JP2012227199A - 接続構造体の製造方法及び接続構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第一の接続端子を有する第一の回路部材における該第一の接続端子と、第二の接続端子を有する第二の回路部材における該第二の接続端子とを、異方導電性接着フィルムを介して電気的に接続する接続構造体の製造方法であって、該第一の回路部材及び該第二の回路部材のうち少なくとも一方がガラス転移温度100〜200℃のフィルム基板であり、該異方導電性接着フィルムが接着剤成分及び導電性粒子を含有し、該接着剤成分がカチオン重合性物質、スルホニウム塩、及び、溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂、を含有する接続構造体の製造方法。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明は、下記の通りである。
第一の接続端子と第二の接続端子とが異方導電性接着フィルムを介して互いに対向するように、第一の回路部材、第二の回路部材及び異方導電性接着フィルムを配置する工程と、該異方導電性接着フィルムを加熱硬化させて異方導電性接着層を形成する工程とを含み、
該第一の回路部材及び該第二の回路部材のうち少なくとも一方が、ガラス転移温度100〜200℃のフィルム基板であり、
該異方導電性接着フィルムが、接着剤成分及び導電性粒子を含有し、
該接着剤成分が、カチオン重合性物質、スルホニウム塩、及び、溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂、
を含有する、接続構造体の製造方法。
[2] 該フィルム基板がポリエチレンテレフタレート基板である、上記[1]に記載の接続構造体の製造方法。
[3] 該スルホニウム塩が下記一般式(1):
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ、
R4は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、
Qは、無置換又は電子求引基置換のアラルキル基を表す。)
で表されるスルホニウムカチオンを含有する、上記[1]又は[2]に記載の接続構造体の製造方法。
[4] 該スルホニウム塩が下記一般式(2):
で表されるアニオンを含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の接続構造体の製造方法。
[5] 該異方導電性接着フィルムにおける該接着剤成分が、該カチオン重合性物質を5〜60質量%、該スルホニウム塩を0.025〜6質量%、及び該溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂を5〜70質量%含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の接続構造体の製造方法。
[6] 該異方導電性接着フィルムの反応性指数が5000〜1000000の範囲である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の接続構造体の製造方法。
[7] 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材と、異方導電性接着層とを有する接続構造体であって、
該第一の接続端子と該第二の接続端子とが、該異方導電性接着層を介して互いに対向するように配置されるとともに該異方導電性接着層を介して電気的に接続されており、
該第一の回路部材及び該第二の回路部材のうち少なくとも一方が、ガラス転移温度100〜200℃のフィルム基板であり、
該異方導電性接着層が、接着剤硬化物及び導電性粒子を含有し、
該接着剤硬化物が、スルフィド化合物、及び、溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂を含有する、接続構造体。
[8] 該フィルム基板がポリエチレンテレフタレート基板である、上記[7]に記載の接続構造体。
[9] 該スルフィド化合物が下記一般式(3):
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ、
R4は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
で表される、上記[7]又は[8]に記載の接続構造体。
[10] 該接着剤硬化物が下記一般式(2):
で表されるアニオンを含有する、上記[7]〜[9]のいずれかに記載の接続構造体。
本実施形態の一態様は、第一の接続端子を有する第一の回路部材における該第一の接続端子と、第二の接続端子を有する第二の回路部材における該第二の接続端子とを、異方導電性接着層を介して電気的に接続する、接続構造体の製造方法であって、第一の接続端子と第二の接続端子とが異方導電性接着フィルムを介して互いに対向するように、第一の回路部材、第二の回路部材及び異方導電性接着フィルムを配置する工程と、該異方導電性接着フィルムを加熱硬化させて異方導電性接着層を形成する工程とを含み、該第一の回路部材及び該第二の回路部材のうち少なくとも一方が、ガラス転移温度100〜200℃のフィルム基板であり、該異方導電性接着フィルムが、接着剤成分及び導電性粒子を含有し、該接着剤成分が、カチオン重合性物質、スルホニウム塩、及び、溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂、を含有する、接続構造体の製造方法を提供する。
