JP2012212184A - 無端状金属ベルト及びそれを用いた定着ベルト、加熱定着装置 - Google Patents

無端状金属ベルト及びそれを用いた定着ベルト、加熱定着装置 Download PDF

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Abstract

【課題】小熱容量の加熱体を利用して低エネルギー加熱を可能とした像加熱装置において、優れた耐屈曲性、耐熱性および耐久性の定着ベルト、信頼性の高い像加熱装置を提供する。
【解決手段】ニッケル合金からなる無端状金属ベルトであって、該ニッケル合金が、リン、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、セレン、アンチモン、テルル、ビスマスおよびアスタチンからなる第一の元素群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有するニッケル合金であり、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅が両者とも0.5°〜2.5°であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真装置・静電記録装置等の画像形成装置の加熱定着装置、定着ベルト及びこれらに用いられる無端状金属ベルトに関するものである。
画像形成装置において、電子写真プロセス、静電記録プロセス、磁気記録プロセス等の画像形成プロセス手段部で被記録材(転写材シート・エレクトロファックスシート、静電記録紙、OHPシート、印刷用紙、フォーマット紙等)に転写方式あるいは直接方式で形成担持させた目的の画像情報の未定着画像(トナー画像)を被記録材面に永久固着画像として加熱定着させる定着装置としては熱ローラ方式、あるいはベルト加熱方式の装置が広く用いられていた。
このようなベルト加熱方式におけるベルトとしては耐熱樹脂等が用いられ、特に耐熱性、強度に優れたポリイミド樹脂が用いられている。しかしながら、さらなる高速化、高耐久化の要求に対しては、樹脂ベルトでは強度が不十分であり、SUS、チタン、ニッケルなどの金属を基材とするベルトを用いることが提案されている。
SUS材からなるシームレスベルト基材はスピニングなど塑性加工法によるものである(特許文献1参照)。一般的に、塑性加工法(圧延、引抜き、スピニングなど)によるSUS材質ベルトは、小型・高速・高耐久定着装置に要求されている定着ベルトの小径化(直径18mm以下)および定着基材の薄肉化(厚み15μm以下)に対応できていない状況である。そして、長手方向と円周方向の応力分布が違うため、一方向に揃いクラック発生してしまう恐れがある。また、塑性加工できるベルトの長さ、直径、厚み、寸法精度に対する限界がある。
ニッケル材からなるシームレスベルト基材は、一般にスルファミン酸ニッケル浴や硫酸ニッケル浴などによる電気鋳造法により製造される(特許文献2参照)。また、高周波電磁誘導加熱方式定着器に使われている電鋳ニッケル材としては、通常の光沢電鋳ニッケルの熱劣化を改善した電鋳ニッケル材が用いられる(特許文献3参照)。
こういった電鋳ニッケルベルトの摺動面においては、耐磨耗性を補うためにポリイミドなどの摺動層を設ける場合がある。しかし、ポリイミドをはじめとするいわゆる樹脂系材料の熱抵抗率は基材であるニッケルに比べ約300倍程度大きいため、長い立上げ時間が必要になってしまい、熱伝導度の良いニッケル材のメリットが隠れてしまう。単一金属の電鋳ベルトでは、耐磨耗性、耐熱性、耐屈曲性、耐久性などの要求をすべて満足させる性能を有することが難しい。種々の金属元素の組み合わせることにより、より優れた特性を有する電鋳ベルトを得る可能性がある。
周期表の2族、3族、4族、及び5族に属する少なくとも一種の金属元素を質量分率で10〜10,000ppmの割合で含有することにより、ニッケルめっき結晶の成長を調整して、結晶を整然と成長させ、ニッケルの結晶が(200)面に強く配向するようにして、また、結晶転移温度を高めることで、電鋳ベルトの耐熱老化性、耐久性を向上させる技術が提案されている。しかしながら、小型・高速定着器用の定着ベルトに要求される耐磨耗性、耐屈曲性、耐熱性、耐久性に関しては未だ改善の余地があった(特許文献4参照)。
また、5質量%以上ニッケル以外の他金属を含むニッケル合金では、半値幅を規定することで、金属層のX線回折パターンの(111)結晶面と(200)結晶面の半値幅が両方とも0.5〜2.0になることにより、十分な耐磨耗性、耐久性を確保することが可能である(特許文献5参照)。しかしながら、他金属の含有量が5質量%以上と多く、ニッケル合金の熱伝導率が低下してしまったり、高周波電磁誘導加熱方式の定着器に適用した場合、電磁誘導加熱効率が低くなったりしてしまうため、他金属の含有量を減らす要求があった。
特開2001−225134号公報 特開平09−034286号公報 特開2002−258648号公報 特開2002−241984号公報 特開2005−165291号公報
電子写真用像・静電記録装置等に画像形成装置に用いられる無端状ベルトは長時間耐久性を持たなければならない。更に、加熱定着器の小型化・高速化・高性能性に伴い、無端状金属ベルトには、耐磨耗性、耐屈曲性、耐熱性が要求されている。
本発明は、上記の要求にこたえるためになされたものであり、電鋳ニッケル合金からなる無端状金属ベルトの耐磨耗性を維持しながら、耐屈曲性・耐熱性・耐久性の向上を図ることを目的とする。
上記目的は以下の本発明により達成される。
本発明は、ニッケル合金からなる無端状金属ベルトであって、該ニッケル合金が、リン、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、セレン、アンチモン、テルル、ビスマス、アスタチンからなる第一の元素群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有するニッケル合金であり、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅が両者とも0.5°〜2.5°であることを特徴とする無端状金属ベルトに関する。
また、本発明は、上記無端状金属ベルトを用いた、定着ベルトおよび加熱定着装置に関する。
ニッケル合金からなる無端状金属ベルトであって、該ニッケル合金が、リン、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、セレン、アンチモン、テルル、ビスマスおよびアスタチンからなる第一の元素群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有し、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅が両者とも0.5°〜2.5°であることで、優れた耐屈曲性、耐熱性、良好な耐久性、定着性を持つ高品質な定着ベルトを提供することができる。
本発明の定着ベルトの層構成模型図の一例である。 本発明の定着ベルトの層構成摸型図の一例である。 像加熱装置の概略構成図の一例である。 像加熱装置の概略構成図の一例である。 X線回折パターンにおける内部応力による回折ピークの変化((a)内部応力なし、(b)巨視的内部応力、(c)微視的内部応力)を示す図である。
本発明の実施例の定着ベルトについて説明する。
