JP2012221971A - 放熱板及びこれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ - Google Patents

放熱板及びこれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ Download PDF

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Abstract

【課題】放熱性に優れた安価な放熱板及びそれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージを提供する。
【解決手段】放熱板10は、Cr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板11と、この両主面に接合されるCu板からなる平板状の第2の金属板12、12aを有する。また、放熱板10の上面に窓枠形状からなるセラミック枠体22をろう付け接合して設け、放熱板10の上面とセラミック枠体22の内周側壁面で形成されるキャビティ部23の放熱板10の上面に直接保持して収納される半導体素子21からの発熱を放熱板10を介して放熱する高放熱型半導体素子収納用パッケージ20であって、放熱板10がCr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板11の両主面にCu板からなる平板状の第2の金属板12、12aを接合して設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子からの発熱を放熱させるための放熱板と、この放熱板の上面にセラミック枠体を接合して形成されるキャビティ部に半導体素子を搭載して収納する高放熱型半導体素子収納用パッケージに関する。
図3(A)に示すように、従来の放熱板50には、セラミックと熱膨張係数を近似する多孔質からなるW(タングステン)焼結体に熱伝導性に優れるCuを溶浸させたりして作製されるW−Cu複合部材(熱膨張係数:7.0×10−6/℃、熱伝導率:190W/mK)からなる放熱板50が用いられてきた。この放熱板50は、Wの金属粉末(熱膨張係数:4.5×10−6/℃、熱伝導率:160W/mK)を所望する寸法になるようにプレス成形し焼成して多孔質の焼結体を形成した後、溶融させたCu(熱膨張係数:17.0×10−6/℃、熱伝導率:390W/mK)を孔部に溶浸させるて作製している。
しかしながら、この放熱板50は、Wのプレス成形体焼成時の収縮による焼結体の寸法バラツキが生じて歩留が低い上に、寸法修正を必要としても焼結体自体の剛性が非常に高く焼結後の加工が難しく、しかも、W自体が非常に高価であるので、非常に高価なものとなっていた。また、放熱板50には、更なる高熱伝導率のものを求める要求がでていたが、W−Cuの複合部材からなる放熱板ではそれが満足できないものとなってきていた。
そこで、図3(B)に示すように、放熱板50aには、比較的熱伝導率が高い第1の部材からなる平板状の第1の金属板51の両主面のそれぞれに、更に熱伝導率が高い第2の部材からなる平板状の第2の金属板52が接合されてなるものが用いられるようになっている。このような第1の金属板51には、例えば、Wより安価なMo(モリブデン)を用いこれを多孔質の焼結体にした後にCuを溶浸させたりして作製されるMo−Cu複合体からなり、これをWより加工性に優れるのを生かして平板状に形成したものが用いられている。また、第2の金属板52は、Cuを主材料とする部材からなり、これを平板状に形成している。そして、放熱板50aは、第1の金属板51の両主面のそれぞれに同一厚さの第2の金属板52が当接されて圧延し接合させて熱伝導率を向上させた金属板(熱伝導率:240W/mK、熱膨張係数:10.1×10−6/℃)としている。
上記のような平板状の第1の金属板の両主面に、平板状の第2の金属板が接合されてなる放熱板には、半導体素子を搭載または保持するためのものであって、互いに対向する一方と他方の主表面を有し、かつW−Cu合金及びMo−Cu合金からなる群より選ばれた少なくとも一種の金属材料からなる第1の部材と、この第1の部材の一方と他方の主表面に接合され、かつCuを主材料とする金属材料からなる第2の部材とを備えたものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。そして、この放熱板によれば、熱伝導性に優れ、半導体素子やパッケージ構成材と良好な熱膨張の整合性がとれており、かつ高品質、高信頼性の放熱板を提供できるとしている。
図4に示すように、上記の放熱板50aを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ60は、従来から、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等のシリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子61を収納したりするためのものとして用いられている。このような高放熱型半導体素子収納用パッケージ60は、実装される半導体素子61が高温、且つ大量の熱を発生するので、この熱を放熱するために、半導体素子61が搭載される部分に高熱伝導率を有する前述した放熱板50aを用いている。また、従来の高放熱型半導体素子収納用パッケージ60は、放熱板50a上に半導体素子61を囲繞して中空状態で気密に収納するキャビティ部62を形成するために、放熱板50a上にアルミナ(Al)や、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックからなる窓枠形状のセラミック枠体63をろう付け接合して設けている。更に、従来の高放熱型半導体素子収納用パッケージ60は、セラミック枠体63の上面に、外部と電気的に導通状態とするためのセラミックと熱膨張係数が近似するKV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kovar(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等の金属板からなる外部接続リード端子64をろう付け接合して設けている。
従来の高放熱型半導体素子収納用パッケージ60には、キャビティ部62の放熱板50aの上面のAuめっき被膜面に半導体素子61がAuSiろう等で接合されるようになっている。また、キャビティ部62に収納された半導体素子61は、外部接続リード端子64との間をボンディングワイヤ(図示せず)で直接接続して電気的導通を形成している。そして、高放熱型半導体素子収納用パッケージ60には、半導体素子61がキャビティ部62内に実装された後、樹脂や、セラミックや、金属等からなる蓋体(図示せず)がセラミック枠体63の上面に外部接続リード端子64を含めて樹脂や、ガラス等の絶縁性接着材で接合されて、半導体素子61がキャビティ部62内で気密に封止されるようになっている。
