JP2005053127A - 射出成形装置のガス抜き構造 - Google Patents

射出成形装置のガス抜き構造 Download PDF

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Abstract

【課題】射出成形装置のガス抜き構造において、ガス抜き用の隙間を形成するために必要な埋め金の個数を削減してコストを低減する。
【解決手段】埋め金22の周囲に形成された隙間部27に連通するように該埋め金22の溝部24にスリット部24bを設ける。スリット部24bは、その縦断面を略台形状に形成するとともに、その端部24c,24dを前記隙間部27に連通させる。前記スリット部24bの幅をその長さ方向で変化させて、スリットの深い方の端部24cでは相対的に狭く、浅い方の端部24dでは相対的に広くする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、溶融状態の成形材料を型内に注入して成形する射出成形装置に関し、特に前記成形材料の注入により型内に溜まったガスを型外へ排出するためのガス抜き構造の技術分野に属する。
従来より、射出成形は同じ形状の製品を型によって製造する方法の一つとして、広く一般に普及している。ここで、射出成形とは、成形型内に形成した製品形状の空洞部(キャビティ)に溶融状態の成形材料を注入して、比較的短時間で成形品を得るものであり、複雑な形状の製品でも一体成形することができるという特徴を有している。
しかし、上記のような射出成形では、成形材料を成形型のキャビティ内に注入する際に、前記成形材料にキャビティ内のガスや該成形材料から生じたガス等が混入するため、そのまま成形するとガス等が成形品中に残存してしまう。そのような成形品では、ガス等の残存した部分で成形材料の充填不良が生じ、見栄えが悪くなるばかりか、成形品を加熱した場合には、残存したガスが膨張し破裂する危険性もある。
このような欠点を解決するため、従来より、ガスが溜まりやすい部位にはキャビティ内のガスを成形型外へ排出するためのガス抜き構造を設けるようにしている。例えば、特許文献1に示すように、成形型に装着される複数の埋め金の間に隙間を設けて、その隙間からキャビティ内のガスを型外へ排出させるようにしたものがある。
前記特許文献1のように、埋め金で構成された成形型を用いて成形するものの一例としては、自動車のバンパーのグリル部が挙げられる。すなわち、グリル部を構成する格子状のリブの部分で成形材料が会合する場合には、該各リブのそれぞれでガスが溜まりやすくなるから、その格子状リブを成形する型部材の格子成形部では、ガスの溜まる可能性のある部位を多数の埋め金によって構成し、その埋め金の周囲の隙間から型外へガスを排出させるようにしている。
なお、上述の構造以外にも、ガス抜き構造としては、特許文献2に示すように、ガス抜き用の微小溝が摩耗した場合等に低コストで交換できるように、埋め金に微小溝を設けるようにしたものもある。
特開2002−240105号公報 特開平11−90609号公報
ところが、上述のように埋め金の周囲にガス抜き用の隙間を設けるようにした従来のガス抜き構造を自動車用バンパーのメッシュ状グリル部などに適用する場合、ガスの溜まる可能性のある部位のすべてにガス抜き用の隙間を設けようとすると、その隙間を形成するために非常に多くの埋め金が必要になる。このため、埋め金の製作や成形型への埋め金の組み立てに時間がかかりコストも高くなるという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、射出成形の成形型に設けるガス抜き構造に工夫を凝らし、必要な埋め金の個数を削減してコストを低減することにある。
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、格子部を成形するための格子状の溝部が設けられた型部材の一部を複数の埋め金によって構成し、該埋め金の周囲の隙間部からガスを排出する構造において、その隙間部の一部をスリットに置き換えることで埋め金の数を減らすようにした。
