JP2014084400A - 接着フィルム - Google Patents

接着フィルム

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JP2014084400A JP2012233846A JP2012233846A JP2014084400A JP 2014084400 A JP2014084400 A JP 2014084400A JP 2012233846 A JP2012233846 A JP 2012233846A JP 2012233846 A JP2012233846 A JP 2012233846A JP 2014084400 A JP2014084400 A JP 2014084400A
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Abstract

【課題】低温速硬化性と高保存安定性を兼ね備えた接着フィルムの提供。
【解決手段】オキセタン化合物を含む有機バインダー成分からなる第1層と、カチオン重合開始剤、及び熱可塑性樹脂を含む有機バインダー成分からなる第2層とが積層されてなる接着フィルムであって、該第1層の有機バインダー成分と該第2層の有機バインダー成分の内の少なくとも一方はエポキシ樹脂を含み、該第1層の有機バインダー成分と該第2層の全有機バインダー成分の合計に対する該エポキシ樹脂の含有量は18質量%以上であり、かつ、該第1層のオキセタン化合物を含む有機バインダー成分の40℃での樹脂粘度が1500Pa・s以上である、前記接着フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子部品や回路基板の接着に使用する接着フィルムに関する。
一般に、液晶パネル、PDP(プラズマディスプレイパネル)、EL(蛍光ディスプレイ)パネル、ベアチップ実装などの電子部品と回路基板、回路基板同士を接着固定し且つ両者の電極同士を電気的に接続する方法として、接着フィルムが用いられている。これらの接着フィルムについては、スチレン系やポリエステル系等の熱可塑性物質や、エポキシ系やシリコーン系等の熱硬化性物質が知られている。この場合、接着剤中に導電性粒子を配合し加圧により接着剤の厚み方向に電気的接続を得るものと、導電性粒子を用いずに接続時の加圧により電極面の微細凸凹の接触により電気的接続を得るものとがある。
従来、これらの接着は比較的高温で加圧することによって行われてきたが、接続温度を下げること可能となると、接続体の熱膨張係数の違いによる接続領域のずれが軽減されたり、また、接続される材料をより安価な耐熱性の低いものに切り替えられるため、工業的に望ましいものとなる。
しかしながら、接着フィルムの速硬化性や保存安定性等においては、不十分な点が指摘されており、速硬化性や保存安定性等の取り扱い性を高めることが近年の課題となっている。
かかる状況下、例えば、以下の特許文献1〜3に記載されるように、速硬化性の観点から、エポキシ樹脂の中で比較的反応性が高い成分を選択することや、硬化剤として活性の高い成分を選択することが検討されている。
特許文献1には、硬化剤として活性の高い成分を選択する例として、有機バインダー成分中に導電性粒子を分散させてなる異方導電性フィルムにおいて、有機バインダー成分がカチオン重合性物質を含有し、スルホニウム塩等のカチオン発生剤やカチオン補足剤を配合した異方導電性フィルムが開示されている。
また、特許文献2には、熱硬化性樹脂の中で反応性が高い成分を選択する例として、オキセタン化合物と、スルホニウム塩等のカチオン発生剤やカチオン補足剤を配合した異方導電性フィルムが開示されている。
さらに、特許文献3には、オキセタン樹脂、カチオン重合開始剤、ホスフィンオキサイドを配合した異方導電性フィルムが開示されている。
特開2002−161146号公報 特開2001−72957号公報 特開2011−49185号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載されたような、比較的反応性の高い熱硬化樹脂や硬化剤を使用する技術を採用した場合、接着フィルムの速硬化性及び低温硬化性と保存安定性との両立は不十分であった。
かかる技術の現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、速硬化性及び低温硬化性と保存安定性との両立が可能である接着フィルムを提供することである。
