JP2012244075A - 導電性樹脂組成物および多層配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】多層配線基板のバンプとして用いた際、製造工程において高温で加熱された場合であっても抵抗値の低下を抑制し、多層配線基板に対し優れた信頼性を与えることができる導電性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】多層基板のバンプ形成に用いられる導電性樹脂組成物であって、(A)熱硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤および(D)充填剤を含んでおり、硬化物のTgが175℃以上であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
【選択図】 図1
【解決手段】多層基板のバンプ形成に用いられる導電性樹脂組成物であって、(A)熱硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤および(D)充填剤を含んでおり、硬化物のTgが175℃以上であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
【選択図】 図1
Description
本発明は、多層配線基板のバンプを形成するために用いられる導電性樹脂組成物および前記導電性組成物によりバンプが形成された多層配線基板に関する。
近年、電子機器の高機能化、小型化、軽量化が進む中で、半導体パッケ−ジには小型化、多ピン化、外部端子のファインピッチ化が求められており、またそれらを実装する配線基板の高密度化がより一層求められている。このような高密度化に対し、配線基板も銅箔等の導電性金属箔からなる配線層および熱硬化樹脂とガラスクロスなどの繊維状物からなる絶縁層を多層に積み上げていき、多層化した配線基板を使用するようになっている。通常このような多層配線基板においては各配線層の導通を取るために、スルーホールと呼ばれるドリル加工で孔開けされた貫通した孔を設け、その壁面に銅などの金属メッキを施すまたは導電性ペーストで充填することで各配線層の導通を設けてきたが、より高密度化になると機械的にドリルで孔あけ、壁面をメッキする方法では細線化に限界が生じ、そのため種々の配線方法が提案されてきた。
この中には特許文献1〜5に示されるように導電性樹脂組成物をスクリーンやステンシル印刷などでコア基板や銅箔上に印刷し、150℃から200℃で30〜120分程度加熱硬化しバンプを形成した上で、バンプをプリプレグに貫通させて、突き当て側に導電性金属箔を重ね、加圧加熱することで多層基板内の各配線層を導通させるという方法がある。
通常、このような多層配線基板に半導体パッケージや電子部品を搭載する際には半田を用いる。そのため半田を融解するためには、IRリフローなどで200℃以上に加熱されることとなり、その際各部材は熱により膨張する。このとき導電性確保のために銀などの導電性粒子を含んだ導電性樹脂組成物により形成されたバンプは隣接するプリプレグに比べ(特に厚み方向の)熱膨張係数が小さいものとなっている。そのためにバンプと導電性金属箔の接点に応力が集中し、バンプ/導電性金属箔間での剥離が生じる場合がある。このバンプ/導電性金属箔間の剥離は、接点抵抗の上昇につながり、更には基板全体の抵抗率を上昇させるものとなる。その結果、多層基板と半導体パッケージなどからなるモジュールや電子機器の性能低下が生じるという問題があった。
本発明の目的は、多層配線基板のバンプとして用いた際、多層配線基板に対し優れた信頼性を与えることができる導電性樹脂組成物を提供する。
このような目的は、以下[1]〜[5]に記載の本発明により達成される。
[1]多層基板のバンプ形成に使用される導電性樹脂組成物であって、(A)熱硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)充填剤を含み、硬化物のTgが175℃以上であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
[2]前記(A)熱硬化性樹脂がエポキシである導電性樹脂組成物。
[3]前記(D)充填剤が銀である導電性樹脂組成物。
[4]導電性樹脂組成物中における前記(D)充填剤の重量配合比率が80〜90重量%である導電性樹脂組成物。
[5]前記[1]〜[4]項のいずれかに記載の導電性樹脂組成物により導電性金属箔又は第1の配線基板上に形成されたバンプが、プリプレグを貫通するとともに第2の配線基板と接触することにより前記導電性金属箔と第2の配線基板、又は、第1の配線基板と第2の配線基板を電気的に接続する多層配線基板。
[1]多層基板のバンプ形成に使用される導電性樹脂組成物であって、(A)熱硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤、(D)充填剤を含み、硬化物のTgが175℃以上であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
