JP6277910B2 - 車両用組み付け構造及び車両用組み付け部の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1に記載の構造では、リヤバンパカバーの開口部にカバー取付部材を組み付けるようにしている。より詳細には、カバー取付部材には、平面状の基板部から垂直に延びた平板状の立壁部が設けられており、この立壁部にはかんぬき孔が形成されている。また、リヤバンパカバーには、板状の平面部に係合孔が形成されており、この係合孔に対してカバー取付部材の立壁部を挿入した後、クリップ状のかんぬき部材を立壁部のかんぬき孔に挿入することにより、リヤバンパカバーの開口部へのカバー取付部材の組み付けが行われる。
同構成によれば、かんぬき孔に挿入されたかんぬき部材が一対の脚部間において回動する場合でも、その回動量は上記段部によって規制される。そのため、同段部を設けない場合と比較してかんぬき部材のがたつきを抑えることができる。
なお、各図において、車両の前後方向を矢印Lで示すとともに、車両の前方向を「Fr」、車両の後ろ方向を「Rr」と示す。また、車両の上下方向を矢印Hで示すとともに、車両の上方向を「Up」、車両の下方向を「Dn」と示す。また、車幅方向を矢印Wで示すとともに、車両の右側方向を「R」、車両の左側方向を「L」と示す。
この図3に示されるように、アッパバンパ100において、ロアバンパ200の基板部21と向かい合う面であって係合孔10の周囲には、基板部21に向かって突出するリブ11が係合孔10を挟んで2つ形成されている。
図4に示すように、立壁部22は、基板部21から垂直に延びた第1脚部22a及び第2脚部22bといった一対の脚部と、それら一対の脚部において基板部21側の端部とは反対側の端部を繋ぐ連結部22cと、で構成される門形状をなしている。そして、第1脚部22a及び第2脚部22bの間にかんぬき孔24が形成される。なお、立壁部22は、一対の脚部の間にかんぬき孔が形成される門形状の車両用組み付け部を構成する。
第2脚部22bは、基板部21の突出部23から上方に向けて略垂直に延びた後、クリップ30の挿入方向A1と平行な方向に屈曲し、再び上方に向けて略垂直に延びている。これにより第2脚部22bの上部には、クリップ30が挿入される側の部位に階段状の第2段部22b1が形成されている。この第2段部22b1も、第1段部22a1と同様に、第2脚部22bにおいてクリップ30の側面が接触する部位を少なくとも含むように形成されている。
図8に示すように、冷却工程が完了すると、第1キャビティCA1には第1脚部22aが成形され、第2キャビティCA2には第2脚部22bが成形される。そして、第1金型300と第2金型400とを離間させて、固化した合成樹脂材料SRを、つまり第1脚部22a及び第2脚部22bを備えるロアバンパ200を抜き出す抜き出し工程が実施されることにより、ロアバンパ200の成形が完了する。
図11に示すように、冷却工程が完了すると、第3キャビティCA3及び第4キャビティCA4には、係合孔10の外周を構成する平面部110が成形される。また、第3キャビティCA3にて成形された平面部110と第4キャビティCA4にて成形された平面部110との間には係合孔10が形成される。
(1)図4等に示したように、かんぬき孔24の形成された立壁部22は、第1脚部22a及び第2脚部22bからなる一対の脚部を有している。そして、それら一対の脚部を構成する第2脚部22bは、第1脚部22aに対してクリップ30の挿入方向A1にオフセットした位置に設けられている。このように一対の脚部が互いにオフセットされているため、クリップ30の挿入方向A1における立壁部22の剛性が高くなる。従って、かんぬき孔24が形成された部位の剛性が高まるようになる。そのため、例えば立壁部22の変形を抑えたり、立壁部22の変形に起因したアッパバンパ100とロアバンパ200との組み付け強度の低下などを抑えることも可能になる。
仮に、車両の前後方向における基板部21の長さL1を、本実施形態よりも長くした場合には、基板部21を形成するために第1金型300に設けられる凹部340の掘り込み深さを、同図14に二点鎖線にて示すように、より一層深くする必要がある。
そして、図9に示したように、係合孔10の外周を構成する平面部110を成形するための第3キャビティCA3及び第4キャビティCA4は、各金型500、600の移動方向に対して直交する方向にお互いの形成位置がずらされている。より詳細には、図11に示したように、第3金型500及び第4金型600の移動方向に対して平行な方向から、第3キャビティCA3にて成形された平面部110と第4キャビティCA4にて成形された平面部110とを見たときに(図11に示す矢印G方向から見たときに)、第3キャビティCA3にて成形された平面部110に対する、第4キャビティCA4にて成形された平面部110のオフセット量OF2は、それら各平面部110がお互いに重なる領域の生じないオフセット量となるように設定されている。
