JP2014213505A - 二色成形品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型の設備を用いて、低コストに、且つ表面へのバリの発生を防止しながら、二色成形品を有利に製造し得る技術を提供する。
【解決手段】一次成形型70の一次成形キャビティ104内で一次成形体12を射出成形した後、一次成形体12を一次成形キャビティ104内から取り出し、次いで、一次成形体12の少なくとも一部を収容する収容部140が、成形直後から収容部に収容されるまでの間に寸法変化したときの一次成形体12の被収容部分に対応する大きさをもって形成された二次成形型72を用いて、一次成形体12の被収容部を収容部140内に収容した後、一次成形体12が内部に位置するように形成された二次成形キャビティ146で、二次成形体を一次成形体12に積層した状態で成形するようにした。
【選択図】図11

Description

本発明は、二色成形品の製造方法と製造装置に係り、特に、一次成形体に対して、二次成形体を接合状態で又は非接合状態で積層してなる構造の二色成形品を有利に製造する方法と装置とに関するものである。
従来から、複合製品の一種として、樹脂材料やエラストマ材料、ゴム材料等の射出成形可能な材料からなる第一の材料を用いた一次射出成形により成形される一次成形体に対して、第一の材料とは種類や特性、色等が異なる、射出成形可能な第二の材料を用いた二次射出成形により成形される二次成形体を、接合状態で又は非接合状態で積層してなる構造の二色成形品がある。このような二色成形品は、例えば、自動車や電気製品における各種の意匠部品や機能部品等に使用されている。
ところで、二色成形品は、例えば、特開2009−78436号公報(特許文献1)等に明らかにされるような製造装置を用いて製造される。この二色成形品の製造装置は、互いに対向配置された第一の上型及び第一の下型と、互いに対向配置された第二の上型及び第二の下型と、第一及び第二の下型がそれぞれ設置された、一軸回りに回転するターンテーブルと、第一及び第二の二つの射出装置とを含んで、構成されている。また、かかる製造装置の第一の下型と第二の下型は、互いに同一形状のキャビティ面を有している一方、第一の上型と第二の上型は、互いに異なるキャビティ面を有している。
そして、そのような製造装置を用いて、目的とする二色成形品を製造する際には、先ず、第一の上型と第一の下型とを型閉じして、それらの間に一次成形キャビティを形成した後、第一の材料を、第一の射出装置から一次成形キャビティ内に射出充填して、一次成形体を成形する。次いで、第一の上型と第一の下型とを型開きして、成形された一次成形体を第一の下型に保持させた状態でターンテーブルを回転させることにより、第一の下型が第二の上型に対応位置する一方、第二の下型が第一の上型に対応位置するように、第一の下型と第二の下型との配置換えを行う。その後、第二の上型と第一の下型とを型閉じして、それらの間に二次成形キャビティを、内部に一次成形体を位置させた状態で形成する一方、第一の上型と第二の下型とを型閉じして、それらの間に一次成形キャビティを形成する。そして、その後、第二の材料を、第二の射出装置から二次成形キャビティ内に射出充填する。これにより、二次成形キャビティ内で、二次成形体を成形すると共に、それを一次成形体に積層し、以て、目的とする二色成形品を製造する。また、その一方で、一次成形キャビティ内で、一次成形体を成形する。その後、第二の上型と第一の下型とを型開きすると共に、第一の上型と第二の下型とを型開きして、二色成形品を離型させた後、ターンテーブルを再び回転させる。そして、上記の操作を繰返し実施するのである。
このような従来の二色成形品の製造方法によれば、目的とする二色成形品を連続的に次々と製造することができる。しかしながら、かかる従来手法では、一次成形体を成形する毎に、ターンテーブルを回転させて、重量の大きな第一の下型と第二の下型との位置を換える配置換えが行われる。そのため、これまでは、従来手法を実施するのに、大型で設置コストの高いターンテーブルの回転機構を備えた、大型で且つ高価な製造装置が使用されていた。従って、そのような従来手法によって二色成形品を製造する際には、製造装置の設置に大きなスペースが必要となり、しかも、製造装置が高価である分だけ、二色成形品の製造コストが高くなってしまうことが避けられなかったのである。
また、従来手法では、一次成形体を成形してから、それを保持する第一の下型と第二の下型との配置換えを行い、そして、第一の下型と第二の上型との型合せにより二次成形キャビティを形成するまでの間に、例えば、一次成形体が、冷却により収縮し、そのために、一次成形体が二次成形キャビティ内に配置されたときに、一次成形体と第一の下型のキャビティ面との間にスキが生ずる可能性があった。そして、そのようなスキが生じた場合には、二次成形キャビティ内に第二の材料を射出充填したときに、第二の材料が、一次成形体と第一の下型のキャビティ面との間のスキに侵入し、それによって、一次成形体の表面、ひいては目的とする二色成形品の表面にバリが生ずる恐れがあったのである。
特開2009−78436号公報
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、可及的に設置スペースの小さい小型の設備を用いて、低コストに、しかも、表面へのバリの発生を効果的に防止しながら、二色成形品を有利に製造し得る方法を提供することにある。また、本発明は、設置スペースの省スペース化が有利に図られ得ると共に、二色成形品の製造コストの低減化と製造時におけるバリの発生の防止とが効果的に実現可能な二色成形品の製造装置を提供することをも、その解決課題とするものである。
