JP2012218639A - ゴムクローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】装着された走行車両の走行時の振動を増加させることなく転輪走行部分の虫食いを軽減させるゴムクローラを提供する。
【解決手段】クローラ式走行車両に装着されるゴムクローラ1は、無端帯状に形成されたクローラ本体3と、クローラ本体の周方向に間隔を有しクローラ本体内に埋め込まれた芯金2と、幅方向中央の両側等距離であって内周側表面に配され周方向に一巡し芯金に立体的に交差する、転輪を転動させる転輪走行面18と、を有する。クローラ本体は、表面ゴムと表面ゴムよりも硬度が5度以上12度以下低い内面ゴム19とにより形成され、内面ゴムは、内周側から見たときに転輪走行面に重なる芯金の部分15における転輪走行面側の表面に面接触させて配され、芯金のその幅方向等分割断面での平均厚みT1が幅方向等分割断面での芯金と転輪走行面との転輪走行面距離T2の10%以上35%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンバイン、トラクタ等の農業機械、バックホー等の建設機械のクローラ式走行車両に使用されるゴムクローラに関する。
コンバイン、トラクタ等の農業機械、バックホー等の建設機械等のクローラ式走行車両(以下「走行車両」ということがある)には、芯金が周方向(循環方向)に等間隔に埋め込まれたゴムクローラが装着される。このような、芯金が埋め込まれたゴムクローラは、走行時に走行車両の転輪が通過する部分と転輪との間に入り込んだ砂、石等が走行車両の荷重を受けて芯金を覆うゴムを傷つけ(虫食い、チップカットともいう)、亀裂を生じさせる。
ゴムに生じた亀裂は、成長すると芯金を露出させて錆を生じさせ、やがて芯金が脱落してゴムクローラの耐久性を著しく低下させる。
ゴムクローラにおける、例えばスプロケット通過時に受ける捩れおよび剪断力に起因するゴムと芯金との剥離問題、芯金の錆の発生およびゴム欠けを防止するために、芯金の中央部分の外周側を、他の大部分に使用されるゴムよりも硬度の高いゴムで被覆する技術が開示されている(特許文献1)。
特開2006−151193号公報
しかし、特許文献1に開示された技術を、ゴムクローラにおける転輪が通過する部分にそのまま適用する、つまり転輪が通過する部分のゴムの硬度を他の部分よりも高くすると、走行時の走行車両の振動が増加する、虫食いが加速される傾向があるという問題がある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、装着された走行車両の走行時の振動を増加させることなく転輪走行部分の虫食いを軽減させるゴムクローラを提供することを目的とする。
本発明に係るゴムクローラは、クローラ式走行車両に装着されるゴムクローラであって、ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体と、長手方向に並び同一方向に突出する一対の突起部を備え前記突起部を内周側に位置させ前記長手方向が前記クローラ本体の幅方向になるように前記クローラ本体内に埋め込まれた複数の芯金と、前記幅方向の中央に対してその両側等距離であって前記クローラ本体における内周側表面に配され前記周方向に一巡し前記芯金に立体的に交差する、前記クローラ式走行車両の転輪を転動させる転輪走行面と、を有し、前記クローラ本体は、硬度が高い表面ゴムと前記表面ゴムよりも硬度が5度以上12度以下低い内面ゴムとにより形成され、前記内面ゴムは、内周側から見たときに、前記転輪走行面に重なる前記芯金の部分における内周側の表面である重複面に面接触させて配され、前記重複面を周方向に2等分割する面を断面としたときの前記断面における平均厚みT1が、前記重複面を周方向に2等分割したときの輪郭線または当該輪郭線の近似直線と前記2等分割の断面における前記突起部の幅方向外方を向く輪郭線または当該輪郭線の近似直線との交点から前記転輪走行面までの前記クローラ本体における厚さ方向の距離T2の10%以上35%以下である。
ここでいう「重複面を周方向に2等分割する面」とは、ゴムクローラを内周側から見たときに芯金における転輪走行面に重なる部分をその幅方向に略2等分する面で、ゴムクローラを切断した断面をいう。
