JP6653720B2 - 笠木構造体及び換気部材 - Google Patents

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Description

この発明は笠木構造体及び換気部材に関し、特に、塀、バルコニー手摺、パラペット等の躯体の上端部に設置される笠木構造体及び換気部材に関するものである。
従来、塀、バルコニー手摺、パラペット等の躯体(立上り躯体)の上端部に設置され、腐食やクラック等を防ぐために用いられる笠木構造体として、以下のような技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、躯体の上端部にブラケットを介して設置され、笠木の屋外側の側面が屋内側に所定範囲入り込んだ位置において、当該位置にビスを横から打ち込んでいる笠木構造体が開示されている。ブラケットは躯体の上端部にビスを上方から打ち込むことにより固定されている。
又、特許文献2には、外壁下地材及び外壁材の上方に換気部材が設置され、換気部材が空気は内方から外方へ通過可能であるが水は通過し難い機能を有することにより、躯体内部への水の浸入を防止した笠木下換気構造体が開示されている。
特開2016−69900号公報 特開2013−108314号公報
しかしながら、上記の特許文献1のような従来の笠木構造体では、躯体の上端部の笠木下においてビスを上から打ち込む必要があるため、下方からの雨水の吹き上げや毛細管現象により笠木下(笠木と躯体上端部との間の箇所)に水が浸入したとき、ビスを打ち込んだ箇所から躯体に水が浸入し、特に躯体が木材からなる場合には深刻な腐朽が発生する問題があった。又、笠木の側面に対して横からビスを打ち込んだ箇所についても同様に腐朽の発生の問題が存在していた。
又、屋外側の地上から笠木構造体を見たとき、笠木の側面に対して横から打ち込んだビスが見える場合があり、美観についても改善の余地が存在していた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、笠木下における腐朽の発生を防止すると共に美観が向上した笠木構造体及び換気部材を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、一対の外壁材の上方に設置され長手方向に延びる笠木構造体であって、一対の外壁材の上方に設置され、短手方向における断面略山型の天板部と、天板部の短手方向の一方端に接続され下方に延び、その下部において内方への突出部を有する第1側壁部と、天板部の短手方向の他方端に接続され下方に延びる第2側壁部とを備える笠木カバーと、一対の外壁材と笠木カバーとの間の部分に設置され、内方から外方への通気経路を横断するように長手方向に延び、内方から外方への通気機能及び防水機能を有する一対の通気部材と、一対の通気部材の各々の外方面より外方において垂直方向に延びる一対の前垂部と、一対の通気部材の各々と一対の前垂部の各々とを接続する一対の連絡部とを備える一対の換気部材とを備え、第1側壁部の突出部は、一対の前垂部の一方の下端に対して掛止し、第2側壁部は、その内面が一対の前垂部の他方の外面に対向状態で取り付けられるものである。
このように構成すると、笠木カバーが、躯体の上端部にビス等を打ち込むことなく取り付けられる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、第2側壁部及び一対の前垂部の他方には、各々の対応する位置に長手方向に所定間隔で貫通孔が形成されているものである。
このように構成すると、第2側壁部及び一対の前垂部の他方を貫通しビス等を打ち込むことができる貫通孔が形成される。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、通気部材は、断面が四角形形状を有すると共に長手方向に延びる棒形状を有し、内方面から外方面へ貫通する複数の通気孔を有するものである。
このように構成すると、通気孔を介して内方から外方への通気機能及び防水機能を有する通気部材となる。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の構成において、一対の外壁下地材が一対の外壁材の内方に形成され、換気部材は、通気部材を支持する枠体を含み、枠体は、外壁下地材の上端部の外方側に対して垂直方向に延びる第1垂直部と、第1垂直部の上端側に接続され、外方に向かって略水平方向に延びる連絡部と、連絡部の外方側に接続され、垂直下方に延びる前垂部と、前垂部及び第1垂直部の間で連絡部に接続され、垂直下方に延びると共に長手方向に所定間隔で複数の開口が形成された第2垂直部と、第2垂直部の下方側に接続され、第1垂直部の方向に所定距離を残して延びる水平部とからなり、通気部材は、連絡部の下方面と水平部の上方面との間に覆われるように取り付けられるものである。
このように構成すると、通気部材は枠体に一体化される。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、前垂部は、その下端が第2垂直部の開口の下端よりも垂直方向において下方に位置するものである。
このように構成すると、水平方向から開口へ吹き込む雨水は第1側壁部に衝突する。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の構成において、前垂部の下端及び第2垂直部の開口の下端を含む仮想平面と前垂部とが形成する角度が15°以上90°未満であると共に、前垂部の内方面と第2垂直部の外方面との間隔が、5mm以上30mm以下の範囲内であるものである。
このように構成すると、水平方向や斜め下方向から開口へ吹き込む雨水は第1側壁部に衝突すると共に、開口からの空気は安定して外部へと排出される。
