JP2016207424A - 電材ペースト用アルミニウム粉組成物 - Google Patents

電材ペースト用アルミニウム粉組成物 Download PDF

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勝田 成樹
Shigeki Katsuta
成樹 勝田
杉本 篤俊
Atsutoshi Sugimoto
篤俊 杉本
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Abstract

【課題】導電性及び熱伝導性に優れる、電材ペースト用のアルミニウム粉組成物を提供する。【解決手段】平均粒径が3μm以上30μm以下、平均アスペクト比が2以上100以下、平均厚みが0.1μm以上5μm以下である鱗片状アルミニウム粉を含む、電材ペースト用アルミニウム粉組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、電材ペースト用のアルミニウム粉組成物に関する。
従来、太陽電池、電子基板などを製造するために、原材料の一つとして、銀粉や、アルミニウム粉を含む組成物が用いられている(例えば、特許文献1等参照)。
特開2001−202822号公報
しかしながら、銀粉は高価であり、低温でも凝集が進むことや、周囲に存在する微量水分の影響による移行現象が発生するといった問題点を有している。
また、アルミニウム粉は表面酸化膜のため、樹脂等と混合して組成物とした場合、アルミニウム本来の導電性及び熱伝導性が発揮できないという問題点を有している。
そこで本発明においては、上記問題点に鑑み、導電性及び熱伝導性に優れた、電子ペースト用のアルミニウム粉組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討した結果、特定の形状をもつアルミニウム粉を使用することにより、上述した従来技術の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
平均粒径が3μm以上30μm以下、平均アスペクト比が2以上100以下、平均厚みが0.1μm以上5μm以下である鱗片状アルミニウム粉を含む、電材ペースト用アルミニウム粉組成物。
〔2〕
平均アスペクト比が2以上20以下である鱗片状アルミニウム粉を含む、前記〔1〕に記載の電材ペースト用アルミニウム粉組成物。
〔3〕
前記〔1〕又は〔2〕に記載の電材ペースト用アルミニウム粉組成物と、
樹脂と、
を、含む、導電性ペースト組成物。
〔4〕
前記〔1〕又は〔2〕に記載の電材ペースト用アルミニウム粉組成物と、
樹脂と、
を、含む、熱伝導ペースト組成物。
〔5〕
前記〔3〕に記載の導電性ペースト組成物を用いて形成された、導電性を有する製品。
〔6〕
前記〔4〕に記載の熱伝導ペースト組成物を用いて形成された、熱伝導性を有する製品。
本発明によれば、導電性及び熱伝導性に優れる、電材ペースト用のアルミニウム粉組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について、詳細に説明するが、本発明は、以下に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔電材ペースト用アルミニウム粉組成物〕
本実施形態の電材ペースト用アルミニウム粉組成物は、
平均粒径が3μm以上30μm以下、平均アスペクト比が2以上100以下、厚みが0.1μm以上5μm以下である鱗片状アルミニウム粉を含む、電材ペースト用アルミニウム粉組成物である。
「電材ペースト」とは、各種電子部品の原材料として用いる、金属粉と樹脂、添加剤、溶剤などを含む混合物を意味する。
(鱗片状アルミニウム粉)
本実施形態の電材ペースト用アルミニウム粉組成物は、特定の形状をもつ鱗片状アルミニウム粉を含み、当該鱗片状アルミニウム粉は、導電性、熱伝導性を発揮しうる形状(平均粒径(d50)、厚み(平均厚み)、平均アスペクト比)を有しており、さらには導電性、熱伝導性を発揮し得る表面性状を有していることが好ましい。
上記鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)は、レーザ回析式粒度分布測定装置SALD−2200により測定できる。
測定溶剤としては、ミネラルスピリットを使用できる。
測定は機器取扱説明書に従い実施すればよいが、留意事項として、測定用試料となる鱗片状アルミニウム粉は、前処理として2分間の超音波分散を行い、分散槽の中に投入し適正濃度になったことを確認した後、測定を開始する。