・図15に示すように、第1脚部22aの上部であって、クリップ30が挿入される側とは反対側の部位に階段状の第1段部22a1を形成してもよい。また、第2脚部22bの根元であって、クリップ30が挿入される側の部位に階段状の第2段部22b1を形成してもよい。この変形例でも、上記実施形態における第1段部22a1や第2段部22b1と同等の作用効果を得ることができる。
・第1段部22a1を形成するための第1脚部22aの形状や、第2段部22b1を形成するための第2脚部22bの形状は、適宜変更することができる。この場合でも、上記(4)以外の作用効果を得ることができる。
・リブ11を省略してもよい。この場合でも、上記(6)以外の作用効果を得ることができる。
・第1脚部22a及び第2脚部22bは、クリップ30の挿入方向に対して直交する方向であって且つ各脚部の並び方向から見たときに、第1脚部22aと第2脚部22bとで重なる領域が生じないようにオフセットするようにしたが、第1脚部22aと第2脚部22bとで重なる領域が生じるようにオフセットさせてもよい。この場合でも、上記(2)及び(7)以外の作用効果を得ることができる。
・金型を使って立壁部22を成形するようにしたが、金型以外の方法、例えば切削等で立壁部22を形成してもよい。この場合でも、少なくとも上記(1)及び(3)に記載の作用効果を得ることができる。
・上記実施形態における車両用組み付け構造及び車両用組み付け部の製造方法は、車両のリヤバンパに適用されていたが、車両における他の部材同士の組み付けに、例えば車室内の内装部品同士の組み付け等にも適用可能であり、この場合にも、上記実施形態に準じた作用効果を得ることができる。
Claims (4)
- 車両に設けられる第1部材と第2部材とを組み付ける構造であって、
前記第1部材は、係合孔が形成された板状の平面部を有しており、
前記第2部材は、平面状の基板部と、前記基板部から垂直に延びた一対の脚部と前記一対の脚部において前記基板部側の端部とは反対側の端部を繋ぐ連結部とで構成される門形状の立壁部と、前記一対の脚部の間に形成されるかんぬき孔とを有しており、
前記係合孔に前記立壁部を挿入した後、かんぬき部材を前記かんぬき孔に挿入することにより、前記第1部材と前記第2部材とが組み付けられるとともに、
前記一対の脚部を構成する一方の脚部は、他方の脚部に対して前記かんぬき部材の挿入方向にオフセットした位置に設けられており、
前記一対の脚部は、前記かんぬき部材の挿入方向に対して直交する方向であって且つ各脚部の並び方向から見たときに、前記一方の脚部と前記他方の脚部とで重なる領域が生じないようにオフセットされている
車両用組み付け構造。 - 車両に設けられる第1部材と第2部材とを組み付ける構造であって、
前記第1部材は、係合孔が形成された板状の平面部を有しており、
前記第2部材は、平面状の基板部と、前記基板部から垂直に延びた一対の脚部と前記一対の脚部において前記基板部側の端部とは反対側の端部を繋ぐ連結部とで構成される門形状の立壁部と、前記一対の脚部の間に形成されるかんぬき孔とを有しており、
前記係合孔に前記立壁部を挿入した後、かんぬき部材を前記かんぬき孔に挿入することにより、前記第1部材と前記第2部材とが組み付けられるとともに、
前記一対の脚部を構成する一方の脚部は、他方の脚部に対して前記かんぬき部材の挿入方向にオフセットした位置に設けられており、
前記一対の脚部において前記かんぬき部材が接触する部位には、階段状の段部が設けられている
車両用組み付け構造。 - 前記第1部材において前記基板部と向かい合う面であって前記係合孔の周囲には、前記基板部に向かって突出するリブが形成されている
請求項1または2に記載の車両用組み付け構造。 - 一対の脚部の間にかんぬき孔が形成される門形状の車両用組み付け部を金型で製造する方法であって、
第1金型と第2金型とを組み合わせることで形成されるキャビティに融解させた材料を充填する充填工程と、
前記キャビティに充填された前記材料を冷却して固化させる冷却工程と、
前記第1金型と前記第2金型とを離間させて固化した前記材料を抜き出す抜き出し工程とを含んでおり、
前記第1金型及び前記第2金型は、Z字形状の合わせ面を有しており、前記第1金型と前記第2金型とを組み合わせた状態において、Z字形状をなす前記合わせ面での錯角の位置には、前記脚部を成形するためのキャビティを構成する切り欠き部がそれぞれ形成されている
ことを特徴とする車両用組み付け部の製造方法。
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