JP2006278221A - 一括焼成用感光性黒色ペースト及び該ペーストを用いたpdp前面基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 誘電体層の下層に形成され、該誘電体層との一括焼成に付される黒色層を構成する感光性ペーストであって、黒色無機顔料、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー及び/又はオリゴマー、および光重合開始剤を含有し、且つガラス粉末を含有しないことを特徴とする、一括焼成用感光性黒色ペースト。
【選択図】なし
Description
しかしながら、通常工程において使用可能なペースト(例えば、特許文献2参照。)を使用して一括焼成を行うと、焼成後の誘電体中に電極のきわから気泡が発生し、絶縁不良や透過率低下の問題が発生しやすいという問題点があった。また、誘電体材料としてペースト状のものとシート状のものとがあるが、特にペースト状の誘電体を用いた場合には、乾燥時に誘電体下のパターンに浮きやよれが発生しやすいという問題点もあった。さらに、BMに電極と同じ感光性黒色ペーストを用い、電極とBM層と誘電体層とを一括焼成した場合には、BMからも気泡の発生が認められるなど前記問題点が更に悪化する傾向にあった。
透明電極が形成されたPDP前面基板上に、所定パターンのバス電極用黒色ペースト及び/又はブラックマトリックス用黒色ペーストの皮膜を形成した後、誘電体ペーストを塗布し乾燥した状態で一括焼成を行った場合、白黒二層構造からなるバス電極において、黒ペーストは雰囲気温度が上がることにより焼成中に流動性を増し、上層に用いられた銀ペーストの重みにつぶされ銀電極の線幅全体に広がり、作製条件によっては線幅よりはみ出たようになることもある。このような状態においては黒色ペースト中に含有される気泡が誘電体層から抜けきらず、誘電体層中の電極のきわ部に気泡が発生し易くなる。また、ブラックマトリックスの黒色ペーストにも通常緻密性を上げるためにガラス粉末が含有されているため、ブラックマトリックス層と誘電体層とを一括焼成に付した場合には、ブラックマトリックス層からも気泡の発生が認められ更に問題を悪化させる。
本発明の感光性黒色ペーストは、必須成分として、黒色無機顔料、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー及び/又はオリゴマー、および光重合開始剤を含有する。
(2)(a)不飽和カルボン酸と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体にエチレン性不飽和基をペンダントとして付加させることによって得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(3)(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物と(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(a)不飽和カルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(4)(e)不飽和二重結合を有する酸無水物と、それ以外の(b)不飽和二重結合を有する化合物の共重合体に、(f)水酸基と不飽和二重結合を有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(5)(g)エポキシ化合物と(h)不飽和モノカルボン酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
(6)(b)不飽和二重結合を有する化合物とグリシジル(メタ)アクリレートの共重合体のエポキシ基に、(i)1分子中に1つのカルボキシル基を有し、エチレン性不飽和結合を持たない有機酸を反応させ、生成した2級の水酸基に(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(7)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂
(8)(j)水酸基含有ポリマーに(d)多塩基酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基含有樹脂に、(c)エポキシ基と不飽和二重結合を有する化合物をさらに反応させて得られるカルボキシル基含有感光性樹脂