図1は、定着ベルトの層構成模型図の一例である。定着ベルト10は、本発明の無端状金属ベルトからなるベルト基材1と、その外面に積層したシリコーンゴム弾性層2と、接着層3を介してシリコーンゴム弾性層2に被覆された離型層(例えば、PFAチューブ)4からなる複合構造を有する。定着ベルト10において、無端状金属ベルトの内面が内面側(ベルトガイド面側)であり、離型層4が外面側(加圧ローラ面側)である。また、ベルト基材1とシリコーンゴム弾性層2との間に、接着のためにプライマー層(不図示)を設けてもよい。プライマー層はシリコーン系、エポキシ系、ポリアミドイミド系等の公知のプライマーを使用すればよく、その厚さは、通常、1〜10μm程度である。本発明に係るニッケル合金は耐摩耗性を十分に有するため、無端状金属ベルトの内面或は外面をそのまま摺動面とすることができ、摺動層を無くすことができる。但し、定着ベルトの摺動面にポリイミドのような摺動層を設けてもよい。
図2は本発明例における定着ベルト10’の層構成模型図の他の一例であり、ベルト基材1の表面に、弾性層2を形成せず、接着層3を介して、離型層4を形成した例である。
特に、被記録材上のトナーのり量が少なくトナー層の凹凸が比較的小さいモノクロ画像を加熱定着する場合、このような弾性層2を省略した形態のものとすることができる。定着ベルト10’の場合においても、定着ベルト内面に、ポリイミドのような摺動層を設けることもできるが、必ずしも必要とされない。
定着ベルト10または10’は、セラミックスヒータを用いる場合(図3)でも、電磁誘導加熱方式に用いる場合(図4)でも、十分な物理的、機械的な機能を果たせる。
a.ベルト基材1
ベルト基材には、ニッケル合金からなる無端状金属ベルトを用いる。無端状ニッケル合金ベルトは、例えば、ステンレス材などからなる円柱状或いは円筒状母型を電鋳浴に浸漬させ、母型の表面或は内面に、電鋳プロセスにより成膜して得ることができる。
一般的なめっき金属において、母相金属に溶質原子が固溶した状態には二つのタイプがあることが知られている。いわゆる浸入型固溶体と置換型固溶体と呼ばれるものである。
前者は溶質原子が炭素、窒素、水素原子の如く原子直径が母相原子直径と比べて著しく小さい場合で、溶質原子が母相原子間の隙間に入って浸入型固溶体を作り、母相格子を強くひずませる。一方、溶質原子と母相原子との原子直径の差が小さい場合は、溶質原子が母相原子の一部と場所を交替して置換型固溶体を作る。
固溶状態における内部応力には母相金属格子間の収縮あるいは引張り状態(母相金属格子ひずみ)による巨視的応力と、微小領域における溶質の集まりによる微視的応力の2種類が存在することが知られている。これらの状態は材料のX線回折パターンから知ることができる。例えば、図5(a)は材料のX線回折パターンの模式図であるが、これを内部応力のない場合の回折パターンとすると、巨視的応力は図5(b)に示すようにX線回折パターンピーク位置が左右にずれることで観測される。また、微視的応力は図5(c)に示すようにX線パターンピークの半値幅が広がることで観測される。
我々は、以前に、特開2005−165291号公報において、固溶状態における微視的応力と半値幅の関係および微視的応力とニッケル合金製無端状金属ベルトを用いた定着ベルトの耐久の関係について言及した。微視的応力の大きさは半値幅の値として観測することができ、この微視的応力を最適化することで定着ベルトの耐久性を確保することが可能となる。そして、固溶状態における半値幅をある範囲に抑えたニッケル合金製無端状金属ベルトとした場合に、定着ベルトとして十分な耐久性を得られるようになるという知見を得た。
しかしながら、一般的な電鋳ニッケル合金の場合、ニッケル以外の金属元素が5質量%未満の組成では、微視的応力の最適化ができなかった。
この点を改善すべく鋭意研究の結果、特定の金属を含有させることで、5質量%未満の組成でも、微視的応力の最適化が可能となることを見出した。ニッケル以外の金属元素の含有量が5質量%以上と多い場合には、用いる金属元素によってはニッケル合金の熱伝導率が低下してしまったり、高周波電磁誘導加熱方式の定着器に適用した場合、電磁誘導加熱効率が低くなったりするという課題があった。
ニッケル合金からなる無端状金属ベルトに、含有される元素は、半金属系元素、或いは、長周期型周期律表において半金属系元素の周辺に位置する元素である。半金属系元素とは、金属と非金属の中間の物質であり、金属性伝導を示すが、通常の金属より電気伝導度は低いものである。本発明において用いることのできる元素(第一の元素群)は、具体的には、リン、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、セレン、アンチモン、テルル、ビスマス、アスタチンが挙げられる。本発明の無端状金属ベルトにおいては、これらの元素が少なくとも一種含有されており、中でもリン、ホウ素が好適である。
上記第一の元素群に含まれる元素を加えることで、ニッケル以外の金属元素が5%未満の組成でも、微視的応力の最適化が可能となる。そして、X線回折パターンにおける(111)結晶面と(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅を0.5°〜2.5°(より好ましくは、0.5°〜2.0°)とすることによって、良好な耐久性が得られるようになる。上記第一の元素群に含まれる元素の含有量は、0.001質量%〜12.000質量%であることが好ましい。上記範囲内である場合には、微視的応力の最適化効果が生じ、十分な耐久性が得られる。また、成膜したベルトがステンレス母型から脱型しにくくなることが抑制され、成膜中の応力バランスを維持でき、ベルトが割れやすくなるといった不具合を抑制できる。さらには、電鋳プロセス制御のためには、0.015質量%〜10.000質量%であることがより好ましい。また、上記の範囲内である場合には、良好な耐熱性と耐屈曲性との両立を図ることができる。更に好ましくは0.015質量%以上5.000質量%未満であり、特に好ましくは0.015質量%〜3.000質量%である。
また、ニッケル合金製無端状金属ベルトには、ニッケル及び上記第一の元素群以外の元素を含有させてもよく、鉄を含有させることが好ましい。鉄の含有量としては、0.100質量%〜60.000質量%が好ましい。鉄を上記範囲で含有させた場合には、良好な熱伝導率を維持することができる。
また、ニッケル合金製無端状金属ベルトには、ニッケル及び上記第一の元素群以外の元素を含有させてもよく、例えば、コバルト、マンガン、タングステン及びモリブデンからなる群(第二の元素群)より選ばれる金属元素を含有させることができる。上記第二の元素群から選ばれる元素としては、磁気特性・発熱特性の観点からコバルトがより好ましい。上記第二の元素群に含まれる元素の含有量の範囲は0.100質量%〜60.000質量%が好ましい。この範囲内にある場合には、良好な耐磨耗性、耐屈曲性、耐久性、耐久性が得られ、また、ベルトの内部応力のバランスを良好に取ることができ、ベルトの割れを抑制することができる。さらに、電鋳プロセス制御の観点から、1.000質量%〜50.000質量%以下がより好ましい。
また、熱伝導率や電磁誘導加熱効率を考慮した場合には、上記第一の元素群に含まれる元素と第二の元素群に含まれる元素との合計を、1.000質量%以上5.000質量%未満とすることが好ましい。
本発明のニッケル合金製無端状金属ベルトは、例えばステンレス鋼製などの母型を陰極として、電鋳プロセスより製造することができる。この場合の電鋳浴としては、例えば必要な他金属成分を加えたスルファミン酸ニッケル或いは硫酸ニッケルなどの公知のニッケル電鋳浴を用いることができ、pH調整剤、ピット防止剤、光沢剤などの添加剤を適宜加えてもよい。