好ましくは、前記内面ゴムは前記周方向に連続して一巡させて配される。
好ましくは、前記内面ゴムは、内周側から見たときに前記転輪走行面に重なる前記芯金の部分の全表面に配される。
好ましくは、前記内面ゴムは、天然ゴムまたは天然ゴムが50%以上含まれるゴムである。
本発明によると、装着された走行車両の走行時の振動を増加させることなく転輪走行部分の虫食いを軽減させるゴムクローラを提供することができる。
図1はゴムクローラの幅方向断面図である。 図2はゴムクローラを外周(接地)側から見た図である。 図3はゴムクローラを内周側から見た図である。 図4は表1の相互の関係を図化したものである。 図5は表2の相互の関係を図化したものである。 図6は他のゴムクローラを内周側から見た図である。
図1はゴムクローラ1の幅方向断面図、図2はゴムクローラ1を外周(接地)側から見た図、図3はゴムクローラ1を内周側から見た図である。図1は図2におけるA−A矢視断面図である。
以下の説明において、クローラ式走行車両に装着されたときにおけるゴムクローラ1の接地側を「外周側」といい、接地側の反対側を「内周側」という。また、クローラ式走行車両が走行するときにゴムクローラ1が循環する方向を「周方向」、周方向に直交し、かつクローラ式走行車両の転輪等の回転軸に平行な方向を「幅方向」という。
ゴムクローラ1は、芯金2、クローラ本体3、長ラグ4,4,4、短ラグ5,5,5および1対の抗張体6,6等からなる。
芯金2は、金属等の硬質材料によって形成される。芯金2は、全体として細長い芯金本体11および1対の突起部12,12からなる。
芯金本体11は、他の部分に比べて肉厚となった中央部13、および中央部13両側からそれぞれ芯金2の長手方向の両端に伸びた翼部14,14で構成される。翼部14は、中央部13側から端に向け所定の間は徐々に厚さが減少し、その後端まで略一定の厚さとなっている。翼部14における徐々に厚さが減少する部分(「テーパ部15」という)は、後に説明するクローラ本体3における転輪走行面18と、幅方向において略重複する。つまり、ゴムクローラ1を内周側から見たとき、テーパ部15は転輪走行面18に重なる。
突起部12,12は、芯金本体11における中央部13とその両側の翼部14,14とが連続する境界からそれぞれ内周側に突出する。突起部12は、突出側に対して先細りの形状を有し、クローラ式走行車両が走行するときに、その転輪がゴムクローラ1から脱落しないように転輪を案内するものである。芯金2は、その長手方向をクローラ本体3における幅方向に一致させて、クローラ本体3内に周方向に等間隔に埋め込まれている。
クローラ本体3は、肉厚帯状のゴムの両端が接合されて無端帯状に形成されたものである。クローラ本体3は、埋め込まれた隣り合う芯金2,2の間における幅方向の中央に、内周側と外周側とを貫通する係合孔16,…,16を備えている。係合孔16は、ゴムクローラ1が装着されるクローラ式走行車両の駆動輪の爪と係合して、駆動輪の回転によりゴムクローラ1を循環運動させるためのものである。
クローラ本体3の外周側には、いずれも幅方向に延びながら交互に突出する、クローラ式走行車両が走行する時に地面をグリップするための長ラグ4,4,4および短ラグ5,5,5が設けられている。なお、長ラグ4,4,4および短ラグ5,5,5は、周方向に直交する。
長ラグ4は、クローラ本体3の幅方向の一端から他端に延びた長いラグである。短ラグ5は、その接地面17(走行時に地面に接する面)の幅方向両端が芯金2の長手方向両端に略一致またはそれよりも若干内側となるように形成される、短いラグである。
長ラグ4および短ラグ5は、いずれも周方向において芯金2に重なるように、つまりゴムクローラ1を内周側から見たとき芯金2に重なるように、設けられている。したがって、長ラグ4と短ラグ5との間に係合孔16が位置する。
クローラ本体3は、内周側における1対の突起部12,12のそれぞれ幅方向外方に、幅方向中央に対してその両側等距離であって周方向に一巡し他の表面よりも盛り上がってその表面が平坦な転輪走行面18,18を備える。転輪走行面18は、芯金2と立体的に交差(立体交差)し、芯金2のテーパ部15と幅方向において略重複する。