本願発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討し実験を重ねた結果、オキセタン化合物とカチオン重合開始剤を別々の層に含有させ、オキセタン化合物を含有する層の粘度を調整することにより、両者が早期に反応することを防止するとともに、圧着時の低温硬化性が高い接着フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]オキセタン化合物を含む有機バインダー成分からなる第1層と、カチオン重合開始剤、及び熱可塑性樹脂を含む有機バインダー成分からなる第2層とが積層されてなる接着フィルムであって、該第1層の有機バインダー成分と該第2層の有機バインダー成分の内の少なくとも一方はエポキシ樹脂を含み、該第1層の有機バインダー成分と該第2層の全有機バインダー成分の合計に対する該エポキシ樹脂の含有量は18質量%以上であり、かつ、該第1層のオキセタン化合物を含む有機バインダー成分の40℃での樹脂粘度が1500Pa・s以上である、前記接着フィルム。
[2]前記第1層と第2層の内の少なくとも一方が導電性粒子を含む、前記[1]に記載の接着フィルム。
[3]前記第2層の有機バインダー成分のみがエポキシ樹脂を含む、前記[1]又は[2]に記載の接着フィルム。
[4]前記第1層の有機バインダー成分と前記第2層の有機バインダー成分の両者がエポキシ樹脂を含む、前記[1]又は[2]に記載の接着フィルム。
本発明の接着フィルムは、短時間且つ低温での硬化が可能であり、且つ、十分な保存安定性を有する。
本実施の形態における接着フィルムの構成例を示す要部概略断面図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と略記する。)を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で変形して実施することができる。
本実施の形態では、オキセタン化合物を含む有機バインダー成分からなる第1層と、カチオン重合開始剤、及び熱可塑性樹脂を含む有機バインダー成分からなる第2層とが積層されてなる接着フィルムであって、該第1層の有機バインダー成分と該第2層の有機バインダー成分の内の少なくとも一方はエポキシ樹脂を含み、該第1層の有機バインダー成分と該第2層の全有機バインダー成分の合計に対する該エポキシ樹脂の含有量は18質量%以上であり、かつ、該第1層のオキセタン化合物を含む有機バインダー成分の40℃での樹脂粘度が1500Pa・s以上である、前記接着フィルムを提供する。
本実施の形態では、反応性の高い樹脂と硬化剤とを層分離して2層構成としている。これにより、反応性の高い樹脂と硬化剤とが早期に反応することを防止している。図1は、本実施の形態の接着フィルムの要部概略断面図である。図1に示すように、接着フィルムAは反応性の高い樹脂を含有する有機バインダー成分からなる第1層1Aと、硬化剤を含有する有機バインダー成分からなる第2層2Aとが積層されてなる。
本実施の形態では、速硬化性の観点から、第1層と第2層の、少なくとも一方の有機バインダー成分にエポキシ樹脂を含み、かつ該第1層と該第2層の全有機バインダー成分中のエポキシ樹脂含有比率が18質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。エポキシ樹脂含有比率の上限は特に限定されないが、好適な粘度を得る観点から、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましい。第1層と第2層のいずれの有機バインダー成分にエポキシ樹脂を含むかは特に限定されないが、速硬化性の観点から、第2層の有機バインダー成分のみにエポキシ樹脂が含まれていることが好ましく、低温速硬化性の観点から、第1層、第2層の双方の有機バインダー成分にエポキシ樹脂が含まれていることがより好ましい。
第1層の有機バインダー成分は反応主剤としてオキセタン化合物を含有する。オキセタン化合物は下記式(1):
Figure 2014084400
で表されるオキセタン環を有する化合物であり、本発明においては、接着剤組成物の反応性を高めるために、第1層の有機バインダー成分中に含有される。
オキセタン化合物におけるオキセタン環の数は、任意であり、1個であっても複数個であってもよい。オキセタン環を1個有するオキセタン化合物としては、例えば、下記式(2):
Figure 2014084400
{式中、Rは、水素原子又は低級アルキル基であり、中でもメチル又はエチル基が好ましく、R及びRは、例えば、置換、無置換の低級アルキル基であり、他の元素で置換されたものとして、クロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル等の炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、3−シアノプロピル等の炭素数2〜4のシアノアルキル基等が挙げられ、ここで、RとRとは、同じであっても異なっていてもよく、Rはアリル基、アリール基、炭素数7〜10のアラアリル基、炭素数1〜18個の直鎖状或いは分岐状アルキル基、又は炭素数1〜10の水酸基を有する分岐を有していてもよいアルキル基等であり、そしてXは、メチレン、酸素原子等である。}で表される化合物が挙げられる。