pH調整剤としてはスルファミン酸、硫酸等;ピット防止剤としてはラウリル硫酸ナトリウム等;応力減少剤・一次光沢剤としてはサッカリン、サッカリンナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム等;二次光沢剤としてはブチンジオール、クマリン、ジエチルトリアミン等;を用いることができる。
例えば、ニッケル電鋳浴の基本浴組成としては、スルファミン酸ニッケル400〜650g/l、塩化ニッケル0〜60g/l、ホウ酸が20〜50g/l、界面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム0.01〜2g/l、一次光沢剤サッカリン5〜300mg/l、二次光沢剤ブチンジオール10〜1000mg/lなどを含有するものを挙げることができる。
ニッケル以外の金属元素群をニッケルと共析させるには、上記基本浴にスルファミンサンコバルト、硫酸コバルト、硫酸第一鉄、スルファミン酸マンガン、タングステン酸ナトリウム、モリブテン酸ナトリウムを適量加えればよい。尚、基本浴のホウ酸はホウ素の共析には関与しないものである。
リンをニッケルと共析させるには、例えば次亜リン酸ナトリウム一水和物、亜リン酸、亜リン酸ナトリウムなどの水溶性リン含有酸を塩の形態でニッケル電鋳浴に添加すればよい。ホウ素は、例えばトリメチルアミノボランのような水溶性有機ホウ素化合物の形態でニッケル電鋳浴に添加することによりニッケルと共析させることができる。
さらに、上記ニッケル電鋳浴の各成分濃度調整と共に、陰極電流密度、電鋳浴pH値、添加する光沢剤濃度、電解浴温度などを制御することによって、所望の金属含有量で、且つ所望の回折ピークの半値幅を有したニッケル合金ベルトが得られる。
電鋳プロセスに用いる電解浴によっても異なるが、通常、陰極電流密度1〜30A/dm程度、電鋳浴pH値1〜9程度、電解浴温度30〜65℃程度で行うことが好ましい。
電鋳ニッケル合金ベルトの耐屈曲性・耐熱性・耐久性は、電鋳条件(めっき浴の組成、電流密度、pH、撹拌方法、温度など)の影響を受ける。電鋳ニッケル合金浴組成の制御に加え、電鋳プロセスの電流密度、浴のpH値を制御することにより、ニッケルと共に他元素を共析させることができるようになる。加えて、ベルト電鋳ニッケル合金基材のX線回折パターンにおいて、(111)結晶面と(200)結晶面の回折ピークの半値幅が0.5°〜2.5°であることが実現でき、高硬度、高強度を有すると共に、優れた耐屈曲特性、耐熱性が得られる。耐屈曲性が厳しく要求される小口径定着ベルトに用いる場合においても、上記のニッケル合金ベルトの耐屈曲性が優れているため、高耐久性は確実に確保できる。
熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、ベルト基材の厚みは100μm以下であることが好ましく、製造上の観点からは10μm以上であることが好ましい。
b.弾性層2
弾性層2は必ずしも必要ではないが、弾性層を設けることにより、定着ベルト離型層表面の未定着トナー像表面への追従性を増し、熱を効率よく伝達させることが可能になる。
弾性層2を設けた定着ベルトは、特に、未定着トナーののり量が多いカラー画像の加熱定着に適している。
弾性層2の材質としては、特に限定されず、耐熱性がよく、熱伝導率がよいものを選べばよい。弾性層2としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が好ましく、特にシリコーンゴムが好ましい。
弾性層に使用されるシリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリトリフルオロプロピルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらポリシロキサンの共重合体等を例示することができる。
なお、必要に応じて、弾性体層には、乾式シリカ、湿式シリカ等の補強用充填材や、炭酸カルシウム、石英紛、珪酸ジルコニウム、クレー(珪酸アルミニウム)、タルク(含水珪酸マグネシウム)、アルミナ(酸化アルミニウム)、ベンガラ(酸化鉄(III))等を含有させてもよい。
弾性層2の厚さは、定着画像品質を高める観点から、10μm以上(特に50μm以上)が好ましく、1000μm以下(特に500μm以下)が好ましい。カラー画像を印刷する場合、特に写真画像等では被記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が形成される。この場合、被記録材の凹凸あるいはトナー層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ムラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分とで画像に光沢ムラが発生する場合がある。つまり、伝熱量が多い部分は光沢度が高くなり、伝熱量が少ない部分では光沢度が低くなる。弾性層の厚さが上記範囲にある場合には、凹凸に対する良好な追従が可能となり、画像光沢ムラの発生を抑制することができ、更に、弾性層の熱抵抗が適度であり、クイックスタートを実現できる。
弾性層2の硬度(国際規格と整合し1993年に制定されたJIS−K−6253(ISO−7619)1993)は、60゜以下が好ましく、45゜以下が特に好ましい。この場合、画像光沢ムラの発生が十分抑制され、より良好な定着画像品質が得られる。
弾性層2の熱伝導率λは、0.25[W/m・K]以上(特に0.33[W/m・K]以上)が好ましく、2.00[W/m・K]以下(特に1.50[W/m・K]以下)が好ましい。熱伝導率λが上記範囲にある場合、定着ベルトの表層(離型層3)における温度上昇の速さを維持しつつ、硬度の上昇や圧縮永久歪みの悪化を抑制することができる。
このような弾性体層は公知の方法、例えば、液状のシリコーンゴム等の材料をブレードコート法等の手段によって金属層上に均一な厚みでコートし、加熱硬化する方法;液状のシリコーンゴム等の材料を成形型に注入し加硫硬化する方法;押出成形後に加硫硬化する方法;射出成形後に加硫硬化する方法等で形成すればよい。
c.離型層3
離型層3の材料としては特に限定されず、離型性、耐熱性のよいものを選べばよい。離型層3としては、PFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムが好ましく、特にPFAが好ましい。なお、必要に応じて、離型層にはカーボンブラック、酸化スズ等の導電剤を離型層の10質量%以下の範囲で含有させることもできる。
離型層3の厚さは1μm以上が好ましく、100μm以下が好ましい。離型層3の厚さが上記範囲内である場合には、十分な耐久性と良好な熱伝導性とを両立できる。
このような離型層は公知の方法、例えば、フッ素樹脂系の場合、フッ素樹脂粉末を分散塗料化したものをコート・乾燥・焼成により、あるいは予めチューブ化したものを被覆・接着する方法で形成すればよく、ゴム系の場合、液状の材料を成形型に注入し加硫硬化する方法;押出成形後に加硫硬化する方法;射出成形後に加硫硬化する方法等で形成すればよい。
また、予め内面プライマー処理されたチューブと、予め表面プライマー処理されたニッケルベルトとを円筒母型内に装着し、チューブとニッケルベルトとの間の隙間に液状シリコーンゴムを注入し、ゴムを硬化して接着する手法を用いれば、弾性層、離型層を同時に形成することも可能である。
