JP5901580B2 - ペースト組成物及び焼成物パターン - Google Patents

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Description

本発明は、無機酸化物を含むペースト組成物及び焼成物パターンの改良に関する。
黒色顔料などの無機酸化物を含むペースト組成物は、塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用、電子材料用等に広く使用されている。
電子材料等の用途では、他の材料との混合が行われやすいように、微粒化された黒色顔料などの無機酸化物を高濃度に含み、かつ低粘度のペーストであることが特に要求されている(特許文献1,2)。
また、近年、黒色顔料などの無機酸化物を含むペースト組成物は、さらなる高濃度化の要求が強まっており、ペースト組成物を長期保存しても、粘度の上昇、沈降分離が起こりにくい経時(粘度)安定性の高いペースト組成物の要求が強くなってきた。
また、従来のペースト組成物は、長期保存すると粘度が上昇し、高濃度の黒色顔料などの無機酸化物を含有すると、このペースト組成物を用いた塗膜には、現像残渣が生じやすい問題があった。
特開2005-289653、発明が解決しようとする課題等 特開2006-306710、発明が解決しようとする課題等
本発明の課題は、微粒化された黒色顔料などの無機酸化物を高濃度に含むペースト組成物であっても、粘度の上昇を抑制しつつ長期間安定して保存でき、しかも無機酸化物の沈降分離が起こりにくい、分散性に優れた無機酸化物含有ペースト組成物を提供することにある。
また本発明の課題は、黒色顔料などの無機酸化物を高濃度に含有しても、塗膜に現像残渣が生じないペースト組成物及びその焼成物パターンを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、黒色顔料などの無機酸化物を分散させるペースト組成物の分散剤として、酸価が30mgKOH/g以上、かつアミン価が20mgKOH/g以上である水溶性の両性系の分散剤を用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、上記課題を解決することができる本発明のペースト組成物は以下のとおりである。
(1)スラリー化した無機酸化物(A)、アミン価及び酸価を有し、アミン価が20mgKOH/g以上、かつ酸価が30mgKOH/g以上である水溶性分散剤(B)、有機バインダー(C)を含有する、ペースト組成物。
(2)前記無機酸化物(A)は、黒色無機酸化物であることを特徴とする、(1)記載のペースト組成物。
(3)水溶性分散剤(B)は、分散剤の10質量%水溶液が、pH6.0〜10.0であることを特徴とする(1)または(2)記載のペースト組成物。
(4)(1)乃至(3)のいずれか記載のペースト組成物の焼成物からなる、基板上に形成された焼成物パターン。
本発明によれば、アミン価と酸価を有する水溶性分散剤を用いているので、微粒化された黒色顔料などの無機酸化物を高濃度に含むペースト組成物であっても、粘度の上昇を抑制しつつ長期間安定して保存でき、しかも無機酸化物の沈降分離が起こりにくい、分散性に優れた無機酸化物含有ペースト組成物を提供することができる。
以下に本発明のペースト組成物について詳細に説明する。
スラリー化した無機酸化物(A)
無機酸化物としては、ニッケル、コバルト、マンガンのうち少なくとも1種類以上からなる黒色無機酸化物、酸化鉛、酸化ビスマス、又は酸化亜鉛などを主成分とする無機酸化物からなるガラス粉末、などが挙げられる。具体的には、黒色無機酸化物としては、四三酸化コバルトや、Ni;0〜50質量%、Co;0〜90質量%、及びMn;10〜70質量%の範囲にあるニッケルコバルトマンガン複合酸化物が挙げられる。
無機酸化物のうち、黒色無機酸化物は、最大一次粒子径が1μm以下のものが好ましい。
上記黒色無機酸化物の最大一次粒子径が1μmよりも大きくなるとペースト中の無機酸化物粒子が沈降分離しやすくなり、長期保存した場合、ペースト中の有機バインダーと無機酸化物の分離が生じやすくなり、長期安定な分散性の高いペーストとなりにくい。
黒色無機酸化物のうち、四三酸化コバルトは、常法に従ってコバルト水酸化物を650℃程度で焼成し、焼成後粉砕することにより得られる。
ニッケルコバルトマンガン複合酸化物は、ニッケルコバルトマンガンのオキシ水酸化物もしくは水酸化物を焼成することにより調製することができる。具体的には、原料として、ニッケル、コバルト、マンガンの水溶性塩を用いた金属塩混合水溶液に水酸化アルカリを加え、これを中和することにより得られるニッケルコバルトマンガン水酸化共沈体を用いる。この原料を用いれば任意の組成を原子レベルで均一に分散することができる。ついで、この水酸化共沈体を例えば500℃〜800℃で焼成することによって、このニッケルコバルトマンガン複合酸化物を得ることができる。この場合、焼成条件等を調節することによりニッケルコバルトマンガン複合酸化物の一次粒子径を制御することができる。次いで、上記黒色無機酸化物を、ボールミル、ピンミル、ジェットミル等で粉砕して用いることが出来る。
このような黒色無機酸化物は、分散性と黒色度とを考慮して、有機バインダー100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは30〜60質量部とする。