そして、本発明は、かかる課題の解決のために、第一の材料を用いた一次射出成形により成形される一次成形体に対して、第二の材料を用いた二次射出成形により成形される二次成形体を積層してなる構造の二色成形品の製造方法であって、(a)前記一次射出成形を行うための一次成形型を用い、該一次成形型を型閉じして、前記一次成形体を成形するための一次成形キャビティを形成する工程と、(b)該一次成形キャビティ内に前記第一の材料を射出充填して、前記一次成形体を成形する前記一次射出成形を行う工程と、(c)前記一次成形型を型開きして、前記一次成形により形成された前記一次成形体を前記一次成形キャビティ内から取り出す工程と、(d)前記一次成形体の少なくとも一部からなる被収容部分を収容する収容部を備えると共に、該収容部の大きさが、成形直後から該収容部に収容されるまでの間に寸法変化したときの該一次成形体の該被収容部分に対応する大きさにおいて設定された、前記二次射出成形を行うための二次成形型を用い、前記一次成形キャビティ内から取り出された前記一次成形体を、その取出し位置から移送して、該一次成形体の前記被収容部を該二次成形型の前記収容部内に収容する工程と、(e)前記一次成形体の被収容部が前記収容部内に収容された状態で前記二次成形型を型閉じして、前記二次成形体を成形するための二次成形キャビティを、該一次成形体が内部に位置する状態において形成する工程と、(f)前記二次成形キャビティ内に前記第二の材料を射出充填して、前記二次成形体を、該二次成形キャビティ内に位置する前記一次成形体に積層した状態で成形する前記二次射出成形を行う工程とを含むことを特徴とする二色成形品の製造方法を、その要旨とするものである。
また、本発明は、第一の材料を用いた一次射出成形により成形される一次成形体に対して、第二の材料を用いた二次射出成形により成形される二次成形体を積層してなる構造の二色成形品の製造装置であって、(a)前記一次成形体を成形するための一次成形キャビティを、型閉じにより形成する一次成形型と、(b)該一次成形型に形成される前記一次成形キャビティ内に、前記第一の材料を射出充填して、前記一次射出成形を行なう第一の射出装置と、(c)前記一次射出成形により、前記一次成形キャビティ内で形成された前記一次成形体を、該一次成形キャビティ内から取り出す取出装置と、(d)前記一次成形体の少なくとも一部からなる被収容部分を収容する収容部が設けられると共に、該収容部の大きさが、成形直後から該収容部に収容されるまでの間に寸法変化したときの該一次成形体の該被収容部分に対応する大きさにおいて設定され、そして、該一次成形体の被収容部分が該収容部内に収容された状態で型閉じされることにより、前記二次成形体を成形するための二次成形キャビティを、該一次成形体が内部に位置する状態において形成する二次成形型と、(e)前記一次成形キャビティ内から取り出された前記一次成形体を移送して、該一次成形体の前記被収容部を前記二次成形型の収容部内に収容させる移送装置と、(f)前記一次成形体が内部に位置する状態で前記二次成形型に形成された前記二次成形キャビティ内に、前記第二の材料を射出充填して、前記二次射出成形を行う第二の射出装置とを含んで構成されていることを特徴とする二色成形品の製造装置をも、また、その要旨とするものである。
すなわち、本発明に従う二色成形品の製造方法は、一次射出成形により一次成形体を成形した後、一次成形型や二次成形型の配置換えを何等行うことなく、一次成形型や二次成形型よりも十分に小型で且つ軽量の一次成形体のみを二次成形体側に移送して、二次成形型の収容部内に収容し、その後、二次射出成形を行うことによって、目的とする二色成形品を製造するようにしたものである。それ故、かかる本発明手法を実施する際には、従来手法の実施時とは異なって、重量物である一次成形型と二次成形型の配置換えを行うための大型で且つ高価な機構や装置を備えた製造装置を何等用いることなく、軽量の一次成形体を移送させるための小型で安価な機構や装置を備えた製造装置を用いることによって、目的とする二色成形品を製造することができる。
しかも、本発明に係る二色成形品の製造手法では、成形直後から収容部に収容されるまでの間に寸法変化したときの一次成形体の被収容部分に対応する大きさとされた収容部内に、一次成形体が収容され、そして、そのような一次成形体を内部に位置した状態で、二次成形キャビティが形成される。それ故、一次成形体が二次成形キャビティ内に配置された状態においては、一次成形体が収容部よりも小さいために、例えば、一次成形体と収容部の内側側面との間にスキが生じたり、或いは一次成形体が収容部よりも大きいために、例えば、一次成形体と収容部の内側底面との間にスキが生じたりすることが有利に回避される。そして、それによって、第二の材料を二次成形キャビティ内に射出充填したときに、第二の材料が、一次成形体と収容部との間のスキに侵入して、一次成形体の表面、ひいては目的とする二色成形品の表面にバリが発生するようなことが、効果的に防止され得る。また、一次成形体が収容部よりも大きいために、一次成形体の表面に、収容部との接触による傷が付いたりすることも、有利に回避され得る。
従って、かくの如き本発明に従う二色成形品の製造方法によれば、可及的に設置スペースの小さい小型の設備を用いて、低コストに、しかも、表面へのバリや傷の発生を効果的に防止しながら、二色成形品を有利に製造することができるのである。
そして、本発明に従う二色成形品の製造装置においても、上記した二色成形品の製造方法において奏される作用と実質的に同一に作用が奏され得る。従って、本発明装置にあっては、設置スペースの省スペース化が有利に図られ得ると共に、二色成形品の製造コストの低減化と製造時におけるバリや傷の発生の防止とが効果的に実現され得ることとなるのである。
本発明に従う構造を有する二色成形品の一実施形態を示す断面説明図であって、図2のI−I断面に相当する図である。 図1のII−II断面説明図である。 図1に示された二色成形品を一部品として有するマイク保持装置を示す断面説明図であって、図4のIII−III断面に相当する図である。 図3のIV−IV断面説明図である。 図1に示された二色成形品を製造する際に用いられる製造装置を示す断面説明図である。 図5に示された製造装置を用いて、二色成形品を製造する際に実施される工程の一例を示す説明図であって、一次成形型を型閉じして、一次成形キャビティを形成した状態を示している。 図6に示された工程に引き続いて実施される工程を示す説明図であって、一次成形キャビティ内に第一の材料を射出充填している状態を示している。 図7に示された工程に引き続いて実施される工程を示す説明図であって、一次成形キャビティ内で成形された一次成形体を一次成形キャビティ内から取り出した状態を示している。 図8に示された工程に引き続いて実施される工程を示す説明図であって、一次成形体を移送して、二次成形型の収容部内に収容した状態を示している。 図9に示された工程に引き続いて実施される工程を示す説明図であって、二次成形型を型閉じして、二次成形キャビティを、その内部に一次成形体が位置するように形成した状態を示している。 図10に示された工程に引き続いて実施される工程を示す説明図であって、二次成形キャビティに第二の材料を射出充填している状態を示している。 図11に示された工程に引き続いて実施される工程を示す説明図であって、成形された二色成形品を二次成形キャビティ内から取り出した状態を示している。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1及び図2には、本発明手法に従って製造される二色成形品の一例としてのリテーナケースが、互いに異なる方向に切断してなる二つの断面形態において、それぞれ示されている。それら図1及び図2から明らかなように、リテーナケース10は、一次成形体としてのケース本体12と、二次成形体としてのリテーナ14とを有している。そして、かかるリテーナケース10が、リテーナ14をケース本体12に積層してなる二色射出成形品として構成されているのである。