[2]前記(A)熱硬化性樹脂がエポキシである導電性樹脂組成物。
[3]前記(D)充填剤が銀である導電性樹脂組成物。
[4]導電性樹脂組成物中における前記(D)充填剤の重量配合比率が80〜90重量%である導電性樹脂組成物。
[5]前記[1]〜[4]項のいずれかに記載の導電性樹脂組成物により導電性金属箔又は第1の配線基板上に形成されたバンプが、プリプレグを貫通するとともに第2の配線基板と接触することにより前記導電性金属箔と第2の配線基板、又は、第1の配線基板と第2の配線基板を電気的に接続する多層配線基板。
本願発明の導電性樹脂組成物を用いて多層配線基板のバンプを形成することにより、多層配線基板内の抵抗値の変化を抑制するとともに多層配線基板に対し優れた信頼性付与することができる。
以下図1を用いて本発明の多層配線基板の製造方法の一実施形態につき詳細に説明する。
(バンプ形成および配線基板間の導通方法について)
本発明の多層配線基板の製造方法は、図1に示す第1の配線部1上に導電性樹脂組成物を印刷することにより樹脂バンプ3を形成する工程を有する。本工程においては導電性樹脂組成物が、第一の配線部1上に印刷され、直径50〜200μm、高さ100〜300μm程度の略円錐状に形成される。なお本発明において配線部とは、導電性金属箔または表面に回路が形成された配線基板(以下配線基板等)のことをいう。
本発明の多層配線基板の製造方法は、図1に示す第1の配線部1上に導電性樹脂組成物を印刷することにより樹脂バンプ3を形成する工程を有する。本工程においては導電性樹脂組成物が、第一の配線部1上に印刷され、直径50〜200μm、高さ100〜300μm程度の略円錐状に形成される。なお本発明において配線部とは、導電性金属箔または表面に回路が形成された配線基板(以下配線基板等)のことをいう。
本発明の多層配線基板の製造方法は、前記樹脂バンプを介して、第1の配線部1と、前記樹脂バンプ3上に設けられた第2の配線部2とを電気的に接続する工程を有する。本工程においては、第1の配線部1上に形成された前記樹脂バンプ3を150〜200℃で硬化した後、ガラスクロスに熱硬化樹脂を含浸させて得られるプリプレグ4を貫通させた上で、樹脂バンプ3がプリプレグ4より突出した部分に第2の配線部2を重ね合わせ、175℃程度の温度下で加圧させることにより第1の配線部1と第2の配線部2との間に導通を得る。160〜180℃程度の温度で加圧することにより、他の配線基板等と導電性樹脂組成物との密着性と、配線基板等の室温での変形の抑制とを両立し、かつ、加圧時間を短くすることが出来る。
本発明の導電性樹脂組成物は、硬化物のTgが175℃以上であり、前記加圧時にバンプ3の形状を保持できるため、確実にバンプ3をプリプレグ4に貫通させ、また、バンプ内の導電性を良好に保つことができる。
硬化物のTgが175℃よりも低いと加圧する際にバンプ3の形状が崩れるために力がうまく伝わらず、配線部2とバンプ3の先端にかかる力が低下し、配線部2とバンプの接点の密着強度が低下する。接点の密着強度が低下すると接触抵抗が高くなるという不具合が生じる。またバンプが崩れることでバンプ内の導電性が低下する。
硬化物のTgが175℃よりも低いと加圧する際にバンプ3の形状が崩れるために力がうまく伝わらず、配線部2とバンプ3の先端にかかる力が低下し、配線部2とバンプの接点の密着強度が低下する。接点の密着強度が低下すると接触抵抗が高くなるという不具合が生じる。またバンプが崩れることでバンプ内の導電性が低下する。
また、多層配線基板10は半導体パッケージを搭載するために200℃以上の温度環境下で加工工程を経ることがあるが、このような加工工程ではプリプレグ4とバンプ3の熱膨張差によりバンプ3の先端と第2の配線部2の接点に応力が加わるため、接点でバンプと配線基板等との密着強度が充分でなければ、接点に剥離が生じ多層配線基板全体としての電気抵抗値が高くなる。
接点の剥離防止のために接点の強度を十分に得るには、バンプ3と配線基板等とが接した状態で硬化をさせるという方法がある。しかし上記のような製造工程においてバンプ形成時の硬化が充分でない場合プリプレグを貫通させることができない場合がある。そのため、本発明の導電性樹脂組成物を硬化したバンプのTgを所定の範囲とすることが上記課題の解決に不可欠なものとなる。
(導電性樹脂組成物)
本発明の導電性樹脂組成物は、多層配線基板を製造するためのバンプを形成するために用いることができ、熱硬化性樹脂(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)、充填剤(D)を含むとともに、硬化物のTgが175℃以上であることを特徴とする。なお、硬化物の硬化条件は、室温から150℃まで15分で昇温した後に、150℃で20分間加熱するものとする。