なお、定着ベルトの摺動面にポリイミドのような摺動層を設けることもできるが、必ずしも必要ではない。
次に、本発明の加熱定着装置について説明する。
図3は加熱定着装置200の横断面模型図の一例である。本例において加熱定着装置200は加熱体としてセラミックヒータを用いたベルト加熱方式の装置であり、定着ベルト10は前述の本発明のものである。定着ベルトは、装置の小型化のため、内径30mm以下であることが好ましい。
ベルトガイド216は耐熱性・断熱性のベルトガイドである。加熱体としてのセラミックヒータ212は、ベルトガイド216の下面のほぼ中央部にガイド長手に沿って形成具備させた溝部に嵌入して固定支持させてある。そして、円筒状もしくはエンドレス状の本発明の定着ベルト10はベルトガイド216にルーズに外嵌させてある。
加圧用剛性ステイ222はベルトガイド216の内側に挿通してある。
加圧部材230は、本例では弾性加圧ローラである。この加圧部材230は、芯金230aにシリコーンゴム等の弾性層230bを設けて硬度を下げたもので、芯金230aの両端部を装置の不図示の手前側と奥側のシャーシ側板との間に回転自由に軸受け保持させて配設してある。弾性加圧ローラは、表面性を向上させるために、さらに外周にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等のフッ素樹脂層を設けてもよい。
加圧用剛性ステイ222の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材(不図示)との間にそれぞれ加圧バネ(不図示)を縮設することで、加圧用剛性ステイ222に押し下げ力を作用させている。これにより、ベルトガイド部材216の下面に配設した摺動板240の下面と加圧ローラ230上面とが定着ベルト10を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ部Nが形成される。なお、ベルトガイド部材216としては、耐熱フェノール樹脂、LCP(液晶ポリエステル)樹脂、PPS(ポリフェニレンスルフィド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂など、耐熱性に優れた樹脂を用いる。
加圧ローラ230は、駆動手段により矢印で示すように反時計方向に回転駆動される。
この加圧ローラ230の回転駆動による加圧ローラ230と定着10との外面との摩擦力で定着ベルト10に回転力が作用して、定着ベルト10はその内面が定着ニップ部Nにおいてセラミックヒータ212の下面に密着して摺動しながら、矢印で示すように時計方向に加圧ローラ230の回転周速度にほぼ対応した周速度でベルトガイド216の外回りに回転する(加圧ローラ駆動方式)。
プリントスタート信号に基づいて加圧ローラ230の回転が開始され、またセラミックヒータ212のヒートアップが開始される。加圧ローラ230の回転による定着ベルト10の回転周速度が定常化し、セラミックヒータ212の温度が所定温度に立ち上がった状態において、定着ニップ部Nの定着ベルト10と加圧ローラ230との間に被加熱材としてのトナー画像tを担持させた被記録材Pがトナー画像担持面側を定着ベルト10側にして導入される。そして、被記録材Pは定着ニップ部Nにおいて定着ベルト10を介してセラミックヒータ212の下面に密着し、定着ベルト10と一緒に定着ニップ部Nを移動通過していく。その移動通過過程において、セラミックヒータ212の熱が定着ベルト10を介して被記録材Pに付与され、トナー画像tが被記録材P面に加熱定着される。定着ニップ部Nを通過した被記録材Pは定着ベルト10の外面から分離して搬送される。
加熱体としてのセラミックヒータ212は、定着ベルト10・被記録材Pの移動方向に直交する方向を長手とする低熱容量の横長の線状加熱体である。窒化アルミニウム等でできたヒータ基板と、このヒータ基板の表面にその長手に沿って設けた発熱層212a(例えばAg/Pd(銀/パラジウム)等の電気抵抗材料を約10μm、幅1〜5mmにスクリーン印刷等により塗工して設けた層)と、さらにその上に設けたガラスやフッ素樹脂等の保護層212bを基本構成とするものである。なお、用いるセラミックヒータはこのようなものに限定されるわけではない。
そして、セラミックヒータ212の発熱層212aの両端間に通電されることで発熱層212aは発熱し、ヒータ212が急速に昇温する。そのヒータ温度が温度センサ(不図示)に検知され、ヒータ温度が所定の温度に維持されるように制御回路(不図示)で発熱層212aに対する通電が制御されてヒータ212は温調管理される。
セラミックヒータ212は、ベルトガイド216の下面のほぼ中央部にガイド長手に沿って形成具備させた溝部に、保護層212b側を上向きに嵌入して固定支持させてある。
定着ベルト10と接触する定着ニップ部Nには、このセラミックヒータ212の摺動部材240の面と定着ベルト10の内面が相互接触摺動する。ニップ巾は記録紙のニップ滞留時間確保する為、プロセススピードに対応して変更される。100mm/sec以上のプロセススピードに対してニップ巾は5mm以上に設定することが好ましい。
本発明の無端状金属ベルト及びそれを用いた定着ベルトは、図4のような電磁誘導加熱定着装置にも対応している。
図4は、本発明の加熱定着装置の他の実施形態の横断面を示す模式図である。加熱定着装置300は、電磁誘導加熱タイプのベルト加熱方式の加熱定着装置であり、定着ベルトは上述した本発明の定着ベルトである。
加熱定着装置300において、磁場発生手段は、磁性コア17a、17bおよび17cならびに励磁コイル18からなる。
磁性コア17a〜17cは高透磁率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったトランスのコアに用いられる材料が好ましく、特に100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いることが好ましい。
励磁コイル18は、コイル(線輪)を構成する導線(電線)として一本ずつがそれぞれ絶縁被覆された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、これを複数回巻いて形成されている。本実施形態においては11ターン巻いて励磁コイル18を形成している。
絶縁被覆は、定着ベルト10の発熱による熱伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いることが好ましい。例えば、ポリイミド樹脂により被覆したもの等を用いるのが好ましい。ここで、励磁コイル18の外部から圧力をかけて密集度を向上させてもよい。
磁場発生手段と加圧用剛性ステイ22との間には絶縁部材19が配設されている。絶縁部材19の材質としては、絶縁性に優れ、耐熱性に優れたものがよい。例えば、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂、PES(ポリエーテルスルホン)樹脂、PPS(ポリフェニレンスルフィド)樹脂、PFA(テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルエーテル共重合体)樹脂、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)樹脂、FEP(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体)樹脂、LCP(液晶ポリエステル)樹脂等が好ましく挙げられる。