より具体的には、ケース本体12は、ここでは、ABS樹脂を用いた射出成形品からなっている。そして、全体として、長手矩形の筐体形状を呈し、長手方向に延びる二つの側壁部16a,16bと、長手方向において互いに対向位置して、二つの側壁部16a,16bを連結する二つの側壁部16c,16dと、断面略半円形状を呈する底壁部18とを一体的に有している。また、二つの側壁部16c,16dの互いの対向面とは反対側の面には、ケース本体12の長さ方向に延びるピン状の回転軸20が、それぞれ一つずつ一体形成されている。更に、底壁部18の略中央部には、貫通孔22が設けられている。
一方、リテーナ14は、エラストマを用いた射出成形品からなっている。そして、全体として、ケース本体12よりも一周り小さな長手矩形の筐体形状を呈し、ケース本体12と同様に、長手方向に延びる二つの側壁部24a,24bと、長手方向に対向位置して、二つの側壁部24a,24bを連結する二つの側壁部24c,24dと、断面略半円形状を呈する底壁部26とを一体的に有している。また、リテーナ14の開口部には、外フランジ部28が、開口部の全周に連続的に延びるように一体形成されている。更に、リテーナ14の長さ方向中間部には、溝部30が、長手方向に延びる二つの側壁部24a,24bと底壁部26に跨って、長手方向に対して直角な方向に延びるように設けられている。また、底壁部26の略中央部には、貫通孔32が形成されている。
そして、このようなリテーナ14が、各側壁部24a,24b,24c,24dと底壁部26とを、ケース本体12の各側壁部16a,16b,16c,16dと底壁部18の内面にそれぞれ重ね合わせた状態で、ケース本体12の内側に非接着で積層されていることにより、リテーナケース10が、それらリテーナ14とケース本体12の組付体として構成されているのである。
なお、ここでは、リテーナ14とケース本体12にそれぞれ設けられた貫通孔32,22が相互に連通しており、それによって、リテーナケース10(リテーナ14)の内側空間が、それらの貫通孔32,22を通じて、外部に連通している。また、リテーナ14の外フランジ部28が、ケース本体12の開口部から外部に突出して、ケース本体12の開口側端面に係合するように積層配置されている。
そして、かくの如き構造とされたリテーナケース10は、図3及び図4に示されるように、例えば、自動車等に搭載されるマイクを保持するためのマイク保持装置34の一部品として利用される。
すなわち、図3及び図4から明らかなように、マイク保持装置34の一部品として利用されるリテーナケース10には、エラストマからなるクッション体36が組み付けられている。このクッション体36は、リテーナ14の長手方向に対して直角な断面形状に対応した形状を呈する板状体からなり、リテーナケース14の溝部30に嵌合されて、リテーナケース10に装着されている。また、かかるクッション体36の中心部には、厚さ方向に貫通する装着孔38が設けられ、この装着孔38内に、小型のマイクエレメント40が嵌め込まれている。かくして、マイクエレメント40が、クッション体36を介して、リテーナケース10に取り付けられているのである。なお、マイクエレメント40には、リード線42,42が設けられており、それらのリード線42,42は、リテーナ14とケース本体12にそれぞれ設けられた貫通孔32,22を通じて、リテーナケース10の外部に延び出している。
そして、マイクエレメント40が取り付けられたリテーナケース10は、ハウジング44に組み付けられている。このハウジング44は、全体として、リテーナケース10よりも若干長い長手矩形状の筐体からなり、長手方向に延びる二つの側壁部50a,50bと、長手方向に対向位置して、それら二つの側壁部50a,50bを相互に連結する二つの側壁部50c,50dと、底壁部52とを一体的に有している。そして、長手の二つの側壁部50a,50bのうちの一方の側壁部50aには、その長さ方向の中間部に、切欠部54が形成されており、また、長さ方向の両側端部には、他方の側壁部50b側とは反対側に突出する板状支持突起56が、それぞれ一つずつ一体形成されている。更に、そのような各板状支持突起56の先端側部分には、それを厚さ方向に貫通する挿通孔58が形成されている。
また、ハウジング44内には、回路基板60が、底壁部52に重ね合わされるように嵌め込まれている。更に、かかるハウジング44には、その開口部を覆蓋するカバー48が、それに設けられた係合爪62を、ハウジング44の側壁部50cに設けられた係合孔64の内周面に係合させることによって取り付けられている。
そして、リテーナケース10が、ハウジング44の二つの板状支持突起56,56の間に配置された状態で、ケース本体12の二つの側壁部16c,16dのそれぞれに一体形成された回転軸20,20が、二つの板状支持突起56,56に設けられた挿通孔58,58にそれぞれ挿通されている。これにより、リテーナケース10が、ハウジング44に対して、回転軸20,20周りに回動可能に組み付けられているのである。
なお、リテーナケース10がハウジング44に組み付けられた状態下では、リテーナ14とケース本体12の各貫通孔32,22を通じてリテーナケース10の外部に延び出したマイクエレメント40の二つのリード線42,42が、ハウジング44の側壁部50aの切欠部54を通じて、ハウジング44内に挿入されて、回路基板60上の所定の素子(図示せず)に対して半田付けされている。
かくして、マイクエレメント40が取り付けられたリテーナケース10とハウジング44との組付体が構成され、この組付体によって、マイク保持装置34が形成されている。そして、このようなマイク保持装置34が、自動車の車室内に所定箇所に装着されるようになっているのである。