そして、図示しないが、半導体素子61が収納された高放熱型半導体素子収納用パッケージ60は、外部接続リード端子64の端子部下面が配線回路パターンの施されたボード基板等に半田で接合される。また、半導体素子61が収納された高放熱型半導体素子収納用パッケージ60は、放熱板50aの長手方向両端部に設けられているねじ取付部で放熱性の向上を兼ねる金属製からなる基台にねじ止めするようになっている。なお、半導体素子61が収納された高放熱型半導体素子収納用パッケージ60は、放熱板50a下面のAuめっき被膜面と、基台との間をできるだけ密接させることで熱伝導性を向上させて放熱性を向上させることができるので、放熱板50aの下面を基台に半田で接合すると共に、放熱板50aの取付部で基台にねじ止めすることが好ましいとされている。
しかしながら、上記の放熱板50a及びそれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ60は、放熱板50aを構成するMoの単価がWの単価より低いものの、まだまだ高価であり、放熱板50a及びそれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ60が高価なものとなっている。また、上記の放熱板50a及びそれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ60は、Mo−Cu複合部材の両面にCu板を貼り合わせるための圧延工程が非常に多い上に、投入材料から最終製品になるまでの材料比率が低いので、価格が高いものとなっている。
そこで、従来の放熱板には、粉末冶金法を適用して製造したCr−Cu合金に加工を施して得たCr−Cu合金板を冷間プレス加工した成形体であり、かつCr含有量が30質量%超え80質量%以下で残部がCu及び不可避的不純物からなり、不可避的不純物がO:0.15質量%以下、N:0.1質量%以下、C:0.1質量%以下、Al:0.05質量%以下、Si:0.10質量%以下であるのが提案されている。そして、この放熱板を用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージには、放熱板を基体とし、基体及び、金属枠体あるいはセラミック枠体を具備する高放熱型半導体素子収納用パッケージであるのが提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
この放熱板及びそれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージは、半導体素子等から発生する熱を速やかに放散して半導体素子の特性を劣化を防ぐために、熱膨張係数が小さく、かつ熱伝導率が大きいCr−Cu合金を用い、複雑な形状でもプレス加工を主体にして製造プロセスを簡略化することにより、経済的で生産性が高く、しかも安定供給できる高精度の放熱板及びそれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージを提供できるとしている。
特開平6−268117号公報 特開2009−38366号公報 特開2009−239299号公報
しかしながら、前述したような従来の放熱板及びそれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージは、次のような問題がある。
(1)特開平6−268117号公報で開示されるような放熱板は、第1の金属板にW−Cu合金を用いる場合には、放熱板を安価にさせることができなくなっている。また、上記の放熱板は、第1の金属板にMo−Cu合金を用いる場合には、放熱板を構成するMoの単価がWの単価より低いものの、まだまだ高価であり、放熱板を安価にさせることができなくなっている。更に、上記の放熱板は、第1の金属板の両主面に、第2の金属板のCu板を貼り合わせるための圧延工程が非常に多い上に、投入材料から最終製品になるまでの材料比率が低いので、価格が高いものとなっている。
(2)特開2009−38366号公報や、特開2009−239299号公報等で開示されるような放熱板及びそれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージは、Cr−Cu合金金属板からなる第1の金属板の両主面に、Cu板からなる第2の金属板が接合されていないので、放熱板としての熱伝導率が低く放熱性が低いものであり、熱の速やかな放熱性が劣るものとなっている。また、このような放熱板を用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージは、搭載される半導体素子からの発熱を速やかに放熱させることができないので、半導体素子の電気的信頼性を低下させることとなっている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、放熱性に優れた安価な放熱板及びそれを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージを提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る放熱板は、Cr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板と、第1の金属板の両主面に接合されるCu板からなる平板状の第2の金属板を有する。
ここで、上記の放熱板は、第1の金属板がCr粉末を焼成した、又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成した多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて、あるいは、Cr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成させて30質量%〜80質量%のCr含有量を有するのがよい。
また、上記の放熱板は、第1の金属板と、第2の金属板が圧延接合、ろう付け接合、又は真空加熱圧着接合されているのがよい。
更に、上記の放熱板は、第2の金属板の合計厚さaに対する第1の金属板の厚さbの比a/bが2/15〜6/1であるのがよい。
前記目的に沿う本発明に係る高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板の上面に窓枠形状からなるセラミック枠体をろう付け接合して設け、放熱板の上面とセラミック枠体の内周側壁面で形成されるキャビティ部の放熱板の上面に直接保持して収納される半導体素子からの発熱を放熱板を介して放熱する高放熱型半導体素子収納用パッケージであって、放熱板がCr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板の両主面にCu板からなる平板状の第2の金属板を接合して設けられている。