具体的には、請求項1の発明では、型部材に設けた注入口からキャビティ内に溶融状態の成形材料を注入して、格子部を有する成形品を成形する際に、該格子部に対応するキャビティ内からガスを排出するための射出成形装置のガス抜き構造において、前記型部材は、前記格子部のリブを成形するための複数の溝部が格子状に設けられている格子成形部を備えており、前記格子成形部の少なくとも一部は、前記溝部に沿って区分された複数の埋め金によって構成され、前記埋め金の周囲の溝部に形成された隙間部が、前記キャビティ内からガスを排出する通路に連通するとともに、前記埋め金の表面に形成された溝部には、長さ方向の端部のうちの少なくとも一方が前記隙間部に連通するようにスリット部が設けられているものとする。
この構成によれば、格子部を成形する型部材の格子成形部を複数の埋め金によって構成し、該埋め金の周囲の隙間からキャビティ内のガスを排出できるようにするとともに、前記埋め金に設けられた溝部に、前記隙間部に連通するようなスリット部を設けたため、ガスの溜まりやすいすべての部分にガス抜きのための隙間部を設けることなく、前記キャビティ内に溜まるガスを前記スリット部及び隙間部によってキャビティの外部へ排出することができる。
したがって、キャビティ内へ成形材料を注入した際にガスの溜まりやすい箇所が非常に多い格子成形部においても、ガス抜きのための隙間部を設ける箇所を減らすことができ、その隙間部を設けるために必要な埋め金の個数を大幅に削減することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、スリット部は、型部材の注入口から所定距離以上、離れて配設されている埋め金の溝部に設けられているものとする。
このことにより、型部材のキャビティ内に注入された成形材料が会合し、ガスの溜まりやすい部分である、注入口から所定距離以上離れた位置において、埋め金の溝部に設けたスリット部から隙間部へガスを効率良く排出することができる。
請求項3の発明では、請求項1または2のいずれかの発明において、スリット部は、隙間部に連通する長さ方向の端部において所定以上の深さになるように形成されているものとする。
このことで、キャビティ内に注入された成形材料が埋め金の溝部に充填されていく過程で、その成形材料の一部がスリット部に進入しても、このスリット部が隙間部に連通する部分の深さは十分に深いので、その部分が成形材料によって塞がれることがなく、スリット部から隙間部へのガスの移動スペースを確保することができる。
ここで、スリット部の深さが所定以上の深さとは、成形材料が進入してもガスが隙間部へ移動するためのスペースが該スリット部内に確保されるような深さをいう。
請求項4の発明では、請求項3の発明において、スリット部は、その長さ方向に深さ及び幅が変化していて、前記スリット部の深さが相対的に深いところでは、前記スリット部の幅が相対的に狭くなっているものとする。
このことにより、スリットが相対的に深い部分では該スリットの幅が狭くて、成形材料が進入しにくくなるため、ガスの移動スペースの確保がより確実になるとともに、成形材料の進入により発生するバリも小さくすることができる。また、スリット部の深さを長さ方向に変化させているので、たとえスリットの浅い部分に成形材料が進入した場合でも、該成形材料の進入により形成されるバリの大きさは、スリット全体が深い場合に比べて小さくすることができる。
さらに、スリット部の深さを長さ方向に変化させることにより、ガスの移動スペース確保のためにスリット全体を深く加工する必要がなくなり、スリットの加工時間及びコストの低減が図られる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれか一つの発明において、成形品は、車両のバンパーであり、そのグリル部が格子部であるものとする。これにより、車両のバンパーと一体成形されたグリル部で請求項1〜4の作用を得ることができる。
請求項6の発明では、型部材に設けた注入口からキャビティ内に溶融状態の成形材料を注入して成形品を成形する際に、前記キャビティ内からガスを排出するための射出成形装置のガス抜き構造において、前記型部材には、前記キャビティ内からガスを排出させる排出通路と、前記注入口から注入された成形材料の会合する部位の近傍でキャビティに臨んで開口し、前記排出通路に連通するスリット部とが設けられており、前記スリット部は、前記排出通路に連通する部分の少なくとも1箇所で所定以上の深さを有し、且つ前記スリット部の長さ方向に深さ及び幅が変化していて、前記スリット部の深さが相対的に深いところでは、前記スリット部の幅が相対的に狭くなるように形成されているものとする。