励磁コイル18は、給電部(不図示)に励磁回路(不図示)が接続されている。この励磁回路(不図示)としては、20kHzから500kHzの高周波をスイッチング電源で発生できるようになっているものが好ましい。励磁コイル18は励磁回路(不図示)から供給される交番電流(高周波電流)によって交番磁束を発生する。
磁性コア17a〜17cに導かれた交番磁束は、定着ベルト10の金属ベルト層(電磁誘導発熱層)(図1、図2における符号1)に渦電流を発生させる。この渦電流は金属ベルト層(電磁誘導発熱層)の固有抵抗によって金属ベルト層(電磁誘導発熱層)にジュール熱(渦電流損)を発生させる。ここでの発熱量Qは金属ベルト層(電磁誘導発熱層)1を通る磁束の密度によって決まる。ニップ部Nの温度は、不図示の温度検知手段を含む温調系により励磁コイル18に対する電流供給を制御することで所定の値に維持されるように温調される。図4に示した実施形態においては、温度センサ26は定着ベルト10の温度を検知するサーミスタ等であり、温度センサ26で測定した定着ベルト10の温度情報をもとにニップ部Nの温度を制御するようになっている。
加圧部材としての加圧ローラ30は、芯金30aと、芯金の外周部に同心一体にローラ状に成形被覆させた、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等の耐熱性の弾性材料からなる弾性層30bとで構成されている。加圧ローラ30は、芯金30aの両端部を装置の不図示のシャーシ側板間に回転自由に軸受け保持させて配設されている。
加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャーシ側のバネ受け部材(不図示)との間にそれぞれ加圧バネ(不図示)を縮設することで、加圧用剛性ステイ22に押し下げ力を作用させている。これにより、ベルトガイド部材16の下面に配設した摺動板40の下面と加圧ローラ30の上面とが定着ベルト10を挟んで圧接して所定幅のニップ部Nが形成される。なお、ベルトガイド部材16としては、耐熱フェノール樹脂、LCP(液晶ポリエステル)樹脂、PPS(ポリフェニレンスルフィド)樹脂、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂等の耐熱性に優れた樹脂から形成されたものを用いることが好ましい。
加圧ローラ30は、駆動手段Mにより矢印で示すように、反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動による加圧ローラ30と定着ベルト10との摩擦で定着ベルト10に回転力が作用して、定着ベルト10が、その内面がニップ部Nにおいて摺動板40の下面に摺動しながら、矢印で示すように時計方向に、加圧ローラ30の回転速度にほぼ対応した周速度で、ベルトガイド部材16の外回りを回転する。
こうして、加圧ローラ30が回転駆動され、それに伴って定着ベルト10が回転し、励磁回路(不図示)から励磁コイル18への給電により上記のように定着ベルト10の電磁誘導発熱がなされ、ニップ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、画像形成手段部から搬送された未定着トナー画像tが形成された被記録材Pが、ニップ部Nの定着ベルト10と加圧ローラ30との間に画像面が上向き、すなわち定着ベルト面に対向して導入される。そして、ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト10の外面に密着し、定着ベルト10と一緒にニップ部Nを挟持搬送されていく。この過程において、定着ベルト10の電磁誘導発熱によって加熱されて未定着トナー画像tが被記録材P面に加熱定着される。被記録材Pは定着ニップ部Nを通過すると、定着ベルト10の外面から分離して排出搬送されていく。
被記録材上の加熱定着されたトナー画像はニップ部Nを通過後、冷却して固着像となる。本実施形態においては定着装置にオフセット防止のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質を含有させていないトナーを使用した場合にはオイル塗布機構を設けてもよい。また、低軟化物質を含有させたトナーを使用した場合においてもオイル塗布や冷却を行って被記録材Pを分離して排出搬送を行ってもよい。
また、加圧部材30は加圧ローラのようなローラ形状を有する定着部材に限らず、回動フィルム型等他の形態の定着部材とすることもできる。また、加圧ローラ30側からも被記録材Pに熱エネルギーを供給するために、加圧ローラ30側にも電磁誘導加熱方式等の発熱手段を設けて所定の温度に加熱し、温調した装置構成とすることもできる。
本発明においては、無端状金属ベルト(ベルト基材)中のニッケル、鉄及び他金属元素組成(第二の元素群)は理学株式会社製RIX3000型蛍光X線分析装置を用いて定量分析した。また、無端状金属ベルト(ベルト基材)中の微量の他元素(第一の元素群)はセイコー株式会社製の誘導結合プラズマ発光分析装置(ICP Vista−PRO)を用い定量分析した。
また、無端状金属ベルト(ベルト基材)中のX線回折パターンは、X線回折装置(理学株式会社製RINT2000型X線回折装置、波長1.54059オングストローム)を用いて測定し、該パターンの解析からX線回折ピークの半値幅を得た。
[実施例1]
硫酸ニッケル6水和物:140.000g
硫酸第一鉄:0.200g
ホウ酸:30.000g
塩化ナトリウム:25.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物:0.100g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を50℃、pHを2.6、電流密度を6A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)は、外周長400mm、内径30mm、厚み30μmであり、組成はNi(99.85質量%)−Fe(0.10質量%)−P(0.05質量%)であった。そして、(111)結晶面、(200)結晶面の回折ピークの半値幅は、それぞれ0.50、0.60であった。
更に、電鋳ニッケル合金ベルト基材の上に、弾性層2として300μmシリコーンゴム、離型層3として30μmPFAチューブを各々プライマー層を介して積層し、図1に示されるような構成の定着ベルトを得た。
[実施例2]
亜リン酸ナトリウム水和物の量を1.500gに変更する以外は実施例1と同様にして、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(97.90質量%)−Fe(0.10質量%)−P(2.00質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例3]
硫酸第一鉄の量を4.000gに変更し、更に、亜リン酸ナトリウム水和物の代わりにトリメチルアミノボラン0.150gを用いる以外は実施例1と同様にして、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.90質量%)−Fe(3.00質量%)−B(0.10質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例4]