ここで、上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板の第1の金属板がCr粉末を焼成した、又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成した多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて、あるいは、Cr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成させて30質量%〜80質量%のCr含有量を有するCr−Cu複合部材からなるのがよい。
また、上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板の第1の金属板と、第2の金属板が圧延接合、ろう付け接合、又は真空加熱圧着接合されて形成されているのがよい。
更に、上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板の第2の金属板の合計厚さaに対する第1の金属板の厚さbの比a/bが2/15〜6/1であるのがよい。
上記の放熱板は、Cr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板と、第1の金属板の両主面に接合されるCu板からなる平板状の第2の金属板を有するので、熱伝導率に優れるCr−Cu複合部材からなる第1の金属板の両主面に、更に熱伝導率に優れるCuからなる第2の金属板を貼り合わせて従来と同程度、又はそれを超える程度の高熱伝導率を有し、優れた放熱特性を確保する放熱板を提供することができる。また、この放熱板は、第1の金属板を構成するCr自体が安価な金属であると共に、Cr粉末の焼結や、Cr−Cu混合粉末の焼結が比較的低い温度で行うことができ第1の金属板を安価に作成できると共に、第1の金属板に比較的安価なCuからなる第2の金属板を貼り合わせただけで作成できる安価な放熱板を提供することができる。
特に上記の放熱板は、第1の金属板がCr粉末を焼成した、又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成した多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて、あるいは、Cr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成させて30質量%〜80質量%のCr含有量を有するので、30質量%〜80質量%からなるCr含有量で、Cr−Cu複合部材による第1の金属板の熱膨張係数の上昇と、熱伝導率の低下の両方の防止を達成させるでき、この両主面に熱膨張係数、熱伝導率が極めて高いCu板からなる第2の金属板をバランスよく貼り合わせて、反りの少ない、放熱性に優れた放熱板を提供することができる。
また、特に上記の放熱板は、第1の金属板と、第2の金属板が圧延接合、ろう付け接合、又は真空加熱圧着接合されているので、第1の金属板と、第2の金属板の接合面におけるボイドの発生が少なく、熱伝導の低下を防止することができると共に、放熱板として用いられるそれぞれの用途に合わせて最も安価な接合体を形成する放熱板を提供することができる。特に、接合が真空加熱圧着接合の場合には、第1の金属板の両主面のそれぞれに接合する第2の金属板の厚みバラツキを安定化させる放熱板を提供することができる。
更に、特に上記の放熱板は、第2の金属板の合計厚さaに対する第1の金属板の厚さbの比a/bが2/15〜6/1であるので、比較的高熱伝導率の第1の金属板に熱伝導率が極めて高い高熱伝導率の第2の金属板を両主面のそれぞれにバランスよく貼り合わせることで反りや曲がりが少ない上に、220〜270W/mK程度の高熱伝導率を備える放熱板を提供することができる。
上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板の上面に窓枠形状からなるセラミック枠体をろう付け接合して設け、放熱板の上面とセラミック枠体の内周側壁面で形成されるキャビティ部の放熱板の上面に直接保持して収納される半導体素子からの発熱を放熱板を介して放熱する高放熱型半導体素子収納用パッケージであって、放熱板がCr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板の両主面にCu板からなる平板状の第2の金属板を接合して設けられているので、放熱板が熱伝導率に優れる第1の金属板の両主面に、更に熱伝導率に優れるCuからなる第2の金属板を反りの発生を防止してバランスよく貼り合わせて従来と同程度、又はそれを超える程度の高熱伝導率を有し、放熱板上に搭載する半導体素子からの発熱を速やかに放熱させることができる高放熱型半導体素子収納用パッケージを提供することができる。また、この高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板の第1の金属板を構成するCr自体が安価な金属であると共に、放熱板を作製するためのCr粉末の焼結、あるいはCr−Cu混合粉末の焼結が比較的低い温度で行うことができ第1の金属板を安価に作成できると共に、第1の金属板に比較的安価なCu板からなる第2の金属板を貼り合わせただけで作成する放熱板を用いているので、安価な高放熱型半導体素子収納用パッケージを提供することができる。
特に上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板の第1の金属板がCr粉末を焼成した、又はCr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成した多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて、あるいは、Cr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成させて30質量%〜80質量%のCr含有量を有するCr−Cu複合部材からなるので、Cr含有量が30質量%〜80質量%からなるCr−Cu複合部材によって熱膨張係数の上昇と、熱伝導率の低下の両方の防止を達成させるができ、その両主面に、熱膨張係数、熱伝導率が極めて高いCu板からなる第2の金属板をバランスよく貼り合わせて、反りの少ない、放熱性に優れた放熱板によって、半導体素子の実装性及び気密信頼性に優れ、半導体素子からの発熱の放熱特性に優れる高放熱型半導体素子収納用パッケージを提供することができる。