本発明の導電性樹脂組成物は、多層配線基板を製造するためのバンプを形成するために用いることができ、熱硬化性樹脂(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)、充填剤(D)を含むとともに、硬化物のTgが175℃以上であることを特徴とする。なお、硬化物の硬化条件は、室温から150℃まで15分で昇温した後に、150℃で20分間加熱するものとする。
((A)熱硬化性樹脂)
本発明に規定するTgとするために本発明の導電性樹脂組成物はベース樹脂として熱硬化性樹脂を使用する。(A)熱硬化性樹脂を用いることにより、導電性樹脂組成物の硬化物が好適な弾性率を有するため、硬化物が200℃以上に加熱されても、接触抵抗の上昇を抑制することが出来る。
本発明に規定するTgとするために本発明の導電性樹脂組成物はベース樹脂として熱硬化性樹脂を使用する。(A)熱硬化性樹脂を用いることにより、導電性樹脂組成物の硬化物が好適な弾性率を有するため、硬化物が200℃以上に加熱されても、接触抵抗の上昇を抑制することが出来る。
本発明の導電性樹脂組成物に用いられる(A)熱硬化性樹脂にはエポキシ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂などが上げられるが、上記のように通常バンプ形成には150〜200℃で硬化させることからエポキシ樹脂が望ましい。またさらにエポキシ樹脂でも1分子にすくなくとも2つ以上のグリシジル基を持つ芳香族エポキシ樹脂が望ましい。上記のようなTgを得るために硬化物の架橋密度が高いことが必要である。そのためには1分子内に2つ以上のグリシジル基が必要になる。さらにエポキシ樹脂の構造としては脂肪族エポキシ樹脂よりも剛直な芳香環を有する芳香族エポキシ樹脂であることでTgを上げることができる。
このようなエポキシ樹脂にはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール等のビスフェノール化合物又はこれらの誘導体、またはトリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のエポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等をエポキシ化したエポキシ樹脂が上げられる。また、芳香環を持たない水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノール等の脂環構造を有するジオール又はこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール等の脂肪族ジオール又はこれらの誘導体等をエポキシ化した2官能のものなどを併用して用いることも出来る。
このようなエポキシ樹脂にはビスフェノールA、ビスフェノールF、ビフェノール等のビスフェノール化合物又はこれらの誘導体、またはトリヒドロキシフェニルメタン骨格、アミノフェノール骨格を有する3官能のエポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂等をエポキシ化したエポキシ樹脂が上げられる。また、芳香環を持たない水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF、水素添加ビフェノール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シジロヘキサンジエタノール等の脂環構造を有するジオール又はこれらの誘導体、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール等の脂肪族ジオール又はこれらの誘導体等をエポキシ化した2官能のものなどを併用して用いることも出来る。
((B)硬化剤)
本発明に使用されるエポキシ樹脂の硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるものである。このような硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物、酸無水物、フェノール樹脂等が挙げられる。ジヒドラジド化合物としては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、P−オキシ安息香酸ジヒドラジド等のカルボン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。酸無水物としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水マレイン酸とポリブタジエンとの反応物、無水マレイン酸とスチレンとの共重合体などが挙げられる。