オキセタン環を2個有するオキセタン化合物としては、例えば、下記式(3):
Figure 2014084400
{式中、R及びRは、水素原子、低級アルキル基又は置換炭化水素基を示し、RとRとは、同じであっても異なっていてもよく、そしてRは、酸素原子又は下記式(4):
Figure 2014084400
(式中、kは1〜5の整数であり、そしてRは炭素数2〜12の直鎖状又は分岐状の水酸基を有していてもよい炭化水素基を示し、好ましくはエチレン、プロピレン、ベンゼンジメチル等である。)で表される2価の官能基であり、ここで、置換炭化水素基としては、例えば、クロロメチル、3−クロロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル等の炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基、3−シアノプロピル等の炭素数2〜4のシアノアルキル基等である。}で表される化合物が挙げられる。
多官能オキセタン化合物としては、例えば、下記式(5):
Figure 2014084400
{式中、Rは水素原子又は炭素数1〜6の分岐を有していてもよいアルキル基であり、R10は炭素数1〜6のアルキレン基、鎖状又は分岐状ポリ(アルキレン)基、キシリレン基等からなる群から選択されるm価基であり、Zはエーテル基、チオエーテル基、メチレン基、エステル基等であり、そしてmは2、3又は4である。}で表される化合物が挙げられる。
オキセタン化合物の具体例としては、例えば、下記式(6):
Figure 2014084400
で表されるキシリレンジオキセタン(XDO)、下記式(7):
Figure 2014084400
で表される3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン(EOXA)、下記式(8):
Figure 2014084400
で表される3−エチル−3−(ヘキシルオキシメチル)オキセタン(HOX)、下記式(9):
Figure 2014084400
で表される3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン(PHO)、下記式(10):
Figure 2014084400
で表されるビス{[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル(DOX)等が挙げられる。中でも、反応性が高い点から2官能のXDOやDOX等がより好ましく、XDOが特に好ましい。
第1層の有機バインダー成分は、成膜性を付与して機械的な結合強度を得るために、オキセタン化合物以外の熱硬化性樹脂成分を含有してもよい。熱硬化性樹脂成分としては、例えば、各種エポキシ樹脂、エポキシ基含有(メタ)アクリレート、ウレタン変性(メタ)アクリレート等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。この中でも、オキセタン化合物との重合性の観点からエポキシ樹脂であることが好ましい。エポキシ樹脂としては、エポキシ基を有する樹脂であれば特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA(BPA)型エポキシ樹脂、ビスフェノールF(BPF)エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂等が挙げられる。なお、熱硬化性樹脂成分は、接着フィルムの構成材料として使用する際には未硬化状態(液状)である。
第1層の有機バインダー成分には、成膜性の観点から、熱可塑性樹脂をさらに配合することも可能である。この場合の熱可塑性樹脂としては、任意の熱可塑性樹脂を使用することができる。本実施の形態では、熱硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂をいずれかの層に含むため、エポキシ樹脂と分離することなく、相溶して膜としての性質を発揮し得る熱可塑性樹脂を選択して使用することが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂等を挙げることができる。