異方導電性接着フィルムは、接着剤成分と導電性粒子とを含有する。
(スルホニウム塩)
本実施形態に用いるスルホニウム塩は、スルホニウムカチオンを有する化合物であって、加熱されて熱分解してカチオンを発生することにより、上記カチオン重合性物質の硬化剤として働くものである。スルホニウム塩は例えば140℃以下といった低温でカチオン種を発生させることができる。よって、本実施形態によれば、特にガラス転移温度が100〜200℃のフィルム基板を用い、かつこれを変質させない低温条件下での接続によって、良好な接続信頼性を有する電気的接続を実現することが可能である。
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ、
R4は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、
Qは、無置換又は電子求引基置換のアラルキル基を表す。)
で表されるスルホニウムカチオンを含有することが好ましい。上記スルホニウム塩がこのようなスルホニウムカチオンを含有することは、密着性低下を抑制できるという点で好ましく、また、異方導電性接着フィルムの保存性向上の観点からも好ましい。
無置換又は電子求引基置換のアラルキルオキシカルボニル基からなる群から選ばれる1種である。なお明細書において、電子求引基とは、水素よりも電子求引性が大きい基を意味する。電子求引基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン等が挙げられる。置換位置は、パラ位及びオルト位が好ましく、合成容易性の観点から、パラ位がより好ましい。R1は、カチオン生成の反応性の観点から、少なくともカルボニル基を有する置換基であることが好ましい。また、R1は、合成容易性の観点からは炭素数1〜4のアルキル基であることも好ましい。
本実施形態で用いるポリエステル樹脂は、溶解度パラメータ8〜11、及び引張破断伸度20%以上を有する。例えばエチレングリコール及びテレフタル酸を含む重合成分から得られるポリエステル樹脂を用いる場合、ブタンジオール等の脂肪族ジオール、及び/又はセバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸を共重合することにより、溶解度パラメータの値を小さくする方向に調整することが可能である。また、ビスフェノールA等の芳香族骨格を有するジオールを共重合することにより、溶解度パラメータの値を大きくする方向に調整することが可能である。また、引張破断伸度を大きくするためには、脂肪族のジオール及び/又はジカルボン酸を共重合する方法が有効である。
本実施形態において用いるカチオン重合性物質は、カチオンにより重合及び硬化して、異方導電性接着層におけるバインダーとして機能する。カチオン重合性物質としては、本実施形態において用いるスルホニウム塩から発生ずるカチオンにより重合できるものであれば、いかなる構造のものも使用可能であるが、例えば、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、及びポリスチレン樹脂が挙げられる。カチオン重合性物質は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
本実施形態において用いる異方導電性接着フィルムは、下記式:(反応性指数)=(25℃保持で反応率40%に達するまでの時間)/(90℃保持で反応率40%に達するまでの時間)、で定義する反応性指数が5000〜1000000の範囲にあることが好ましく、10000〜700000の範囲がより好ましく、20000〜500000の範囲が更に好ましい。25℃保持で反応率40%に達するまでの時間は、異方導電性接着フィルムを接続端子に貼り付けるまでの可使時間の指標であり、90℃保持で反応率40%までに達するまでの時間は、異方導電性接着フィルムを接続端子に貼り付けた後、2つの接続端子を接続するまでの可使時間、及び接続性の指標である。これらの比である反応性指数は接続性と操作性とのバランスを示す。操作性の観点から、上記反応性指数は5000以上であることが好ましく、接続性の観点から、1000000以下であることが好ましい。
本実施形態の異方導電性接着フィルムに含まれる導電性粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、銀、鉛、錫等の金属、及びそれらの金属の2種以上からなる合金、例えば、はんだ、及び銀銅合金、及びカーボン等の導電性物質、等で構成される粒子、並びにそれらの導電性粒子又は非導電性粒子であるガラス、セラミックス、プラスティック粒子等を核として表面に導電性材料を被覆した粒子、が挙げられる。プラスティック粒子に金属めっきして形成した導電性粒子は、弾性変形により接続信頼性に優れるため、特に好ましい。
