JP2012233951A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着装置は、加熱部により加熱されて用紙に対して圧力及び熱を加えて用紙に画像を定着させながら当該用紙を搬送するニップ部Nを有する定着部20と、ニップ部Nに対して用紙の搬送方向の下流側に設けられて、ニップ部Nにより搬送された用紙と加熱ローラ21との間に気流を供給する剥離部30と、剥離部30のファン31a、31b、31c、31dの動作を制御する制御部101と、を備え、剥離部30は、搬送方向に直交する用紙の幅方向に沿って複数の区画に分けられた気流の供給口としてのダクト32a、32b、32c、32dを有し、制御部101は、用紙に関する情報に基づいて気流の速度及び供給量の少なくともいずれか一方を複数の区画の夫々について個別に制御する。
【選択図】図4
Description
また、幅方向の大きさが最も大きい用紙よりも幅方向の大きさが小さい用紙による画像形成が行われる場合、幅方向について用紙の端部の外側に位置する定着装置の一部は、送風装置からの風を全て直接受けることにより冷却されてしまう。このため、幅方向の大きさが最も大きい用紙よりも幅方向の大きさが小さい用紙による画像形成が行われた後、幅方向の大きさがより大きい用紙による画像形成を行う場合、定着装置の冷却された部分を画像形成に用いることとなるため、定着処理の開始前に定着装置の再加熱が必要となる。つまり、用紙の離間に必要ない範囲の送風により定着装置が不要に冷却されてしまうことで、定着装置の再加熱が必要となるためにエネルギー効率がさらに悪化する場合があった。
画像形成装置1は、例えば、図1に示すように、制御部101、記憶部102、操作表示部103、送受信部104、画像処理部105、画像形成部106、温度検出部107等を備え、各部はバス110により接続されている。
具体的には、送受信部104は、外部の機器から通信ネットワークIを介して送信された印刷ジョブ等を受信する。
また、送受信部104は、例えば、所定のインタフェース(例えば、USB:Universal Serial Bus)等による接続を介して外部の機器と画像形成装置1とを接続するものであってもよい。
本実施形態における画像形成部106は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色それぞれを個別の静電ドラムで転写する構成(タンデム方式)である。
図2に示すように、画像形成部106は、カセット11、給紙ローラ12、搬送ローラ13、搬送ベルト14、静電ドラム15Y、15M、15C、15K、プリントユニット16Y、16M、16C、16K、レーザユニット17Y、17M、17C、17K、転写ローラ18Y、18M、18C、18K、定着部20、排紙ローラ19等を備える。
給紙ローラ12は、カセット11に格納されている用紙Pを一枚ずつ引き出す。
搬送ローラ13は、給紙ローラ12により引き出された用紙Pを、搬送ベルト14へ搬送する。
ここで、トナー画像の転写について、静電ドラム15Yによるイエロー(Y)のトナー画像の転写を一例として説明する。
静電ドラム15Yは、駆動部(図示略)により回転駆動される円筒状の部材であり、帯電ユニット(図示略)によりその円筒の外周面が帯電している。レーザユニット17Yは、静電ドラム15Yの外周面に静電潜像を形成する。具体的には、レーザユニット17Yは、帯電した静電ドラム15Yの外周面に対して、プリントデータに基づいて用紙Pに形成されるイエローの画像に応じたレーザを照射する。
具体的には、プリントユニット16Yは、トナーカートリッジと、現像ユニットとを有する。トナーカートリッジは、イエロー(Y)のトナーを備蓄し、現像ユニットに供給する。現像ユニットは、静電ドラム15Yの外周面に形成された静電潜像に対して、トナーカートリッジのトナーを付着させる現像処理を行う。現像処理により、イエロー(Y)のトナー画像が静電ドラム15Yの外周面に形成される。
転写ローラ18Yは、搬送ベルト14を挟んで静電ドラム15Yと対向する位置に設けられる。転写ローラ18Yは、搬送ベルト14と静電ドラム15Yとによって用紙Pが挟まれるタイミングで、用紙Pをトナー画像と逆の電荷により帯電させる(逆帯電処理)。逆帯電処理により、静電ドラム15Yの外周面に形成されたイエロー(Y)のトナー画像が用紙Pに転写される。
定着部20は、用紙Pに転写されたトナー画像を定着させる。定着部20の詳細については、後述する。
図4は、図3に示す定着部20及び剥離部30の斜視図である。
