JP2012223989A - 射出成形方法及びこれに用いる射出成形用金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型内のエア・ガスに基づく成形不良を低減できる射出成形方法を提供する。
【解決手段】固定側金型30と可動側金型40とに板状の樹脂成形品3を成形するキャビティ21を形成し、そのキャビティ21に溶融樹脂を注入するゲート28を設け、そのゲート28から溶融樹脂を注入すると共に、その溶融樹脂をゲート28と対向したキャビティ21の末端部分21Pに流して板状の樹脂成形品3を成形する射出成形方法において、キャビティのゲートから末端部分21Pの途中の可動側金型40側のキャビティ21に、エア・ガス逃がし手段12を設け、エア・ガス逃がし手段12で、キャビティ21内を流れる溶融樹脂からエア・ガスを排出するものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、薄肉で大型な樹脂成形品、特に自動車の内外装樹脂成形品を成形するための射出成形方法及びこれに用いる射出成形用金型に関するものである。
図3は、自動車の内外装樹脂成形品(樹脂成形品)を示したもので、図3(a)はインストルメントパネル(インパネ)からなる樹脂成形品3、図3(b)はフロントバンパー(バンパー)からなる樹脂成形品3を示している。
これら樹脂成形品3は、薄形の板状に射出成形されると共にその板部3aにリブやクリップボックスなどの突起部3bや開口部3cなどが一体に設けられている。
図4は、インパネやバンパーなどの樹脂成形品3を射出成形する射出成形装置を示したものである。
図4において、射出成形装置は、バンパーなどの樹脂成形品3を成形するキャビティ21が形成された射出成形用金型(金型)20と、樹脂を加熱溶融し、その溶融樹脂を金型20内のキャビティ21に注入するための射出装置10とから構成される。
金型20は、射出装置10に接続された固定側金型30と、固定側金型30に対して接合、離間自在に設けられた可動側金型40とから構成される。
固定側金型30と可動側金型40との接合面PLには、樹脂成形品3の板部3aを形成するためのキャビティ21が形成されると共に、可動側金型40のキャビティ21側には、樹脂成形品3のリブなどの突起部3bを形成するための凹部24Qを有する固定ブロック24がボルト25で可動側金型40に固定され、また可動側金型40のキャビティ21側には、樹脂成形品3にクリップボックスなどの突起部3b(アンダーカット部)を形成するための傾斜スライド23が設けられる。
キャビティ21には、射出装置10からの溶融樹脂をキャビティ21内に注入するための複数のゲート28が設けられ、そのゲート28と対向したキャビティ21の末端部分21Pには、キャビティ21内に注入された溶融樹脂中のガスを排出するガスニガシ溝91が形成される(なお、キャビティ21において、21aは中空部であり、21bは溶融樹脂で満たされる中実部である)。
射出装置10から射出される溶融樹脂は、固定側金型30のホットランナーブロック31に形成したホットランナー19を通り、固定側金型30内のスプルー26を介してコールドランナー27に流れ、ゲート28からキャビティ21内に注入されるようになっている。
金型20には、また、キャビティ21内に注入された溶融樹脂を冷却するための冷却水路(図示せず)が設けられている。
可動側金型40には、成形後に樹脂成形品3を突出す突出しピン22が設けられている。突出しピン22は、可動側金型40を貫通してキャビティ21まで延びるように形成された突出しピン孔122に進退自在に挿通されている。突出しピン22は、成形時にはその先端面が可動側金型40のキャビティ面側と同一面をなし、キャビティ21内の溶融樹脂が冷却固化された後、樹脂成形品3が離型する際に可動側金型40から突出するようになっている。