本発明に使用されるエポキシ樹脂の硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるものである。このような硬化剤としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジカルボン酸ジヒドラジド化合物、酸無水物、フェノール樹脂等が挙げられる。ジヒドラジド化合物としては、特に限定されないが、例えば、アジピン酸ジヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、P−オキシ安息香酸ジヒドラジド等のカルボン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。酸無水物としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸無水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、無水マレイン酸とポリブタジエンとの反応物、無水マレイン酸とスチレンとの共重合体などが挙げられる。
本発明に用いるフェノール樹脂は1分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物であることが好ましい。このフェノール樹脂は、1分子内にフェノール性水酸基を1つしか有しない場合には架橋構造をとることができないため、十分な硬化物特性が得られず使用することができない。1分子内のフェノール性水酸基数が2つ以上であれば使用することができるが、好ましい1分子内のフェノール性水酸基数は2〜5であり、より好ましい1分子内のフェノール性水酸基数は2又は3である。フェノール樹脂の1分子内のフェノール性水酸基の数をこの範囲とすることにより、導電性組成物の塗布時の作業性と、硬化物の高Tgを両立することが出来る。
このようなフェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラメチルビフェノール、エチリデンビスフェノール、メチルエチリデンビス(メチルフェノール)、シクロへキシリデンビスフェノール、ビフェノールといったビスフェノール類及びその誘導体、トリ(ヒドロキシフェニル)メタン、トリ(ヒドロキシフェニル)エタンといった3官能のフェノール類及びその誘導体、フェノールノボラック、クレゾールノボラックといったフェノール類とホルムアルデヒドを反応することで得られる化合物で2核体又は3核体がメインのもの及びその誘導体、ポリビニルフェノールなどが挙げられる。またフェノール性水酸基を持つ硬化剤とその他の硬化剤を併用してもかまわない。例えば、フェノール系硬化剤とエポキシの反応を促進させにくい固形アミン系硬化剤などとの併用であっても、導電性樹脂組成物の硬化物のTgを175℃以上にすることができる。
((C)硬化促進剤)
本発明に使用されるエポキシ樹脂の硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール類、トリフェニルホスフィン又はテトラフェニルホスフィンの塩類、ジアザビシクロウンデセン等アミン系化合物及びその塩類等が挙げられるが、2−メチルイミダゾール,2−エチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,2−フェニル−4−メチルイミダゾール,2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール,2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール,2−C11H23−イミダゾール、2−メチルイミダゾールと2,4−ジアミノ−6−ビニルトリアジンとの付加物といったイミダゾール化合物が好適に用いられる。これらのイミダゾール化合物の中でも融点が180℃以上のイミダゾール化合物が特に好ましい。
本発明に使用されるエポキシ樹脂の硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、イミダゾール類、トリフェニルホスフィン又はテトラフェニルホスフィンの塩類、ジアザビシクロウンデセン等アミン系化合物及びその塩類等が挙げられるが、2−メチルイミダゾール,2−エチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,2−フェニル−4−メチルイミダゾール,2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール,2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール,2−C11H23−イミダゾール、2−メチルイミダゾールと2,4−ジアミノ−6−ビニルトリアジンとの付加物といったイミダゾール化合物が好適に用いられる。これらのイミダゾール化合物の中でも融点が180℃以上のイミダゾール化合物が特に好ましい。
((D)充填剤)