第1層の有機バインダー成分において、各成分の配合割合は任意であるが、例えば、有機バインダー成分の合計量100質量部に対し、オキセタン化合物の配合割合を10〜90質量部とすることが好ましい。また、製膜性やラミネート性の観点から、15〜80質量部とすることが好ましく、20〜70質量部とすることがさらに好ましい。
第1層のオキセタン化合物を含有する有機バインダー成分の40℃での樹脂粘度は、良好な保存安定性を得る観点から1500Pa・s以上であることが好ましく、1700Pa・s以上であることがより好ましく、2000Pa・s以上であることがさらに好ましい。また、製膜性やラミネート性の観点から200000Pa・s以下であることが好ましく、150000Pa・s以下であることがより好ましく、100000Pa・s以下であることがさらに好ましい。
第1層1Aの厚さは、後述の第2層1Bの厚さを考慮して設定すればよいが、通常は3μm〜25μmに設定する。
他方、第2層の有機バインダー成分は、硬化剤であるカチオン重合開始剤を含有する。カチオン重合開始剤は、光又は熱の適応により活性化されて酸成分を生成し、組成物中のカチオン重合性基の重合を誘発するように作用するものである。接着フィルムAにおいては、第1層の有機バインダー成分が含有するオキタセン化合物の重合を誘発させる必要がある。このため、例えば、光潜在性を有するカチオン重合開始剤として、光が照射されて活性化されオキセタン化合物が有する開環重合性基の開環を誘発し得るオニウム塩類が好適である。
オニウム塩類としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。例えば、商品名オプトマーSP−150(株式会社ADEKA製)、商品名UVE−1014(ゼネラルエレクトロニクス株式会社製)、商品名ロードシル2074(ローディア株式会社製)、及び商品名CD−1012(サートマー株式会社製)等の市販品を使用することが可能である。
その他、熱潜在性を有するカチオン重合開始剤も使用可能である。熱潜在性を有するカチオン重合開始剤は、加熱により活性化されオキセタン化合物が有している開環重合性基の開環を誘発するものであり、例えば、第四級アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等の各種オニウム塩類等を挙げることができる。このようなオニウム塩類としては、例えば、商品名アデカオプトンCP−66及び商品名アデカオプトンCP−77(株式会社ADEKA製)、商品名サンエイドSI−60L、商品名サンエイドSI−80L、商品名サンエイドSI−100L(三新化学工業株式会社製)、CIシリーズ(日本曹達株式会社製)等の市販品を使用することが可能である。
また、第2層の有機バインダー成分は、成膜性を付与して機械的な結合強度を得るために、熱可塑性樹脂成分や熱硬化性樹脂成分を含有してもよい。
接着フィルムA全体を熱硬化性樹脂系接着剤として機能させる観点から、第2層の有機バインダー成分には、オキセタン化合物よりも反応性の低い熱硬化性樹脂を含有させておくことが好ましい。
第2層の有機バインダー成分に含まれる熱硬化性樹脂としては、第1層の有機バインダー成分におけるオキセタン化合物以外の熱硬化性樹脂と同様のものが使用可能であり、各種エポキシ樹脂やエポキシ基含有(メタ)アクリレート、ウレタン変性(メタ)アクリレート等の熱硬化性樹脂等を挙げることができる。中でも、オキセタン化合物よりも反応性が低いエポキシ樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、任意の熱可塑性樹脂を使用することができるが、本実施の形態では、熱硬化性樹脂成分としてエポキシ樹脂をいずれかの層に含むため、エポキシ樹脂と分離することなく相溶して膜としての性質を発揮し得るフェノキシ樹脂を選択して使用することが好ましい。
第2層の有機バインダー成分において、カチオン重合開始剤の配合量は、任意であるが、フィルムの硬化性の観点から、例えば、有機バインダー成分の合計量100質量部に対し、カチオン重合開始剤0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.3〜8質量部とすることがより好ましく、0.5〜6質量部とすることがさらに好ましい。
第2層の有機バインダー成分において、熱硬化性樹脂の配合量は、任意であるが、製膜性や熱硬化性樹脂の架橋性の観点から、例えば、有機バインダー成分の合計量100質量部に対し、熱硬化性樹脂20〜80質量部とすることが好ましく、25〜75質量部とすることがより好ましく、30〜70質量部とすることがさらに好ましい。