次に、上記の如き構造を有して、マイク保持装置34の一部品として利用されるリテーナケース10を、本発明に従って製造する方法について詳述する。
先ず、図5及び図6には、本発明手法によってリテーナケース10を製造する際に好適に用いられる製造装置の一例が示されている。それら図5及び図6から明らかなように、製造装置66は、型締装置68と一次成形型70と二次成形型72と第一の射出装置74と第二の射出装置76と第一の取出装置78と第二の取出装置80と移送装置82とを有して、構成されている。
より具体的には、型締装置68は、長手矩形の厚肉平板形状を呈する位置固定の固定盤84と、この固定盤84の四隅から下方に向かってそれぞれ延びる4本(図5及び図6には、2本のみを示す)のタイバー86,86と、固定盤84に対して、その下方に所定距離を隔てて対向配置された可動盤88と、可動盤88の下面に固定されて、上下方向において突出乃至引込作動するラム90を備えた型締シリンダ(図示せず)とを、更に有している。そして、可動盤88が、その四隅において、4本のタイバー86,86にそれぞれ挿通されて、それら各タイバー86に案内されつつ、上下方向に移動可能とされている。これにより、かかる型締装置68においては、型締シリンダによるラム90の上方への突出作動に伴って、可動盤88が、固定盤84に対して接近移動する一方、かかるラム90の突出作動状態からの下方への引込作動に伴って、可動盤88が、固定盤84から離隔移動するようになっている。なお、以下からは、便宜上、固定盤84と可動盤88のそれぞれの長さ方向(図5及び図6中の左右方向)を左右方向と言うこととする。
一次成形型70は、上下方向において互いに対向配置された上型92と下型94とを有している。そして、上型92は、固定盤84の下面の左側端部に固定された上型取付板96を介して、固定盤84の下面に取り付けられている。一方、下型94は、可動盤88の上面のうち、上型取付板96の鉛直下方に位置する部分に対して、左右方向に所定距離を隔てて対向位置する状態で固定された二つのスペーサブロック98,98を介して、可動盤88の上面に取り付けられている。
また、下型94の上面(上型92との対向面)の中央部には、一次成形キャビティ形成凹所100が設けられている。この一次成形キャビティ形成凹所100は、その内面形状が、目的とするリテーナケース10のケース本体12の外面形状に対応した形状とされている。一方、上型92の下面(下型94との対向面)の中央部には、一次成形キャビティ形成凸部102が一体形成されている。この一次成形キャビティ形成凸部102は、その外面形状が、目的とするリテーナケース10のケース本体12の内面形状に対応した形状とされている。
かくして、一次成形型70にあっては、型締装置68のラム90の突出作動に伴う可動盤88の固定盤84への接近移動により、上型92と下型94とが型閉じされるようになっている一方、ラム90の引込作動に伴う可動盤88の固定盤84からの離隔移動により、上型92と下型94とが型開きされるようになっている。そして、上型92と下型94とが型閉じしたときに、上型92の一次成形キャビティ形成凸部102が、下型94の一次成形キャビティ形成凹所100内に突入して、それら一次成形キャビティ形成凸部102と一次成形キャビティ形成凹所100との間に、ケース本体12の形状に対応した形状を有する一次成形キャビティ104が形成されるようになっている。
また、かかる一次成形型70の上型92には、上型取付板96に嵌め込まれたスプルーブッシュ106のスプルー108に連通するサブスプルー110が、上下方向に貫通して延びるように形成されている。更に、下型94の上面には、上型92と下型94との型閉じ状態において、それら上型92と下型94との間に、サブスプルー110と連通するランナー112とゲート114とを形成する凹溝116が設けられている。
第一の射出装置74は、第一の材料としてのABS樹脂を射出可能な、例えば、インラインスクリュ式の公知の構造を有し、固定盤84の左側端部の上方に、加熱筒118を上下方向に延出させた状態で配置されている。また、そのような配置状態下で、第一の射出装置74の加熱筒118の先端部が、固定盤84の左側端部に設けられた挿通孔120内に挿通されている。そして、かかる加熱筒118の先端部に取り付けられたノズル122の先端面が、上側取付板96に嵌め込まれたスプルーブッシュ106のノズルタッチ面124に当接位置している。これにより、後述するように、一次成形型70の型閉じ状態下で、第一の射出装置74から射出された溶融状態のABS樹脂からなる第一の溶融材料125が、スプルー108とサブスプルー110とランナー112とゲート114とを通じて、一次成形キャビティ104内に導入されるようになっている(図7参照)。
また、第一の取出装置78は、エジェクタピン126と、ピストンロッド128を備えたエジェクト用シリンダ(図示せず)とを有している。エジェクタピン126は、長手の棒材からなり、一次成形型70の下型94を可動盤88に取り付ける二つのスペーサブロック98,98の間に、上下方向に延び、且つ上下方向に移動可能に配置されている。また、このエジェクタピン126の上端部は、下型94の中央部を貫通して、その上端面が、一次成形キャビティ形成凹所100の底面と略面一となるように配置されている。一方、エジェクト用シリンダは、可動盤88の左側端部の下方に配置されており、このエジェクト用シリンダの突出乃至引込作動に伴って、ピストンロッド128が、上方に向かって突出し、又は下方に向かって引き込まれるようになっている。そして、かかるエジェクト用シリンダのピストンロッド128が、可動盤88の左側端部に設けられた挿通孔129内に挿通されて、このピストンロッド128の先端が、エジェクタピン126に取り付けられている。
かくして、第一の取出装置78においては、エジェクト用シリンダのピストンロッド128の突出作動によって、エジェクタピン126が上方に移動して、かかるエジェクタピン126の上端部が、下型94の一次成形キャビティ形成凹所100内に、その底面から突出するようになっている。また、そのような状態から、エジェクト用シリンダのピストンロッド128が引込作動することにより、エジェクタピン126が下方に移動して、エジェクタピン126の上端部の一次成形キャビティ凹所100内への突出状態が解消されるようになっている。