定着部20は、加熱ローラ21及び加圧ローラ22を備える。
加熱ローラ21及び加圧ローラ22は協働により、加熱ローラ21の外周面と加圧ローラ22の外周面との圧接部(ニップ部N)を形成する。駆動部(図示略)により駆動された加圧ローラ22及び加圧ローラ22と転接する加熱ローラ21は、ニップ部Nにおいて用紙Pを挟み込んで加圧、加熱し、用紙Pに定着処理を施す。また、加熱ローラ21及び加圧ローラ22は、ニップ部Nにおいて用紙Pに定着処理を施しながら、用紙Pを所定の方向(例えば、図3におけるニップ部Nの左側)へ搬送する。
本実施形態では、剥離部30はファン31a、31b、31c、31dの駆動により生じた気流を供給するが、一例であり、これに限られるものではない。例えば、コンプレッサー等により生じた圧縮空気による噴流を供給するようにしてもよい。
ファン31a、31b、31c、31dは、夫々、駆動により気流を生じさせてダクト32a、32b、32c、32dへ供給する。
ダクト32a、32b、32c、32dは、夫々、ファン31a、31b、31c、31dから供給された気流を、ニップ部Nにより搬送(排出)されて加熱ローラ21に付着した用紙と加熱ローラ21との間に誘導する。ここで、記録媒体の幅方向に沿って設けられた複数のダクト32a、32b、32c、32dは、協働により、記録媒体(用紙P)の幅方向に沿った気流の供給口として機能する。また、複数のダクト32a、32b、32c、32dの夫々が、記録媒体の幅方向に沿って複数の区画に分けられた気流の供給口の一区画に対応する。
具体的には、温度検出部107は、例えば、サーミスタを複数有し、夫々のサーミスタが、複数のダクト32a、32b、32c、32dにより分けられた複数の区画の夫々に対応する加熱ローラ21の各部分の近傍に設けられる。夫々のサーミスタは、近傍の加熱ローラ21の各部部の温度変化に応じて電気抵抗値を変化させる。温度検出部107は、夫々のサーミスタの電気抵抗値に基づいて、複数の区画の夫々に対応する加熱ローラ21の各部分の温度を検出し、検出された温度を示す情報を出力する。制御部101は、温度検出部107から出力された温度を示す情報により、加熱ローラ21の各部分の温度を取得する。
具体的には、例えば、制御部101は、用紙Pの幅方向の大きさに応じて、気流の供給量を複数の区画の夫々について個別に制御する。
また、記憶部102は、用紙Pの幅方向の大きさに応じて、複数のファン31a、31b、31c、31dのうちいずれを動作させるのかを特定するためのデータを記憶している。
例えば、用紙Pの幅方向の大きさが所定の大きさ(例えば、210[mm])以下の場合にファン31b、31cのみを動作させ、当該所定の大きさを上回る場合にファン31a、31b、31c、31dを動作させることがデータにより設定されているものとする。かかる設定がなされた画像形成装置1において、画像形成に用いられる用紙の設定がA4縦(用紙Pの長手方向が搬送方向に沿う向き)である場合や、用紙Pの幅方向の大きさがA4縦の場合の幅方向の大きさより小さくなる用紙の設定がなされている場合、制御部101は、図5(A)に示すように、ファン31b、31cを動作させ、ファン31a、31dを動作させない。一方、用紙Pの幅方向の大きさがA4縦の場合の幅方向の大きさより大きくなる用紙の設定がなされている場合、制御部101は、図5(B)に示すように、ファン31a、31b、31c、31dを動作させる。
図6は、用紙Pの斤量と用紙Pの画像形成面の平滑度との組み合わせパターンと、各々の組み合わせパターンに対応する気流の流速([m/s])とを対応付けるデータの一例を示す図である。なお、図6の平滑度は、熊谷理機工業株式会社のベック平滑度試験機による測定結果によるものである。
記憶部102は、例えば、図6に示すように、用紙Pの斤量と用紙Pの画像形成面の平滑度との組み合わせパターンと、各々の組み合わせパターンに対応する気流の流速とを対応付けるデータを記憶している。図6に示す例は、用紙Pの斤量が小さいほど風量が大きくなり、用紙Pの画像形成面の平滑度が小さいほど風量が大きくなるデータである。当該データは、より加熱ローラ21に付着しやすい傾向を示す属性(斤量や画像形成面の平滑度)を有する用紙により大きな流速の気流を供給するよう設けられたデータである。