また、傾斜スライド23は、離型する際に突出しピン22と共に斜め下方に突出してアンダーカット部から離れるように設けられる。
この射出装置10による樹脂成形品3の射出成形は、射出装置10から溶融樹脂をホットランナー19からスプルー26、コールドランナー27を通してゲート28からキャビティ21内に注入され、溶融樹脂がキャビティ21内の末端部分21Pに移動しながらキャビティ21内に充填され、末端部分21Pまで達した後は、エアやガスがガスニガシ溝91から排出され、適宜冷却固化されて樹脂成形品3とされる。
成形後は可動側金型40を固定側金型30から離し、その間に取出機50を降下させ、その取出機50に向けて突出しピン22を突出させることで樹脂成形品3を取出機50に受け渡し、取出機50を上昇させて成形品を取り出すと共に再度可動側金型40を閉じると共に突出しピン22を後退させ、再度上述の射出成形がなされる。
特開2005−238603号公報
ところで、キャビティ21は、図6(b)に示すように大型で薄形の板状の成形品を成形するため、隙間がせまく、そのキャビティ21内を流動する樹脂の流動抵抗が大きく、ゲート28から末端部分のガスニガシ溝91に達する間にキャビティ21の面に接して移動する溶融樹脂が冷却固化されてしまうと、キャビティ21内のエアや溶融樹脂中のガスがそのまま樹脂と共にガスニガシ溝91から排出されず、リブやアンダーカット部まで樹脂が充填されずにその部分にガスが残ってしまう問題がある。
また、図6(a)に示すように、複数のゲート28からキャビティ21内に溶融樹脂が注入された溶融樹脂が合流した、或いは一のゲート28から注入された溶融樹脂が分流し、再び合流した界面に、現れる外観上きつく見えるウエルドライン92等の不良が発生してしまう問題がある。
そこで本発明の目的は、上記課題を解決し、金型内のエア・ガスに基づく成形不良を低減できる射出成形方法及びこれに用いる射出成形用金型を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、固定側金型と可動側金型とに板状の樹脂成形品を成形するキャビティを形成し、そのキャビティに溶融樹脂を注入するゲートを設け、そのゲートから溶融樹脂を注入すると共に、その溶融樹脂をゲートと対向したキャビティの末端部分に流して板状の樹脂成形品を成形する射出成形方法において、前記キャビティのゲートから前記末端部分の途中の前記可動側金型側のキャビティに、エア・ガス逃がし手段を設け、このエア・ガス逃がし手段で、キャビティ内を流れる溶融樹脂からエア・ガスを排出することを特徴とする射出成形方法である。
請求項2の発明は、前記可動側金型には、前記樹脂成形品を突出す突出しピンと、その突出しピンを進退自在に挿通する突出しピン孔が設けられ、前記エア・ガス逃がし手段は、突出しピンと突出しピン孔の隙間で形成した突出し側エアベントで構成される請求項1に記載の射出成形方法である。
請求項3の発明は、突出しピンのキャビティ側の先端部分の側面に面取り部が形成され、その面取り部と突出しピン孔間に溶融樹脂を排出せずエア・ガスのみを排出する隙間が形成される請求項2記載の射出成形方法である。
請求項4の発明は、前記可動側金型には、樹脂成形品のアンダーカット部を形成するための傾斜スライドと、その傾斜スライドが挿通される傾斜孔が設けられ、前記エア・ガス逃がし手段は、傾斜スライドと傾斜孔の隙間で形成したアンダーカット側エアベントで構成される請求項1記載の射出成形方法である。
請求項5の発明は、前記可動側金型には、樹脂成形品の突起部を形成するための凹部を有する固定ブロックが設けられ、前記エア・ガス逃がし手段は、固定ブロックとその固定ブロックを可動側金型に収容する収容溝の隙間で形成した突起部側エアベントで構成される請求項1記載の射出成形方法である。