次に、無機酸化物であるガラス粉末は、焼成後におけるパターンの密着性向上のために配合することができる。このガラス粉末としては、ガラス転移点(Tg)300〜500℃、ガラス軟化点(Ts)400〜600℃のものが好ましい。また、解像度の点からは、平均粒径20μm以下、好ましくは5μm以下のガラス粉末を用いることが好ましい。
このガラス粉末は、焼成後におけるパターンの密着性向上のため、ガラス粉末以外の無機成分100質量部に対して、200質量部以下の割合で配合できる。
水溶性分散剤(B)
本発明に使用される水溶性分散剤は、酸価30mgKOH/g以上、かつアミン価が20mgKOH/g以上である。このような分散剤をもちいることにより、分散性の高い長期に安定なペーストを得ることができる。長期安定な分散性のためには、共に上記下限以上であることが必須であり、酸価、アミン価の一方のみが下限以上で、他方が下限未満の場合、たとえ一方の数値のみを相当量高めてもペースト組成物の長期保存時に、無機酸化物スラリーの溶剤と無機酸化物の分離が生じやすくなり、長期安定な分散性の高いペーストとなりにくい。その結果、現像性が低下し残渣が発生する。
また、本発明に用いる分散剤(B)は水溶性のものを用いる。その理由は、分散剤が水溶性でないと、無機酸化物スラリーの長期保存時に、スラリー中の溶剤と無機酸化物との間で分離が生じやすくなり、長期に安定な分散性の高い無機酸化物スラリーとなりにくいからである。
上記分散剤は、その10質量%水溶液pHが6.0〜10.0であることが好ましい。分散剤の10質量%水溶液pHが6.0よりも小さくなると黒色無機酸化物ペースト中の無機酸化物と分散剤が反応することにより、長期保存した場合、へースト組成物中の無機酸化物の溶解を生ずる可能性がある。一方、分散剤の10質量%水溶液pHが10.0よりも大きくなるとペーストの長期保存時に、黒色無機酸化物と有機バインダーの分離が生じやすくなり、長期安定な分散性の高い黒色無機酸化物ペーストとならない。
このような水溶性分散剤(B)として、Disperbyk-180, Disperbyk-187,Disperbyk-191,(いずれもビックケミー社製、商品名)が挙げられる。
水溶性分散剤(B)は、分散性と黒色度とを考慮して、有機バインダー(C)100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは1〜6質量部とする。
有機バインダー(C)
次に、前記有機バインダー(C)としては、カルボキシル基を有する樹脂、具体的にはそれ自体がエチレン性不飽和二重結合を有するカルボキシル基含有感光性樹脂及びエチレン性不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。好適に使用できる樹脂(オリゴマー及びポリマーのいずれでもよい)としては、以下のようなものが挙げられる。
(1)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合を有する化合物を共重合させることによって得られるカルボキシル基含有樹脂
(2)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(3)(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(a)不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(4)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(5)(g)エポキシ化合物と(h)不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(6)(b)不飽和二重結合を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、(i)1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(7)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(8)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさらに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
前記したようなカルボキシル基含有感光性樹脂及びカルボキシル基含有樹脂は、単独で又は混合して用いてもよいが、いずれの場合でもこれらは合計でペースト組成物全量の10〜80質量%の割合で配合することが好ましい。これらの有機バインダーの配合割合量が上記範囲よりも少な過ぎる場合、形成する塗膜中の上記樹脂の分布が不均一になり易く、充分な光硬化性及び光硬化深度が得られ難く、選択的露光、現像によるパターニングが困難となる。一方、上記範囲よりも多過ぎると、焼成時のパターンのよれや線幅収縮を生じ易くなるので好ましくない。
