JP5691450B2 - バンプ形成用導電性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
多層配線基板に使用するバンプは導電性樹脂組成物を、導電性金属箔もしくは導電性金属箔を表面に有した配線基板(以下配線基板等)上に、印刷により直径50〜200ミクロン、高さ100〜300ミクロン程度の円錐状に形成される。
本発明に規定する弾性率とするために本発明の導電性樹脂組成物はベース樹脂として熱硬化性樹脂を使用することが望ましい。ベース樹脂が熱可塑樹脂であると175℃で加圧する際に弾性率が低下し、200℃以上に加熱された際に接点の接触抵抗が悪化する。
本発明に使用されるエポキシ樹脂の硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるものである。このような硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物、酸無水物、フェノール樹脂等が挙げられる。ジヒドラジド化合物としては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、P−オキシ安息香酸ジヒドラジド等のカルボン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。酸無水物としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水マレイン酸とポリブタジエンとの反応物、無水マレイン酸とスチレンとの共重合体などが挙げられる。フェノール樹脂は1分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物である。なお、このフェノール樹脂は、1分子内にフェノール性水酸基を1つしか有しない場合には架橋構造をとることができないため、十分な硬化物特性が得られず使用することができない。1分子内のフェノール性水酸基数が2つ以上であれば使用することができるが、好ましい1分子内のフェノール性水酸基数は2〜5である。1分子内のフェノール性水酸基数が5超である場合には分子量が大きくなりすぎ、その結果、導電性ペーストの粘度が高くなりすぎるため好ましくない。より好ましい1分子内のフェノール性水酸基数は2又は3である。このような化合物としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラメチルビフェノール、エチリデンビスフェノール、メチルエチリデンビス(メチルフェノール)、シクロへキシリデンビスフェノール、ビフェノールといったビスフェノール類及びその誘導体、トリ(ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(ヒドロキシフェニル)エタンといった3官能のフェノール類及びその誘導体、フェノールノボラック、クレゾールノボラックといったフェノール類とホルムアルデヒドを反応することで得られる化合物で2核体又は3核体がメインのもの及びその誘導体、ポリビニルフェノールなどが挙げられる。またフェノール性水酸基を持つ硬化剤とその他の硬化剤を併用してもかなわないが、アミン系硬化剤とフェノール系硬化剤を併用するとフェノール硬化剤のエポキシへの反応が促進されるため、低温で反応しすぎることから架橋密度が高くなりにくく、175℃での弾性率が低下することから望ましくない。
本発明に使用されるエポキシ樹脂の硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール類、トリフェニルホスフィン又はテトラフェニルホスフィンの塩類、ジアザビシクロウンデセン等アミン系化合物及びその塩類等が挙げられるが、2−メチルイミダゾール,2−エチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,2−フェニル−4−メチルイミダゾール,2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール,2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール,2−C11H23−イミダゾール、2−メチルイミダゾールと2,4−ジアミノ−6−ビニルトリアジンとの付加物といったイミダゾール化合物が好適に用いられる。これらのイミダゾール化合物の中でも融点が180℃以上のイミダゾール化合物が特に好ましい。
本発明に使用される充填剤は導電性充填材であることが望ましい。例えば金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、インジウム、鉄、クロム、タンタル、錫、鉛、亜鉛、コバルト、チタン、タングステン、ビスマス、シリコン、アンチモン、アルミニウム、マグネシウムなどの金属粉がある。その中でも化学的に安定し、かつ安定した導電性を得られると言う点から銀であることが望ましい。
本発明の導電性樹脂組成物には必要に応じて各種添加剤や溶剤を使用することができる。
