JP2012219652A - 空気圧縮機 - Google Patents

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Kazuhiro Segawa
和宏 瀬川
Hiroki Kitagawa
宏樹 北川
Kenichi Matsunaga
健一 松永
Tomoyoshi Yokota
伴義 横田
Masahiro Miura
政広 三浦
Yoshimi Takahashi
佳見 高橋
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Abstract

【課題】フィルタ交換に係るメンテナンス性が向上し、フィルタ交換に係る費用の低減を図った空気圧縮機の提供。
【解決手段】空気流入口は、回転軸を中心として点対称の位置に配置された、回転軸の周りにおける一周の2分の1を占める一対の円弧状の領域に形成されており、残りの領域には空気流入口は形成されていない。空気流入口はフィルタ31Aにより覆われている。フィルタ31Aは、その半径方向に所定の幅を有する環状たるドーナツ状をなしている。フィルタ31Aの一部であって空気流入口に対向していた部分が目詰まりを起こしたときには、ネジを緩め、カバーをクランクケースから取り外し、回転軸を中心としてフィルタ31Aを4分の1回転させて、カバーをクランクケースに固定させることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、圧縮空気を動力源とする工具等に圧縮空気を供給するための空気圧縮機に関する。
圧縮空気を動力源とするエア式の釘打ち機等に圧縮空気を供給するための空気圧縮機が知られている。空気圧縮機は、2つのタンクと、モータと、圧縮機構とを備えており、また、ハウジングがモータ及び圧縮機構を覆っている。圧縮機構は、クランクケースに配置されたクランク軸と、シリンダとピストンとシリンダヘッドとを備える圧縮機とを有している。クランクケースには、クランクケースの内部と外部とを連通する空気流入口が形成されており、空気流入口はフィルタにより覆われている。
空気圧縮機においては、モータの回転を、クランク軸を介してシリンダ内のピストンの往復運動に変換し、ピストンの往復運動によって、フィルタを通して空気流入口からクランクケース内に空気を吸入し、シリンダとシリンダヘッドの間に設けられた弁座の吸気口から空気を吸入し、シリンダ内で当該空気を圧縮する。圧縮空気は弁座の排気口からパイプを通してタンク内に貯留される。このような空気圧縮機は、例えば、実開平5−64484号公報(特許文献1)、特開2008−274840号公報(特許文献2)に記載されている。
実開平5−64484号公報 特開2008−274840号公報
しかし、上述した従来の空気圧縮機では、フィルタを長時間使用すると目詰まりを起すため、定期的なフィルタ交換が必要であった。このフィルタ交換に係るメンテナンス性の向上については,修理作業者からの要望がある。またフィルタ交換に係る費用の低減が、空気圧縮機のユーザから常に要求されている。
そこで、本発明は、フィルタ交換に係るメンテナンス性が向上し、フィルタ交換に係る費用の低減を図った空気圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ロータを有するモータと、該ロータと一体回転可能な回転軸と、該モータに隣接配置され、該回転軸が挿通されたクランクケースと、該クランクケース内に配置され該回転軸の回転により駆動されるクランク軸と、該クランクケースに接続されたシリンダと、該クランク軸の駆動により該シリンダ内において往復摺動するピストンと、を備え、該クランクケースには、フィルタにより覆われ該クランクケースの外部と内部とを連通する複数の空気流入口が形成され、該ピストンの往復動により該フィルタを通して該空気流入口から該クランクケース内に空気を流入し、該シリンダ内において空気を圧縮する空気圧縮機であって、該複数の空気流入口は、該回転軸を中心として所定の中心角を有する円弧に沿って点在し、該フィルタは、環状をなし該回転軸と同軸的な位置関係で配置され、該回転軸を中心として回転させられた位置において該クランクケースに固定可能である空気圧縮機を提供している。
複数の空気流入口は、回転軸を中心として所定の中心角を有する円弧に沿って点在し、フィルタは、環状をなし回転軸と同軸的な位置関係で配置され、回転軸を中心として回転させられた位置においてクランクケースに固定可能であるため、空気流入口が形成されている領域を、フィルタの周方向における一部にのみ対向させることができる。このため、1つのフィルタにおいて、フィルタの一部であって空気流入口に対向する部分が目詰まりしたときに、フィルタの一部であって今まで空気流入口に対向していなかった部分を空気流入口に対向させることができる。この結果、フィルタの交換回数を減らすことができ、フィルタ交換に係るメンテナンス性を向上させることができ、フィルタ交換に係る費用の低減を図ることができる。