請求項6の発明は、固定側金型には、樹脂成形品に開口部を形成すべく可動側金型のコア面に接する凸部が形成され、その凸部と接する可動側金型のコア面にエア溜まりが形成され、前記エア・ガス逃がし手段は、エア溜まりとその周囲のコア面に形成されたガス逃がし隙間で形成される請求項1記載の射出成形方法である。
請求項7の発明は、前記隙間が、溶融樹脂を排出せずエア・ガスのみを排出するよう形成される請求項4〜6のいずれかに記載の射出成形方法である。
請求項8の発明は、固定側金型と可動側金型とに板状の樹脂成形品を成形するキャビティを形成し、そのキャビティに溶融樹脂を注入するゲートを設け、そのゲートから溶融樹脂を注入すると共に、その溶融樹脂をゲートと対向したキャビティの末端部分に流して板状の樹脂成形品を成形する射出成形用金型において、前記キャビティのゲートから前記末端部分の途中の前記可動側金型側のコアに、エア・ガス逃がし手段を設けたことを特徴とする射出成形金型である。
本発明によれば、金型内のエア・ガスに基づく成形不良を低減できる。
本実施の形態で用いる射出成形用金型の断面図である。 (a)〜(c)は本発明に係るエア・ガス逃がし手段を設けた各部材を示し、(d)は開口部を有する樹脂成形品を製造する際のエア・ガス逃がし手段を示す図である。 本発明の射出成形で成形される自動車の内外装樹脂部品の一例を示す図であり、(a)はインストルメントパネル、(b)はフロントバンパーである。 従来の射出成形方法を説明する図である。 従来の射出成形に用いられる金型内部の断面図であり、(a)は突出しピン、(b)はスライドコア、(c)は固定ブロック(入れ子)、(d)は閉鎖エリアである。 従来の金型で射出成形したときに発生するウエルドラインを説明する図で、(a)はキャビティから見た平面断面図、(b)は(a)の断面図である。
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。なお、図3及び図4で説明した従来と同一構成部分には、同一符号を付している。
図1は、本実施の形態に係る射出成形方法で用いる射出成形用金型(金型)を示す断面図である。
図1において、バンパーなどの樹脂成形品3を成形するための射出成形用金型(金型)20は、射出装置10に接続された固定側金型30と、固定側金型30に対して接合、離間自在に設けられた可動側金型40とから構成される。
図1では、固定側金型30と可動側金型40とが接合された状態(つまり型締めされた状態)を示しており、固定側金型30と可動側金型40との接合面PLには、樹脂成形品3を成形するためのキャビティ21が形成されると共に、可動側金型40には、樹脂成形品3のリブなどの突起部3bを形成するための凹部24Qを有する固定ブロック24がボルト25で可動側金型40に固定され、また可動側金型40には、樹脂成形品3にクリップボックスなどの突起部3b(アンダーカット部)を形成するクリップボックス成形溝23Rを形成するための傾斜スライド23が設けられる。
傾斜スライド23は、樹脂成形品3のアンダーカット部(図1ではクリップ形状)に嵌入する凸部71cを有するスライドコア71と、スライドコア71に連結された傾斜ロッド72とを備える。傾斜ロッド72は、金型20の接合/離間方向(図1では右左方向)に対し可動側金型40を斜めに貫通する傾斜孔132に進退自在に挿通されている。傾斜スライド23は、樹脂成形品3が離型する際にアンダーカット部からスライドコア71の凸部71cを外しながらスライドするようになっている。
キャビティ21には、射出装置10からの溶融樹脂をキャビティ21内に注入するための複数のゲート28が設けられ、そのゲート28と対向したキャビティ21の末端部分21Pには、キャビティ21内に注入された溶融樹脂中のガスを排出するガスニガシ溝91が形成される。
射出装置10から射出される溶融樹脂は、固定側金型30のホットランナーブロック31に形成したホットランナー19を通り、固定側金型30内のスプルー26を介してコールドランナー27に流れ、ゲート28からキャビティ21内に注入されるようになっている。