測定終了後、平均粒径(d50)は自動的にレーザ回析式粒度分布測定装置SALD−2200の表示部に表示される。
また、アルミニウム粉組成物中の鱗片状アルミニウム粉が、ミネラルスピリットに分散しない状態、例えば塗膜中に分散したような状態である場合、当該塗膜中の鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)は、レーザ顕微鏡VK−9510(キーエンス製)により測定できる。レーザ顕微鏡により長径を測定し、それを個々の鱗片状アルミニウム粉の粒子径とし、n=50以上の任意の鱗片状アルミニウム粉の測定結果から、すなわち鱗片状アルミニウム粉の測定サンプル数を50個以上として、その中央値を特定することにより求められる。
測定対象が、直接、個々の鱗片状アルミニウム粉の平面形状が観察できる場合は、そのまま観察する。直接、個々の鱗片状アルミニウム粉の平面形状が観察できない場合は、試料を切削し、その断面を研磨する等の公知の方法で観察可能な断面を出し、測定する。
本実施形態の電材ペースト用アルミニウム粉組成物に含まれる鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)は、3μm以上30μm以下であるものとし、4μm以上25μm以下の範囲であることが好ましく、5μm以上20μm以下の範囲であることがより好ましい。
鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)が3μm以上であることにより、生産性に優れ、現実的なコストで鱗片状に加工することができ、30μm以下であることにより、塗膜中で面に平行に配向しやすく、導電性及び熱伝導性に優れるという効果が得られる。
鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)は、原料アルミニウム粉の粒度分布の調整や、原料アルミニウム粉を粉砕する工程において、ベアリングボールや粉砕時間等、各種の粉砕条件を適宜調整することにより制御することができる。
上記鱗片状アルミニウム粉の平均厚み(t)は、鱗片状アルミニウム粉の厚みの相加平均を示し、以下のようにして測定することができる。
まず、鱗片状アルミニウム粉1gに、石油ベンジンを1〜2mL加えて予備分散した後、石油ベンジン50mLを加えて混合し、40〜45℃で2時間加温後、フィルターで吸引濾過した後、乾燥し、パウダー化したもので、水面拡散面積(WCA)を測定する。この測定値から、下記の式に従って平均厚み(t)を算出する。
t(μm)=0.4/WCA(m2/g)
なお、水面拡散被覆面積(WCA)は、乾燥させた鱗片状アルミニウム粉試料の質量w(g)と、前記試料を水面に均一に浮かべたときの被覆面積A(m2)を測定し、下記式から計算して求めることができる。
WCA(m2/g)=A(m2)/w(g)
また、アルミニウム粉組成物中の鱗片状アルミニウム粉が、石油ベンジンに分散しない状態、例えば塗膜中に分散したような状態である場合、当該塗膜中の鱗片状アルミニウム粉の平均厚み(t)は、例えば、光学顕微鏡やSEM(走査型電子顕微鏡)等の電子顕微鏡により鱗片状アルミニウム粉の断面を観察し、n=50以上の任意の鱗片状アルミニウム粉の厚さの測定結果から、すなわち鱗片状アルミニウム粉の測定サンプル数を50個以上として、相加平均値を算出することにより求められる。
測定対象中の、個々の鱗片状アルミニウム粉の断面を観察できるようにする方法としては、試料を切削し、その断面を研磨する等の公知の方法で観察可能な断面を出すことが挙げられる。
鱗片状アルミニウム粉の厚み(平均厚み(t))は、0.1μm以上5μm以下の範囲であるものとし、0.3μm以上3μm以下の範囲であることが好ましく、0.7μm以上2μm以下の範囲であることがより好ましい。
鱗片状アルミニウム粉の平均厚みが0.1μm以上であることにより、生産性に優れ、現実的なコストで鱗片状に加工することができ、5μm以下であることにより、塗膜中で面に平行に配向しやすく、導電性及び熱伝導性に優れるという効果が得られる。
鱗片状アルミニウム粉の平均厚みは、原料アルミニウム粉を粉砕する工程において、ベアリングボールや粉砕時間等、各種の粉砕条件を適宜調整することにより制御することができる。
上記鱗片状アルミニウム粉の平均アスペクト比は、鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)を平均厚み(t)で割った値をいい、下記式により求められる。