また、上記カルボキシル基含有感光性樹脂及びカルボキシル基含有樹脂としては、それぞれ重量平均分子量1,000〜100,000、好ましくは5,000〜70,000、及び酸価50〜250mgKOH/g、かつ、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、その二重結合当量が350〜2,000、好ましくは400〜1,500のものを好適に用いることができる。上記樹脂の分子量が1,000より低い場合、現像時の皮膜の密着性に悪影響を与え、一方、100,000よりも高い場合、現像不良を生じ易いので好ましくない。また、酸価が50mgKOH/gより低い場合、アルカリ水溶液に対する溶解性が不充分で現像不良を生じ易く、一方、250mgKOH/gより高い場合、現像時に皮膜の密着性の劣化や光硬化部(露光部)の溶解が生じるので好ましくない。さらに、カルボキシル基含有感光性樹脂の場合、感光性樹脂の二重結合当量が350よりも小さいと、焼成時に残渣が残り易くなり、一方、2,000よりも大きいと、現像時の作業余裕度が狭く、また光硬化時に高露光量を必要とするので好ましくない。
本発明のPDP前面基板の製造方法においては、透明電極が形成された前面基板上に、電極用及び/又はブラックマトリックス層用として本発明に係る感光性黒色ペーストを用い、
(i) ブラックマトリクス層用として用いる場合は、まず本発明に係わる感光性黒色ペーストを全面に塗布し、乾燥し、乾燥塗膜を形成する。次いで、パターン露光し、現像した後、熱硬化処理またはUV硬化処理をし、ブラックマトリクスパターンを形成する。
(感光性黒色ペーストの作製)
アルカリ可溶性樹脂A:温度計、攪拌機、滴下ロート、及び還流冷却機を備えたフラスコに、メチルメタクリレートとメタクリル酸を0.87:0.13のモル比で仕込み、溶媒としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、触媒としてアゾビスイソブチロニトリルを入れ窒素雰囲気下、80℃で2〜6時間攪拌し、有機バインダーAを得た。この有機バインダーAは、重量平均分子量が約30,000、酸価が90mgKOH/g、固形分57%であった。なお、得られた有機バインダーA(共重合樹脂)の重量平均分子量の測定は、島津製作所製ポンプLC−6ADと昭和電工製カラムShodex(登録商標)KF−804、KF−803、KF−802を三本つないだ高速液体クロマトグラフィーにより測定した。このようにして得られた有機バインダーAを用い表1に示す組成比にて配合し、攪拌機により攪拌後、3本ロールミルにより練肉してペースト化を行った。
ガラス基板上に、評価用の各感光性黒色ペーストを380メッシュのポリエステルカレンダースクリーンを用いて全面に塗布し、次いで、熱風循環式乾燥炉にて90℃で20分間乾燥して乾燥塗膜=4μmの指触乾燥性の良好な塗膜を形成した。次に、光源として超高圧水銀灯を用い、ネガガラスマスクを介して、乾燥塗膜上の積算光量が400mJ/cm2となるようにL/S=100/300μmパターンを露光した後、液温25℃の0.4質量%Na2CO3水溶液を用いて現像を行い、水洗した。こうして塗膜パターンを形成した基板を、高圧水銀灯により1000mJ/cm2UV硬化処理を行った。この工程を入れることによりパターン下部の光未硬化部分が光硬化するため、誘電体ペースト塗布→乾燥工程において誘電体中の溶剤によるダメージをなくし、パターンのうき、よれをなくすことができた。UV硬化処理を行った基板に誘電体ペーストを100メッシュのステンレススクリーンで印刷し熱風循環式乾燥機で90℃で40分乾燥した。その後空気雰囲気下にて570℃まで昇温して30分間焼成し、黒色パターンを形成した試験片を作製した。作製した基板の断面を電子顕微鏡にて観察し、黒色パターン上及び誘電体中の気泡の発生について確認を行った。
Claims (4)
- 誘電体層の下層に形成され、該誘電体層との一括焼成に付される黒色層を構成する感光性ペーストであって、黒色無機顔料、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー及び/又はオリゴマー、および光重合開始剤を含有し、且つガラス粉末を含有しないことを特徴とする、一括焼成用感光性黒色ペースト。
- 誘電体層の下層に形成され、該誘電体層との一括焼成に付される黒色層を構成する感光性黒色ペーストであって、黒色無機顔料、アルカリ可溶性樹脂、光重合性モノマー及び/又はオリゴマー、および光重合開始剤を含有し、且つガラス粉末を、ペーストの無機成分中に対し30質量%以下の割合で含有することを特徴とする、一括焼成用感光性黒色ペースト。
- プラズマディスプレイ前面基板を製造する際に、透明電極が形成された前面基板上に、請求項1又は2に記載の一括焼成用黒色ペーストを用いて黒色層を形成し、該黒色層を焼成することなく該黒色層よりも上層に誘電体層を形成し、その後該黒色層と該誘電体層とを一括焼成することを特徴とする、プラズマディスプレイ前面基板の製造方法。
- 請求項3に記載のプラズマディスプレイ前面基板の製造方法において、誘電体層を形成する前に黒色層を熱硬化又はUV硬化し、その後黒色層と誘電体層とを一括焼成することを特徴とする、プラズマディスプレイ前面基板の製造方法。
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