JP2012232380A - 物品吸着保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸着体による物品の吸着と吸着体の移動とを行なう保持手段の配管の簡素化を図る。
【解決手段】エアシリンダ22のピストンロッド34に配設した吸着体20の吸着パッド38は、ピストンロッド34の通気路34aを介して第1圧力室40に連通する。エジェクタ48Aは、第1スピードコントローラ50を介して第1圧力室40に連通すると共に、第2スピードコントローラ52を介して第2圧力室42に連通する。第2圧力室42に、第3スピードコントローラ54が連通する。3基のスピードコントローラ50,52,54の絞り調節により、下降した吸着体20で物品10を吸着した際に、第1圧力室40の負圧でピストンロッド34が収縮作動して吸着体20が取上げ位置まで上昇する。そして、第1圧力室40の負圧を解除することで、吸着体20による物品10の吸着は解除される。
【選択図】図5

Description

本発明は、物品を吸着して移動する保持手段を備えた物品吸着保持装置に関するものである。
コンベヤに載置されて搬送されてくる物品を、ピッキングロボットのピッキングヘッドに設けた複数の吸着パッドの夫々に順次吸着保持して移送するようにした装置として、例えば特許文献1に開示の装置が存在する。この装置では、吸着パッドの夫々にエアシリンダを備え、各吸着パッドで物品を吸着するに際して、物品を吸着させる吸着パッドのみのエアシリンダを伸張作動して他の吸着パッドよりも下方に位置させ、その吸着パッドで物品を吸着した後に、エアシリンダを収縮して吸着パッドと共に物品を上方に移動して保持する。そして、次に物品を吸着させる吸着パッドを、上昇位置で既に吸着パッドで吸着保持されている物品より下方に位置させるようにエアシリンダを伸張作動することで、既に吸着パッドで吸着保持した物品の下面が、他の吸着パッドで物品を吸着する際にコンベヤの物品載置面やコンベヤ上の物品等に接触干渉することを防止している。
特許第3077564号公報
前記物品を吸着する吸着パッドと、該吸着パッドを昇降動するエアシリンダとで構成される保持手段においては、吸着パッドに吸引力を付与する真空発生器等の負圧発生手段と吸着パッドとを接続する吸引用の配管とは別に、エアシリンダを伸張・収縮作動して吸着パッドを昇降動するための2つの圧縮エア供給用の配管を設置する必要がある。このようなピッキングロボットのピッキングヘッドに複数の吸着手段を設ける場合には、その設置数倍の配管数が必要となり、ヘッド部での配管数が増加する難点が指摘される。また、各吸着手段毎に多数の配管を配設することは軽量化の妨げとなり、ピッキングロボットでの物品の処理速度の高速化が困難となる。
すなわち本発明は、従来の技術に係る物品吸着保持装置に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、物品を吸着して移載する保持手段の配管の簡素化を図り得る物品吸着保持装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る物品吸着保持装置は、
物品を吸着する保持手段を備える物品吸着保持装置であって、
前記保持手段は、
ピストンで仕切られた第1圧力室および第2圧力室を有し、ピストンと一体的に配設され、第2圧力室側の端部から外方に延出するよう付勢部材で付勢される中空のピストンロッドを備えたエアシリンダと、
前記ピストンロッドの延出端部に配設され、該ロッドの通気路を経て前記第1圧力室に連通接続する吸着体とを備え、
前記エアシリンダに接続するエア回路は、
エア供給源からのエア供給経路に配設されるエジェクタと、
前記第1圧力室とエジェクタとを接続するメータイン絞り型スピードコントローラと、
前記第2圧力室とエジェクタとを接続し、エジェクタから第2圧力室への給気のみを許容する逆止弁と、
前記第2圧力室に接続されて大気中に開放可能なメータアウト絞り型スピードコントローラと、
前記エア供給源からの圧縮エアによりエジェクタで発生した負圧をエアシリンダに作用させる状態と圧縮エアをエアシリンダに供給する状態とを切り換える電磁弁とを備え、
前記メータイン絞り型スピードコントローラで絞り制御されるエアシリンダへの給気量およびメータアウト絞り型スピードコントローラで絞り制御されるエアシリンダからの排気量は、前記逆止弁によるエアシリンダへの給気量より少なくなるよう設定されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、搬送コンベヤから物品を吸着して持ち上げる吸着体を有する複数の保持手段を備え、各保持手段は、吸着体での物品の吸着の有無を検出する真空スイッチを夫々有し、