平均アスペクト比=平均粒径(d50)(μm)/平均厚み(t)(μm)
鱗片状アルミニウム粉の平均アスペクト比は、2以上100以下の範囲であり、5以上60以下の範囲であることが好ましく、8以上20以下の範囲であることがより好ましい。
平均アスペクト比が2以上であれば、展延・粉砕により、原料アルミニウム粉の表面にある酸化膜が壊れ、酸化膜の少ないアルミニウムが表面に現れているので、十分な導電性や熱伝導性が発揮される。
また、平均アスペクト比が100以下であれば、導電ペーストなどの使用形態での粘度が低くなり、十分な作業性が得られ、特に20以下であることにより、塗膜中でアルミニウム粉が沈降して配向する状態をとる傾向が高くなり、より高い導電性、熱伝導性が得られる。
また、鱗片状であるため、アルミニウム粉が相互に密にかつ比較的広い面積で接触するので、高い導電性や熱伝導性が得られる。
鱗片状アルミニウム粉の平均アスペクト比は、原料アルミニウム粉を粉砕する工程において、ベアリングボールや粉砕時間等、各種の粉砕条件を適宜調整することにより制御することができる。
また、鱗片状アルミニウム粉の表面性状としては、導電性、熱伝導性の観点から平滑状が好ましい。
平滑状とは、平坦性が高く、表面粗度が小さいことを意味する。
(鱗片状アルミニウム粉の製造方法)
本実施形態の電材ペースト用アルミニウム粉組成物に含まれる鱗片状アルミニウム粉は、例えば、溶剤と原料アルミニウム粉とを混合し、展延・粉砕することにより製造することができる。
上記展延・粉砕の際には、粉砕助剤を混合することが好ましい。
展延・粉砕には、媒体攪拌ミル、ボールミル、又は、アトライター等を用いることができる。
また、原料アルミニウム粉は予め溶剤中に分散された状態であってもよい。
<原料アルミニウム粉>
原料アルミニウム粉は、不純物の少ない物が好ましい。
原料アルミニウム粉の純度は、好ましくは99.5質量%以上、より好ましくは99.7質量%以上、さらに好ましくは99.8質量%以上である。
原料アルミニウム粉の平均粒径は2〜20μmが好ましく、3〜12μmがより好ましい。
また、原料アルミニウム粉の製造方法は、特に限定されないが、アトマイズ法が好ましい。
<粉砕時の溶剤>
粉砕時に用いうる溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、従来から使用されているミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶剤;アルコール系、エーテル系、ケトン系、エステル系等の低粘度の溶剤が挙げられる。
<粉砕助剤>
また、原料アルミニウムの粉砕時には、粉砕助剤を使用してもよい。
粉砕助剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、通常使用されるオレイン酸、ステアリルアミン等が挙げられる。
また、一般に粉砕助剤として知られているものを併用することも可能であり、以下に限定されるものではないが、例えば、ドデシル(ラウリル)酸、テトラデシル(ミリスチル)酸、ヘキサデシル(パルミチル)酸、オクタデシル(ステアリン)酸、エイコシル(アラキル)酸、ドコシル(ベヘル)酸、オレイン酸等の高級脂肪酸類;ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコール類;他にはステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級アミド類等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの粉砕助剤は、原料アルミニウム粉100質量部に対して0.3〜20質量部用いることが好ましく、0.5〜10質量部用いることがより好ましい。
(その他の材料)
本実施形態の電材ペースト用アルミニウム粉組成物は、上述したように、平均粒径が3μm以上30μm以下、平均アスペクト比が2以上100以下、平均厚みが0.1μm以上5μm以下である鱗片状アルミニウム粉を含み、その他の材料として、目的に応じ、粉砕時に使用したミネラルスピリット等の有機溶剤、可塑剤、添加剤等を含んでいてもよい。
<有機溶剤>
有機溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、従来から使用されているミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の炭化水素系溶剤;アルコール系、エーテル系、ケトン系、エステル系等の低粘度の溶剤が挙げられる。