金型20には、また、キャビティ21内に注入された溶融樹脂を冷却するための冷却水路(図示せず)が設けられている。
可動側金型40には、成形後に樹脂成形品3を突出す突出しピン22が設けられている。突出しピン22は、可動側金型40を貫通してキャビティ21まで延びるように形成された突出しピン孔122に進退自在に挿通されている。突出しピン22は、成形時にはその先端面が可動側金型40のキャビティ面側と同一面をなし、キャビティ21内の溶融樹脂が冷却固化された後、樹脂成形品3が離型する際に可動側金型40から突出するようになっている。
この射出装置10による樹脂成形品3の射出成形は、射出装置10から溶融樹脂をホットランナー19からスプルー26、ランナー27を通してゲート28からキャビティ21内に注入され、溶融樹脂がキャビティ21内の末端部分21Pに移動しながらキャビティ21内に充填され、末端部分21Pまで達した後は、エアやガスが、ガスニガシ溝91から排出され、適宜冷却固化されて樹脂成形品3とされる。
このように射出成形は、射出装置10から射出した溶融樹脂を、金型20内の複数のゲート28からキャビティ21に注入し、冷却・固化させることによって行われるが、突起部3bや開口部3cを有する樹脂成形品を成形する際には、ショートショット、ウエルドライン、シルバーストリーク(シルバー)、といった不良が発生し易い。
ショートショットは、溶融樹脂がキャビティ21内に充填しきらずに冷却固化されて発生する。ウエルドラインは、開口部3cを有する樹脂成形品の成形や、複数のゲート28による成形の際、射出時にエア・ガスが溶融樹脂の流れに巻き込まれて表面上に発生する。シルバーは、金型20内のエアが圧縮され、エアの温度が上昇することにより、樹脂が分解されて発生する。
このように、3種類の不良は現象が違えども、金型内に滞留したエア・ガスが圧縮されることにより、それぞれの不良が発生していることが判明した。これらのエア・ガスは、リブやクリップボックスなど突起部3b末端や、製品末端に滞留しやすい。但し、通常の金型では、このエア・ガスを型外に排気させるのは、金型内の排気抵抗が大きく困難である。
ここで、射出成形で問題となる圧縮ガスは、次の2つに分けられる。1つは、溶融樹脂の充填が進むにつれてキャビティ21内のエアが圧縮され、高温・高圧になったものであり、もう1つは、樹脂が溶融する過程で発生するガス(気化した有機体)がキャビティ21内に流れ込んでくるものである。
そこで、本発明者らは、金型内のエア・ガス排気抵抗を減らすべく、(i)金型内の流動長を短くする、(ii)金型内の排気を良くする、(iii)金型内の樹脂の流れを良くする、(iv)成形品の肉厚変化を小さくする、(v)金型の構造を見直す、といった対策を検討した。
その結果、金型内に逃げを作ること、特に逃げ溝を設けることで(iii)を達成するのが、品質、コスト、生産性、実現性の点で特に優れていることがわかった。さらに、この逃げ溝の設置可能部分を検討した結果、ゲート28から溶融樹脂がキャビティ21内に注入され、末端部分21Pまで達する途中の固定ブロック24、傾斜スライド23、突出しピン22など、金型内の既設の各部材にエアベントとしての逃げ溝(エア・ガス逃がし手段)を設けるのが品質、コスト、生産性、実現性の観点から好ましいと考えた。
以下、このエア・ガス逃がし手段12について、図2(a)〜(d)により説明する。
図2(a)は、突出しピン22側に突出し側エアベントとしてのエア・ガス逃がし手段12aを設けた例を示すものである。
図2(a)に示すように、突出しピン22は、可動側金型40に設けられた突出しピン孔122に挿通自在に設けられている。
従来においては、突出しピン22と突出しピン孔122の隙間dは、突出しピン孔122をガイドするために図5(a)に示すように0.01mm〜0.02mmとされており、この隙間dではガスが排出されないようになっている。