硫酸第一鉄の量を15.000gに変更し、更に、亜リン酸ナトリウム水和物の量を0.400gに変更する以外は実施例1と同様にして、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(78.50質量%)−Fe(20.00質量%)−P(1.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例5]
硫酸第一鉄の量を20.000gに変更し、更に、亜リン酸ナトリウム水和物の代わりにトリメチルアミノボラン0.050gを用いる以外は実施例1と同様にして、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(54.95質量%)−Fe(45.00質量%)−B(0.05質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例6]
スルファミン酸ニッケル:450.000g
スルファミン酸コバルト:7.500g
ホウ酸:30.000g
塩化ニッケル:28.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.030g
二次光沢剤(ブチンジオール):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物0.400g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を50℃、pHを2.6、電流密度を10A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.50質量%)−Co(3.00質量%)−P(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例7]
スルファミン酸ニッケル:450.000g
スルファミン酸マンガン:90.000g
ホウ酸:30.000g
塩化ニッケル:25.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.030g
二次光沢剤(ブチンジオール):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物0.400g
を水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。
そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を50℃、pHを2.6、電流密度を10A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(98.50質量%)−Mn(1.00質量%)−P(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例8]
硫酸ニッケル6水和物:60.000g
硫酸タングステン2水和物:3.500g
ホウ酸:30.000g
塩化ナトリウム:25.000g
クエン酸:36.700g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物:0.400g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を65℃、pHを2.0、電流密度を5A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.50質量%)−W(3.00質量%)−P(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例9]
硫酸第一鉄の量を2.00gに変更し、更に、亜リン酸ナトリウム水和物の代わりにメタンスルホン酸ビスマス0.50gを用いる以外は実施例1と同様にして、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.50質量%)−Fe(3.00質量%)−Bi(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例10]
硫酸ニッケル6水和物:47.800g
モリブテン酸ナトリウム2水和物:3.630g
クエン酸ナトリウム:82.240g
ホウ酸:30.000g
塩化ナトリウム:25.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.100g
ピット防止剤(ドデシル硫酸ナトリウム):0.010g
亜リン酸ナトリウム水和物0.400g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を40℃、pHを5.0、電流密度を8A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.50質量%)−Mo(3.00質量%)−P(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[比較例1]
硫酸ニッケル6水和物:140.000g
硫酸第一鉄:2.000g
ホウ酸:30.000g
塩化ナトリウム:25.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を50℃、pHを3.8、電流密度を6A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)は、外周長400mm、内径30mm、厚み30μmであり、組成はNi(99.00質量%)−Fe(1.00質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[比較例2]
スルファミン酸ニッケル:450.000g
スルファミン酸コバルト:75.000g
シュウ化ニッケル:14.000g
ホウ酸:30.000g
塩化ニッケル:28.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.030g
二次光沢剤(ブチンジオール):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物:14.000g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、pH4、浴温度50℃、電流密度2A/dmの条件下で母型の表面に成膜させ、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(34.00質量%)−Co(50.00質量%)−P(16.00質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[比較例3]
スルファミン酸ニッケル:450.000g
スルファミン酸コバルト:2.000g
シュウ化ニッケル:9.000g
ホウ酸:30.000g
塩化ニッケル:28.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.030g
二次光沢剤(ブチンジオール):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物:0.050g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、pH4、浴温度50℃、電流密度10A/dmの条件下で、母型の表面に成膜させ電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(98.09質量%)−Co(1.00質量%)−P(0.01質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[比較例4]
