JP2012216286A - 導電性樹脂組成物及び電子回路基板 - Google Patents

導電性樹脂組成物及び電子回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性樹脂組成物において、ボリュームコストを低減させることができるとともに、形成される微細な導電パターンにおいて、良好な導電性を有し、低コスト化を図ることが可能な導電性樹脂組成物、及び電子回路基板を提供する。
【解決手段】導電性樹脂組成物において、フレーク径/厚さで表されるアスペクト比が5−25で、かつフレーク径が1−10μmのAlフレーク粉末と、有機バインダーと、を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば、基板に導電パターンを形成するために用いられる導電性樹脂組成物、及び電子回路基板に関する。
一般に、電極などの導電パターンを有するプリント配線板やPDP用基板などの電子回路基板は、有機バインダーなどに導電粉末を混合した導電性樹脂組成物を用い、基板上にスクリーン印刷法やフォトリソグラフィー法などによりパターン形成した後、通常、大気中、500℃以上で焼成することにより形成される。
このとき用いられる導電性樹脂組成物において、導電粉末として、微細な導電パターンにおいても抵抗値が低く、空気中焼成が可能なAg粉が好適に用いられる。しかしながら、Ag粉は比較的高価で、価格変動リスクが大きいという問題がある。そのため、導電性樹脂組成物の低コスト化を図るために、より安価な他の導電粉末への代替が種々検討されている。
そこで、Ag粉より安価であり、比重が低いことからボリュームコストが低いAl粉を用いることが検討された。しかしながら、Al粉では、形成された導電パターンにおいて、10−5オーダーの良好な導電性を得ることができない。そこで、薄片形状のAlを主成分とする導電性フィラーを用いることが提案されている(例えば特許文献1など参照)。
特開2009−105045号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、Al粉末を単にフレーク状としても、必ずしも良好な導電率を得ることができない。これは、表面酸化や分散、堆積状態が異なることに起因すると考えられる。
そこで、本発明は、導電性樹脂組成物において、ボリュームコストを低減させることができるとともに、形成される微細な導電パターンにおいて、良好な導電性を有し、低コスト化を図ることが可能な導電性樹脂組成物、及び電子回路基板を提供するものである。
このような課題を解決するために、本発明の一態様の導電性樹脂組成物は、フレーク径/厚さで表されるアスペクト比が5−25で、かつフレーク径が1−10μmのAlフレーク粉末と、有機バインダーと、を含有することを特徴とする。
このような構成により、ボリュームコストを低下させることができるとともに、形成される導電パターンにおいて、良好な導電性を有し、低コスト化を図ることが可能となる。
また、本発明の一態様の導電性樹脂組成物において、Alフレーク粉末は、前記有機バインダー100質量部に対し、20〜1000質量部であることが好ましい。このような構成により、良好な導電率の導電パターンを形成することが可能となる。
また、本発明の一態様の導電性樹脂組成物において、ガラスフリットを含有することができる。このような構成により、導電パターンの強度や基板との密着性を向上させることができるとともに、十分な導電性を得ることができる。
さらに、本発明の一態様の電子回路基板の形成方法は、基材上に、このような導電性樹脂組成物のパターンを形成し、このパターンを焼成して、基材上に導電パターンを形成する、ことを特徴とする。このような構成により、導電パターンの良好な導電性を得ることができるとともに、低コスト化を図ることが可能となる。
また、本発明の一態様の電子回路基板は、フレーク径/厚さで表されるアスペクト比が5−25で、かつフレーク径が1−10μmのAlフレーク粉末を有する導電パターンを備えることを特徴とする。このような構成により、導電パターンの良好な導電性を得ることができるとともに、低コスト化を図ることが可能となる。
本発明の導電性樹脂組成物によれば、ボリュームコストを低減させることができるとともに、これを用いて形成される微細な導電パターンにおいて、良好な導電性を有するとともに、低コスト化を図ることが可能となる。また、本発明の電子回路基板によれば、導電パターンの良好な導電性を得ることができるとともに、低コスト化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施態様について説明する。
本実施態様の導電性樹脂組成物は、フレーク径/厚さで表されるアスペクト比が5−25で、かつフレーク径が1−10μmのAlフレーク粉末と、有機バインダーと、を含有するものである。
本実施形態の導電性樹脂組成物におけるAlフレーク粉末は、Alを主成分としたフレーク状の粉末である。強度、耐食性などを向上させるために、Mn、Si、Mg、Znなどを含有してもよい。