請求項7記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれかに記載の発明の構成において、外壁材は外壁下地材の外面に取り付けられた胴縁を介して取り付けられ、枠体の第1垂直部は外壁下地材と胴縁との間の隙間に差し込むようにして設置されているものである。
このように構成すると、枠体の位置決めが容易となる。
請求項8記載の発明は、請求項4から請求項7のいずれかに記載の発明の構成において、連絡部及び水平部は互いに平行に配置され、各々は外方に向かって下方に傾斜し、水平部の第2垂直部側の接続部には排水用の水抜き孔が形成されるものである。
このように構成すると、通気部材に浸入した雨水は自然に排出される。
請求項9記載の発明は、請求項4から請求項8のいずれかに記載の発明の構成において、水平部の内方側であって通気部材が設置されていない部分は上方に向かうように曲げられるものである。
このように構成すると、通気部材の内方面に到達した雨水はこの部分と水平部とを介して外方に排出される。
請求項10記載の発明は、請求項4から請求項9のいずれかに記載の発明の構成において、通気部材は、長手方向において枠体の一方端から突き出ると共に枠体の他方端から凹むように枠体に取り付けられるものである。
このように構成すると、隣接する換気部材の連結が容易となる。
請求項11記載の発明は、請求項記載の発明の構成において、通気部材は、各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって一体化され、通気孔はその断面が略1mm×4mmの長方形形状を有すると共に、その長さが少なくとも20mmであるものである。
このように構成すると、一定条件下における水の浸入が確実に阻止される。
請求項12記載の発明は、外壁下地材及び外壁材とその上方に設置される被覆部材との間の部分に設置される換気部材であって、外壁下地材の上端部の外方側に対して垂直方向に延びる第1垂直部と、第1垂直部の上端側に接続され、外方に向かって略水平方向に延びる連絡部と、連絡部の外方側に接続され、垂直下方に延びる前垂部と、前垂部及び第1垂直部の間で連絡部に接続され、垂直下方に延びると共に長手方向に所定間隔で複数の開口が形成された第2垂直部と、第2垂直部の下方側に接続され、第1垂直部の方向に所定距離を残して延びる水平部とからなる枠体と、連絡部の下方面と水平部の上方面との間に覆われるように取り付けられ、断面が四角形形状を有すると共に長手方向に延びる棒形状を有し、内方から外方へ貫通する複数の通気孔を有する通気部材とを備えるものである。
このように構成すると、通気部材は枠体に一体化される。
請求項13記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発明の構成において、笠木カバー内部の笠木下空間において、笠木カバーを支持する支持体を更に備え、支持体は、緩衝材であるものである。
このように構成すると、設置状態における笠木カバーの形状安定性が向上する。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明の構成において、笠木下空間は、その短手方向における断面形状が略三角形状又は略台形状であり、緩衝材は、設置時にその上面が笠木カバーの天板部の内面に接する略三角形状又は略台形状の断面形状に設定されているものである。
このように構成すると、設置状態における笠木カバーの形状安定性が更に向上する。
以上説明したように、請求項1記載の発明は、笠木カバーが、躯体の上端部にビス等を打ち込むことなく取り付けられるため、躯体内部への水の浸入による腐朽が防止される。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、第2側壁部及び一対の前垂部の他方を貫通しビス等を打ち込むことができる貫通孔が形成されるため、貫通孔にビス等を打ち込むことで笠木カバーの設置の安定性が向上する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、通気孔を介して内方から外方への通気機能及び防水機能を有する通気部材となるため、通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、通気部材は枠体に一体化されるため、笠木下部分への取り付けが容易となると共に通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、水平方向から開口へ吹き込む雨水は第1側壁部に衝突するため、換気部材の防水機能の信頼性が向上する。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明の効果に加えて、水平方向や斜め下方向から開口へ吹き込む雨水は第1側壁部に衝突すると共に、開口からの空気は安定して外部へと排出されるため、換気部材は通気機能及び防水機能が両立しながら向上する。
請求項7記載の発明は、請求項4から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、枠体の位置決めが容易となるため、取付作業が効率的になる。
請求項8記載の発明は、請求項4から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、通気部材に浸入した雨水は自然に排出されるため、通気部材の防水機能が向上する。
請求項9記載の発明は、請求項4から請求項8のいずれかに記載の発明の効果に加えて、通気部材の内方面に到達した雨水はこの部分と水平部とを介して外方に排出されるため、通気部材の防水機能の信頼性がより向上する。
請求項10記載の発明は、請求項4から請求項9のいずれかに記載の発明の効果に加えて、隣接する換気部材の連結が容易となるため、複数の連続した換気部材の取付作業が効率化する。
請求項11記載の発明は、請求項記載の発明の効果に加えて、一定条件下における水の浸入が確実に阻止されるため、換気部材の軽量化及びコスト低減に寄与する。