また、上記カルボキシル基含有感光性樹脂及びカルボキシル基含有樹脂としては、それぞれ重量平均分子量1,000〜100,000、好ましくは5,000〜70,000、及び酸価50〜250mgKOH/g、かつ、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、その二重結合当量が350〜2,000、好ましくは400〜1,500のものを好適に用いることができる。上記樹脂の分子量が1,000より低い場合、現像時の塗の密着性に悪影響を与え、一方、100,000よりも高い場合、現像不良を生じ易いので好ましくない。また、酸価が50mgKOH/gより低い場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分で現像不良を生じ易く、一方、250mgKOH/gより高い場合、現像時に塗膜の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生じるので好ましくない。さらに、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、感光性樹脂の二重結合当量が350よりも小さいと、焼成時に残渣が残り易くなり、一方、2,000よりも大きいと、現像時の作業余裕度が狭く、また光硬化時に高露光量を必要とするので好ましくない。
光重合性モノマー
次に、本発明のペースト組成物は、ペースト組成物の光硬化性の促進及び現像性を向上させるために光重合性モノマーを配合することができる。この光重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート,2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリウレタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート及び上記アクリレートに対応する各メタクリレート類;フタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、こはく酸、トリメリット酸、テレフタル酸等の多塩基酸とヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとのモノ−、ジ−、トリ−又はそれ以上のポリエステルなどが挙げられるが、特定のものに限定されるものではなく、またこれらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合性モノマーの中でも、1分子中に2個以上のアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する多官能モノマーが好ましい。
このような光重合性モノマーの配合量は、前記有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(C)100質量部当り20〜100質量部が適当である。光重合性モノマーの配合量が上記範囲よりも少ない場合、ペースト組成物の充分な光硬化性が得られ難くなり、一方、上記範囲を超えて多量になると、塗膜の深部に比べて表面部の光硬化が早くなるため硬化むらを生じ易くなる。
光重合開始剤
次に、本発明は、光重合開始剤を配合することができる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシー2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシー2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアミノアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;又はキサントン類;(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィネイト等のフォスフィンオキサイド類;各種パーオキサイド類などが挙げられ、これら公知慣用の光重合開始剤を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの光重合開始剤の配合割合は、前記有機バインダー(カルボキシル基含有感光性樹脂及び/又はカルボキシル基含有樹脂)(C)100質量部当り1〜30質量部が適当であり、好ましくは、5〜20質量部である。
また、上記の光重合開始剤は、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類のような光増感剤の1種あるいは2種以上と組み合わせて用いることができる。さらに、より深い光硬化深度を要求される場合、必要に応じて、可視領域でラジカル重合を開始するチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュアー784等のチタノセン系光重合開始剤、ロイコ染料等を硬化助剤として組み合わせて用いることができる。
本発明のペースト組成物は、無機フィラーやガラス粉末を配合することができるが、多量の無機フィラーやガラス粉末を配合した場合、得られるペースト組成物の保存安定性は悪く、ゲル化や流動性の低下により塗布作業性が悪くなる傾向がある。従って、本発明の組成物では、組成物の保存安定性向上のため、無機フィラーやガラス粉末の成分である金属あるいは酸化物粉末との錯体化あるいは塩形成などに効果のある化合物、例えば有機酸などの安定剤を添加することが好ましい。この安定剤の添加量は前記の無機フィラーやガラス粉末100質量部当り0.1〜10質量部の割合が好ましい。
他の配合成分