また、Alフレーク粉末においては、フレーク径/厚さで表されるアスペクト比が5−25である。アスペクト比が5未満であると、Alフレーク粉末同士の接触面積を十分に取ることができず、良好な導電性を得ることが困難となる。一方、アスペクト比が25を超えると、表面酸化膜による抵抗が大きくなるとともに、空隙ができやすくなり、良好な導電性を得ることが困難となる。より好ましくは、7−20である。なお、フレーク径は、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて10,000倍にて観察したランダムな10個のAlフレーク粉末の長手方向を測定した平均粒径であり、厚さはSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて10,000倍にて観察したランダムな10個のAlフレーク粉末の厚さ方向を測定した平均厚さで求められる。
また、Alフレーク粉末においては、平均粒径が1.0〜10.0μmである。平均粒径が1.0μm未満であると、Alフレーク粉末同士の接触が起こりにくくなり、十分な導電性を得ることが困難となる。一方、平均粒径が10μmを超えると、形成される導電パターンの直進性や緻密性を得ることが困難となる。より好ましくは1.5〜7.0μmである。なお、平均粒径は、SEM(走査型電子顕微鏡)を用いて10,000倍にて観察したランダムな10個のAlフレーク粉末の長手方向を測定した平均粒径で求められる。
このようなAlフレーク粉末は、後述する有機バインダー100質量部に対し、20〜1,000質量部で配合されることが好ましい。20質量部未満では導体回路の線幅収縮や断線が生じやすくなる。一方、1,000質量部を超えると、分散性が低下し、ペースト化が困難となる。より好ましくは、50〜700質量部である。
本実施態様における有機バインダーを構成する樹脂としては、乾燥性樹脂、光硬化性樹脂、アルカリ可溶性樹脂などを用いることができる。
このうち、乾燥性樹脂は、後述する有機溶剤とともに用いられ、加熱乾燥によって有機溶剤が除去されることにより、乾燥塗膜を形成する。
このような乾燥性樹脂としては、アクリル系ポリオール、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、スチレン−アリルアルコール樹脂、フェノール樹脂などのオレフィン系水酸基含有ポリマー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロールなどのセルロール誘導体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、アルキドフェノール樹脂、ブチラール樹脂、変性エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂などの樹脂を用いることができる。
また、光硬化性樹脂は、紫外線、電子線などの活性エネルギー線により、分子間架橋して、硬化塗膜を形成する。
このような光硬化性樹脂としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などのエチレン性不飽和結合やプロパルギル基などの感光性基を有する樹脂、例えば側鎖にエチレン性不飽和基を有するアクリル系共重合体、不飽和カルボン酸変性エポキシ樹脂、或いは、これらに多塩基酸無水物を付加した樹脂など、各種感光性樹脂(感光性プレポリマー)を用いることができる。
また、アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ現像によって目的とするパターン以外の部分を除去することにより、塗膜を形成する。このようなアルカリ可溶性樹脂は目的とする現像処理が可能な程度にアルカリ現像液に溶解すれば良く、カルボキシル基を有する樹脂、具体的にはそれ自体がエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂およびエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂を用いることができる。具体的には、以下の樹脂(オリゴマーおよびポリマーのいずれでもよい)が好適に用いられる。
(1)不飽和カルボン酸と不飽和二重結合を有する化合物を共重合させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂。
(2)不飽和カルボン酸と不飽和二重結合を有する化合物の共重合体にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(3)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(4)不飽和二重結合を有する酸無水物と不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(5)エポキシ化合物と不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
(6)不飽和二重結合を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した2級の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(7)水酸基含有ポリマーに多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂。