第2層の有機バインダー成分の40℃での樹脂粘度は、製膜性や樹脂流動性、ラミネート性の観点から、800Pa・s〜200000Pa・sであることが好ましく、1000Pa・s〜150000Pa・sであることがより好ましく、1200Pa・s〜100000Pa・sであることがさらに好ましい。
第2層2Aの厚さは、第1層1Aの厚さを考慮して設定すればよく、通常は3μm〜25μmとする。
また、保存安定性を高めるために、有機バインダー成分中のカチオン硬化剤をマイクロカプセル化してもよい。マイクロカプセル化する方法としては、どのような方法でも構わないが、溶剤蒸発法、スプレードライ法、コアセルベーション法、界面重合法を用いるのが好ましい。
さらに、保存安定性を高めるために、各層の有機バインダー中にホスフィンオキサイド化合物などのカチオントラップ剤や重合禁止剤を含有してもよいが、低温硬化性の観点からカチオントラップ剤や重合禁止剤などは含有させないほうが好ましい。
また、第1層及び第2層の少なくとも一方の有機バインダー成分に、導電性粒子を分散させて含有させてもよい。各層の有機バインダー成分に含有させる導電性粒子としては、金、銀、銅、ニッケル、鉛、錫などの金属粒子、又はそれらからなる合金、例えば、はんだ、銀銅合金等の粒子、カーボンなどの導電性粒子、それらの導電性粒子、あるいは非導電性のガラス、セラミックス、プラスチック粒子を核として表面に他の導電性材料を被覆したものであることができる。
さらに、導電性粒子を核とし、この核の表面を絶縁材料で被覆し、圧着した時に内部の導電性粒子が表面の絶縁層を排除し、被接続回路との接触を行えるようにしたものも用いることができる。このような導電性粒子を用いた場合、隣接する端子間の短絡が生じ難く、端子間隔の狭い被接続回路の場合にも使用できる。
導電性粒子の粒径は0.1〜20μmであることが好ましい。電極傾き及び電極高さバラツキを緩和でき、接続性を良好とする観点から、粒子径が0.1μm以上であることが好ましく、隣接する端子間の短絡を防止する観点から、20μm以下であることが好ましい。また、隣接する端子間の短絡を防止するため、接続抵抗を損なわない範囲で絶縁粒子を併用してもよい。
次に、このような構成を備える接着フィルムAの製造方法について説明する。
先ず、第1層1A、第2層2Aの各層を形成する有機バインダー成分をそれぞれトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の有機溶剤に溶解して第1、第2の有機バインダー溶液を調製する。そして、第1、第2の有機バインダー溶液をそれぞれ第1、第2の剥離フィルム上にコンマコータ、ナイフコータ、グラビアコータ等の塗布装置を使って塗布する。その後、第1、第2の有機バインダー溶液における有機溶剤を揮発させることにより、第1の剥離フィルム上に有機バインダー成分からなる第1層1Aを形成するとともに、第2の剥離フィルム上に有機バインダー成分からなる第2層2Aを形成する。次に、第1層1Aと第2層2Aとを重ね合わせ、必要に応じて50℃〜90℃程度に加熱して積層一体化する。これにより、第1層1Aと第2層2Aとが順次積層された接着フィルムAを製造することができる。このように、接着フィルムAは、剥離フィルム上に形成されることでフィルム積層体として提供される。なお、形成された第1層1A上に第2層2Aの有機バインダー溶液を塗布、乾燥させることにより、第1層1A上に第2層2Aが積層されてなる接着フィルムAを製造するようにしてもよい。
このように、本実施の形態における接着フィルムAは、短時間且つ低温での硬化が可能であり、且つ、十分な保存安定性を有する接着フィルムを提供することが可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<接着フィルムの作製>
下記に示す各材料を、以下の表1に示す割合で配合して有機バインダーA〜Hをそれぞれ得た。
・PKHB:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(Inchem社製、PKHB)
・PKFE:ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(Inchem社製、PKFE)
・オキセタン化合物:単官能オキセタン樹脂(東亞合成株式会社製、CHOX)
・エポキシ樹脂:BPA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、YL980)
・シランカップリング剤:エポキシシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製、KBM−403)
・カチオン系重合開始剤:アンチモン系カチオン硬化剤(三新化学工業株式会社製、SI−60L)
・導電性粒子:樹脂コアNiメッキ粒子(日本化学工業株式会社製、ブライトNR−HN1)