本発明におけるエア・ガス逃がし手段12aは、突出しピン22と突出しピン孔122の隙間dから、溶融樹脂は排出せずガスのみ排出し、しかも突出しピン孔122で突出しピン22をガイドできるように構成したものである。
すなわち、図2(a)に示すように、エア・ガス逃がし手段12aは、突出しピン孔122と突出しピン22の隙間dで構成され、突出しピン孔122は、キャビティ21側のピン保持部122aと、ピン保持部122aより拡径された拡径部122bとで構成され、突出しピン22は、そのキャビティ21側の先端部分の側面に面取り加工を施してエア・ガス逃がし面取り部22aを形成して構成される。このエア・ガス逃がし面取り部22aは、2A−2A断面図に示すように周方向に図では4箇所、或いは2箇所形成され、そのエア・ガス逃がし面取り部22aとピン保持部122aとの隙間dが0.05mmに形成されてエア・ガス逃がし手段12aとしての突出し側エアベントが構成される。またエア・ガス逃がし面取り部22a以外の側面は、従来と同じように隙間が0.01mm〜0.02mmに形成される。
図2(b)は、傾斜スライド23側にエア・ガス逃がし手段12bを設けた例を示すものである。
図2(b)に示すように、傾斜スライド23は、キャビティ21側に面したスライドコア71と、傾斜ロッド72とからなり、可動側金型40に設けた傾斜孔132に移動自在に設けられる。傾斜孔132は、スライドコア71を収容するコア溝132cと、ロッド保持部132aと、ロッド保持部132aより拡径された拡径部132bとからなる。
スライドコア71は、その凸部71cとコア溝132c間でクリップボックスを形成するためのクリップボックス成形溝23Rが形成されており、そのクリップボックス成形溝23Rに連続したコア溝132cとスライドコア71の基部71d間には、第一のエア・ガス逃がし隙間23aが形成され、第一のエア・ガス逃がし隙間23aの下方に拡径された第二のエア・ガス逃がし隙間23bが形成され、第二のエア・ガス逃がし隙間23bの下部に面取り部23cが形成される。傾斜ロッド72とロッド保持部132a間には、面取り部23cからのエア・ガスを排出するためのロッド側隙間23dが形成されてアンダーカット側エアベントが構成される。
従来においては、図5(b)に示すようにクリップボックス成形溝23R以外にコア溝132cとスライドコア71間、傾斜ロッド72とロッド保持部132a間の隙間dは0.01mm〜0.02mmとされており、この隙間dではガスが排出されないようになっている。
本発明においては、第一のエア・ガス逃がし隙間23aを0.05mm、第二のエア・ガス逃がし隙間23bを1.0mmとすることで、エア・ガス逃がし手段12bとしてのアンダーカット側エアベントが構成される。
図2(c)は、固定ブロック24側にエア・ガス逃がし手段12cを設けた例を示すものである。
可動側金型40には、固定ブロック24を収容する収容溝45が形成され、固定ブロック24に、リブ溝24Rが形成され、そのリブ溝24Rと収容溝45で樹脂成形品の突起部3bが形成される。
このリブ溝24Rの下部の固定ブロック24と収容溝45間には、第一のエア・ガス逃がし隙間24aが形成され、第一のエア・ガス逃がし隙間24aの下部に連続し、固定ブロック24と収容溝45の底部に渉って、第一のエア・ガス逃がし隙間24aより拡径された第二のエア・ガス逃がし隙間24bが形成され、また固定ブロック24の下部の角部には角面取り部24cが形成され、さらに固定ブロック24を固定するボルト25とそのボルトを挿通するボルト孔25a間で第三のエア・ガス逃がし隙間24dが形成されて突起部側エアベントが構成される。
従来においては、図5(c)に示すようにリブ溝24Rの下部の固定ブロック24と収容溝45との隙間dは0.01mm以下とされており、この隙間dではガスが排出されないようになっている。