<可塑剤>
可塑剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アジピン酸ジオクチル等のアジピン酸エステル、トリメリット酸エステル、リン酸エステル、ナフテン系炭化水素オイル、パラフィン系炭化水素オイル、イソパラフィン系炭化水素オイル、流動パラフィン、液状ポリエチレンワックス、ポリオキシエチレンビスフェノールAジラウリレート、ペンタエリスリトールモノオレエート等の多価アルコールの脂肪酸エステル又はその誘導体;ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルジフェニルシロキサンなどのシリコーンオイル等が挙げられる。
<添加剤>
添加剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マイカ、着色顔料、蓄光顔料、着色染料、蛍光染料等の着色剤、充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、熱安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤、防汚剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、蛍光増白剤、光拡散剤、結晶核剤、流動改質剤、衝撃改質剤、顔料分散剤等が挙げられる。
〔電材ペースト用アルミニウム粉組成物の用途〕
本実施形態に係る電材ペースト用アルミニウム粉組成物は、従来の導電フィラーや熱伝導フィラーが用いられてきた用途に用いることができる。
〔導電性ペースト組成物及び製品〕
本実施形態の電材ペースト用アルミニウム粉組成物は、樹脂と組み合わせ、導電性ペースト組成物とすることができる。
樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の塗料用・接着剤用樹脂等が挙げられ、本実施形態の導電性ペースト組成物は、ガラスフリット等のフィラー、有機溶剤、分散剤・硬化剤等の添加剤等と配合した導電性樹脂組成物;導電塗料、導電インキ、及び導電接着剤等として使用することができる。
導電性ペースト組成物中の鱗片状アルミニウム粉の含有率は、導電性の観点から50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。また、導電ペーストの流動性の観点から95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
また、上記のような導電性ペースト組成物を用いて、導電性を有する製品を製造することができる。
例えば、導電性塗膜、電極、配線、回路、導電性接合構造等を挙げることができる。
さらに、この導電性ペースト組成物を、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂等と混練し、成形することによって、導電性テープ、導電性フィルム、導電性シート等を製造することができる。
〔熱伝導ペースト組成物及び製品〕
また、本実施形態の電材ペースト用アルミニウム粉組成物は、樹脂と組み合わせ、熱伝導ペースト組成物とすることができる。
樹脂としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の塗料用・接着剤用樹脂等が挙げられ、本実施形態の熱伝導ペースト組成物は、有機溶剤、ガラス繊維やアルミナ等のフィラー、分散剤・硬化剤等の添加剤等を配合し、高熱伝導性樹脂組成物、高熱伝導性塗料・放熱塗料、高熱伝導性インキ、高熱伝導性接着剤、高熱伝導性シール材、高熱伝導性グリス、放熱グリス等として使用することができる。
熱伝導ペースト組成物中の鱗片状アルミニウム粉の含有率は、熱伝導性の観点から50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。また、熱伝導ペーストの流動性の観点から95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
また、上記のような熱伝導ペースト組成物を用いて、高熱伝導性を有する製品を製造することができる。
例えば、高熱伝導性塗膜、高熱伝導性接合構造材料を挙げることができる。
さらに、前記熱伝導ペースト組成物を、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等と混練し、成形することによって、高熱伝導性テープ、高熱伝導性フィルム、放熱フィルム、高熱伝導性シート、放熱シート、高熱伝導性基板、放熱基板等を製造することができる。