異方導電性接着フィルムの保存中にスルホニウム塩の分解等で発生するカチオンを捕捉して保存性を高める目的で、接着剤成分はカチオン捕捉剤を含有することが好ましい。カチオン捕捉剤としては、スルホニウム塩の熱分解により発生するカチオン種と反応するものであれば、いかなる構造のものでもよいが、チオ尿素化合物、4−アルキルチオフェノール化合物、及び4−ヒドロキシフェニルジアルキルスルホニウム塩からなる群から選択される1種以上が好ましい。カチオン捕捉剤の配合量としては、スルホニウム塩100質量部に対して0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましく、1〜5質量部が更に好ましい。カチオン捕捉剤の配合量は保存安定性の観点から0.1質量部以上が好ましく、電気的接続性の観点から20質量部以下が好ましい。
接着剤成分には、例えば、上記ポリエステル樹脂以外の、カチオン重合性物質と混合可能な熱可塑性樹脂、カチオン重合性物質との反応性を有する熱硬化性樹脂、等を更に配合することも可能である。カチオン重合性物質と混合可能な熱可塑性樹脂としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、アルキル化セルロース樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の、カチオン重合性物質との相溶性を有する樹脂が挙げられる。これらの樹脂の中でも、水酸基、カルボキシル基等の極性基を有する樹脂は、カチオン重合性物質との相溶性に優れるため好ましい。上記の熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、前述のカチオン重合性物質とともに、異方導電性接着フィルムにおけるバインダーとして機能する。
接着剤成分中の各成分を混合する場合、必要に応じ、該接着剤成分に溶剤を添加することができる。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等が挙げられる。
異方導電性接着フィルムの製造方法としては、例えば、予め、導電性粒子及び接着剤成分を溶剤中で混合して塗工液を作製し、セパレーター上にアプリケーター塗装等により該塗工液を塗工し、オーブン中で溶剤を揮発させる方法が挙げられる。溶剤を揮発させる際の加熱温度は、スルホニウム塩の熱分解温度より低いことが好ましく、スルホニウム塩の熱分解温度よりも、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは15℃以上低くする。
本実施形態に係る接続構造体の製造方法は、フラットパネルディスプレイとTCP、TCPとFPC、FPCとプリント配線基板との接続に好適に用いることができる。
本実施形態の接続構造体の製造方法の典型的な手順の例について以下に説明する。なお本実施形態は2つの回路基材を接続できればよく、「第一」及び「第二」の回路基材とは、両者を互いに区別する目的のみで用いる用語である。ITO配線又は金属配線等によって回路及び電極(第一の接続端子)を形成した回路基板(第一の回路部材)と、該回路基板の電極と対を成す位置に電極(第二の接続端子)を形成した、フレキシブル回路基板又はICチップ等の回路部材(第二の回路部材)とを準備する。第一の回路部材上の第二の回路部材を配置する位置に、対応する異方導電性接着フィルムを貼り付け、セパレーターを除去し、次に、第一の回路部材と第二の回路部材とをそれぞれの電極が互いに対を成すように位置合わせした後、熱圧着して異方導電性接着フィルムを硬化させ、両回路部材を互いに接続する。
本実施形態の別の態様は、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材と、異方導電性接着層とを有する接続構造体であって、該第一の接続端子と該第二の接続端子とが、該異方導電性接着層を介して互いに対向するように配置されるとともに該異方導電性接着層を介して電気的に接続されており、該第一の回路部材及び該第二の回路部材のうち少なくとも一方が、ガラス転移温度100〜200℃のフィルム基板であり、該異方導電性接着層が、接着剤硬化物及び導電性粒子を含有し、該接着剤硬化物が、スルフィド化合物、及び、溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂を含有する、接続構造体を提供する。本実施形態の接続構造体は、例えば上記接続構造体の製造方法によって得ることができる。上記接続構造体における異方導電性接着層以外の構成要素の具体的態様は、回路部材の製造方法に関して前述したのと同様であり、ここでは説明を繰り返さない。本実施形態の接続構造体は、前述した理由で、フィルム基板がポリエチレンテレフタレート基板である場合に特に有利である。
本実施形態の接続構造体が有する異方導電性接着層は、前述した異方導電性接着フィルムの重合及び硬化により形成できるものであり、接着剤硬化物及び導電性粒子を含有する。接着剤硬化物は、前述の接着剤成分の硬化生成物であることができる。導電性粒子の具体的態様は接続構造体の製造方法に関して前述したのと同様である。接着剤硬化物は、スルフィド化合物、及び、溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂を含有する。
スルフィド化合物は、回路部材の製造方法に関して前述したスルホニウム塩が加熱により熱分解して生成するものであることができる。スルフィド化合物は、好ましくは、