請求項12記載の発明は、通気部材は枠体に一体化されるため、設置が容易となると共に通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。
請求項13記載の発明は、請求項1から請求項11のいずれかに記載の発明の効果に加えて、設置状態における笠木カバーの形状安定性が向上するため、使用勝手が向上する。
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明の効果に加えて、設置状態における笠木カバーの形状安定性が更に向上するため、使用勝手が更に向上する。
この発明の第1の実施の形態による笠木構造体の全体構造を示す概略模式図である。 図1で示したX部分に含まれる換気部材の構造を示す概略拡大断面図である。 図2で示したIII−IIIラインの断面図である。 図2及び図3で示した通気部材の構造を示す概略斜視図である。 図1で示した笠木構造体の第1の組立工程を示す概略図である。 図1で示した笠木構造体の第2の組立工程を示す概略図である。 図1で示した笠木構造体の第3の組立工程を示す概略図である。 図1で示した笠木構造体の使用状態を示す概略断面図である。 この発明の第2の実施の形態である笠木構造体の使用状態を示す概略断面図であって、図8に対応するものである。 図9で示した笠木構造体に用いられる換気部材の構造を示す概略拡大図であって、図2に対応するものである。 この発明の第3の実施の形態による笠木構造体の構造を示す概略断面図である。
図1はこの発明の第1の実施の形態による笠木構造体の全体構造を示す概略模式図である。
尚、図1は、笠木構造体1が設置された箇所の短手方向断面、及び、笠木カバー2が長手方向に延びている状態を示したものである。又、図1の左方向が屋外側であり、右方向が屋内側である。
まず図1を参照して、笠木構造体1は、塀、バルコニー手摺、パラペット等の木材からなる躯体40の上端部に設置されている。尚、窯業系サイディングである一対の外壁材45a、45bの内方(図において、換気部材3a、3bに対して躯体40が存在する方向)には、後述する一対の通気路48a、48bが形成され、その更に内方である躯体40の短手方向両側(図の左右側)端部には一対の外壁下地材41a、41bが配置されている。
笠木構造体1は、一対の外壁材45a、45bの上方に設置され長手方向に延びており、鋼板からなり、一対の外壁材45a、45bの上方に設置された被覆部材としての笠木カバー2と、一対の外壁材45a、45bと笠木カバー2との間の部分に設置された一対の換気部材3a、3bとから主に構成されている。
笠木カバー2は、短手方向における断面略山型の天板部6と、天板部6の短手方向の一方端(屋外側端)に接続され下方に延び、その下端において内方(図の中央方向であって、換気部材3a、3bに対して躯体40が存在する方向)への突出部としての折り返し8を有する第1側壁部7と、天板部6の短手方向の他方端(屋内側端)に接続され下方に延びる第2側壁部9とから構成されている。第2側壁部9には、長手方向所定間隔(図のNで示す間隔)において、ビス等の取付具が貫通可能な複数の貫通孔10が形成されている。
一対の換気部材3a、3bの各々は、内方から外方(図の左方向又は右方向であって、躯体40に対して換気部材3a、3bが存在する方向)への通気経路を横断するように長手方向に延びている。通気経路の詳細については後述する。
又、一対の換気部材3a、3bの各々は、その外方において垂直方向に延びる前垂部16a、16bを備えている。そして、天板部6の第1側壁部7の折り返し8は、前垂部16aの下端に対して掛止している。又、前垂部16bには複数の貫通孔10の各々に対応する位置に図示しない前垂部貫通孔が形成されており、貫通孔10及び前垂部貫通孔を貫通するようにビス等の取付具を打ち込むことで、第2側壁部9の内面が前垂部16bの外面に対向状態で取り付けられ、笠木カバーの設置の安定性が向上している。
次に、換気部材の構造について説明する。
図2は図1で示したX部分に含まれる換気部材の構造を示す概略拡大断面図であり、図3は図2で示したIII−IIIラインの断面図である。
これらの図を参照して、換気部材3aは、鋼板からなる枠体20と、枠体20内に取り付けられた通気部材13とから構成されている。
枠体20は、垂直方向に延びる第1垂直部14と、第1垂直部14の上端側に接続され、外方に向かって略水平方向に延びる連絡部15と、連絡部15の外方側に接続され、垂直下方に延びる前垂部16aと、前垂部16a及び第1垂直部14の間で連絡部15に接続され、垂直下方に延びる第2垂直部17と、第2垂直部17の下方側に接続され、連絡部15と平行に、且つ第1垂直部14の方向に所定距離を残して延びる水平部19とからなる枠体20とを備えている。尚、第2垂直部17には、長手方向に所定間隔で複数の開口18が形成されている。
又、図2でθとして示した、第1垂直部14と連絡部15との接続角度は87°となるように設定している。ここで、第1垂直部14は垂直方向に設置されるので、連絡部15及び水平部19の各々は、外方に向かって3°下方に傾斜した状態となる。又、水平部19の第2垂直部17側の接続部には、長手方向に複数の排水用の水抜き孔24が形成されている。
又、水平部19の内方側(図2の右方向)の端部であって通気部材13が設置されていない部分23は上方に向かうように曲げられている。
通気部材13は、幅方向(図2の左右方向)の断面が矩形形状を有すると共に長手方向(図2の紙面貫通方向)に延びる棒形状に形成されている。そして、通気部材13は枠体20の連絡部15の下方面と水平部19の上方面との間に覆われるように取り付けられており、その外方面と第2垂直部17の内方面との間には空間31が設けられている。
又、図3で示すように、換気部材3aは、長手方向において枠体20の一方端(図3の右端)から突き出ると共に枠体20の他方端(図3の左端)から凹むように、枠体20に取り付けられている。この効果については後述する。