また、フィルタ及び空気流入口は、回転軸と同軸的な位置関係で配置されているため、フィルタの一部であって空気流入口に対向する部分が目詰まりしたときに、フィルタをクランクケースに対して相対的に回転した位置関係とすることによって、フィルタの一部であって今まで空気流入口に対向していなかった部分を空気流入口に対向させることができる。このため、回転軸の周囲のスペースを有効利用することができると共に、フィルタの一部であって空気流入口に対向していない部分を収容するためのスペースを別途確保せずに済む。このため、空気圧縮機のコンパクト化を図ることができる。
また、空気流入口を複数形成することにより各空気流入口の大きさを小さくすることができる。このため、シリンダやピストン等により空気を圧縮する際に発生する音が、クランクケース外に漏れ出て騒音となることを極力抑えることができる。
ここで、該空気流入口は、該回転軸の周りにおける一周の自然数分の1の領域にのみ形成されていることが好ましい。空気流入口は、回転軸の周りにおける一周の自然数分の1の領域にのみ形成されているため、従来のフィルタ使用可能期間の当該自然数倍長い期間、フィルタを使用し続けることができる。
また、該フィルタには環状をなすカバーが該フィルタと同軸的に対向配置され、該フィルタ及び該カバーを貫通するネジにより該フィルタ及び該カバーは該クランクケースに固定されていることが好ましい。
フィルタには環状をなすカバーがフィルタと同軸的に対向配置され、フィルタ及びカバーを貫通するネジによりフィルタ及びカバーはクランクケースに固定されているため、ネジを緩めることにより、クランクケースに対するフィルタの固定を解除することができ、フィルタを回転させることができる。このため、フィルタを貫通するネジのネジ穴の位置により定まる回転角度でフィルタを回転することができる。
また、該フィルタには環状をなすカバーが該フィルタと同軸的に対向配置され、該カバーの一部及び該クランクケースの一部に対向する固定板が設けられ、該固定板の一部であって該クランクケースに対向する部分を貫通するネジにより該固定板が該クランクケースに固定されることによって、該フィルタ及び該カバーは、該固定板の一部であって該カバーの一部に対向する部分と該クランクケースとにより挟持されることが好ましい。
フィルタには環状をなすカバーがフィルタと同軸的に対向配置され、カバーの一部及びクランクケースの一部に対向する固定板が設けられ、固定板の一部であってクランクケースに対向する部分を貫通するネジにより固定板がクランクケースに固定されることによって、フィルタ及びカバーは、固定板の一部であってカバーの一部に対向する部分とクランクケースとにより挟持されるため、ネジを緩めてクランクケースに対するカバーの固定を解除することで、フィルタを回転させることができる。このため、任意の回転角度でフィルタを固定することができる。
以上より本発明は、フィルタ交換に係るメンテナンス性が向上し、フィルタ交換に係る費用の低減を図った空気圧縮機を提供することができる。
本発明の実施の形態による空気圧縮機を示す平面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機を示す正面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機を示す側面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機のモータ及び圧縮機構を示す要部断面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機のフィルタを示す図であり、(a)は要部側面図、(b)は図4(a)のb−b線に沿った要部断面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機のフィルタを示す図であり、(a)は空気圧縮機を長時間使用した後の状態を示す側面図、(b)はフィルタを回転させた後の状態を示す側面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機の第1の変形例を示す図であり、(a)は要部側面図、(b)は図4(a)のb−b線に沿った要部断面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機の第2の変形例を示す図であり、(a)は要部側面図、(b)は図4(a)のb−b線に沿った要部断面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機の第3の変形例を示す図であり、(a)は要部側面図、(b)は図4(a)のb−b線に沿った要部断面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機の第4の変形例を示す図であり、(a)は要部側面図、(b)は図4(a)のb−b線に沿った要部断面図。 