この構成によれば、キャビティ内に注入された成形材料の会合部位の近傍の型部材に、スリット部を設けるとともに、該スリット部が、前記キャビティ内からガスを排出するための排出通路に連通する部分で所定以上の深さを有し、スリット深さの相対的に深い部分でその幅が相対的に狭くなるようにしたため、前記通路に連通するスリット部内に成形材料が進入しにくくなるとともに、たとえ前記スリット部内に成形材料が進入した場合でも、ガス抜きのためのスペースを前記スリット部内に十分確保することができ、前記会合部に集まったキャビティ内のガスを前記スリット部によって排出通路に導出することができる。したがって、簡単な構造により前記会合部からガスを排出することができる。
また、前記排出通路に連通するスリット部の幅を狭くすることにより、該スリット部に成形材料が進入しにくくなるため、その部分でのバリの発生を低減することができるとともに、スリット部の深さを長さ方向に変化させることにより、該スリット部の浅い部分に成形材料が進入した場合でも、発生するバリを小さくすることができる。
さらに、スリット部をその長さ方向に深さが変化するようにしたため、全体を深く加工する場合に比べて加工時間やコストの低減が図られる。
請求項7の発明では、請求項4または6のいずれかの発明において、スリット部は、ワイヤーカット放電加工により形成されているものとする。ワイヤーカット放電加工を用いることにより請求項4または6の発明の構成を容易に実現することができる。
すなわち、ワイヤーと加工物との間の放電範囲が広くなると、ワイヤーの振動が大きくなり加工量も増えるというワイヤーカット放電加工の特性を利用して、スリット部の深さが変化するようにワイヤーを埋め金に対し斜めにして加工することにより、スリット部の深さが深い部分(最初に加工されるため、ワイヤーと加工物との間の放電範囲が狭い)では該スリット部の幅を狭くすることができ、また、スリット部の深さが浅い部分(途中から加工されるため、ワイヤーと加工物との間の放電範囲が広い)では該スリット部の幅を広くすることができる。
請求項1の発明によれば、型部材の少なくとも一部を構成する埋め金の溝部に、該埋め金の周囲の溝部に設けた隙間部に連通するようにスリット部を設けて、キャビティ内のガスを排出させるようにしたため、ガス抜き用の隙間部を設けるための埋め金の個数を減らすことができ、型部材の製作及び組み立てコストを低減することができる。
請求項2の発明によれば、注入口から所定距離以上、離れた位置に配設されている埋め金にスリット部を設けるようにしたため、ガスの溜まりやすい部分から効率よくガス抜きを行うことができ、ガス抜きの効果を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、スリット部の深さが隙間部に連通する部分で所定以上の深さになるようにしたため、成形材料が前記スリット部に進入しても該スリット部内にガスの移動スペースを確保することができ、十分なガス抜き効果を得ることができる。
請求項4の発明によれば、スリット部の深さを変化させて相対的に深いところではスリット幅を狭くするようにしたため、前記請求項3の発明の効果をより確実なものとすることができるとともに、スリットの加工時間及びコストの低減を図ることができる。また、スリットの浅い部分に成形材料が進入した場合でも発生するバリを小さくすることができる。
請求項5の発明によれば、車両のバンパーと一体成形され、構造が複雑なグリル部でも請求項1〜4の発明の効果を得ることができる。
請求項6の発明によれば、十分なガス抜きの効果が得られるとともに、型部材のコスト低減やバリ低減などの請求項1〜4の発明の効果を格子部に限らず得ることができる。