以下、本発明について具体的な実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明は、後述する実施例に限定されるものではない。
なお、製造例、実施例及び比較例中で用いた、アルミニウム粉組成物中の鱗片状アルミニウム粉の寸法、及び各種物性の測定方法は、以下の通りである。
(平均粒径(d50))
各実施例、比較例で製造したアルミニウム粉組成物中の鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)は、レーザ回析式粒度分布測定装置SALD−2200により測定した。
具体的には、ミネラルスピリット30mLに、各実施例、比較例で製造したアルミニウム粉組成物を1g加えてよく撹拌し、分散液を作製した。次にこの分散液を超音波洗浄機に浸漬し、2分間超音波を照射した。そしてこの分散液を、レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−2200の分散槽に滴下し、適正濃度になったのを確認後、平均粒径測定を行った。測定終了後、平均粒径(d50)は自動的にSALD−2200の表示部に数値が表示された。
また、塗膜における、鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)は、以下のようにして測定した。
測定対象の鱗片状アルミニウム粉を含む塗膜を、面上からレーザ顕微鏡VK−9510(キーエンス製)を用いて鱗片状アルミニウム粉の長径を測定し、それを個々の鱗片状アルミニウム粉の粒子径とし、n=50以上の任意の鱗片状アルミニウム粉の測定結果から、すなわち鱗片状アルミニウム粉の測定サンプル数を50個以上として、その中央値を特定することによって求めた。
(平均厚み(t))
各実施例、比較例で製造したアルミニウム粉組成物中の鱗片状アルミニウム粉の平均厚み(t)は、以下のようにして測定した。
具体的には、まず、アルミニウム粉組成物1gに、石油ベンジンを1〜2mL加えて予備分散した後、さらに石油ベンジン50mLを加えて混合し、40〜45℃で2時間加温後、フィルターで吸引濾過し、さらにデシケーター中で2時間乾燥させパウダー化させた。
次にこのパウダー0.05gを時計皿に秤量した。そして、2−ブタノールを数滴たらして分散液とした後、水面上に流し込み、鱗片状アルミニウム粉を均一に浮かべ、水面の被覆面積を測定した。
水面拡散被覆面積(WCA)は、乾燥させた鱗片状アルミニウム粉試料の質量w(g)と、前記試料を水面に均一に浮かべたときの被覆面積A(m2)を測定し、下記式から計算して求めた。
WCA(m2/g)=A(m2)/w(g)
この測定値から、下記の式に従って平均厚み(t)を算出した。
t(μm)=0.4/WCA(m2/g)
また、塗膜における、鱗片状アルミニウム粉の平均厚み(t)は、以下のようにして測定した。
測定対象の鱗片状アルミニウム粉を含む塗膜をカッターで割断し、得られた塗膜片をエポキシ樹脂で包埋した後、割断面を研磨機で研磨した。研磨した割断面をSEM(走査型電子顕微鏡により観察し、厚みを計測した。n=50以上の任意の鱗片状アルミニウム粉の厚さの測定結果から、すなわち鱗片状アルミニウム粉の測定サンプル数を50個以上として、相加平均値を算出することにより、平均厚み(t)を求めた。
(平均アスペクト比)
鱗片状アルミニウム粉の平均アスペクト比は、上記により求めた鱗片状アルミニウム粉の平均粒径(d50)を平均厚み(t)で除して下記式により求めた。
平均アスペクト比=平均粒径(d50)(μm)/平均厚み(t)(μm)
((1)導電性:体積抵抗率)
実施例及び比較例で製造したアルミニウム粉組成物を、乾燥後の塗膜中において、鱗片状アルミニウム粉の質量比率が70質量%となるように、アクリルラッカーと混合し、混合物を得た。
その後、アプリケーターを用いて、乾燥後の膜厚が約30μmになるように、PETフィルム上に前記混合物を塗工し、80℃で30分間乾燥処理を施し、塗膜を得た。
その後、作製した塗膜について、低抵抗率計としてロレスタAX MCP−T370型、測定プローブとしてMCP−TP06P((株)三菱化学アナリテック製)を用いて、体積抵抗率(Ω・cm)を測定した。
((2)熱伝導性:熱伝導率)
実施例及び比較例で製造したアルミニウム粉組成物を、硬化物中において、鱗片状アルミニウム粉の質量比率が80質量%となるように、RTVシリコーンゴムと混合し、混合物を得た。