本発明においては、第一のエア・ガス逃がし隙間24aを0.1mm、第二のエア・ガス逃がし隙間24bと第三のエア・ガス逃がし隙間24dを1.0mmとすることで、エア・ガス逃がし手段12cとしてのエアベントが構成される。
図2(d)は、図3(a),(b)に示したような開口部3cを有する樹脂成形品を成形する際のエア・ガス逃がし手段12dを設けた例を示すものである。
固定側金型30には、開口部3cを形成する凸部30aが形成され、その凸部30aが、可動側金型40のコア面に接するように形成されるが、この凸部30aと接する可動側金型40のコア面の中央部にエア溜まり61cが形成され、凸部30aの周縁からエア溜まり61cに向けて第一のエア・ガス逃がし隙間61a、第二のエア・ガス逃がし隙間61bが形成されてエア・ガス逃がし手段12dが構成される。
従来においては、図5(d)に示すように凸部30aと接する可動側金型40のコア面との隙間dは、0.01〜0.02mmとされ、凸部30a周りの溶融樹脂中にガスを含んでいても、隙間dは閉鎖エリアとなっている。
本発明においては、閉鎖エリアに、凸部30a周りの溶融樹脂中のガスの容積以上のエア溜まり61cを形成し、第一のエア・ガス逃がし隙間61aを0.05mm、第二のエア・ガス逃がし隙間61bを1.0mmとすることで、エア・ガス逃がし手段12dが構成される。
本実施の形態の作用を説明する。
射出装置10から射出された溶融樹脂は、ホットランナー19を介して供給され、スプルー26からランナー27を通り、複数のゲート28を介してキャビティ21内に注入される。
ゲート28からキャビティ21内に溶融樹脂が注入されるのに伴い、溶融樹脂は、キャビティ21内を流動してゲート28に対向した末端部分21Pに流れていくが、その間キャビティ21内のエアや溶融樹脂から発生したガスが、注入圧力と同じ高圧となり、これが末端部分21Pのガスニガシ溝91に達する前に、傾斜スライド23のクリップボックス成形溝23Rや固定ブロック24のリブ溝24R或いは開口部3cを形成する凸部30aの周囲に溜まりショートショットを発生したり、ウエルドライン、シルバーストリーク(シルバー)、フローマークといった不良が発生したりするが、図2(a)〜(d)に示した、エア・ガス逃がし手段12a〜12dにより、溶融樹脂は逃がさずにエア・ガスのみを排出することができる。
これにより、キャビティ21内でガス圧が高まって、溶融樹脂の流動抵抗が過度に上昇することがなく、キャビティ21内に注入された溶融樹脂の流動性がよく、キャビティ21の隅々まで行き渡ることとなり、ショートショットの他、ウエルドライン、シルバー、フローマークなど、金型内のエア・ガスに基づく成形不良を大幅に低減できる。
また、成形品が開口部を有する場合には、図2(d)のように、エア溜まり61cにエア・ガスを排気しているので、複数のゲートから開口部となる部分にも樹脂を流す、所謂オーバーフローをし、その後、オーバーフロー部分をカットする等の工程を設ける必要がなく、簡易な方法でウエルドラインを薄くできる。
以上要するに、本発明によれば、キャビティ内のエア・ガスは、溶融樹脂注入時に末端部分21Pの接合面(PL面)に設けられたガスニガシ溝91に達する途中に設けたエア・ガス逃がし手段12a〜12dから排出されるので、樹脂成形品が薄形かつ大型で、突起部や開口部を有するものであっても、エア・ガスに基づく不良を防止できる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
上記実施の形態では、突出しピン22、傾斜スライド23、固定ブロック24の各部材にエア・ガス逃がし手段を設ける場合を説明したが、エア・ガス逃がし手段を設ける部材はこれに限らず、例えば、成形後の樹脂成形品を面で押し上げて離型する直上げブロックに設けてもよい。直上げブロックに設けるエア・ガス逃がし手段は、可動側金型と対向する直上げブロックの周面のキャビティ側にキャビティと通じる第一のエア・ガス逃がし隙間を設けると共に、複数の第一のエア・ガス逃がし溝が合流すると共に金型外部に連通する第二のエア・ガス逃がし隙間とを設けて構成される。