請求項7の発明によれば、ワイヤーカット放電加工を用いてスリット部の加工を行うことにより、請求項4、6の発明の構成を容易に実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る射出成形装置の成形型Aの概略構成を示しており、この成形型Aは、格子状のグリル部(格子部)を備えた自動車のフロントバンパーを射出成形するためのものであり、前記フロントバンパーの形状が凸状に形成されていて、該フロントバンパーの裏面を成形する裏面成形面3を有する裏面成形型1(型部材)と、前記フロントバンパーの形状が凹状に形成されていて、該フロントバンパーの表面を成形する表面成形面4を有する表面成形型2(型部材)とを備えている。
そして、前記裏面成形型1の裏面成形面3と前記表面成形型2の表面成形面4とを互いに対向するように組み合わせることにより、図2(図1のI−I断面)に示すように、該裏面成形面3と表面成形面4との間にはバンパー形状のキャビティ5が形成されるようになっており、また、前記裏面成形型1の上下2カ所には、前記キャビティ5に連通するゲート1a,1b(注入口)を形成するための溝部が設けられている。このゲート1a,1bから前記キャビティ5に溶融状態の材料を注入して、冷却固化させることにより、フロントバンパーが成形される。
なお、前記ゲート1a,1bは、図1に示すように、前記キャビティ5の長手方向(図では横方向)中央付近の上部及び下部にそれぞれ連通しているため、そのゲート1a,1bからそれぞれ前記キャビティ5内に注入された射出成形材料は、当該キャビティ5の上下両側から中央部分に向かい、且つそれぞれ左右に拡がりながら流れるようになっている。
このとき、前記射出成形材料には、前記キャビティ5内のガスや該射出成形材料から発生したガス等が混入した状態になっており、格子状のリブにより構成されている前記グリル部などのように構造が複雑で、射出成形材料同士の会合箇所が多数あるような部分では、ガスが溜まりやすくなっている。そのため、前記グリル部を成形する場合には、型外へ連通する通路を型部材に設けて、その通路からガスを排出させるようにしている。
以下で、ガス抜き構造を設けた射出成形装置Aについて詳細に説明する。
前記裏面成形型1の裏面成形面3は、フロントバンパーを含む車体前部を成形するためのバンパー成形部10と、グリル部を成形するためのグリル成形部20とにそれぞれ分かれて形成されており、該グリル成形部20はボルト等により前記バンパー成形部10に固定されている。
前記グリル成形部20は、図3に示すように、前記バンパー成形部10に固定される本体部21と、該本体部21にボルト等により固定される複数の埋め金22とを備えている。前記本体部21及び埋め金22には、それぞれ略台形状の断面を有する複数の溝部23,24が設けられていて、後述するように、前記本体部21の所定位置に埋め金22を取り付けることにより前記溝部23,24が格子状に構成されるリブ成形部26(格子成形部、図4参照)を形成するようになっている。そして、このリブ成形部26の溝部23,24に前記射出成形材料を注入することにより、前記グリル部の格子状のリブが成形される。
なお、前述のとおり、射出成形材料はキャビティ5内をその上下両側から中央部に向かい、且つ長手方向の略中央から左右に拡がって流れるので、前記リブ成形部26においても射出成形材料は、該リブ成形部26の上下両側から中央付近に向かい、且つ左右方向に拡がるようにして溝部23,24に沿って流れることになる。ここで、前記リブ成形部26では前記溝部23,24が格子状に構成されているため、該溝部23,24に沿って流れた射出成形材料は、多くの箇所で会合することになる。このように、射出成形材料は、会合しながら前記リブ成形部26の端部へ流れていくため、前記射出成形材料に混入しているガスは、射出成形材料が会合する会合部や前記リブ成形部26の端部等に集まりやすくなっている。
前記グリル成形部20の本体部21は、図3に拡大して示すように、前記溝部23が形成されている本体リブ成形部21aと前記リブ成形部26を囲むように設けられている枠部21bとが一体に形成されたもので、前記本体リブ成形部21aには、前記埋め金22を組み付けるためのスペース21cが溝部23に沿うように設けられており、そのスペース21cには該埋め金22を固定するためのピン穴21dやボルト穴21eが設けられている。また、前記スペース21cには、本体部21を厚み方向に貫通するようにガス排出通路21f(通路、図5参照)が開口しており、詳しくは後述するが、射出成形材料が前記リブ成形部26に対応するキャビティ5内に注入された際に、該キャビティ5内から型外へガスを排出するようになっている。さらに、前記スペース21cの周囲には、溝部23の一部を長手方向に半割にした半溝部21gが設けられている。
