JP2012233114A - 硬化性組成物および光学接着剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリチオールと硫黄を反応させて得られるポリチオールオリゴマー(A成分)と、ポリエン化合物(B成分)を含有する硬化性組成物。
【選択図】 なし
Description
これらの用途に使用される接着剤には、高い屈折率だけでなく、光硬化性、無色透明性、耐熱性といった性能も当然要求される。
また、一般的に多官能(メタ)アクリレート化合物は硬化に伴う収縮が大きく、接着剤として使用した場合に密着性低下の原因となる。
特許文献2には、A−BPEF、エチレン性不飽和化合物、およびチオール化合物から構成されるエン・チオール組成物が記載されている。実施例によると、硬化物の屈折率は高々1.58〜1.61の範囲である。
特許文献3には、MPSMA、ビニル系モノマー、およびポリチオールから構成されるエン・チオール組成物が記載されている。実施例によると、硬化物の屈折率は最高で1.649である。しかしながら、MPSMAは黄着色しやすく、また固体であるため組成物への溶解量に限界があった。
また、特許文献4には、フルオレン環を有する樹脂成分と、MPSMA等のジフェニルスルフィド骨格を有する硫黄含有化合物とで構成される樹脂組成物が記載されており、屈折率1.724を有する樹脂が例示されている。しかしながら、該発明における樹脂組成物とは、実質的にはフルオレン環を有するポリエステルと硫黄含有化合物を混練した熱可塑性樹脂であって硬化性組成物ではなく、当然ながら光硬化性は付与できない。
まず、ポリチオールオリゴマー(A成分)の製造方法について説明する。
(式中、pは2〜4の整数を表し、XpおよびYpはそれぞれ独立に水素原子またはメチルチオール基を表す。)
(式中、qは0〜3の整数を表し、R1は単なる結合または炭素数1〜3のアルキレン基を表す。)
(式中、rは0〜3の整数を表し、R2は炭素数1〜3のアルキレン基を表す。)
(式中、Rは有機基を表し、nは1以上の整数を表す。)
に従って進行する。硫黄の使用量は、チオール基1モルに対して、硫黄原子0.2〜0.95モルの範囲が好ましく、0.2〜0.5モルの範囲がより好ましい。0.2モル未満ではポリチオールの転化率が低すぎて実用的でないし、0.95モルを超えると光学材料の原料として好ましくない分子量が過大なポリチオールオリゴマーが生成するとともに、未反応の硫黄が残存しやすく好ましくない。
本発明の硬化性組成物とは、前述したポリチオールオリゴマー(A成分)とポリエン化合物(B成分)を含有して構成される。
(式中、Xは硫黄原子またはスルホニル基を表し、Zは(メタ)アクリロイル基、ビニル基、またはアリル基を表わす。)
(式中、mおよびnは、mとnの合計が0〜4を満たす整数を表し、R3は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R4は水素原子またはメチル基を表し、R5は水素原子またはメチル基を表す。)
一般式(4)で表わされる化合物の例としては、4,4’−ビス(メタクリロイルチオ)ジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(メタクリロイルチオ)ジフェニルスルホン等が挙げられ、一般式(5)で表わされる化合物としては、9,9−ビス(4−(2−アクリロキシエトキシ)フェニル)フルオレン等が挙げられる。
X=(1−d1/d2)×100[%]
R=(n2−1)/(n2+2)×M/d
硬化前後でR/Mは一定なので、上の2式より、
X=[1−{(n12−1)/(n12+2)}/{(n22−1)/(n22+2)}]×100[%]
(式中、Xは硬化収縮率、dは比重、d1は硬化前の比重、d2は硬化後の比重、Rは分子屈折、nは屈折率、n1は硬化前の屈折率、n2は硬化後の屈折率、Mは分子量を表す。)
また、硬化性組成物の粘度は、コーン/プレート型粘度計DV−II+(ブルックフィールド社製)を用いて、温度25℃にて測定した。硬化性組成物および硬化物の屈折率は、アッベ屈折計NAR−3T(アタゴ社製)を用いて測定した。硬化物の透過率は、分光光度計U−3500(日立ハイテク社製)を用いて、硬化物の厚み0.25mm、波長400nmにて測定した。
300mlフラスコに、4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン65g、ジシクロヘキシルメチルアミン0.05gをとり、よく撹拌した。硫黄粉末4.7gを室温下にてゆっくりと数回に分けて滴下した。硫黄粉末を添加すると溶液が黄色に変色して、ガスが発生した。ガスの発生が緩やかになった後、液面に窒素ガスを流しながら温度を60℃に上げて3時間撹拌を続けた。反応の進行に伴って、ガスの発生はほとんどなくなり、溶液は無色透明となった。以上の手順でポリチオールオリゴマーを作製した。
ポリチオールオリゴマーを室温まで冷却した後、イソシアヌル酸トリアリル35gを加えて、均一になるまで撹拌した。以上の手順で硬化性組成物を作製した。
硬化性組成物および硬化膜の物性は表1に示す通りであった。
ポリチオール、硫黄、およびポリエン化合物の種類と仕込み量を表1に示す内容に変える以外は実施例1と同様にして硬化性組成物および硬化物の作製を行った。硬化性組成物および硬化物の物性は表1に示す通りであった。
300mlフラスコに、2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン55g、およびイソシアヌル酸トリアリル45gをとり、均一になるまで撹拌した。以上の手順で硬化性組成物を作製した。
硬化膜の作製を実施例1と同様にして行った。硬化性組成物および硬化物の物性は表2に示す通りであった。なお、実施例と比較して性能が劣る値には下線を引いた。
チオール化合物、エチレン性不飽和化合物の種類と仕込み量を表2に示す内容に変える以外は比較例1と同様にして硬化性組成物および硬化物の作製を行った。硬化性組成物および硬化物の物性は表2に示す通りであった。なお、実施例と比較して性能が劣る値には下線を引いた。
(a−1)4−メルカプトメチル−1,8−ジメルカプト−3,6−ジチアオクタン
(a−2)2,5−ジメルカプトメチル−1,4−ジチアン
(a−3)m−キシリレンジチオール
(a−4)1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン
(b−1)イソシアヌル酸トリアリル
(b−2)4,4’−ビス(メタクリロイルチオ)ジフェニルスルフィド
(b−3)トリメリット酸トリアリル
(b‐4)2,2−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン
Claims (5)
- ポリチオールと硫黄を反応させて得られるポリチオールオリゴマー(A成分)と、ポリエン化合物(B成分)を含有する硬化性組成物。
- ポリチオールと硫黄を反応させる際のポリチオールと硫黄の比率が、チオール基1モルに対して、硫黄原子が0.2〜0.95モルの範囲である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
- ポリエン化合物(B成分)が、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリル、一般式(4)で表わされる化合物、一般式(5)で表わされる化合物、から成る群から選択される一種以上である、請求項1から3のいずれかに記載の硬化性組成物。
(式中、Xは硫黄原子またはスルホニル基を表し、Zは(メタ)アクリロイル基、ビニル基、またはアリル基を表わす。)
(式中、mおよびnは、mとnの合計が0〜4を満たす整数を表し、R3は炭素数1〜5のアルキレン基を表し、R4は水素原子またはメチル基を表し、R5は水素原子またはメチル基を表す。) - 請求項1から4のいずれかに記載の硬化性組成物からなる光学用接着剤。
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