(8)水酸基含有ポリマーに多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさらに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂。
これらのカルボキシル基含有感光性樹脂およびカルボキシル基含有樹脂は、単独で又は混合して用いることができる。
また、これらのカルボキシル基含有感光性樹脂およびカルボキシル基含有樹脂において、重量平均分子量が1,000〜100,000であることが好ましい。分子量が1,000より低い場合、現像時の塗膜の密着性に悪影響を与え、一方、100,000よりも高い場合、現像不良を生じ易くなる。より好ましくは5,000〜70,000である。
そして、その酸価は50〜250mgKOH/gはであることが好ましい。酸価が50mgKOH/gより低い場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分で現像不良を生じ易く、一方、250mgKOH/gより高い場合、現像時に塗膜の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生じてしまう。
また、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、その二重結合当量が350〜2,000であることが好ましい。二重結合当量が350よりも小さいと、焼成時に残渣が残り易くなり、一方、2,000よりも大きいと、現像時の作業余裕度が狭く、また光硬化時に高露光量が必要となる。より好ましくは400〜1,500である。
このような有機バインダーは、ペースト組成物全量の10〜80質量%の割合で配合することが好ましい。10質量%未満の場合、形成する塗膜中の分布が不均一になり易くなり、充分な光硬化性、光硬化深度が得られにくくなるため、選択的露光、現像によるパターニングが困難となる。一方、80質量%を超えると、焼成時のパターンのよれや、線幅収縮を生じてしまう。
また、本実施形態の有機バインダーとして、これら乾燥性樹脂、光硬化性樹脂、アルカリ可溶性樹脂は、必ずしもそれぞれ単体で用いる必要はなく、2種以上併用することも可能である。
本実施態様において、さらに導電パターンの強度や基板との密着性向上のために、ガラスフリットを含有してもよい。このようなガラスフリットとして、低融点ガラス粉末を用いることができる。
このような低融点ガラス粉末としては、ガラス転移点(Tg)が300〜500℃で、ガラス軟化点(Ts)が400〜600℃であるガラス粉末、例えば酸化鉛、酸化ビスマス、酸化亜鉛又は酸化リチウム、またはアルカリホウケイ酸塩を主成分とするものが好適に用いられる。また、その平均粒径は、解像度の点からは、0.1〜10μmであることが好ましい。より好ましくは0.5〜3μmである。
酸化鉛を主成分とするガラスフリットとしては、酸化物基準の質量%で、PbOが48〜82%、Bが0.5〜22%、SiOが3〜32%、Alが0〜12%、BaOが0〜15%、TiOが0〜2.5%、Biが0〜25%の組成を有し、軟化点が400〜600℃である非晶性ガラスフリットが挙げられる。
酸化ビスマスを主成分とするガラスフリットとしては、例えば、酸化物基準の質量%で、Biが6〜88%、Bが5〜30%、SiOが5〜25%、Alが0〜5%、BaOが0〜20%、ZnOが1〜20%の組成を有し、軟化点が400〜600℃である非晶性ガラスフリットが挙げられる。
酸化亜鉛を主成分とするガラスフリットとしては、例えば、酸化物基準の質量%で、ZnOが25〜60%、KOが2〜15%Bが25〜45%、SiOが1〜7%、Alが0〜10%、BaOが0〜20%、MgOが0〜10%の組成を有し、軟化点が400〜600℃である非晶性ガラスフリットが挙げられる。
また、このようなガラスフリットはAlフレーク粉末100質量部あたり1〜80質量部の割合で配合することが好ましい。より好ましくは1〜60質量%である。
本実施態様の導電性樹脂組成物において、必要に応じて有機溶剤を用いることができる。有機バインダーが固体状の場合には、溶剤に有機バインダーを溶解、或いは分散させることにより、所定の粘度で、基材への塗布が可能となる。また、有機バインダーが液状の場合には、その粘度を調整することができる。
このような有機溶剤は、導電性樹脂組成物に含まれる有機成分に対して、80質量%未満となるように配合されることが好ましい。有機溶剤の配合量が有機成分に対して80質量%以上では、粘度が低くなり、塗布性が悪化する。また、沈降などが発生し、保存安定性が低下するという問題を生じる。
また、本実施形態の導電性樹脂組成物において、必要に応じて、組成物の光硬化性の促進および現像性を向上させるために光重合性モノマーを配合することができる。このような光重合性モノマーとしては、具体的には、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートおよび上記アクリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、こはく酸、トリメリット酸、テレフタル酸などの多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステルなどが挙げられるが、特定のものに限定されるものではない。