複数の保持手段の内の特定の吸着体のみを作動する物品の取上げ動作時に、対応する真空スイッチによって物品吸着が検出されたことを条件に、別の吸着体による物品の取上げ動作を行なうようにしたことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記物品は、収容部の上端外周縁に鍔部が形成され、前記各吸着体で物品を吸着して上昇した位置において隣り合う物品の鍔部が相互に重なるようにしたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、エア供給源に接続する1系統の配管を経て供給される圧縮エアによって、エアシリンダにおけるピストンロッドの伸張・収縮作動と吸着体での物品吸着および吸着解除とを行なうことができるので、伸張・収縮作動用の配管と吸着用の配管とを分けて複数設ける必要がなく、配管の簡素化を成し得る。また、配管数の減少により保持手段の軽量化を図ることができ、保持手段を備えたピッキングロボット等の処理作業の高速化を成し得る。
請求項2に係る発明によれば、吸着体で既に取上げられている物品が、別の吸着体での物品取上げ時に搬送コンベヤの物品載置面やコンベヤ上の物品に干渉するのを防止し得る。
請求項3に係る発明によれば、複数の吸着体の夫々に吸着された物品が相互に支え合って保持することができ、高速移送時における物品の振れを抑制して吸着体から離れて落下する等の事態を招くことがない。
実施例に係る物品吸着保持装置を備える箱詰め装置の概略平面図である。 実施例に係る箱詰め機の要部概略側面図である。 実施例に係る物品吸着保持装置の要部正面図である。 実施例に係る物品吸着保持装置の要部側面図である。 実施例に係る物品吸着保持装置のエア回路を示す概略構成図である。 実施例に係るエアシリンダの動作を示す工程図である。
次に、本発明に係る物品吸着保持装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
図1および図2は、実施例に係る物品吸着保持装置を備える箱詰め装置の概略構成を示すものであって、箱詰め装置は、前工程から流入する複数の物品10を、配列、間隔がランダムな状態で載置して搬送する物品供給コンベヤ(搬送コンベヤ)12と、該物品供給コンベヤ12に並設されて空箱14を搬入する空箱コンベヤ16と、空箱コンベヤ16から搬入された空箱14を直交移送する箱送りコンベヤ17と、該箱送りコンベヤ17から送り込まれた複数物品を収容した実箱14を搬出する実箱コンベヤ19と、コンベヤの上方に配設され、物品供給コンベヤ12により送り込まれた物品10を個々に保持して箱送りコンベヤ17の箱詰め位置Mで上方を開口して支持された空箱14に収容する複数(実施例では2基)の移載手段としての移載ロボット18とから基本的に構成される。各移載ロボット18の配設位置に対応した箱送りコンベヤ17の搬送中央部には箱詰め位置Mが夫々設定され、該箱詰め位置Mを挟んで物品供給コンベヤ12に近接する側に空箱コンベヤ16が配設されると共に反対側に実箱コンベヤ19が配設される。各移載ロボット18に対応する位置まで空箱コンベヤ16で空箱14を搬送し、箱送りコンベヤ17における箱詰め位置Mまで直交移送された空箱14内に移載ロボット18で物品10を供給した後、箱送りコンベヤ17と直交する実箱コンベヤ19に対して複数物品を収容した実箱14が直交移送されて搬出される。
本例における物品10としては、収容部10aの上端外周縁に鍔部10bを設けたトレー詰品であって、また移載ロボット18として、固定部材に取付けた駆動手段に連結したリンクの先端に取付けた支持部材を三次元移動させるよう構成したパラレルリンクロボットを採用している。パラレルリンクロボットを用いることで、広い範囲を高速で物品10のハンドリングをなし得る。なお、移載ロボット18としては、パラレルリンク形式に代えて、ピッキングヘッドを三次元移動させることができる産業用ロボット(例えば直交座標形式、水平多関節形式、垂直多関節形式等)を用いることができる。前記物品供給コンベヤ12による物品搬送経路の上方に、該コンベヤ12により搬送される多数の物品10の載置状態を撮像するカメラが配設され、該カメラで得られる画像データに基づいて移載ロボット18が作動制御される。