この混合物を厚み3mmのスペーサーを用いてシート状に加工し、室温で24時間静置し、硬化させた。
その後、打ち抜きカッターにて、直径50mmの評価用サンプルを作製した。
この評価用サンプルを用い、ASTME1530準拠の円板熱流計法にて、熱伝導率を測定した。
〔実施例1〕
平均粒径9μmの、アトマイズ法で製造された原料アルミニウム粉(ミナルコ社製、製品名#500F)100g、オレイン酸3g、ミネラルスピリット500mLを原料として、これを3.2φのベアリングボール5kgと共に、内容積5000mLのボールミル内に仕込み、毎分60回転の速度で1時間粉砕を行い、スラリーを得た。
粉砕終了後、スラリーを37μmの篩にかけて粗粒子を取り除いた後、フィルタープレスにより余分の溶剤を除去して加熱残分90質量%のケーキを得た。
得られたケーキを縦型ミキサー内に移し、所定量のソルベントナフサを加え、15分混合し、加熱残分85質量%のアルミニウム粉組成物を調製した。
前記アルミニウム粉組成物に含有されている鱗片状アルミニウム粉の平均粒径は11μm、平均厚みは1.2μm、平均アスペクト比は9であった。
このアルミニウム粉組成物を用い、上記の方法に従って、導電性、熱伝導性を測定した。
〔実施例2〕
平均粒径11μmの、アトマイズ法で製造された原料アルミニウム粉(ミナルコ社製、製品名#500M)100gとステアリルアミン3gを用いたこと、粉砕時間を3時間にしたこと以外は、前記〔実施例1〕と同様の方法によりアルミニウム粉組成物を製造した。
前記アルミニウム粉組成物に含有されている鱗片状アルミニウム粉の平均粒径は18μm、平均厚みは1.1μm、平均アスペクト比は16であった。
このアルミニウム粉組成物を用い、上記の方法に従って、導電性、熱伝導性を測定した。
〔実施例3〕
粉砕時間を8時間に延長したこと以外は、前記〔実施例1〕と同様の方法によりアルミニウム粉組成物を製造した。
アルミニウム粉組成物の加熱残分は75質量%に調整した。
前記アルミニウム粉組成物に含有されている鱗片状アルミニウム粉の平均粒径は20μm、平均厚みは0.4μm、平均アスペクト比は50であった。
このアルミニウム粉組成物を用い、上記の方法に従って、導電性、熱伝導性を測定した。
さらに導電性を測定した塗膜を用い、上記方法に沿ってレーザ顕微鏡とSEMを使用して鱗片状アルミニウム粉の平均粒径と平均粒径、平均アスペクト比を測定したところ、上記と同じく、平均粒径は20μm、平均厚みは0.4μm、平均アスペクト比は50であった。
〔比較例1〕
実施例1で用いた原料アルミニウム粉「♯500F」を用い、上記の方法に従って、導電性、熱伝導性と形状を測定した。
平均粒径9μm、平均厚み9.0μm、平均アスペクト比は1であった。
実施例1〜3、比較例1の結果を表1に示す。
Figure 2016207424
実施例1〜3においては、導電性及び熱伝導性に優れる、電材ペースト用のアルミニウム粉組成物が得られた。
本発明のアルミニウム粉組成物は、導電ペーストや熱伝導ペーストの原材料として使用でき、例えば、太陽電池裏面電極や、電子基板等に適用できるという、産業上の利用可能性を有する。

Claims (6)

  1. 平均粒径が3μm以上30μm以下、平均アスペクト比が2以上100以下、平均厚みが0.1μm以上5μm以下である鱗片状アルミニウム粉を含む、電材ペースト用アルミニウム粉組成物。
  2. 平均アスペクト比が2以上20以下である鱗片状アルミニウム粉を含む、請求項1に記載の電材ペースト用アルミニウム粉組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の電材ペースト用アルミニウム粉組成物と、
    樹脂と、
    を、含む、導電性ペースト組成物。
  4. 請求項1又は2に記載の電材ペースト用アルミニウム粉組成物と、
    樹脂と、
    を、含む、熱伝導ペースト組成物。
  5. 請求項3に記載の導電性ペースト組成物を用いて形成された、導電性を有する製品。
  6. 請求項4に記載の熱伝導ペースト組成物を用いて形成された、熱伝導性を有する製品。
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WO2010100893A1 (ja) * 2009-03-06 2010-09-10 東洋アルミニウム株式会社 導電性ペースト組成物およびそれを用いて形成された導電性膜
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