2面戸材で跳ね返され、棟側への侵入を防ぐことができる。
具体的には、後述する図示実施例に示すように、一方の面戸材の左端に開口部を設け、他方の面戸材の右端に開口部を設ける態様、一方の面戸材の両端に開口部を設け、他方の面戸材の略中央に開口部を設ける態様などが代表的な態様であるが、それ以外にも例えば一方の面戸材の長さを3等分した位置に開口部を設け、他方の面戸材の長さを4等分した位置に開口部を設ける態様などどのように配設してもよい。
そして、この開口部は、軒側からの吹き上げ風を棟側へ導くため、前述の従来構成において生じていたような気圧差を生ずることが無く、面戸材の軒側と棟側とが等圧になるため、圧力差による吸い込みも防ぐことができる。また、この開口部は、雨水や侵入水の流下を妨げないように、下端(底部)に設けられる。
また、面戸材の下端に切り欠き等によって開口部を設ける仕様においても、開口部以外の箇所の下端は、外装材の面板部と当接であっても、接着、或いは弾性的に押圧されるものでもよく、さらに定形、不定形のシール材(止水材)等によって隙間を塞ぐものでもよく、雨水等の侵入を防止できるものであれば特に限定するものではない。
特に水上側に配置させる第2面戸材は、後述する図示実施例に示すように左右を別体に形成し、それぞれの中央側を離間させることで開口部としてもよい。また、図示実施例においては、左右同位置に配設されているが、第2面戸材の左右を軒棟方向(流れ方向)にずらしてもよい。
ここでいう水返しとは、第2面戸材の開口部に水が廻りにくい構造を指すものであって、後述する図示実施例の第1実施例では、第2面戸材の開口部周縁に、水下側へ延出する水返し片を設けたので、第1面戸材の開口部から侵入した水が廻りにくい。また、後述する図示実施例の第2,3実施例では、第2面戸材が水返し状に成形されているので、第2面戸材によって跳ね返され、第1面戸材の開口部から侵入した水が廻りにくい。
なお、前記外装材1は、図示しない流れ方向に沿う支持部材(縦桟材)に隣接する外装材1,1の左右成形部12,12を沿わせて断面矩形状の縦桟部14を形成して敷設されたものである。また、棟包み、棟包み固定材等は部分的に図示省略している。
そして、本発明の特徴は、前記止水部13より水下側に、水下側の第1面戸材2Aと水上側の第2面戸材3Aの2つの面戸材2A,3Aを配し、これらの面戸材2A,3Aは、外装材1面板部11との間に開口部21,31を有すると共に、前記開口部21,31は隣接する面戸材3A,2Aの開口部31,21と流れ方向において重なり合わない位置に設けた。
また、各面戸材2A,3Aの下端(開口部21,31以外の箇所)には、定形のシール材(止水材)5を配して前記外装材1の面板部11との隙間を塞いでいる。
さらに、前記第2面戸材3Aの第2開口部31の左右端縁には、水下側へ延出する略三角形状の水返し片32,32が設けられている。
図1の本発明の第1実施例では、外装材1の面板部11上を、軒側から吹き上げ風と共に雨水等が流れ、縦桟部14の両側に位置する第1面戸材2Aの第1開口部21,21から棟側へ侵入するが、第2面戸材3Aで跳ね返され、それ以上の棟側への侵入を防ぐことができる。
しかも、短時間に多量の雨水等が第1開口部21から侵入した場合には、跳ね返しきれない余剰の雨水等は第1面戸材2Aと第2面戸材3Aとの間に滞留することになるが、この第1実施例では、第2開口部31の左右に水返し片32,32が設けられているため、第2開口部31に水が廻り込みにくいものである。
なお、本発明の第1実施例では、二つの面戸材2A,3Aのそれぞれに開口部21,31を設けることで、軒側からの吹き上げ風を棟側へ導くため、面戸材2A,3Aの軒側と棟側とが等圧になり、上述の比較例のような気圧差を生じない。
また、これらの第2、第3実施例における第1面戸材2B,2Cは、前記第1実施例における第1面戸材2Aとほぼ同様の構成であって、下端に切り欠き等にて設けた略矩形状の開口部21,21が左右の両端に設けられる構成である。