一方、二次成形型72は、上下方向において互いに対向配置された上型130と下型132とを有している。そして、この二次成形型72も、一次成形型70と同様に、上型130が、上側取付板134を介して、固定盤84の下面に取り付けられており、また、下型132が、二つのスペーサブロック136,136を介して、可動盤88の上面に取り付けられている。これにより、二次成形型72は、可動盤88の固定盤84に対する接近乃至離隔移動に伴って、上型130と下型132の型閉じと型開きが行われるようになっている。なお、このような二次成形型72の上型130と下型132の型開閉は、一次成形型70の上型92と下型94の型開閉と同時に実施される。
また、かかる二次成形型72における下型132の上面の中央部には、二次成形キャビティ形成凹所138が設けられている。この二次成形キャビティ形成凹所138は、その内面形状が、目的とするリテーナケース10の外面形状に対応した形状とされている。即ち、二次成形キャビティ形成凹所138においては、開口部の周辺部分が、リテーナケース10において、ケース本体12の開口部から外部に突出して、ケース本体12の開口側端面に積層配置されたリテーナ14の外フランジ部28の外周面に対応した形状とされており、また、そのような開口部の周辺部分を除く部分が、ケース本体12の外面形状に対応した形状とされている。
そして、製造装置66においては、そのような二次成形キャビティ形成凹所138のうち、開口部周辺部分を除いた、ケース本体12の外面形状に対応した部分が、収容部140とされている。換言すれば、ここでは、二次成形キャビティ形成凹所138の一部分にて、ケース本体12の全体を収容する収容部140が構成されている(つまり、ケース本体12の全体が被収容部分とされている)。そして、そのような収容部140の大きさが、特別な大きさとされているのである。
すなわち、後述するように、製造装置66を用いて、リテーナケース10を製造する際には、一次成形型70の一次成形キャビティ104内でケース本体12が成形されると、このケース本体12が、一次成形キャビティ104内から取り出された後、移送装置82によって移送されて、型開き状態とされた二次成形型72の下型132の収容部140内に収容される。このとき、ケース本体12は、一次成形キャビティ104内での成形直後から、収容部140内に収容されるまでの間に、成形直後のケース本体12よりも表面温度の低い一次成形型70との接触や、移送装置82にて移送される途中の空気との接触等により冷却されて、収縮する。そのため、このようなケース本体12は、収容部140内に収容されたときの大きさが、一次成形キャビティ104内での成形直後の大きさよりも所定寸法だけ小さくなっている。そこで、製造装置66では、一次成形キャビティ104内で成形されたケース本体12が、移送装置82にて移送されて、収容部140内に収容されたときに、ケース本体12の外面の全面が、収容部140の内周面との間に隙間を何等形成することなく、かかる内周面に接触するように、収容部14の大きさが、収縮して小さくなったケース本体12に対応する大きさに設定されているのである。
なお、このような収容部14の大きさは、例えば、目的とするリテーナケース10の試作を繰り返し行うことによって、或いは過去にリテーナケース10を製造したときに得られた経験等に基づいて、具体的に決定される。つまり、リテーナケース10の試作や過去の製造経験等を基に、ケース本体12の成形直後から、それを収容部140内に収容するまでの間に、ケース本体12が収縮した寸法や、その収縮率(ケース本体の成形直後の大きさに対するケース本体12の収容部140内への収容時の大きさの割合)を調べ、そして、その結果から、収容部14の幅や長さ、深さ等の種々の寸法が、適宜に決定されるのである。
一方、上型130の下面の中央部には、二次成形キャビティ形成凸部142が一体形成されている。この二次成形キャビティ形成凸部142は、その外面形状が、目的とするリテーナケース10のリテーナ14の内面形状に対応した形状とされている。そして、ここでは、かかる二次成形キャビティ形成凸部142の長さ方向(図5及び図6の紙面に垂直な方向)の中央部に、リテーナ14の内面に設けられた溝部30に対応した突条144が一体形成されている。
かくして、二次成形型72にあっては、図6に二点鎖線で示されるように、ケース本体12が、下型132の二次成形キャビティ形成凹所138の収容部140内に収容された状態下で、上型130と下型132とが型閉じされたときに、上型130の二次成形キャビティ形成凸部142が、二次成形キャビティ形成凹所138内に突入して、それら二次成形キャビティ形成凸部142と二次成形キャビティ形成凹所138との間に、二次成形キャビティ146が形成されるようになっている。そして、そのような二次成形キャビティ146が、その内部にケース本体12を位置させた状態で、リテーナ14の形状に対応した形状を呈するように構成されている。
また、二次成形型72には、一次成形型70と同様に、上型130にサブスプルー148が設けられる一方、下型132に凹溝149が設けられている。そして、かかる二次成形型72においては、上型130と下型132とが型閉じされたときに、サブスプルー148が、上側取付板134に嵌め込まれたスプルーブッシュ150のスプルー152に連通し、また、そのようなサブスプルー148に連通するランナー154とゲート156が形成されるようになっている。
第二の射出装置76は、第二の材料としてのエラストマを射出可能な、例えば、インラインスクリュ式の公知の構造を有し、固定盤84の右側端部の上方に、加熱筒158を上下方向に延出させた状態で配置されている。また、そのような配置状態下で、第二の射出装置80の加熱筒158の先端部が、固定盤84の右側端部に設けられた挿通孔160内に挿通されている。そして、かかる加熱筒158の先端部に取り付けられたノズル162の先端面が、上側取付板134に嵌め込まれたスプルーブッシュ150のノズルタッチ面164に当接位置している。これにより、後述するように、二次成形型72の型閉じ状態下で、第二の射出装置76から射出された溶融状態のエラストマからなる第二の溶融材料166が、スプルー152とサブスプルー148とランナー154とゲート156とを通じて、二次成形キャビティ146内に導入されるようになっている(図11参照)。