クローラ本体3は、長ラグ4,4,4および短ラグ5,5,5等を含む大部分を形成する硬度が70〜90度(通常部分)の高硬度ゴムと、これよりも硬度が5〜12度低い低硬度ゴムとで構成される。このゴムの硬度は、「JIS K 6253」に準拠したデュロメータによる計測値(デュロメータ硬さ)である。
低硬度ゴムは、厚みが小さく幅が広い帯状に形成されている。この帯状に形成された低硬度ゴムを緩衝帯19という。緩衝帯19は、芯金2のテーパ部15における内周側表面に面接触してゴムクローラ1内を周方向に一巡する。緩衝帯19は、ゴムクローラ1を内周側から見たときの幅W1が、転輪走行面18の幅W2よりも大きい。緩衝帯19は、その幅W1が内周側から見たときに、転輪走行面18に対して幅方向の両側で外に若干出ている(はみ出している)。
緩衝帯19は、内周側から見たときにその幅W1が転輪走行面18の幅W2と同一以上であることが好ましく、内周側から見たときに、幅方向において転輪走行面18の全範囲に重複するように配されるのが好ましい。
なお、内周側から見たときの緩衝帯19の幅W1を規定する幅方向の両端は、図1のように芯金2側(E1)と内周側(E2)とで位置に差が生ずる場合には、W1が小さい値をなる方を採用する。
ところで、ゴムクローラ1は、その転輪走行面18から芯金2までの距離T2(以下「転輪走行面距離T2」という)が10〜25mmのものが多い。そのようなゴムクローラ1では、緩衝帯19の厚みT1は、2mm以上であってかつ転輪走行面距離T2の35%以下が選択される。
ここで「転輪走行面距離T2」とは、内周側から見たときに、転輪走行面18に重なる芯金2の部分(以下「重複部」と略す)に着目し、芯金2における幅方向の中央を通り周方向に直交する断面における重複部の内周側の輪郭線を基準として定義される。例えば、図1に示される芯金2のテーパ部15のように、中央部13側から端に向け重複部の厚さが徐々に減少する場合には、重複部の輪郭線を含む直線HHと突起部12の(ゴムクローラ1における)幅方向外方の輪郭線を含む直線JJとの交点Pと転輪走行面18との距離が採用される。重複部の内周側の輪郭線が転輪走行面18と平行であれば重複部の何れの部分をとっても転輪走行面距離T2は一定である。
重複部の輪郭線および/または突起部12の幅方向外方の輪郭線を含む直線が特定不能の場合には、これらの輪郭線を近似直線化して直線HH、直線JJが求められる。
ゴムクローラ1では、2mm以上であってかつ転輪走行面距離T2の35%以下として選択される緩衝帯19の厚みT1は、クローラ本体3における周方向において芯金2のテーパ部15に重なり合う部分についてのものである。
抗張体6は、複数のスチールコード等の抗張力コードが幅方向に1列に並べられて形成されている。1対の抗張体6,6は、それぞれが芯金2における翼部14の外周側を周方向全体にわたり巻回された状態で、クローラ本体3内に埋め込まれている。
表1はゴムクローラ1においてクローラ本体3の緩衝帯19とその他の部分とのゴムの硬度の差が虫食いの発生、走行時の振動、および芯金2との接着性に与える影響を調べた結果、表2はゴムクローラ1において緩衝帯19の厚みT1が虫食いの発生、走行時の振動、および芯金2との接着性に与える影響を調べた結果である。
表1は、転輪走行面距離T2を20mm、緩衝帯19の厚みを5mm、およびクローラ本体3における緩衝帯19以外の部分のゴムの硬度を76度に統一し、これよりも硬度が低いゴムを緩衝帯19に用いた結果である。表2は、転輪走行面距離T2を20mm、緩衝帯19のゴムの硬度を69度、およびクローラ本体3における緩衝帯19以外の部分のゴムの硬度を76度に統一し(硬度差7度)、緩衝帯19の厚みT1を変化させた結果である。
緩衝帯19は、便宜的に厚みが一定の帯状のものを使用した。
クローラ本体3は、緩衝帯19に天然ゴム(NR)または天然ゴムが50%以上含まれるゴムが使用され、緩衝帯19以外の部分にはスチレン・ブタジエンゴム(SBR)が使用されて形成された。
表1および表2における虫食い性指標は、各ゴムクローラ1が装着された走行車両を走行させ、転輪走行面18に虫食いが認められるまでの全走行時間を、緩衝帯19を有しない(硬度差0または厚みT1が0mm)ゴムクローラにおける転輪走行面18に虫食いが認められるまでの全走行時間を100としこれとの相対値として求めたものである。