本発明に使用される充填剤は導電性充填材であることが望ましい。例えば金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、インジウム、鉄、クロム、タンタル、錫、鉛、亜鉛、コバルト、チタン、タングステン、ビスマス、シリコン、アンチモン、アルミニウム、マグネシウムなどの金属粉がある。その中でも化学的に安定し、かつ安定した導電性を得られると言う点から銀であることが望ましい。また、これらの充填材は、単独で用いてもよいし、二種以上併用して用いてもよい。
本発明に使用される充填剤は導電性充填材であることが望ましい。例えば金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、インジウム、鉄、クロム、タンタル、錫、鉛、亜鉛、コバルト、チタン、タングステン、ビスマス、シリコン、アンチモン、アルミニウム、マグネシウムなどの金属粉がある。その中でも化学的に安定し、かつ安定した導電性を得られると言う点から銀であることが望ましい。また、これらの充填材は、単独で用いてもよいし、二種以上併用して用いてもよい。
本発明に使用される充填剤の形状には球状、フレーク状、不定形、樹脂状などの形状があるが特に限定されるものではない。ただし通常、導電性樹脂組成物により形成されるバンプが直径50〜200μm、高さ100〜300μm程度であることから最大粒径は30μm程度までであることが望ましい。また導電性を悪化しない範囲で、印刷性を調整する目的で少量のシリカやアルミナのような非導電性粒子を添加してもよい。充填材の含有量は、例えば銀を用いる場合は、導電性樹脂組成物の全重量に対して50〜95重量%であることが好ましく、80〜90重量%であることがさらに好ましい。充填材の含有量を前記範囲上限値以下とすることで、好適な溶融粘度となり、スクリーン印刷が容易ことからバンプ形成が容易なものとなる。充填材の含有量を前記下限値以上とすることで好適な導電性を得ることができる。
(その他添加剤等)
本発明の導電性樹脂組成物には必要に応じて各種添加剤や溶剤を使用することができる。
本発明の導電性樹脂組成物には必要に応じて各種添加剤や溶剤を使用することができる。
(添加剤)
添加剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力化成分、ハイドロタルサイト等の無機イオン交換体、消泡剤、界面活性剤、各種重合禁止剤、酸化防止剤等、種々の添加剤が挙げられる。
添加剤としては、特に限定されないが、例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤、カーボンブラック等の着色剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム等の低応力化成分、ハイドロタルサイト等の無機イオン交換体、消泡剤、界面活性剤、各種重合禁止剤、酸化防止剤等、種々の添加剤が挙げられる。
(溶剤)
溶剤は粘度の調整として用いられることから上記の充填材を除く成分を溶解するものが望ましい。本発明の導電性樹脂組成物は印刷で塗布されるため沸点が180℃以上であることが望ましい。これにより、印刷作業中に溶剤が揮発することなく、作業可能時間を長くすることが出来、生産性に優れる。そのような溶剤は例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2-エチルー1,3−ヘキサンジオール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ホロン、イソホロン、N−メチルピロリドンなどがあげられる。
溶剤は粘度の調整として用いられることから上記の充填材を除く成分を溶解するものが望ましい。本発明の導電性樹脂組成物は印刷で塗布されるため沸点が180℃以上であることが望ましい。これにより、印刷作業中に溶剤が揮発することなく、作業可能時間を長くすることが出来、生産性に優れる。そのような溶剤は例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2-エチルー1,3−ヘキサンジオール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ホロン、イソホロン、N−メチルピロリドンなどがあげられる。
溶剤の添加量は特に限定しないが、導電性樹脂組成物中10重量%以下であることが望ましい。これにより、導電性樹脂組成物の硬化時の溶剤の揮発に由来する硬化物中の気泡を抑制することができ、十分な弾性率を得ることが出来る。
(導電性樹脂組成物の製造方法)
本発明の導電性樹脂組成物は、例えば、上述の各成分を予備混合した後、3本ロールや遊星式攪拌混合機を用いて混練し、さらに真空下脱泡することにより製造することができる。