また、特に上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板の第1の金属板と、第2の金属板が圧延接合、ろう付け接合、又は真空加熱圧着接合されて形成されているので、放熱板の第1の金属板と、第2の金属板の接合面におけるボイドの発生が少なく、熱伝導の低下を防止することができると共に、安価な放熱板を備える高放熱型半導体素子収納用パッケージを提供することができる。特に、接合が真空加熱圧着接合の場合には、第1の金属板の両主面のそれぞれに接合する第2の金属板の厚みバラツキを安定化させる放熱板を有する高放熱型半導体素子収納用パッケージを提供することができる。
更に、特に上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板の第2の金属板の合計厚さaに対する第1の金属板の厚さbの比a/bが2/15〜6/1であるので、放熱板が220〜270W/mK程度の高熱伝導率を備え、半導体素子からの発熱を効率的に放熱させることができる高放熱型半導体素子収納用パッケージを提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る放熱板の説明図である。 同放熱板を用いる本発明の一実施の形態に係る高放熱型半導体素子収納用パッケージの説明図である。 (A)、(B)は従来の放熱板の説明図である。 同放熱板を用いる従来の高放熱型半導体素子収納用パッケージの説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施するための最良の形態について説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る放熱板10は、Cr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板11と、この第1の金属板11の両主面に接合されるCu板からなる平板状の第2の金属板12、12aを有している。第1の金属板11の両主面の内の一方の主面に接合される第2の金属板12であるCu板と、他方の主面に接合される第2の金属板12aであるCu板は、特に、この材質を限定するものではなく、有酸素Cu、無酸素Cuのいずれも用いることができる。また、第2の金属板12、12aは、特に、それぞれの厚みを限定するものではないが、大きさ形状は、通常、それぞれ第1の金属板11と同様の形状からなっている。この放熱板10は、熱伝導率が第2の金属板12、12aであるそれぞれのCu板の厚みによっても異なるが、220〜270W/mK(Cr−Cu複合部材のCr含有率50質量%)程度の高熱伝導率を有し、高温を発生させる半導体素子や、その他電子部品を搭載させて発生する熱を効率的に放熱させるために用いられている。
上記の放熱板10は、第1の金属板11を構成するCr−Cu複合部材をCr粉末を焼成して形成した多孔質状の焼結体に、Cr粉末を焼成したときの温度より低い温度で焼成して多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて形成している。又は、放熱板10は、Cr−Cu複合部材をCr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成して形成した多孔質状の焼結体に、更に、混合粉末を焼成したときの温度より低い温度で焼成して多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて形成している。あるいは、この放熱板10は、Cr−Cu複合部材をCr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成させて形成している。この形成によって、Cr−Cu複合部材は、Crの含有量を30質量%〜80質量%の有するようにしている。そして、第1の金属板11は、Cr−Cu複合部材を圧延して所定の厚みに成形している。なお、放熱板10は、第1の金属板11のCr含有量が30質量%を下まわる場合には、放熱板10に要求される熱膨張係数14×10−6/℃以下の達成が難しくなる。また、放熱板10は、第1の金属板11のCr含有量が80質量%を超える場合には、熱伝導率が低下して十分な放熱特性を得ることが難しくなる。
上記の第1の金属板11を構成するCr−Cu複合部材に用いられるCr粉末は、特に粒度を限定するものではないが、通常、篩い分けで選別した10〜250μm程度のものが使用されている。なお、多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させる場合のCr粉末の粒度は、大きくなりすぎると、粉末を均一に充填させた多孔質焼結体の形成が難しくなり、十分且つ均一な熱伝導率を得ることができなくなる。また、この場合のCr粉末の粒度は、小さくなりすぎると、多孔質焼結体の孔部の形成が難しくなり、孔部へのCuの溶浸が難しくなってCr−Cu複合部材中のCrの含有量が多くなり十分な熱伝導率を得ることができなくなると共に、加工性が低下する。
上記の放熱板10は、第1の金属板11と、第2の金属板12、12aとが圧延によって接合されているのがよい。この圧延による接合は、第1の金属板11を構成するCr−Cu複合部材の圧延に続けて、この両主面のそれぞれに一方の第2の金属板12と、他方の第2の金属板12aを圧延させて接合させることで強固に接合させて熱伝導率を向上させた厚みバラツキの少ない放熱板10とすることができると共に、能率よく形成して放熱板10を安価にすることができる。また、上記の放熱板10は、第1の金属板11と、第2の金属板12、12aとがろう付けによって接合されているのがよい。このろう付けによる接合は、予め準備されている第1の金属板11と、第2の金属板12、12aを所望する時に随時接合させることができ、余分な在庫の保有を防止することができて放熱板10を安価にすることができる。このろう付け接合で用いるろう材は、特に、限定するものではないが、例えば、Agろうや、Auろう等の750℃以上の比較的高温で溶融させて強固に接合させることができる高温ろう材が用いられ、第1の金属板11と、第2の金属板12、12aを強固に接合させることができる。更に、上記の放熱板10は、第1の金属板11と、第2の金属板12、12aとが真空加熱圧着によって接合されているのがよい。この真空加熱圧着による接合は、真空中の、例えば800℃以上の高温で加熱することで、第1の金属板11及び/又は第2の金属板12、12aに厚みバラツキがあったとしても、互いを密接させて接合でき、全体の厚みバラツキを安定化させると共に、当接面にボイドの発生を防止して熱伝導率を向上できる放熱板10を形成することができる。また、この真空加熱圧着による接合は、第1の金属板11と、第2の金属板12、12aとを接合して形成する放熱板10の厚みに変化を与えることなく接合させることができるので、所望の厚みの放熱板10を容易に得ることができる。