これらのうち、1分子中に2個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。これらの光重合性モノマーは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような光重合性モノマーの配合量は、有機バインダー100質量部当り20〜200質量部が適当である。光重合性モノマーの配合量が20質量部未満であると、ペースト組成物の充分な光硬化性を得ることが困難となる。一方、200質量部を超えると、塗膜の深部に比べて表面部の光硬化が早くなるため、硬化むらを生じ易くなる。
また、本実施形態のペースト組成物において、光硬化を促進するために、光重合開始剤を配合することができる。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などのアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイトなどのフォスフィンオキサイド類;各種パーオキサイド類などが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの光重合開始剤の配合量は、有機バインダー100質量部当り1〜30質量部が適当である。1質量部未満であると、ペースト組成物の充分な光硬化性を得ることが困難となる一方、30質量部を超えると、充分な保存安定性を得ることが困難となる。より好ましくは、5〜20質量部である。
本実施態様の導電性樹脂組成物において、有機バインダーとしてアルカリ可溶性樹脂を用いる場合、ゲル化や増粘を防ぐために、保存安定剤を用いることが好ましい。保存安定剤としては、具体的には、有機酸や無機酸、リン含有化合物などを挙げることができる。
さらに、本実施態様の導電性樹脂組成物において、必要に応じて、シリコーン系、アクリル系などの消泡・レベリング剤、分散剤、皮膜の密着性向上のためのシランカップリング剤、酸化防止剤などの各種添加剤を配合することができる。
このように構成される本実施態様の導電性樹脂組成物は、各成分を所定の組成となるように調合した後、3本ロールミルや混錬機で混合分散するか、或いは自転公転撹拌機で高速撹拌して分散することにより調製される。
このようにして調製された導電性樹脂組成物を用いて、例えば以下のようにして導電パターンを形成する。
有機バインダーとして乾燥性樹脂を用いた場合、基材上にスクリーン印刷などによりパターン印刷された後、例えば、熱風式乾燥炉を用いて100℃〜150℃で5〜60分間の加熱乾燥を行い、溶剤を除去する。
また、光硬化性樹脂を用いた場合、基材上に、スクリーン印刷などでパターン印刷した後、活性エネルギー線にて光硬化させる。
アルカリ可溶性樹脂を用いた場合、基材上にスクリーン印刷などで全面印刷した後、熱風循環式乾燥炉や遠赤外線乾燥炉などで、例えば60〜120℃で5〜40分間乾燥して有機溶剤を蒸発させ、タックフリーの塗膜を得る。さらに、選択的露光を行い、現像する。
アルカリ可溶性樹脂は、予めフィルム上に成膜されたドライフィルムの状態で用いることもできる。その場合には基材上にドライフィルムをラミネートし、同様に、選択的露光を行い、現像する。
さらに、このようにして形成されたパターンを例えば400〜600℃で焼成し、有機バインダーを焼成分解することにより、基材上にAlフレーク粉末を含む導電パターンが形成される。得られた導電パターンは、電気回路基板などとして用いられる。
以下、実施例及び比較例を示して本実施形態について具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものでない。なお、「部」及び「%」とは、特に断りがない限り全て質量基準である。
[Alフレーク粉末の作成]
平均粒径が2.1μmの略球状Al粒子100質量部を、分散媒としてミネラルスプリット150質量部、分散剤としてオレイン酸2質量部と混合し、ボールミル粉砕機により、メディア径2〜20mmのZrO製のボールを用い、回転数10〜100rpmの条件で所定のフレーク径になるまでフレーク化を行い、
各フレーク径のAlフレーク粉末を作製した。
[有機バインダーの調製]
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてジエチ
レングリコールモノエチルエーテルアセテート、触媒としてアゾビスイソブチロニトリル
をいれ窒素雰囲気下、80℃に加熱し、メタクリル酸及びメチルメタアクリレートを、メタクリル酸:0.4mol、メチルメタアクリレート:0.6molのモル比で混合したモノマーを約2時間かけて滴下し、さらに1時間攪拌後、温度を115℃まで上げて失活させ、樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を冷却後、触媒として臭化テトラブチルアンモニウムを用い95〜115℃、30時間の条件で、ブチルグリジルエーテル:0.4molを、得られた樹脂のカルボキシル基の等量と付加反応させ、冷却した。さらに、得られた樹脂のOH基に対して95〜105℃、8時間の条件で、無水テトラヒドロフタル酸0.26molを付加反応させ、冷却後取り出して固形分の55%の有機バインダーを得た。