本発明においては、組成物のペースト化のための希釈剤、あるいは、各種塗布工程に応じた粘度調整のための希釈剤として、適宜の量の有機溶剤を配合することができる。具体的には、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、テルピネオールなどのアルコール類;オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のペースト組成物は、さらに必要に応じて、シリコーン系、アクリル系等の消泡・レベリング剤、塗膜の密着性向上のためのシランカップリング剤、等の他の添加剤を配合することもできる。さらにまた、必要に応じて、公知慣用の酸化防止剤や、焼成時における基板との結合成分としての金属酸化物、ケイ素酸化物、ホウ素酸化物などの微粒子を添加することもできる。
ペースト組成物の使用
本発明のペースト組成物は、スクリーン印刷法、バーコーター、ブレードコーターなど適宜の塗布方法で基板、例えばPDPの前面基板となるガラス基板に塗布し、次いで指触乾燥性を得るために熱風循環式乾燥炉、遠赤外線乾燥炉等で例えば約60〜120℃で5〜40分程度乾燥させて有機溶剤を蒸発させ、タックフリーの塗膜を得る。その後、選択的露光、現像、焼成を行なって所定のパターンを形成する。また、フィルム状に成膜して基板上にラミネートすることもできる。
露光工程としては、所定の露光パターンを有するネガマスクを用いた接触露光及び非接触露光が可能である。露光光源としては、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプなどが使用される。露光量としては50〜1000mJ/cm程度が好ましい。
現像工程としてはスプレー法、浸漬法等が用いられる。現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムなどの金属アルカリ水溶液や、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン水溶液、特に約1.5質量%以下の濃度の希アルカリ水溶液が好適に用いられるが、組成物中のカルボキシル基含有樹脂のカルボキシル基がケン化され、未硬化部(未露光部)が除去されればよく、上記のような現像液に限定されるものではない。また、現像後に不要な現像液の除去のため、水洗や酸中和を行なうことが好ましい。
焼成工程においては、現像後の基板を空気中又は窒素雰囲気下で約400〜600℃の加熱処理を行ない、所望のパターンを形成する。なお、この時の昇温速度は、20℃/分以下に設定することが好ましい。
以下に実施例及び比較例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものでないことはもとよりである。なお、「部」及び「%」とあるのは、特に断りがない限り全て質量基準である。
表1に提示した各種添加剤と下記合成例で得られた有機バインダーと下記作製例で得られたガラススラリーを用いて、ペースト化を行ない、その評価を行なった。
Figure 0005901580
合成例:(有機バインダー(C−1)の合成)
温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却器を備えたフラスコに、溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルをいれ窒素雰囲気下、80℃に加熱し、メタクリル酸及びメチルメタアクリレートを、メタクリル酸:0.4mol、メチルメタアクリレート:0.6molのモル比で混合したモノマーを約2時間かけて滴下し、さらに1時間攪拌後、温度を115℃まで上げて失活させ、樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を冷却後、触媒として臭化テトラブチルアンモニウムを用い95〜115℃、30時間の条件で、ブチルグリジルエーテル:0.4molを、得られた樹脂のカルボキシル基の等量と付加反応させ、冷却した。さらに、得られた樹脂のOH基に対して、95〜105℃、8時間の条件で、無水テトラヒドロフタル酸0.26molを付加反応させ、冷却後取り出して固形分の55%の有機バインダー(C−1)を得た。
作製例:ガラススラリーの作製
ガラス粉末としては、Bi:50%、B:16%、ZnO:14%、SiO:2%、BaO:18%、熱膨張係数α300=86×10−7/℃、ガラス軟化点501℃のものを使用した。
また、ビーズミルでの粉砕は、三井鉱山株式会社製SC50を用い、メディア径を0.3〜0.8mmΦのZrO製のビーズを使用し、回転数2,000〜3,300rpmで、3〜9時間粉砕を実施した。
尚、粒度測定は、堀場レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を、使用した。
ガラス粉末を粗粉砕した後、300メッシュのスクリーンにてフィルタリングを行ない、このガラス粉末70質量部と2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノブチレートを29.16質量部、それに分散剤として、BYK−410を0.14質量部、BYK−182を0.7質量部加えて、ビーズミルにて微粉砕し、D50:1.0μm、Dmax:3.9μmのガラス粉末の含有量が70質量%のスラリーを作製した。
作製したガラススラリーを、更にSUS製200×1400綾畳織りのメッシュにてろ過を行なったが、粒度分布に変化は見られなかった。
<組成物例1>
有機バインダー(C−1) 100.0部