上記の放熱板10は、第2の金属板12の厚さaと、第2の金属板12aの厚さaの合計厚さaに対する第1の金属板11の厚さbの比a/bが2/15〜6/1であるのがよい。この比率は、第2の金属板12、12aのそれぞれの厚みaとaが同一の場合には、(第2の金属板12の厚みa):(第1の金属板11の厚さb):(第2の金属板12aの厚みa)が、(1:15:1)〜(3:1:3)に相当している。そして、放熱板10は、第2の金属板12、12aのそれぞれの厚みaとaが互いに異なる場合には、第2の金属板12、12aの合計厚さaの中でそれぞれの厚さを分割してもよいが、必ず、第1の金属板11の両主面のいずれか一方に第2の金属板12、他方に第2の金属板12aが存在していることが必要である。なお、放熱板10は、第2の金属板12、12aのそれぞれの厚みaとaの合計厚さaに対する第1の金属板11の厚さbの比a/bが2/15を下まわる場合には、熱伝導率が低下して、十分な放熱特性を得ることができなくなる。また、放熱板10は、第2の金属板12、12aのそれぞれの厚みaとaの合計厚さaに対する第1の金属板11の厚さbの比a/bが6/1を超える場合には、第2の金属板12、12aの合計厚みaが大きくなりすぎて第2の金属板12、12aのいずれかの主面に接合される部材との熱膨張係数差による放熱板10の反りを制御させることができなくなる。
次いで、図2を参照しながら、上記の放熱板10を用いる本発明の一実施の形態に係る高放熱型半導体素子収納用パッケージを説明する。
図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等のシリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子21が収納されるようになっている。この高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、収納される半導体素子21が高温、且つ大量の熱を発生するので、この熱を効率よく放熱するために、半導体素子21を直接載置させる略長方形平板状の放熱板10を用いている。また、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、半導体素子21を囲繞して収納させるために放熱板10の上面に窓枠形状からなるセラミック枠体22をろう付け接合して設けている。そして、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10の上面と、セラミック枠体22の内周側壁面とで半導体素子21を気密に封止するためのキャビティ部23を形成している。この高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10の上面に直接保持して収納される半導体素子21からの発熱を放熱板10を介して放熱できるようになっている。なお、上記のセラミック枠体22には、絶縁性と熱伝導率に優れる、例えば、アルミナ(Al)や、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックを用いている。
上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、セラミック枠体22を放熱板10にろう付け接合するために下面側の全面にタングステンや、モリブデン等の高融点金属からなるメタライズ膜(図示せず)をセラミックグリーンシートにスクリーン印刷方式でベタ状のメタライズ印刷パターンを形成し、このメタライズ印刷パターンとセラミックグリーンシートを同時焼成することで形成している。更に、焼成して形成したメタライズ膜上には、Niめっき被膜を形成している。そして、セラミック枠体22は、メタライズ膜上に形成されたNiめっき被膜と、放熱板10との間にAgCuろう系等のろう材を介して加熱して放熱板10にろう付け接合している。なお、前述の放熱板10は、高熱伝導率を確保できると共に、セラミック枠体22のアルミナや、窒化アルミニウム等のセラミックと熱膨張係数が近似しているので、接合部にクラック等の発生を防止して接合体を形成することができるようになっている。
上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、セラミック枠体22の上面にろう付け接合して、半導体素子21とボンディングワイヤを介して電気的に導通状態とすると共に、外部と電気的に導通状態とするための複数本の外部接続リード端子24を有している。この外部接続リード端子24には、セラミックと熱膨張係数が近似する、例えば、KV(Fe−Ni−Co系合金、商品名「Kovar(コバール)」)や、42アロイ(Fe−Ni系合金)等の金属板から所望のリードフレーム形状からなる複数本のリード端子にしたものを用いている。なお、この外部接続リード端子24をろう付け接合するためのセラミック枠体22の上面側には、上記のセラミック枠体22の下面側に設ける全面メタライズ膜と同時に形成されるパターン形状を備えたメタライズ膜(図示せず)を設けている。このメタライズ膜は、外部接続リード端子24が接合される部分に外部接続リード端子24の接合部の大きさより若干大きいパターン形状からなるメタライズ印刷パターンを形成し、上記の下面側のメタライズ印刷パターンと併せてこのメタライズ印刷パターンとセラミックグリーンシートを同時焼成することで形成している。そして、このメタライズ膜上にNiめっき被膜を形成したセラミック枠体22の上面側には、前述の放熱板10の上面側にセラミック枠体22をろう付け接合すると同時に、パターン形状を備えたメタライズ膜上に形成されたNiめっき被膜と、外部接続リード端子24との間にAgCuろう系等のろう材を介して加熱することでろう付け接合している。また、この高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、半導体素子21を実装させたり、外部との酸化や硫化を防止する等のために、表面に露出する全ての金属部分にNiめっき被膜、及びAuめっき被膜を形成している。
この高放熱型半導体素子収納用パッケージ20には、キャビティ部23の底面である放熱板10上面のAuめっき被膜面に半導体素子21がAuSiろう等で接合されるようになっている。この接合では、半導体素子21の裏面に形成されているAu蒸着面と、キャビティ部23の放熱板10上面のAuめっき被膜面との間にAuSiろう等のろう材を挟み込んで加熱しながら半導体素子21を加圧スクラブして擦り付けることで、強固な接着強度を確保しようとしているので、放熱板10には極めて高い平坦性が必要となっている。そして、キャビティ部23に収納された半導体素子21は、外部接続リード端子24との間をボンディングワイヤ(図示せず)で直接接続して電気的導通を形成している。なお、この外部接続リード端子24には、外部と接続するための端子部と、ボンディングワイヤを接続するためのワイヤボンドパッド部が兼ね備えて設けられている。高放熱型半導体素子収納用パッケージ20には、半導体素子21がキャビティ部23内に実装された後、樹脂や、セラミックや、金属等からなる蓋体(図示せず)がセラミック枠体22の上面に外部接続リード端子24を含めて樹脂や、ガラス等の絶縁性接着材で接合されて、半導体素子21がキャビティ部23内で気密に封止されるようになっている。