本発明の実施の形態による空気圧縮機のカバー及びフィルタの変形例を示す図であり、(a)はカバーの側面図、(b)はフィルタの側面図。(c)は第4の変形例のフィルタに代えて本変形例のフィルタを用いた様子を示す側面図。
本発明の実施の形態による空気圧縮機について図1乃至図7に基づき説明する。空気圧縮機1は、エア式の釘打ち機等の工具へ圧縮空気を供給するハンディタイプの空気圧縮機であり、全体の重量は12.9kg程度であり、最高圧力4.5MPaの圧縮空気を110リットル/分で供給可能である。図1に示すように空気圧縮機1は、ハウジング10と、モータ20と、圧縮機構30と、2つのタンク50と、制御回路70とを備えている。以下の説明においては、図1における左側を空気圧縮機1の左側、図1の右側を空気圧縮機1の右側と定義する。また、図1における上側を空気圧縮機1の後側、下側を空気圧縮機1の前側と定義する。また、図1における紙面の裏側から表側へ向かう方向を空気圧縮機1の上方向、紙面の表側から裏側へ向かう方向を空気圧縮機1の下方向と定義して説明する。また、図1〜図3においては、説明の便宜上、ハウジング10を透明として図示しているが、ハウジング10は実際には透明ではなく、黒い色の樹脂により構成されている。
2つのタンク51、52は、両端部が閉塞された略円筒形状をなしており、その軸心が左右方向に指向し互いに平行な位置関係となるように、且つ、タンク51、52の軸方向においてタンク51、52の一端及び他端が互いに一致した位置関係となるように配置されている。2つのタンク51、52はフレーム53によって互いに固定されており、タンク51とタンク52とは、連通管54(図2)によりこれらの内部が連通している。タンク51は下流側タンクに相当し、タンク52は上流側タンクに相当する。タンク51とタンク52とフレーム53とを合わせた重量は3.3kg程度であり、タンク51、タンク52の合計容積は8リットル程度である。
図2に示すようにハウジング10は、上部ハウジング部11と制御回路ハウジング部12とを有しており、上部ハウジング部11と制御回路ハウジング部12とを合わせた重量は0.6〜0.7kg程度である。上部ハウジング部11は、タンク52の上部の大部分と、タンク51の上部の大部分及び後部の大部分とを覆っている。制御回路ハウジング部12は、上部ハウジング部11の後端部の下端部に接続されており、タンク51の後側の下部に対向する位置に配置され、タンク51の後側の下部及び制御回路70を覆っている。
上部ハウジング部11はハンドル部11Aを1つのみ有している。ハンドル部11Aは、タンク51の軸方向における中央部の上方であって後述のクランクケース31の上方に相当する上部ハウジング部11の外面から突出しており、左右方向へ延出している。上部ハウジング部11が設けられているこの位置は、空気圧縮機1の重心位置の真上であり、図2に示すように、前後方向において、2本のタンク51、52の軸心間の中間位置よりも後述の制御回路70寄りの位置である。
上部ハウジング部11の前端であって後述のクランクケース31に対向する部分には、上部ハウジング部11内部と上部ハウジング部11外部とを連通する図示せぬ貫通孔が形成されている。また、上部ハウジング部11の後端であって後述のファンに対向する部分には、上部ハウジング部11内部と上部ハウジング部11外部とを連通する図示せぬ貫通孔が形成されている。また、制御回路ハウジング部12の下端部とタンク51の後側の下部との間は、制御回路ハウジング部12内部と制御回路ハウジング部12外部とを連通する隙間が形成されており、この間の隙間は上部ハウジング部11内部と上部ハウジング部11外部とを連通する空気の連通路をなしている。また、タンク51とタンク52との間はフレーム53による固定により所定の間隔で離間しており、この間の隙間は上部ハウジング部11内部と上部ハウジング部11外部とを連通する空気の連通路をなしている。