ここで、換気部材3aの詳細な構造及び効果について説明する。
図4は図2及び図3で示した通気部材の構造を示す概略斜視図である。
図を参照して、上述したように、通気部材13は幅方向の断面が矩形形状を有し、長手方向に対しては枠体の長手方向の長さと略同一長さである棒形状を有している。具体的には、通気部材13は、その各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって相互に接続され一体化されている。そして、一方側面(内方面)から他方側面(外方面)へ貫通する通気孔27が多数形成されている。
この実施の形態においては、矩形断面形状の幅方向の長さAは20mmであり、高さに相当する長さBは19mmとなっている。尚、このような通気部材13は、特許第2610342号において開示されている棟カバー材と基本的に同一構造である。これによって、一定条件下にあっては、通気部材13は通気孔27を介しての通気を可能にすると共に、通気孔27を介しての雨水や虫等の侵入を阻止する通気機能及び防水機能を有し、即ち換気部材や笠木構造体の通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。そして、このような通気部材13を使用することによって、換気部材や笠木構造体の軽量化及びコスト低減に寄与することとなる。
次に、換気部材の前垂部について説明する。
戻って図1及び図2を参照して、上述したように、前垂部16aの下端には、笠木カバー2の第1側壁部7の折り返し8が掛止している。又、前垂部16aは、その下端21が第2垂直部17の開口18の下端22よりも垂直方向において下方に位置している。このように構成することで、図1の設置状態において笠木カバー2の第1側壁部7が前垂部16aの外方面を覆う形で取り付けられるため、水平方向から第2垂直部17の開口18へ吹き込もうとする雨水は第1側壁部7に衝突し、直接的に吹き込むことを防止する。そのため、換気部材3aの防水機能の信頼性が向上する。
ここで、第2垂直部17の開口18へ向かう雨水は、水平方向からだけでなく斜め下方向から吹き上げるものも存在する。これに対処するため、この実施の形態においては、前垂部16aの下端21及び第2垂直部17の開口18の下端22を含む仮想平面28と前垂部16aとが形成する角度(図2のθで示す角度)が、20度に形成されていると共に、前垂部16aの内方面と第2垂直部17の外方面との間隔(図2のDで示す間隔)が、10mmに設定されている。尚、角度θ及び間隔Dは特に限定されないが、角度θが15°以上90°未満であると共に、間隔Dが5mm以上30mm以下となるように設定されていることが好ましい。これによって前垂部16aや第1側壁部7の垂直方向長さが開口18の垂直方向長さよりも十分に長くなると共に、開口を通過し笠木構造体外部へ排出される空気が前垂部16aの内方面と第2垂直部17の外方面との間隔において詰まる虞が減少する。即ち、水平方向や斜め下方向から開口へ吹き込む雨水は第1側壁部に衝突すると共に、内方から通気部材及び開口を通過した空気は安定して外部へと排出されるため、換気部材は通気機能及び防水機能が両立しながら向上する。
このように、換気部材3aは、笠木カバー2をビス等の取付具を打ち込まずに取付可能とすると共に開口への風雨等の直接的な吹込みを防止する前垂部16a及びこれを所定位置に固定する連絡部15を有する枠体20と、通気機能及び防水機能を有する通気部材13とを一体化したものである。
次に、図1で示した笠木構造体1を構成する工程について説明する。まず、上述した換気部材を構成する。
図5は図1で示した笠木構造体の第1の組立工程を示す概略図である。
図を参照して、まず、鋼板をプレス成形してなる第1枠体部材33と、鋼板をプレス成形してなる第2枠体部材34と、上述した通気部材13とを準備する。
第1枠体部材33は、上述した前垂部16と、前垂部16の上端に接続され略水平方向に延びる第1連絡部材35とから構成されている。
第2枠体部材34は、上述した第1垂直部14と、第1垂直部14の上端に接続され略水平方向に延びる第2連絡部材36と、第2連絡部材36の外方側(図の左方向)に接続され、垂直方向に延びる上述した第2垂直部17と、第2垂直部17の下方側に接続され、第1垂直部14の方向に所定距離を残して延びる上述した水平部19とから主に構成されている。
換気部材の構成に際しては、まず通気部材13を第2枠体部材34内に、第2連絡部材36の下方面と水平部19の上方面とに覆われるように取り付ける。そして、図の矢印で示すように、第1連絡部材35の内方端(図の右方向)と第2連絡部材36の内方端とを揃えた状態で、第1連絡部材35の下方面と第2連絡部材36の上方面とを、接着剤、両面テープ又は溶接等により液密に接合する。これによって第1連絡部材35及び第2連絡部材36からなる連絡部(図2で示した連絡部15に相当)が構成され、図5に示した全部材が一体化した換気部材(図2で示した換気部材3aに相当)が構成される。
このとき、第1連絡部材35の水平方向長さは第2連絡部材36の水平方向長さよりも図2で示した間隔Dの長さ分長く設定されているため、前垂部16は第2垂直部17より外方において位置することとなる。
次に、このようにして構成された換気部材を外壁下地材に対して取り付ける。
図6は図1で示した笠木構造体の第2の組立工程を示す概略図である。
図を参照して、まず、外壁下地材41の外面に長手方向(図の紙面貫通方向)に所定間隔で複数の胴縁42を配置し、胴縁42の各々の上端部を除いた部分を外壁下地材41に取り付ける。すると、胴縁42はその上端部のみが外壁下地材41に取り付けられていないため、胴縁42の上端部を外方側(図の左側)に引っ張ることによって、外壁下地材41と胴縁42の上端部との間に隙間57が形成される。