前記移載ロボット18は、前記物品供給コンベヤ12に載置されて搬送されてくる物品10をピッキングヘッドで保持して箱送りコンベヤ17の箱詰め位置Mに支持された空箱14に収容する。ピッキングヘッドは、物品10を吸着する吸着体20と、該吸着体20を昇降動するエアシリンダ22とを備えて吸着体20に吸引力を付与すると共にエアシリンダ22を作動する複数(実施例では3基)の保持手段26A,26B,26Cが、支持部材28に配設される。
前記第1、第2、第3の保持手段26A,26B,26Cの各エアシリンダ22は、図3および図4に示す如く、前記支持部材28に垂設され、そのシリンダチューブ30の内部に摺動自在に配設したピストン32に連結したピストンロッド34が、シリンダチューブ30の下端から延出している。ピストンロッド34の延出端部に取着部材36が連結されると共に、該取着部材36には、複数(実施例では2つ)の吸着パッド38,38からなる吸着体20が、各吸着パッド38の吸引口を下向きとした姿勢で配設される。図4に示す如く、2つの吸着パッド38,38は並列に配設されて、それら2つの吸着パッド38,38で1個の物品10を吸着するよう構成される。また、3基の保持手段26A,26B,26Cの吸着体20,20,20では、物品10を吸着した吸着体20が後述する取上げ位置まで上昇した順に、隣り合う物品10の鍔部10bが鍔部10bの下面に当接するようになっている。なお、前記取着部材36にスライド体37が配設されると共に、該スライド体37を案内するスライドガイド39が支持部材28に配設され、取着部材36の昇降移動に際してスライド体37がスライドガイド39で案内されることで、ピストンロッド34の軸回りの回転を規制して吸着パッド38,38の姿勢変化を防止するよう構成してある。
前記シリンダチューブ30の内部は、図4または図5に示す如く、ピストン32によって上側の第1圧力室40と下側の第2圧力室42とに画成される。また、ピストンロッド34の内部は中空構造により通気路34aが形成され、該通気路34aは開口34bを経て前記第1圧力室40に連通すると共に、前記取着部材36内に形成した分岐路36aを経て両吸着パッド38,38に連通している。前記ピストンロッド34は、第1圧力室40に配設されてピストン32を下向きに付勢する付勢部材としての圧縮バネ44によって、常にはシリンダチューブ30から下方に延出するよう付勢されている。
前記第1、第2、第3の保持手段26A,26B,26Cのエア回路24は、図5に示す如く、圧縮エア(以後、単にエアと称す)を供給するエア供給源46と連通接続するエジェクタ48A,48B,48Cと、該エジェクタ48A,48B,48Cおよび対応する各エアシリンダ22の前記第1圧力室40とに連通接続する第1スピードコントローラ50と、エジェクタ48A,48B,48Cおよび対応する各エアシリンダ22の前記第2圧力室42とに連通接続する第2スピードコントローラ52および第2圧力室42に連通接続された第3スピードコントローラ54とを備える。エア供給源46からエジェクタ48A,48B,48Cまでに至る配管経路にレギュレータ58が配設され、該レギュレータ58から各エジェクタ48A,48B,48Cまで第1配管56で連通接続される。またエジェクタ48A,48B,48Cは、移載ロボット18の支持部材26に配設したロータリージョイント62に第2配管60により夫々連通接続され、各第2配管60には真空スイッチ64A,64B,64Cが接続されている。エジェクタ48A,48B,48Cには、第1電磁弁48aおよび第2電磁弁48bとが付設され、第1電磁弁48aをON−OFF(通路の開閉)制御することで、エア供給源46から供給されるエアをエジェクタ48A,48B,48Cへ導入し負圧を発生する真空状態と、第2電磁弁48bをON−OFF(通路の開閉)制御することで、真空破壊してエア供給源46から供給されるエアを前記各エアシリンダ22に供給するエア供給状態とに切り換え作動し得る。
前記各第2配管60は、ロータリージョイント62の固定部に一端が連通接続され、該ロータリージョイント62を介して第2配管60に接続して前記支持部材28の動作に追従する動きが許容された各第3配管66は、配管継手により途中から2本の分岐管(配管)66a,66bに分岐している。そして、一方の第1分岐管66aが対応するエアシリンダ22の前記第1圧力室40に連通接続されて、該第1分岐管66aに前記第1スピードコントローラ50が配設されると共に、他方の第2分岐管66bが対応するエアシリンダ22の前記第2圧力室42に連通接続されて、該第2分岐管66bに前記第2スピードコントローラ52が配設される。また、第2圧力室42に連通接続して大気に開放する排出管68に、前記第3スピードコントローラ54が配設される。3基のスピードコントローラ50,52,54は、何れも絞り弁と逆止弁とを並列に組合わせたものであって、各スピードコントローラ50,52,54を流通するエアの流量を調節し得るよう構成される。