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 90.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート 30.0部
ジベンタエリスリトールヘキサアクリレート 15.0部
アロニックスM7100(東亞合成株式会社製ポリエステルアクリレート) 50.0部
モダフロー(日本モンサント製消泡剤) 3.0部
リン酸エステル 1.0部
ガラススラリー 43.0部
四三酸化コバルト 47.0部
2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モリフォリノプロパン-1-オン 10.0部
2,4-ジエチルチオキサントン 3.0部
4,4-ビス(シ゛エチルアミノ)ベンゾフェノン 1.0部
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 3.0部
Disperbyk-180 (ビックケミージャパン社製;商品名) 2.4部
組成物例2
Disperbyk-180をDisperbyk187(ビックケミ−ジャパン社製;商品名)に置き換えたこと以外は組成物例1と同様の組成にてペースト化を行なった。
組成物例3
Disperbyk-180をDisperbyk191(ビックケミ−ジャパン社製;商品名)に置き換えたこと以外は組成物例1と同様の組成にてペースト化を行なった。
比較組成物例1
Disperbyk-180をDisperbyk182(ビックケミ−ジャパン社製;商品名)に置き換えたこと以外は組成物例1と同様の組成にてペースト化を行なった。
比較組成物例2
Disperbyk-180をDisperbyk163(ビックケミ−ジャパン社製;商品名)に置き換えたこと以外は組成物例1と同様の組成にてペースト化を行なった。
比較組成物例3
Disperbyk-180をDisperbyk185(ビックケミ−ジャパン社製;商品名)に置き換えたこと以外は組成物例1と同様の組成にてペースト化を行なった。
比較組成物例4
Disperbyk-180をDisperbyk140(ビックケミ−ジャパン社製;商品名)に置き換えたこと以外は組成物例1と同様の組成にてペースト化を行なった。
比較組成物例5
Disperbyk-180をDisperbyk171(ビックケミ−ジャパン社製;商品名)に置き換えたこと以外は組成物例1と同様の組成にてペースト化を行なった。
比較組成物例6
Disperbyk-180をDisperbyk110(ビックケミ−ジャパン社製;商品名)に置き換えたこと以外は組成物例1と同様の組成にてペースト化を行なった。
ペーストの分散
組成物例1、2及び比較組成物例1〜7の各ペースト成分をポリ容器に各配合し、ディゾルバーにて500rpm10分間攪拌を行なう。その後、セラミック製3本ロールにて2回練肉を行ない、ペーストを作製した。
このようにして得られた組成物例、比較組成物例の各感光性ペーストについて、それぞれ試験片を作製し、現像残渣を評価した。その試験片の作成方法および評価方法は以下のとおりである。また、ペーストの経時安定性の確認も行なった。
(試験片の作製方法)
ITO皮膜の形成してあるガラス基板(旭硝子社製、PD200)上に、評価用の各感光性ペーストを300メッシュのポリエステルスクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で30分間乾燥して約4μmの塗膜を形成した。次に、光源として超高圧水銀灯を用い、ネガマスクを介して、乾燥塗膜上の積算光量が100mJ/cm2となるようにパターン露光した後、液温25℃の0.4wt%Na2CO3水溶液を用いて現像を行ない、水洗した。こうして塗膜パターンを形成し試験片を作製した。
(現像残渣)
上記試験片を光学顕微鏡にて観察し、現像残渣(現像残り)について確認を行なった。表2において、このときの現像残渣を初期残渣とする。
(経時安定性)
30℃の恒温槽にて1週間放置後の各ペーストについて粘度安定性と現像残渣について確認した。表2において、このときの現像残渣を経時残渣とする。
評価結果について表2に示す。
Figure 0005901580
以上の評価結果からあきらかなように、本発明に係るペースト組成物は、微粒化された黒色顔料などの無機酸化物を高濃度に含むペースト組成物であっても、粘度の上昇を抑制しつつ長期間安定して保存でき、しかも無機酸化物の沈降分離が起こりにくい、分散性に優れた無機酸化物含有ペースト組成物を提供できることが確認された。

Claims (3)

  1. スラリー化した無機酸化物(A)、アミン価及び酸価を有し、アミン価が20mgKOH/g以上35mgKOH/g以下、かつ酸価が30mgKOH/g以上35mgKOH/g以下であり、10質量%水溶液のpHが6.0〜10.0である水溶性分散剤(B)、重量平均分子量が5,000〜70,000で、酸価が50〜250mgKOH/gであるカルボキシル基含有樹脂(C)を含有し、前記カルボキシル基含有樹脂(C)の配合量が、組成物全量に対して、10〜80質量%であるペースト組成物。
  2. 前記無機酸化物(A)は、黒色無機酸化物であることを特徴とする請求項1記載のペースト組成物。
  3. 請求項1または2記載のペースト組成物の焼成物からなる、基板上に形成された焼成物パターン。
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