スルファミン酸ニッケル:450.000g
スルファミン酸コバルト:0.500g
ホウ酸:30.000g
塩化ニッケル:20.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.025g
二次光沢剤(ブチンジオール):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.500g
メタンスルホン酸ビスマス:0.500g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を50℃、pHを4.0、電流密度を10A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(99.00質量%)−Co(0.50質量%)−Bi(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
{空回転実験}
まず、実施例1〜10、比較例1〜4で製造した定着ベルトを図3で示される構成の定着器に装着し、空回転実験を以下の条件で行った。
空回転耐久テストは、220℃に温調しながら、所定の加圧力で加圧ローラを定着ベルトに押し付け、定着ベルトを加圧ローラに従動回転させた。加圧ローラは、肉厚3mmシリコーン層に30μmのPFAチューブを被覆した外径30mmのゴムローラを用いた。
本実施例では、加圧力は200N、定着ニップは8mm×230mmであり、定着ベルトの表面速度は100mm/secとなる条件に定めた。各定着ベルトをそれぞれ上記回転試験に供し、ベルトの亀裂・破断を発生するまでの時間を耐久時間とした。
実施例1〜5のニッケル−鉄−リン(或いはホウ素)の合金では、ニッケル以外の金属である鉄の含有量に応じて、リン或いはホウ素の含有量を調整することにより、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅0.5°以上を確保できた。この合金を基材として含む無端状金属ベルトを用いた定着ベルトでは、耐久時間500時間以上を達成できた。
実施例6〜8のニッケル−コバルト(或いはマンガン、タングステン)−リン合金では、ニッケル以外の金属であるコバルト、マンガン、タングステンの含有量が少なくても、リンを0.50質量%含有させることによって、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅0.5°以上を確保できた。この合金を基材として含む無端状金属ベルトを用いた定着ベルトでは、耐久時間500時間以上を達成できた。
実施例9では、ニッケル−鉄合金にビスマスを添加しても、ニッケル合金のX線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅0.5°以上を確保できた。この合金を基材として含む無端状金属ベルトを用いた定着ベルトでは、耐久時間500時間以上を達成できた。
実施例10では、ニッケル以外の金属をモリブデンにしても、リンを0.50質量%含有させることにより、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅0.5°以上を確保できた。この合金を基材として含む無端状金属ベルトを用いた定着ベルトでは、耐久時間500時間以上を達成できた。
比較例1は、ニッケルに1.00質量%鉄を含有させ、本願発明で規定する元素を添加しなかった合金を用いた例であるが、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅が0.5°未満となった。この合金を基材として含む無端状金属ベルトを用いた定着ベルトでは、耐久時間が240時間であった。
比較例2は、ニッケルに50.00質量%コバルト、16.00質量%リンを含有させた合金を用いた例であるが、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅が2.5°を超えた。この合金を基材として含む無端状金属ベルトを用いた定着ベルトでは、耐久時間が150時間であった。
比較例3は、ニッケルに1.00質量%コバルト、0.01質量%リンを含有させた例であるが、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅が0.5°未満であった。この合金を基材として含む無端状金属ベルトを用いた定着ベルトでは、耐久時間が200時間であった。
比較例4は、ニッケルに0.50質量%コバルト、0.50質量%ビスマスを含有させた例であるが、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅が0.5°未満であった。この合金を基材として含む無端状金属ベルトを用いた定着ベルトでは、耐久時間が350時間であった。
Figure 2012212184
{耐久通紙実験}
さらに、上記定着装置をフルカラーレーザービームプリンターLBP−2040(キヤノン(株)製)に組み込み、加圧力200N、定着ニップ8mm×230mm、定着温度200℃、プロセススピード100mm/secに設定して、10万枚耐久画出し試験を行った。尚、定着ベルト内面に潤滑剤としてグリス(ダウ コーニング アジア社製 HP300)を0.9g塗布した。
実施例1〜10の定着ベルトを用いたものは、10万枚耐久画出し試験をトラブルなく終えることができた。
1 ベルト状基材
2 シリコーンゴム弾性層
3 接着層
4 離型層
10,10’ 定着ベルト
200,100 加熱定着装置
212 セラミックヒータ
212a セラミックヒータの発熱層
212b セラミックヒータの保護層
216 ベルトガイド
222 加圧用剛性ステイ
230 加圧部材(加圧ローラ)
230a 加圧部材の芯金
230b 加圧部材の弾性層
240 摺動板
N 定着ニップ部
t トナー画像
P 被記録材
16 ベルトガイド部材
17 磁性コア
18 励磁コイル
22 加圧用剛性ステイ
26 温度センサ
30 加圧ローラ
40 摺動板
上記目的は以下の本発明によって達成される。
本発明は、ニッケル合金からなる無端状金属ベルトであって、
該ニッケル合金は、
金属元素と、
リンまたはホウ素とからなり、
該金属元素が、ニッケルおよび鉄であり、かつ、
該ニッケル合金のX線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅が両者とも0.5°〜2.5°であることを特徴とする無端状金属ベルトに関する(但し、ニッケル合金中の鉄の含有量が5質量%未満であるものを除く)
また、本発明は、上記無端状金属ベルトを用いた、定着ベルトおよび加熱定着装置に関する。
[実施例1]
本例は参考例である。
硫酸ニッケル6水和物:140.000g
硫酸第一鉄:0.200g
ホウ酸:30.000g
塩化ナトリウム:25.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物:0.100g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を50℃、pHを2.6、電流密度を6A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)は、外周長400mm、内径30mm、厚み30μmであり、組成はNi(99.85質量%)−Fe(0.10質量%)−P(0.05質量%)であった。そして、(111)結晶面、(200)結晶面の回折ピークの半値幅は、それぞれ0.50、0.60であった。