本実施例では、第1スピードコントローラ50は、エアシリンダ22の第1圧力室40へのエア供給を阻止する逆止弁を備え、第1圧力室40へ供給されるエアの流量を調節し得る絞り弁を備えたメータイン絞り型である。また、第2スピードコントローラ52は、エアシリンダ22の第2圧力室42からのエア排出を阻止する逆止弁を備え、第2圧力室42から排出されるエアの流量を調節し得る絞り弁を備えたメータアウト絞り型である。また、第3スピードコントローラ54は、第2圧力室42からのエア排出を阻止する逆止弁を備え、第2圧力室42から排出されるエアの流量を調節し得る絞り弁を備えたメータアウト絞り型である。
次に、前述したように構成された保持手段の動作につき説明する。本実施例では、前記第2スピードコントローラ52の絞り弁を全閉にし、該第2スピードコントローラ52を逆止弁として機能させる。また、前記第1スピードコントローラ50と第3スピードコントローラ54の絞り弁の開度は、僅かな開放状態とされ、第2スピードコントローラ52の逆止弁を介して第2圧力室42に供給されるエアの供給量(給気量)に対し、第1スピードコントローラ50の絞り弁を介して第1圧力室40に供給されるエアの供給量(給気量)、および第3スピードコントローラ54の絞り弁を介して第2圧力室42から排出されるエアの排出量(排気量)が何れも少なくなるよう設定される。なお、各保持手段26A,26B,26Cで吸着する物品10を区別する場合は、符号の後に対応してA,B,Cを付すものとする。
図6(a)に示す如く、前記第1電磁弁48aのOFF制御によって前記第1、第2、第3の保持手段26A,26B,26Cにおけるエジェクタ48A,48B,48Cによる負圧の発生が行なわれていない状態において、第2電磁弁48bがON制御され、各エアシリンダ22では、第1圧力室40へのエア供給量および第2圧力室42からのエア排出量に対して多くのエアが第2圧力室42に供給されることで、ピストンロッド34が収縮して吸着体20が取上げ位置まで上昇した状態に保持されている。
前記移載ロボット18は、前記カメラで撮像された画像データに基づいて制御手段で作動制御されて、前記物品供給コンベヤ12で搬送されてくる取上げ対象の物品10Aの載置位置と対応する位置に第1保持手段26Aの吸着体20が位置するように支持部材28を移動すると共に、吸着体20の姿勢を取上げ対象となる物品10Aの姿勢に対応するように支持部材28を水平回動する。そして、第1保持手段26Aにおけるエア回路24のエジェクタ48Aのみが第1電磁弁48aのON制御により真空状態に切り換えられ、第3配管66へのエアの供給が解除され、代わってエジェクタ48Aで発生した負圧が第3配管66へ吸引力として作用する。すなわち、第1保持手段26Aのエアシリンダ22における前記第1圧力室40のエアが第1スピードコントローラ50の逆止弁を介して吸引され、第1圧力室40に対してピストンロッド34の通気路34aを経てもたらされる負圧が吸着パッド38,38の吸引口に作用する。エアシリンダ22のピストンロッド34は圧縮バネ44に付勢されて伸張し(図6(b)参照)、第1保持手段26Aの吸着体20は他の保持手段26B,26Cの吸着体20より下方に移動する。このとき、前記第2スピードコントローラ52はメータアウト絞り型であって、逆止弁によって第2圧力室42には負圧による吸引力が作用することがない。また、ピストンロッド34が下降する際には、前記第3スピードコントローラ54の絞り弁を介して第2圧力室42からエアが排出されて、ピストンロッド34および吸着体20は下降端に達する際に衝撃を伴うことなく円滑に下降する。
図6(c)に示す如く、吸着パッド38,38が物品10Aの上面に密着することで該物品10Aは吸着パッド38,38に吸着される。吸着パッド38,38の吸引口が物品10Aで塞がれ、第1スピードコントローラ50の逆止弁を介して第1圧力室40からエアが吸引されて該第1圧力室40の負圧が高まることで、図6(d)に示す如く、ピストンロッド34が前記圧縮バネ44の付勢力に抗して収縮し、吸着パッド38,38に吸着されている物品10Aが物品供給コンベヤ12から持ち上げられる。なお、ピストンロッド34の収縮時には、前記第3スピードコントローラ54の逆止弁を介して第2圧力室42に外部エアが吸込まれることで、ピストンロッド34の収縮が許容される。