・有機バインダーA
PKFE:79質量部と、オキセタン化合物:19質量部と、シランカップリング剤:2質量部とを配合して有機バインダー成分とした。そして、有機バインダー成分をメチルエチルケトンに溶解させた後、ノンバブリングニーダーにて均一に混合して有機バインダー溶液を調製した。得られた有機バインダー溶液を、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、50℃で10分間乾燥を行い、厚さ5μmの有機バインダーAを得た。
・有機バインダーB
PKFE:69質量部と、オキセタン化合物:29質量部と、シランカップリング剤:2質量部とを配合して有機バインダー成分とした以外は、有機バインダーAの作製処理と同様にして有機バインダーBを得た。
・有機バインダーC
PKFE:59質量部と、オキセタン化合物:39質量部と、シランカップリング剤:2質量部とを配合して有機バインダー成分とした以外は、有機バインダーAの作製処理と同様にして有機バインダーCを得た。
・有機バインダーD
PKFE:59質量部と、オキセタン化合物:29質量部と、エポキシ樹脂:10質量部と、シランカップリング剤:2質量部とを配合して有機バインダー成分とした以外は、有機バインダーAの作製処理と同様にして有機バインダーDを得た。
・有機バインダーE
PKFE:49質量部と、オキセタン化合物:49質量部と、シランカップリング剤:2質量部とを配合して有機バインダー成分とした以外は、有機バインダーAの作製処理と同様にして有機バインダーEを得た。
・有機バインダーF
PKFE:39質量部と、オキセタン化合物:59質量部と、シランカップリング剤:2質量部とを配合して有機バインダー成分とした以外は、有機バインダーAの作製処理と同様にして有機バインダーFを得た。
・有機バインダーG
PKFE:49質量部と、エポキシ樹脂:49質量部と、シランカップリング剤:2質量部とを配合して有機バインダー成分とした以外は、有機バインダーAの作製処理と同様にして有機バインダーGを得た。
・有機バインダーH
PKHB:48質量部と、エポキシ樹脂:48質量部と、カチオン系重合開始剤:4質量部とを配合して有機バインダー成分とした。そして、有機バインダー成分をメチルエチルケトンに溶解させた後、有機バインダー成分に導電性粒子:9質量部を配合し、ノンバブリングニーダーにて均一に混合して有機バインダー溶液を調製した。得られた有機バインダー溶液を、剥離処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、50℃で10分間乾燥を行い、厚さ15μmの有機バインダーHを得た。
・有機バインダーI
PKHB:72質量部と、エポキシ樹脂:24質量部と、カチオン系重合開始剤:4質量部とを配合して有機バインダー成分とした以外は、有機バインダーHの作製処理と同様にして有機バインダーIを得た。
・有機バインダーJ
PKHB:76質量部と、エポキシ樹脂:20質量部と、カチオン系重合開始剤:4質量部とを配合して有機バインダー成分とした以外は、有機バインダーHの作製処理と同様にして有機バインダーJを得た。
作製した有機バインダーA〜Jを用いてレオメーター(HAAKE社製、レオストレスRS600)による樹脂粘度測定を行い、有機バインダーA〜Jの40℃での樹脂粘度を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2014084400
次に、作製した有機バインダーA〜Gに対して、有機バインダーH、I、Jが積層された厚さ20μmの接着フィルムを作製した(実施例1〜5、比較例1〜4)。
(実施例1)
第1層である有機バインダーA上に、第2層である有機バインダーHを積層して2層の接着フィルムを作製した。
(実施例2)
第1層である有機バインダーB上に、第2層である有機バインダーHを積層して2層の接着フィルムを作製した。
(実施例3)
第1層である有機バインダーC上に、第2層である有機バインダーHを積層して2層の接着フィルムを作製した。
(実施例4)
第1層である有機バインダーD上に、第2層である有機バインダーHを積層して2層の接着フィルムを作製した。
(実施例5)
第1層である有機バインダーD上に、第2層である有機バインダーIを積層して2層の接着フィルムを作製した。
(比較例1)
第1層である有機バインダーE上に、第2層である有機バインダーHを積層して2層の接着フィルムを作製した。
(比較例2)
第1層である有機バインダーF上に、第2層である有機バインダーHを積層して2層の接着フィルムを作製した。
(比較例3)
第1層である有機バインダーG上に、第2層である有機バインダーHを積層して2層の接着フィルムを作製した。