更に、電鋳ニッケル合金ベルト基材の上に、弾性層2として300μmシリコーンゴム、離型層3として30μmPFAチューブを各々プライマー層を介して積層し、図1に示されるような構成の定着ベルトを得た。
[実施例2]
本例は参考例である。
亜リン酸ナトリウム水和物の量を1.500gに変更する以外は実施例1と同様にして、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(97.90質量%)−Fe(0.10質量%)−P(2.00質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例3]
本例は参考例である。
硫酸第一鉄の量を4.000gに変更し、更に、亜リン酸ナトリウム水和物の代わりにトリメチルアミノボラン0.150gを用いる以外は実施例1と同様にして、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.90質量%)−Fe(3.00質量%)−B(0.10質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例6]
本例は参考例である。
スルファミン酸ニッケル:450.000g
スルファミン酸コバルト:7.500g
ホウ酸:30.000g
塩化ニッケル:28.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.030g
二次光沢剤(ブチンジオール):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物0.400g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を50℃、pHを2.6、電流密度を10A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.50質量%)−Co(3.00質量%)−P(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例7]
本例は参考例である。
スルファミン酸ニッケル:450.000g
スルファミン酸マンガン:90.000g
ホウ酸:30.000g
塩化ニッケル:25.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.030g
二次光沢剤(ブチンジオール):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物0.400g
を水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。
そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を50℃、pHを2.6、電流密度を10A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(98.50質量%)−Mn(1.00質量%)−P(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例8]
本例は参考例である。
硫酸ニッケル6水和物:60.000g
硫酸タングステン2水和物:3.500g
ホウ酸:30.000g
塩化ナトリウム:25.000g
クエン酸:36.700g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.300g
ピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.020g
亜リン酸ナトリウム水和物:0.400g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を65℃、pHを2.0、電流密度を5A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.50質量%)−W(3.00質量%)−P(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例9]
本例は参考例である。
硫酸第一鉄の量を2.00gに変更し、更に、亜リン酸ナトリウム水和物の代わりにメタンスルホン酸ビスマス0.50gを用いる以外は実施例1と同様にして、電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.50質量%)−Fe(3.00質量%)−Bi(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。
[実施例10]
本例は参考例である。
硫酸ニッケル6水和物:47.800g
モリブテン酸ナトリウム2水和物:3.630g
クエン酸ナトリウム:82.240g
ホウ酸:30.000g
塩化ナトリウム:25.000g
応力減少剤(サッカリンナトリウム):0.100g
ピット防止剤(ドデシル硫酸ナトリウム):0.010g
亜リン酸ナトリウム水和物0.400g
水溶液1リットル当りに上記化合物を含有する水溶液(電鋳ニッケル合金浴)を調製した。そして、ステンレス鋼製の母型を陰極として、浴温度を40℃、pHを5.0、電流密度を8A/dmに制御し、母型の表面に成膜させ電鋳ニッケル合金ベルト基材を作製した。得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材(ニッケル合金無端状ベルト)の組成は、Ni(96.50質量%)−Mo(3.00質量%)−P(0.50質量%)であった。
得られた電鋳ニッケル合金ベルト基材を用いて、実施例1と同様にして定着ベルトを得た。

Claims (5)

  1. ニッケル合金からなる無端状金属ベルトであって、該ニッケル合金が、リン、ホウ素、ケイ素、ゲルマニウム、セレン、アンチモン、テルル、ビスマスおよびアスタチンからなる第一の元素群から選ばれる少なくとも一種の元素を含有するニッケル合金であり、X線回折パターンにおける(111)結晶面及び(200)結晶面のX線回折ピークの半値幅が両者とも0.5°〜2.5°であることを特徴とする無端状金属ベルト。
  2. 第一の元素群から選ばれる元素が、リン又はホウ素であることを特徴とする請求項1に記載の無端状金属ベルト。
  3. 該ニッケル合金が、Fe、Co、MnおよびWからなる第二の元素群より選ばれる少なくとも一種の元素を更に含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の無端状金属ベルト。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の無端状金属ベルトからなる金属層と、離型層とを少なくとも有することを特徴とする定着ベルト。
  5. ベルト形状を有する定着部材と該定着部材に対向する部材とで形成されたニップ部に、未定着画像を保持する転写材を通過させ、未定着画像を転写材に加熱定着させる加熱定着装置であって、該ベルト形状を有する定着部材が、請求項1乃至3のいずれかに記載の無端状金属ベルトからなる金属層と、離型層とを少なくとも有する定着ベルトであることを特徴とする加熱定着装置。
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