次に、この隙間57に換気部材3の第1垂直部14を差し込むように、換気部材3を上方から降下させて設置する。すると、第1垂直部14が外壁下地材41の上端部の外方側に沿って設置される。このように換気部材3を設置することによって、換気部材3の外壁下地材41等に対する位置決めが容易になるため、当該笠木下部分(外壁材45と、その上方に設置される図示しない笠木カバーとの間に位置する部分)への取付作業が効率的になる。
そして、胴縁42の上端部を外壁下地材41に取り付けると共に、複数の胴縁42の間の箇所において換気部材3の第1垂直部14を外壁下地材41に釘で固定する。
又、躯体を挟んで反対側に位置する対称構造の笠木下部分(図示せず)にも同様に換気部材を設置する。
次に、このようにして笠木下部分に設置された一対の換気部材に対して、笠木カバーを取り付ける。
図7は図1で示した笠木構造体の第3の組立工程を示す概略図である。
図を参照して、換気部材3a、3bは、上述したように外壁下地材41に対して複数の釘58で固定され、外壁材45aの上端部と接する箇所はシーリング材46によりシールされている。又、躯体40の上端面には防水シート47が設けられ、少量の水が笠木下空間43(笠木カバー2の設置状態において、笠木カバー2と一対の換気部材3a、3b及び躯体40の上端部に囲われる箇所)に浸入しても躯体40内部まで到達することを防止している。
そして、笠木カバー2の第1側壁部7の折り返し8を換気部材3aの前垂部16aの下端21に引っ掛け、図の矢印で示すように、引っ掛けた箇所を中心として笠木カバー2を回転させる。このようにして、図の一点鎖線で描いたように、笠木カバー2が躯体40の上端部に設置される。
そして、上述したように笠木カバー2の第2側壁部9及び前垂部16bには、各々の対応する位置に長手方向に所定間隔で貫通孔が形成されているため、貫通孔に図示しないビスを打ち込み、笠木カバー2を安定的に設置する。尚、当該ビスは、外壁材45bに到達しない長さに設定されており、外壁材45bに傷を付けることがない。
このようにして、笠木カバー2は躯体40の上端部にビス等を打ち込むことなく取り付けられ、図1で示した笠木構造体が構成される。
次に、図8は図1で示した笠木構造体の使用状態を示す概略断面図である。
上述したように、通気機能及び防水機能を有する通気部材13は、笠木下部分の形状に対応すると共に前垂部16aを備えた枠体20に一体化された状態となっている。そのため、換気部材3a、3bの笠木下部分への取り付けが容易となると共に、通気機能及び防水機能の信頼性が向上する。
又、上述したように、通気部材13は、長手方向において枠体20の一方端から突き出ると共に枠体20の他方端から凹むように枠体20に取り付けられている。従って、図3で示すように、長手方向において複数の換気部材3を連続して設置する場合には、換気部材3における通気部材13の突き出た部分を、図3の二点鎖線で示す隣接する換気部材の枠体内に差し込んで設置すれば良い。これによって、隣接する換気部材3の連結が容易となるため、複数の連続した換気部材3の取付作業が効率化する。
そして、通気状態にあっては、図8の矢印で示すように、建物内の暖まった空気は図示しない小屋裏空間と連通している通気路48を上り、換気部材3aの第1垂直部14と水平部19との間へ移動し、通気部材13の通気孔を介して外方側(図の左方向又は右方向)に通過する。そして、通気部材13を通過した空気は、第2垂直部17の開口18の各々を通過して、前垂部16aと第2垂直部17との間から笠木構造体1外部へ排出される。一方、外部の空気が建物内に侵入する状況の場合には、図の矢印と反対の流れになる。これによって、笠木内部(通気路48上部)に空気が滞留することを防止し、結露や腐朽の発生を防止する。
又、上述したように、通気部材13の外方面と第2垂直部17の内面との間には空間31が形成されている。従って、通気部材13の外方面の全面が露出され、全ての通気孔を介して通気可能な状態となるため、通気部材13の通気機能が確実に発揮される。
一方、笠木構造体1に向けて降り注ぐ雨水は、笠木カバー2の天板部6が短手方向の断面が略山型であることによって笠木カバー2の上部に滞留することなく屋外側(図の左方向)又は屋内側(図の右方向)に流れが逸らされ、躯体40内部に浸入することが防止されている。
又、笠木構造体1に向けて水平方向や斜め下方向から吹き込む雨水は、主に屋外方向から屋内方向に向けたものであり、上述したように、換気部材3aと外壁材45の上端部が接する箇所も、シーリング材46によりシールされており雨水の浸入が防止されている。
更に、換気部材3aの第2垂直部17の開口18に浸入した雨水は、上述したように、一定条件下にあっては通気部材13の通気孔を介しては内方側に移動することができないように構成されている。
そして、上述したように、換気部材3aの連絡部15及び水平部19は互いに平行に配置され、各々は外方に向かって下方に傾斜すると共に、水平部19の第2垂直部17側の接続部には水抜き孔24が形成されている。従って、通気部材13内に浸入した雨水は該傾斜に沿って水抜き孔24から自然に排出される。そのため、通気部材13の防水機能が向上する。
又、上述したように、水平部19の内方側であって通気部材13が設置されていない部分23は上方に曲げられているため、通気部材13の内方面に到達した雨水が通気路48内に浸入し難くなる。そして、雨水はこの部分23と水平部19の傾斜とを介して水抜き孔24から外部に排出される。そのため、通気部材13の防水機能の信頼性がより向上する。
尚、躯体40を挟んで屋内側に位置する換気部材3bも、換気部材3aと同様の通気機能及び防水機能を発揮する。
そして、上述したように、笠木カバー2の第1側壁部7の折り返し8は換気部材3aの前垂部16aの下端に対して掛止し、第1側壁部7が前垂部16aの外方面を覆うように、ビス等を打ち込むことなく取り付けられるため、屋外側の地上から笠木構造体1を見たとき、笠木カバー2の第1側壁部7にはビス等が存在せず、美観が向上している。