前記真空スイッチ64Aによって制御手段は、第1保持手段26Aの吸着体20での物品10Aの吸着の良否(有無)を検出し、吸着状態であると判断することで第2保持手段26Bまたは第3保持手段26Cにより次の物品10B,10Cの取上げ動作を行なわせる。第2保持手段26Bおよび第3保持手段26Cによる物品10B,10Cの取上げ動作は、前記第1保持手段26Aによる取上げ動作と同様に順次行なわれる。なお、第2保持手段26Bの吸着体20に吸着して持ち上げた物品10Bは、上昇位置において鍔部10bが、図3に示す如く、第1保持手段26Aの吸着体20で既に吸着されている物品10Aの鍔部10bの下面に当接し、同じく第3保持手段26Cの吸着体20に吸着された物品10Cの鍔部10bは、第2保持手段26Bの吸着体20で既に吸着されている物品10Bの鍔部10bの下面に当接して相互に重なった状態に保持される。物品10A,10B,10Cは、鍔部10b,10bが相互に重なって支え合うので、保持手段26A,26B,26Cを箱詰め位置Mまで移動する際に各物品10A,10B,10Cが吸着体20から誤って落下する等の移送不良を防止することができる。
前記空箱コンベヤ16から箱送りコンベヤ17に搬入された空箱14は、移載ロボット18に対応する箱詰め位置Mで支持されており、前記ピッキングヘッドを箱詰め位置Mまで移動し、各物品10A,10B,10Cを空箱14に収容する場合は、夫々の第2電磁弁48bのON制御によって前記全ての吸着体20に対する負圧を解除することで、図6(e)に示す如く、各吸着体20による物品10A,10B,10Cの吸着が開放され、3個の物品10A,10B,10Cは箱14に収容される。このとき、各エアシリンダ22に対してエア供給状態となり、全ての吸着体20は取上げ位置に保持されたままとなる。また、前記制御手段は、前記真空スイッチ64A,64B,64Cが第3配管66内の負圧状態が解除されたことを検出すると、ピッキングヘッドをコンベヤ上のピッキング位置まで移動し、前述した物品10の取上げ動作を行なう。また物品10が収容された実箱14は、箱詰め位置Mから実箱コンベヤ19に直交移送され、該実箱コンベヤ19で搬出される。
実施例では、吸着体20を昇降動するエアシリンダ22に対するエア回路24によって、吸着体20に吸引力を付与したり吸引力(負圧)を解除するよう構成した。すなわち、エア供給源46とエアシリンダ22とを連通接続する1系統の配管を介して供給するエアによって、エアシリンダ22のピストンロッド34を伸張・収縮作動すると共に、吸着体20による物品10の吸着と吸着解除とを行なうので、各保持手段26A,26B,26Cに必要となる配管数を削減して構成を簡略化し得る。従って、移載ロボット18における可動部分の軽量化を図ることができ、高速処理に対応し得る。また、各保持手段26A,26B,26Cは、真空スイッチ64A,64B,64Cの検出に基づいて対応する吸着体20が物品10A,10B,10Cの取上げ動作を完了してから、次の保持手段26A,26B,26Cによる物品10A,10B,10Cの取上げ動作を行なうので、既に取上げ位置に持ち上げられている物品10が物品供給コンベヤ12の物品載置面やコンベヤ上の物品10に干渉することなく物品10の取上げ動作を円滑に行なうことができる。
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されず、例えば以下のようにも変更可能である。
(1) 実施例では、移載ロボット18の支持部材28に3基の保持手段26A,26B,26Cを配設したが、保持手段は単数または任意の複数であってもよい。
(2) 実施例では、吸着体20を2つの吸着パッド38で構成したが、物品10の性状等に対応して吸着パッドは1つあるいは3つ以上の任意の数であってもよい。
(3) 実施例では、エアシリンダ22の第2圧力室とエジェクタ48とを、絞り弁と逆止弁とを備える第2スピードコントローラ52で接続し、絞り弁を全閉にすることで逆止弁の機能のみを使用する構成としたが、単一の逆止弁を用いることができる。
(4) 実施例では、物品供給コンベヤ12によって配列、間隔がランダムな状態で搬送されてくる物品10を取上げる場合で説明したが、物品供給コンベヤ12によって配列、間隔が一定で搬送されてくる物品10を取上げるものであってもよい。この場合は、物品供給コンベヤ12と箱送りコンベヤ17との間を水平移動するよう構成した支持部材28にエアシリンダ22を配設する構成等の適宜移載装置によっても対応し得る。