本発明の導電性樹脂組成物は、例えば、上述の各成分を予備混合した後、3本ロールや遊星式攪拌混合機を用いて混練し、さらに真空下脱泡することにより製造することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂A(o-クレゾールノボラック型エポキシ、新日鉄化学(株)製、YDCN−800)、硬化剤としてフェノール化合物A(フェノールノボラック、住友ベークライト(株)製、PR−51470、軟化点110℃)、硬化促進剤A(2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラート)、硬化促進剤B(テトラフェニルフォスフォニウム 4,4‘−スルフォニルジフェノラート)、充填剤として平均粒径が3μmのフレーク銀粉、および溶剤(ブチルカルビトールアセテート)を表1に示すように配合し、3本ロールにて混合し、更に真空脱泡して熱硬化性接着剤組成物を得た。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂A(o-クレゾールノボラック型エポキシ、新日鉄化学(株)製、YDCN−800)、硬化剤としてフェノール化合物A(フェノールノボラック、住友ベークライト(株)製、PR−51470、軟化点110℃)、硬化促進剤A(2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラート)、硬化促進剤B(テトラフェニルフォスフォニウム 4,4‘−スルフォニルジフェノラート)、充填剤として平均粒径が3μmのフレーク銀粉、および溶剤(ブチルカルビトールアセテート)を表1に示すように配合し、3本ロールにて混合し、更に真空脱泡して熱硬化性接着剤組成物を得た。
(弾性率の測定)
上記の方法で得られた実施例1の導電性樹脂組成物を165℃30分で硬化させ、幅4mm、長さ25mm、厚み100μmのフィルム状硬化物の試験用サンプルを得た。得られた試験用サンプルを更に175℃2時間で加熱した後、下記条件により175℃におけるTgの測定を行った。Tgは183℃であった。
上記の方法で得られた実施例1の導電性樹脂組成物を165℃30分で硬化させ、幅4mm、長さ25mm、厚み100μmのフィルム状硬化物の試験用サンプルを得た。得られた試験用サンプルを更に175℃2時間で加熱した後、下記条件により175℃におけるTgの測定を行った。Tgは183℃であった。
(Tg測定条件)
測定方法:JIS K7244
引張りモード、
チャック間距離;20mm
昇温速度;30〜300℃の温度範囲で10℃/分
測定周波数;10Hz
測定装置:セイコー・インスツルメンツ社製 動的粘弾性測定装置 EXSTAR−6000
測定方法:JIS K7244
引張りモード、
チャック間距離;20mm
昇温速度;30〜300℃の温度範囲で10℃/分
測定周波数;10Hz
測定装置:セイコー・インスツルメンツ社製 動的粘弾性測定装置 EXSTAR−6000
(実施例2〜6)
実施例1に対してエポキシ樹脂としてエポキシ樹脂B(ビスフェノールF型エポキシ、三菱化学(株)製、jER4004P)、硬化剤として更に硬化剤B(フェノールノボラック、住友ベークライト(株)製、PR−53647、軟化点95℃)、硬化剤C(ポリビニルフェノール、日本曹達(株)製、VP−2500)を表1に示す配合で加え実施例2〜5として実施例1と同様の方法で導電性樹脂組成物を得た。Tgはそれぞれ198℃、205℃、225℃、201、212℃であった。
実施例1に対してエポキシ樹脂としてエポキシ樹脂B(ビスフェノールF型エポキシ、三菱化学(株)製、jER4004P)、硬化剤として更に硬化剤B(フェノールノボラック、住友ベークライト(株)製、PR−53647、軟化点95℃)、硬化剤C(ポリビニルフェノール、日本曹達(株)製、VP−2500)を表1に示す配合で加え実施例2〜5として実施例1と同様の方法で導電性樹脂組成物を得た。Tgはそれぞれ198℃、205℃、225℃、201、212℃であった。
(比較例1,2)
硬化剤として硬化剤Bおよび硬化剤D(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、日本化薬(株)、カヤハードAA)を用いて表1に示す配合で実施例1と同様の方法で導電性樹脂組成物を得た。Tgはそれぞれ98℃、82℃であった。
硬化剤として硬化剤Bおよび硬化剤D(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、日本化薬(株)、カヤハードAA)を用いて表1に示す配合で実施例1と同様の方法で導電性樹脂組成物を得た。Tgはそれぞれ98℃、82℃であった。
(抵抗値変化率)
実施例および比較例の導電性樹脂組成物を銅箔上に開口径100umのステンシル印刷用版により印刷し、165℃、30分で硬化後の高さが120〜200um程度の範囲に入るように印刷し、バンプを得た。さらにこのバンプを印刷した銅箔とプリプレグを加熱したロールによりバンプをプリプレグに貫通させた後、他の銅箔をさらに積層し、175℃2時間程度プレスすることにより配線基板を得た。そのときのバンプ間の抵抗値を測定し、初期値とした。その後半田リフローを通し、抵抗値変化率が10%以下を合格とした。結果を表1に示す。