なお、図示しないが、半導体素子21が収納された高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、外部接続リード端子24の端子部下面が配線回路パターンの施されたボード基板等に半田で接合される。また、半導体素子21が収納された高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10の長手方向両端部に設けられている取付部で放熱性の向上を兼ねる金属製からなる基台にねじ止めするようになっている。また、半導体素子21が収納された高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板50下面のAuめっき被膜面と、基台との間をできるだけ密接させることで熱伝導性を向上させて放熱性を向上させることができるので、放熱板10の下面を基台に半田で接合すると共に、放熱板10に設けるねじ取付部25で基台にねじ止めすることが好ましいとされている。
上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージ20には、半導体素子21にダメージを与えることなく実装できると共に、半導体素子21から発生する高温、且つ大量の熱を放熱させて半導体素子21の機能を維持させるために、放熱板10に優れた平坦性と、高放熱特性が発揮できる高熱伝導率を持たせることが必要となっている。また、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20には、放熱板10にセラミック枠体22を接合して形成するキャビティ部23に半導体素子21を気密に収納して高い気密信頼性を持たせるために、放熱板10にセラミック枠体22と近似する熱膨張係数を持たせることが必要となっている。そして、更に、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20には、世界的な通信網の構築のために安価なパッケージにすることが必要となっている。そして、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、このような要求に応えられるパッケージとして用いられる放熱板10がCr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板11の両主面にCu板からなる平板状の第2の金属板12、12aを接合して設けられている。
上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、これに用いられる放熱板10として、第1の金属板11を構成するCr−Cu複合部材をCr粉末を焼成して形成した多孔質状の焼結体に、Cr粉末を焼成したときの温度より低い温度で焼成して多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて形成している。又は、放熱板10は、Cr−Cu複合部材をCr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成して形成した多孔質状の焼結体に、更に、混合粉末を焼成したときの温度より低い温度で焼成して多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて形成している。あるいは、放熱板10は、Cr−Cu複合部材をCr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成させて形成している。そして、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10の第1の金属板11に用いられるCr−Cu複合部材のCrの含有量を30質量%〜80質量%の有するようにしている。
上記の放熱板10を構成する第1の金属板11のCr−Cu複合部材は、Cr自体が比較的安価な金属であり、安価なパッケージにするように作用させている。これと共に、Cr−Cu複合部材は、Cr自体の熱膨張係数が6.5×10−6/℃で、従来の放熱板に用いられていたW(熱膨張係数:4.5×10−6/℃)や、Mo(熱膨張係数:5.1×10−6/℃)の熱膨張係数より、セラミック枠体22を構成するセラミック、例えば、アルミナ(熱膨張係数:7.3×10−6/℃(〜500℃))の熱膨張係数に近似している。また、Cr−Cu複合部材は、Cu自体の熱伝導率が390W/mKで、極めて熱伝導率が高く、Cr自体の熱伝導率(熱伝導率:67W/mK)を補うように作用させている。更に、Cr−Cu複合部材は、Cu自体の熱膨張係数が17.0×10−6/℃とセラミックの熱膨張係数より大きいが、Cr−Cu複合部材自体が前記のようにCrにCuを溶浸させて形成されているので、熱膨張係数がCr自体の熱膨張係数に追随するようになっている。一方、放熱板10を構成する第2の金属板12、12aのCu板は、Cu自体の熱伝導率が極めて高く、これをCu板として第1の金属板11の両主面に接合させた放熱板11の熱伝導率を高めるように作用させている。また、Cu板は、熱膨張係数が17.0×10−6/℃とCr−Cu複合部材の熱膨張係数より大きいが、このCr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板11の両主面にCu板を接合させることで、熱膨張係数差による放熱板11としての反りの発生を防止するように作用させている。
なお、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20に用いられる放熱板10は、Cr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板11のCr含有量が30質量%を下まわる場合には、放熱板10上にセラミック枠体22をろう付け接合させる場合に、セラミックにカケや、クラック等の発生を防止して接合信頼性を満足させて接合させることができるようにするために要求される熱膨張係数の14×10−6/℃以下の達成が難しくなる。また、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20に用いられる放熱板10は、第1の金属板11のCr含有量が80質量%を超える場合には、放熱板10上に半導体素子21が搭載されて半導体素子21からの発熱を速やかに放熱させるために要求される熱伝導率が低下して十分な放熱特性を得ることが難しくなる。