表1および表2における振動指標は、各ゴムクローラ1が装着されたクローラ式走行車両を一定条件下で走行させ、クローラ式走行車両に設置した加速度センサの測定値と運転者の体感とにより決定した数値を、緩衝帯19を有しないゴムクローラにおける数値を100としたときの相対値として求めた。振動指標は、振動の程度と反比例し、数値が小さいほど走行時の振動が大きい。
表1および表2における接着性指標は、各ゴムクローラ1が装着された走行車両を特定距離走行させた後に、ゴムクローラ1から芯金2を中央に芯金2の1ピッチ分切り取り、この試験体における芯金2の翼部14とクローラ本体3のゴムとの剥離強度を測定し求めた。接着性指標は、緩衝帯19を有しないゴムクローラの剥離強度を100としこれとの相対値として表した。
図4は表1の相互の関係を図化したもの、図5は表2の相互の関係を図化したものである。
図4から、転輪走行面18の虫食いの発生は、緩衝帯19に他の部分のゴムよりも硬度が5度以上低いゴムを使用すれば減少することがわかる。また緩衝帯19のゴムの硬度を5度以上低くすることにより、走行車両の振動の発生も抑制される。
一方で、芯金2とクローラ本体3との接着性は、硬度差が7度をピークにそれ以上では接着性が低下し、硬度差が12度で硬度差が0度(緩衝帯19なし)と略同等となる。
これらのことから、緩衝帯19におけるゴムとクローラ本体3の他の部分のゴムとの硬度差は5度以上12度以下が好ましい。
緩衝帯19の厚みT1については、図5から、2mm以上7mm以下の場合、転輪走行面18の虫食いが一定以上改善されることがわかる。振動は、緩衝帯19の厚みT1が大きいほど減少する。
一方、芯金2とクローラ本体3との接着性は、緩衝帯19の厚みT1が7mmで緩衝帯19を有しない場合と同等となり、7mmを超えると、緩衝帯19を有しない場合よりも悪化する。
これらのことから、緩衝帯19の厚みT1は2mm以上7mm以下が好ましく、3mm以上7mm以下がより好ましい。この範囲を転輪走行面18から芯金2までの転輪走行面距離T2との関係で求めると、
0.10T2<T1<0.35T2 ・・・ (1)
となる(図5参照)。
なお、前述したように、ゴムクローラ1は、その転輪走行面18から芯金2までの転輪走行面距離T2が10〜25mmのものが多く、転輪走行面距離T2がこの範囲を大きく外れることは用途およびその構造上稀である(ゴムを使用することで巨大化(大きな重量を支える)に限界がある)。そうすると、(1)式の関係は、芯金2が埋設され、内周側に周方向に一巡する転輪走行面18,18を備えるゴムクローラ全般に当てはまるものといえる。
図4から、緩衝帯19を有するゴムクローラ1(硬度差が0を除くゴムクローラ1)は、硬度差が5度以上12度以下であれば緩衝帯19を有しないゴムクローラよりも虫食い性指標、振動指標および接着性指標が大きい。また、図5から、緩衝帯19の厚み割合が10%以上35%以下であれば、緩衝帯19を有しないゴムクローラよりも虫食い性指標、振動指標および接着性指標が大きい。
このことは、硬度差が5度以上12度以下であり、かつ緩衝帯19の厚み割合が10%以上35%以下であれば、緩衝帯19が芯金2における転輪走行面18に重なる部分の全表面を覆うものでなくその一部を覆うものであっても、緩衝帯19を芯金2に面接触させて配することによって虫食いおよび振動の軽減に一定の効果が得られることを示唆している。
図6は他のゴムクローラ1Bを内周側から見た図である。
ゴムクローラ1Bは、クローラ本体3Bにおける緩衝帯19B,…,19Bの形態のみが前述したゴムクローラ1と異なる。ゴムクローラ1Bにおける緩衝帯19B,…,19Bを除く他の部分はゴムクローラ1と同じであり、図6においてゴムクローラ1におけると同じ符号を付しその説明を省略する。
緩衝帯19Bは、周方向に一巡せず、芯金2の翼部14と転輪走行面18との間にのみ翼部14に面接触させて配される。緩衝帯19Bは、(ゴムクローラ1Bにおける)幅方向における寸法W1が転輪走行面18の幅W2と同じまたはこれより大きいのが好ましい。また、緩衝帯19Bは、周方向の寸法が、芯金2の翼部14おける転輪走行面18と周方向に重なる部分の寸法と同じまたはこれよりも大きいことが好ましい。