また、上部ハウジング部11の上面には、図示せぬ主電源スイッチを有する図示せぬ操作パネル部が設けられている。図示せぬ主電源スイッチは、電源コード27を介して空気圧縮機1に供給される商用三相交流電源のオン/オフの切替えを行う。当該図示せぬ主電源スイッチの切替えにより、制御回路70およびモータ20等への駆動電力の供給のオン/オフを切替える。図示せぬ操作パネル部は、タンク51、タンク52内の圧力値や、過負荷等の警告を表示可能である。
モータ20及び圧縮機構30は、上部ハウジング部11内のタンク51の上方であってタンク51の軸方向における中央位置に配置されており、モータ20と圧縮機構30とを合わせた重量は5.7〜5.9kg程度である。モータ20は三相交流ブラシレスモータにより構成されており、ステータ21と、ロータ22と、ロータ22と一体回転する出力軸23とを備えている。モータ20は、その出力軸23がタンク51の軸方向に直交する方向に指向するように配置されており、上部ハウジング部11内であって出力軸23の後端部には、ファン回転軸24が出力軸23に対して同軸的に固定されて設けられている。ファン回転軸24には軸流ファン25がファン回転軸24に対して同軸的に一体回転可能に固定されて設けられている。軸流ファン25は、図1に示すように、上部ハウジング部11内であって前後方向においてタンク51よりも後方に配置されている。また、出力軸23の前側の部分は、後述のクランクケース31を貫通している。
圧縮機構30はモータ20の前方に接続されており、クランク軸23Aとシリンダ32A、33Aとピストン32B、33Bとシリンダヘッド32C、33Cとを有している。クランク軸23Aはクランクケース31内に配置されており、シリンダヘッド32C、シリンダ32A、及びピストン32Bは、第1圧縮機32内にそれぞれ配置されている。また、シリンダヘッド33C、シリンダ33A、及びピストン33Bは、第2圧縮機33内にそれぞれ配置されている。従って、シリンダ32A、シリンダ33Aはクランクケース31に接続されている。クランク軸23Aは、モータ20の出力軸23と一体回転するように構成されると共にピストン32B、33Bと駆動連結されており、モータ20の回転を、クランク軸23Aを介してシリンダ32A、33A内に配置されたピストン32B、33Bの往復運動に変換する。シリンダヘッド32C、33Cとシリンダ32A、33Aとの間には図示せぬ弁座が設けられており、図示せぬ弁座には図示せぬ吸気口及び図示せぬ排気口が形成されている。第1圧縮機32の図示せぬ弁座の図示せぬ排気口は管部材55を介して第2圧縮機33の図示せぬ弁座の図示せぬ吸気口に接続されており、第2圧縮機33の図示せぬ弁座の図示せぬ排気口は管部材56を介してタンク52に接続されている。
クランクケース31の前端面には、クランクケース31の内部と外部とを連通する空気流入口31aが形成されている。この位置は、モータ20及びクランクケース31に関して軸流ファン25の反対側に位置しており、軸流ファン25に対向していない位置である。従って、軸流ファン25により流れてきた空気は、空気流入口31aを画成しているクランクケース31の部分には直接衝突しない。
空気流入口31aは、図5に示すようにモータ20の出力軸23を中心として円弧状をなして、2列で計16個形成されている。なお、図5(a)においては、説明の便宜上、空気流入口31aと後述のフィルタ31Aと後述のカバー31Bのみを図示している。空気流入口31aは、出力軸23を中心として点対称の位置に配置された、出力軸23の周りにおける一周の4分の1の一対の円弧状の領域に形成されており、残りの領域には空気流入口31aは形成されていない。即ち、空気流入口31aが形成された4分の1の領域は、出力軸23を中心として点対称の位置であって、135°〜225°の領域と315°〜45°の領域とにそれぞれ配置されている。全空気流入口31aの総面積は、空気圧縮機1と同程度の性能を有する従来の空気圧縮機のクランクケースに形成された全空気流入口の総面積と同程度である。
空気流入口31aはフィルタ31Aにより覆われている。フィルタ31Aは、図6に示すように、その半径方向に所定の幅を有する環状たるドーナツ状をなしている。フィルタ31Aは、空気流入口31aが形成されている前述の円弧状の領域を含む出力軸23の周り一周の環状の全領域に対向配置されており、従って、空気流入口31aは全てフィルタ31Aによって覆われている。フィルタ31Aには、出力軸23を中心として0°、120°、240°の位置にそれぞれフィルタ貫通孔31bが形成されている。
図5に示すように、フィルタ31Aにはカバー31Bがフィルタ31Aに対して同軸的な位置関係で対向配置されている。カバー31Bは、外形がフィルタ31Aと略同一形状のドーナツ状をなしており、空気流入口31aに対向可能な位置には、出力軸23を中心とする円弧状をなす長穴31nが、フィルタ31Aと同軸的に2列をなして、周方向へ6つそれぞれ同一の長さで形成されている。また、カバー31Bには、出力軸23を中心として0°、120°、240°の位置にそれぞれカバー貫通孔31cが形成されている。