[ガラススラリーの調製]
ガラス粉末としては、Bi:50%、B:16%、ZnO:14%、SiO:2%、BaO:18%、熱膨張係数α300=86×10−7/℃、ガラス軟化点501℃のものを用いた。このガラス粉末を粗粉砕した後、300メッシュのスクリーンにてフィルタリングを行ない、得られたガラス粉末70質量部と2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレートを29.16質量部、それに分散剤として、BYK−410を0.14質量部、BYK−182を0.7質量部加えた。
これをビーズミル(三井鉱山株式会社製SC50)により、メディア径:φ0.3〜0.8mmのZrO製のビーズを用い、回転数2,000〜3,300rpmで、3〜9時間にて微粉砕して、粒度がD50:1.0μm、Dmax:3.9μmで、ガラス粉末含有量が70質量%のガラススラリーを調製した。
なお、粒度測定は、堀場レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いて行った。
[導電性樹脂組成物の調製]
表1に配合量を示すように、各成分を1200mlのポリ容器にて配合し、ディゾルバーにて500rpm、10分間攪拌を行なった。その後、7インチサイズセラミック製3本ロールにて2回混練してペースト化し、実施例1〜6、及び比較例1〜4の導電性樹脂組成物を得た。
Figure 2012216286
※1:略粒径粉の平均粒径
※2:元の平均粒径5.0μm
※3:トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート(M-350 東亜合成製)
※4:アルキルナフタレン系溶剤(ソルベッソ200 エクソンモービル社製)
※5:アクリル系レベリング・消泡剤(ポリフローNo.90 共栄社化学製)
※6: 次亜リン酸
※7: 2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1
得られた各導電性樹脂組成物を、それぞれ以下のように評価した。
[導電性評価]
(試験基板の作製)
得られた各導電性樹脂組成物を用いて、それぞれ試験基板を作製した。
試験基板の作製:
実施例1〜6、比較例1〜4の導電性樹脂組成物を、ガラス基板上に、200メッシュのポリエステルスクリーンにより全面印刷し、90℃で30分間乾燥させて、乾燥塗膜を得た。
次いで、得られた乾燥塗膜を、高圧水銀灯により100mJ/cmで選択的露光した後、炭酸ナトリウム0.4質量%溶液により30℃で現像を行い、0.1cm×5cmのラインパターンを得た。
これを、20℃/minで昇温させ、600℃で10分間焼成させることにより、実施例1〜6、及び比較例1〜4となる導電パターンを有する試験基板を得た。
得られた導電パターンのライン抵抗値と比抵抗値を以下のとおり評価した。
(抵抗値の測定)
このようにして作製した0.1cm×5cmの導電パターンを有する評価基板について、HIOKI社製:HIOKI3540mΩハイテスタを用い、導電パターンのライン抵抗値を測定した。そして、ライン抵抗値から以下のようにして比抵抗値を算出した。
比抵抗値(Ω・cm)
=ライン抵抗値(Ω)×膜厚(cm)×ライン幅(cm)/ライン長さ(cm)
評価結果を表2に示す。
Figure 2012216286
表2に示すように、実施例1〜6の導電性樹脂組成物によれば、アスペクト比又はフレーク径が所定の範囲外の比較例1〜4と比較して、比抵抗値を低下させることができる。

Claims (6)

  1. フレーク径/厚さで表されるアスペクト比が5−25で、かつフレーク径が1−10μmのAlフレーク粉末と、
    有機バインダーと、
    を含有することを特徴とする導電性樹脂組成物。
  2. 前記Alフレーク粉末は、前記有機バインダー100質量部に対し、20〜1000質量部であることを特徴とする請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. さらにガラスフリットを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の導電性樹脂組成物。
  4. 前記有機バインダーがアルカリ可溶性樹脂であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物。
  5. 基材上に、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物のパターンを形成し、
    前記パターンを焼成して、基材上に導電パターンを形成する、
    ことを特徴とする電子回路基板の形成方法。
  6. フレーク径/厚さで表されるアスペクト比が5−25で、かつフレーク径が1−10μmのAlフレーク粉末を有する導電パターンを備えることを特徴とする電子回路基板。
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