これらの場合、緩衝帯19Bは、内周側から見たときに、幅方向において転輪走行面18の全範囲に重複し、周方向において転輪走行面18に重なる芯金2の翼部14の全範囲に重複する。
ゴムクローラ1Bにおいても、緩衝帯19B,…,19Bはゴムクローラ1の緩衝帯19と同様に、装着された走行車両の走行時の振動を増加させることなく転輪走行面18の虫食いを軽減させることができる。
ゴムクローラ1,1Bは、いずれも他の部分よりも硬度の低いゴムが転輪走行面18と芯金との間に芯金に面接触させて配されるので、転輪からの圧力が分散するので、虫食い防止効果とともに走行時の振動を効果的に減少させることができる。
緩衝帯19,19Bには、接着性が良好な天然ゴム(NR)の使用が好ましく、ゴムクローラ1Bでは価格が変動しやすく時に高騰する天然ゴムの使用量が少ないという利点がある。しかし、周方向に一巡する緩衝帯19を備えたゴムクローラ1の方が、製造作業の効率性、生産のサイクルタイムの点で優れる(煩雑さの低減、サイクルタイムの短縮)。
上述の実施形態において、緩衝帯19,19Bおよびクローラ本体3,3Bにおけるゴムの種類を、上記以外のものとすることができる。内周側に転輪走行面18を有すれば、芯金2の形状は上記のものに限られない。例えば、突起部が幅方向中央に1つのみ突出するゴムクローラに、上記緩衝帯19,19Bを設けてもよい。
ラグは、ゴムクローラ1,1Bのように長ラグ4および短ラグ5の2種類ではなく、1種類のラグであつてもよい。また、ラグは、その接地面が幅方向に対して傾斜して延びる形状であってもよく、その場合、緩衝帯19,19Bは、内周側から見て転輪走行面18に重複する芯金の部分に面接触させて、ゴムクローラ1,1Bと同様の要件を満たして埋設される。
その他、ゴムクローラ1,1B、およびゴムクローラ1,1Bの各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
本発明は、コンバイン、トラクタ等の農業機械、バックホー等の建設機械のクローラ式走行車両に使用されるゴムクローラに利用することができる。
1,1B ゴムクローラ
2 芯金
3,3B クローラ本体
18 転輪走行面
19,19B 緩衝帯(内面ゴム)
T1 緩衝帯(内面ゴム)の厚み(平均厚み)
T2 転輪走行面距離

Claims (4)

  1. クローラ式走行車両に装着されるゴムクローラであって、
    ゴムにより無端帯状に形成されたクローラ本体と、
    長手方向に並び同一方向に突出する一対の突起部を備え前記突起部を内周側に位置させ前記長手方向が前記クローラ本体の幅方向になるように前記クローラ本体内に埋め込まれた複数の芯金と、
    前記幅方向の中央に対してその両側等距離であって前記クローラ本体における内周側表面に配され前記周方向に一巡し前記芯金に立体的に交差する、前記クローラ式走行車両の転輪を転動させる転輪走行面と、を有し、
    前記クローラ本体は、硬度が高い表面ゴムと前記表面ゴムよりも硬度が5度以上12度以下低い内面ゴムとにより形成され、
    前記内面ゴムは、
    内周側から見たときに、前記転輪走行面に重なる前記芯金の部分における内周側の表面である重複面に面接触させて配され、前記重複面を周方向に2等分割する面を断面としたときの前記断面における平均厚みT1が、前記重複面を周方向に2等分割したときの輪郭線または当該輪郭線の近似直線と前記2等分割の断面における前記突起部の幅方向外方を向く輪郭線または当該輪郭線の近似直線との交点から前記転輪走行面までの前記クローラ本体における厚さ方向の距離T2の10%以上35%以下である
    ことを特徴とするゴムクローラ。
  2. 前記内面ゴムを前記周方向に連続して一巡させた
    請求項1に記載のゴムクローラ。
  3. 前記内面ゴムが、内周側から見たときに前記転輪走行面に重なる前記芯金の部分の全表面に配された
    請求項1または請求項2に記載のゴムクローラ。
  4. 前記内面ゴムは、
    天然ゴムまたは天然ゴムが50%以上含まれるゴムである
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のゴムクローラ。
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