フィルタ貫通孔31b及びカバー貫通孔31cには、ネジ31Dが貫通している。ネジ31Dは、クランクケース31に形成されたネジ穴に螺合している。この構成によりフィルタ31Aは、カバー31Bとクランクケース31とにより挟持された状態でクランクケース31に固定されている。ネジ31Dを緩めることにより、カバー31B及びフィルタ31Aをクランクケース31から取り外すことができるように構成されている。従って、所定の期間空気圧縮機1を使用することにより、図6(a)において煤けた黒丸で示すように、フィルタ31Aの一部であって空気流入口31aに対向していた部分が目詰まりを起こしたときには、ネジ31Dを緩め、カバー31B及びフィルタ31Aをクランクケース31から取り外し、出力軸23を中心としてフィルタ31Aを図中の矢印で示す方向へ回転させて図6(b)に示す状態とし、ネジ31Dをカバー貫通孔31c及びフィルタ貫通孔31bに貫通させクランクケース31に螺合させてカバー31B及びフィルタ31Aをクランクケース31に固定させることができる。このことにより、未だ目詰まりしていないフィルタ31Aの部分を空気流入口31aに対向させて使用することができる。
図2に示すように、タンク51の右端部上方には、ドレン排出装置57が設けられている。ドレン排出装置57には、ドレンコック57Aが設けられ、また、ドレン排出口57aが形成されている。ドレンコックの手動操作によってコックが開閉され、連通管54およびドレン排出装置57内部の流路を経由して、二つのタンク51、52内のドレン、圧縮空気を同時に外部へ排出させることができるように構成されている。
図1に示すように、タンク52上方の右端部寄りの部分、左端部寄りの部分には、それぞれ減圧弁58A、58Bと、取り出す圧縮空気の圧力を調整するための圧力調整用ハンドル61A、61Bと、圧縮空気取出し口(カプラ)60A、60Bとが設けられている。減圧弁58A、58Bにはソケットホルダ62A、62Bが螺合により接続されており、ソケットホルダ62A、62Bの上端には圧力計59A、59Bが螺合により接続されている。また、ソケットホルダ62A、62Bに圧縮空気取り出し口(カプラ))60A、60Bが螺合されて接続されている。
これらの構成により、圧力計59A、59Bによって圧縮空気取出し口(カプラ)60A、60Bの近傍の圧力をモニタ可能である。また、タンク51、52へ流入する圧縮空気の圧力の大きさにかかわらず、圧縮空気取出し口(カプラ)60A、60B側の圧力を、最高圧力値以下の圧力値であって圧力調整用ハンドルで調整された圧力値に一定に抑えることができ、圧縮空気取出し口(カプラ)60A、60Bから、タンク51、52内の圧力にかかわらず、最高圧力値以下の圧力を有する圧縮空気を得ることができる。カプラ60A、60Bの各々には、ホースを介して釘打機等の空気工具が接続され、当該空気工具に圧縮空気を供給可能である。
制御回路70は、モータ20の起動・停止(オン・オフ)を制御可能に構成されており、上部ハウジング部11の後部内及び制御回路ハウジング部12内に配置されている。制御回路70は、タンク51の後部から4mm程度の距離で離間して近接配置されていると共に、軸流ファン25の外周から15mm程度の距離で離間して近接対向配置されている。制御回路70の重量は0.9kg程度である。
以上の構成の空気圧縮機1で空気を圧縮しているときには、上部ハウジング部11の図示せぬ貫通孔から流入した空気は、第1圧縮機32のシリンダ32A内のピストン32Bの往復運動によって、フィルタ31Aを通して空気流入口31aからクランクケース31内に流入し、第1圧縮機32の弁座の吸気口から第1圧縮機32のシリンダ32A内に流入し、第1圧縮機32のシリンダ32A内で0.7〜0.8MPaの圧力まで圧縮される。圧縮空気は図示せぬ弁座の排気口から管部材55を通して第2圧縮機33の吸気口から第2圧縮機33のシリンダ33Aに内に流入し、第2圧縮機33のシリンダ33A内で3.0〜4.5MPaの許容最高圧力まで圧縮される。圧縮空気は図示せぬ弁座の排気口から管部材56を通してタンク52に内に流入する。タンク52に流入した圧縮空気の一部は連通管54を通してタンク51に流入し、タンク51及びタンク52内において同一の圧力で圧縮空気が貯留される。