制御部101は、指定された用紙の種類と、記憶部102等に予め記憶された用紙の種類と用紙Pの斤量と用紙Pの画像形成面の平滑度とを対応付けるデータに基づいて用紙Pの斤量及び用紙Pの画像形成面の平滑度を特定し、特定された用紙Pの斤量と用紙Pの画像形成面の平滑度とを組み合わせた組み合わせパターンに対応する気流の流速を特定する。そして、制御部101は、定着部20による定着処理が用紙Pに行われることに伴い、複数のファン31a、31b、31c、31dのうち、動作させるファンとして特定されたファンの動作による気流が特定された流速となるよう動作させる。
具体的には、制御部101は、例えば、温度検出部107により検出された加熱ローラ21の各部分の温度に応じて、気流の供給量を複数の区画の夫々について個別に制御する。
なお、図7及び後述する図8に示す例において、用紙Pの設定はA4縦であるものとする。また、図7、図8において加熱ローラ21のうち用紙Pと当接する部分の温度変化を線L1、加熱ローラ21のうち用紙Pと当接しない部分の温度変化を線L2で示している。
図7に示すように、本実施形態の画像形成装置1では、加熱ローラ21の上限温度L3が設定されている。上限温度L3は、加熱ローラ21の温度ムラを防止すると共に、加熱ローラ21が過熱されることによる破損や部品寿命の低下等を生じさせないために予め定められた温度である。上限温度L3を示すデータは、例えば、制御部101のROM又は記憶部102等に記憶されている。
つまり、制御部101は、所定の温度(例えば、上限温度L3)以上であることが検出された部分に対応する区画の供給口から気流を供給させる。
また、加熱ローラ21に温度ムラを生じさせないための気流の供給量、流速とするための各区画の気流の制御パターンを用いることにより、加熱ローラ21の幅方向の温度ムラを防止とエネルギー効率のよい気流の制御とを両立させることができる。
制御部101は、例えば、画像形成の開始後、用紙に関する情報に基づいて、動作させるファンとして特定されたファン(例えば、ファン31b、31d)を動作させる。
具体的には、制御部101は、例えば、図8に示す線L5のように、用紙Pの斤量と用紙Pの画像形成面の平滑度とに基づいて特定された所定の流速で動作させる。
このとき、ニップ部Nのうち用紙Pと当接する部分、即ち用紙Pの幅方向に対応する加熱ローラ21の部分では、加熱ローラ21の外周面から用紙Pに熱が伝達されることにより、外周面の温度が下がっている。用紙Pの斤量と用紙Pの画像形成面の平滑度とに基づいて特定された所定の流速の気流による冷却と用紙Pに熱が奪われることにより、用紙Pの幅方向に対応する加熱ローラ21の部分の温度(図8の線L1により示される温度)は、維持目標温度L4付近で維持される。
なお、図9(A)、(B)を用いて説明した風向変更板35による風向の制御は一例であって、これに限られるものではない。例えば、ダクトの供給口の内側に風向を変更するための構成を設けてもよい。また、風向の変更方向は、加熱ローラ21の軸方向の中央側に限らず、幅方向に沿った任意の方向とすることができる。
c、31dの夫々の流速と対応付けたデータが記憶部102等に記憶されており、制御部101は、画像形成に用いられる用紙Pの大きさの種類及び用紙Pの向きから用紙Pの幅方向の大きさを特定し、さらに、特定された用紙Pの幅方向の大きさから複数のファン31a、31b、31c、31dの夫々の流速を特定し、特定された流速となるよう夫々のファンの動作を制御する。
例えば、記憶部102は、画像形成に用いられる用紙Pの大きさの種類及び用紙Pの向きと、所定時間(例えば、60秒)間隔での加熱ローラ21の温度変化の幅(例えば、1度〜3度、4度〜5度、…の温度上昇等)と、気流の流速及び供給量が対応付けられたデータを記憶する。制御部101は、温度検出部107から得られた加熱ローラ21の各部分の温度変化を当該所定時間単位でモニタリングし、モニタリングされた所定時間単位内での温度変化の幅に対応する気流の流速及び供給量を、加熱ローラ21の各部分について個別に特定する。そして、制御部101は、特定された気流の流速及び供給量となるよう、加熱ローラ21の各部分に対応する区画のファンの動作を制御する。なお、制御部101は、所定時間単位で加熱ローラ21の温度をモニタリングする場合において、加熱ローラ21のいずれかの部分の温度が所定の温度(例えば、上限温度L3)以上となった場合、所定時間を待たずに当該部分を冷却するための制御を行うようにしてもよい。
また、複数の区画に分けられた気流の供給口の夫々に個別に気流発生手段(例えば、ファン31a、31b、31c、31d)を設けなくてもよい。例えば、複数の区画に分けられた気流の供給口の数より少ない気流発生手段が設けられている場合、制御部101は、供給口の開閉の制御や供給口の開口部の広さの制御等により各供給口から供給される気流の供給量や流速を制御する。