第二の取出装置80は、第一の取出装置78と同様な構造とされている。それ故、ここでは、図5及び図6において、第二の取出装置80を構成する部材に対して、第一の取出装置78を構成する部材と同一の符号を付すことにより、具体的な説明を省略する。そして、かかる第二の取出装置80においては、ピストンロッド128の突出作動に伴うエジェクタピン126の上方への移動により、エジェクタピン126の上端部が、下型132における二次成形キャビティ形成凹所138の収容部140内に、その底面から突出するようになっている。また、そのような状態から、ピストンロッド128が引込作動して、エジェクタピン126が下方に移動することにより、エジェクタピン126の上端部の一次成形キャビティ凹所100内への突出状態が解消されるようになっている。
一方、移送装置82は、一次成形型70と二次成形型72との間において、左右方向と図5及び図6の紙面に垂直な前後方向(以下、単に前後方向と言う)とに任意に移動可能な状態で、固定盤84よりも後方に配置されたロボットアーム168を有している。なお、このロボットアーム168は、例えば、ピニオンとラック等を含むギヤ機構と電動モータ(共に図示せず)との組み合わせからなる公知の移動装置等によって移動可能とされている。
また、ロボットアーム168には、複数(図5及び図6には二つのみを示す)のロッド170,170が、下端面から下方に延び出すように設けられている。それら複数のロッド170,170は、例えば、図示しない空気圧シリンダの突出乃至引込作動等に基づいて、ロボットアーム168の下面からの延出長さが可変とされている。
さらに、複数のロッド170,170の下端には、前後方向に延びる長手の部材からなる保持体172が、取り付けられている。この保持体172は、ロボットアーム168の左右方向と前後方向の移動に伴って、それと同一方向に移動するようなっていると共に、ロボットアーム168の下端面からの各ロッド170の延出長さが変化に伴って、上下方向に移動するようになっている。また、保持体172は、その後端部において、複数のロッド170,170に取り付けられていることにより、ロボットアーム168の前方への移動時に、前端部が、固定盤84と可動盤88との間に突入位置させられる一方、ロボットアーム168の後方への移動時に、全体が、固定盤84よりも後方側に配置されるようになっている。
そして、そのような保持体172の前端部には、一対の爪部174,174が、左右方向に所定距離を隔てて対向位置するように設けられている。これら一対の爪部174,174は、例えば、図示しない空気シリンダ等の突出乃至引込作動に伴って、互いに接近乃至離隔可能とされている。
かくして、移送装置82にあっては、後述するように、ケース本体12が成形された後、このケース本体12を、一対の爪部174,174にて挟持して、保持体172により保持しつつ、保持体172の上下方向や前後方向、左右方向への移動に伴って、任意の位置に移動させ得るようになっている。
そして、上記の如き構造を有する製造装置66を用いて、目的とするリテーナケース10を、本発明手法に従って製造する際には、例えば、以下のような手順に従って、その作業が進められることとなる。
すなわち、先ず、図6に示されるように、一次成形型70の上型92と下型94とを型閉じして、それら上型92と下型94との間に、一次成形キャビティ104を形成する。このとき、二次成形型72の上型130と下型132も、同時に型閉じされる。
次に、図7に示されるように、第一の射出装置74から溶融状態のABS樹脂からなる第一の溶融材料125を射出して、一次成形キャビティ104内に充填する。その後、一次成形キャビティ104内に充填された第一の溶融材料125を冷却、固化することにより、ケース本体12を一次成形キャビティ104内で成形する。
そして、一次成形キャビティ104内でケース本体12が成形されたら、図8に示されるように、一次成形型70の上型92と下型94とを型開きする。このとき、ケース本体12は、下型94の一次成形キャビティ形成凹所100内に保持されるように配置される(図12参照)。ここでは、例えば、成形されたケース本体12に対する一次成形キャビティ形成凹所100の内面の接触面積が、ケース本体12に対する一次成形キャビティ形成凸部102の外面の接触面積が大きくされている。そのため、上型92と下型94との型開き時においてケース本体12との間に生ずる摩擦抵抗が、一次成形キャビティ形成凸部102の外面よりも一次成形キャビティ形成凹所100の内面の方が大きくされ、それによって、上型92と下型94との型開き時に、ケース本体12が、一次成形キャビティ形成凹所100内に保持されるようになっている。なお、そのような一次成形型70の上型92と下型94の型開き時に、二次成形型72の上型130と下型132も、同時に型開きされる。
次いで、図8に示されるように、第一の取出装置78のピストンロッド128を、図示しないエジェクト用シリンダにより突出作動させて、エジェクタピン126を上方に移動させる。これにより、一次成形キャビティ形成凹所100内に位置するケース本体12の底壁部18の外面を、エジェクタピン126の上端面で突き出して、ケース本体12を一次成形キャビティ形成凹所100から取り出す。このとき、スプルー108とサブスプルー110とランナー112内に残存する第一の溶融材料125が固化した固化物176が、ケース本体12から分離される。
また、図8に示されるように、ケース本体12を一次成形キャビティ形成凹所100内から取り出す一方、移送装置82のロボットアーム168を、可動盤88の左端部側に移動させると共に、前方側に移動させ、更に、複数のロッド170,170を下方に延び出させる。これにより、保持体172の前端部を、型開きされた一次成形型70の上型92と下型94との間に突入させて、一次成形キャビティ形成凹所100内から取り出されたケース本体12に対して、その上方に対応位置させる。その後、保持体172の前端部に設けられた一対の爪部174,174を互いに接近移動させることにより、ケース本体12の互いに対向する二つの側壁部16a,16bの上端部を一対の爪部174,174にて外側から挟持して、ケース本体12を保持体172にて保持させる。
引き続き、図9に示されるように、ケース本体12を保持した保持体172の前後方向位置を、ケース本体12を保持したときの位置に維持したままで、ロボットアーム168を可動盤88の右端部側に移動させる。そして、ケース本体12を保持する保持体172の前端部を、型開きされた二次成形型72の下型132における二次成形キャビティ形成凹所138の上方に対応位置させる。その後、一対の爪部174,174を互いに離隔移動させることにより、それら一対の爪部174,174の挟持によるケース本体12の保持状態を解消して、ケース本体12を二次成形キャビティ形成凹所138の収容部140内に落とし込んで、収容させる。