空気流入口31aは、出力軸23を中心として所定の中心角を有する円弧に沿って点在し、フィルタ31Aは、環状をなし出力軸23と同軸的な位置関係で配置され、出力軸23を中心として回転させられた位置においてクランクケース31に固定可能であるため、空気流入口31aが形成されている領域を、フィルタ31Aの周方向における一部にのみ対向させることができる。このため、1つのフィルタ31Aにおいて、フィルタ31Aの一部であって空気流入口31aに対向する部分が目詰まりしたときに、フィルタ31Aの一部であって今まで空気流入口31aに対向していなかった部分を空気流入口31aに対向させることができる。この結果、フィルタ31Aの交換回数を減らすことができ、フィルタ31Aの交換に係るメンテナンス性を向上させることができ、フィルタ31Aの交換に係る費用の低減を図ることができる。
また、フィルタ31A及び空気流入口31aは、出力軸23と同軸的な位置関係で配置されているため、フィルタ31Aの一部であって空気流入口31aに対向する部分が目詰まりしたときに、フィルタ31Aをクランクケース31に対して相対的に回転した位置関係とすることによって、フィルタ31Aの一部であって今まで空気流入口31aに対向していなかった部分を空気流入口31aに対向させることができる。このため、出力軸23の周囲のスペースを有効利用することができると共に、フィルタ31Aの一部であって空気流入口31aに対向していない部分を収容するためのスペースを別途確保せずに済む。このため、空気圧縮機1のコンパクト化を図ることができる。
また、空気流入口31aを複数形成することにより各空気流入口31aの大きさを小さくすることができる。このため、シリンダ32A、33Aやピストン32B、33B等により空気を圧縮する際に発生する音が、クランクケース31外に漏れ出て騒音となることを極力抑えることができる。
また、空気流入口31aは、出力軸23の周りにおける一周の一対の4分の1の領域にのみ形成されているため、従来のフィルタ使用可能期間の2倍長い期間、フィルタ31Aを使用し続けることができる。
また、フィルタ31Aには環状をなすカバー31Bがフィルタ31Aと同軸的に対向配置され、フィルタ31A及びカバー31Bを貫通するネジ31Dによりフィルタ31A及びカバー31Bはクランクケース31に固定されているため、ネジ31Dを緩めることにより、クランクケース31に対するフィルタ31Aの固定を解除することができ、フィルタ31Aを回転させることができる。このため、フィルタ31Aを貫通するネジ31Dのネジ穴の位置により定まる回転角度でフィルタ31Aを回転することができる。
本発明による空気圧縮機は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、フィルタ及びカバー31Bの形状は本実施の形態に限定されない。
具体的には、本実施の形態では、空気流入口31aが形成されている円弧状の領域は、出力軸23の周りにおける一周の一対の4分の1の領域のみであったが、この値に限定されない。例えば、図7に示すように、対をなさない4分の1の領域のみであってもよい。また、図8に示すように、3分の1の領域のみであってもよい。
また、図9に示すように、空気流入口31aが形成された4分の1の領域が、出力軸23を中心として点対称の位置であって、90°〜180°の領域と270°〜360°の領域とにそれぞれ配置されていてもよい。
また、本実施の形態では、フィルタ貫通孔31b及びカバー貫通孔31cにはネジ31Dが貫通しており、ネジ31Dを緩めることにより、カバー31B及びフィルタ31Aをクランクケース31から取り外すことができるように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、図10に示すように、貫通孔が形成された3つの固定板134の貫通孔にネジ135が貫通して、固定板134がクランクケース31に固定されることにより、固定板134の一部とクランクケース31とでフィルタ31A及びカバー31Bを挟持する構成としてもよい。
フィルタ31Aには環状をなすカバー31Bがフィルタ31Aと同軸的に対向配置され、カバー31Bの一部及びクランクケース31の一部に対向する固定板134が設けられ、固定板134の一部であってクランクケース31に対向する部分を貫通するネジ135により固定板134がクランクケース31に固定されることによって、フィルタ31A及びカバー31Bは、固定板134の一部であってカバー31Bの一部に対向する部分とクランクケース31とにより挟持されるため、ネジ135を緩めてクランクケース31に対するカバー31Bの固定を解除することで、フィルタ31Aを回転させることができる。このため、任意の回転角度でフィルタ31Aを固定することができる。