以上説明したように、この発明の第1の実施の形態に係る笠木構造体1は、内方から外方への通気機能及び防水機能を有する通気部材13を備えることにより、建物内の空気が笠木内部に滞留して結露や腐朽が発生することを防止している。又、前垂部16aと、これに掛止する折り返し8を有する笠木カバー2とを備えることにより、外壁材45や躯体40の上端部に孔を形成することなく笠木構造体を取り付けることができ、躯体40内部への水の浸入による腐朽が防止されている。更に、屋外側の地上から見たときには第1側壁部7にビス等が存在せず、美観が向上している。即ち、本発明の笠木構造体は、上述した構成要素が一体化したことで、木造の躯体外部及び内部の腐朽リスクを顕著に低減させると共に美観が向上したものである。又これにより、長期間の使用における品質の劣化を抑制したものである。
次に、図9はこの発明の第2の実施の形態である笠木構造体の使用状態を示す概略断面図であって、図8に対応するものであり、図10は図9で示した笠木構造体に用いられる換気部材の構造を示す概略拡大図であって、図2に対応するものである。
尚、この笠木構造体61の構成は、上述した第1の実施の形態に係る笠木構造体1と基本的に同様であるので、以下相違点を中心に説明する。
これらの図を参照して、笠木構造体61の笠木カバー62の天板部66は、その短手方向(図の断面方向)における断面形状が、屋外側(図の左方向)を頂点として屋内側(図の右方向)に向けて下方に傾斜する略山型(いわゆる片流れ型)である。このように構成することで、使用状態で上方から雨水等が降り注いだ場合には、天板部66の傾斜によって屋内側に雨水等が誘導されるため、笠木カバー62の屋外側の側面である第1側壁部67の外方面(図の左方向)を流れる雨水等の量が減少し水垢の付着を防止することで、屋外側の地上から見たときの美観が向上する。
又、換気部材63は、外壁材45及び胴縁42の上方に設置されており、外壁材45と換気部材63との間の箇所はシーリング材86によりシールされ、当該箇所から水が浸入することを防止している。
又、換気部材63は、通気部材13を支持する枠体80を含み、枠体80において、水平部79の内方側(図10の右方向)の端部であって通気部材13が設置されていない部分83は垂直上方に向かうように曲げられている。そのため、部分83の内方面と第1垂直部74の外方面との間隔(図10のEで示す間隔)が、第1の実施の形態の換気部材3と比べて短くなる。当該間隔は、図9に示す笠木構造体61において、図の矢印で示すように通気路48を上ってきた空気の通り道であるため所定距離を必要とするが、このように構成することで、笠木構造体61の短手方向幅を最大限小さくすることができ、笠木構造体61のコンパクト化に寄与するものである。この第2の実施の形態においては、外壁材45の外方側と第2垂直部77の外方側とが面一に納まることとなり、換気部材63を含まない状態で設計した納まり状態を変更することなく笠木構造体61を設置することを可能としている。又、笠木下部分の構造が第1の実施の形態のものとは異なるコンパクトな躯体に対しても意匠性を損なわず取り付けることが可能となる。
尚、上記の各実施の形態では、笠木カバーや枠体は鋼板からなるものであったが、他の素材からなるものであっても良い。例えばアルミニウムからなるものが挙げられ、押出成形により一体的に成形することも可能である。
又、上記の各実施の形態では、天板部の短手方向における断面形状が特定のものであったが、上方から降り注いだ雨水等を下方に誘導し、天板部の上部に水が滞留することを防止できるものであれば他の形状であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、第1側壁部の突出部が特定形状の折り返しであったが、内方へ突出し、換気部材の前垂部の下端に対して掛止することができるものであれば他の形状であっても良い。又、上記の各実施の形態では、突出部が第1側壁部の下端に位置するものであったが、突出部と第1側壁部との接続箇所より下方まで第1側壁部が延びる形状であっても良い。換言すれば、突出部が第1側壁部の途中に位置するものであっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、通気部材は特定の構造を有するものであったが、内方から外方への通気機能及び防水機能を有するものであれば他の構造であっても良い。例えば、長手方向に延びる複数の金属板が互いに短手方向(内方から外方への方向)に所定間隔離れて垂直方向に延びるように構成される通気部材であって、複数の金属板の各々には長手方向に所定間隔で複数の開口(通気孔)が形成されたもの(いわゆるバッフル構造)が挙げられる。この場合、上記の各実施の形態における通気部材と同様に、外方から内方へ雨水等が浸入することを防止しながら、内方から外方への通気を可能とすることができる。
更に、上記の各実施の形態では、前垂部は通気部材の特定の外方面より外方に位置するものであったが、通気部材が上述した他の構造である(複数の外方面を有する)場合、最も外方に位置する面を外方面とし、前垂部はその外方面より外方に位置するものであれば良い。
更に、上記の各実施の形態において、換気部材の前垂部の外面と笠木カバーの第1側壁部の内面とを、接着剤や両面テープ等により液密に接合しても良い。このように構成することで、笠木構造体に向けて水平方向や斜め下方向から雨水が吹き込もうとした場合に、第1側壁部の折り返しから雨水が浸入したとしても、その水が前垂部の外面と第1側壁部の内面との間を表面張力等により上方に向かい笠木下空間に水が浸入することを防止することができる。
更に、上記の各実施の形態では、第2側壁部の内面と一対の前垂部の他方の外面とが貫通孔を貫通するビスで取り付けられていたが、他の取り付け手段であっても良い。この場合、第2側壁部及び一対の前垂部の他方の各々に貫通孔が形成されていなくとも良い。
更に、上記の各実施の形態では、第1垂直部と連絡部との接続角度は特定の角度であったが、他の角度でも良い。