上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、これに用いられる放熱板10のCr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板11と、Cu板からなる平板状の第2の金属板12、12aが圧延接合によって形成されているのがよい。この圧延接合で形成される放熱板10を用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10を第1の金属板11を構成するCr−Cu複合部材の圧延に続けて、この両主面のそれぞれに一方の第2の金属板12と、他方の第2の金属板12aを圧延させて接合させることができ、能率よく多量に、しかも強固に接合させた放熱板10を用いて、安価で接合信頼性の高い高放熱型半導体素子収納用パッケージ20にすることができる。
また、上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、これに用いられる放熱板10の第1の金属板11と、第2の金属板12、12aがろう付けによって形成されているのがよい。このろう付け接合で形成される放熱板10を用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10を予め準備されている第1の金属板11と、第2の金属板12、12aを所望する時に随時接合させ、余分な在庫の保有を防止することができ、少量多品種で、しかも強固に接合させた放熱板10を用いて、安価で接合信頼性の高い高放熱型半導体素子収納用パッケージ20にすることができる。このろう付け接合で形成される放熱板10を用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、ろう付け接合のろう材を、特に、限定するものではないが、例えば、Agろうや、Auろう等の750℃以上の比較的高温で溶融させて接合させる高温ろう材を用いることができ、第1の金属板11と、第2の金属板12、12aの接合強度が高い放熱板10を用いることができる。
更に、上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、これに用いられる放熱板10の第1の金属板11と、第2の金属板12、12aとが真空加熱圧着によって形成されているのがよい。この真空加熱圧着による接合で形成される放熱板10を用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10を構成する第1の金属板11及び/又は第2の金属板12、12aに厚みバラツキがあったとしても、互いを密接させて接合でき、全体の厚みバラツキを安定化させる放熱板10を用いて、接合信頼性の高い高放熱型半導体素子収納用パッケージ20にすることができる。また、この真空加熱圧着による接合で形成される放熱板10を用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10を構成する第1の金属板11と、第2の金属板12、12aとを接合して形成する放熱板10の厚みに変化を与えることなく接合させることができる所望の厚みの放熱板10を用いて、寸法精度のよい、接合信頼性の高い高放熱型半導体素子収納用パッケージ20にすることができる。
上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、これに用いられる放熱板10の第1の金属板11の両主面に接合される第2の金属板12、12aのそれぞれの厚みが同一、又は異なるものであってもよい。また、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10の第2の金属板12、12aのセラミック枠体22が接合される側と反対側の外表面の形状が平面状、あるいは長手方向の中心部が膨らんだなだらかな山なり形状となっていてもよい。なお、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10の第2の金属板12、12aのセラミック枠体22が接合される側と反対側の外表面の形状を平面状、あるいは長手方向の中心部が膨らんだなだらかな山なり形状にするために、通常、予め放熱板10の第2の金属板12、12aのセラミック枠体22が接合される側と反対側の厚みを他方より厚くしたものを接合させておき、パッケージに形成した後に厚くした側の外表面を切削することで形成することができる。この放熱板10の第2の金属板12、12aのセラミック枠体22が接合される側と反対側の外表面の形状を平面状、あるいは長手方向の中心部膨らんだなだらかな山なり形状にした高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、半導体素子21を実装させた後、これを必要とする装置等に取り付ける時に、装置のヒートシンクを兼ねる基台に密着させて取り付けることができ、半導体素子21からの発熱をより効果的に放熱させることができるように作用させることができる。特に、放熱板10の第2の金属板12、12aのセラミック枠体22が接合される側と反対側の外表面の形状を長手方向の中心部が膨らんだなだらかな山なり形状にした高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、ねじ取付部25でねじ締めして基台に取り付ける場合に、ねじ締めによって外表面全体を基台に極めて密着させて取り付けることができ、半導体素子21からの発熱を極めて効果的に放熱させることができるように作用させることができる。
上記の高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、これに用いられる放熱板10が第2の金属板12の厚さaと、第2の金属板12aの厚さaの合計厚さaに対する第1の金属板11の厚さbの比a/bを2/15〜6/1とするのがよい。この比率は、第2の金属板12の厚みaと、第2の金属板12aのの厚みaが同一の場合には、(第2の金属板12の厚みa):(第1の金属板11の厚さb):(第2の金属板12aの厚みa)が、(1:15:1)〜(3:1:3)に相当している。また、放熱板10は、第2の金属板12の厚みaと、第2の金属板12aの厚みaが互いに異なる場合には、第2の金属板12の厚みaと、第2の金属板12aの厚みaの合計厚さaの中でそれぞれa、aの厚さを分割してもよいが、必ず、第1の金属板11の両主面のいずれか一方に第2の金属板12、他方に第2の金属板12aが存在していることが必要である。なお、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10の第2の金属板12の厚さaと、第2の金属板12aの厚さaの合計厚さaに対する第1の金属板11の厚さbの比a/bが2/15を下まわる場合には、熱伝導率が低下して、半導体素子21からの発熱に対する十分な放熱効果が得られなくなる。また、高放熱型半導体素子収納用パッケージ20は、放熱板10の第2の金属板12の厚さaと、第2の金属板12aの厚さaの合計厚さaに対する第1の金属板11の厚さbの比a/bが6/1を超える場合には、第2の金属板12、12aの合計厚みaが大きくなりすぎて第2の金属板12、12aのいずれかの主面に接合されるセラミック枠体22との熱膨張係数差による放熱板10の反りを制御させることができなくなり、半導体素子21からの発熱を効率的に放熱させることができなくなる。