添加剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力化成分、ハイドロタルサイト等の無機イオン交換体、消泡剤、界面活性剤、各種重合禁止剤、酸化防止剤等、種々の添加剤が挙げられる。
溶剤は粘度の調整として用いられることから上記の充填材を除く成分を溶解するものが望ましい。本発明の導電性樹脂組成物は印刷で塗布されるため沸点が180℃以上であることが望ましい。それよりも低いと印刷作業中に溶剤が揮発し、作業可能時間が短くなり生産性を著しく低下させる。そのような溶剤は例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2-メチルー2,4−ペンタンジオール、2-エチルー1,3−ヘキサンジオール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ホロン、イソホロン、N−メチルピロリドンなどがあげられる。
本発明の導電性樹脂組成物は、例えば、上述の各成分を予備混合した後、3本ロールや遊星式攪拌混合機を用いて混練し、さらに真空下脱泡することにより製造することができる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂A(o-クレゾールノボラック型エポキシ、新日鉄化(株)製、YDCN−800)、硬化剤として硬化剤A(フェノールノボラック、住友ベークライト(株)製、PR−51470)、硬化促進剤A(2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラート)、硬化促進剤B(テトラフェニルフォスフォニウム 4,4‘−スルフォニル
ジフェノラート)、充填剤として平均粒径がμmのフレーク銀粉、および溶剤(ブチルカルビトールアセテート)を表1に示すように配合し、3本ロールにて混合し、更に真空脱泡して熱硬化性接着剤組成物を得た。
上記の方法で得られた実施例1の導電性樹脂組成物を165℃30分で硬化させ幅4mm、長さ25mm、厚み100μmのフィルム状硬化物の試験用サンプルを得た。得られた試験用サンプルを更に175℃2時間で加熱した後、下記条件により175℃における弾性率の測定を行った。弾性率は6220MPaであった。
測定方法:JIS K7244
引張りモード、
チャック間距離;20mm
昇温速度;30〜300℃の温度範囲で10℃/分
測定周波数;10Hz
測定装置:セイコー・インスツルメンツ社製 動的粘弾性測定装置 EXSTAR−6000
実施例1に対して硬化剤として更に硬化剤B(ポリビニルフェノール、日本曹達(株)製、VP−2500)および硬化剤C(ジシアンジアミド、(株)アデカ、EH−3636AS)を表1に示す配合で加え実施例2〜4として実施例1と同様の方法で導電性樹脂組成物を得た。175℃弾性率はそれぞれ8260、5010、7140MPaであった。
硬化剤として硬化剤Bおよび硬化剤D(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、日本化薬(株)、カヤハードAA)を用いて表1に示す配合で実施例1と同様の方法で導電性樹脂組成物を得た。弾性率は、それぞれ3730、2980MPaであった。
実施例および比較例の導電性樹脂組成物を銅箔上に開口径100umのステンシル印刷用版により印刷し、165℃、30分で硬化後の高さが120〜200um程度の範囲に入るように印刷し、バンプを得た。さらにこのパンプを印刷した銅箔とプリプレグを加熱したロールによりバンプをプリプレグに貫通させた後、他の銅箔をさらに積層し、175℃2時間程度プレスすることにより配線基板を得た。そのときのパンプ間の抵抗値を測定し、初期値とした。その後半田リフローを通し、抵抗値変化率が10%以下を合格とした。結果を表1に示す。
Claims (5)
- 多層基板のバンプ形成に用いられる導電性樹脂組成物であって、(A)熱硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤および(D)充填剤を含み、前記(A)熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であり、前記(B)硬化剤がフェノール樹脂を含み、アミン系硬化剤を含まないものであり、硬化物の175℃における弾性率が4000MPa以上であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
- 前記(C)硬化促進剤がトリフェニルホスフィン又はテトラフェニルホスフィンの塩類である請求項1記載の導電性樹脂組成物。
- 前記(D)充填剤が銀である請求項1または2記載の導電性樹脂組成物。
- 導電性樹脂組成物中における前記(D)充填剤の重量比率が80〜90重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物で配線基板に形成されたバンプがプリプレグを貫通するとともに他の配線基板と接触することにより当該配線基板同士を電気的に接続する多層配線基板。
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