更に、上記の各実施の形態では、連絡部や水平部は外方に向かって特定の角度で下方に傾斜していたが、開口より内方に浸入した水が排水用の水抜き孔によって外部に排出することができるように下方に傾斜していれば良い。
更に、上記の各実施の形態では、笠木下部分の構造が特定のものであったが、外壁材とその上方に設置される笠木カバーとの間に位置する部分であれば、他の構造であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、第1垂直部は外壁下地材と胴縁との間の隙間に差し込むようにして設置されているが、第1垂直部は外壁下地材の上端部の外方側に対して設置されていれば、例えば外壁下地材の外面に直接取り付ける等、他の設置態様であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、換気部材の枠体が特定の構造であったが、他の構造であっても良い。例えば、第1垂直部に相当する部位が存在せず、連絡部の内方端部を外壁下地材や躯体の上端部に両面テープ等で固定する等して設置するものであっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、前垂部はその下端が第2垂直部の開口の下端よりも下方に位置していたが、下方に位置していなくとも良い。
更に、上記の各実施の形態では、前垂部と第2垂直部とが特定の位置関係にあったが、他の位置関係であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、連絡部と水平部とは平行に配置されていたが、これらは平行に配置されていなくとも良い。この場合、水平部の傾斜態様によっては水抜き孔の位置を変更しても良い。又、水抜き穴が無くとも良い。
更に、上記の各実施の形態では、水平部の内方側であって通気部材が設置されていない部分は上方に向かうように曲げられていたが、該部分は無くとも良い。
更に、上記の各実施の形態では、通気部材が枠体に対して長手方向において特定の配置態様で取り付けられていたが、通気部材はその全体が枠体内に配置された状態で取り付けられていても良い。
更に、上記の各実施の形態では、通気部材が特定の寸法及び形状であったが、同様の通気機能及び防水機能を発揮するものであれば、他の寸法及び形状であっても良い。この場合、特許第2610342号の明細書に記載されている風雨試験と同一の条件で同一の効果を奏するものであることが好ましい。
更に、上記の各実施の形態では、換気部材が特定の笠木下部分において用いられていたが、換気部材は妻側、軒側等の他の箇所においても用いることができる。
更に、上記の各実施の形態では、笠木カバーの天板部と躯体の上端部とに囲まれる笠木下空間にブラケット等を設置していなかったが、笠木下空間にブラケット等の支持体を設置していても良い。この場合、設置状態における笠木カバーの形状安定性が向上する。
更に、上記の各実施の形態では、笠木構造体において換気部材が一対設けられていたが、例えば外壁材や通気路が一方側にしか存在しない態様の躯体等に対しては、換気部材が一方側にのみ存在するものであっても良い。
次に、図11はこの発明の第3の実施の形態による笠木構造体の構造を示す概略断面図である。
尚、この笠木構造体91の構成は、上述した第2の実施の形態に係る笠木構造体61と基本的に同様であるので、以下相違点を中心に説明する。
同図を参照して、笠木構造体91は、笠木カバー92内部の笠木下空間93において、上述した笠木カバー92を支持する支持体として、押出法ポリスチレンフォームの緩衝材95が設けられている。これによって、設置状態における笠木カバーの形状安定性が向上するため、使用勝手が向上する。
又、笠木構造体91は上述した片流れ型であることから、笠木下空間93はその短手方向(同図の断面方向)における断面形状が、屋外側(同図の左方向)を頂点として屋内側(同図の右方向)に向けて下方に傾斜する略三角形状又は略台形状である。そして、緩衝材95は、設置時に笠木下空間93の大部分を充填するように、その上面が笠木カバー92の天板部96の内面97に接する略三角形状又は略台形状の断面形状に設定されている。
このように構成することで、設置状態における笠木カバーの形状安定性が更に向上し、例えば施工時等に笠木カバーの上に人が乗って作業する場合であっても、緩衝材がその全体にわたって重量を支えることで笠木カバーの不用意な変形を防止することができ、使用勝手が更に向上する。
尚、上記の第3の実施の形態では、笠木カバーの天板部が一方向に傾斜する片流れ型であったが、天板部は他の形状であっても良い。例えば、短手方向中央付近の箇所に溝が形成されているような断面M字型のものや、複数段の溝が形成された断面ノコギリ歯型のもの等が挙げられる。これらの場合も、天板部と躯体の頂部の間の箇所である笠木下空間において、笠木カバーを支持する支持体を設けることができる。
又、上記の第3の実施の形態では、緩衝材が特定の素材及び特定の形状であったが、圧縮変形し難く笠木カバーを支持する機能を果たす他の素材や他の形状であっても良い。
更に、上記の各実施の形態では、外壁材と換気部材との間の箇所がシーリング材によりシールされていたが、シーリング材とは止水性を有することで当該箇所をシール可能なものであれば良く、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)のように止水性及び弾力性を有する素材を用いて、あらかじめ当該箇所をシールするのに適した形状に断裁しておき、笠木構造体の施工時に当該箇所に嵌め込むようにして設置しても良い。
更に、上記の各実施の形態では、シーリング材を備えていたが、シーリング材が無くとも本発明は適用可能である。
1、61、91…笠木構造体
2、62、92…笠木カバー
3、63…換気部材
6、66、96…天板部
7、67…第1側壁部
8…折り返し
9…第2側壁部
10…貫通孔
13…通気部材
14、74…第1垂直部
15…連絡部
16…前垂部
17、77…第2垂直部