前記スペース21cに組み付けられる埋め金22の周囲にも半溝部22aが設けられており、該埋め金22の表面には半溝部22aに交わるように前記溝部24が設けられている。また、該埋め金22には、それを本体部21に固定するためのボルトが貫通する貫通穴22bが設けられており、該埋め金22の裏側には、本体部21のピン穴21dに係合する位置決め用のピン部22cが設けられている。
以上のような構成を有する埋め金22を本体部21に組み付けると、その埋め金22及び本体部21にそれぞれ設けられた前記溝部23,24により格子状のリブを成形する前記グリル成形部26が図4のように構成される。このとき、前記埋め金22の半溝部22aは、他の埋め金22に設けられている半溝部22aや本体部21に設けられている半溝部21gとその底部で組み合わせられて、以下に述べる分割溝部25を構成するようになっている。
前記分割溝部25には、図5の(a)、(b)、(c)(それぞれ図4のII−II断面、III−III断面、IV−IV断面)に示すように、その幅方向の略中央、すなわち前記半溝部22aと半溝部21d(または他の半溝部22a)との間に微小な隙間(隙間部27、図4では太い実線で示す)が開口している。そして、該隙間部27が、埋め金22の下部と本体部21との間の隙間部28(通路)に連通し、この隙間部28が前記本体部21のガス排出通路21fに連通している。
このような構成にすることで、前記キャビティ5内に注入された射出成形材料が前記分割溝部25に流れ込んだ際に、該分割溝部25のガスを前記隙間部27,28からガス排出通路21fへ流して、型外へ排出することができる。
しかしながら、上述のように埋め金22の周囲に分割溝部25及び隙間部27を設けてガスを排出するためには、ガスの溜まる可能性のある部位のすべてにガス抜き用の隙間部27を設けなければならず、そのためには非常に多くの埋め金22が必要になるので、現実的とは言い難い。
そこで、この実施形態では、埋め金の個数を削減するために、以下のように、前記埋め金22の溝部24の底部24aにスリット部24b(図4では点線で示す)を設けている。このスリット部24bは、前記隙間部27とは異なり、埋め金22の裏側の隙間部28に直接、連通していないが、後述するように、該スリット部24bの両端で前記隙間部27に連通しているため、射出成形材料が溝部24に流れ込んだ場合には、該溝部24のスリット部24bによりガスを前記隙間部27へ排出できるようになっている。
前記スリット部24bの長さ方向の断面である縦断面は、図6(図4のV−V断面)に示すように、その深さが一方で浅くなり他方で深くなるような略台形状に形成されており、該スリット部24bの端部24c,24dで前記隙間部27に連通している。そして、スリットの深さが深い方のスリット端部24cでは、その部分に射出成形材料が進入しても、ガスが前記隙間部27へ移動するのに十分なスペースを確保できるような深さになっている。
また、前記スリット部24bは、図7((a)スリット部24bを上方から見た場合と(b)スリット部24bの縦断面)に示すように、その幅が長さ方向に変化しており、該スリット部24bの深さが浅いスリット端部24dでは広く、深いスリット端部24cでは狭くなるように形成されている。
前記スリット部24bを上述のような形状にすることにより、スリット部24bが前記隙間部27に連通しているスリット端部24cでは、そのスリット深さが十分深くなっているとともに、その幅が相対的に狭くなっているため、射出成形材料が前記スリット部24b内に進入しにくいうえ、仮に前記射出成形材料が進入した場合でもガスが前記隙間部27へ移動するための十分なスペースを該隙間部27との連通部分で確保することができる。したがって、スリットの深い部分では、射出成形材料の進入により発生するバリを低減させて成形品の外観上の見栄えを向上させることができるとともに、十分なガス抜き性を確保することができる。