また、第1の実施の形態におけるフィルタ31A、カバー31Bに代えて、図11に示すようなフィルタ331A、カバー331Bを用いてもよい。フィルタ331Aには、出力軸23(図10(b)等)を中心とする円弧状をなす長穴331eが形成されている。長穴331eは、図11(b)に示すように、0°近傍から180°近傍に至るまで、0°と180°とを結ぶ直線の上下にそれぞれ形成されており、長穴331eをネジ31D(図5等)が貫通している。また、カバー331Bにも出力軸23を中心とする円弧状をなす長穴331nが形成されている。長穴331nは、図11(a)に示すように、90°近傍から180°近傍まで、同軸的に2列をなして周方向へ延びて形成されている。
ネジ31Dを締めることより、カバー331B及びフィルタ331Aはクランクケース31(図10(b)等)に固定される。ネジ31Dを緩めることにより、フィルタ331Aはネジ31D及びカバー331Bに対して回転可能となる。そこで、カバー331Bの長穴331nにペン先等の細いものを差込み、フィルタ331Aを刺して、カバー331Bの長穴331nに沿って移動させることによりフィルタ331Aを回転させ、フィルタ331Aの一部であって今まで空気流入口31a(図5(a)等)に対向していなかった部分を、空気流入口31aに対向させることができる。また、このフィルタ331Aを、図11(c)に示すように、図10に示す変形例のフィルタ31Aに変えて用いてもよい。
また、本実施の形態では、出力軸23がクランクケース31を貫通していたが、この構成に限定されない。例えば、モータ20の出力軸23が貫通するのではなく出力軸23と一体回転可能な軸が貫通していてもよい。また、貫通せずに挿入された構成としてもよい。
また、本実施の形態では、モータ20は三相交流ブラシレスモータにより構成されていたが、他の種類のモータが用いられてもよい。また、タンクの本数は2本であったが、2本に限定されない。
また、モータ20の出力軸23の後端部にはファン回転軸24が出力軸23に対して同軸的に固定されて設けられ、ファン回転軸24には軸流ファン25がファン回転軸24に対して同軸的に一体回転可能に固定されて設けられていたが、このような構成に限定されない。例えば、モータ20の出力軸23にファンが同軸的に固定され、出力軸23とファンとが一体で回転する構成としてもよい。
本発明の空気圧縮機は、圧縮空気を動力源として用いる空気式の工具等に圧縮空気を供給する、持ち運びの容易なハンディタイプの空気圧縮機の分野において特に有用である。
1・・・空気圧縮機 20・・・モータ 30・・・圧縮機構 51、52・・・タンク 22・・・ロータ 31・・・クランクケース 31a・・・空気流入口31a 31A・・・フィルタ 134・・・固定板

Claims (4)

  1. ロータを有するモータと、
    該ロータと一体回転可能な回転軸と、
    該モータに隣接配置され、該回転軸が挿通されたクランクケースと、
    該クランクケース内に配置され該回転軸の回転により駆動されるクランク軸と、
    該クランクケースに接続されたシリンダと、
    該クランク軸の駆動により該シリンダ内において往復摺動するピストンと、を備え、
    該クランクケースには、フィルタにより覆われ該クランクケースの外部と内部とを連通する複数の空気流入口が形成され、
    該ピストンの往復動により該フィルタを通して該空気流入口から該クランクケース内に空気を流入し、該シリンダ内において空気を圧縮する空気圧縮機であって、
    該複数の空気流入口は、該回転軸を中心として所定の中心角を有する円弧に沿って点在し、
    該フィルタは、環状をなし該回転軸と同軸的な位置関係で配置され、該回転軸を中心として回転させられた位置において該クランクケースに固定可能であることを特徴とする空気圧縮機。
  2. 該空気流入口は、該回転軸の周りにおける一周の自然数分の1の領域にのみ形成されていることを特徴とする請求項1記載の空気圧縮機。
  3. 該フィルタには環状をなすカバーが該フィルタと同軸的に対向配置され、該フィルタ及び該カバーを貫通するネジにより該フィルタ及び該カバーは該クランクケースに固定されていることを特徴とする請求項1記載の空気圧縮機。
  4. 該フィルタには環状をなすカバーが該フィルタと同軸的に対向配置され、
    該カバーの一部及び該クランクケースの一部に対向する固定板が設けられ、該固定板の一部であって該クランクケースに対向する部分を貫通するネジにより該固定板が該クランクケースに固定されることによって、該フィルタ及び該カバーは、該固定板の一部であって該カバーの一部に対向する部分と該クランクケースとにより挟持されることを特徴とする請求項1記載の空気圧縮機。
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