18…開口
19、79…水平部
20、80…枠体
21…下端
22…下端
23、83…部分
24…水抜き孔
27…通気孔
28…仮想平面
31…空間
40…躯体
41…外壁下地材
42…胴縁
43、93…笠木下空間
45…外壁材
57…隙間
95…緩衝材
97…内面
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (14)

  1. 一対の外壁材の上方に設置され長手方向に延びる笠木構造体であって、
    一対の前記外壁材の上方に設置され、短手方向における断面略山型の天板部と、前記天板部の短手方向の一方端に接続され下方に延び、その下部において内方への突出部を有する第1側壁部と、前記天板部の短手方向の他方端に接続され下方に延びる第2側壁部とを備える笠木カバーと、
    一対の前記外壁材と前記笠木カバーとの間の部分に設置され、内方から外方への通気経路を横断するように前記長手方向に延び、内方から外方への通気機能及び防水機能を有する一対の通気部材と、一対の前記通気部材の各々の外方面より外方において垂直方向に延びる一対の前垂部と、一対の前記通気部材の各々と一対の前記前垂部の各々とを接続する一対の連絡部とを備える一対の換気部材とを備え、
    前記第1側壁部の前記突出部は、一対の前記前垂部の一方の下端に対して掛止し、
    前記第2側壁部は、その内面が一対の前記前垂部の他方の外面に対向状態で取り付けられる、笠木構造体。
  2. 前記第2側壁部及び一対の前記前垂部の他方には、各々の対応する位置に長手方向に所定間隔で貫通孔が形成されている、請求項1記載の笠木構造体。
  3. 前記通気部材は、断面が四角形形状を有すると共に前記長手方向に延びる棒形状を有し、内方面から外方面へ貫通する複数の通気孔を有する、請求項1又は請求項2記載の笠木構造体。
  4. 一対の外壁下地材が一対の前記外壁材の内方に形成され、
    前記換気部材は、前記通気部材を支持する枠体を含み、
    前記枠体は、
    前記外壁下地材の上端部の外方側に対して垂直方向に延びる第1垂直部と、前記第1垂直部の上端側に接続され、外方に向かって略水平方向に延びる前記連絡部と、前記連絡部の外方側に接続され、垂直下方に延びる前記前垂部と、前記前垂部及び前記第1垂直部の間で前記連絡部に接続され、垂直下方に延びると共に長手方向に所定間隔で複数の開口が形成された第2垂直部と、前記第2垂直部の下方側に接続され、前記第1垂直部の方向に所定距離を残して延びる水平部とからなり、
    前記通気部材は、前記連絡部の下方面と前記水平部の上方面との間に覆われるように取り付けられる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の笠木構造体。
  5. 前記前垂部は、その下端が前記第2垂直部の前記開口の下端よりも垂直方向において下方に位置する、請求項4記載の笠木構造体。
  6. 前記前垂部の下端及び前記第2垂直部の前記開口の下端を含む仮想平面と前記前垂部とが形成する角度が15°以上90°未満であると共に、
    前記前垂部の内方面と前記第2垂直部の外方面との間隔が、5mm以上30mm以下の範囲内である、請求項5記載の笠木構造体。
  7. 前記外壁材は前記外壁下地材の外面に取り付けられた胴縁を介して取り付けられ、
    前記枠体の前記第1垂直部は前記外壁下地材と前記胴縁との間の隙間に差し込むようにして設置されている、請求項4から請求項6のいずれかに記載の笠木構造体。
  8. 前記連絡部及び前記水平部は互いに平行に配置され、各々は外方に向かって下方に傾斜し、
    前記水平部の前記第2垂直部側の接続部には排水用の水抜き孔が形成される、請求項4から請求項7のいずれかに記載の笠木構造体。
  9. 前記水平部の内方側であって前記通気部材が設置されていない部分は上方に向かうように曲げられる、請求項4から請求項8のいずれかに記載の笠木構造体。
  10. 前記通気部材は、前記長手方向において前記枠体の一方端から突き出ると共に前記枠体の他方端から凹むように前記枠体に取り付けられる、請求項4から請求項9のいずれかに記載の笠木構造体。
  11. 前記通気部材は、各々が凹凸断面形状を有する合成樹脂シートを複数積層した状態で熱融着によって一体化され、前記通気孔はその断面が略1mm×4mmの長方形形状を有すると共に、その長さが少なくとも20mmである、請求項記載の笠木構造体。
  12. 外壁下地材及び外壁材とその上方に設置される被覆部材との間の部分に設置される換気部材であって、
    前記外壁下地材の上端部の外方側に対して垂直方向に延びる第1垂直部と、前記第1垂直部の上端側に接続され、外方に向かって略水平方向に延びる連絡部と、前記連絡部の外方側に接続され、垂直下方に延びる前垂部と、前記前垂部及び前記第1垂直部の間で前記連絡部に接続され、垂直下方に延びると共に長手方向に所定間隔で複数の開口が形成された第2垂直部と、前記第2垂直部の下方側に接続され、前記第1垂直部の方向に所定距離を残して延びる水平部とからなる枠体と、
    前記連絡部の下方面と前記水平部の上方面との間に覆われるように取り付けられ、断面が四角形形状を有すると共に前記長手方向に延びる棒形状を有し、内方から外方へ貫通する複数の通気孔を有する通気部材とを備える、換気部材。
  13. 前記笠木カバー内部の笠木下空間において、前記笠木カバーを支持する支持体を更に備え、
    前記支持体は、緩衝材である、請求項1から請求項11のいずれかに記載の笠木構造体。
  14. 前記笠木下空間は、その短手方向における断面形状が略三角形状又は略台形状であり、
    前記緩衝材は、設置時にその上面が前記笠木カバーの前記天板部の内面に接する略三角形状又は略台形状の断面形状に設定されている、請求項13記載の笠木構造体。
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