ここで、本発明者は、Cu50%のCr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板の両主面の一方の主面に無酸素Cu板からなる平板状の第2の金属板(以下、「表Cu板」と称す)、他方の主面に無酸素Cu板からなる平板状の第2の金属板(以下、「裏Cu板」と称す)を1000℃で1時間の真空加熱圧着接合を行った放熱板を4種類作製、また、これらの放熱板を用いた高放熱型半導体素子収納用パッケージを作製した。表1には、放熱板の4種類のサンプル1〜4について、第1の金属板、表Cu板、裏Cu板の厚みの組み合わせを示す。そして、それぞれの評価を行った結果を表2〜表5に示す。表2は、サンプル1〜4の第1の金属板、表Cu板、裏Cu板についての各層の厚みバラツキを評価した結果である。表3は、サンプル1〜4の熱伝導率を評価した結果である。表4は、サンプル1〜4の表、裏Cu板の引き剥がし(ピーリング)による接合強度、及び引き剥がし後の剥がれ状態(モード)を評価した結果である。そして、表5は、上記のサンプル1〜4の放熱板を用いて、表Cu板の上面にセラミック枠体が接合される形態で作製した高放熱型半導体素子収納用パッケージの裏Cu板面の反りを評価した結果である。
なお、上記のサンプル1〜4の放熱板については、熱伝導率の低下や、接合強度の低下を引き起こす層間のボイド発生を超音波探傷機で測定し、全てのサンプルのそれぞれについて単位面積当たりのボイド面積が1%以下であるとの評価結果を得ている。
Figure 2012221971
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上記の評価結果は、安価な材料のCr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板と、第1の金属板の両主面に接合される安価で高熱伝導率を備えたCu板からなる平板状の第2の金属板とで構成される放熱板、及びこの放熱板を用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージが厚みバラツキが少なく、高い熱伝導率を有し、接合強度の高く、接合界面のボイドが少なく、しかもパッケージに組み立てても反りの少ないことが確認できた。
本発明の放熱板及これを用いる高放熱型半導体素子収納用パッケージは、放熱板に直接シリコンや、ガリウム砒素電界効果トランジスタ等の高周波、高出力の半導体素子を搭載させて、例えば、RF(Radio Frequency)基地局用等の電子装置に用いることができる。
10:放熱板、11:第1の金属板、12、12a:第2の金属板、20:高放熱型半導体素子収納用パッケージ、21:半導体素子、22:セラミック枠体、23:キャビティ部、24:外部接続リード端子、25:ねじ取付部

Claims (8)

  1. Cr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板と、該第1の金属板の両主面に接合されるCu板からなる平板状の第2の金属板を有することを特徴とする放熱板。
  2. 請求項1記載の放熱板において、前記第1の金属板がCr粉末を焼成した、又は該Cr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成した多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて、あるいは、前記Cr粉末と前記Cu粉末の混合粉末を焼成させて30質量%〜80質量%のCr含有量を有する前記Cr−Cu複合部材からなることを特徴とする放熱板。
  3. 請求項1又は2記載の放熱板において、前記第1の金属板と、前記第2の金属板が圧延接合、ろう付け接合、又は真空加熱圧着接合されていることを特徴とする放熱板。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の放熱板において、前記第2の金属板の合計厚さaに対する前記第1の金属板の厚さbの比a/bが2/15〜6/1であることを特徴とする放熱板。
  5. 放熱板の上面に窓枠形状からなるセラミック枠体をろう付け接合して設け、前記放熱板の上面と前記セラミック枠体の内周側壁面で形成されるキャビティ部の前記放熱板の上面に直接保持して収納される半導体素子からの発熱を前記放熱板を介して放熱する高放熱型半導体素子収納用パッケージであって、
    前記放熱板がCr−Cu複合部材からなる平板状の第1の金属板の両主面にCu板からなる平板状の第2の金属板を接合して設けられていることを特徴とする高放熱型半導体素子収納用パッケージ。
  6. 請求項5記載の高放熱型半導体素子収納用パッケージにおいて、前記放熱板の前記第1の金属板がCr粉末を焼成した、又は該Cr粉末とCu粉末の混合粉末を焼成した多孔質焼結体の孔部にCuを溶浸させて、あるいは、前記Cr粉末と前記Cu粉末の混合粉末を焼成させて30質量%〜80質量%のCr含有量を有する前記Cr−Cu複合部材からなることを特徴とする高放熱型半導体素子収納用パッケージ。
  7. 請求項5又は6記載の高放熱型半導体素子収納用パッケージにおいて、前記放熱板の前記第1の金属板と、前記第2の金属板が圧延接合、ろう付け接合、又は真空加熱圧着接合されて形成されていることを特徴とする高放熱型半導体素子収納用パッケージ。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項記載の高放熱型半導体素子収納用パッケージにおいて、前記放熱板の前記第2の金属板の合計厚さaに対する前記第1の金属板の厚さbの比a/bが2/15〜6/1であることを特徴とする高放熱型半導体素子収納用パッケージ。
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JP2014146739A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Kyocera Corp 電子部品収納用パッケージおよびそれを用いた電子装置

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