しかも、これらの実施例では何れも第2面戸材3B,3Cが水返し状に成形されているため、第1面戸材2B,2Cの第1開口部21,21から侵入した雨水等は、第2面戸材3B,3Cによって跳ね返され、しかも水返し(33,34)により第2開口部31に廻りにくい。
なお、第2実施例における第2面戸材3Bは、左右略対称状の別体に、それそれ湾曲状の水返し部33が形成され、第3実施例における第2面戸材3Cは、略直角に折り曲げて水返し部34が形成されている点で相違する。
これらの第4,5実施例における第2面戸材3D,3Eは、前記図3(a),(b)の第2実施例,第3実施例の第2面戸材3B,3Cに比べて短幅であり、それらの中央側を離間させて形成される第2開口部31'は、前記第2実施例,第3実施例の第2開口部31よりも明らかに広幅に形成される。そのため、これらの第4,5実施例における第1面戸材2D,2Eと第2面戸材3D,3Eとで形成される略閉鎖状の空間6の容量(容積)は、前記第2実施例,第3実施例に比べて明らかに小さい。
したがって、これらの第4,5実施例では、短時間に多量の雨水等が第1開口部21から侵入した場合に、跳ね返しきれない滞留される雨水等が空間6の容量を超えると、第2開口部31'に廻り込む場合もある。しかし、この小さい空間6に滞留される雨水等は、重力により押し出される力が大きいため、一部は第2開口部31'に廻り込んでも、殆どの雨水等は第1開口部21から水下側へ押し出され、第2開口部31'に廻り込んだ一部の雨水等も第2開口部31'の水下端に至っているに過ぎないため、それ以上に棟側へ侵入することはない。
このように形成された開口部21,31は、他の実施例と同様に流れ方向において重なり合わない位置に設けられているため、他の実施例と同様に第1面戸材2Fの第1開口部21から棟側へ侵入した雨水等は、l第2面戸材3Aで跳ね返され、それ以上の棟側への侵入を防ぐことができる。
しかも、短時間に多量の雨水等が第1開口部21から侵入した場合には、跳ね返しきれない余剰の雨水等は第1面戸材2Fと第2面戸材3Fとの間に滞留することになるが、この第6実施例では、第1開口部21と第2開口部31とがそれぞれ異なる端部に位置し、最も離反しているため、第2開口部31に水が廻り込みにくいものである。
この第7実施例では、前記第5実施例と同様の効果を果たすことができ、実質的に開口部分341も第2開口部31の一部と見なすことができる。
11 面板部
12 成形部
13 止水部
2A〜2G 第1面戸材
21 第1開口部
3A〜3G 第2面戸材
31 第2開口部
32 水返し片
33、34 水返し部
35 上面部
4 (従来の)面戸材
5 シール材(止水材)
6 空間
Claims (1)
- 面板部と立ち上がり状の左右成形部からなる外装材を用いた棟構造であって、
面板部の棟側端もしくは棟側近傍に起立状の止水部を設け、
止水部より水下側に、水下側の第1面戸材と水上側の第2面戸材の少なくとも2つの面戸材を配し、前記面戸材は、外装材面板部との間に開口部を有すると共に、前記開口部は隣り合う面戸材の開口部と流れ方向において重なり合わない位置に設け、水下側に配設している第1面戸材は、左右の両端に開口部が、略中央に開口部を有しない面戸部を設けたものであり、水上側に配設している第2面戸材は、略中央に開口部が、左右に開口部を有しない略同一幅の面戸部を設けたものであって、この第2面戸材における開口部は、左右の面戸部と略同一幅か又はそれより広く形成され、この第2面戸材及び/又はその開口部周縁は、水返し状に形成されていることを特徴とする縦葺き屋根の棟構造。
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JP2012134595A JP6312977B2 (ja) | 2012-06-14 | 2012-06-14 | 縦葺き屋根の棟構造 |
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- 2012-06-14 JP JP2012134595A patent/JP6312977B2/ja active Active
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