また、スリットの深さを長さ方向に変化させることにより、スリット全体を深く加工することなく、前記隙間部27に連通する部分(スリット端部24c)でガス抜き性を確保することができるため、加工時間の短縮及び加工コストの低減を図ることができる。なお、前記スリット部24bの幅が相対的に広いスリット端部24dに射出成形材料が進入した場合には、その部分の深さが相対的に浅いため、前記射出成形材料の進入によって形成されるバリを比較的小さくすることができる。
上述のようなスリット部24bの形状はワイヤーカット放電加工により容易に形成することができる。このワイヤーカット放電加工は、ワイヤーと加工物との間に放電を生じさせて、その放電により加工を行うものであり、該ワイヤーカット放電加工により溝加工を行う場合には、該ワイヤーと加工物との間の放電範囲の変化によって加工される溝幅が変化するという特性を有している。具体的には、ワイヤーと加工物との間の放電範囲が大きくなると、該ワイヤーと加工物との間の放電量が増加し、これによりワイヤーの振動が大きくなるため、加工溝の幅が広くなるという特性である。
上述のようなワイヤーカット放電加工の特性を利用して、前記スリット部24bを加工する際に、該スリット部24bの深さが変化するように前記埋め金22に対して斜めに加工すれば、最初に前記ワイヤーが埋め金22に近づいた部分(加工によりスリットの深さが深くなる部分)では、放電量が少ないため幅の狭い溝が形成され、その後、ワイヤーと埋め金22との間で放電範囲が徐々に大きくなるに従い、形成される溝の幅は広くなっていく。このようにしてワイヤーカット放電加工を行うことにより、上述のように、深さが浅い部分では幅が広く、深い部分では幅が狭くなるような形状のスリット部24bを形成することができる。
ここで、ワイヤーカット放電加工で用いるワイヤーは、加工性及び形成されるスリットの幅を考慮すると直径0.1mmのものが好ましいが、この限りではなく、射出成形材料に用いる材料や、ガス抜き性等を考慮してワイヤーの直径を変更するようにしてもよい。
以上の構成により、バンパーの成形の際に、裏面成形型1のリブ成形部26の溝部24からスリット部24bを介してガスを隙間部27へ排出し、隙間部28及びガス排出通路21fにより型外へ排出することができる。このため、前記リブ成形部26でガスの溜まる可能性のあるすべての部位に隙間部27を設ける必要がなくなり、このことで、埋め金の分割数を大幅に削減することができる。
なお、前述のとおり、射出成形材料は、前記リブ成形部26をその上下両側から中央に向かい、且つ長手方向の略中央から左右に拡がって流れていくため、該リブ成形部26の中央付近にはほとんどガスが溜まらないが、該リブ成形部26の端部ではガスが溜まりやすくなっている。そのため、上述のような隙間部27やスリット部24bを前記リブ成形部26の全てに設ける必要はなく、射出成形材料をキャビティ5内に注入したときの様子を計算シミュレーション等の解析により求められるガスの溜まりやすい位置に設ければよい。
(その他の実施形態)
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、自動車のバンパーに一体成形されたグリル部のリブを成形するための溝部24に、上述のような縦断面及び横断面を有するスリット部24bを設けるようにしているが、これに限らず、どのような断面形状を有するスリットを設けるようにしてもよいし、射出成形材料の会合する部分があれば、どのような形状の型部材でも、その会合部分に上述のような断面形状を有するスリットを設けるようにしてもよい。なお、前記実施形態では、複数の埋め金22等で構成した溝部23,24及び分割溝部25によってリブを成形するようにしているが、表面成形型2にも前記溝部23,24及び分割溝部25と対応する位置に浅い溝部を設けてリブを成形するようにしてもよい。
前記実施形態では、スリット部24bを形成するためにワイヤーカット放電加工を用いるようにしているが、この限りではなく、エッチング等の化学的な加工法やレーザビームによる加工法などを用いて加工するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、スリット部24bを裏面成形型1の裏面成形面3に設けるようにしているが、この限りではなく、表面成形型2の表面成形面4に設けるようにしてもよいし、裏面成形型1及び表面成形型2の両方に設けるようにしてもよい。