下記一般式(3):
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ、
R4は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
で表される。上記一般式(3)で表されるスルフィド化合物は、前述の一般式(1)で表されるスルホニウム塩の分解生成物である。接続構造体にスルフィド化合物が含まれることは、例えば、接続構造体からクロロホルム等の有機溶剤に可溶な成分を抽出し、これをHPLC等のクロマトグラフィにて分取し、元素分析やNMRを用いて構造を同定する等の方法によって確認できる。
で表されるアニオンを含有することが好ましい。上記一般式(2)で表されるアニオンは、上記一般式(2)で表されるアニオンを含有するスルホニウム塩の分解によって生成するものであり、このようなスルホニウム塩は前述したように密着性低下の抑制に有効である。
(初期接続抵抗値評価)
IZO付きフィルム基板(ポリエチレンテレフタレート樹脂(ガラス転移温度:110℃)0.2mm上に全面IZO形成したもの、抵抗値35Ω/sq)に70℃、0.1MPa、1秒の貼り付け条件で異方導電性接着フィルムを貼り付け、セパレーターを取り除き、フレキシブル配線板(ポリエチレンテレフタレート樹脂(ガラス転移温度:110℃)基板、金めっき銅電極15μm厚、ピッチ100μm、配線幅50μm)を130℃、10秒、4MPaで接続した接続構造体について、フレキシブル配線板の電極で接続した隣接する2つの電極対を介して基板側の引出し配線上で、2端子抵抗測定を、日置電機(株)製3541RESISTANCE HiTESTERを用いて実施した。抵抗測定箇所は1つの接続構造体当たり24箇所であり、その平均値を初期の接続抵抗値として求めた。
更に、信頼性評価として、前記接続構造体を80℃で30分及び−40℃で30分を1サイクルとして240サイクル(ESPEC社製、THERMAL SHOCK CHAMBER TSE−11)の間放置し、再度、前記と同様に抵抗測定を実施し、その平均値を求め、放置前後の平均値を比較した。放置前の抵抗の平均値に対する放置後の抵抗の平均値の上昇量が30Ω未満であれば○、30Ω以上100Ω未満であれば△、100Ω以上であれば×と評価した。
異方導電性接着フィルムを30℃で14日間保持し、その後(初期接続抵抗値評価)と同様にして、接続抵抗値を測定し、その平均値を求め、保存前後の平均値を比較した。保存前の抵抗の平均値に対する保存後の抵抗の平均値の上昇率が30%未満であれば○、30%以上50%未満であれば△、50%以上であれば×と評価した。
(初期剥離強度評価)
上記<接続抵抗値評価>と同様にして接続構造体を作製した。接続構造体を接続幅10mmとなるように切断し、基板間の90°ピール強度を測定した(25℃、50mm/分、SHIMAZU製、オートグラフ、EZ−S)。各サンプルについて5回測定し、平均値を測定値とした。測定値が600gf/cm以上であれば、○、400gf/cm以上600gf/cm未満であれば△、400gf/cm未満であれば×と評価した。
更に、信頼性評価として、上記接続構造体を80℃で30分及び−40℃で30分を1サイクルとして240サイクル(ESPEC社製、THERMAL SHOCK CHAMBER TSE−11)の間放置し、上記(初期剥離強度評価)と同様に剥離強度測定を実施し、測定値が600gf/cm以上であれば、○、400gf/cm以上600gf/cm未満であれば△、400gf/cm未満であれば×と評価した。
IR測定により、吸光度比(エポキシ基吸収強度/メチル基吸収強度)を求め、初期吸光度比及び反応後吸光度比より、反応率を算出した。反応性指数は、(25℃保持で反応率40%に達するまでの時間)/(90℃保持で反応率40%に達するまでの時間)として算出した。
ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(数平均分子量23,000、ガラス転移温度98℃)40質量部、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量188g/eq)20質量部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキシルカルボキシレート20質量部、表1中のエチレングリコール、テレフタル酸及びセバシン酸からなるポリエステル樹脂A20質量部、シランカップリング剤(3−グリシドキシプロパントリメトキシシラン)1質量部、並びに酢酸エチル100質量部を混合し、接着剤ワニスを得た。
ポリエステル樹脂Aを表1中のエチレングリコール、テレフタル酸、セバシン酸及びブタンジオールからなるポリエステル樹脂Bに変更し、フェノキシ樹脂の配合量を35質量部とし、ポリエステル樹脂Bの配合量を25質量部とした以外は、実施例1と同様にして、異方導電性接着フィルムを得た。
4−メトキシフェニル−1−ナフチルメチル−メチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートに代えて、4−アセチルオキシフェニル−o−メチルベンジル−メチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを用いる以外は、実施例1と同様にして異方導電性接着フィルムを得た。