このとき、ケース本体12は、成形から所定の時間が経過していることにより、冷却され、収縮して、サイズが小さくなっているが、収容部140の大きさが、収縮により小さくされたケース本体12の大きさに対応した大きさに設定されているため、収容部140内に収容されたケース本体12の四つの側壁部16a,16b,16c,16dの外面及び底壁部18の外面が、収容部140(二次成形キャビティ形成凹所38)の内面に対して、かかる内面との間に隙間が何等形成されないように接触して、配置される。なお、一対の爪部174,174によるケース本体12の挟持状態を解消してから、それら一対の爪部174,174を再び接近移動させた後、保持体172を下降させることにより、一対の爪部174,174の先端面にて、ケース本体12を収容部140内に押し込むようにしても良い。これにより、ケース本体12が、その外面を収容部140の内面に対して、より確実に接触させた状態で、収容部140内に収容されることとなる。
次に、図10に示されるように、二次成形型72の上型130と下型132とを型閉じして、下型132の二次成形キャビティ形成凹所138内に、上型130の二次成形キャビティ形成凸部142を突入させる。これにより、二次成形キャビティ形成凸部142と二次成形キャビティ形成凹所138との間に、二次成形キャビティ146を、その内部にケース本体12を位置させた状態で形成する。このとき、一次成形型70の上型92と下型94も型閉じされて、それらの間に一次成形キャビティ104が形成される。
引き続いて、図11に示されるように、第二の射出装置76から溶融状態のエラストマからなる第二の溶融材料166を射出して、二次成形キャビティ146内に充填する。このとき、第二の溶融材料166は、二次成形キャビティ146内において、二次成形キャビティ形成凸部142の外面と、二次成形キャビティ形成凹所138の収容部140を除く部分の内面と、収容部140内に収容されたケース本体12の内面とにて囲まれた部分内に導入される。その後、二次成形キャビティ146内に充填された第二の溶融材料166を冷却、固化する。これにより、リテーナ14を二次成形キャビティ146内で成形すると共に、かかるリテーナ14をケース本体12の内側に積層し、以て、図1及び図2に示される如き構造を備えた、目的とするリテーナケース10を得る。このとき、一次成形キャビティ104内に、第一の射出装置74から第一の溶融材料125が射出充填されて、一次成形キャビティ104内で、ケース本体12が新たに成形される。
そして、その後、図12に示されるように、成形されたリテーナケース10が二次成形キャビティ形成凹所138内に位置するように、二次成形型72の上型130と下型132とを型開きした後、第二の取出装置80のピストンロッド128を、図示しないエジェクト用シリンダにより突出作動させて、エジェクタピン126を上方に移動させる。これにより、二次成形キャビティ形成凹所138内のリテーナケース10(ケース本体12)の底壁部18の外面を、エジェクタピン126の上端面で突き出して、リテーナケース10を二次成形キャビティ形成凹所138から取り出す。このとき、スプルー152とサブスプルー148とランナー154内に残存する第二の溶融材料166が固化した固化物178が、リテーナケース10から分離される。その後、二次成形キャビティ形成凹所138内から取り出されたリテーナケース10を、移送装置82により、ケース本体12を移送する際と同様に保持しつつ、所定の箇所に移送する。
また、二次成形型72が型開きされた際には、それと同時に、一次成形型70の上型92と下型94も型開きされる。そのような一次成形型70の型開き時には、新たに成形されたケース本体12が、下型94の一次成形キャビティ形成凹所100内に収容された状態で配置される。そして、その後、図8から図12に示される工程が、順次繰り返されることとなる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態手法では、ケース本体12を、その成形後に、一次成形キャビティ104内から取り出した後、二次成形型72側に移送して、二次成形型72の下型132の収容部140に収容し、その後、二次成形キャビティ146を、その内部にケース本体12が位置するように形成してから、二次成形キャビティ146内で、リテーナ14を形成するようになっている。このため、かかる本実施形態手法にあっては、従来手法とは異なって、ケース本体12の成形後に、一次成形型70の下型94を、ケース本体12を保持したまま移動させる必要が全くない。それ故、本実施形態手法を実施する際には、重量の大きな下型94を移動させるための大型で高価な構造を備えた製造装置を何等用いることなく、単に、軽量のケース本体12を移送させるための小型で且つ安価な構造の移送装置82を備えた製造装置66を用いて、目的とするリテーナケース10を製造することができる。
しかも、本実施形態手法においては、一次成形型70側から移送されてきたケース本体12を、成形後の収縮によりサイズが小さくされたケース本体12の大きさに対応した大きさを有する収容部140内に収容することで、収容部140内に収容されたケース本体12の外面と収容部140の内面との間に隙間が何等形成されないようになっている。それ故、二次成形キャビティ146内への第二の溶融材料166の射出充填時に、第二の溶融材料166がケース本体12の外側に周り込んで、ケース本体12、ひいてはリテーナケース10の表面にバリが生ずるようなことが、効果的に防止され得る。また、収容部140内に大きさがケース本体12よりも小さいために、ケース本体12の収容部140内への収容時にケース本体12の表面に傷が付くことも、有利に回避され得る。
従って、かくの如き本実施形態手法によれば、可及的に設置スペースの小さい小型の製造装置66を用いて、低コストに、しかも、表面へのバリや傷の発生を効果的に防止しながら、目的とするリテーナケース10を製造することができるのである。
また、本実施形態手法の実施に用いられる製造装置66によれば、二次成形型72内で、リテーナ14をケース本体12に積層した状態で成形して、目的とするリテーナケース10を製造すると同時に、一次成形型70内で、別のケース本体12を新たに成形することができる。これによって、目的とするリテーナケース10の生産性の向上が有利に図られ得るのである。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、一次成形型70と二次成形型72とを、それぞれ別個の型締装置にて型開閉するように構成することもできる。