以上説明したように、本発明は、射出成形装置においてガス抜き用の隙間を形成するために必要な埋め金の個数を削減することができるから、例えば、自動車用バンパーなどのように複雑な形状を有するものの成形に特に有用である。
本発明に係る射出成形装置の成形型の概略構成図である。 図1記載の成形型のI−I線における断面図である。 グリル成形部の構造を示す分解斜視図である。 リブ成形部を平面視で見た図である。 図4記載の(a)II−II線、(b)III−III線、(c)IV−IV線におけるグリル成形部の断面図である。 図4記載のV−V線におけるグリル成形部の断面図である。 埋め金の溝部に設けたスリット部の(a)上面図、(b)縦断面図である
符号の説明
A 射出成形装置の成形型
1 裏面成形型(型部材)
1a,1b ゲート(注入口)
2 表面成形型(型部材)
5 キャビティ
20 グリル成形部(格子部)
21f ガス排出通路(通路)
22 埋め金
24 埋め金の溝部
24b スリット部
24c 深いスリット端部
24d 浅いスリット端部
26 リブ成形部(格子成形部)
27 隙間部
28 隙間部(通路)

Claims (7)

  1. 型部材に設けた注入口からキャビティ内に溶融状態の成形材料を注入して、格子部を有する成形品を成形する際に、該格子部に対応するキャビティ内からガスを排出するための射出成形装置のガス抜き構造において、
    前記型部材は、前記格子部のリブを成形するための複数の溝部が格子状に設けられている格子成形部を備えており、
    前記格子成形部の少なくとも一部は、前記溝部に沿って区分された複数の埋め金によって構成され、
    前記埋め金の周囲の溝部に形成された隙間部が、前記キャビティ内からガスを排出する通路に連通するとともに、
    前記埋め金の表面に形成された溝部には、長さ方向の端部のうちの少なくとも一方が前記隙間部に連通するようにスリット部が設けられていることを特徴とする射出成形装置のガス抜き構造。
  2. 請求項1の射出成形装置のガス抜き構造において、
    スリット部は、型部材の注入口から所定距離以上、離れて配設されている埋め金の溝部に設けられていることを特徴とする射出成形装置のガス抜き構造。
  3. 請求項1または2のいずれかの射出成形装置のガス抜き構造において、
    スリット部は、隙間部に連通する長さ方向の端部において所定以上の深さになるように形成されていることを特徴とする射出成形装置のガス抜き構造。
  4. 請求項3の射出成形装置のガス抜き構造において、
    スリット部は、その長さ方向に深さ及び幅が変化していて、前記スリット部の深さが相対的に深いところでは、前記スリット部の幅が相対的に狭くなっていることを特徴とする射出成形装置のガス抜き構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか一つの射出成形装置のガス抜き構造において、
    成形品は、車両のバンパーであり、そのグリル部が格子部であることを特徴とする射出成形装置のガス抜き構造。
  6. 型部材に設けた注入口からキャビティ内に溶融状態の成形材料を注入して成形品を成形する際に、前記キャビティ内からガスを排出するための射出成形装置のガス抜き構造において、
    前記型部材には、前記キャビティ内からガスを排出させる排出通路と、前記注入口から注入された成形材料の会合する部位の近傍でキャビティに臨んで開口し、前記排出通路に連通するスリット部とが設けられており、
    前記スリット部は、前記排出通路に連通する部分の少なくとも1箇所で所定以上の深さを有し、且つ前記スリット部の長さ方向に深さ及び幅が変化していて、前記スリット部の深さが相対的に深いところでは、前記スリット部の幅が相対的に狭くなるように形成されていることを特徴とする射出成形装置のガス抜き構造。
  7. 請求項4または6のいずれかの射出成形装置のガス抜き構造において、
    スリット部は、ワイヤーカット放電加工により形成されていることを特徴とする射出成形装置のガス抜き構造。
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