(比較例4)
第1層である有機バインダーD上に、第2層である有機バインダーJを積層して2層の接着フィルムを作製した。
<有機バインダー成分中のエポキシ質量比率測定>
作製した接着フィルム(実施例1〜5、及び比較例1〜4)をTHF溶液に溶解し、GPC(東ソー株式会社製 HLC−8220GPC)を用いて測定した。得られたGPCチャートから、各接着フィルムの有機バインダー成分中に対するエポキシ質量を算出した。
<保存安定性試験>
作製した接着フィルム(実施例1〜5、及び比較例1〜4)について、保存安定性試験を行った。保存安定性試験では、実施例1〜5、及び比較例1〜4の接着フィルムを5℃で半年間放置し、赤外吸収分析装置を用いてエポキシ及びオキセタンの吸光度を測定し、反応率を算出した。保存安定性評価結果を、以下の表2に示す。表2において、○は反応率が低く保存安定性が良好であること、×は反応率が高く保存安定性が不十分であることをそれぞれ示す。
表2に示すように、第1層の有機バインダー成分の樹脂粘度が1500Pa・sよりも高かった実施例1〜5の接着フィルムは、第1層の有機バインダー成分の樹脂粘度が1500Pa・sを下回る比較例1と2に比べ保存安定性評価におけるエポキシ及びオキセタンの反応率が低く、良好な保存安定性を示した。
<接続抵抗値測定方法>
全面に酸化インジウム錫(ITO)の薄膜を形成した厚み200μmのポリカーボネートフィルム基板(表面抵抗値300Ω/sq)上に幅2mmの接着フィルム(実施例1〜5、及び比較例1〜4)を仮貼りし、2.5mm幅の圧着ヘッドを用いて50℃、0.3MPa、3秒間加圧した後、ポリエチレンテレフタレートのベースフィルムを剥離する。そこへ、配線幅100μm、配線ピッチ200μm、厚み18μmの銅配線上に0.3μmの金メッキを施した回路を200本有するフレキシブルプリント配線板(材質ポリイミド樹脂、厚み25μm)を仮接続した後、120℃、10秒、0.8MPa加圧圧着する。圧着後、隣接端子間の抵抗値を四端子法の抵抗計で測定し、初期接続抵抗値とした。
<耐環境性試験>
圧着したフレキシブルプリント配線板を105℃、1.2気圧のプレシャークッカー試験に8時間かけ、その後の接続抵抗値を測定し、前記試験前の初期接続抵抗値との比較を行った。
<剥離強度試験>
圧着したフレキシブルプリント配線板を前記環境試験にかけ、25℃で1時間放置後、幅10mmに切断し、オートグラフを用いて90°ピール強度を測定する。引っ張り速度50mm/分で行った。測定値を剥離強度とした。
耐環境性試験、剥離強度試験の結果を、以下の表2に示す。
Figure 2014084400
表2に示すように、オキセタン樹脂を第1層に含有する実施例1〜5の接着フィルムでは、第1層にオキセタン樹脂を含まない比較例3に比べプレシャークッカー試験による接続抵抗値変化も低く、剥離強度も高いことが示された。
また、接着フィルムの有機バインダー成分中のエポキシ樹脂含有比率が18質量%以上である実施例1〜5の接着フィルムでは、接着フィルムの有機バインダー成分中のエポキシ樹脂含有比率が18質量%未満である比較例4の接着フィルムに比べ、剥離強度が高かった。
本発明は、マイクロエレクトロニクス接合、例えば、液晶パネル、PDP( プラズマディスプレイパネル)、EL( 蛍光ディスプレイ)パネル、ベアチップ実装などの電子部品と回路基板、回路基板同士を接着固定し且つ両者の電極同士を電気的接合等に用いる接着フィルムに好適に利用できる。
A 接着フィルム
1A 第1層
2A 第2層

Claims (4)

  1. オキセタン化合物を含む有機バインダー成分からなる第1層と、カチオン重合開始剤、及び熱可塑性樹脂を含む有機バインダー成分からなる第2層とが積層されてなる接着フィルムであって、該第1層の有機バインダー成分と該第2層の有機バインダー成分の内の少なくとも一方はエポキシ樹脂を含み、該第1層の有機バインダー成分と該第2層の全有機バインダー成分の合計に対する該エポキシ樹脂の含有量は18質量%以上であり、かつ、該第1層のオキセタン化合物を含む有機バインダー成分の40℃での樹脂粘度が1500Pa・s以上である、前記接着フィルム。
  2. 前記第1層と第2層の内の少なくとも一方が導電性粒子を含む、請求項1に記載の接着フィルム。
  3. 前記第2層の有機バインダー成分のみがエポキシ樹脂を含む、請求項1又は2に記載の接着フィルム。
  4. 前記第1層の有機バインダー成分と前記第2層の有機バインダー成分の両者がエポキシ樹脂を含む、請求項1又は2に記載の接着フィルム。
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