実施例および比較例の導電性樹脂組成物を銅箔上に開口径100umのステンシル印刷用版により印刷し、165℃、30分で硬化後の高さが120〜200um程度の範囲に入るように印刷し、バンプを得た。さらにこのバンプを印刷した銅箔とプリプレグを加熱したロールによりバンプをプリプレグに貫通させた後、他の銅箔をさらに積層し、175℃2時間程度プレスすることにより配線基板を得た。そのときのバンプ間の抵抗値を測定し、初期値とした。その後半田リフローを通し、抵抗値変化率が10%以下を合格とした。結果を表1に示す。
表1の結果の通り、Tgが175℃以上である実施例1〜5は抵抗変化率が10%以下となり良好な結果を示した。一方Tgが175℃未満である比較例1および2は抵抗変化率が10%より大きくなる結果となった。
本願発明の導電性樹脂組成物は、加熱工程においても好適なTgを有するため、例えば多層配線基板のバンプとして利用することができ、製造工程において高温で加熱された場合であっても抵抗値の低下を抑制し多層配線基板に対し優れた信頼性付与することができる。
1 第1の配線部
2 第2の配線部
3 樹脂バンプ
4 プリプレグ
10 多層配線基板
2 第2の配線部
3 樹脂バンプ
4 プリプレグ
10 多層配線基板
Claims (5)
- 多層基板のバンプ形成に用いられる導電性樹脂組成物であって、(A)熱硬化性樹脂、(B)硬化剤、(C)硬化促進剤および(D)充填剤を含み、硬化物のTgが175℃以上であることを特徴とする導電性樹脂組成物。
- 前記(A)熱硬化性樹脂がエポキシである請求項1の導電性樹脂組成物。
- 前記(D)充填剤が銀である請求項1または2記載の導電性樹脂組成物。
- 導電性樹脂組成物中における前記(D)充填剤の重量比率が80〜90重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性樹脂組成物により導電性金属箔又は第1の配線部上に形成されたバンプが、プリプレグを貫通するとともに第2の配線部と接触することにより前記第1の配線部と前記第2の配線部を電気的に接続する多層配線基板。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011115223A JP2012244075A (ja) | 2011-05-23 | 2011-05-23 | 導電性樹脂組成物および多層配線基板 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2011115223A JP2012244075A (ja) | 2011-05-23 | 2011-05-23 | 導電性樹脂組成物および多層配線基板 |
Publications (1)
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---|---|
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JP2011115223A Pending JP2012244075A (ja) | 2011-05-23 | 2011-05-23 | 導電性樹脂組成物および多層配線基板 |
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---|---|
JP (1) | JP2012244075A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000239636A (ja) * | 1999-02-19 | 2000-09-05 | Mitsui Chemicals Inc | 硬化性導電ペースト |
JP2000261116A (ja) * | 1999-03-08 | 2000-09-22 | Mitsui Chemicals Inc | プリント配線板層間接続バンプ用硬化性導電ペースト |
JP2001015921A (ja) * | 1999-06-30 | 2001-01-19 | Toshiba Corp | プリント配線基板及びプリント配線基板の製造方法 |
JP2005502191A (ja) * | 2001-08-24 | 2005-01-20 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | 導電性バンプ用熱硬化性導電性ペースト |
JP3989974B2 (ja) * | 1995-01-13 | 2007-10-10 | 株式会社東芝 | 多層印刷配線板及びその製造方法 |
-
2011
- 2011-05-23 JP JP2011115223A patent/JP2012244075A/ja active Pending
Patent Citations (5)
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