また、記録媒体(用紙P)に関する情報は、記録媒体の幅方向の大きさ、記録媒体の単位面積あたりの重さ及び記録媒体の種類に限られるものではない。例えば、画像形成に用いられ、定着部20に搬送される用紙Pの幅方向の端部の位置を検出するセンサ等を設け、制御部101が、当該センサにより検出された用紙Pの幅方向の端部の位置に基づいて、用紙Pの端部の位置と剥離部30の各区画のダクトとの位置関係を特定し、当該位置関係に応じた気流の速度や供給量の制御を行うようにしてもよい。
また、用紙に対する画像形成の工程を説明したが、画像形成装置1は、用紙以外の記録媒体に対しても、用紙に対する画像形成と同様の仕組みによる画像形成を行うことができる。
20 定着部
21 加熱ローラ
21a 加熱部
22 加圧ローラ
30 剥離部
31a、31b、31c、31d ファン
32a、32b、32c、32d ダクト
101 制御部
102 記憶部
107 温度検出部
N ニップ部
P 用紙
Claims (8)
- 加熱手段により加熱されて記録媒体に対して圧力及び熱を加えて記録媒体に形成された未定着のトナー画像を定着させながら当該記録媒体を搬送するニップ部を有する定着手段と、
前記ニップ部に対して前記記録媒体の搬送方向の下流側に設けられて、前記ニップ部により搬送された記録媒体と当該定着手段との間に気流を供給する供給手段と、
この供給手段の動作を制御する制御手段と、を備え、
前記供給手段は、前記搬送方向に直交する前記記録媒体の幅方向に沿って複数の区画に分けられた前記気流の供給口を有し、
前記制御手段は、前記記録媒体に関する情報に基づいて前記気流の速度及び供給量の少なくともいずれか一方を前記複数の区画の夫々について個別に制御することを特徴とする定着装置。 - 前記複数の区画の夫々に対応する前記定着手段の各部分の温度を個別に検出する検出手段を備え、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記定着手段の各部分の温度に基づいて前記気流の速度及び供給量の少なくともいずれか一方を前記複数の区画の夫々について個別に制御することを特徴とする請求項1に記載の定着装置。 - 前記制御手段は、前記検出手段により検出された前記定着手段の各部分の温度のうち、所定の温度以上であることが検出された部分に対応する区画の供給口から前記気流を供給させることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記記録媒体に関する情報は、前記記録媒体の幅方向の大きさ、前記記録媒体の単位面積あたりの重さ及び前記記録媒体の種類のうち少なくともいずれか一つを示す情報を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の定着装置。
- 前記供給手段は、
前記複数の区画の夫々について個別に気流を生じさせる気流発生手段と、
この気流発生手段の夫々について個別に設けられたダクトと、を有し、
前記制御手段は、前記記録媒体の幅方向の大きさに応じて前記気流の速度及び供給量の少なくともいずれか一方を複数の前記気流発生手段の夫々について個別に制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の定着装置。 - 前記供給口から供給される気流の前記幅方向に沿った方向を変更する変更手段を備え、
前記制御手段は、前記記録媒体の幅方向の大きさに応じて前記変更手段に前記供給口から供給される気流の前記幅方向に沿った方向を変更させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の定着装置。 - 前記制御手段は、前記定着手段による前記記録媒体に対する定着処理の終了後に、前記検出手段により検出された前記定着手段の各部分の温度のうち、所定の温度以上であることが検出された部分に対応する区画の供給口から前記気流を供給させることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
- 記録媒体に未定着のトナー画像を形成する画像形成部と、
請求項1から7のいずれか一項に記載の定着装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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