ポリエステル樹脂Aを表1中のエチレングリコール、テレフタル酸、セバシン酸及びビスフェノールAからなるポリエステル樹脂Cに変更し、4−アセチルオキシフェニル−o−メチルベンジル−メチルスルホニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート100質量部に対して配合するN,N−ジメチルチオウレア5質量部を7質量部に変更した以外は実施例3と同様にして異方導電性接着フィルムを得た。
N,N−ジメチルチオウレアを配合しないこと以外は、実施例1と同様にして、異方導電性接着フィルムを得た。得られた異方導電性接着フィルムの反応性指数を測定したところ、4780であった。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(数平均分子量23000、ガラス転移温度98℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、異方導電性接着フィルムを得た。得られた異方導電性接着フィルムの反応性指数を測定したところ、31200であった。
実施例及び比較例の結果を表2に示す。
数平均分子量:蒸気圧平衡法にて算出した
引張破断強度:ASTM D-150に準拠して測定した
引張破断伸度:ASTM D−638に準拠して測定した
軟化点:JIS K−2531の方法にて測定した
ガラス転移温度:示差走査熱量計法にて測定した
溶解度パラメータ:ポリエステル樹脂の組成からSmallの式に従って算出した
Claims (10)
- 第一の接続端子を有する第一の回路部材における該第一の接続端子と、第二の接続端子を有する第二の回路部材における該第二の接続端子とを、異方導電性接着層を介して電気的に接続する、接続構造体の製造方法であって、
第一の接続端子と第二の接続端子とが異方導電性接着フィルムを介して互いに対向するように、第一の回路部材、第二の回路部材及び異方導電性接着フィルムを配置する工程と、該異方導電性接着フィルムを加熱硬化させて異方導電性接着層を形成する工程とを含み、
該第一の回路部材及び該第二の回路部材のうち少なくとも一方が、ガラス転移温度100〜200℃のフィルム基板であり、
該異方導電性接着フィルムが、接着剤成分及び導電性粒子を含有し、
該接着剤成分が、カチオン重合性物質、スルホニウム塩、及び、溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂、
を含有する、接続構造体の製造方法。 - 該フィルム基板がポリエチレンテレフタレート基板である、請求項1に記載の接続構造体の製造方法。
- 該スルホニウム塩が下記一般式(1):
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ、
R4は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、
Qは、無置換又は電子求引基置換のアラルキル基を表す。)
で表されるスルホニウムカチオンを含有する、請求項1又は2に記載の接続構造体の製造方法。 - 該異方導電性接着フィルムにおける該接着剤成分が、該カチオン重合性物質を5〜60質量%、該スルホニウム塩を0.025〜6質量%、及び該溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂を5〜70質量%含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
- 該異方導電性接着フィルムの反応性指数が5000〜1000000の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接続構造体の製造方法。
- 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材と、異方導電性接着層とを有する接続構造体であって、
該第一の接続端子と該第二の接続端子とが、該異方導電性接着層を介して互いに対向するように配置されるとともに該異方導電性接着層を介して電気的に接続されており、
該第一の回路部材及び該第二の回路部材のうち少なくとも一方が、ガラス転移温度100〜200℃のフィルム基板であり、
該異方導電性接着層が、接着剤硬化物及び導電性粒子を含有し、
該接着剤硬化物が、スルフィド化合物、及び、溶解度パラメータが8〜11、かつ引張破断伸度が20%以上のポリエステル樹脂を含有する、接続構造体。 - 該フィルム基板がポリエチレンテレフタレート基板である、請求項7に記載の接続構造体。
- 該スルフィド化合物が下記一般式(3):
R2及びR3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、及び炭素数1〜6のアルキル基からなる群から選ばれ、
R4は、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
で表される、請求項7又は8に記載の接続構造体。
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