また、第一及び第二の射出装置78,80のそれぞれの構造も、例示したインラインスクリュ式の構造のものに、何等限定されるものではなく、公知の構造が何れも作用可能であることは、勿論である。
さらに、移送装置82の具体的な構造も、特に限定されるものではなく、例示した構造に代えて、例えば、吸引装置を用いて、一次成形体としてのケース本体12を吸引しつつ移送するようにした構造等も、適宜に採用され得る。
更にまた、前記実施形態では、一次成形品たるケース本体12の全体が、収容部140内に収容されるようになっていた。しかしながら、例えば、二次成形品が、一次成形品の一部分のみに積層されてなる二色成形品を製造する場合には、一次成形品の一部分のみが、収容部内に収容されることとなる。
また、一次成形型70の型開き時に、第一の取出装置78が設けられる下型94の一次成形キャビティ形成凹所100内に保持されるように為す構造は、例示されたものに、特に限定されるものでない。例えば、上型92の一次成形キャビティ形成凸部102の外面に抜け勾配等を付ける等、上型92に対して、ケース本体12の離型が、下型94よりも容易となる構造を付与しても良い。或いは、上型92に対して、下型94よりも、ケース本体12が離型し難くなる構造を付与しても良い。
さらに、一次成形品が、成形後に、例えば、水分の吸収等の理由でサイズが大きくなる場合には、収容部の大きさが、サイズが大きくなった一次成形品に対応した大きさにおいて設定される。
さらに、二次成形体は、一次成形体に対して一体的に接合されていても、或いは非接合とされていても良い。
また、一次成形体と二次成形体の成形にそれぞれ用いられる第一の材料と第二の材料の種類は、射出成形可能なものであれば、特に限定されるものでない。
さらに、本発明手法を実施する際には、本発明に従う構造を有する製造装置を必ずしも用いる必要はなく、例えば、一次成形型と二次成形型とがそれぞれ組み付けられてなる、互いに別個の2種類の射出成形装置を用いて、本発明手法を実施することも可能である。
加えて、本発明は、例示されたリテーナケースの製造方法と製造装置の他、一次射出成形により成形される一次成形体に対して、二次射出成形により成形される二次成形体を積層してなる二色成形品の製造方法と製造装置の何れに対しても有利に適用され得ることは、勿論である。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
10 リテーナケース 12 ケース本体
14 リテーナ 66 製造装置
68 型締装置 70 一次成形型
72 二次成形型 74 第一の射出装置
76 第二の射出装置 78 第一の取出装置
80 第二の取出装置 82 移送装置
92,130 上型 94,132 下型
104 一次成形キャビティ 125 第一の溶融材料
146 二次成形キャビティ 166 第二の溶融材料

Claims (2)

  1. 第一の材料を用いた一次射出成形により成形される一次成形体に対して、第二の材料を用いた二次射出成形により成形される二次成形体を積層してなる構造の二色成形品の製造方法であって、
    前記一次射出成形を行うための一次成形型を用い、該一次成形型を型閉じして、前記一次成形体を成形するための一次成形キャビティを形成する工程と、
    該一次成形キャビティ内に前記第一の材料を射出充填して、前記一次成形体を成形する前記一次射出成形を行う工程と、
    前記一次成形型を型開きして、前記一次成形により形成された前記一次成形体を前記一次成形キャビティ内から取り出す工程と、
    前記一次成形体の少なくとも一部からなる被収容部分を収容する収容部を備えると共に、該収容部の大きさが、成形直後から該収容部に収容されるまでの間に寸法変化したときの該一次成形体の該被収容部分に対応する大きさにおいて設定された、前記二次射出成形を行うための二次成形型を用い、前記一次成形キャビティ内から取り出された前記一次成形体を、その取出し位置から移送して、該一次成形体の前記被収容部を該二次成形型の前記収容部内に収容する工程と、
    前記一次成形体の被収容部が前記収容部内に収容された状態で前記二次成形型を型閉じして、前記二次成形体を成形するための二次成形キャビティを、該一次成形体が内部に位置する状態において形成する工程と、
    前記二次成形キャビティ内に前記第二の材料を射出充填して、前記二次成形体を、該二次成形キャビティ内に位置する前記一次成形体に積層した状態で成形する前記二次射出成形を行う工程と、
    を含むことを特徴とする二色成形品の製造方法。
  2. 第一の材料を用いた一次射出成形により成形される一次成形体に対して、第二の材料を用いた二次射出成形により成形される二次成形体を積層してなる構造の二色成形品の製造装置であって、
    前記一次成形体を成形するための一次成形キャビティを、型閉じにより形成する一次成形型と、
    該一次成形型に形成される前記一次成形キャビティ内に、前記第一の材料を射出充填して、前記一次射出成形を行なう第一の射出装置と、
    前記一次射出成形により、前記一次成形キャビティ内で形成された前記一次成形体を、該一次成形キャビティ内から取り出す取出装置と、
    前記一次成形体の少なくとも一部からなる被収容部分を収容する収容部が設けられると共に、該収容部の大きさが、成形直後から該収容部に収容されるまでの間に寸法変化したときの該一次成形体の該被収容部分に対応する大きさにおいて設定され、そして、該一次成形体の被収容部分が該収容部内に収容された状態で型閉じされることにより、前記二次成形体を成形するための二次成形キャビティを、該一次成形体が内部に位置する状態において形成する二次成形型と、
    前記一次成形キャビティ内から取り出された前記一次成形体を移送して、該一次成形体の前記被収容部を前記二次成形型の収容部内に収容させる移送装置と、
    前記一次成形体が内部に位置する状態で前記二次成形型に形成された前記二次成形キャビティ内に、前記第二の材料を射出充填して、前記二次射出成形を行う第二の射出装置と、
    を含んで構成されていることを特徴とする二色成形品の製造装置。
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