3 樹脂成形品(成形品)
10 射出装置
12 エア・ガス逃がし手段
20 射出成形用金型
21 キャビティ
21P 末端部分
22 突出しピン
22a エア・ガス逃がし面取り部
23 傾斜スライド
23a 第一のエア・ガス逃がし隙間
23b 第二のエア・ガス逃がし隙間
23c 角面取り部
23d ロッド側隙間
24 固定ブロック
24a 第一のエア・ガス逃がし隙間
24b 第二のエア・ガス逃がし隙間
24c 角面取り部
24d 第三のエア・ガス逃がし隙間
25 ボルト
25a ボルト孔
26 スプルー
27 ランナー
28 ゲート
30 固定側金型(キャビ)
40 可動側金型(コア)
41 突出し板
50 取出機
61a 第一のエア・ガス逃がし隙間
61b 第二のエア・ガス逃がし隙間
61c エア溜まり
91 ガスニガシ溝

Claims (8)

  1. 固定側金型と可動側金型とに板状の樹脂成形品を成形するキャビティを形成し、そのキャビティに溶融樹脂を注入するゲートを設け、そのゲートから溶融樹脂を注入すると共に、その溶融樹脂をゲートと対向したキャビティの末端部分に流して板状の樹脂成形品を成形する射出成形方法において、
    前記キャビティのゲートから前記末端部分の途中の前記可動側金型側のキャビティに、エア・ガス逃がし手段を設け、このエア・ガス逃がし手段で、キャビティ内を流れる溶融樹脂からエア・ガスを排出することを特徴とする射出成形方法。
  2. 前記可動側金型には、前記樹脂成形品を突出す突出しピンと、その突出しピンを進退自在に挿通する突出しピン孔が設けられ、前記エア・ガス逃がし手段は、突出しピンと突出しピン孔の隙間で形成した突出し側エアベントで構成される請求項1記載の射出成形方法。
  3. 突出しピンのキャビティ側の先端部分の側面に面取り部が形成され、その面取り部と突出しピン孔間に溶融樹脂を排出せずエア・ガスのみを排出する隙間が形成される請求項2記載の射出成形方法。
  4. 前記可動側金型には、樹脂成形品のアンダーカット部を形成するための傾斜スライドと、その傾斜スライドが挿通される傾斜孔が設けられ、前記エア・ガス逃がし手段は、傾斜スライドと傾斜孔の隙間で形成したアンダーカット側エアベントで構成される請求項1記載の射出成形方法。
  5. 前記可動側金型には、樹脂成形品の突起部を形成するための凹部を有する固定ブロックが設けられ、前記エア・ガス逃がし手段は、固定ブロックとその固定ブロックを可動側金型に収容する収容溝の隙間で形成した突起部側エアベントで構成される請求項1記載の射出成形方法。
  6. 固定側金型には、樹脂成形品に開口部を形成すべく可動側金型のコア面に接する凸部が形成され、その凸部と接する可動側金型のコア面にエア溜まりが形成され、前記エア・ガス逃がし手段は、エア溜まりとその周囲のコア面に形成されたガス逃がし隙間で形成される請求項1記載の射出成形方法。
  7. 前記隙間が、溶融樹脂を排出せずエア・ガスのみを排出するよう形成される請求項4〜6のいずれかに記載の射出成形方法。
  8. 固定側金型と可動側金型とに板状の樹脂成形品を成形するキャビティを形成し、そのキャビティに溶融樹脂を注入するゲートを設け、そのゲートから溶融樹脂を注入すると共に、その溶融樹脂をゲートと対向したキャビティの末端部分に流して板状の樹脂成形品を成形する射出成形用金型において、前記キャビティのゲートから前記末端部分の途中の前記可動側金型側のコアに、エア・ガス逃がし手段を設けたことを特徴とする射出成形金型。
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