(5) 実施例では、物品供給コンベヤ12に載置されて搬送されてくる物品10を取上げる場合で説明したが、所定の載置部に載置されている静止状態の物品10を別位置に移し変える構成であってもよい。
(6) 実施例では、物品供給コンベヤ12から物品10を上方に取上げる場合で説明したが、コンベヤ側方に吸着パッド38を横向きに配置し、該吸着パッド38で側面を吸着したコンベヤ上の物品10をコンベヤ側方の離間位置に移動する構成を採用し得る。
上記した変更例に限らず、実施形態に記載した構成については、本発明の主旨を逸脱しない範囲でその他の各種構成を採用し得る。
10 物品,10a 収容部,10b 鍔部,12 物品供給コンベヤ(搬送コンベヤ)
20 吸着体,22 エアシリンダ,24 エア回路,26A 第1保持手段(保持手段)
26B 第2保持手段(保持手段),26C 第3保持手段(保持手段),32 ピストン
34 ピストンロッド,34a 通気路,40 第1圧力室,42 第2圧力室
44 圧縮バネ(付勢部材),46 エア供給源,48A、48B、48C エジェクタ
48a 第1電磁弁(電磁弁),48b 第2電磁弁(電磁弁)
50 第1スピードコントローラ(イン絞り型スピードコントローラ)
52 第2スピードコントローラ(逆止弁)
54 第3スピードコントローラ(アウト絞り型スピードコントローラ)
64A、64B、64C 真空スイッチ

Claims (3)

  1. 物品(10)を吸着する保持手段(26A,26B,26C)を備える物品吸着保持装置であって、
    前記保持手段(26A,26B,26C)は、
    ピストン(32)で仕切られた第1圧力室(40)および第2圧力室(42)を有し、ピストン(32)と一体的に配設され、第2圧力室(42)側の端部から外方に延出するよう付勢部材(44)で付勢される中空のピストンロッド(34)を備えたエアシリンダ(22)と、
    前記ピストンロッド(34)の延出端部に配設され、該ロッド(34)の通気路(34a)を経て前記第1圧力室(40)に連通接続する吸着体(20)とを備え、
    前記エアシリンダ(22)に接続するエア回路(24)は、
    エア供給源(46)からのエア供給経路に配設されるエジェクタ(48A,48B,48C)と、
    前記第1圧力室(40)とエジェクタ(48A,48B,48C)とを接続するメータイン絞り型スピードコントローラ(50)と、
    前記第2圧力室(42)とエジェクタ(48A,48B,48C)とを接続し、エジェクタ(48A,48B,48C)から第2圧力室(42)への給気のみを許容する逆止弁(52)と、
    前記第2圧力室(42)に接続されて大気中に開放可能なメータアウト絞り型スピードコントローラ(54)と、
    前記エア供給源(46)からの圧縮エアによりエジェクタ(48A,48B,48C)で発生した負圧をエアシリンダ(22)に作用させる状態と圧縮エアをエアシリンダ(22)に供給する状態とを切り換える電磁弁(48a,48b)とを備え、
    前記メータイン絞り型スピードコントローラ(50)で絞り制御されるエアシリンダ(22)への給気量およびメータアウト絞り型スピードコントローラ(54)で絞り制御されるエアシリンダ(22)からの排気量は、前記逆止弁(52)によるエアシリンダ(22)への給気量より少なくなるよう設定されている
    ことを特徴とする物品吸着保持装置。
  2. 搬送コンベヤ(12)から物品(10)を吸着して持ち上げる吸着体(20)を有する複数の保持手段(26A,26B,26C)を備え、各保持手段(26A,26B,26C)は、吸着体(20)での物品(10)の吸着の有無を検出する真空スイッチ(64A,64B,64C)を夫々有し、
    複数の保持手段(26A,26B,26C)の内の特定の吸着体(20)のみを作動する物品(10)の取上げ動作時に、対応する真空スイッチ(64A,64B,64C)によって物品吸着が検出されたことを条件に、別の吸着体(20)による物品(10)の取上げ動作を行なうようにしたことを特徴とする請求項1記載の物品吸着保持装置。
  3. 前記物品(10)は、収容部(10a)の上端外周縁に鍔部(10b)が形成され、前記各吸着体(20)で物品(10)を吸着して上昇した位置において隣り合う物品(10)の鍔部(10b)が相互に重なるようにしたことを特徴とする請求項2記載の物品吸着保持装置。
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